比企谷君と七人の魔女モドキ (118)
【エロ注意?】
雪乃「………」ペラッペラッ
八幡「うぃーっす」ガラッ
雪乃「………」ペラッペラッ
八幡「………?」
八幡(漫画読んでるなんて珍しいな……)
雪乃「………」パタリ
八幡「読み終わったのか?」
雪乃「………」フーッ///
八幡(漫画を持ったまま、大きくため息ついて頬を赤らめてる……何だこいつエロ本でも読んでたのか?)
雪乃「……エロ谷君」
八幡「俺は名字まで煩悩に支配されてるのか」
雪乃「キスをしましょう」スッ
八幡「」
机に置かれた漫画
【山田君と七人の魔女】
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1391708571
八幡「待て、落ち着け。お前自分の言ってる事分かってるのか?」
雪乃「ええ、分かってるわ」
八幡「じゃあもう一度言ってみろ」
雪乃「あなたと」
八幡「おう」
雪乃「私は」
八幡「おう」
雪乃「キスをするの」ハァハァ///
八幡「ビチ乃下落ち着け」
雪乃「由比ヶ浜さんみたいな言い方はやめてちょうだい」
八幡「お前酷いな」
八幡「何があったんだ雪ノ下」
雪乃「ええ、キスをする必要ができただけよ」
八幡「その理由を聞いてるんだ」
雪乃「答えたらキスをしてくれるのかしら」
八幡「答え次第では……いや、ないだろ」
八幡(こいつに限ってないとは思うが、もし罰ゲームとかドッキリだったら俺はもう立ち直れないぞ……)
雪乃「キスをすれば身体が入れ替わるからよ」
八幡「……お前、頭大丈夫か?」
雪乃「あなたの腐った瞳より平気よ」
八幡「やっぱ酷いなお前」
雪乃「私もあなたのような許可もなく舌を入れてきそうな男とキスをするのは苦痛でしかないのだけれど」
八幡「お前、ナチュラルに人を傷付けるよな。なんかそういう風に進化した新人類みたいだよな」
雪乃「傷ついたのなら特別に舌を入れることも許可するわ」
八幡「えっ、マジで?」ピクッ
雪乃「………」
八幡「………」
雪乃「やっぱり今日はやめておきましょう」
八幡「あ、ああ……」
八幡(ちょっと残念に思った俺がいる……)シュン…
雪乃「………」チラッ
――ガラッ!
結衣「やっはろー、ヒッキーいる?」
雪乃「残念ながら、いるわよ」
八幡「残念ながら当然だな」
結衣「また訳わかんないこと言ってるし」
八幡「俺になんか用か?」ジッ
結衣「うっ……///」
八幡「………?」
結衣(やだヒッキー超カッコ良い好き好き大好き!)
結衣「ヒッキー、キスしよっか///」ハァハァ
八幡「ビチヶ浜、今日はキスのバーゲンセールか?」
結衣「プライスレスだし! オーダーメードだし!」
八幡「オーダーメイド? どういうことだ?」
結衣「……ひ、ヒッキーの注文通りのキスをするってことだよ?」モジモジ///
八幡「……っ!?」ドキッ///
雪乃「………」
結衣「ねぇヒッキー良いでしょ?」ハァハァ///
八幡「お前息荒いっ、落ち着けって」ビクビク
八幡(何で俺が犯される側なの? 俺って草食系なの? 今まで擬態する虫だと思ってたわーあはははは)
雪乃「この男はいきなり舌を入れてくるわよ」
結衣「えっ」ビクッ
八幡「は?」
雪乃「……男の方が力が強いからと言って、無理やりに口内に舌を侵入させるの。歯の本数から舌のざらつき、口腔のちょっとした凹凸までねっとりと確かめて……」ハァハァ///
八幡「お、おい、何を言って……」
結衣「ヒッキーの変態ぃいいいいいい」ダダダッ
八幡「」
雪乃「………」ハァハァ///
八幡「お前、俺の評判を落として、そんなに俺を総武高校から追い出したいのか?」
雪乃「何を言っているのよ。あなたが学校にいることは、屋根裏にホコリがあるくらい問題ないことよ」
八幡「空気以下かよ」
雪乃「それより……今の聞いてあなたは何も思わなかったのかしら?」ジッ///
八幡「お、おう、思わないね……。俺はプラトニックなんだよ……///」プイッ
八幡(ほんとはすごい勃起しましたーーー)
雪乃「無理しなくて良いのよ……」ハァハァ
――ガラッ
三浦「ヒキオ! あ―しとキスしろし」
八幡「勘弁してください」ドゲザ
三浦「そこまで!?」ガーン
雪乃「さすがに公衆便所のように使い古された口に触れるのは彼のような生まれついての便器でも嫌よ」
三浦「あーしだって傷つくっしょ!! つーかファーストキスもまだだし!」
八幡「何で俺の方が傷付けられてんの? ……つか、三浦ファーストキスもまだかよ…意外すぎんだろ」
三浦「う、うるせーし///」プイッ
雪乃「今更純情ぶったってダメよ。人はラーメン屋さんの看板を見てフランス料理が出てくるとは思わないわ」
三浦「なんか今日のこいつ酷過ぎるし……」シュン…
八幡「思春期なんだろ……」シュン…
八幡「それで、お前は何で俺とキスしようとしてんだ。しかもファーストキス」
三浦「そ、それは……」モジモジ///
八幡(は? 何で照れてるの? 俺の事好きなの? ジョナサンがエリナのファーストキスを奪えるくらいありえねー!)
雪乃「何を照れているの? 彼のキスは荒々しくも優しさに満ち、それでいて全てを見透かすような魔力を秘めているから、そんなことでは良いようにされるわよ?」
三浦「は?」ギロッ
八幡「」
雪乃「唇と唇が触れるだけで、気付いたら唾液を口内に流し込まれるわ。それを吐きだそうと口を開いた瞬間に蓋をするように侵入してきた彼の舌はピストン運動を繰り返し、いつしか抵抗する事さえも億劫になる自分に気づく。そうしているうちに彼の舌はまるで王子が姫をエスコートするように自分の口内へと舌を連れ去るの。初めて招かれた彼の口内は今まで体験したことのない驚きと、それでいて故郷に帰って来たかのような安心感を与えてくれるわ。
そんな体験をあなたは耐えられるのかしら?」フフッ
三浦「ばっ/// ばっ///」プルプル
八幡「お、おいっ」ジッ
三浦「こ、こっち見んなし///」ブンブンッ
八幡(あれ? 三浦がすごく可愛い……?)ゴクリ
雪乃「ほら彼があなたの口元をジッと見てるわよっ」パンパンッ
三浦「ひっ///」ビクッ
八幡(何だその手拍子……)
三浦「や、やめろよぉ///」
八幡(くっ……悔しいが恥ずかしがる三浦をもっと見たいと思ってしまう自分がいる……っ!)
