八幡「どうやったら、あいつと仲良くなれるんだ」 (15)

結衣「ヒッキーはゆきのんと仲良いじゃん」

八幡「どこが」

結衣「いっつもおしゃべりしてるし」

結衣「なんでも言い合える仲じゃない?」

八幡「あれは言い争ってるだけで、仲がいいわけじゃないだろ」

結衣「そうかなー」

八幡「そもそもお前はどうやって仲良くなったんだ?」

結衣「別にー普通だよー」

結衣「ゆきのんが本読んでるじゃん」

八幡「ああ」

結衣「『あれー何よんでるのそれー』って聞くじゃん」

八幡「おう」

結衣「『あはは、面白そうだねー』って言うじゃん」

八幡「うん」

結衣「これで、だいたい仲良くなってるでしょう?」

八幡「・・・」

八幡「つまり、半ばゴリ押しで距離つめたわけか」

結衣「えー違うってば、普通におしゃべりしただけだよ」

八幡「(雪ノ下にとってこいうタイプは、馴染みなかったんだろうな)」

結衣「ヒッキーもやってみればいいよ」

八幡「無理だ」

結衣「えーなんでー」

八幡「俺が用もないのに、あいつに声かけたら」

八幡「絶対警戒される」

結衣「そんなことないよー」

結衣「ゆきのん、ヒッキーのこと意外と好きだと思うけどなー」

八幡「だといいがな」

ガラガラ

結衣「あ、ゆきのん!やっはろー」

雪乃「こんにちは、由比ヶ浜さん」

八幡「おう」

雪乃「今日は早いのね」

結衣「うちのクラスのホームルーム少し早く終ったんだー」

雪乃「そう」

雪乃「紅茶を入れるけど、由比ヶ浜さんも飲む?」

結衣「うん!」

雪乃「あなたは?」

八幡「ああ、俺は別に・・・」

結衣「(ちょっと、ヒッキー)」

八幡「(なんだ、どうした?)」

結衣「(ゆきのんと仲良くなりたいんでしょ!)」

八幡「(まあ・・・)」

ヶ浜さん「何読んでるの~」ヒョウシグイッ
雪ノ下「…」イラッ

結衣「(それじゃだめだよー)」

結衣「(もっとほら、愛想よく)」

八幡「(・・・わかった)」

雪乃「どうしたのかしら?」

結衣「(ほら、早く)」

八幡「雪ノ下、やっぱりくれ」

八幡「今紅茶が飲みたい気分なんだ」

雪乃「珍しいわね」

雪乃「でも、砂糖がないから甘くはできないけれど」

雪乃「それでもいいかしら?」

八幡「それでいい」

雪乃「わかったわ、ちょっと待っていて」

八幡「頼む」

結衣「機嫌よさそうだね」

八幡「あいつがか?」

結衣「うん、いつもよりずっと機嫌がいいよ」

八幡「全然わからん」

八幡「いつも通りじゃないか」

結衣「分かってないなー」

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