雪歩「響ちゃんと嵐の夜」 (51)
響「さーいぬ美、ネコ吉、モモ次郎、あとみんなも!ご飯できたぞ~!
ワニ子「グルゥウ」
オウ助「ヤンバルクイナァー」
ウサ江「キッ キィー」
響「ふっふーん!でしょでしょ!今日はいつもよりちょーっと奮発してみたんだ!」
響「へへ、じゃあ自分も食べよーっと」
…プルルルルル プルルル…
響「っと、電話だ はいもしもし我那覇ですけど…」
雪歩「…ひ、響ちゃん…?」ザーーーザー
響「あれ、その声は雪歩?珍しいね自分に電話なんて」
雪歩「お願い…た、助けて…」ザーーー…
……
…
ザーー…
パシャッ パシャッ!
響「はぁっ…はぁっ……雪歩っ!!」
雪歩「ひ、響ちゃん…」ガクガク
…クゥン…
響「…捨て犬…?」
雪歩「…」ブルブル
小さな住宅街の街灯の下
ダンボールに捨てられた子犬…おそらくコーギーだろう…が
濡れて滲んだ「拾ってください」の手紙とともに捨てられていた
雪歩は恐怖を飲み込んでその子犬に傘をさし続けていたようだが
なるべく距離をとろうとしたせいか、雪歩の身体はほとんど傘に入っておらず
華奢な身体は雨に濡れ細かく震えていた…
響「雪歩っ!とにかく自分の家に!」
雪歩「…ご、ごめんね響ちゃん…」ガクガク
ザーー…
…
スロス今ぐぐって知ったワロタ
暇だからのんびりかいてく
……
…
響「さ、入って入って」
雪歩「うう…お邪魔しますぅ…」ブルブル
響「あっ、ちょっと待ってて… いぬ美ー!ごめんな、ちょっとだけ奥の部屋にいっててくれるか?…うん、あり
がとう」
響「お待たせ、はいこれタオル!着替えは自分が用意するから、とにかく雪歩はシャワー浴びてきなよ」
雪歩「あ、ありがとう…」ジワ…
響「自分はこの子のこと見てるから、ゆっくりしてていいからね!」
子犬「クゥーン…」プルプル
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雪歩「はぁ…ありがとう、ごめんね急に押しかけちゃって」
響「わわっ!気にしないでよ、こっちこそありがとう、雪歩がこの子を助けてくれなかったら今頃……うう、自分見直したぞ!」
子犬「キュゥン」
雪歩「ひいっ…あ… 汚れてて気付かなかったけど、この子毛並み白かったんだね…」
響「うん!まだ子供だけど多分コーギーだぞ!」
響「…でも、首輪がないってことは、捨てられたってことなんだろうな…」シュン…
雪歩「…そっか…」シュン
響「あっ、そういえばなんで雪歩は自分に連絡してくれたんだ?」
雪歩「響ちゃんなら、弱ってる犬のこととかわかるかなって…それに、家が1番近かったの思い出して…」
響「…雪歩、自分の家の場所覚えててくれたんだな…えへへ…」テレテレ
雪歩「うん、えへへ…」ニコ
ザー…
ピシャッ ト ゙ ォ オ ン !!
雪歩「ひっ!?」
響「うわっ雷だ…!本格的に嵐になりそうだな…」
雪歩「ひ、響ちゃんは雷平気なの…?」
響「まあね!ウチナー…じゃないや、沖縄じゃ台風や嵐はしょっちゅうだったし!」
響「こっちに来てから一人でいるときは怖いこともあるけど…今は雪歩もいるし…」
響「…あっ!ごめん今のなしなし!忘れてー!」カアァ
雪歩「ふふっ…わかったよ響ちゃん」ナデナデ
響「うう…///」
ザー…ザー…
響「…にしても、雨どんどん酷くなるな…」
雪歩「あぅ…どうしよう…これじゃ家に帰れないよ…」
響「……ねえ雪歩、もし雪歩が嫌じゃなかったらうちに泊まってく?」
雪歩「えっ、でも…」
響「あっ!い、嫌だったらいいんだぞ!今自分の家犬2匹もいるし、雪歩が犬苦手なのも知ってるし…!」ワタワタ
雪歩「いやなんてそんな…!で、でも迷惑じゃないかな…」
響「全っ然そんなことないぞ!」
雪歩「わあ、じゃあお言葉に甘えようかな…」
響「本当!?やったー!」ピョンピョン
雪歩「ふふ」
…
ザーザー…
雪歩「…うん、それで、雨が酷いしもう夜中だから帰れそうになくて…」
雪歩「友達が泊めてくれるって…うん、ありがとう、伝えておくね…おやすみなさい」 プツッ
雪歩「ふぅ…」
響「大丈夫だった?」
雪歩「うん、お友達によろしくって」グゥー
雪歩「あ…///」カアァ
響「ん、なんだ雪歩~もしかしてお腹すいて」ギュルル
響「」
雪歩・響「「…ぷっ あはは…」」
響「そういえば自分もご飯まだだった、待ってて雪歩、今作ってくるから!」
響「子犬にも何か食べさせてあげないとだしね」
雪歩「手伝うよ、響ちゃん」
