ゆり「フルーツバスケットをするわよ」 音無「は?」(118)

校長室

ゆり「・・・みんな集まったわね」

日向「いったい何の用だ?休日くらいゆっくり休ませて欲しいぜ・・・」

ひさ子「ガルデモメンバーまで集められたってことは・・・」

関根「嫌な予感しかしませんね・・・」

ゆり「今日みんなを招集したのは他でもない・・・」

ゆり「天使を陥れる新しい作戦を考え付いたのよ」

大山「あ、新しい作戦!?」

藤巻「ほー・・・そいつはどんな作戦なんだよ、聞かせてくれよゆりっぺ」

ゆり「・・・フルーツバスケットをする」

音無「・・・は?」

ゆり「作戦名は・・・エンジェル・バスケットよ!」

野田「フルーツバスケット・・・だと?」

日向「なんだ?みんなでテント暮らしでもするのか?」

ゆり「そのフルーツバスケットじゃねーよ!ほら、小学校のお楽しみ会とかでよくやるやつ。あれよ」

日向「ちょっと待て!天使を陥れる作戦じゃなかったのか!?」

ゆり「そうだけど?」

音無「思いっきり『お楽しみ会』って言ってるからな・・・」

ユイ「アホですね!」

ゆり「まぁ聞きなさいって。とりあえず、ルールを知らなそうな椎名さんなんかのために、フルーツバスケットについて説明するわ。竹山くんがね」

竹山「僕のことはクライス

ゆり「さ、始めてちょうだい」

竹山「・・・・・・」

竹山「・・・フルーツバスケットとはイス取りゲームの一種です。今回ゆりっぺさんがやろうとしているのはそのアレンジ版で、『なんでもバスケット』と呼ばれるものです」

竹山「まず鬼を1人決め、他の人は鬼を取り囲むように内側を向き、円状になってイスに着席します」

竹山「鬼が『スカートをはいている人』『苗字が「さ」で始まる人』など、YesかNoで答えられる質問を他の参加者に投げかけ、その問いに該当する人物は席を立って別のイスに移動します
   これと同時に鬼も空いた席に座りにいきますが、イスが1つ足りないため1人座れない人ができます。その人が新たな鬼となり、ゲームを繰り返していくというわけです」

ゆり「・・・ありがとう竹山くん」

竹山「礼には及びません。ですが僕のことはクラ

ゆり「で、みんなわかった?」

松下「わかったことにはわかったのだが・・・」

高松「本当に小学生のお遊戯会ですね」

椎名「あさはかなり・・・」

ひさ子「これのどこが対天使用の作戦なんだ?なぁ岩沢」

岩沢「いや・・・これはなかなかロックなゲームだ」

ひさ子「え・・・どの辺が・・・?」

藤巻「冗談きついぜゆりっぺ・・・何が悲しくて俺たちがそんなことしなくちゃなんねーんだよ?」

ゆり「まだわからないの?『YesかNoで答えられる質問を他の参加者に投げかける』のよ・・・?」

日向「! ま、まさか!?」

ゆり「ええ・・・そのまさかよ・・・!」

野田「ど、どのまさかだ・・・?」

日向「つまりゆりっぺは・・・天使をゲームに参加させて、この世界の秘密や神について聞き出そうとしてるってことだ!!」

一同「な、なんだってぇーーー!!?」

音無「・・・・・・」

大山「それはすごい作戦だよ!」

日向「ああ・・・うまく質問すれば重要な情報をいくらでも引き出せる・・・!席を立てばYes、座ったままならNoと答えたことになるからな!」

関根「おもしろくなってきたね、みゆきち!」

入江「で、でも・・・あの天使がちゃんと正直に行動するかな・・・」

ゆり「大丈夫よ。これはあくまでもゲーム。そして天使はお人好しだから決められたルールは必ず守る
   もし嘘を付けば生徒会長としての箔が落ちてあたしたちに強く出れなくなるしね」

藤巻「なるほど・・・!どっちにしろ俺たちにとってはプラスになるわけか!」

ゆり「しかも!○回鬼になった人には罰ゲーム、などのペナルティを課すことも可能!」

松下「な、なんと!」

ゆり「うまく誘導して必要な情報を引き出し!最後には罰ゲームを課す!!我々の勝利は約束されたも同然!!!」

TK「Just one victory!!」

音無(そんなにうまくいくのか・・・?)

