ほむら「チョコを用意したけど……」(194)
ほむら「なんて言ってまどかに渡そうかしら……」
ほむら「本命なんて恥ずかしくて言えないし、だからって義理チョコって言うのも……」
ほむら「机とか下駄箱に入れて……いや、万が一さやかに見られると面倒ね……」
ほむら「そもそもバレンタインに女性から女性に贈ったら引かれるかしら……」
――――
――
ほむら「……悩んでたら夜が明けたわ」
ほむら(結局どうするか決まらなかった……最悪、学校終わってからポストにでも……)
まどか「あ、お、おはよー、ほむらちゃん」
ほむら「! お、おはよう、まどか。今日は早いのね」
まどか「そ、そうかな?」
ほむら「結構早く来てたんじゃない? 寒さで頬が真っ赤になってるわよ」
まどか「あ、赤くなってなんかないよ。ほむらちゃんの気のせいだよ」
ほむら「そうかしら……でも……」
まどか「気のせいだから、あんまり顔を見ないで欲しいなって」
ほむら「さやかと仁美は? いつもなら先に来てるのに、今日は遅いわね」
まどか「二人とも今日は先に行くって、メールが来たよ」
ほむら「そうなの? ……ああ、そういうことね」
まどか「うん。二人とも手渡しじゃなくて一緒に机に入れてくるんだって」
ほむら「ライバル同士なのに、二人で?」
まどか「さやかちゃんと仁美ちゃんらしいよね」
ほむら「まあ、さやか一人だと臆病風に吹かれそうだし、ちょうどいいんじゃない?」
まどか「あはは、ひどいんだ、ほむらちゃん」
ほむら(さやかがいないなら、今が渡すチャンスなんだけど……)
ほむら「ね、ねえまどか」
まどか「な、何かな?」
ほむら「その……ま、まどかは誰かにチョコをあげる予定はあるのかしら?」
まどか「そ、そう言うほむらちゃんはどうなの?」
ほむら「わ、私? 私は……その……」
まどか「……もしかして誰か男の子に?」
ほむら「それはないわ(断言)」
まどか「私は……チョコをあげる予定、あるんだ」
ほむら「え!? だ、誰に!? クラスメイト!? 誰を撃てばいいの!?」
まどか「慌てすぎだよ! 何か物騒なこと言ってるよ!?」
ほむら「おおお、落ちついてるから、だ、誰に渡すつもりなのか、お、教えてくれる?」
まどか「全然落ちついてないよ! ほむらちゃん、一旦落ちついて!」
ほむら「わかったわ」ファサ
まどか「感情の起伏が激しすぎるよほむらちゃん」
ほむら「まどかが落ちついてって言ったから落ちついただけなのに……」
ほむら「それで、まどかは誰にあげるつもりなの?」
まどか「それはね……はい、ほむらちゃん」
ほむら「……私?」
まどか「うん。ほむらちゃんにバレンタインチョコ作って来たんだ///」
ほむら「まどかの手作りなのね……嬉しい///」
まどか「あ、その、て、手作りって言うか……」
ほむら「……違うの?」
まどか「違わないんだけど、えっと、あんまり言わないで欲しいなって……」
ほむら「?」
ほむら「……ところで、これは義理チョコ? そ、それともほ、本……///」
まどか「こ、これは……と、友チョコだよ///」
ほむら「……友チョコ?」
まどか「うん、友達同士で贈るチョコだよ。最近流行ってるんだけど、知らなかった?」
ほむら(そんなものが流行ってたのね……そうよ! これなら自然に渡せるわ!)
ほむら「し、知ってたわ。友チョコでしょ? ええ、もちろん知ってたわ。当然じゃない」
まどか(……知らなかったんだね、ほむらちゃん……)
ほむら「ありがとう、まどか。あとで大事にいただくことにするわね」
まどか「えへへ。あ、でも恥ずかしいから誰にも見せちゃダメだよ?」
ほむら「わかったわ」
まどか「さやかちゃんとかが見せて、って言ってもダメだからね」
ほむら「え、ええ」
まどか「カバンの中を勝手に開けられたりしないようにも気をつけて」
ほむら「気をつけるけど……その、まどかはそんなに知られたくないの……?」
まどか「あ、そういう意味じゃないんだよ。貰ったことは言ってもいいんだけど、見せるのがダメなの」
ほむら「? まどかがそう言うなら……」
ほむら「まどか……その、私からもチョコを……///」
まどか「あ、ほむらちゃんもチョコの用意してくれたんだね///」
ほむら「ええ、本め……あの、ほら、えっと……そう、友チョコよ、友チョコ」
まどか「ありがとう、ほむらちゃん。ほむらちゃんも手作りなのかな?」
ほむら「もちろん、そうよ。……恥ずかしいから、開けるのは帰ってからにしてね」
まどか「えー? どうしようかなー?」
ほむら「もう……まどかのイジワル」
まどか「ふふ、冗談だよ。じゃあそろそろ学校に行こ」
ほむら「ええ、そうしましょう」
ほむら(良かった……無事に渡せたわ。それに、まどかからも貰えたし……///)
まどか「さやかちゃんは上条君の机にチョコ入れられたかな?」
