優「春香を記憶喪失にしちゃった……」 (13)

春香(今は美月会長に合わせて、後でそれとなく伝えよう)

春香「……ん?」

優「……」

春香「?」

優「んっ!」

ゴスッ!

春香「きゃっ!!」

ドサッ

優「お姉ちゃん! いつまで寝てるの! 早く起きて! 朗読劇なんだから!」

美月「ろ、朗読劇!? 早く言いなさいよ!」

春香「」

優「む、春香もいつまでも倒れてないで起きて!」

ゆさゆさ

優「……春香? ねえ、春香? 早く起きてよ、ねえってば、春香?」

優「は、はるか?」

病室

優「ごめんね、ごめんねはるかぁ……」

優「私があんなことで嫉妬しなかったら、春香に頭突きなんてしなかった良かったのに……ごめんね、ごめんねはるかぁっ!」

優「うぅ、ひっく……ぐす……う、うぅぅ……」

優「うわああああああああああああん!!!」

優「ごめんっ、ごめんなさいっ! 私、私っ!!!」

優「はるか、はるかぁ……起きてよ、ねえ、起きてよぉっ……」

優「キス、してあげる……だから、だから起きて、春香……んっ」

優「……あ、あははっ、白雪姫じゃないんだから、こんなのじゃ、ダメだよね」

春香「……んん」

優「っ!? 春香!?」

春香「ん……あれ、ここは……」

優「は、はるかぁっ!!!」

春香「えっ、えぇっ!? あ、あの、どちら様ですか!?」

優「……え?」

春香「記憶喪失」

春香「なんだか冗談みたいな言葉だけど……自分が誰かもわからないし、本当なんだよね」

春香「……あの女の子」

春香「あの子は一体、誰なんだろう?」

春香「きっと仲の良い友達だったのかな……?」

春香「花飾りの女の子、きっとまたきてくれるよね?」

優の部屋

優「春香、嘘だよね春香……」

優「私に誰って、そんな、冗談だったんだよね春香?」

優「やだ、嫌だ、どうしよう、春香、春香……」

コンコン

美月『優、入るわよ』

ガチャッ

優「あ、お、お姉ちゃん……」

美月「春香さんの具合は、どうだったの?」

優「う、うぅ……」

美月「……優?」

優「うわあああああん!! お姉ちゃぁぁああああああん!!!」

ぎゅっ!

美月「ゆっ、優!?」

病室

コンコン

春香「はい、どうぞ」

ガチャッ

優「は、春香……」

春香「あ、昨日の……来てくれてありがとう」

優「う、うん……」

春香「えっと……」

優「?」

春香「ええっと……あなた、なんて名前なの?」

優「ッ! ゆ、ゆう、園田優……」

春香「そっかぁ、来てくれてありがとう、園田さん」

優「ゆう」

春香「え?」

優「春香は私のこと、優って呼んで!」

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