ゆり「というわけで、さっそく作戦を開始する!質問内容はボロが出るとまずいから、各自の判断に任せるわ
   天使に怪しまれないギリギリのラインをつきなさい。ま、臨機応変に、ってことね」

音無「大雑把だな・・・」

ゆり「場所はガルデモがいつも練習に使ってる空き教室よ。セッティングは遊佐さんの指示の下、既に完了させてあるわ」

遊佐『こちら遊佐です』ザッ

ゆり「おっと・・・噂をすれば遊佐さんね・・・天使の状況は?」

遊佐『たった今生徒会の会議が終了しました。これから自室に戻ると思われます』

ゆり「わかったわ。空き教室で合流しましょう・・・さて、天使を教室まで連れてくるのは音無くん、あなたの仕事よ」

音無「お、俺!?」

ゆり「あたしたちが行くと怪しまれるじゃない。あなたが適任よ。うまいことひっかけてきなさい」

音無「ナンパするみたいに言うなよ・・・」

ゆり「さぁ、音無くん以外は教室に移動よ!天使が来たら最後、指示は出せなくなるんだからね。心してかかりなさい!」

野田「任せろゆりっぺぇええええ!!」

藤巻「やってやるぜこらぁあああ!!」

高松「はいぃ!この筋肉はフルーツバスケットをやるために鍛えてきたんですからぁ!!」

TK「I kiss you!!」

ユイ「いくぞぉ!お前らぁ!!」

一同「おおぅ!!!」

ゆり「そうそう、あり得ないとは思うけど・・・失敗したらどうなるか、わかってるわよね?」ニコッ

一同「・・・・・・」

生徒会室

音無(やれやれ・・・)

音無「失礼しまーす・・・」ガラッ

かなで「あ・・・ゆづ

直井「ぅ音無すぁん!!もしかして僕を待っていてくださったんですか!?音無さんを待たせるなんて僕は・・・僕はなんてことをっ!」

音無「い、いや・・・待ってな・・・」

直井「たった今生徒会の仕事が終わったところなんです!休日なのにNPCどもめ・・・!あ、そうだ!これからご一緒にお茶でもどうですか?2人で優雅なひと時を過ごしましょう!」

音無「お、落ち着けって・・・そうだ直井、フルーツバスケットってゲーム知ってるか?」

直井「ああ・・・あの庶民の餓鬼どもの遊びですよね?ハッ・・・音無さんとは縁遠い・・・」

音無「それやらないか?」

直井「はいやりますぅ!」

かなで「・・・・・・」

音無「かなでもどうだ?」

かなで「!」

音無「ほら、ゆりたち戦線のみんなとさ・・・」

直井「えーっ!2人っきりじゃないんですか!?」

音無「そんなフルーツバスケット聞いたことねぇよ・・・」

かなで「どうしてあたしも?」

音無「え、えーっと・・・お互いのこと良く知るきっかけになるし・・・ゆりたちも待ってるし・・・」

かなで「・・・・・・」

音無「あ、でも嫌なら・・・」

かなで「・・・行くわ」

音無「・・・マジで?」

かなで「マジよ」

空き教室

音無「ここだけど・・・ホントにやるのか?」

かなで「フルーツバスケット・・・魔性のゲームだわ」ワクワク

音無「案外子どもなんだな・・・」

かなで「何か言った?」

音無「い、いや別に(ま、いいか・・・)」

かなで(仲良くお遊戯・・・青春だわ)

音無「ゆり!連れてきたぞ!直井も一緒だ」ガラッ

ゆり「あーっはっはっは!のこのこ付いてきたわね!ここがあなたの墓場に・・・」

音無「ちょっと待て」

ゆり「何よ」

音無(うまく連れ出して来いと言ったのは誰だ!台無しだろ!)ヒソヒソ

ゆり(そうだったわね・・・つい)ヒソヒソ

かなで「墓場・・・?」

ゆり「あ、あー!違うのよ!直井くんのことよ!」

直井「なんだと貴様・・・僕を」

音無(いいからノっておけ!)ヒソヒソ

直井「はい!一緒のお墓に入りましょう音無さん!」

音無「いや、もう死んでるし・・・」

ゆり「よーし!早速始めるわよ!」

遊佐「では、プログラム1番、開会の言葉。ゆりっぺさんよろしくお願いします」

ゆり「えー今日はあたしたちがよりお互いを知ることができるようこの会を開きました。みなさん思う存分楽しんでください」

パチパチパチパチ

音無「・・・ってまんまお楽しみ会じゃねぇかよ!」

遊佐「プログラム2番、ルール説明。ゆりっぺさんよろしくお願いします」

ゆり「ルールは普通のなんでもバスケットと変わりません。ただ、鬼が『フルーツバスケット』と言った場合、他のプレーヤーは全員移動しなければなりません
   また、2回鬼になった者には罰ゲームを課し、ゲームから降りてもらいます」

