雪歩「やっぱり伊織ちゃんもそう思う?」
伊織「まぁなんとなくはね。薄々だけど」
雪歩「うぅ~、千早ちゃんともっと仲良くなりたいのに~」
伊織「あんたにしては珍しく積極的ね」
雪歩「千早ちゃんだけではなくみんなと仲良くなりたいけど」
雪歩「なんだか千早ちゃんだけ特に距離があるような気がして……」
伊織「私は別に馴れ合いたいわけじゃないけどね」
伊織「このまま距離があるのもちょっとって感じかしら」
雪歩「なんで伊織ちゃんは距離があるように感じたの?」
伊織「う~ん、やっぱり一番はさん付けで呼ばれることかしら」
雪歩「たしかに私も萩原さんって呼ばれてる……」
雪歩「あ、でも別にさん付けで呼ばれてるのは私たちだけじゃないよね?」
伊織「そうね。他にもさん付けで呼ばれてるのは……」
伊織「やよい、あずさでしょ、響でしょ、あとは貴音と小鳥ね」
雪歩「765プロは社長とプロデューサーも入れて全員で16人いるから」
雪歩「自分を除いた15人のうち7人がさん付けで呼ばれてるわけだね」
伊織「そういうことになるわね」
雪歩「ということは何も私たちだけがさん付けで呼ばれてるわけじゃないんだね」
雪歩「半分の人はさん付けで呼ばれるわけだからこれだけが理由じゃないのかな」
伊織「まぁ、雪歩の言いたいこともわかるわ」
伊織「でも考えてみなさい」
雪歩「? なにをかな?」
伊織「まずはやよい。高槻さんって言われてるわけだけどやよいは千早と距離があると思う?」
雪歩「あんまりない、かな」
伊織「私はやよいとよく一緒にいるからわかるけど」
伊織「千早はやよいにはすっっっっっっっっっごく優しいのよ!!!」ドン!
雪歩「っきゃ! ……びっくりしたぁ」
伊織「あれはまるで母親が娘を見る感じだわ」
伊織「多分千早は気付いてないだろうけど、物凄く崩れた顔でやよいのことを見てるの」
雪歩「崩れた顔って?」
伊織「ニコニコって笑顔とは違う……にへら?みたいななよなよした笑顔で」
雪歩「そ、そうなんだ……」
伊織「あれは溺愛しちゃってるわね、間違いないわ」
雪歩「たしかにやよいちゃんには優しいね」
伊織「でしょう?あんまりやよいを甘やかさないで欲しいわ!」
雪歩「伊織ちゃんは伊織ちゃんでやよいちゃんのお母さんだね……」
伊織「次にあずさね」
雪歩「あずささんは私たちアイドルで最年長だからさん付けするのもわかるね」
伊織「そうね。千早は礼儀はしっかりしてるしあずさに関しては言うことはないわ」
雪歩「小鳥さんと四条さんも……あと、私も年上だからさん付けで呼ぶのかな」
伊織「雪歩に関してはさん付けするのが当然っちゃ当然よね。『一応』年上だし?」
雪歩「い、一応って……酷い~」
織「ま、そうすると疑問が残るのが律子ね」
雪歩「律子さん?」
伊織「律子は年上なのに呼び捨てでしょ?」
雪歩「たしかにそうだね」
伊織「なんでかしら?」
雪歩「きっと、千早ちゃんは信頼してる人には呼び捨てなんだと思う」
伊織「どういうこと?」
雪歩「私もうまく言えないけど、例えば一番仲が良い春香ちゃんは呼び捨てだし」
雪歩「千早ちゃんをすっごく慕ってる美希ちゃんも呼び捨てだよね」
雪歩「律子さんはきっと千早ちゃんに信頼されてるんだよ」
伊織「確かに律子はプロデューサーなんかよりよっぽど頼りになるわね」
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