久「ホワイトデーのお返しは何がいい?」美穂子「上埜さんの制服」(80)

久「なんて美穂子が言うものだから、夏服探してるけど…」ガサゴソ

久「どこに仕舞ったかなー」ガサゴソ

久「どこだー、どこだー」ゴソゴソ

久「あった!」

久「けどホワイトデーのお返しに私の制服なんて、美穂子ってば少し変わってるわね。まぁもう着る事ないし、別にいいけど」

久「さて清澄に行きますか。和を待たせてる事だしね」



3月14日、清澄部室

ガチャ

久「ごめんごめん、待った?」

和「おはようございます。いえ、先ほど来た所です。ネット麻雀をしてました」カチカチ

久「今日は部活でもないのに悪いわね」

和「いえ。特に用事もありませんし…。それで私に手伝って欲しい事って何ですか?」

久「今からホワイトデーのお返しを買いに行こうと思うのよ。一人だと買うのが大変な量なのよね」

和「ホワイトデーのお返しですか…。ってどれくらい貰ったんですか!?」

久「んーと…、30個くらいかな?今年は卒業するせいか知らないけど人生で一番多かったわ」ケラケラ

和「お返しも大変ですねぇ…。荷物持ちなら須賀君とか…あっ!」ポン

久「須賀君は今日は駄目でしょう。優希に恨まれたくないわね」

和「そう言えば…」


回想

和『はい?私と優希で水族館に行って来いと?』

京太郎『そうそう。ここに水族館のチケットが二枚あります』

優希『犬が商店街の福引で当てたんだじぇ』

和『ラッキーでしたね』

京太郎『おぅよ。で、ホワイトデーのお返しにこれをプレゼントしようかと』

和『私にですか?須賀君にチョコ上げてませんよね?』

京太郎『優希にしか貰ってない。まぁ、優希へのお返しだ』

優希『……』

京太郎『ほら、和ってペンギン好きだろ?』

和『…好きですけど』

京太郎『せっかくだから二人で行って来いよ。チケットは二枚しかないから咲を呼ぶなら一人分お金かかるけど』

優希『……』

和『…優希』

優希『和ちゃん、水族館好きだじぇ?一緒にペンギンのショーでも見るじぇ…』アハハ

和『せっかくですが。この日は用事があるので断らせて頂きます』

優希『!?』

京太郎『おーそうなのか』

京太郎『じゃあ咲に声を…』

和『この日はホワイトデーと言う事で咲さん、竹井さん、部長も忙しいと思います。誘うのは辞めといた方がいいでしょう』

京太郎『そっか…。まぁ、急だしな』

優希『……』ソワソワ

和(優希。頑張って誘いなさい)