かなで「罰ゲーム?」

ゆり「そうです。罰ゲームとして・・・その人が持つ最大の秘密を暴露してもらいます」

一同(ゴクリ・・・)

ゆり「それは他の人が納得するものでなければなりません。そうでなければ、何度も言い直してもらいます・・・いいわね?」

かなで「・・・・・・」コクリ

ゆり(かかったっ・・・!)ニタァ

遊佐「ゆりっぺさん、顔が悪役ですよ」

遊佐「プログラム3番・・・ゲーム開始」

ゆり「さて、最初の鬼はあたしがやるわ。もちろんこの鬼はノーカウントだからね。みんな、準備はいい?」

野田「いつでもこぉい!!」

ユイ「盛り上がってきたぁ!!」

ゆり「それじゃあいくわよ!」バッ

ゆり「オペレーション――――・・・」

かなで「オペレーション?」

ゆり「ゲーム・・・スタート!!!」

音無(不安すぎる・・・)

鬼:ゆり

ゆり「さて、最初の質問ね・・・」

ゆり「ずばり・・・『この世界に神がいると思う者』!!」

一同「!!」

日向(ゆりっぺのやつ・・・いきなり仕掛けにいきやがった!!)

ひさ子(天使はどう出る・・・!?)

かなで「・・・・・・」シーン

一同「・・・・・・」

ゆり「はぁああああああ!?」

音無「おい・・・いきなり雲行きが怪しくなってきたぞ・・・」

日向「あ、ああ・・・こりゃ最短作戦失敗記録を更新だぜ・・・」

ゆり「ちょっと!あなた嘘ついてるんじゃないでしょうね!?」

かなで「ついてないわ」

ゆり「じゃあこの世界に神はいないと言うの!?」

かなで「それはわからない」

ゆり「とぼける気!?」

かなで「わからないものはわからないわ。この質問にはYesかNoでは答えられない。質問を変えてほしいわね」

ゆり「ぐぬぬ・・・」

ゆり(白を切るつもりか・・・こうなったら作戦変更!天使を集中して狙って罰ゲームを誘うわよ・・・!)チラ

一同「・・・・・・」コクリ

ゆり「・・・いいわ!あなたは座ってなさい!テメェらはどう思うんだ!?んん!?」ギロッ

一同「い、いると思います!!」ガタッ

直井「フッ・・・ここにな!」ガタッ

音無(やれやれ・・・)

ユイ「おしゃ取ったああああ!!」バッ

TK「Dive into your body!!」バッ

日向「よっと!」バッ

椎名「あさはかなり・・・」バッ

ゆり「さぁ残りは!?」

関根「はい!」バッ

松下「む・・・!」

大山「うわぁしまった!」

藤巻「松下五段!大山!俺の隣が空いてるぜ!」

松下&大山「!!」

松下「うおおおおおっ!!」バッ

入江「きゃぁぁぁぁぁ!?」

ドーン

松下「ふふ・・・俺の勝ちだ・・・!」

大山「うう・・・松下五段の反射神経には敵わないよ・・・」

ゆり「ってそんなに突進したらイスが壊れるだろ!!天使・・・生徒会長が目の前にいるのよ!?また反省文書かせられるだろーが!!」

ひさ子「その前に自分の仲間を心配しろよ・・・」

入江「びっくりしましたぁ・・・」グス

岩沢「よしよし」

松下「す、すまない・・・」

かなで「・・・学校の備品を傷つけないように」

ゆり「わかったわよ・・・今後イスを破壊したりメンバーを傷つけるようなことをしたら失格よ」

野田「チッ・・・これは使えないか・・・」ガラン

音無「何持ってきてんだよ」

日向「で、鬼は大山と・・・」

鬼:大山

大山「どうしよう・・・何がいいかなぁ・・・うーん・・・」

ゆり「いるのよねーこういう人前でもじもじして貴重な時間を潰すやつが」

音無「仲間に向かって何てこと言うんだよ・・・」

ゆり「冗談よ。時間は無限にある。ゆっくり考えなさいな」

大山(天使が該当する質問か・・・うーん・・・)

大山「じゃ、じゃあ・・・」

一同「・・・!」

大山「『女の子』!」

一同「」ズルッ

ユイ「あれだけ考えた割には何の面白みもない質問ッスね・・・」ガタッ

ひさ子「そりゃ特徴が無いのが特徴とも紹介されるぜ・・・」ガタッ

椎名「・・・・・・」シュバッ

高松「なっ!?いつの間に隣に!?」

ゆり「流石椎名さんね・・・天使は!?」

かなで「・・・・・・」スッ

野田「ひぃぃっ!?いつの間に!?」

ゆり「あっちもか・・・!」

遊佐「・・・・・・」ヌッ

竹山「う、うわぁ!いつの間に!?」

ゆり「遊佐さんも意外と機敏ね・・・」

日向「つかこえーよ・・・」

音無「次の鬼は・・・!?」

入江「あ、あたしです・・・」

鬼:入江

入江「そうですねぇ・・・」

入江(天使が該当する質問・・・そういえば、前にゆりっぺさんが・・・)