ほむら「仁美も一緒だから、間違えて他の机に、なんてオチにはならないと思うわ」
まどか「あはは……それもあるけど、ほら、さやかちゃんだから……」
ほむら「やっぱりやめた、とはならないと思うわよ。これも仁美がいるから」
まどか「仁美ちゃんさまさまだね。……ライバルなんだけど」
ほむら「あんな面倒見のいいライバル見たことないわ」
まどか「ちょっとうらやましい関係だよね」
ほむら「そういえば聞いてなかったけど……まどかはあと誰にチョコをあげるの?」
まどか「んーとね、さやかちゃんと、仁美ちゃんと、マミさんと……」
ほむら「あ、その……友チョコとか義理チョコ以外で……」
まどか「……それって本命のことだよね」
ほむら「……いるの?」
まどか「んー……」
ほむら「……」ドキドキ
まどか「あとは友チョコとパパに義理チョコ渡しておしまい、かな」
ほむら「そう」ホッ
まどか「あとは、ね」ボソッ
さやか「おっはよー」
仁美「おはようございます」
まどか「おはよー」
ほむら「おはよう」
まどか「二人とも、ちゃんと渡せた?」ボソッ
さやか「あはは、渡したって言っても机に入れただけなんだけどさ」ボソッ
仁美「さやかさんったら、焦りすぎて机を間違えそうになったんですよ」ボソッ
ほむら「……鉄板ネタは外さないのね。さすがね、美樹さやか」
さやか「やりたくてやってるわけじゃないよ……」
まどか「私からプレゼントだよ。はい、さやかちゃん、仁美ちゃん」
仁美「ありがとうございます、まどかさん」
さやか「お、さっすがあたしの嫁。まどかの本命チョコゲットだぜ!」
まどか「もう、何言ってるのさやかちゃん」
ほむら「何言ってるのよ、さやか」
さやか「同じこと言ってるのにこの温度差。ほむらさん、目がマジすぎて怖いですよ?」
ほむら「……気のせいよ」
仁美「あらあら」
さやか「あれ? ほむらはチョコくれないの?」
ほむら「何で貴女にあげなきゃいけないのよ」
さやか「別に本命チョコくれって言ってるんじゃないし。友チョコくれー」
ほむら「私から貰って嬉しいの?」
さやか「杏子の餌付けに使おうかなって」
まどか「餌付け!?」
仁美「その杏子さんという人とさやかさんの関係について詳しく!」
さやか「そこに食いつかないでよ」
ほむら「残念ながら貴女にあげるチョコはないわ」
さやか「友チョコもないのか……あたしたち、友達じゃなかったんだね……」
ほむら「何よそれ……そこまで言うなら、来年は用意してあげるわよ」
さやか「来年じゃなくて今日は?」
ほむら「……入院生活ばっかりで、友チョコなんてもの知らなかったのよ」
まどか(あれ? でもほむらちゃん、私に友チョコって……)
さやか「なんだ、本当にないのか。てっきりあたしを焦らして楽しんでるのかと」
ほむら「人をなんだと……」
ほむら「そういう貴女は用意してるの?」
さやか「あるよー、はい。まどかにも、はい」
仁美「ついでに私からも差し上げますわ、どうぞ」
まどか「ありがとう、さやかちゃん、仁美ちゃん」
ほむら「……ありがとう。来年は私も友チョコを用意するわ」
さやか「大丈夫大丈夫。ホワイトデー3倍返し期待してるから」
仁美「楽しみですわ」
ほむら「……こんなことなら義理でもいいから用意しておけばよかったわ」
まどか「ほむらちゃん、義理チョコも用意してなかったの?」
ほむら「だって義理って男の人に贈るものでしょ?」
まどか「ね、ねえほむらちゃん……」ボソッ
ほむら「ん? なに?」
まどか「ほむらちゃんがくれたチョコって……」
さやか「あー、残念。今年もまどかのチョコは手作りじゃなかったかー」ベリベリ
まどか「も、もう開けちゃったの!?」
さやか「手作りかどうか気になってさ。そろそろ許してくれたかなーって」
まどか「さやかちゃんに反省の色が見られないうちは許さないもん」
ほむら「……どういうこと?」
仁美「まどかさんの手作りと、さやかさんに何か関係が?」
まどか「えっと、それは……」
さやか「あー、うん。あたしのせいでまどかは手作りチョコやめちゃったんだ」
ほむら「……それ、どういうこと? 詳しく教えて」
まどか「そ、その話はまた今度、ね?」
さやか「続きを聞きたかったら払うもの払ってもらおうか」
ほむら「私の財布から好きなだけ持ってきなさい」
さやか「冗談だっての。さすがに必死すぎて引くわ」
さやか「いや、前に友チョコを貰った時、まどかの手作りだったんだけど……」
ほむら「うらやま死になさい」
さやか「ねえ、最近あたしに対する殺意のトリガーが軽くないかな?」
ほむら「いいから話を続けなさい」
さやか「続けるも何も、手作りってことは本命だろー、ってからかいまくったら拗ねちゃったってだけ」
ほむら「やっぱり貴女死になさい」
さやか「この程度で殺されてたら、残機がいくつあっても足んないよ」
