一方通行「俺が死ンだ」(17)

真っ黒なワンピースに身を包ンだ打ち止めが
俺の棺の前で真っ白な頬に綺麗な涙を流している。

俺の死因はバカらしく、あっけなかった。

―――あの日

俺と打ち止めは、公園にいた。

クソガキがブランコに乗りたいだの、シーソーに乗りたいだの
……滑り台を滑るからしたで待ってろだの

ガキっぽい命令をはいはいと聞いて過ごしたこと2時間

はしゃぎ疲れただろうと思っていたのに……

「ねぇ、家まで鬼ごっこしようよってミサカはミサカは提案してみる!」

アナタが鬼ね!と元気に飛び出す打ち止めを、俺は止めなかった。

「あァ?一人でやってろ。つーか、危ねェから飛び出すんじゃ!?」

打ち止めは公園の茂みを抜けて走っていく
あいつは結構足が速いンだ

そして5秒も経たないうちに気がつく
茂みを抜けると、そこは道路だと。

交通量が多い道路

杖なンか、ほっぽり出して
スイッチを押す事も忘れて走り出す


茂みを抜けると、打ち止めは俺の方へ振り返って
追ってきていると勘違いし

嬉しそうに足を動かす

「止まれ、クソガキ!」

打ち止めは俺の事をジッと見つめながら律儀に足を止めた

―――道路の真ン中で

今にもトラックに轢かれようとしている打ち止めが目に入った瞬間

何も考えられなかった
能力を使えばイイなんて考えられなかった

俺は打ち止めの華奢な体を突き飛ばす

スイッチを押そうと手を伸ばした瞬間

俺がトラックに轢かれた。あっけねェよ、マジで。

黄泉川が泣きじゃくる打ち止めの体を抱いて泣いている

芳川が両手で顔を覆っている横で番外個体は涙こそ流さないが、ギュッと唇を噛み締めている

俺の事を思って泣いてくれる人なンて
打ち止めに出会わなかったら、いなかっただろうな…。

あァ、打ち止めを守って死ねて良かった

まぶたをゆっくりと閉じる

――――
「起きるじゃん、一方通行」

扉の外から聞きなれた声

「一方通行、ごはん、食べるじゃんよ」

嫌だ、俺はまだ起きたくねェんだよ

「引きこもってないで、外に出なさい」

どこかの研究者だった女の声までしやがる

「ねー☆そんな感じで最終個体が喜ぶとでも思ってんのー?」

番外個体の声まで聞こえるのに
一番聞きたい声が聞こえなかった

ゆっくりと、まぶたを開ける

―――黄泉川宅
俺に分けられた部屋だ

俺は生きていた

むくっと体を起こすと、机の上に飾ってある写真と目が合った

「……打ち止め」

―――あの日

俺は打ち止めを守れていなかった

能力を使うことを忘れていたから、打ち止めはトラックに轢かれて死ンだ

俺の目の前で
俺の手の先で

小さく華奢な体は吹っ飛び、驚いた顔、脱げた靴が未だに鮮明に覚えていて、忘れたくても忘れられない。

あの日、代わりに俺が死ねば良かった

俺が死ンだ夢を見る

泣いている打ち止めの夢を見る

そンなンだったら、良かったのに

喋らない、動かない、打ち止めは
小さく狭い額の中で、今日も笑っていた。

おわり

>>1>>7
っていう夢を今日見たから書いた

見ててくれた人がいたのか!

御坂妹「上位個体の死体を回収しに来ました」

エレン「打ち止め?」打ち止め「うんっ!」

ユミル「クリスタは可愛いなー」クリスタ「そう思うなら」

ジャン「クリスマスは」ミカサ「空いている」
ジャン「どうしたんだ?」ミカサ「寒い」
ジャン「告白する!」ミカサ「誰に?」


御坂妹「上位個体の死体を回収しに来ました」
は、近々続きっぽいものを書くよ

二個目意外全部読んでる気がするwwww

>>11 ありがとう

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