雪乃「あ、今彼があなたの口内の形を想像したわっ」パンパンッ
三浦「ふぇっ/// ふぇ、ふぇんたいっ///」ビクビク
八幡「し、してねーよ……」
八幡(ファーストキスまだの童貞にそんなスキルありません……)シュン…
三浦「あ、あうぅ……///」オドオド
雪乃「あぁっ! 今彼が舌舐めずりした! これ以上ここにいたら口内を犯されるわよ!」ダッ
三浦「ひっ///」ダッ
ゆきの
..三 <(^o^)><口の中どろっどろにされるわよーっ
三 ( )
三 //
ぎゃーーーっくるなしーーっ///>三浦
八幡「何やってんだあいつら……」
八幡「……取り残された」
八幡(しかし……山田君と七人の魔女は読んだことあるけど、ファンタジーじゃんあれ)スッ
―――ペラッ。
八幡「ん? 表紙が……はずれ…た?」
表紙【山田君と七人の魔女】ペラッ
本体【比企谷君と七人の魔女モドキ】
八幡「んん!?」ビクッ
八幡(比企谷君と七人の魔女モドキ!?)
俺は、そのパンドラの箱を前に身動きができなかった。
なぜなら、その偽の表紙が外れ、現れた本体に描かれていた絵は、
“俺を中心に七人の知り合い”が描かれていたからだ。
プロローグ そして彼と彼女達は道を踏み外す 完
俺「終わり?」パンパンッ
八幡「あ、ありえねぇだろこれ……」
八幡(絵はまんま山田君と七人の魔女の作者だぞ。俺どんだけ美化されてんだよ……)ドキドキ
読みたい。
八幡は強い衝動に駆られた。
今すぐページをめくって、自分が山田のように色んなヒロインとキスをするシーンを見てみたい!
しかし、開けない。
なぜなら、その七人のヒロイン達が全員見知った相手だったからだ。
例えば由比ヶ浜結衣。
俺の腕を強く掴んでいる彼女は実際より十倍増しで可愛い。
もし内容が山田君の内容と酷似しているのなら、
八幡「俺が……由比ヶ浜とキスをする…?」
――ガラッ
戸塚「えっ……な、何を言ってるの…八幡……」モジモジ
空気が凍った。
表紙には戸塚彩加も映っている。
俺の右下で、俺を見上げて頬を染めながら笑っている。
――彼もまた、七人のうちの一人だった。
八幡(って、戸塚は魔女じゃねーだろ魔法使いだろっ)
と、ツッコミを入れるものの、山田君の話でも男の魔法使いは出てくる。というか山田もその一人だ。
戸塚「あ、あのね八幡。お願いがあるんだけど……///」
八幡「断る」
戸塚「えぇ!?」ガーン
八幡「俺は確かに……確かに戸塚の事は唯一のクラスメイトだとは思っているが……それでも……」クッ
戸塚(え、他の人はクラス何なの?)
八幡「すまんっ、俺はキスは女の事したい!」
戸塚「えっ?」
八幡「えっ?」
戸塚「ききき、キスっ!?」カァ///
八幡「ちち、違ったのか!?」オロオロ
戸塚「ちち、違うよぉっ! 僕はただ今週の昼休みまたテニスの相手してくれないかって頼もうと思って!」カァ///
八幡「そ、そうだったのかっ、すまん! 俺はてっきり!」
戸塚「てっきり?」ジッ///
八幡「ぐっ……」
戸塚「てっきり僕と……何しようとしたの?」ジーッ///
八幡「う、うぅ……」タジタジ
いいよ。
八幡「えっ?」
戸塚「八幡がしたいなら……いい、よ///」モジモジ
八幡「」
八幡「ま、待て落ち着け。俺はお前とキスをしたくは――」
戸塚「したく……ないかな…?」ジッ
八幡「そんなわけあるか! 俺はお前と付き合うのがっ!」ガシッ
戸塚「……嬉しい…」エヘヘ
八幡「で、でも……」
八幡(いや待て……これは俺と戸塚に何らかの魔女能力がないか確かめられるんじゃないのか?)
戸塚「………」スッ///
八幡(め、目を閉じた!?)
どくんどくんどくん。
心臓が高鳴る。
目の前の美少女(美少年)の透き通る肌、流れるような髪、華奢な身体、ふんわりと香る良い匂いに誘われ、俺の理性はすでに崩壊寸前だった。
八幡「と、戸塚……」
戸塚「……彩加…だよね……」ボソッ///
八幡「さ、彩加っ!!」
戸塚「八幡っ! 来てっ!!」
八幡「!!」
壁|qω・`)←由比ヶ浜
壁|qω¬*)←三浦
壁|q*´、ゝ`)←雪ノ下
八幡「」
戸塚「八幡っ」ハァハァ///
雪乃「ええ、海老名さんの仕業よ」
三浦「姫菜が変な漫画描くからだし///」
結衣「……でも、すごく面白いんだよっ!(エッチだし……)」ボソッ
戸塚「………///」ペラッペラッ
八幡「興味ねーよ……」
四人「「!!」」ガーン
八幡「俺……帰るわ」
八幡(これ以上いたら何されるか、何言われるか分かったもんじゃない……)
この時の俺は、漫画の内容が山田君と同じようにキスをして能力をコピーするものだとばかり思っていた。
―――後悔する。
“この時漫画の内容を読んでいれば”と。
廊下に出ると、そこにはジッとこちらを見つめる先輩が一人。
めぐり「………」ジッ
城廻めぐり。この学校の生徒会長にして陽乃さんの後輩。
リア充としての階段を駆け足で上がっている彼女が俺は苦手だ。
八幡「うす……」ペコリ
もっと問題がある。
めぐり「………ねぇ」
城廻めぐりもまた、
めぐり「キス……しよっか」ニコッ
比企谷君と七人の魔女モドキの表紙に出ていた魔女モドキだったのだ。
八幡「お断りします」
めぐり「やー、君はその最低な人格に似合わず純情なんだねー」
この言いようである。
八幡「いや、俺、リスクを負いたくないだけなので」
これは本音だ。
城廻先輩は明るい性格と整った顔立ちで校内人気ランキング上位に入る強者だ。
その人気者とキスしたとバレたら学校生活だけでなく命が危ない。
さっさと逃げよう。
この時、俺がもう少し冷静なら気付けたはずだ。
めぐり「ねぇ」
この人が誰の後輩で、
めぐり「私ってさ」
この学校の生徒会長で、
めぐり「欲しいものは絶対に手に入れるんだよね」グイッ
俺を最低な人間に認定していながら笑顔で接してくる厄介な人間なのだ。
八幡「っ!!」
生まれて初めてのキスは、年上に強引に奪われた。
とても心地が良く、意識が沸騰しそうで、身動きとれなくなる甘美な行為だった。
めぐり「んっ/// ふっ///」チュッ///
八幡「………っ///」チュッ
誰もいない廊下に音が響く。
年上のキスは意外にもたどたどしく、ただ唇を触れあわせるだけのお世辞にも上手とは言えないものだった。
『男の方が力が強いからと言って、無理やりに口内に舌を侵入させるの。歯の本数から舌のざらつき、口腔のちょっとした凹凸までねっとりと確かめて』ハァハァ///
どくんどくんどくん。
八幡「………」ガシッ
めぐり「ふぇっ///」ビクッ
中に入れたい。
確かめたい。
知りたい。
ちゅぷり。
めぐり「……んっ///」ギュッ
城廻先輩が俺の服をぎゅっと掴む。
え、何この可愛い生き物。女の子ってキス一つでこんな可愛いの?