ほむら「もし残機制だったら、残り一機まで遠慮なく引き金が引けるのに……」
まどか「そ、それはどうかと思うな……」
さやか「それで、もう手作りチョコなんて作らない、って泣いちゃってさー」
まどか「な、泣いてないよ! 勝手に話広げないでよ!」
仁美「では、手作りのチョコはそれ以来作ってないんですか?」
まどか「え、えっと……そう、かな?」
ほむら(……でも、朝受け取ったときは確かに作ったって……)
さやか「本命ができるまでは手作りチョコ封印なんだよね」
まどか「そ、そんなこと言ってないよ」
ほむら(……今すぐにカバンの中のまどかのチョコを確認したい……)
ほむら「……」ソワソワ
まどか「……ほむらちゃん、約束忘れてないよね」ボソッ
ほむら「もちろん忘れてないわ。……でも、見られなければセーフよね?」
まどか「で、できればお家に帰ってからにして欲しいかなって」
ほむら(こ、これって期待していいのかしら)
ほむら「そ、それはどうして? なにか理由があるのかしら」
まどか「ど、どうしてもだよ」
ほむら(ああ、気になる気になる気になる……)ソワソワ
さやか(なんだこの挙動不審者……)
和子「はい、朝のHRを始めます。その前に……中沢君!」
中沢「はい!」
和子「チョコといえばブラックですか? ホワイトチョコですか?」
中沢「どっちでもいいから欲しいです!」
和子「その通り! チョコの種類でぐだぐだ言うような男性は……」
ほむら(種類とかどうでもいいのよ! 手作りか否かが重要なのよ!)ソワソワ
まどか(ほむらちゃんが挙動不審すぎる……)
さやか(恭介、チョコに気づいてくれたかな……)
恭介(なんかでかいチョコのせいで机に教科書が入らない……)
――――
――
さやか「終わったー。今日はこれからマミさんの家だよね」
まどか「うん。マミさんもバレンタインで何か用意してくれてるって」
さやか「いえー! マミさんの本命チョコはあたしがいただきだー!」
仁美「さやかさんは欲張りですわね」
ほむら「はしゃぎすぎよ、美樹さやか」ソワソワソワソワ
さやか「……あんたはそろそろ落ち着いたら?」
まどか「ほむらちゃん……」
仁美「それでは私はお稽古がありますので」
まどか「うん、また明日ねー」
ほむら「……そう言いながら、実はこっそり上条恭介のところに……」
さやか「そんなわけないじゃん。抜け駆け無しって言ってるんだから。ねえ?」
仁美「……うふふ」
さやか「仁美っ!?」
仁美「冗談ですわ」
さやか「ねえ、あたしと目を合わせて言ってくれるかな」
さやか「さて、じゃあ行きますかー」
ほむら「先に行ってて。私は後から合流するわ」
さやか「なんで? なんか用事でもあるの?」
ほむら「一度家に帰りたい気分なのよ。別に理由があるわけじゃないんだけど」
まどか「……一緒に行こうね、ほむらちゃん」
ほむら「う……す、すぐに向かうから先に……」
まどか「……」ジー
ほむら「……はい、一緒に行きます」
さやか「なんだこれ」
マミ「いらっしゃい、みんな。さあ、上がって」
杏子「遅いぞー」
ほむら「杏子、来てたのね」
杏子「全員揃うまでチョコおあずけって言うから、ずっと待ってたんだぞー」
まどか(おあずけ……)
さやか「じゃあ杏子にはあたしからチョコをあげよう」
杏子「お、サンキュー」
さやか「お手」
杏子「拳でいいか?」
まどか(杏子ちゃん、みんなに犬扱いされてるなぁ……)
さやか「マミさんにも、はい」
マミ「え? え? み、美樹さん、私に……///」
さやか「えっと、友チョコってやつなんですけど……」
マミ「……友チョコ?」
さやか「あれ? マミさん知らないんですか? 友達同士でチョコを交換するのがブームなんですよ」
マミ「し、知ってたわ/// 知らないわけないじゃない///」
ほむら「知らなかったのね。まったく、流行に疎いんだから」
さやか「全力で自分のこと棚上げするなよ」
まどか(そういえばほむらちゃんに本当のこと聞くの忘れてた……)
まどか「私からもチョコです、どうぞ。杏子ちゃんにも」
マミ「ありがとう、鹿目さん」
杏子「……これ受け取っていいのか?」チラッ
ほむら「みんなに渡してるから気にしなくて……って、なんで私を気にするのよ」
さやか「マミさん、まどかの開けてみてください」
マミ「え? 美樹さんのじゃなくて鹿目さんのを?」
さやか「はい。手作りかどうか知りたいので」
まどか「さやかちゃん!」
ほむら「そうね、開けてみたらいいんじゃないかしら」
マミ「え? なにこのプレッシャー……」
マミ「あら、美味しそうなチョコね。これ、駅前のお店の?」
まどか「はい。このお店の人気があるんですよね」
杏子「アタシのも同じだな」
さやか「ここまでみんな同じかー。あと残ってるのは……」
ほむら「……何よ」
さやか「……ま、勘弁してやるか」
ほむら「?」