入江「き、『昨日麻婆豆腐を食べた人』・・・!」

かなで「!」ガタッ

ゆり(ナイスよ入江さん!これは麻婆豆腐が大好物の天使ぐらいしか・・・)

音無「あ、俺もだ」ガタッ

ゆり「ってお前もかい!!」

音無「はは・・・(一緒に食ったとは言えない・・・)」

ゆり(でも入江さんが音無くんの座っていた席をとった!これで・・・)

かなで「・・・・・・」チョコン

ゆり「あれ!?何で!?」

TK「麻婆豆腐でCrazy Night!! Foooooooo!!」

ゆり「」

鬼:TK

TK「Oh…yeah…」パチン

一同「・・・・・・」

TK「Uh-huh…」パチン

一同「・・・・・・」

音無「・・・なぁ・・・TKって日本語話せるのか?」

日向「ん?ものすごく流暢に話すぜ?」

音無「でも何だか困ってるように見えるんだが・・・」

日向「大方、こんなとこで普通にしゃべって自分のキャラを壊していいものか悩んでるんだろ」

音無「・・・・・・」

TK「Get up…Get up…Get up and go…」

日向「お?」

TK「Come on…everybody!!」バッ

野田「か、かも・・・?」

日向「Come on everybody・・・みんなこい・・・つまり・・・!」

一同「『フルーツバスケット』か!!」ガタッ

音無「めんどくさいな・・・」ガタッ

かなで「・・・・・・」スッ

ゆり「きぃ~~!また失敗なの!?」バッ

ひさ子「おっと!悪いね!」バッ

音無「しまった!」

野田「残念だったな音無!・・・最後のイスはもらったぁ!!・・・ってあだだだだ!!」

音無「・・・・・・」

直井「今のうちです音無さん!!」ガシッ

野田「な、何をする!離せぇ!!」

ゆり「ストーーーップ!!」

鬼:直井

直井「なぜ僕が鬼なんだ!」

ゆり「当たり前でしょうが!反則よ反則!」

日向「いいからさっさとしろよ」

直井「うるさい黙れ!もう決まっている!」

直井「さぁ僕に席を空けろ!『愚民ども』!」

ゆり「・・・は?」

直井「だからお題は『愚民』だ。さぁ全員どけろ」

日向「わけがわからない・・・」

音無「これもこいつなりの『フルーツバスケット』なんだろ・・・」ガタッ

直井「ああっ!音無さんは気高い貴族であらせられるんですから移動しなくていいんですよ!
   そのまま愚民どもが卑しくイスを奪い合う様をゆるりとご覧になっていてください!」

音無「・・・・・・」

ゆり「はいはい音無くん以外全員ねー」ガタッ

鬼:藤巻

藤巻「しくじったぜ・・・」

ゆり「まったく役に立たないなお前ら・・・」

かなで「何の話?」

ゆり「い、いや、何でもないわ!ほら早くしなさい!」

藤巻「そうだな・・・この『クラスSSSの制服を着ていないやつ』でどうだ!!」ビッ

かなで「!」ガタッ

直井「チッ・・・」ガタッ

ゆり(よし!これで藤巻くんが直井くんの席をとれば・・・!)

