雪乃「由比ヶ浜さんはどれがいいかしら?」 (53)
結衣「私は右腕!」
俺ガイルSSです。
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雪乃「片腕…右腕だけでいいのかしら?」
結衣「うん。左手は先生にとられちゃったし、それに先生幸せそうだから。」
平塚「ふふふ、ほら、私と同じ指輪だ。高かったんだぞ。ふふふ、相変わらず手が冷たいな。しかし、手が冷たい人間は心が温かいというし、君の性格を考えると意外と的を」ブツブツ
結衣「そ、それにね、ヒッキ―のこの腕は私のサブレを救ってくれた手なんだよ。」
結衣「だから私はこれで十分♪」
雪乃「偉いわね。どこかのアラサーとは大違いだわ。」
結衣「そういえば、サキサキもヒッキ―欲しがってたよね?確か胸板…上半身だっけ?」
雪乃「ええ…ただ、家に置いておくとばれるから、会いたいときにここに来るらしいわ。この前も笑顔で10時間以上抱きついていたわ」
結衣「そっかー…私もそうしようかな?」
雪乃「特製の保存庫があるから歓迎するわよ」
留美「私は目がいい」
留美「八幡の目が欲しい」
雪乃「あら?ここは小学生が来ていい場所ではないわよ?」
結衣「確かこの子……」
留美「だって八幡に会いたかったんだもん。そしたら陽乃って女の人が」
雪乃「姉さんったら….まぁいいわ。見たところ貴方も私たちと同じの様ね。でもどうして?」
留美「あんな腐った目でも私のことを、本心をしっかり見抜いてくれたから」
留美「だめ?」
結衣「あ、林間学校の時の」
雪乃「いいえ。貴方のような小さい子がそこまで八幡のことを…待っててね」
留美「じゃあいいの?」
結衣「勿論。留美ちゃん。いまビンに詰めてあげるね」
雪乃「ふぅ、けっこう大変ね。でも、これで両目は貴方のものよ。どうぞ」
留美「うわぁ」キラキラ
結衣「大切にしてあげてね。生前はヒッキ一…苦労ばっかりだったから」グスッ
雪乃「涙を拭いて、由比ヶ浜さん。」
結衣「ぐすっ、ゆきのーん」
留美「八幡、八幡、八幡…ふふっ…今日は一緒の布団で寝ようね♪」
雪乃「これで彼をこの世に縛るものは無くなったのだから…あの子以外」
小町「ん゛ーー」
雪乃「何か話したそうね。」
ベリっ
小町「ぷはぁ、はぁ、はぁ…お兄ちゃんを返せ!悪魔!」
雪乃「返せ?」
小町「そうです。目も、腕も、体も、全部今すぐ返してください!返せ!」
雪乃「面白いことを言うわね。」
小町「最初は信頼していたけど…こんな人だったなんて…最低です!」
留美「違うよ!」
小町「留美ちゃんは騙されているだけ」
留美「八幡はこれで救われたんだもん!」
雪乃「そう、留美ちゃんの言う通りよ」
小町「殺しといてよくも…」
雪乃「じゃあ聞くわね。八幡のことを好きな人と嫌いな人、比率としてはどっちが多いでしょうか。」
小町「そんなの…「勿論、後者よ」」
雪乃「だから彼を救ってあげたのよ。嫌いな人ではなく、八幡のことを好きな人物が八幡を守る。素晴らしいと思わないかしら?」
小町「そんなの…お兄ちゃんは望んでいません!」
雪乃「おかしなことを言うわね。彼も最後には納得して死んでいったわ。」
雪乃「最後のセリフは確か…いえ、反抗的な妹さんには教える必要は無いわ。」
小町「うるさい!!」
留美「うるさいのはそっちだと思うよ?それに、八幡には私たちがいればいいの。お母さんから聞いたよ?八幡が学校でどんな仕打ちを受けているか...八幡かわいそう」
雪乃「そう。彼を嫌う人は多いわ。だからこそ、そんな屑の前に自己犠牲の塊である聖人な彼を出したくは無いの。見せたくないのよ。」
雪乃「相模さんも彼の足を欲しがっていたけど、勿論あげてないわ。彼女に八幡はもったいないもの」
雪乃「『ウチのことを探しまわってくれた足が欲しい。』なんていっていたけど、正直迷惑よ」
結衣「ゆきのん…」
雪乃「彼女のせいで…八幡がどれだけ酷い目に会ったか…思い出しただけでもムカムカするわ。それに、あの水みたいな名前の女もそうよ。見かけばかり気にする愚かな人々…八幡に一番迷惑をかける社会のゴミ」
留美「その気持ち少しわかるかも…八幡を散々嫌っていたのに、急に態度を変えるなんて最低…まずは皆の前で謝罪、八幡にかけた迷惑の責任を、退学でも何でもしっかりとるべき」