さやか(まどかが本気で睨んでるし……こりゃひょっとするのかな)
マミ「暁美さんは友チョコくれないのかしら?」
ほむら「貴女と友達になった覚えはないのだけど」
マミ「……」ショボーン
さやか「友チョコ知らなかったこと誤魔化すのに人をへこませるなよ」
マミ「……知らなかったの?」
ほむら「貴女と同じでね。ちょっと待ってて、盾の中にあるかもしれないわ」ヘンシン
マミ「そこまでして貰いたいわけじゃないんだけど……」
ほむら「……巴マミ。貴女は賞味期限の存在を信じてる?」
マミ「なんで賞味期限が都市伝説みたいな扱いなのよ」
ほむら「じゃあこれは杏子に」
杏子「さらっと人に勧めるなよ。貰うけど」
ほむら「それだけじゃ悪いから、貰い物だけどこれも食べていいわ」
さやか「それはあたしがあげたチョコに見えるけど気のせいかな」
ほむら「あら、そうだったかしら」
さやか「……別に杏子にあげちゃったっていいけどさ」
ほむら「冗談よ。どうせ食べきれないから、仁美に貰ったのを杏子に上げるわ」
さやか「おいおい、ツンデレさんかー?」
ほむら「やっぱり食べていいわよ」
さやか「嘘です」
マミ「じゃあ私からみんなにバレンタインチョコのプレゼントよ」
さやか「おっぱいチョコですね!」
マミ「な、何を言い出すの美樹さん///」
さやか「マミさんのはボリュームありそうだよね。誰かさんたちじゃ板チョコにしかならないけど」
まどか「……」
ほむら「……」
杏子「おっぱいチョコって何だよ。おっぱいにチョコ塗って舐めるとか?」
まどか「きょ、杏子ちゃん……///」
ほむら「マミ、杏子がこんなプレイを希望してるわよ」
マミ「えっ/// 佐倉さんが、そんな……///」
杏子「おい待て。アタシはそんなこと言ってないぞ」
さやか「おっぱいチョコって言うのは、おっぱいの形のチョコを作るんだよ」
杏子「……それ、なんか意味があるのか?」
マミ「よくわからないけど、男の人には人気なんじゃないかしら」
さやか「男子に人気間違いなし! 本命の彼におっぱいチョコを!」
ほむら「口だけで実行する勇気はないのよね」
さやか「うるさいよ板チョコ」
ほむら「胸といわず、全身チョコで固めて上条恭介の家に送りつけてやろうかしら……」
さやか「ぜひお願いします」
まどか「それでいいのさやかちゃん!?」
マミ「気を取り直して……私が用意したのはチョコレートフォンデュよ」
さやか「おぉー!」
まどか「すごい!」
杏子「……これ、どうやって食うんだ? 飲めばいいのか?」
ほむら「一気に飲むのがマナーよ」
マミ「こら、さらっと嘘を教えないの」
まどか「これはね、フルーツとかをチョコにつけて食べるんだよ」
杏子「チョコバナナみたいなもんか」
さやか「固まる前に食べるんだけどねー」
マミ「いろいろなフルーツを用意したから好きなのを食べてね」
さやか「あたしマスクメロン!」
ほむら「ドリアンはあるかしら」
マミ「……そんなの用意してないわよ」クスン
まどか「何にしようかなー」
杏子「アタシはバナナにしようかな……どうした? なんか落ち込んでるけど」
さやか「……杏子は何も気にせず食べてていいよ」
マミ「……ええ、ちょっと心が汚れてるなって思っただけだから」
杏子「?」
まどか「美味しいね」
ほむら「ええ。……でもちょっとお酒が強くない?」
マミ「そう? あんまり気にならなかったけど……」
ほむら「……私がアルコールに敏感すぎるのかしら」
まどか「……そうでもないみたいだよ?」
さやか「杏子ー、食べてるぅー?」ダキッ
杏子「うわっ!」
さやか「うへへへへへ、杏子は可愛いなぁ」
杏子「お前、急にどうしたんだよ!?」
まどか「ね?」
ほむら「酔ってるわね、あれは」
マミ「おかしいわね……そんなに入れたつもりはないんだけど」
ほむら「もしかして、貴女普段からお酒飲んでるんじゃないの?」
マミ「そんなことないわよ、未成年だし。……ただ、たまに紅茶にブランデーを入れたりはするけど……」
まどか「マミさん、ダメですよ」
マミ「だってお洒落じゃない。そんなにいっぱい入れてるわけじゃないし」
ほむら「本当? 実はブランデーを紅茶で割って飲んでるんじゃない?」
マミ「……そ、それは割合の問題じゃないかしら? 良く覚えてないわ……」ダラダラ
まどか「マミさん……」
杏子「あー、もー、鬱陶しいから離れろ」
さやか「うぅ……杏子が冷たい……」
杏子「ったく……さやかにはあの坊ちゃんがいるだろ」
さやか「……嫉妬?」
杏子「……そんなんじゃないよ」
さやか「大丈夫! 杏子に注ぐ分の愛情は別腹だから」
杏子「あー、うぜーうぜー」
さやか「おりゃー、あたしの愛を食らえー」チュー
杏子「な、な、な、なにしてんだよ///」
さやか「ほっぺにちゅー」
杏子「平然と返すなよ///」
ほむら「まどかは次何を食べたい?」
まどか「うーん……イチゴにしようかな」
