叛逆後の平穏な日常ー6年後 (25)

叛逆の物語で、ほむらが世界を再編した後、
さやかと対立することも無く、
まどかが円環の理に戻ることもなく、
平穏な日常が続いた、新編から6年後の世界を想像しました。

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まどか「…ほむら…ちゃん?」

ほむら「ええ。久しぶりね、まどか」

まどか「やっぱり…ほむら、ちゃん…っ!」

ほむら「元気そうで何よりだわ」

まどか「久しぶり、どころじゃないよ…っ全然連絡くれなくって…」

ほむら「ちょっと色々あったの。ここで立ち話も何だわ」

まどか「あ…そうだね。ここでは話しにくいよね」

ほむら「もうお参りは済ませたの?」

まどか「うん。もう夕方…今からどこか、行こう?」

ほむら「ええ、ゆっくり話せるところがいいわね」

まどか「じゃあ駅まで戻ろう」

ほむら「ええ」

まどか「…ほむらちゃんが居なくなって、私すごく寂しかったの」

ほむら「そう…心配かけたわね」

まどか「だって…あの時のクラスのみんな、全然気にしてなくて…怖かった」

ほむら「あの時はあの時よ。今、私はここに居るわ」

まどか「うん…あ、そこのお店でいい?」

ほむら「ええ、入りましょう」

まどか「それにしても…4年ぶりかな」

ほむら「そうね、高校2年の夏からだから」

まどか「ちょうど4年…ほむらちゃんもお酒飲む?」

ほむら「まどかが飲むなら私も付き合うわ」

まどか「じゃあこれとこれ…お願いします。でも、今日は会えて良かった…実はね?」

ほむら「ええ」

まどか「何か、予感がしてたの」

ほむら「そう」

まどか「だから、直ぐに分かったよ…」

ほむら「それは私にも言えるわ」

まどか「え?」

ほむら「貴女よ。全然変わってない…背は少し伸びたみたいだけど、雰囲気はあの頃と変わらない…」

まどか「あ、ほむらちゃんまで子供扱いする!そりゃあ確かに未だに補導されそうになるけどさ…」

ほむら「ふふ…子供っぽいと云うわけではないのよ?あ、お酒が来たわね」

まどか「ほむらちゃんは昔から大人びてて綺麗だったよ…はい、ありがとうございます」

ほむら「私は太陽の前の月よ…では、再会を祝して…」

まどか「乾杯」

まどか「何だか懐かしいね…中学校の頃、みんなが居た頃…」

ほむら「ええ」

まどか「あの頃が一番楽しかったな…」

ほむら「そうね」

まどか「2年の夏、みんなで海行ったの覚えてる?ほむらちゃん、さやかちゃん、杏子ちゃん、仁美ちゃん、

マミさん、なぎさちゃん…」

ほむら「私はその時行けなかったのよ」

まどか「あれ?そうだっけ…あ、そうだ、家の用事があるって言ってたね。私も残念だったから…」

ほむら「ええ、でもお土産話を散々聞かされたからお腹いっぱいになったわ」

まどか「てぃひひ…修学旅行とか、文化祭とか、楽し…あれ?」

ほむら「そうね、みんなで同じ班になって楽しかったわ」スッ

まどか「…うん、中学生の頃はいつもみんなと一緒に居たもんね」

まどか「高校に入ってすぐ…マミさんがあんなことになって…」

ほむら「貴女が泣き止まないからみんなで慰めていたわね」

まどか「うん…だって、憧れの先輩だったから…」

ほむら「それが魔法少女の運命よ」

まどか「でもっ…でも、なぎさちゃんの泣くのを我慢している顔が、余計に辛かった…」

ほむら「巴マミは最後まで立派に戦った。責務を果たしたのよ」

まどか「そう、だね…」

ほむら「彼女の意思は杏子やさやか…他の魔法少女にも受け継がれたわ」

まどか「その後…杏子ちゃんは風見野に戻って…」

ほむら「ええ、彼女は死期を悟っていたのか。それとも死に場所を選んだのか」

まどか「さやかちゃんと2人でずっと教会に通ってたよ…」