優希『い、い、犬!』

京太郎『人前で犬って呼ぶな!』

優希『チケットが勿体無いからスーパー美少女のこの私が犬と行ってやるじぇ!勘違いするな!これはデートじゃない。和ちゃんやみんなが行けないから仕方なくだじぇ!』

優希『そ…そう…。仕方なく』ゴニョゴニョ

京太郎『よし。じゃあお弁当にシーフードタコス作ってやるよ』

優希『シーフードタコスとな!?』

和『ふふっ…、美味しそうですね』



和『では私はこれにて』

京太郎・優希『また学校で~』



和『咲さんに電話しとかないと…。勝手に断ってしまいましたからね。後ホワイトデーのお誘いと』ピポパ

照『はい、宮永です』

和『あっ…咲さん。私です。原村和です』ポッ

照『原村和なんて人は私の妹の知り合いに存在してません。間違い電話ですか?』

和『って!咲さんじゃないんですか!?』

和『私とした事が掛け間違いでもしましたか』バッ


携帯を見る和

和『いや…。やっぱり間違いじゃない!』

咲『お姉ちゃん!勝手に人の携帯電話に出ないでよ!』

照『ご、ごめんよぉ。ピンクだったからつい反応してしまって…』

咲『もしもし和ちゃん?』

和『ぐっ…あの義姉めぇ…』

照『義姉じゃないだろ!』

咲『ところで何の用なの?』

和『はい。須賀君が商店街の福引で~~~~~~』

咲『あぁ…それくらい別にいいよ。どうせ行けないし』

和『へ?』

咲『今、長野に居ないの。東京に遊びに来たよ。お土産買って帰るねー』

和『……』ガクガクブルブル

和『…ほわ、私とのホワイトデーとかは!?』

咲『ホワイトデー?あれって男の子のイベントだよね?バレンタインチョコを貰った男の子がお返しをする日』

和『一般的にはそう言われてますけど…』

照『プププッwww』

和『…笑い声が聞こえますね。もしや全ては照さんが図ったんですか!?』

咲『確かにお姉ちゃんに急に東京に遊びに来なさいとは言われたけど』

和『なんて事でしょう!』



ぽわわーん

和「そんな事がありました」

久「咲も今日は来れないのね(知ってたけど)」

久「須賀君と優希はデート。まこは雀荘」


まこ『バレンタインにチョコ配りまくったけんのぉ。ホワイトデーのお返しガッポリじゃぞ』

久「って感じで張り切ってたわね」

和「やっぱり私しか居ないみたいですね」ハァ

久「そうね。まぁ何かお礼に奢ってあげるからさ」

和「別にいいですよ。元部長にはお世話になりましたし」

久「そう?じゃあ早速デパートに行こっか」

和「はい」

久「自転車乗れる?」

和「自転車くらい乗れます!」

デパート

久「えーと、田中さん佐藤さん木村さんの分がこれと…」ポイポイ

ドサッ

和「お、重い…」プルプル

久「あぁ!対戦した高校からもチョコが届いてたわ。永水やら姫松やら宮守やら」

和「まだ増えるんですかー」プルプル

久「お返しは大事だからね。この辺に郵便局ってあった?」

和「それならあそこに」

その頃風越


美穂子「おりゃーーー、とりゃーーーー」ギコギコ


キキっーーー!ズザザザザーーー!


美穂子「チャリで来ました!」

池田「福路先輩だし!」

コーチ「福路ィ!久しぶりだなぁ!卒業式以来か!」

美穂子「おはようございます」ペコリ

美穂子「これつまらない物ですが」ススッ

コーチ「毎年毎年悪いな!バレンタインもホワイトデーも手作りお菓子とはお前らしいよ!」

池田「わー、今年はもう食べられないかと思ってたし」

美穂子「それでは…今日はこの辺で…」ササッ

池田「もっとゆっくりして行って下さいよー。部員も話したがってますよ」

コーチ「池田ァ!今日は勘弁してやれ!」

美穂子「ごめんね、華菜。今日は急いでるの。それでは!」ギュイーーーーーン

自転車でどこかに消える美穂子



コーチ「急いでるなら車出してやっても良かったのに」

池田「全くですね」

デパート

久「これで全部かなー」

和「竹井さん。一番肝心のお返しを忘れてませんか?」

久「ん?これで全部だと思うけど」

和「福路さんですよ。福路さん!チョコ貰ったんですよね?」

久「えぇ。何か市販の物にしか見えないくらいクオリティ高い手作りチョコを貰ったけど」

和「じゃあお返しをしないと駄目ですよ!」

久「それがね~、お返しは何がいいって聞いたのよ」

和「はい」

美穂子『制服とか貰えませんか?』

久『へ?学校の制服?って清澄のよね』

美穂子『えぇもちろん。あっ!変な事に使いませんよ!』ブンブン

美穂子『か、関西では制服を交換するのが流行ってるそうで…』

久『へぇー、そんな儀式が流行ってんの?知らなかったわ』

美穂子『全国大会でも制服を交換してた子が何人か居るそうですし…』

美穂子『サッカーでユニフォームの交換とか見た事ありませんか?』

久『あるある。ワールドカップとかでよくしてた』

美穂子『サッカーではお互いの健闘を称えあって交換するのが慣習ですね。交換する相手は同じクラブチーム、代表もしくは同じゾーンで相対してプレーしていた選手同士の場合が多いです』

久『ふぅーん』

美穂子(わざわざ調べましたからね)

美穂子『えーコホン。そんなわけで私は上埜さんを最大のライバルだと思ってるのでユニフォーム交換がしたいわけです』

久『なるほど。私の制服でスーハー、クンカクンカしようってわけじゃないと』

美穂子『当たり前じゃないですか!?』

久『夏服でもいい?冬服も着る事無いけど一応ね』

美穂子『も、もちろん!どちらでも構いません』

久『用意しとく。あっ、私は美穂子の制服を着る事になるのかしら?』

美穂子『お望みでしたら…』

久『風越の制服とか着てみたいし楽しみ』

美穂子『ッッ!?』ドクン

美穂子(上埜さんが私の制服を着るなんて…!なんて素晴らしい事でしょうか!)ウルウル

久「ってわけよ。部室に置いて来た」

和「…なるほど」

和(その手がありましたか…。私には使えない手ですね。咲さんの身につけてる物が何か欲しいですが…)