ほむら「イチゴね。チョコを付けて……はい、あーん」
まどか「え? ちょっと恥ずかしいよ///」
ほむら「……嫌なの?」シュン
まどか「い、嫌じゃないよ。ほむらちゃんに食べさせて欲しいなー」
ほむら「本当? はい、あーん」
まどか「あーん……うん、美味しい」
ほむら「良かった///」
まどか(ほむらちゃんも酔いやすいんだ……そうなんだ……うふふ)
さやか「杏子は可愛いなー」
杏子「はいはい、ありがとさん」
さやか「もっと嬉しがれよー」スリスリ
杏子「食うのに邪魔だっての」
さやか「うひひ、そんなこと言っておきながら無抵抗なのは誰かなー」スリスリ
杏子「……ふん」モグモグ
さやか「杏子はあたしの嫁になるのだー」ギュー
杏子「……///」モグモグ
まどか「ほむらちゃん顔真っ赤だよ」
ほむら「まどかも赤くなってるわ」
まどか「え? そうかな」
ほむら「ほっぺが赤くて、温かい……」サワサワ
まどか「ん……ほむらちゃんも」サワサワ
ほむら「……熱いのはお酒のせいだけかしら///」
まどか「……私にはわからないな///」
マミ「……寂しいと思ったら負け、寂しいと思ったら負け……」ブツブツ
QB(マミのフォローをしてあげたいけど、ボクは全身チョコで固まってる)
QB(マミへのバレンタインプレゼントを用意したのに、なぜかマミはお気に召さなかったようだ)
QB(体中にチョコを塗って、ボクを舐め回してくれ、って言っただけなのに)
QB(結果、怒ったマミによってチョコでガチガチに固められてしまった)
QB(バレンタインに女性にチョコを贈るのは失礼だったんだろうか)
QB(まったく、人間の文化はわけがわからないよ)
――――
――
マミ「……お酒は抜けたかしら」
まどか「ごめんなさい……」
さやか「反省してます……」
ほむら「悪かったわ……」
マミ「あら、どうして謝るの? 私にはわからないわ」ニコニコ
杏子「アタシはセーフだよな」
マミ「……連帯責任って知ってるかしら」ボソッ
ほむら「連帯って言うなら、貴女も……」
マミ「は?」
ほむら「なんでもないわ」
マミ「口直しに何か冷たいものでも用意するわね」
ほむら「……手伝うわ」
さやか「そういえば聞いてなかったけど、まどかはほむらからチョコ貰った?」
まどか「うん、貰っ……たかどうかは秘密だよ」
さやか「ごまかさなくてもいいって。普通に考えて、あいつがまどかに渡さないわけないし」
まどか「そんなことないと思うよ?」
さやか「そんなこと思ってないでしょ」
さやか「そのチョコって何チョコなんだろうね」
まどか「と、友チョコだよ、うん」
さやか「あいつ友チョコ知らなかったじゃん」
まどか「じゃ、じゃあ義理チョコかな」
さやか「義理も用意してなかったよね」
まどか「家族に渡すような、日頃の感謝の気持ちとか……」
さやか「それならあたしも貰ってるはずじゃない?」
まどか「……それはどうかなあ……」
さやか「えー」
マミ「お待たせ」
ほむら「二人で何を話してたの?」
さやか「あたしとまどかの秘密だよ。ねー、まどか?」
まどか「え? えと、その……ひ、秘密だよ」
ほむら「……そう」
まどか「あ、その、本当にたいした話はしてないんだよ?」
ほむら「……心配しないで。私はまどかのこと信じてるから」
まどか「ほむらちゃん……」
さやか「二人とも、そのくらいにしておいた方が……」チラッ
マミ「……」ニコニコ
――――
――
まどか「マミさんの無言のプレッシャーって怖いね」
ほむら「そうね……さすが最年長魔法少女だわ」
まどか「寝てた杏子ちゃんまで起こされたしね」
ほむら「杏子は完全に被害者だったわね。今度ロッキーでも差し入れてあげましょう」
まどか「優しいんだね、ほむらちゃん」
ほむら「違うわ。ただの餌付けよ」
まどか「……杏子ちゃんを犬扱いするの流行ってるの?」
ほむら「……ねえ、まどか。帰ったらまどかに貰ったチョコ、開けていいわよね」
まどか「……うん。開けないと食べられないもんね」
ほむら「……」
まどか「……」
まどか「お家まで送ってくれてありがとう。また明……」
ほむら「……待って」
まどか「どうしたの、ほむらちゃん」
ほむら「今日は……なんだか、もう少しだけまどかとおしゃべりしたい気分なの」
まどか「……実は、私もなんだ」
ほむら「今からだと、どこがいいかしら……」
まどか「遅くなるとパパとママが心配するから……ほむらちゃんが良かったら、泊まりに来て欲しいかなって」
ほむら「……いいの?」
まどか「うん。ほむらちゃん一人暮らしだし、大丈夫だよね?」
ほむら「私の方はまったく問題は無いわ」
まどか「あ、でも一応パパに聞いてくるから、ちょっと待ってて」
ほむら「ええ、ここで待ってるわね」
ほむら(まどかの家にお泊り……心臓は持つかしら……)ドキドキ