深淵から支配欲が覗く。
“もっと犯せ”、と。
めぐり「んっ/// は、はげしぃよぉ///」ギューッ
腰回りを強く抱きかかえようとする城廻先輩。
俺は身体を少し引いて先輩の要望を拒否する。
めぐり「らっ/// めぇ///」ハァハァ
力の拠り所が見つからず、ガクガクと震える先輩。
俺はさらに強く口内を犯して、彼女に残ったほんの少しの体力を奪う。
……あれ?
八幡(俺……何でこんなに激しく……)
急に、心が凍りついた。
そして、顔を先輩から離す。
めぐり「………」ハァハァ///
城廻先輩が上目遣いでこちらを見上げてくる。頬は真っ赤に染まり、表情はとろりと蕩けている。
――急に自分が恐ろしくなった。
八幡「お、俺……」
明らかに自分の領分じゃない。
誰かが俺を乗っ取ったに違いない。
そうだ、そうと言ってくれ。
めぐり「比企谷君、聞いて」ハァハァ///
ダメだ。
俺は、俺は……。
―――そして、逃げた。
八幡「はぁっ、はぁっ……」タタタッ
喉が枯れ果てて熱ささえ感じた。
自分が自分じゃない感覚。
何だこれは。
快楽に身を委ね、委ね続け、いつしか快楽に支配されたような。
八幡「くそっ……」
深淵から覗く支配欲に押しつぶされそうになる。
急いで帰ろう。
帰って、寝よう。
明日になればいつもの生活が待っている。
下駄箱に着いた時、そこにいたのは――、
沙希「………」
川崎沙希だった。
彼女もまた、表紙にいた七人の魔女モドキの一人だ。
沙希「比企谷……あのさ」
八幡「お、おう……」
なんでだろう。
いつもなら気にならなかったポニーテールが、彼女の綺麗な首筋とうなじがとてもエロく感じる。
生唾を飲み込む。
沙希「もし良かったらさ、私と――」
「嫌だ!!」
俺は叫んだ。
強く、強く叫んだ。
何度も何度も何度も叫んだ。
叫んで叫んで叫んで、
沙希「んっ///」チュプッ
八幡「………!?」ジュプッ
叫んでいないことに気付いた。
川崎の口内は城廻先輩より柔らかい。
沙希「……ぷはっ/// 積極的じゃないか…///」トローン///
あの強気な川崎の表情が甘さに負けた女の顔になっている。
俺が命令したら何でも言う事を聞いてくれそうな、そんな弱弱しさを感じる。
八幡「なぁ……一つ教えてくれないか?」
沙希「ん?」ハァハァ///
八幡「俺とキスしたらどうなるんだ?」
沙希「………」
そして川崎沙希は口を開く。
今日はここまで!
ホラーではないので安心してください!
おやすみなさい!
俺「乙。待ってる」パンパンッ
お、八股かよ
期待しとくわ
まだまともなのも書けるんだな先輩
前作微妙だったから期待
前回は叩かれすぎて
原作読んで帰ってきますって宣言してたけどもう読んだのか?
八幡の部屋。
八幡「………」
回想
沙希『あのマンガは読んだかい?』
八幡『いや……』
沙希『あの主人公とキスをして、その後翌日にもキスをしたら、
ヒロインは主人公を手に入れられるんだよ』
~~~
八幡「……マジかよ…」
八幡(俺明日奴隷になっちゃうのか……)ガクガク
妄想
沙希「私塾行くお金ないんだよねー。親からパクッてきてよ」
八幡「はいっ喜んで!」つお金
三浦「ヒキオ、全裸」
八幡「はいっ喜んで!」ヌギヌギ
戸部「マジヒキタニ君全裸っしょ!」パシャパシャ
雪乃「比企谷君、私の椅子になりなさい」
八幡「はいっ喜んで!」ヨツンバイ
結衣「どう!? ビッチの人間性道具になった気分は!」パンッパンッ
八幡「はいっ喜んでます!」キモチイー!
~~~~
八幡「地獄だ……」ガクガクブルブル
小町「お兄ちゃん入るよー……って、布団にもぐって何してんの?」
八幡「え、あ、いや……それは…」
八幡(小町もあの表紙にいた……。でも、小町に限って――)
小町「ねぇねぇおにぃちゃん! 兄と妹のチューしよっ(はぁと)」ニコッ
八幡「」
小町「何かたまってんのゴミィちゃん。妹が兄と兄妹キスしようって言ってんだよもー」ヤレヤレ
八幡「……兄妹キスってなんだよ…」ガタガタ
八幡(身内にも敵はいた……)
小町「えーっ? おにぃちゃん兄妹キスも知らないの!? おっくれてるー!」ヤダーッ///
八幡「だ、騙されないぞ。世の中にそんな非生産的なプレイがあったら人類はとっくに――」
小町「うるさい口は塞いじゃうからね」チュッ
八幡「」チューッ
小町「んっ/// ちゅっ///」チュプチュプ
小町のキスは思った以上に情熱的で、何度も口内を犯された俺は次第に抵抗する気力を失っていった。
10分後。。。
小町「………」ペロペロ
八幡(もうやだ……こんなラテン系の妹お兄ちゃん認めないっ///)ウゥ…
小町「………これで小町のモノだね」ニコッ
八幡「……やっぱり読んだのか?」
小町「えへへ/// だっておにぃちゃんは小町のモノだもん♪」ニコッ
八幡「………」
八幡(一生奴隷にする気か……)
小町「あれ? なんか反応薄いなぁ……」
八幡「………」
小町「まぁいいや。また明日キスしようね、おにぃちゃん♪」ガチャ
八幡「………」
八幡「……えぐっ…ぐすっ……ひぐっ…」
人知れず枕を濡らした。
翌日。
八幡(解除する方法を確かめなきゃ……)
一晩中泣いた俺は、一つの仮説に至っていた。
〝主人公にも何らかの権利はある”!
山田君の山田はコピー能力を得ていた。
ならば、比企谷君の八幡も何らかの能力を得られるはず!