かなで「・・・・・・」チョコン

ゆり「ってあれぇ!?」

高松「・・・・・・」ムキッ

ゆり「何で脱いでんのよーーーーーっ!!」

鬼:高松

藤巻「真後ろにいて気づかなかったぜ・・・」

高松「すみません、つい興奮してしまいまして・・・」

ゆり「もういいわ・・・次よ!」

高松「では・・・『苗字に「な」がつく人』でお願いします!!」

かなで「!」ガタッ

ゆり「!」ガタッ

椎名「!」ガタッ

日向「!」ガタッ

直井「!」ガタッ

音無「けっこう多いな・・・」ガタッ

かなで「・・・・・・」ダッ

ゆり「(させるか・・・!)椎名さん!」バッ

椎名「・・・・・・」コクリ

かなで「!」

椎名「・・・・・・」シュバッ

かなで「・・・・・・」シュバッ

シュバババババッ

音無「こ、高速で互いの動きを牽制しあっている!?」

大山「すごい速さだよ!」

TK「Your dream 時より速く…」

ゆり「パワーでは負けてもスピードなら椎名さんが上!もらったわ!」

かなで「・・・・・・」ジリッ

椎名「・・・・・・」ジリッ

松下「むう・・・気当たりで互いのコースを打ち消しあっている・・・!」

日向「いや、それっぽい解説だが・・・」

ユイ「これフルーツバスケットッスよね?」

入江「いたた・・・」

関根「どうした?みゆきち」

入江「さっきちょっと擦りむいちゃったみたいで・・・」

関根「じゃあこれ貼ってあげる!ひよこさんの絆創膏!」

入江「え~高校生にもなってこんなファンシーなの、恥ずかしいよ~」

椎名「・・・・・・」

椎名「・・・・・・」チラッ・・・

かなで「・・・・・・」バッ

椎名「・・・・・・」

椎名「・・・ん?」

一同「」ズルッ

鬼:椎名

椎名「不覚・・・!」

ゆり「だぁーーっ!!ほんっとにアホばっかねぇ!!」

一同「・・・・・・」

日向(というか・・・天使をはめることも難しいんじゃねぇか?)

ひさ子(椎名っちが無理なら誰も・・・)

藤巻(このままだと・・・)

高松(ゆりっぺさんの死よりも恐ろしい罰が・・・)

遊佐「・・・・・・」

椎名「題目は・・・『髪が肩より長い者』だ」

鬼:遊佐

遊佐「・・・・・・」

ゆり(遊佐さん・・・?さっきの機敏な動きはどうしたのかしら)

日向(さぁ・・・どうくる?)

大山(というかもう天使が必ず該当するような質問なんて浮かばないよ・・・!)

遊佐「では・・・」

遊佐「『昨日の放課後いつものようにバンドの練習に励んでいたガルデモメンバーの休憩時間を見計らってこの教室に侵入し岩沢さんのタオルを奪い自室に持ち帰りあまつさえそのタオルで

ユイ「ってちょっと待てぇーーーーー!!!」バッ

遊佐「・・・・・・」モガモガ

ユイ「公衆の面前で何てこと言う気だゴラァ!!」

日向「公衆の面前で言えないようなことをしたのかよ・・・」

入江「そういえば帰ってきたら岩沢先輩のタオルがなくなってたっけ・・・」

関根「こらユイ!あたしのせいにされたんだからなぁ!!」

ユイ「つい出来心で・・・すいませんでしたぁ!!」

岩沢「まぁ減るもんじゃなし、いいんじゃない?」

ひさ子「タオル1本減ってるだろ」

かなで「それで・・・次の鬼は?」

ユイ「あ、あたしがやらせていただきますハイ!」

遊佐「・・・・・・」スッ

一同(遊佐だけは敵に回すまい・・・)

ゆり(遊佐さん・・・ユイを狙うだなんてどういうつもり・・・!?)

鬼:ユイ

ユイ「・・・・・・」

一同「・・・・・・」

日向(ゆりっぺ以外の戦線メンバーは遊佐のとった行動の意味に気づいているはず・・・)

高松(この作戦はおそらく失敗する、それならば・・・)

藤巻(できるだけ仲間を蹴落とし、相対的に自分をよく見せておく!!)

一同(そうすれば、ゆりっぺの罰を免れることはできないにしても、軽くすることはできるかもしれない!!)

ゴゴゴゴゴゴゴ

ゆり「え、何?」

ユイ「いきますよ・・・『メガネをかけてる人』!!」

ゆり「!?」

竹山「!」ガタッ

高松「!」ガタッ

鬼:竹山

竹山「く・・・」

高松「危ないところでした・・・」

ユイ「チッ・・・生き残りやがったか!」

音無「お、おいお前ら・・・そんなことしたら逆効果じゃ・・・」

ゆり「そう・・・そういうことね・・・」

音無「ゆ、ゆり・・・」

ゆり「いいわ!最後まで生き残った者にはこのオペレーションの失敗の責任を問わない!!」

一同「!!」

音無(というかもう失敗扱いなのか・・・)

ゆり「ただし!それ以外の者は・・・覚悟出来てんだろうな・・・」ギロッ

一同「」

かなで(楽しいわ・・・)