ほむら「ええ」

まどか「さやかちゃんも…」

ほむら「…さやかは杏子の死をずっと引きずっていたわ」

まどか「うん、いつも自分を責めてた」

ほむら「ソウルジェムは限界だった。浄化が追いつかなかったわ」

まどか「…親友として、何の力にもなれなかったな…」

ほむら「最後まで彼女は正義の魔法少女だった。讃えるべきよ…」

まどか「…うん」

ほむら「…」

まどか「それから直ぐ、ほむらちゃんも居なくなって…」

ほむら「ええ…」

まどか「あ、ゴメンね!せっかく久しぶりに会えたのに湿っぽい話ばかり…」

ほむら「いえ、いいのよ。これも彼女達への追悼…」

まどか「うん、そうだね…でも、でも、他にも話したいことがたくさんあるから」

ほむら「まだ夜はこれからよ。次は何を頼むの?」

まどか「それでね、あの時さやかちゃんが…」

ほむら「ええ、あの時は本当に困ったわ…あら、もうこんな時間よ」

まどか「え…あ、本当…なんかあっという間だったね…」

ほむら「話に夢中になってたからよ…随分飲んだみたいだけど立てる?」

まどか「大丈夫大丈夫」フラフラ

ありがとうございましたー

ほむら「まどか、千鳥足よ。私の手につかまって」

まどか「だいじょう…あっ」フラッ

ほむら「危ない…」ダキッ

まどか「ありがと…ほむらちゃん…」

ほむら「良かったわ、転ばなくて」

まどか「…」ギュ…

ほむら「…」

まどか「こうやってると思い出すね…」

ほむら「…ええ」

まどか「校舎を案内してもらってて…廊下で…」

ほむら「あの時は急にごめんなさい」

まどか「ううん。その時はビックリしたけど…本当は恥ずかしいというより、照れてたのかな」

ほむら「…そう」

まどか「うん…」

まどか「ほむらちゃん、送ってくれてありが…あ…」カクッ

ほむら「あら、部屋まで送るわ」

まどか「ごめんね…やっぱり優しいね、ほむらちゃん…」

ほむら「貴女と比べたら私なんて…はい、ベッドよ。横になって」

まどか「うん…」

ほむら「はい、お水よ」

まどか「ありがとう」

ほむら「…」

まどか「…」クイッ

ほむら「まどか?」

まどか「もうちょっと…居てくれないかな…」

ほむら「勿論よ…貴女が寝るまでここに居るわ」

スレタイでわかりにくいなまどかSSと

>>10
ゴメン。でも、タイトルに拘りたかったんで…

まどか「でも良かった、ほむらちゃんとまた会えて…」

ほむら「何も言わずに美滝原を離れて、申し訳ないと思ってるわ」

まどか「本当だよ…ずっと探したもん…ずっと…」

ほむら「ええ…本当は、きちんとお別れを言って去るつもりだったの」

まどか「…え」

ほむら「まどか。円環の理」

まどか「え?急に何?」

ほむら「さやかが死んだ後、貴女に試したキーワードよ」

まどか「えん…かん…?」

ほむら「その時も反応は無かった…美樹さやかが死んだ時点で、私が貴女の近くに居る必要はなくなった」

まどか「…?」

ほむら「それどころか、私が居れば余計な災厄を招きかねない…だから去ったの」

まどか「何言っ…ほむらちゃん?」

ほむら「でも、その際貴女の記憶を消すのを躊躇ってしまった…」

まどか「ほむ…」ガバッ

ほむら「それは私の甘えだったわ…」スッ

まどか「ら…ちゃ…」クラッ

ほむら「貴女に…貴女にだけは、私のことを覚えていて貰いたかった」

ほむら「けれど、それは余計に貴女を苦しませた…記憶は常に貴女を責めることになった」

まどか「…あ…」ドサッ

ほむら「この4年間、葛藤した。迷いなんて…躊躇いなんて。とうに捨てたはずだったのに…」

まどか「…」

ほむら「…貴女の為なら私は何でも出来る…どうなっても構わない。再び決意をしたわ」

まどか「ほ…」

ほむら「魔法少女達の血塗られた記憶を貴女から…私の存在した証を、世界から、貴女から。消去する」