いや、し、信じてないけどね。
でも、もし万が一あれが本当なら俺は奴隷にされる。
この日本で奴隷なんて……しかも見た目は普通だなんてふざけている。
八幡「絶対に解いてみせる!」
そして俺は、著者だとされる海老名姫菜の下へ向かった。
海老名「珍しいね! 比企谷君から話しかけてくるなんて!」
八幡「……ちょっと、エントランスまで良いか?」
海老名「えぇ!? わ、私!? 私は七人の中に――」ハッ
言いかけて、ハッとする海老名。やはり何か知っているらしい。
屋上。
海老名「………」
八幡「率直に答えてほしい。
〝魔女の能力を解く方法を教えてほしい”」
海老名「………」
海老名は答えない。
なぜだ。そんなにも俺を奴隷にしたいのか?
八幡「頼む。教えてくれ。俺はまだ自由に生きたいんだ」
というより、あいつらに命令されて生きたくないだけだが。
海老名「そっか……好きな人いるんだ」
八幡「は?」
なんでそこで好きな人がいることになるんだ?
……でも、そうすれば解く方法を教えてもらえるのか?
八幡「あ、ああっ、そうだ。好きな人がいるんだ!」
溺れる者は藁をもすがるというが、まさに俺は幻影に手を伸ばしたようなものだ。
――この発言で事態は泥沼化する。
海老名「そっか、なら良いことを教えてあげるよ」
海老名姫菜は少し寂しげな表情で口を開く。
海老名「誰かに二回連続でキスされる前に、ヒロインとされる人たち全員とキスすれば呪いは解かれるわ」
八幡「二回連続?」
海老名「あれ? 読んでないの?
ヒロインに二回連続でキスされると二人は結ばれるんだよ」
八幡「そ、それって、今日小町とキスしたらやばいってことか?」
海老名「妹さんに唇奪われちゃったんだ! コマハチきたこれ!」ブッシャァ!!
八幡「………」
俺は条件を頭の中に描き出す。
脳内。
★比企谷君が奴隷になるまで!★
1、比企谷君とキスをする。
2、比企谷君を一日以上放置する。
3、比企谷君と再びキスをする。
【注意】
・キスをした後に他の魔女モドキと比企谷君がキスをした場合、自分の分はキャンセルになります。
・比企谷君が全員の魔女モドキとキスをした場合、魔女モドキの力は効かなくなります。
八幡「……あれ、案外楽勝じゃね?」
海老名「どうだろうね。ま、私としてはトツハチかハヤハチが見たいんだけど、残念ながら葉山君は入ってないから戸塚君に期待しようかな」グヘヘ
八幡「……なぁ海老名」
海老名「ん?」
八幡「これってマジなのか?」
海老名「うん、マジだよ」
八幡「お前がやったのか?」
海老名「それは秘密だよ」
八幡「そうか」
海老名「そうだよ」
八幡「………」
昼休み。廊下。
八幡(とりあえず最後にキスをした相手を警戒すれば良いということが分かっただけでも収穫だな)
八幡「次はメンバーを確実にするためにあのマンガを手に入れなければ……」
覚えている限り、
雪ノ下、由比ヶ浜、戸塚、小町、めぐりがメンバーに入っていたはず……後二人は誰だ?
海老名は違うらしい。
思い当たる知り合いと言えば、平塚先生、雪ノ下姉、後は鶴見留美とかか?
相模……うわ、想像しただけでも一番奴隷になりたくないんだが……。
ともかくまずはマンガ。それから、小町のキャンセルだ。
八幡「雪ノ下に会わねーとな……」
雪乃「ないわよ」
八幡「は?」
雪乃「悪口を聞きすぎて耳が壊れたのかしら。ここに昨日の漫画はないわよ」
八幡「いや、お前最後持ってたじゃねぇか」
雪乃「焼却したわ」
八幡「何の必要性があんだよ」
雪乃「あんな忌々しい漫画は滅ぼすしかないのよ」ギリッ
八幡「お前、俺が欲しかったんじゃねーの?」
雪乃「………」ドンビキ
八幡「いや、すまん。今のは俺の言い方が悪かった」
雪乃「……まぁ、そうね。あなたを手に入れられたらと思う事もあったわ」
八幡(あるんじゃねぇか……)
雪乃「でも、私には無理そうだから、やめておくわ」
八幡「そうか、それは良かった」ホッ
雪乃「………」
八幡「でも、漫画ないのか……くそ」
雪乃「どうかしたのかしら?」
八幡「いや、漫画の表紙に俺、お前、由比ヶ浜、戸塚、小町、城廻先輩がいたのは覚えているんだよ」
雪乃「えっ」
八幡「悪かったな記憶力無くて」
雪乃「え、ええ、そうね。空っぽの頭じゃその程度が限界ね」ドキドキ
八幡「後二人、お前覚えてないか?」
雪乃「もちろん覚えているわよ」ファサッ
八幡「お、教えてくれ!」
雪乃「……そのかわり」
八幡「えっ?」
奉仕部。
雪乃「………///」ペロペロ
八幡「お、おい……首舐める必要はねーだろ」
雪乃「魔力を高めるためよ」
八幡「んな必要ねーだろ」
雪乃「あら、マンガ読んでいないあなたに何が分かるというのかしら」
八幡「ぐっ……返す言葉も出ない……」
雪乃「はぁはぁ……準備は万端ね…///」ドキドキ
八幡「それじゃあ、行くぞ」スッ
俺は雪ノ下の華奢な両腕をつかむと、彼女の目を見つめる。
いつもの誰も寄せ付けない強い意志を秘めた瞳ではなく、相手を求め、受け入れ、全てを見透かしてほしいと懇願するような潤んだ瞳は、俺の支配欲を大いに掻き立てた。
雪乃「焦らされるのは好きじゃんっ///」チュッ
好きじゃん。
狙ったわけじゃないが、当分は弄れそうなタイミングでキスができた。
雪乃「んっ/// ふぁぁ///」チュプッ
雪ノ下自身はそれどころじゃなさそうだ。
激しくもつれ合う舌。
ちゅぷちゅぷとお互いの口内を行き来する唾液。
たらりと垂れるそれは雪ノ下の制服に落ちてシミを作った。
これで小町の力はキャンセルされた。
俺は安堵の溜息を吐いて近くの椅子に座る。
雪乃「………」ポーッ///
雪ノ下はボーっと天井を見上げている。
自分とのキスであの傲慢な雪ノ下をここまでにしたと思うと、少し嬉しくなった。
雪乃「残りの二人は、三浦さんと鶴見さんよ。覚えているかしら?」
そうだ。三浦優美子がいた。……そしてやっぱり鶴見留美か。
八幡「ああ、小町とたまに遊んでるからな」
八幡(けど、小学生とキスって……。しかもあいつはこのこと知らないだろうし……)
警察署まっしぐらである。
雪乃「それじゃ、明日からもキャンセルに付き合ってあげるから感謝しなさい」
八幡「えっ、マジ?」
雪乃「……私はあなたのような人間を手に入れてしまう相手の事を思いやってるの。勘違いしないで///」プイッ
ツンデレに見えたのは、俺が思春期の愚かなリア充と同じ存在だからだろうか。
残りは、由比ヶ浜、三浦、鶴見、戸塚か……戸塚が一番気が引けるな。
この時、俺は石橋を踏み外していた。いや、〝あるはずの石を抜かれていた”。
だが、気付いた時にはもう遅く、その時は近い。
いったんここまで! 離れます!