和(ぐぬぬ。同じ学校の私では制服交換の提案はおかしい)

和(待てよ!染谷先輩の時みたいに咲さんが自然に制服を間違えれば…。しかしサイズの問題が…)


和「……」ブツブツ

久「おーい和。おーーーーい。部室に戻るわよ」

清澄部室

美穂子「こ、こ、こんにちわ」カチコチ

久「あら?わざわざ清澄まで来てくれたの?悪いわね」

和「お茶入れますね」コポコポ



久「はい、約束の制服よ。こんな物で良かったの?」

美穂子「わあぁぁぁぁ」パアァァァァァ

美穂子「はい!これが欲しかったんです!やったー!ばんざーーーい」

久「制服一つでそんなに喜んで貰えるなんて」ポリポリ

和(さて。私はいつ帰りましょうか)

美穂子「こ、これ…。私の制服です」

久「うん、ありがとう。ちょっとトイレ行って来るついでに着替えて来るわね」


ガチャ、バタン

和「……」

美穂子「……」

和「行きましたね。五分は戻って来ないと思います。いいですよ?私しか居ませんから」

美穂子「何がですか!?」ビクッ

和「…ウズウズしてるんじゃないかと思いまして」チラッ

美穂子「うっ…」ウズウズ

和「さぁさぁ…、自分の欲望に素直になって下さい」

美穂子「そ、そんな…私は別に」プイッ

和「嘘です!今すぐ家に帰って、その制服をクンカクンカしたいはずです!」

美穂子「そんな変態ちっくな行為、私はしません!」

和「変ではありません!普通の行為です。みんなします。必ずしてます。それほど好きな人の着ている服と言う物は目に見えない魔力が込められているのです!」

美穂子「うっ…、うっうっ…、上埜さんの制服の匂いを嗅ぐだなんて…」ウズウズ

和「私は口が堅い女です。今日見た事は他言する事はありませんよ?」

美穂子「ぐっ…、ぐぐっ…」プルプル

和「さぁ!さぁさぁ!」グイグイ

美穂子「…」フラフラ

美穂子(目の前に上埜さんの着てた制服がある。これを着て上埜さんは暑い日も雨の日も大会の日も過ごしてたのよね…)

美穂子(きっといい匂いがするはず…)

和「そうそう、もっと制服に近づいて下さい」

美穂子「…」フラフラ



美穂子「はぁはぁ…」

和「もう少しです。もう少しで福路さんの鼻腔全体に竹井さんの匂いが嶺上開花しますよ」

美穂子「上埜さんの…、匂い…」クラッ



ガバッ!

美穂子「上埜さん!上埜さん!上埜さん!上埜さんぅぅうううわぁああああああああああああああああああああああん!!!
あぁああああ…ああ…あっあっー!あぁああああああ!!!上埜さん上埜さん上埜さんぅううぁわぁああああ!!!
あぁクンカクンカ!クンカクンカ!スーハースーハー!スーハースーハー!いい匂いだなぁ…くんくん
んはぁっ!上埜久たんの茶色の髪をクンカクンカしたいお!クンカクンカ!あぁあ!!
間違えた!モフモフしたいお!モフモフ!モフモフ!髪髪モフモフ!カリカリモフモフ…きゅんきゅんきゅい!!
中学時代から上埜たんかわいかったよぅ!!」


和「私は何も見てませんよ」

美穂子「うーうー!うーうー!!うーうーうー!!!」(興奮)

和「…福路さんもう少し声のトーン抑えて」

美穂子「うーうー!うーうー!!うーうーうー!!!」(興奮)

和「…福路さん!そのうーうー言うの辞めて下さい!」


スパーン!