こうして壮絶な仲間割れが始まった――――――

鬼:竹山

竹山「『ガルデモメンバー』」クイッ

鬼:関根

関根「じゃあ・・・『この前の球技大会の日向チーム』!!」

鬼:野田

野田「『苗字が音無』!!」

音無「ふざけんな!!」

野田「チッ・・・なら『男』だ!!」

鬼:日向

日向「『フルーツバスケット』ぉ!!」

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

そして脱落者が続出、罰ゲームが行われる―――――

大山「実は僕・・・年中乳首が立ちっぱなしなんだぁ!!」

ユイ「岩沢さんのタオルで【ピ――――――――――――】」

松下「NPCの男子生徒に告白されたことが・・・」

野田「俺はゆりっぺが好きだぁああああああああ!!」

一同「それはわかってる」

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

音無「ハァ・・・ハァ・・・」

日向「これで残りは4人か・・・」

かなで「・・・・・・」

ゆり「ふふふ・・・よくここまで食い下がったものね。でもそれもここまで・・・んふ・・・うふふふふふ・・・あーっはっはっはっはっは!!」

遊佐「思いっきり悪役ですね」

高松「悪魔のような人だ・・・」

TK「無慈悲な夜のDesperation…」

野田「ちょっと興奮する・・・」

日向「お前超Mだな」

ゆり「でもこの人数でフルーツバスケットをするには少なすぎるわね・・・」

かなで「ならこうしない?」スッ

直井「イスを1つ抜いて・・・その他は外側に向けただと・・・?」

藤巻「ま、まさかこれは・・・!」

一同「イス取りゲームッ!?」ドン!

ゆり「いいわ・・・それで最終決戦といこうじゃない・・・!」

音無「やろうとしてるのはただのイス取りゲームのはずなんだが・・・何だこの異様な空気は」

日向「だが音楽はどうする?」

ゆり「バカねぇ。何のためにガルデモがいると思ってるのよ」

ひさ子「イス取りゲームのためかよ・・・」

ユイ「ガルデモの生演奏でイス取りゲームとか超贅沢ッスね」

岩沢「いいよ。あたしが歌おう」

ゆり「よろしく頼むわ。さぁ覚悟はいい?これ以降は罰ゲーム無し。さっさと決めるわよ・・・!」

日向「望むところだ・・・!」

かなで「・・・・・・」コクリ

遊佐「プログラム4番、イス取りゲーム。ミュージック・・・スタート」

岩沢「My Song・・・」スッ

ジャーン・・・ジャーン・・・ジャジャジャーン・・・ジャーン・・・

一同(イントロからか・・・)

岩沢「Hum~・・・・・・」ジャーン・・・

音無「・・・・・・」グルグル

岩沢「苛立ちをどこにぶつけるか」

ゆり「・・・・・・」グルグル

岩沢「探してる間に終わる日」

日向「・・・・・・」グルグル

岩沢「空は灰色をして」

かなで「・・・・・・」グルグル

岩沢「その先は何も見えない・・・・・・」ジャーン・・・

4人「っ!!」バッ

岩沢「・・・・・・常識ぶってる・・・」ジャーン

4人「・・・・・」グルグル

岩沢「・・・奴が笑ってる」

音無「・・・・・・」グルグル

岩沢「次はどんな嘘を言う」

ゆり「・・・・・・」グルグル

岩沢「それで得られたもの」

日向「・・・・・・」グルグル

岩沢「大事に飾っておけるの」

かなで「・・・・・・」グルグル

一同「・・・・・・」

岩沢「でも明日へと」

音無「・・・・・・」グルグル

岩沢「進まなきゃならない」

ゆり「・・・・・・」グルグル

岩沢「だから」

日向「・・・・・・」グルグル

岩沢「こう歌うよ・・・・・・」ジャーン・・・

4人「っ!!!」ババッ


岩沢「んなぁいぃてるぅぅぅ~~~~~~~~~~~~~~~~~~」


一同「いつまで歌ってんだぁあああああああああああああああ!!!」

岩沢「!?」ビクッ

かなで「・・・・・・」

岩沢「ちょっ・・・いきなりどうしたの・・・」

ゆり「どうしたのじゃねーよ!!何なのよこれ!!何の儀式なのよこれはぁ!!」

岩沢「ぎ、儀式って・・・」

ゆり「何であたしたちはあなたの歌を聞きながら延々と歩き回ってんのよーーーー!!!いったい何を祀っているんでしょうかねぇーーーー!!!」

藤巻「確かに異様な光景だったぜ・・・」

高松「ええ・・・何かがとり憑いたのかと・・・」

岩沢「まぁちょっと落ち着けって」

ひさ子「お前が言うな・・・」

関根(そのときあたしたちは全員同じことを思ったのだった・・・岩沢先輩、やっぱりあなたは・・・)

一同(音楽○チだ・・・)