☆キスした相手☆
※した順番
1城廻めぐり
2川崎沙希
3小町
4雪ノ下雪乃
■魔女モドキ(雪乃情報)■
※順不同
1城廻めぐり
2由比ヶ浜結衣
3三浦優美子
4雪ノ下雪乃
5戸塚彩加
6鶴見留美
7小町
放課後。
八幡「………」
めぐり「………」
八幡「どいてください」
めぐり「嫌」
八幡「………」スッ
めぐり「りーりー!!」バッバッ
八幡(くっ、なんだよそのカバディみたいな動き! 先輩補正と可愛い補正でめちゃくちゃ可愛いじゃねぇか!)
めぐり「ねぇ一つ聞いて良いかな」
八幡「そしたら通してくれますか?」
めぐり「うん、もちろんだよー」
八幡「ならどうぞ」
めぐり「私とキスした後のキスで相手メロメロにした?」
八幡「!?」ビクッ
しまった。と思った時にはもう遅い。
城廻先輩はふーんそっかーと顎に人差し指を当てて上の方を見上げる。……この人って動き可愛いんだよな…。
めぐり「まぁでも、私もあなたに良いモノ貰ったし、おあいこだね♪」ニコッ
くるっと一回転回る城廻先輩。……これがただの恋愛ラブコメだったら俺はこの人に決める!
……ただの奴隷げーむだけど。
八幡「貰ったって……何を?」
めぐり「これだよこれ」ニコッ
八幡「………?」
まるでアイドルのように可愛い動きで俺を魅了する。
……前からこんな人だったか?
八幡「まさか……能力?」ゾクッ
戦慄した。
俺がこの人を可愛いと思ったのは……この人の能力?
めぐり「私が生徒会長だったからかなぁ。
“他人を魅了する”能力に目覚めたんだぁ♪」
八幡「……マジ…すか」
この人、何で動きの一つ一つが可愛いんだろう。
やばい、マジで好きになってきたかも。
めぐり「~~~♪」
例えるならそう、城廻めぐりは回転寿司で回る高級伊勢海老である。高級でありながらも庶民でも手が届いてしまう。彼女は生徒会長でありながら、どんな人間にも気さくに接し、笑顔を絶やさず動きの一つ一つは可愛くて、声のトーンから口調まで聞くものすべてを魅了する。スタイルは男受けの良い胸元より少し高いくらい。抱きしめて胸上くらいに顔が来るとすごく愛おしい。彼女が動くたびにふわふわと揺れる髪はいつまでもいつまでも撫でつづけられるし、匂いも嗅いでみたい。色んな髪形が似合うと思う。例えばポニーテールとか可愛いな。「どう、八幡、似合うかなァ」と髪の尾をひらひらと動かす彼女を見ていたら、俺は思わず猫のように飛びつくだろう。そして彼女はそんな俺を受け入れてくれる。それどころか「もう八幡のエッチ」とはにかむだろう。可愛い。つい抱きついてしまった俺は彼女の身体の柔らかさを知ることとなる。指の一つ一つが彼女の柔らかさに感動する。そして、その弾力を楽しみたい。もう一度、もう一度。ぷにぷに。ぷにぷに。「んっ」と甘い声をあげるめぐり。その声が俺の耳に到達した時、俺の中にあった唯一の理性が崩壊する。右手は彼女の胸に、左手は彼女の臀部に向かった。そして――、
めぐり「ふふふ」ニコニコ
八幡「そして俺はめぐりに一線を越えても良いか確認をとる。めぐりは「良いよ八幡」と恥ずかしそうに……」ブツブツ
めぐり(比企谷君の中が私で満たされてる! それってすごく気持ちいいかも!)
結衣「ヒッキー!?」
めぐり「……由比ヶ浜さん」
めぐり(たしか由比ヶ浜さんの能力は“同化”。……由比ヶ浜さんが比企谷君に同化するのかそれとも……)
城廻めぐりは試算した。
このまま比企谷に命令して一緒に逃げることは可能だ。
そして誰も来れないところまで逃げてキスをする。
24時間たってもう一度キスをすれば、晴れて二人は結ばれる。
だが、キスをして能力が解除されてしまったら?
家に帰ってすぐに本屋へ山田君と7人の魔女を買いに行った。
結果、山田君にキスを2回されると能力が解除されることが分かった。
……もし能力が解除されてしまったら、比企谷は逃げてしまう。
そして城廻めぐりがとった行動は、
めぐり「由比ヶ浜さん。私の能力は知っているわよね」
結衣「は、はい。もしかしてヒッキーは先輩の能力に!?」
めぐり「ふふふ、どうでしょうね」ニコニコ
結衣「うぅ……」
八幡「めぐり綺麗だよ。俺は指輪を彼女の細い指にかける。めぐりは涙を流しながら」ブツブツ
結衣(ていうか絶対これ八幡能力にかかってるし!!)
結衣「ヒッキーごめん!」チュッ!!
八幡「!?」ビクッ
八幡(な、なんだ!?)
めぐり(もし由比ヶ浜さんの同化が自分に対する能力なら、比企谷君の気持ちをコピーしてしまうはず。そうすれば由比ヶ浜さんは……)
結衣「………」
めぐり(特に変わった様子はないわね……)
八幡「二人ともそんな制服を着崩して恥ずかしいと思わないんですか?」
二人「「優等生になっちゃったーー!」」
めぐり(たしかに学校にいる以上、優等生でいることは最大の同化と言えるわ。由比ヶ浜さんは友達との空気を読むことが多いと悩んでいたけど、彼は今“総武高校”の空気を読んでいる……)
結衣(ヒッキー空気読み過ぎ!)