雪乃「そう、まさにその通りよ。よくわかったわね留美ちゃん。」ナデナデ
留美「八幡に関することなら何でもわかるもん」
雪乃「いい子ね。八幡も喜んでいるわ」
留美「ホントっ!?嬉しい…」
結衣「小町ちゃんもわかってくれるかな?」
小町「わ、わかるわけないじゃないですか!お兄ちゃんの気持ちを考えたら…」
雪乃「勿論、八幡がこよなく愛した『戸塚彩加』彼にも勿論あげたわ。」
小町「う、嘘ですよね…だって…」
雪乃「彼も八幡の足を欲しがっていたみたいだから、ちゃんと防腐加工をして渡したわ。『八幡みたいに上手になれるかな~』って笑顔で持って行ったわ。テニスって、足をよく使うスポーツなの。」
雪乃「それに彼、八幡のお気に入りだったから、八幡も喜ぶと思うのよ。そうだ、小町さんもどこかいるかしら?といっても、もう渡せる場所は少ないのだけれど」
小町「いりません!それより、早くお兄ちゃんをちゃんと供養…そうだ、相模さん達が貴女達の悪行をばらせばお兄ちゃんが」
雪乃「残念ね。小町さんにもあげようと思ったのだけど…それに相模さん達は何も出来ないわ。だって、少しでも不審な行動をとれば彼女は…彼女達だってまだ普通の人生を歩みたいはずよ。ふふっ」
小町「そんな、じゃあばらばらになったお兄ちゃん…きゃーー!!」
雪乃「失礼ね。彼、貴女が会いたがっていたお兄ちゃんを見て叫ぶなんて…可哀想な八幡…よしよし」
雪乃「綺麗でしょ?捻くれていても、彼の自己犠牲で救われた人は沢山いるわ。そんな彼の思考回路である脳よ。特注のケースに入れてみたの。綺麗でしょ?」
小町「お兄ちゃん…おにいちゃぁん、返事してよぉ…」グスッ
雪乃「安心して…小町ちゃん。彼は救われたわ。それに、貴女には彼の声が聞こえないのかしら?」
小町「おにいちゃぁん…もうごみいちゃんなんて…ぐすっ、いわないから帰ってきて…小町のポイントは…おにいちゃぁぁあぁん」
雪乃「お兄ちゃんはもうこの世にはいないけど、これからはお姉ちゃんがいるから」
小町「お、おねえちゃんですか?」
雪乃「そうよ。彼が亡くなる前に大量の精子を確保したのよ。」
小町「それが何を…まさか!」
雪乃「そう…私のお腹には彼の精子…いえ、彼の子供がいるのよ。残念ながら結婚は出来なかったけど…心で結ばれているから、大丈夫よ。なんなら貴女を養子にしてもいいわよ?姉さんは貴女もお気に入りらしいのよ。」
小町「高校生で子どもなんて…やっぱり貴女は狂ってる!お兄ちゃんを返せ!」
雪乃「仮に今回で授精しなくても、バンクには彼の精子が沢山あるわ。」
小町「ふざけるな!お兄ちゃんを酷い目に会わせて…悪魔!鎖さえほどければ…あんたなんて」
雪乃「あらあら…八幡の妹だから優しくしてあげたのに…凶暴ね。川崎さんの弟さんはこんな子が好みなのかしら?」
留美「自分のことばっかり…八幡とは大違い。本当に兄妹?」
雪乃「怪しいわね。」
小町「馬鹿にするなぁ!お兄ちゃんは大事な「はいはいそこまでよ―」」
小町「邪魔しな…い…あっ、あぁ…」ガタガタ
陽乃「なにをしているのかなぁ?」
小町「邪魔を「ん?」」
小町「ごめんなさい。」ガタガタ
陽乃「うんうん。素直なのは一番だねー」ナデナデ
雪乃「姉さん。仮にも八幡の妹なんだから」
陽乃「わかってるって…少し借りるね。雪乃ちゃんに牙をむくのは気に入らないし~」
小町「嫌っ、離して…お兄ちゃん、お兄ちゃん、助けて、助けて!いやぁぁ!!」
陽乃「しっかりしつけないと…飼い主に牙をむけるなんてね…と会話している時のお兄ちゃんそっくり」
陽乃「そうそう…今日は特別な物でやってあげるね。小町ちゃんの為にわざわざ仕入れたんだよ?」
小町「やだっ、やだぁ…痛い、痛いです。鎖が…あがっ」
陽乃「また漏らすのはやめてね。匂いとるの大変だから…それに、もしそんなことをしたら、次はばら撒くよ?」
小町「あ、あぅ…」ガタガタ
陽乃「じゃあ私の部屋にレッツゴー♪」
小町「お、おにぃ…」
陽乃「雪乃ちゃんばいば~い♪」
雪乃「ええ。ほどほどにね。」
陽乃「わかってるってば~。前のあの、ダメな実行委員とか、水みたいな名前のやつとは違うからね。仮にも雪乃ちゃんの妹だもん。」
雪乃「じゃあよろしく頼むわ。ついでにそこのアラサーも」
がしゃん!