まどか「や…め…」

ほむら「まどか、眠りなさい…」スッ

まどか「ほ…む…」

ほむら「目を覚ました時には、新しい世界が待っているわ」

まどか「…」

ほむら「またいつか、この世の終わりに逢える日が来る」

まどか「…」スー

ほむら「まどか」

ほむら「…」

ほむら「さよ、う」

ほむら「なら…」

ほむら「…」

ポタッ

まどか「…ん~」

まどか「…朝」

まどか(今日の講義は…昼からだから、大丈夫)

まどか(頭痛い…完全に二日酔いだね…)

まどか「あ…居ない…ほ…」

まどか「…?…居ない?」

まどか(…)

まどか(…誰が居ないの?)

まどか(誰が居るはずだったの…?)

まどか(お水…)ゴクゴク

まどか(…)

まどか(ほ…)

まどか(…思い出せない)

まどか(…)

まどか「あ、お母さん…おはよ…」

詢子「おはよ…って酷い顔だね」

まどか「昨日遅くまで飲んでて…」

詢子「仁美ちゃんと飲んでたのかい?」

まどか「ううん…」

詢子「大学の同級生かい」

まどか「ううん違うの…誰だろ」

詢子「おいおい、誰と飲んでたのかも分からないの?危ない奴じゃあ」

まどか「分からない…でも大事な人なのっ…絶対忘れちゃダメ、なのっ」

詢子「…そう。まあ飲みすぎて混乱してるのさ。シャワーでも浴びて頭スッキリさせてきな」

まどか「うん…」

まどか(昨日はさやかちゃんとマミさん、杏子ちゃんのお墓参りをして)

まどか(それから…)

まどか(夢の中で…逢った…ような…)

まどか(もうその夢の中身も思い出せない…)

「おーい、まどかー」

まどか「はーい、今行くよー」

「この前の講義のノート写させてー」

まどか「もう、いつも代返じゃダメだよっ」

「ごめんごめん」

「今日はどこ遊びにいく?」

まどか「今日はねー…」

まどか「…」

「どうしたのー?ボーっとして」

「まどか、たまにこうなるんだよね」

まどか「あ、うんゴメンね!で、今日はね…」

まどか「じゃあまた明日っ」

「ばーい」


「でもまどか、随分と変わったね」

「うんうん、前はほんと近寄り難かったからね」

「いっつも暗い顔してさぁ」

「何かふっ切れる事があったんじゃない?」

「今が、素のまどかなんだろうね」

まどか(今日もいつもと変わらない毎日です)

まどか(でも、ふとした時に思い出すんです)

まどか(長い黒髪の女の子)

まどか(名前も思い出せない)

まどか(どんな顔をしていたかも思い出せない)

まどか(でも、いつも私のそばに居て)

まどか(私を守ってくれて)

まどか(寂しそうに笑ってる)

まどか(そんな姿が、瞼に浮かぶのです)

まどか(…)

まどか(ありがとう)

まどか(いつか)

まどか(いつか逢える日が来るよね)

これにて終了です。
単発でこんなんでいいのかと思いましたが。
叛逆の物語後の世界。
大きい事件が無ければこうなるのかな…と思って書いてみました。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年04月11日 (金) 17:54:55   ID: QKpJIsAp

良かった

2 :  SS好きの774さん   2015年01月03日 (土) 17:24:41   ID: _nE368EZ

こんなに短く凝縮させることができるのか
よかった
ラブコメエロホラータグは合っているのか……?

3 :  SS好きの774さん   2015年03月26日 (木) 04:11:51   ID: tJhxpzsF

よかった、よかったけど…
やっぱさみしい(涙)!!!!!

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