八幡「二人とも普通にしていても十分綺麗なので、今すぐ制服を普通に戻してください」
二人「「……綺麗///」」
八幡「具体的に言えば由比ヶ浜結衣さんはスカートが短すぎます。そんな綺麗な足を魅せる必要は学生にはありません」
結衣「ひ、ヒッキーのエッチ///」バカッ
八幡「城廻めぐり先輩はブラウスをちゃんと上まで止めてください。あなたの綺麗な肌を見ていると勉学に集中できませんから」プイッ///
めぐり(学生としての青春の空気も読んでいるのね……)ドキドキ
八幡「それで、僕は呪いを解く必要があるんです。それでは」テクテクテク
結衣「………」
めぐり「………」
二人(面白いから後をつけてみよう……)
八幡「三浦優美子。君は僕の心をざわつかせる」
三浦「ふぇ!?」ドキィッ
結衣(あー、優美子はある意味一番空気読めてないからねー)
めぐり(ふふ、楽しい戦いになりそうだわ♪)
八幡「その短すぎるスカート。僕の思春期の性欲を舐めてるんですか? 一晩中妄想しますよ?」
三浦「ひ、ヒキオの変態!!」カァ///
結衣(あーポイント高いねー)
めぐり(好きな人から言われたらもう舞い上がっちゃうねー)
八幡「そのブラジャーが見えそうなくらいはだけたブラウス! そこに手を突っ込めるのなら僕は命を賭けたっていい!」
三浦「ふぁぁあ!?」バッ///
結衣(あー、その腕を交差して胸元隠すポーズあざといねー)
めぐり(比企谷君女の子を口説く才能あるわねー)
八幡「三浦優美子! 君は僕の健全な青春の敵だ! それもこれも――、
君が可愛くて美人でスタイル良くて性格も実は面倒見が良くて、実は礼儀正しい女性としての理想なのが原因だ!!」ビシッ
三浦「」ピーガガー
結衣(あ、優美子の脳がショートしてる……)
めぐり(あれくらい言って欲しいなー)
八幡「くっ……今すぐ君を抱きしめてキスをしたいのに、学生としての責任が邪魔をするっ」
三浦「………」スタスタスタ
八幡「ん? どうしたそんなのに近づいて。もしかして僕の服も乱れていたか!?」
結衣(あー、あれだねー)
めぐり(うん、あれだねー)
二人((キスだねーー))
八幡「んっ!?」チューッ
三浦「……んっ」チューッ///
三浦「………///」
八幡「ぷはっ」
結衣(城廻先輩は優美子の能力覚えてます?)
めぐり(うん、たぶんあなたの能力は消えちゃうねー)
三浦「……ねぇヒキオ…」モジモジ
八幡「………」
三浦「さっきの――「黙れ雌豚」
三浦「」
八幡「俺の許可なく勝手にキスしやがって」グイッ
三浦「ぁんっ///」ギュッ
二人((天上天下唯我独尊だもんねー))
八幡「………」ジュルルルルッ
三浦「んんっ/// はぁぅん///」ビクビク
結衣(キスだけで身体がビクビクしてる)
めぐり(都市伝説かと思ってたー)
八幡「……じゃあな」パッ
三浦「………」ヘナヘナ///
結衣「ゆみ――」
めぐり「ダメ」グイッ
結衣「えっ?」
めぐり「今彼の前にいったら、あんなになっちゃうわよ」
三浦「/////」ポーッ
結衣「………」
めぐり(まぁ、抜け駆けが許せなかっただけだけど)テヘッ///
八幡「………」テクテクテク
結衣「あ、動いたっ!」
めぐり「私が追いかけるからあなたは三浦さんを」テヘペロ
結衣「は、はいっ!」タタタッ
めぐり(由比ヶ浜さん単純でかわいーーー♪)
☆キスした相手☆
※した順番(判明している能力)
1城廻めぐり(相手を魅了する能力)
2川崎沙希
3小町
4雪ノ下雪乃
5由比ヶ浜結衣(空気に同調する能力)
6三浦優美子(天上天下唯我独尊)
■魔女モドキ(雪乃情報)■
※順不同 ☆キスした
1城廻めぐり☆
2由比ヶ浜結衣☆
3三浦優美子☆
4雪ノ下雪乃☆
5戸塚彩加
6鶴見留美
7小町☆
天上天下状態で戸塚と鶴見どっちに遭遇させるか悩むな。
ちょっと風呂入ってきますー
八幡の家の前
八幡「………」
留美「………」
八幡「もう一度言うぞ。今からお前のファーストキスを奪う」
留美「………死ね」
八幡「……俺はお前とキスをしたいんだ」
留美「………お願いだから死んで」
めぐり(うわぁ、それは絵面的にやばいよー。
彼女魔女じゃないのに)
八幡「………」ガシッ
留美「きゃっ///」
留美(は、八幡ってこんな乱暴しないもん!)
めぐり「これはちょっとまず「八幡!!」ダッ
八幡「……彩加」
戸塚「八幡! 小学生を襲うなんて最低だよ!」
留美(あ、綺麗なお兄さん)
戸塚「八幡は僕とキスをしていればいいんだ!!」
留美「」
めぐり「うーん絵面的にはバッチシなのになー」
八幡「よし、いいだろう」グイッ
戸塚「ぁ///」ビクッ
八幡「こんなに怯えて、可愛い奴だ」チュッ
戸塚「んっ///」
留美「/////////」ジーッ
めぐり「海老名さん連れてくれば良かったなー」
八幡「………」チュプッ
戸塚「んっ/// ら、らめらおはひはん///」モジモジ
八幡「………」
現実が押し寄せて来た。
八幡「な、なんだこれ……」ガクガク
八幡(いや、記憶はある。何してんだ俺……)ガタガタ
戸塚「……はぁはぁ///」
めぐり「いやー、良いモノを魅せてもらったよー」ニコニコ
八幡「城廻先輩……」
めぐり「戸塚君の能力は“女体化”だっけ? どっちがなるのかなー」ニコニコ
八幡「ふぁっ!?」
戸塚「………」モジモジ
留美「……?」
八幡の部屋。
めぐり「仮説だけどね。比企谷君は一つの能力しか発動できないの」
八幡「はぁ」
めぐり「しかも、発動するのがどっちかはキスした相手によると」
戸塚♀「この場合は僕ってこと?」モジモジ
八幡「いや、確かに胸は大きくなってるけど」ジーッ
戸塚♀「やっ///」
留美「八幡の変態!」
八幡「お、おいっ、俺は戸塚の胸を見てただけじゃねぇか!」
めぐり「今は戸塚君は女の子だからねー。立派な変態だよー」ニコニコ
八幡「……すまん戸塚」
戸塚「う、うん、でも僕、八幡になら……///」モジモジ
八幡「………」ゴクリ
めぐり&留美「「 変態 」」
八幡「………」
八幡「でも、鶴見じゃねーってどういうことだ? 雪ノ下が嘘ついてるのか?」
めぐり「うーん、私も誰だったか思い出せないんだよねー」
戸塚♀「たぶん“透明化”の能力の持ち主だと思うんだ」
八幡「……そうか、昨日キスしたけど、忘れてしまったのか」
めぐり「でも、安易に忘れると決めつけ無い方がいいかもね」
3人「?」
めぐり「だって、それならどうやって比企谷君は魔女の存在を知ったの?」
八幡「あ……」
八幡(確かにそうだ。俺は誰かとキスをして、誰かにそれを教わった。……けど、誰だったっけ…)
八幡「思い出せない……」
戸塚♀「そう言えば、妹さんはどんな能力だったかな?」
めぐり「あの本通りなら“ポイント変動”かな?」
八幡「ポイント変動……?」
小町「そうだよー。そして、最強の能力でもあるんだよおにぃちゃん」パチンッ
八幡「えっ?」
めぐり「あ、あれ?」
戸塚♀「こ、ここはどこ?」オロオロ
留美「あ、あなた達誰!?」ビクビク
八幡「は?」
一体、何が起きた?
小町「………」ニコニコ
小町「補足するとね、おにぃちゃんにキスされて能力を発動した側は、もう一度キスされるまで能力を解除されないんだよ」
八幡「……それで、お前の能力は…」
小町「だからポイントを変動できる能力だよ♪」ニコッ
八幡「……記憶の?」
小町「ううん、記憶と感情の!」パチンッ
留美「八幡っ/// 八幡っ///」ギューッ
八幡「は?」
え、何?
何でいきなりこの小学生盛ってんの?
留美「八幡大好き! 好き好き! 結婚して!」ギューッ
小町「今はおにぃちゃんの記憶を戻して、好意のポイントをアップさせてるんだよー♪」
八幡「……まじかよ…」
留美「~~~♪」ギューッ
人の感情と記憶を操れるってどこの学園都市ですか!?
小町「残念なのは、おにぃちゃんのポイントを変動させられないってことかなー」
いや、十分やばいんですけど。
小町「……でもこうすれば」パチンッ
戸塚「ジッとしてて八幡」ガシッ
八幡「は?」
めぐり「じーっと、だよ?」ガシッ
小町「………」ニコニコ
八幡「ちょ、ちょっと待て、何をする気だ?」
小町「何って、
身体を縛るんだよおにぃちゃん♪」ニコニコ
八幡「」
小町「えへへ、二人っきりだねおにぃちゃん」ギューッ
八幡「解いてくれ小町」
小町「大好き♪」ギューッ
八幡「………」
小町「もう一度キスをしたら小町の能力解除されちゃうのか……」
八幡「嫌なのか?」
小町「ううん、おにぃちゃん以外の人をどうにかしたって面白くないもん。……ただ、怖いなって」
八幡「誰が?」
小町「うん、森羅万象の能力」
八幡「は?」
森羅万象?
何ビックリマンチョコみたいなやつ?
小町「あの能力者ってたぶん平塚先生なんだけど、あの人があれを使えるようになったら小町なんて一瞬で負けちゃう……」
八幡「いや、あの人はそんなことしねーだろ」
小町「分かんないもん!」ギューッ
八幡「あの人は誰かを奴隷にしたいとか思ったりはしない」
小町「奴隷?」
八幡「……違うのか?」
小町「もしかして……おにぃちゃんずっと皆の事をそう思ってたの?」
八幡「あ、ああ……」
小町「………」
小町「おにぃちゃんと24時間たってキスできたら、一生二人はラブラブなんだよ」
八幡「は? ラブラブ?」
何その格闘ガンダムの最終奥義。ハートマークが飛びだすんですか?
小町「そうだよ! みんな、みーんなおにぃちゃんとラブラブになりたいんだよ!」エヘヘ///
八幡「小町も?」
小町「うんっ♪ あ、今のポイント高いっ♪」ギューッ
八幡「………」
八幡「いや、嘘に決まってんだろそれ」
小町「………」
八幡「俺の事を誰かが好きになる? はっ、ありえねーだろ」
比企谷菌だー!
うわ、きもっ。
話しかけないで。
八幡「誰かが俺を好きになるなんて……ありえねーだろ…」
小町「……別に良いけどね。明日には小町とラブラブだから」
――ちゅっ。
八幡「……あ」
小町「じゃあね。後で小町の手料理食べさせてあげるからね♪」ニコニコ
俺は……小町と…ラブラブに?
八幡「こま……」
――がちゃり。
扉はゆっくりと閉じ、部屋には静寂が訪れた。
☆キスした相手☆
※した順番(判明している能力)
1城廻めぐり(相手を魅了する能力)
2川崎沙希
3小町(ポイント変動)
4雪ノ下雪乃
5由比ヶ浜結衣(空気に同調する能力)
6三浦優美子(天上天下唯我独尊)
7戸塚彩加(女体化)
■魔女モドキ(雪乃情報)■
※順不同 ☆キスした
1城廻めぐり☆
2由比ヶ浜結衣☆
3三浦優美子☆
4雪ノ下雪乃☆
5戸塚彩加☆
6小町☆
7平塚静?(森羅万象?)
暗闇の中で、俺は振り返る。
誰もいない。
八幡「……ホラーかよ」
がさり。
八幡「!?」ビクッ
おかしい。
長年過ごしてきた自分の部屋だ。
一人でいる時とそれ以外の空気など覚えている。
八幡「誰か……いるのか?」
問いかけるけど誰も答えない。
再び静寂が訪れる。
八幡(透明化……?)
そして、柔らかい感触が唇に触れる。
沙希「……んっ///」チュプッ
八幡「……お前、だったのか」
沙希「久しぶりだね……///」プイッ
川崎沙希。
そうだ。靴箱の前で俺は彼女とキスをした。
そして、寝たら忘れていた。
八幡「助かった……」
沙希「そうでもないかもね」
八幡「えっ?」
ゆっくりとドアを開ける。
ちゃりちゃり。
沙希(ストップ)ボソボソ
八幡(何だ?)ボソボソ
沙希(ドアノブに長めのネックレスがかけられているみたい)
八幡(じゃあお前はどうやって入ってきたんだよ)
沙希(私は皆がいる時から部屋の隅にいたよ)
八幡(座敷わらしかよ)
沙希(う、うるさいっ///)
八幡(まぁいいや。どうする? 窓から行くか?)
沙希(うーん、それしかなさそうだね)
道路
沙希「バカっ/// 一生責めてやる!!」タタタッ///
八幡「し、しかたねーだろ! 俺の方が先に降りたんだから!!」
八幡(白のパンツ……)ニヘラ///
沙希「変態///」プイッ
八幡「お前の目的はなんだよ」
沙希「えっ?」
八幡「俺と2回キスしたってラブラブになれるだけだろ? 何が目的なんだ?」
沙希「………あんたって、ほんとバカだね」
八幡「は?」
沙希「何でもないっ」プイッ
八幡「………」
総武高校。
八幡「平塚先生が森羅万象の能力を持っていたとして、7人目なんだ。能力を発動することはできないはず」
沙希「そうだね。漫画でも7人目とキスをすれば全員の能力が解けて、主人公は解放されていた」
八幡「……さっさと終わらせる」
沙希「……ねぇ、そしたらさ」
八幡「?」
沙希「私と、付き合ってくれないかな」ボソッ///
八幡「……は?」
沙希「い、いやっ何でもない! 忘れてくれ!!」
八幡(こいつ……俺と付き合いたいなんてやっぱ金が目的なのか?)