ゆり「・・・って落とすんじゃないわよ!!続けるわよっ!!」

岩沢「悪い、いい感じにのってきちゃってさ」

日向「ったく・・・次は頼むぜ・・・」

遊佐「それでは改めまして・・・ミュージック・スタート」

岩沢「・・・・・・」スッ

ジャーン

岩沢「・・・・・・」

4人「・・・・・・」グルグル

岩沢「・・・・・・」

4人「・・・・・・」グルグル

岩沢「・・・・・・」

ゆり「・・・ちょっと、今度はどうしたのよ?」

岩沢「いや、音楽止めたつもりだったんだけど・・・」

一同「両極端っ」ズルッ

かなで「・・・・・・」

遊佐「日向さん、脱落です」

日向「もう疲れた・・・後はがんばれ、音無・・・」

音無「あ、ああ・・・」

ひさ子「だな・・・せめて音無だけでもゆりの魔の手から逃れてくれ・・・!」

松下「俺たちの希望、お前に託したぞ」

藤巻「へっ・・・決めてこいよ・・・」

大山「がんばれ音無くーん!」

直井「音無さん・・・!」

音無「お前ら・・・!」

ゆり「はっ!見上げた友情ね!でもそんなものは幻!あたしがすべて消し去ってあげる!!」

音無「だから何でお前が敵側に立ってんだよ・・・」

かなで「・・・・・・」

遊佐「それでは・・・ミュージック・スタート」

岩沢「God Bless You・・・」スッ

ジャーン・・・ジャーン・・・ジャジャジャーン・・・

ゆり「ちょっと、10分間歌い続けるとかやめてよね?」

岩沢「わかってるよ・・・」ジャーン・・・

岩沢「笑うことも柄じゃなくて」

岩沢「澄まして聞いてた」

音無(残りのイスは2つ・・・すぐに次のイスの前に移動しないと・・・)ササッ

音無「・・・ってお前速く進めよぉ!」

ゆり「ん~?何のことかしら~?」

岩沢「頬杖えをついて」

岩沢「午後のけ・・・」ピタッ

ゆり「!」バッ

かなで「!」バッ

音無「・・・っ!」

ひさ子「ま、まさか・・・」

ゆり「フフ・・・」スチャ

かなで「・・・・・・」スチャ

音無「く、くそおおおお・・・!」ガクッ

直井「音無さんが・・・」

日向「負けた・・・!?」

音無「みんな・・・すまない・・・!」

高松「いえ・・・音無さんはベストを尽くしました・・・」

藤巻「卑怯だぞゆりっぺぇ!」

ゆり「あら負け惜しみ?滑稽ね」

竹山「ひどい・・・!」

ひさ子「当初の天使狙いはどこにいったんだ・・・」

日向「くそ・・・ここで終わりなのか!?俺たちはまた理不尽に罰を受けるしかないってのかよ!?」

ゆり「ふふ・・・ふふふふ・・・あーーはっはっ・・・

かなで「ちょっと待って」ドン!

一同「!?」

ユイ「何なんですかねこの少年漫画みたいな展開は」

かなで「まだあたしがいるわ」

ゆり「なに?あなたは部外者でしょ?」

日向「むしろ問題の中心にいなかったか?」

かなで「この最終決戦に1つ条件を加えたいわ」

ゆり「・・・言ってみなさい」

かなで「あたしがこのゲームに勝ったら・・・彼らを許してあげて」

一同「な!?」

ゆり「・・・どういうこと?」

かなで「生徒が苦しむ姿を黙って見過ごすわけにはいかない」

ゆり「・・・いいわ。ただしあたしが勝ったら、あなたに・・・」

かなで「煮るなり焼くなり、どうぞご自由に」

ゆり「交渉成立・・・!」

ゆり「・・・・・・」ゴゴゴゴゴ

かなで「・・・・・・」ゴゴゴゴゴ

高松「・・・これはどちらを応援すればいいんでしょうか?」

野田「ゆりっぺに決まっている!」

日向「微妙なところだな・・・ゆりっぺが勝てば死より恐ろしい目にあうぞ」

松下「天命を待つしかあるまい・・・」

遊佐「では最後の勝負です。ミュージック・・・スタート」

岩沢「だんご大家族・・・」スッ

岩沢「だんごっ だんごっ だんごっ・・・」

ひさ子「・・・って選曲おかしいだろっ」

音無「緊張感の欠片も無い曲だな・・・」

岩沢「・・・だんご だんご大家族」

2人「・・・・・・」グルグル

岩沢「やんちゃな焼きだんご」

2人「・・・・・・」グルグル

岩沢「優しい餡だんご」

2人「・・・・・・」グルグル

音無(今更だが、何だこの状況)

岩沢「みんな みんな あわせて」

岩沢「ひゃく・・・」ピタッ

ゆり「!!」

かなで「・・・!!」

大山「ああっ!」

ひさ子「イスはゆりの目の前!?」

日向「もうだめだぁーーー!!」

ゆり「もらったぁああーーーーーーーっ!!」ズンッ




バキッッッ

ゆり「きゃぁっ!?」ズシン

かなで「・・・・・・」

一同「・・・・・・」

ゆり「・・・・・・」

かなで「・・・・・・」

一同(い・・・)

一同(イスが大破した!?)