雪乃「いったようね。」
結衣「小町ちゃん、大丈夫かなぁ?」
雪乃「大丈夫。まだ混乱しているだけよ。きっとわかってくれるわ」
留美「私も説得頑張る!」
結衣「またみんなで仲良くしたいね。小町ちゃんもどうして……」
雪乃「ありがとう二人とも。でももう遅いから、2人とも帰りなさい。車を用意しているわ。」
結衣「ありがとーゆきのん!」
留美「ありがとうございます。」
執事「車はこちらです。」
雪乃「じゃあ気をつけて。」
結衣「まったねー!」
留美「本当にありがとうございます。八幡のこと絶対大切にします。」
雪乃「残りの器…いえ、体はいつもの場所へお願いね」
執事「かしこまりました。」
雪乃「ふぅ、やっと2人だけの時間ね。八幡」
雪乃「器がなくても貴方は本当に素敵ね。最後の日だって……」
雪乃「え?平塚先生?姉さんがさっき持って行ったわ」
雪乃「ところで八幡、2人でいる時くらい他の女の名前はやめてほしいわ。」
雪乃「けど仕方ないわね。それが貴方のいいところですもの。」
雪乃「愛しているわ。八幡……」
雪乃「体はもう5対不満足だけど…貴方は無事だもの」
雪乃「所詮あれはただの器よ。大切なのは中身。そうじゃなくて?」
雪乃「だからこそ私は貴方を救ってあげたわ。見た目に騙される愚民の住む世界から」
雪乃「ただ、貴方との口論が出来なくなるのは少しさみしいわ。最近の貴方は受け身ですもの…ねぇ八幡?」
雪乃「私たちの愛の結晶もそう言っているわ…もっと親子の会話を増やさないと…」
雪乃「子どもが出来たら、まずは戸塚さんと妹に報告ね。きっと喜んでくれるわ。だって、あなたとの子供だもの。」
雪乃「愛しているわ。八幡。」チュッ
八幡「……」
雪乃「口もなければ体もない。あるのは貴方の脳だけ。でも、貴方と私は心で繋がっているわ。」
雪乃「だけど、貴方の妹もひどいわね。会うなり悲鳴を上げるなんて……せっかく貴方に会えたのに貴方の声が聞こえない。って言っているようなものよ」
材木座「・・・とこんな感じの新作小説を書いて見たんだが」
八幡「」絶句
雪乃「ねぇ八幡…」
雪乃「私の誕生石ガーネットの石言葉は秘めた情熱…八幡のペリドットは夫婦の幸福、運命の絆なのは知っているでしょ? やはり私たちは結ばれる運命なのよ。」
雪乃「たとえ私が死んでも貴方だけは必ず一緒よ。嬉しい時も辛い時も地獄に行っても…私は貴方と2人なら全然平気。だって貴方と二人でいる強さを知っているから。それを教えてくれたのは貴方…そう、八幡だったわね」
雪乃「ぼっちである貴方からそれを教わるなんて…まったく皮肉なものね。」
雪乃「留美ちゃんは今日貴方の目と一緒に寝るそうよ。かわいらしいわね。そうだ、私たちも一緒に寝ましょうか。結婚していなくても私たちは夫婦…たまにはいいわよ」
雪乃「それまではお話しましょう八幡…私だけの八幡…大好きよ、八幡……永遠に」
終わり。
純愛物でした。
このSSまとめへのコメント
嫌いじゃないよ
良いんじゃないかな?(白目)
んじゃあ、次はやっぱり全部独り占めしたくなったゆきのんがみんなに襲撃をかける第二部だね(ニッコリ)
やはり雪ノ下はキチガイだな氏ネ
はぁ〜、ほんと雪ノ下は害