まどか「パパー、今日お友達を泊めてもいいかな?」
知久「構わないけ……そのお友達って、男の子じゃないよね?」
まどか「違うよ。ほむらちゃんだよ」
知久「そうか、そうだよね。まどかが男の子を家に泊めるなんて……ははは」
まどか「もう、パパったら変なこと言わないでよ」
知久「バレンタインデーだから、チョコを渡した相手でも呼んだのかと早とちりしちゃったよ」
まどか「……そ、そんなわけないよ……じ、じゃあほむらちゃんに伝えてくるね」
まどか「お泊り大丈夫だって」
ほむら「じゃあ用意してくるわね」
まどか「うん、待ってるね」
ほむら「なるべく早く戻ってくるつもりよ」
まどか「私も片付けとかあるから、急がなくてもいいよ?」
ほむら「片付けなんて……気にしなくていいのに」
まどか「わ、私も見られたくないものとかあるんだよ」
ほむら「……そういうものは見たいけど」
まどか「それならほむらちゃんの家にいきなり押しかけてもいいのかな?」
ほむら「プライバシーって大事よね」
テスト
――――
――
まどか「いらっしゃい、ほむらちゃん」
ほむら「おじゃまします」
まどか「飲み物持ってくから、先にお部屋行ってて?」
知久「飲み物なら僕が持っていってあげるよ」
まどか「自分で持ってくから大丈夫。先に行ってて、ほむらちゃん」
ほむら「わかったわ」
知久「遠慮しなくていいのに」
まどか(途中でパパに入って来られたくないもん)
まどか「お待たせー。ジュースでいい?」
ほむら「ありがとう、いただくわ」
まどか「……」
ほむら「……」
まどか「……」
ほむら「……」
まどか(な、何から話せばいいんだろう……///)
ほむら(いざとなると勇気が出ない……それじゃダメってわかってるのに……)
まどか「そ、そうだ、さやかちゃんたちは結局どうなったかな?」
ほむら「さやかは帰ったんじゃない? 杏子はそのまま泊まるみたいだったけど」
まどか「あ、そうじゃなくて……ほら、上条君にバレンタインチョコ……」
ほむら「ああ、その話ね。さやかと仁美の他にも何人か渡してたみたいだけど」
まどか「上条君、どうするのかな?」
ほむら「別にまだ決断するような時じゃないから、そのままじゃないかしら」
まどか「そっか……さやかちゃんも仁美ちゃんも大変だな……」
ほむら(というか私は人のことを気にしてる余裕なんてないんだけど……)
まどか「バ、バレンタインといえば……ほむらちゃんに貰ったチョコだけど……」
ほむら「え、ええ」
まどか(さやかちゃん、仁美ちゃん、話の踏み台にしちゃってごめんね)
まどか「……ほむらちゃん、友チョコ知らなかったんだよね?」
ほむら「! ……そ、そうね。確かに、知らなかったわ」
まどか「あれは……その……ほむらちゃんの気持ち、なのかな?」
ほむら「……隠すようなことじゃなかったんだけど。恥ずかしかったから、友チョコって……」
まどか「じゃあ……」
ほむら「そう、あのチョコは私の気持ち。……まどか、大好き」
ほむら「急にこんなこと言われても困るかもしれないけど……」
まどか「ううん、そんなことないよ。ほむらちゃんに好きって言ってもらえて、嬉しいって思ったよ」
ほむら「……それなら、良かった」
まどか「……実はね、ほむらちゃんが来る前に……チョコ、開けて見ちゃったんだ」
ほむら「そうなの……///」
まどか「ごめんね、なんか、ずるいことしちゃって」
ほむら「そ、そんなことないわ。まどかにあげたものだし、いつ見たってかまわないのよ」
まどか「だから……さっきと今、ほむらちゃんの気持ちはちゃんと2回受け取ったよ」
ほむら「……///」
まどか「ほむらちゃんも……私のチョコ、見たでしょ」
ほむら「な、なんでわかったの?」
まどか「だって、ずっと気にしてたし……きっと見てから来るんだろうなって」
ほむら「……あれは手作り、よね」
まどか「……うん///」
ほむら「朝、さやかが言ってたのは本当? 手作りは……」
まどか「本当、だよ。……全部さやかちゃんのせいってわけじゃないんだけど」
ほむら「?」
まどか「手作りのチョコは特別な人にあげよう、って決めたのは自分でなんだ」
ほむら「特別……///」
まどか「最初はね、みんなと同じで普通にチョコを買ってくるつもりだったんだ」
まどか「でもね、手作りだったらもっと喜ぶかなって思って、作ろうかなって考えて」
まどか「作ってるうちに、ほむらちゃんが喜ぶ顔ばっかり浮かんできて、私も嬉しくなっちゃって」
まどか「きっと、これでいいんだなって思って……手作りのチョコ、ほむらちゃんに贈ったんだ」
ほむら「まどか……///」
まどか「これが好きって気持ちなのか、まだはっきり言えないけど……これが私の気持ち、だよ///」
ほむら「嬉しい……本当に、嬉しい……///」ポロポロ
まどか「……ありがとう、ほむらちゃん」