日向「え、えっと・・・この場合・・・」

ユイ「や、やり直しッスかね・・・?」

かなで「いいえ、あたしの勝ちよ」

野田「な、何だと!?」

かなで「だって最初に・・・」


ゆり『わかったわよ・・・今後イスを破壊したりしたら失格よ』


かなで「って」

一同「」

ゆり「・・・・・・」

かなで「そういうことで、みんな仲直りしてね」

ゆり「・・・・・・」

音無「さっきからゆりが俯いたままなんだが・・・」

日向「まぁ・・・そりゃ恥ずかしいだろ・・・一応女なんだし・・・」

遊佐「心中お察しします」

ユイ「これで目が覚めたんじゃないッスか?」

竹山「でもよく考えたら先に裏切ったのは僕らですし・・・」

高松「ええ・・・こうなったのも私たちの責任・・・」

岩沢「・・・・・・」スッ

ゆり「岩沢・・・さん・・・?」

岩沢「さぁ、立てるか?手を貸すぜ」

ゆり「でも・・・あたしはみんなに酷いことを・・・この手を取る資格なんて・・・」

岩沢「何言ってんだよ、そんなの何てことないさ・・・あたしたちがお前から貰ってるものに比べたらさ」

ゆり「あたしから・・・貰ってるもの・・・?」

大山「そうだよゆりっぺ!」

日向「ああ・・・お前がいてくれるから、こんな世界でもみんな頑張れるんだ」

藤巻「ったく、ゆりっぺがそんなんじゃ調子出ねぇぜ」

直井「しっかりしろ・・・それでもリーダーか?」

椎名「あさはかなり・・・」

TK「Shinin’ days, Shinin’ time!!」

野田「さぁゆりっぺ!早くお仕置きしてくれぇ!!」

音無「それはどうなんだ・・・」

ゆり「あなたたち・・・」

関根「ゆりっぺさん!」

入江「ゆりっぺさん・・・」

松下「ゆりっぺ」

ひさ子「ゆり!」

ゆり「・・・・・・」グスッ

ゆり「みんな・・・ありが・・・

岩沢「ああ、誰もゆりのケツがでかいことも、五段のタックルでも壊れなかったイスをぶっ壊したことも気にしてないさ」

ゆり「・・・・・・」ブチッ

一同「」

ひさ子「ば、馬鹿かお前は!?」

岩沢「え?何で?」

日向「よ、よーし!じゃあさっさと教室片付けちまうかぁ!」

藤巻「お、おう!そうだな!はは・・・」

高松「は、はい!この筋肉は机を運ぶために鍛えてきたも同然!」

音無「ゆりは作戦本部に戻っててもいいぞ、後は俺たちが・・・」

かなで「それが終わったら、始末書を提出させてね」

音無「し、始末書?」

かなで「イスを壊したでしょ?木っ端微塵に」

一同「」

ゆり「・・・・・・」

ゆり「・・・・・・」ユラリ

野田「ゆ、ゆりっぺ、立てたか・・・だいじょ・・・ごふっ!?」

ゆり「・・・・・・」

野田「」バタリ

一同「野田ぁーーーーーー!?」

ゆり「・・・プログラム・・・5番」

藤巻「へ?今何・・・おごぉ!?」

ゆり「極刑・・・!!」

藤巻「」バタリ

一同「藤巻ぃーーーーー!?」

音無「そ、それは野田が持ってきたハルバード・・・」

音無「お、おい、落ち着けって!」

ゆり「ああん!?オチがケツですって!?悪かったなぁ!!!」

音無「言ってねぇよ!!」

日向「や、やばい!みんな逃げろーーーー!!」ダッ

大山「うわぁあああ!!」ダッ

ユイ「ひぃぃぃ!!」ダッ

ゆり「待てやゴラァ!!てめぇら全員記憶を消す!!」

かなで「・・・次は鬼ごっこ?」ダッ

音無「リアルなやつな・・・」ダッ


終わり

読んでくれた方ありがとうございます
またAB!やリトバスで書くので見かけたら読んでくださいな

夏前に動きがあるらしいですよ
ソースは馬場社長のTwitterですが…

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom