拓海「アイツが、アイツがいなくなっちまった!」モバP「アイツ?」(106)

拓海「アタシが拾ったアイツに決まってんだろ!?」

P「あぁ、あの猫……」

拓海「昨日寮に帰った時には、もうどこにも……!」

拓海「なぁ、アイツ見なかったか?……オイ、聞いてんのかテメェ!」ユサユサ

P「き、聞いてる聞いてる!と、とにかく落ち着け、な」ガクンガクン

拓海「落ち着けるわけねーだろバカッ!!」ユサユサユサユサ

P「あがががががが」ガクンガクンガクンガクン

拓海「あぁ、クソッ……クソッ!どこにいっちまったんだ……!」

P「と、とにかく、女子寮で飼ってたんだな?」

拓海「ったりめーだろ、他にどこで飼うってんだ……」

P「なら、まだ女子寮にいるんじゃないのか。他の子に見かけなかったか、聞いてみるといい」

拓海「聞いてみるといい……って、プロデューサーはどうすんだよ」

P「……残念ながら、俺は探すのは無理だ。出禁食らってる」

拓海「ハァ?」

P「お、丁度いいところに……おーい、みくー。こっちこーい」

みく「にゃ?」

みく「――じゃ、プロデューサーチャンの代わりに、みくが猫チャン探しを手伝うにゃ」

P「物分かりが良くて助かる」

みく「その代わり今度の猫カフェ巡り、お代はプロデューサーチャン持ちでヨロシクにゃ~」

P「い、一日だけだからな」

みく「じゃあ拓海チャン、その猫チャンの特徴を教えてほしいにゃ」

拓海「えっと、アイツは茶色で、お腹は白くて……」


prrrr prrrr

pi

P「はい、プロデューサー……あぁ、和久井さん……はい……え?」

みく「えっと、確かウチの寮で猫チャン飼ってるのは今の所拓海チャンだけにゃ」

拓海「ホントか?」

みく「猫チャンは珍しいから、まだ寮にいるならきっと知ってる子がいるはずにゃ」

拓海「よ、よし。じゃあ片っ端から聞いて回るぞ!」グイッ

みく「にゃっ!?ちょ、ちょっと」ズルズル

拓海「待ってろよ……必ず見つけてやるからな……!」



P「じゃあ、午後にですね。はい……はい、分かりました」

~女子寮前~

ドッドッドッドッドッ……

拓海「ほら、到着したぞ」

みく「ふにゃぁ……い、生きてるにゃあ~」フラフラ

拓海「なんでぇ、だらしねぇな。相乗りした位でよ」

みく「み、みくには荒っぽ過ぎるのにゃ!もっと安全運転してほしかったにゃ!!」

拓海「んな事より、ちゃんとアイツを探し」

美世「あっ、いた!……コラーッ!拓海ー!!」

拓海「あん?」

美世「玄関前にバイク止めちゃダメ。駐輪場はあっち!」

拓海「何だよ、いいじゃねーかちょっとの間くらい」

美世「ダメダメ、寮のルールはちゃんと守らなきゃ」

美世「そのバイクの整備中に寮長と居合わせて、あたしが怒られそうになったんだからね」

拓海「分かった、分かったよ。美世には迷惑かけらんねーからな」

美世「ったく……拓海は最近越してきたから知らないのも分かるけどさ……」

拓海「……ところで美世、アイツ見なかったか」

美世「アイツ?」

みく「えっと、かくかくでしかじかな猫チャンにゃ」

美世「……あ。その猫なら、見た事あるかも」

拓海「マジか!?」

美世「一昨日の夜だったかな。確か外で玄関のドアをカリカリ引っかいてたような」

美世「首輪も付いてたし、誰かの飼ってる猫だと思って入れてあげたんだけどね」



拓海「………」

みく「猫チャン、お外に出したのにゃ?」

拓海「アタシは出した覚えはねぇ」

みく「ふむむむ……もうちょっと調べてみる必要がありそうにゃ」

~女子寮・談話室~

小春「猫、ですかぁ?」

みく「そうにゃ、大きさは丁度このくらいらしいにゃ」

優「うーん……見た事あるよーな、無いよーな……あはっ☆」

小春「ヒョウくん以外のペットは大体知ってますけど……ちょっと見たことないですね~」

拓海「アンタも何か飼ってんのか?」

みく「小春チャンはイグアナのヒョウくん、優チャンはアッキーって犬を飼ってるにゃ」

拓海「……イグアナに犬?どこにいやがるんだそいつらは?」

優「あっれ~?あなた知らないのぉ?」

小春「ヒョウくんは今、小春のお部屋でお留守番ですよ~」

優「寮の決まりでぇ、自分の部屋以外じゃケージに入れてなきゃダメなのよねぇ~」

小春「ちょっと厳しいですよねぇ~」

優「昨日なんかぁ、寮長さんちょー怒ってたし☆」

小春「そうそう、今度寮内であの猫を見つけたら絶対に捕まえるとか何とか……あっ!」

小春「もしかしたら~、その猫だったりするんじゃないですかぁ?」

みく「……拓海チャン。もしかして、猫チャン放し飼いしてたにゃ?」

拓海「………」

みく「にゃ、にゃんで?」

拓海「そんな決まりがあるなんて知らなかったんだよ、アタシは」

拓海「大体、あの部屋の中だけじゃ窮屈で、アイツがかわいそうだろうがよ……」

みく「(気持ちは分からなくもにゃいけど、何だか面倒臭いことになりそうにゃ……)」

優「……あっー!あたし思い出しちゃった~☆」

小春「何をですかぁ?」

優「そーそー、昨日の夜見ちゃったの☆子猫ちゃん……」

拓海「何だとっ!?」

優「に、ミルクあげてる凛ちゃん☆」

すまん、飯
落ちてなかったら戻る

~女子寮・二階~

みく「ちょ、ちょっと!いきなり押しかけるのはマズいにゃ!」

拓海「今んとこ一番アイツに近い奴だろうが!」

みく「だ、だからって部屋にいるとは限らにゃいと思うにゃ!」



拓海「……スケジュールはどうなってやがる?」

みく「え~っと、今日は確かオフだったはずにゃ……あっ」

拓海「じゃあいるじゃねーか。おーい、凛ー!出てこーい!」ドンドンドン

ガチャッ

凛「……何?」

拓海「アタシの猫、知ってるよな?アイツはどこにいるんだ!?」

凛「え?猫?」

みく「かくかくしかじかにゃ」



凛「……うん。確かに昨日、猫にミルクあげたよ」

拓海「その後は」

凛「真奈美さんが、君の猫か?って聞いてきて……」

凛『違います。けど……お腹、空いてそうだったので』

真奈美『何でもいいが、寮内で動物の放し飼いは禁止されている。分かるね?』

凛『……ペットなんですか?その子』

真奈美『さぁね。とにかく、この猫はこちらで預からせてもらうよ』

真奈美『野良だとしても、侵入はもう二度目らしいからな』



みく「お持ち帰りされちゃったのにゃ!?」

凛「うん」

拓海「………」

みく「はぁ~……とにかく、見つかってよかったにゃ」

凛「……もしかしなくても、拓海さんの猫……だよね」

拓海「あぁ」

凛「だったら急いだ方がいいかも」

みく「?……何でにゃ?」

凛「飼い主が見つからなかったら、最終的に保健所に連れてくって言ってたし」

みく「えぇっ!?」

拓海「……おいみく、ホケンジョって何だ」

みく「え、えっと、保健所って言うのは、その」

拓海「言えよ。どんなトコか知ってんだろ」

みく「……簡単に言っちゃうと、野良猫や野良犬を集めて、処分……」

拓海「……………」

みく「する、トコ……………た、拓海……チャン?」



拓海「真奈美って奴の、上の名前は」

みく「木場さんですハイ」

拓海「……そうか」

みく「ひぇぇぇぇぇ……こ、こここ怖すぎにゃあぁぁ~……!」

凛「行っちゃった……保健所の説明、簡潔にしすぎだよ。どうするのさ?」

みく「で、でもでも……も、もぉみくじゃ、どうしようも……あっ!」

みく「そうにゃ!こんな時こそ、プロデューサーチャンに……!」


ポパピプペ

トゥルルルル トゥルルルルル


凛「……プロデューサーって、一階の浴場覗いたとかで出入り禁止じゃなかった?」

みく「い、今は非常事態にゃあっ!!」

みく「早く早く早く早く早く早くぅ!!………さっさと出ろにゃぁぁぁぁぁぁ!!!」

~事務所~

ちひろ「た、たた大変です!プロデューサーさん!」

P「どうしました?」

ちひろ「不審者が、不審者が事務所に!」

P「……不審者?」

ちひろ「もう3月なのに、帽子にマスクにゴーグルでその上厚着……あぁもう、とにかく何もかも怪しいんです!」

「だ、だから、私は不審者なんかじゃ……ケホッケホッ」

P「あれ?和久井さんじゃないですか」

ちひろ「……へっ?」

留美「………」グスグス

ちひろ「え、ホントに和久井さん……?」

留美「ケホッ……さ、流石、私のプロデューサーを、やってるだけは、グスッ、あるわね」

P「大丈夫ですか?……花粉症にしちゃ、酷すぎません?」

留美「えぇ、そう思って今朝、グスッ、病院で診てもらったんだけど……」


メデメデメデ メッメメメメデー メデメデメデ メッメメメメ……


P「……ちょっと失礼」ピッ

P「はい、プロデュー………ナースコール?エマージェンシー?」

P「だからなみく、俺は出禁で……今すぐ来なきゃハルマゲドンが起きる?何だそりゃ?」

~女子寮・三階~

真奈美「……そんな険しい顔をして、私に一体何の用かな?」

拓海「引き取りに来た」

真奈美「引き取りに?……そうか。君が猫の飼い主、という訳か」

拓海「あぁ、そうだ。今すぐ返してくれ」

真奈美「もしかして君は、あの猫を寮内で飼うつもりなのか?」

拓海「もう放し飼いはしねーよ。だから……」


ドンッ


拓海「さっさとアイツを返してくれ。なぁ」

真奈美「……これは一体どういうつもりかな」

拓海「苦手なんだよ、ガマンすんのは。分かったら返してくれ」

真奈美「猫なら私の部屋にはいないよ。そして君に猫を返す判断をするのも、私ではない」

拓海「……あァ?」

真奈美「あの猫は寮長に預けている。ついてくるといい」


ガチャッ

杏「……もー、誰だよ人の部屋壁ドンしたバk」

拓海「………」

杏「サーセン」バタン

~女子寮・一階~

コンコン

真奈美「……私だ」

『………』

真奈美「例の猫の件で話がある。ちょっと顔を出してくれないか」



『……明日に出来ない?こっちは二日酔いで頭ガンガンしてて、ちょっと……』

真奈美「それは自業自得だろう?……猫の飼い主がそばまで来てるんだ」

『どうしても今出なきゃダメ?』

真奈美「あぁ」

『………』



『……ねぇ、やっぱり明日にs』

拓海「さっさと出てこいっつってんだよ!!」ドンッ


ガチャッ

早苗「……ハイハイ、ちょっと待っててね。すぐ着替えるから」

早苗「――それで?あなたはあの子猫、どうするの?」

拓海「飼うっつーか、もう飼ってんだよこっちは」

早苗「そう……残念だけど、この寮であの猫は飼えないのよ。ごめんなさい」

拓海「……は?」

早苗「あの猫はあなたにちゃんと引き渡してあげる。だけど」

拓海「………」

早苗「ちゃんとご家族の方に連絡して、引き取ってもらうようにしてから……」

拓海「……でだよ」

早苗「ねぇ、ちょっと聞いてる?」

http://i.imgur.com/7n63TML.jpg
http://i.imgur.com/fM4rTSk.jpg
渋谷凛(15)