まどか「そ、それと……チョコに書いた文字も見ちゃった?」
ほむら「チョコペンで書いたあった文字のことよね。まどかの愛のメッセージ……///」
まどか「あ、あれはね、バレンタイン特集とか見てるうちになんかそんな気分になっちゃって……///」
ほむら「まどかの好きって気持ち、確かに受け取ったわ……///」
まどか「だ、だから久しぶりにチョコ作ってテンション上がっちゃって、まだ好きとかよくわからな……///」
ほむら「あまりの嬉しさに思わず待ち受けにしちゃったわ。見る?」
まどか「な、なんでそんなことしてるの/// ダメだよ、早く消して///」
ほむら「大丈夫、なるべく見られないように気をつけるわ」
まどか「なるべくじゃダメ……じゃなくて、見られなくてもダメだってば/// 」
まどか「け、消してってば/// 消さないなら、私が……」
ほむら「わ、わかったわ。待ち受けはやめるから、ちょっと待って……」
まどか「え? わわわっ!」ドサッ
ほむら「きゃっ!」ドサッ
まどか「痛たた……ほむらちゃんごめんね、今どくから……」
ほむら「まどか……いきなり押し倒されても、心の準備が……///」
まどか「え? そ、そんなつもりじゃ……///」
ほむら「……///」
まどか(ほむらちゃん、目をつむっちゃったよ……///)
まどか「ほむらちゃん……///」ドキドキ
ほむら「……///」ドキドキ
まどか「……///」ドキドキ
ほむら「……///」ドキドキ
詢子「……」ドキドキ
まどか「!?」ビクッ
詢子「あ、どうぞ気にせず、続けて続けて」
ほむら「!?」ビクッ
まどか「ママ、何してるの!?」
詢子「ごはんできたって。あとただいま」
まどか「お、おかえりなさい。でもそれなら普通に声かけて呼んでよ」
詢子「邪魔しちゃ悪いと思ってさ。音を立てないようにがんばった」
まどか「い、意味がわからないよ///」
詢子「ああ、ほむらちゃん。気にしなくて大丈夫だからね」
ほむら「は、はい……///」
まどか「もう……」
詢子「……パパが呼びに行くのを止めて、代わりに来たママに感謝があってもいいんじゃない?」
まどか「……ありがとう、ママ///」
ほむら「すみません、突然お邪魔して」
詢子「気にしなくていいって。そのうち家族になるかもしれないんだし。ねえ」
まどか「何言ってるの///」
ほむら「えっと……その……さっきのは……///」
詢子「大丈夫、大丈夫。アタシはほむらちゃんを気に入ってるからね」
ほむら「あ、ありがとうございます」
詢子「まどかが毎日ほむらちゃんの話をするからさ、もう他人とは思えないくらいだよ」
まどか「や、やめてよママ……///」
詢子「ま、キスはまだ早いと思うけど、仲良くしてやってくれ」
まどか「……///」
ほむら「……///」
――――
――
まどか「ごちそうさまでした」
ほむら「ごちそうさまでした」
知久「片付けは僕がやっておくから、ゆっくりしてるといいよ」
まどか「ありがとう、パパ」
ほむら「お言葉に甘えさせてもらいます」
まどか「ほむらちゃんはお客さんなんだからいいんだよ」
詢子「客ぅー? そんな他人行儀な……」
まどか「……ママは何も言わなくていいから」
詢子「ところでまどか。チョコは無事渡せたのかい?」
知久「!」
まどか「わ、渡したけど、友達にしか渡してないよ」
知久「……」ホッ
詢子「あの手作りは誰に渡したんだい? 一人分しかなかったみたいだけど」
知久「!」
まどか「な、なんで知ってるの!?」
詢子「だって渡すのを間違えないようにラッピング変えてたじゃないか」
まどか「だから何で知ってるの?」
詢子「覚えておきな。子どもは親に隠し事なんてできないのさ」
ほむら「……」ドキドキ
詢子「まあそれは置いといて……二人はキスくらいはもうしたのかい?」
まどか「っ!?」
ほむら「! ごほっ……ごほ……っ!」
詢子「いやー、そんな良いリアクションされると、おばさん嬉しいなー」
まどか「ママ、いきなり何言い出してるの!? パパなんか固まっちゃってるよ!」
知久「」
詢子「いや、場を和ますためのジョークだったんだけど」
まどか「和まないよ! 逆に気まずくなっちゃうよ!」
ほむら(……し、心臓に悪すぎる……今日一日耐えられるかしら……)ドキドキ
知久「お風呂沸いたみたいだけど、どうするんだい?」
詢子「先にタツヤを入れちゃってくれる? まどかたちがその後入るから」
知久「わかった」
詢子「お風呂はほむらちゃんと一緒に入るんだろう?」
ほむら「!」
まどか「入らないよ///」
詢子「修学旅行とか一緒に入るんだから、気にしないでいいじゃない」
まどか「大浴場とお家のお風呂は全然違うよ!」
ほむら「……ま、まどか……私、ちょっと休ませて貰っていい?」
まどか「あ、うん。辛かったらベッドで横になっててもいいよ」
ほむら「ありがとう……」フラフラ