沙希「今はこのふざけた事態を終わらせることが先決だね」
八幡「……ああ」
八幡(俺にとっては身近に金目当てで近づく人間がいることも十分問題だが……)
職員室。
八幡「ついた……」
沙希「いよいよだね」
俺は、安堵していた。
この戦いはようやく終わりを迎え、俺に安息の日々が戻ってくる。
奉仕部での毎日は安息とは言えないが、今では悪くないと思える程度には悪くない。
雪ノ下と口論をし、由比ヶ浜の天然を嘲笑う。
平塚先生に殴られて、戸塚を愛でて、城廻先輩と挨拶をかわす。
三浦がたまに睨んできて、海老名が鼻血を出し、家に帰れば小町と鶴見が遊んでいる。
ああ、悪くない。
平塚「ん? どうした比企谷、川崎」
俺は自分の平和を取り戻す。
八幡「あの、先生」
俺は自分の平凡を取り戻す。
八幡「俺と――」
俺は、
八幡「キスをしてください」
この間違った青春ラブコメを終わらせる。
平塚「あははっ! あははははっ!」
沙希「………」グッ
八幡「………」
八幡(どうしてこうなった……)
平塚「八幡。ああ、愛しの八幡。私と永遠に一緒だ」ギューッ
八幡(俺は確かに6人と……)
城廻、川崎、小町、雪ノ下、由比ヶ浜、三浦、そして、平塚先生。
八幡「まさか……え、そんな…」
雪乃「残念だったわね。比企谷君」ファサッ
こんなけ書いてて一向に面白くならないのは最早才能
雪ノ下雪乃はそう言って、髪をはらった。
思い出した。
表紙にいたのは、雪ノ下雪乃じゃない。
“雪ノ下陽乃”だ。
海老名がどういう意図で“雪ノ下陽乃の髪を伸ばして描いていた”のかは分からないが、確かにあの明るい笑顔は雪乃ではなく陽乃だ。
平塚「雪ノ下。すまんな」
雪乃「いえ、私以外に彼を任せられる人間は先生しかいませんから」
平塚「……そうだな」
八幡「どういう……ことだよ」
訳が分からない。
俺は、“何を間違えた”んだ?
雪乃「あなたは全てを間違えたのよ」
八幡「全てを……?」
雪乃「ええ、漫画の内容を確認しなかった事、海老名さんに内容を確認した事、私に7人の名前を確認した事、
その行動全てが間違いだったのよ比企谷君」
八幡「……いや、ちょっと待てよ…」
どうして漫画の内容を確認しないといけない?
どうして作者である海老名の言葉を信じてはいけない?
どうして雪ノ下に7人の名前を確認してはいけない?
八幡「何で……それが間違えてるって言えるんだよ…」
雪乃「それはね」
雪乃「あなたが、他人の好意を信じてないのに都合のよい情報だけ持っていったからよ」
雪乃「最初に漫画を確認しなかった理由。それはあなたが“他人に好かれた自分”を見ることを怖れたため」
八幡「………」
雪乃「自分が人に好かれる訳ないと考えているあなたは、漫画の中とはいえ表紙で7人に好かれた自分に嫉妬した」
八幡「それは……」
雪乃「次に、海老名さんに内容を確認した時、あなたは好きな人がいると嘘をついた。それはあなたが表紙から自分のことを好きになるという内容ではなく、……そうね、大方奴隷にでもされると思ったんじゃないかしら?」
八幡「………」
沙希「それでさっきあんな確認を……」
雪乃「海老名さんは私に言いにきたわ。“あの7人以外で好きな人がいるとしたら、私はあなたしか思い浮かばない”と。私はすぐにそれが嘘だと気付いた。もし、あなたが好意をきちんと受け止めれていたら、もっと良い解決法が導けたはずよ」
八幡「最後のは……お前が嘘をつかなければ…」
雪乃「この期に及んでまだそんなことを言っているの?」
八幡「どういう…意味だよ……」
雪乃「嘘だってつくわよ。作戦だって建てるわよ。だって……」
雪乃「私は、あなたの事が大好きなんだから」
八幡「………は?」
中途半端ですが今日はここまで!
>>90 次はもっと面白い内容にします!!
では!!
>>94
いちいちつまらんとかいう心の寂しいやつに応えてやる義理もメリットもねえべ
金にならんものににクオリティ求める厚かましいやつが加速しちゃうでしょ
そろそろ変なコテ外してトリだけにしてくれないかな
もうストーリーと全然関係ないじゃんその名前
>>95(そんな核心突いたら)いかんでしょ。吉牛行って「ここはいつまでたっても味に深みが出んなぁ」って言ってるようなもんだし(周囲の客は唖然としている)。>>96も一昔前にブレイクした映画の役名を名前の前に出してる芸能人に「お前いつまでそれにすがってんねん!」とキレてるレベル。多くの人間は分かりやすければそれでいいし、むしろどうでもいい。
残りの命が少ないので、暴力には暴力で対処。
続きー。
八幡「いや、そんなのありえねーだろ……」
雪乃「あなたという人は……」
平塚「まぁそれもこれも後少しの事だ雪ノ下」クイッ
八幡「ぐっ!?」
平塚先生が格闘漫画でよくある人差し指をくいくいと曲げて挑発するポーズをとると、俺は自分の意思に反して身体が勝手に動いた。……先生の能力は俺も対象なのか…。
平塚「とりあえず、熱烈なキスをしよう八幡」チュッ
八幡「………っ」
何が熱烈なキスだ。相手の気持ちを無視した一方的なレイプじゃねぇか。
それでも、平塚先生のキスは俺に今までにない快楽をもたらした。
おそらく能力の所為だろうが、さっきから下半身の脈動が全身に感じ取れるほど強い。
平塚「そうか、八幡はそこまで私と……」ハァハァ///
八幡「冗談は――」
言いかけて、口が止まる。
なんだこれ?
平塚「悪いが、今後一切、君からは前向きな言葉しか喋れなくする」
八幡「………」
それって俺に喋るなってこと?
結局、全ては俺が悪かったということか。
俺が誰も信じなかったから。
自分の事だけを考え、行動し、結果のみを求めたから。
八幡(それは悪い事なのかよ……)
誰だって、他人が怖い。
本当は誰も信じていないくせに、打算と試算で自分の評価を落とさないように信じた振りをする。
俺はそんな風に自分を偽ってまで他人に依存したくない。
平塚「あと24時間か……待ち遠しいな」
八幡「………」
陽乃「そーんなに待つ必要はないかなー♪」チュッ
八幡「!?」
平塚「なっ!?」
雪乃「陽乃姉さん!?」
そして、この悲劇に限りなく近い喜劇はあっけなく幕を下ろした。
奉仕部部活。
海老名「……これ、面白いんですか?」
陽乃「今の時代は主人公を助けるヒロインが流行るのよ!」
雪乃「姉さん、なぜ私はこんな立ち位置なのかしら」
陽乃「だって雪乃ちゃんはいつも比企谷君と一緒にいるじゃない。たまには良い所を譲ってもらわないとね♪」
雪乃「………」
八幡(あいつら、どんな漫画描いてるんだ……?)
終わり。
夢落ちっぽいエンドか
乙 次回も期待
広げた風呂敷をたたむのが面倒になったんだな
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