美穂子「はっ!?私は何を…」キョロキョロ

和「そろそろ竹井さんが戻って来るので、これ着て下さい」

美穂子「そ、そうね」ヌギヌギ

美穂子「あら…、胸の所がキツイ」ググッ

和「無理矢理着るとボタンが飛びますよ。私も経験あります」

美穂子「困ったわ」

和「胸の所をはだけておきましょう。どうせ女しか居ませんし」プチプチ

美穂子「えぇ」

ガチャ


久「じゃ~ん、上埜久15歳!風越女子一年生です」☆vキャピ

美穂子「ほおぉぉぉぉぉぉぉ!」パチパチ

和「うーん。申し訳ないですがとても新入生には見えないです」

久「わかってるわよ!お世辞くらい言いなさいよ」

和「ハッキリ言った方がいいのかなって。竹井さんは大人っぽい顔つきですし」

久「くっそー反論出来ないのが悔しい」

美穂子「似合ってますよ!とってもとってもすばらです」

久「あ、ありがとう///」

久「ってなによ?美穂子の胸元開いてるじゃない」

美穂子「その…少しだけサイズが…」

久「胸?胸の事を言ってるのね!?」

和「仕方ないですよ。竹井さんと2サイズくらい違いますし」

久「ぐぬぬぬぬ!この大きな胸が何もかんも悪い!」モミモミ

美穂子「きゃあぁぁぁぁ!?」(歓喜)


和「……」

久「それそれー」ムニムニ

美穂子「いやーーーーん///」

和「……はぁ、帰りますか」トボトボ

帰り道


和「私は何をやってるんでしょうか…」テクテク

和「みんな幸せそうでうらやましいです。まぁ私も転校せずに済みましたから幸せなんですけど…」

和「何だか寂しいですね。咲さん、今何してるのかなぁ…」


トゥルルルルル

和「電話?誰ですか」

和「げっ!?照さん。嫌な予感しかしません」

和「無視無視無視無視」イライラ

ピタッ

和「ようやく止まりましたか」


トゥルルルルルル

和「しつこいですねー。って咲さん!?」

和「はい!もしもし、原村和ですが」

照「…なんで咲の携帯から掛けるとすぐ取るの?」

和「もう!お義姉さん!咲さんの携帯電話勝手に使わないで下さいよ!」イラッ

照「用事があるから電話掛けたの!お前なんかに電話掛けてやるだけ有難いと思え!」

和「私は今日機嫌が悪いんですよ!咲さん自慢ならまた今度にして下さい!」

照「来い…」

和「恋?何の事ですか…」

照「東京に来いと言ってるんだ!この奇乳ピンク」

和「」ピキーン



照「咲が麻雀打ちたい病にかかった」

和「ふむふむ」

咲『麻雀打ちたいなー』バタバタ

照『淡も菫も誠子も尭深も今日は東京に居ないよ』

咲『ホントに?誰か麻雀打てる人居ない?』

照『私は菫以外友達居ないから。二軍の後輩の子とか…』

咲『後輩さんか…。本気で打っても大丈夫な人?』

照『いや…私と咲の同卓なら並大抵の精神力では半荘すら持たないから…』

照『困った。メンバーが居ない』

咲『麻雀は最低三人欲しいよね』


淡・菫→阿知賀

誠子・尭深→デート中 

咲『やっぱり和ちゃんが欲しいなぁ(麻雀相手として)』



照「ってわけだ。もちろん東京まで遠いしお金かかるし無理にとは言わないが。お金は私が出すけど…」

和(咲さんが…、私を欲しい?欲しい!欲しいですって!?)

和(咲さんが私を必要としてくれている…。やはり私達はどこに居ても両想いですね)

照「もちろん親御さんの許可が…。無理にとは言わないぞ?出来たらだ。出来たら来ればいいかなって感じ」



和「行きます!行かせて頂きます!」

照「エトペン忘れるなよー」

和「結局ホワイトデーも咲さんと過ごす事になりました!原村和大勝利ですね」

和「とりあえず家に戻らないと」



キキッー!

蒲原「おーい。原村さん」

衣「おおっノノカではないか!」

和「蒲原さんに天江さん!?お久しぶりです」

蒲原「偶然見かけてな。なんか慌ててるみたいだけど急いでるのか?良かったら送ろうか?」

和「いいんですか?」

衣「遠慮するな。どうせ智美とドライブして所だ」

蒲原「ワハハー」

和「ではお言葉に甘えて…」

果たして和は無事に東京に辿り着けるのだろうか


終わり

なんかいいオチが思い浮かばなかったよ。
キャップが久の制服を合法的に手に入れる話

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