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響「よーしできた!」
響「ほら、お前の分だ 温まるからしっかり食べるんだぞー」
子犬「ワン!」ハフハフ
雪歩「ふふ、私たちも食べようか」
響「うん!いただきまーす!」
雪歩「いただきます …!おいしい!響ちゃん料理こんなに上手だったんだね…!」
響「そ、そうかな?えへへ、なんたって自分カンペキだからね!できないことの方が少ないぞー!」テレテレ
雪歩「ふふ、そういえば料理してるときの響ちゃんってなんだか新婚さんみたいでドキドキしちゃった」
響「んぶっ…!?ゲホッゲホッ…い、いきなり何言ってるんだよ雪歩ぉ!」カアァ
雪歩「わわ、冗談だよ」
雪歩「でも響ちゃんみたいなお嫁さんもらえる人は幸せだね」
響「あ、あう…」カアァ
響「か、からかわないでよぉ…」フイ
雪歩「…ねえ響ちゃん」
響「な、なに?」
雪歩「はい、あーん」スッ
響「うぇっ!?///えっあっ…」ワタワタ
雪歩「…」ニコニコ
響「うう…// …あーん…」カアァ
パク
雪歩「えへへ、響ちゃん可愛い」ニコニコ
響「うぅぅ…///」
響(あーもう…雪歩ってこういうこと天然でやってるのかわかってやってるのかわかんないぞ…)モジモジ
雪歩「? どうしたの?」
響「なっなんでもない!ほら、はやく食べないと冷めちゃうさー!」パクパク
雪歩(…ご飯食べてる響ちゃんって小動物みたいだなあ)ニコニコ
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子犬「クヒュー…」スヤスヤ
雪歩「食べたら寝ちゃったね…弱ってないかな?」
響「雪歩が雨から守ってくれたおかげで大丈夫だったぞ!寒くて凍えてたみたいだけど…このまま暖かくしてれば明日には元気になるさー!」
響「にしても、起きたら家の場所こいつに聞いて飼い主探さないとな…」ナデナデ
雪歩「えっ…で、でも捨てられてたんだよ…?いいのかな…」
響「うーん…捨てたにしても何か理由があったのかもしれないし…」
響「それに、本当にいらなくなって憎くてたまらないなら、「拾ってください」なんて手紙つけるかなって…」
響「…無責任には変わりないけど、保健所に連れて行かずに誰かに拾ってなんてお願いする飼い主に、簡単に諦めてほしくないんだ …おせっかいかな」
雪歩「……ううん」
雪歩「私は、響ちゃんの言ってること正しいと思う」
響「…えへへ、ありがと雪歩!」ニコッ
ピシャッ ゴォオオ!!
雪歩「ひえぁっ!」ビクゥッ
…ブツッ…
響「うわっ!?」
雪歩「う、うそ…停電…?」
響「じっ自分ブレイカー見てくるぞ!雪歩はちょっと待ってて!」バッ
雪歩「えっ!?あっ待って響ちゃ…」
子犬「キュゥウウ…」
雪歩「…!」ピタッ
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ザー…ザー…
雪歩「…怖くない、怖くない…うぅ…」ブルブル
雪歩「遅いよぅ…響ちゃんはやく戻ってきてぇ…」ブルブル
子犬「キュゥ…」プルプル
雪歩「ひぃっ!…あ…ふ、震えてるの…?」
雪歩「…そっか…今の停電で暖房も切れちゃったから…」
――寒くて凍えてたみたいだけど…このまま暖かくしてれば明日には元気に――…
雪歩「あう、ど、どうしよう…!あ、あっためないとだめだよね…あぅう…」オロオロ
雪歩「暗くてよく見えない…湿ったタオルくらいしかないよ…」
子犬「ウゥ…クゥン…」プルプルプル
雪歩「う、ううう」ジワ…
雪歩「…」グシッ ブンブン
雪歩「…待ってて、今暖まれそうなもの探してくるから…」スッ
雪歩「うぅ、でも勝手に響ちゃんのもの使ってもいいのかな、どうしよう…」
ガララッ
いぬ美「バウッ!」
雪歩「」 フラッ…
雪歩「いっ、いやぁあああ!!」ギュゥウッ
いぬ美「……」
雪歩「ぅうぅう…や、やっぱり無理、無理だよぉ…戻って響ちゃんを探しにいったほうが…」ヘナヘナ
いぬ美「バウッ」
ピョコン
雪歩「ひえ… …あ」
ハム蔵先輩「ヂュイッ!」
雪歩「ハ、ハム蔵ちゃん…!」
ハム蔵「ヂュヂュイ!」
雪歩「こ、言葉がわかるの…?お願い助けて…!」
ハム蔵「おう」
いぬ美「…」ノシッ…ノシッ…
雪歩「ひぃい…」ビクビク
いぬ美「…ワウ」チラッ
雪歩「…うう」
いぬ美「…」スウッ
雪歩「…あ…」
雪歩(いぬ美ちゃんが、子犬を暖めてくれてる…?)