詢子「んー、ちょっとほむらちゃんにはドキドキさせすぎちゃったかな」
まどか「マ、ママはさっきから何がしたいの///」
詢子「何がって……アタシはきっかけとか言い訳になってあげたいだけだよ」
まどか「……きっかけ? 言い訳?」
詢子「そう。アタシのせいにすれば、普段できないようなことも誘えるだろ?」
まどか「……でも……」
詢子「チャンスってね、いっぱいあるようで、実際はそんなにないんだよ」
まどか「え?」
詢子「今ってさ、もっともっとほむらちゃんと仲良くなるチャンスじゃないかな」
まどか「……」
詢子「アタシのせいにして、ほむらちゃんといろんなことして仲良くなりなよ」
まどか「いろんなこと……?」
詢子「そう、いろんなこと。思い出に残るような、特別なことをいっぱい」
まどか「……うん」
詢子「そのためなら、アタシをどんな悪人に仕立て上げたってかまわないからさ」
まどか「ママ……ありがとう」
詢子「さ、ほむらちゃんが部屋で待ってるよ」
まどか「……ごめんね。ママは面白がってるわけじゃなかったんだね」
詢子「……」
まどか「……ママ?」
詢子「まーまー、ほら、早くしないとほむらちゃん待ってるよ」
まどか「……」
――――
――
まどか「お待たせー、お風呂上がったよー」
詢子「結局一緒に入らなかったか……ちっ」
まどか「……怒るよ」
ほむら「まどか、髪乾かしてあげるから、こっちに」
まどか「うん、お願い。ほむらちゃんは乾かし終わったの?」
ほむら「ええ。こういう時、髪が長いと不便だわ」
まどか「でもほむらちゃんの髪綺麗だから羨ましいな」
ほむら「ありがとう。……熱くない?」
まどか「うん、大丈夫」
詢子(ま、何もしなくても自然と仲良くなるんだろうけどね)
まどか「あ、そうだ、ほむらちゃん」
ほむら「何?」
まどか「ふ、布団のことなんだけど……お客様用の布団がね、今クリーニング中なんだ」
ほむら「クリーニング?」
まどか「マ、ママが酔っ払って吐いちゃって……」チラッ
詢子(ほほう)
まどか「だからね、今日は、わ、私のベッドで……一緒に寝よ///」
ほむら「ま、まどかが良ければ……私は全然、というか、むしろ嬉しいから///」
まどか「じゃあ……それで///」
知久「まどかー、布団は……」
詢子「パパ、危ない(棒)」ズシャー
知久「!?」
ほむら「……はい、乾いたわ」
まどか「ありがとう。ほむらちゃん、ちょっとテーブルで待ってて」
ほむら「テーブルで? いいけど……」
まどか「……ママはどっか行ってて」
詢子「まどかは反抗期なのか」
まどか「……」ジー
詢子「はいはい、ほむらちゃんとの憩いのひとときを邪魔したりしませんよー」
まどか「そ、そこまで言ってないけど///」
詢子「ついでにパパも足止めしといてあげるから」
まどか「……ありがとう」
詢子「代わりに何をしたのか明日全部教えてね」
まどか「それは嫌だよ」
まどか「おまたせ」
ほむら「まどかは寝る前にホットココアを飲むんだったわね」
まどか「いつもはそうなんだけどね。今日は……特別」
ほむら「この香りは……チョコレート?」
まどか「うん、ホットチョコだよ。はい、こっちはほむらちゃんの分」
ほむら「ありがとう。美味しそうね」
まどか「実はお家に呼んだの、お話したいのもあったけど、これも目的だったんだ」
ほむら「嬉しい……温まるわ。身体も……心も///」
まどか「えへへ、ほむらちゃんにバレンタインの贈り物おまけしちゃった///」
ほむら「まどかから二つも貰って、私が一つじゃ不公平よね」
まどか「……気になっちゃう?」
ほむら「明日以降でもいいなら用意できるけど……」
まどか「じゃあ、ほむらちゃんが今日できるプレゼントが欲しいな」
ほむら「今日できる……?」
まどか「……ん」
ほむら(まどかが目を閉じて……。ここまでされたら、まどかの期待に応えるしかない……!)
ほむら「まどか……」
まどか「ほむらちゃん……」
チュ
まどか「……なんでおでこなの?」
ほむら「だ、ダメだった?」
まどか「ダメってわけじゃないけど……///」
ほむら「だって……唇にしたら、私も貰うことになっちゃうし……///」
まどか「で、でもおでこにしてくれたから、今はお互いに公平だよね///」
ほむら「そ、そうね。今は公平だから……お互いに……///」
まどか「……じゃあ、もう一回///」
ほむら「まどか……///」
まどか「ほむらちゃん……///」
チュ
おしまい
おつかれさまでした
支援ありがとうございました
久しぶりにSS書いた
まどマギSSが減って寂しい
また書く人増えないかな……
それでは皆様おやすみなさい。
またどこかのスレでお会いしましょう。
次は何を書こうかな。
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