http://i.imgur.com/qHlJAB9.jpg
http://i.imgur.com/PXh3CbU.jpg
木場真奈美(25)

http://i.imgur.com/bhpqphU.jpg
http://i.imgur.com/S6Q4H6I.jpg
双葉杏(17)

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http://i.imgur.com/5Ep1veE.jpg
片桐早苗(28)

拓海「何でだよっ!!」

早苗「っ……!」キーン

拓海「何で……何でアイツだけ、飼っちゃいけねーんだよ!!」

真奈美「……この寮に住んでるアイドルには一人、アレルギー持ちがいてね」

拓海「アレルギーだぁ?」

真奈美「そうだ。これは彼女が日常生活とアイドル活動に支障を出さないためなんだよ」

拓海「……誰なんだよ、そいつは」

真奈美「悪いが、君には教えられない」

拓海「あ?」

真奈美「今の君は、とてもじゃないが冷静とは言えない。知ってどうするつもりだ?」

早苗「真奈美ちゃん、ちょっといい?」

拓海「………」

早苗「大体は、真奈美ちゃんの言う通り……猫一匹と人一人、どちらが大事か分かるわよね?」

早苗「一応、今週末まであの猫は預かっててあげるから。それまでにご家族と話を付け……」


ドンッ


拓海「……ふざけんなよ、テメェら……!」

拓海「どうしてもアイツを、追い出すつもりか……!?」

早苗「……あなたの拳が、私の顔の隣にあるんだけど……」

拓海「………」

早苗「ね、君。あんまりオトナを、からかっちゃあいけないゾ♪」

真奈美「……早苗」

拓海「テメェ……!!」


パンッ


拓海「……あ……?」

早苗「ふーん。結構キレイな手、してるじゃない」

拓海「(アタシの右……受け止めやがった……!?)」

早苗「短気な子って、すーぐ頭に血が上るから……困っちゃうのよね~」

拓海「……すかしてんじゃ……!」


ググググッ……


拓海「!……手が、動かねぇ……!?」

早苗「よっこいしょ……っと」ガバッ

拓海「ッ!?」

ギリギリギリギリ

ミシミシミシ


拓海「あがっ……が……ぎ、ぎ……!!」

早苗「へぇ、やせ我慢?すぐに甲高い声出すかと思ったんだけどな~」

真奈美「もうその辺にしないか、まったく……」

拓海「っ……こん、なっ……クソ、チビに……!」



早苗「………」

真奈美「……おい、早苗」

早苗「………」

真奈美「もう十分だろう。落ち着け、早苗」

早苗「真奈美ちゃんは黙ってて」

拓海「へっ……へへ……オラ、どうしたクソチビッ」

早苗「………」


グリッ


拓海「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!!」

早苗「あぁもう、頭に響く……キンキン叫ばないでほしいんだけど。近所迷惑だし」

拓海「っ………こ、これで、見えねぇだろ……!」

早苗「ん?」

拓海「アタシの……」

真奈美「!……早苗っ!」


ビュッ


早苗「………」

拓海「左ィ……!!」


バキッ


P「へぶぅっ!」ドタッ

拓海「……ぁ……」

早苗「ありゃま」

みく「き、キレーに入っちゃったにゃあ……」



P「いてててて……」

真奈美「……大丈夫か?プロデューサー君」

P「え、えぇ。何とか」

P「……早苗さん。拓海の手、離してもらえませんか」

早苗「これでいい?」パッ

真奈美「……プロデューサー君。言っておくが、先に手を出したのは彼女の方だ」

P「そうなのか、拓海」

拓海「……あぁ、そうだよ。アタシが全部悪いんだ」

P「………」

拓海「そういう事にしときゃ、丸く収まるんだろ?ならいいじゃねーか」

P「拓海」

拓海「………」

早苗「……まぁ、冷静だった、とはちょっと言えないかな。私も」

早苗「二日酔いで気分最悪だったし。この子の態度には、ちょっとカチンと来たし」

真奈美「……二人を止めなかった私も、非がないとは言えないな」

早苗「真奈美ちゃんは彼女を連れてきただけじゃない。何も悪くないわよ」

早苗「私が勝手に暴走しただけ。そういう事よ、プロデューサー君」

みく「も、元はと言えば、みくが……あ、あんにゃ説明、するから……!」

P「……お二人の話は分かりました。なぁ、拓海」

拓海「……なんだよ」



P「屋上に行かないか?二人きりで話がしたい」

~女子寮・屋上~

P「まず聞いておきたいんだが……お前、早苗さんに何て言ったんだ?」

拓海「………」

P「あの人がキレるって、相当だぞ?」



拓海「……クソチビ」

P「クソチ……ハッハッハ!あぁ、チビかぁ。なるほど」

拓海「……話ってそれのことかよ」

P「あぁいや、そうじゃなくてだな……」

P「――そうか。それで拓海は怒ったわけだ」

拓海「……さっきは、悪かったな」

P「うん?」

拓海「テメェの事、ぶっちまって……」

P「あぁ、気にすんな。別にこの位、何ともないさ」

P「……だがまぁ確かに、この寮じゃ猫は飼えないな。俺もうっかりしてたよ」

拓海「………」

P「早苗さん達は言わなかったみたいだが……拓海には、全部俺から話そう」

拓海「……何をだよ」

P「さっき、和久井さんがな。帽子とゴーグル、マスクに厚着のフルアーマー装備で事務所に来たんだ」

拓海「何だそりゃ……」

P「咳や鼻水、目のかゆみが止まらなかったそうでね」

P「今朝がた病院で診てもらったら、どうも猫アレルギーの症状らしくて」

P「……みくから聞いたが、猫を寮内で放し飼いしてたんだって?」

拓海「………」

P「アレルギーっつっても、症状は人によりけりでな」

P「和久井さんはまだ軽い方だって言ってたが、酷くなると命にも関わるんだよ」

拓海「い、命って……」

P「でもな……和久井さん、めっちゃ猫好きなんだ」

拓海「えっ?」

P「一度部屋を見せてもらったことがあってな。見事に猫グッズだらけさ」

P「でも自分の体質のせいで、飼いたくても飼えないんだよ。あの人は」

拓海「………」

P「……だからな。皆が拓海の猫を嫌ってる訳じゃないってのは、どうか分かってほしい」



拓海「……んだよ、それ……!」

拓海「アタシに……アタシに、どうしろってんだよ。そんな話聞かせて」

P「………」

拓海「手放せってのか?……テメェまでそんな事言うのかよ……!?」

P「誰もそこまでは言ってないだろう。早苗さんの言う通り、家族に預けて……」

拓海「あそこにアタシの居場所なんかねーよっ!!」

P「拓海……」

拓海「あぁ、クソッ……ちくしょう!……何だってんだよぉっ!」

拓海「頭ん中、グチャグチャで……何も……何もっ……!」

P「………」

拓海「……プロデューサー……アタシ、どうしたら……!」

P「落ち着け、拓海」





拓海「………」グスッ

P「………」

拓海「……………ア゙イ゙ヅど……離゙れ゙だぐな゙い゙よ゙………」ポロポロ

―――――

―――





早苗「で、結局プロデューサー君が飼うことになったわけ?」

真奈美「そういう事になるな」モミモミ

早苗「うーん……まぁ、妥当な解決方法かなぁ」

真奈美「猫の毛やフケには極力彼も気を付けるようにするそうだ」モミモミ

早苗「そうしないと留美ちゃんの猫アレルギーはどうするのって話だもんねぇ」

真奈美「しかし……あの挑発は良くなかったよ」モミモミ

早苗「………」

真奈美「少しは知ってたんだろう?彼女の事」モミモミ

真奈美「バイクの件を、美世から聞いていたはずだが」モミモミ

早苗「そうねぇ。オイタが過ぎるから、この辺でちょっと懲らしめようかなって気持ちもあったかな」

真奈美「それは正義の味方として?」モミモミ

早苗「……やぁね。元よ、元」

真奈美「フッ……そうだったな」モミモミ

早苗「別にそんなつもりじゃなかったのよ、本当に。私はただ、寮長として動いただけ」

真奈美「だが、流石に今回は肝を冷やしたよ。早苗を信頼していたんだがな」モミモミ

真奈美「あの時彼が来なかったら、そのままへし折るつもりだったろう?」モミモミ

早苗「そこまで判断力は鈍っちゃいないわよ……多分」

真奈美「……次からは、私も全力で止めるからな」モミモミ

早苗「仮に今度、私が真奈美ちゃんに止められるような事態になったとしたら?」


スッ


真奈美「もう二度とマッサージしてあげない」

早苗「うぐっ……き、気をつけます」

~数日後~

P「ダメだ」

拓海「いいじゃねーかよ!」

P「ダメだ」

拓海「かてーこと言うなよ~、な?」

P「ダメだっつってんだろ」

拓海「何でだよっ!!」



みく「……今度は何で騒いでるのにゃ」

凛「拓海さん、猫の様子見る為にお泊まりしたいんだって」

拓海「こっちは一ヶ月でも二ヶ月でもぶっ続けで泊まり続けられんだぞ!?」

P「それじゃ同棲じゃねーか。ダメなもんはダメだ」

拓海「ぐぬぬ……」

P「週に一度は会えるし、元気な写真だって毎日送ってるだろ」

留美「あらこれ、良く撮れてるじゃない。すごく可愛いわ」

拓海「そうだろ?何てったってアタシの猫だからな」

P「騙されちゃいけません、いつもはこんなに可愛くないんですから」

拓海「んだとぉ!?」

留美「へぇ、そうなの?」

P「俺と拓海で態度違うんですよ、こいつ。やたら警戒しやがるし。奇跡の一枚って奴です」

拓海「そりゃプロデューサーが優しくしねーからだろ」

P「優しくしとるわいっ!どんだけ俺の懐深いと思ってるんだ」

P「……とにかく、泊まるのはダメだからな」

拓海「どこが懐深いんだよ。ケチ」

P「あーハイハイ、ケチで結構」

留美「いいじゃない、週に一度会えるんだし……仕事でも一緒になる機会、増えそうなんでしょう?」

拓海「そ、そりゃそうだがよ」

留美「私は生写真、毎日もらえるだけで幸せよ?」

拓海「でもよー、何とかなんねーかなぁ……」

みく「にゃにゃにゃにゃーん!そんなあなたに朗報にゃ!」ババーン

拓海「……あん?」



みく「猫チャンの代わりに、みく!このみくを愛でるといいにゃ!」フリフリ

みく「未だかつてこれほどまでに猫に近いアイドルもいないにゃ!」フリフリ

みく「さぁ!思う存分!どこまでもみくを愛でるといいにゃあ~!」フリフリフリフリ

拓海「………」

留美「………」

みく「……ふ、二人とも、どうしたにゃ?」



拓海「そっか、そっかぁ……“可愛がって”いいんだな?」

留美「ふぅん……そう、“可愛がって”ほしいのね……?」



みく「え、いや、あの……しょ、しょーゆー意味でにゃく……」



ニャァァァァァァァァァァァァァ……



おわり

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