子犬「クゥン…キュウ…」ヌクヌク
ハム蔵「お嬢、ご主人が戻るまで傍にいてやってくれるか?(ヂュイ!)」
ハム蔵「ちょっとご主人探してくる(ヂュヂュイ!)」
雪歩「……うん…」ヘタリ
雪歩「…犬、怖いけど…今も震え止まらないけど…でも、傍にいるくらいなら…うう、わたしにもできるから…」
雪歩「大丈夫、大丈夫だからね…」
子犬「…クゥン…」
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ザーザー
ガチャッ
響「雪歩ッ!!!」
響「ごめんっ、結局ブレーカー直らなくて…!急いで懐中電灯買ってき…」
響「!」
ハム蔵「…ヂュイ」
雪歩「すぅ… すぅ…」
いぬ美「Zzz…」
子犬「キュウゥ…」
響「ゆ、雪歩が…いぬ美たちと並んで寝てる…」
響「面妖すぎるぞ…」
響「…はは、もーこれじゃ風邪ひいちゃうんだからな」
響「よいしょ…っと…」パサァ
響「…じ、自分も並んで寝てもいいかな? えへへ」モゾモゾ
響「………雪歩、よく頑張ったね」ナデナデ
雪歩「……んぅ…むにゃ…」
ザーー…
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~~~~~~~~~~~~~~~
……
…
…チュンチュン…
いっいやぁあああああ~~~!!
響「ふんふふんふー… んがっ!?」ビックゥ
響「どっどうしたんだ雪…」
雪歩「ひっ、ひぃい!なななんで私いぬ美ちゃんと寝てるのぉ~!」ブルブル
犬美「ワッフゥ」
響「雪歩…昨日雪歩が一緒に寝てたんだぞー…」
雪歩「えっえぇぇ~…うぅ、そういえば…」
子犬「キャン!」
雪歩「ひぃっ!」ビクゥ
響「あはは…やっぱり雪歩の犬嫌いは治らないんだな」
雪歩「うぅ…き、昨日は夢中で…あ、でも…」
子犬「ワン!」
雪歩「…えへへ…よかった…元気になって…」フニャ
響「…うん、雪歩のおかげだな」
子犬「ワゥン」
響「こいつも、雪歩にありがとうって言ってるぞ!」
雪歩「…うう、そんな、結局何もできてないのに…」ジワ
響「ううん、雪歩が勇気を出したから、こいつは今ここで元気に生きてる その…自分からもありがとう」
子犬「クゥン」
雪歩「……」
雪歩「…勇気…そうかな… わからないけど、でも…この子が無事で本当によかった…ありがとう、響ちゃん」ニコ
響「…うぅっ// 面と向かってこういうのって照れるぞ…」
響「そ、そうだ!自分今朝ごはん作ってたから、雪歩も食べてって!」
雪歩「…うんっ 食べたら飼い主探し手伝うよ 雨もあがってるみたいだし」
響「えっ、いいのかっ!?こいつも一緒なのに…」
子犬「ワン!」フリフリ
雪歩「うん 今日はもうちょっとだけ頑張れそうな気がするから…」
響「そっか、じゃあご飯食べたら一緒にいこうな!」
響「……あ、あのさ雪歩」オズオズ
雪歩「なぁに?響ちゃん」
響「…えっとね、自分雪歩のこと今までよりもーっともーっと好きになったぞ!…えへへっ」ニコッ
雪歩「! わたしも…!響ちゃんのこと大好きだよ!」ニコ
雪歩・響「「……」」
雪歩・響「「…えへへへ///」」
おわり
こないだ初ssで糞ssを生み出した反省に練習
ひびゆきはやれ
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