怜「すまんな、泉。それロン、立直一発ｲｰﾍﾟｰ平和ﾄﾞﾗ1の8000や」

泉「あーもう、また飛んだー」

竜華「なんや泉、また飛んだんか」

浩子「そりゃ、あの立直にそんな牌切ったら刺さるに決まっとるやないか」

泉「私は園城寺先輩みたいに一巡先も見えないし、船久保先輩みたいに他家を観察するのうまくないし、江口先輩みたいに火力もないし、清水谷先輩みたいにすぐに有効牌とか推測出来ないんですもん」

竜華「いやいや、それでもそんなには差し込まんやろ」

セーラ「よっしゃ、じゃあ今度は怜の次に泉にみんなで指導するで」

泉「皆さん、ほんまありがとうございます。でも、もう少し自分で勉強してみたいので、一回卓から外れます」

セーラ「おお、そうか。なら、頑張ってな」

泉「はい」ｽﾀｯ

怜「じゃあ、4人でもう半荘やろうか」

竜華「せやな、始めるで浩子」

浩子「分かっとるわ」

ーーー二条家ーーー

泉（なんであんなに負けるんやろか）ﾍﾟﾗｯ　ﾍﾟﾗｯ

泉（捨て牌から他家の役は読める様にはなってきたし、危険牌も分かるし、部のメンバーと戦ってる時は最短ルートを目指してんのに、どうやっても先輩たちから出上がり出来んわ）

泉（園城寺先輩はうちが切る牌に待ちを合わせて立直で一発取るし、船久保先輩はうちが本読んで勉強すると、その本の穴を解析してはそこを突いてくるし、清水谷先輩はなんかこの頃最短ルートでの上がりが見える様に成ってきたようだし、江口先輩だってあんな火力普通には付かんし）

泉（よくよく考えてみたら、千里山麻雀部でうちだけ異能持ちじゃないわ）

泉（いくら古い千里山の歴史の中で1年でレギュラーを珍しくとれたとしても、これじゃあただの足手まといに成ってしまうやないか！）

泉（このまま弱いままじゃ、先輩方にも迷惑をかけてしまう）

泉（うちも異能の力が欲しい）

泉（だれか、部員以外で身近で異能が使える人はおらんかったかな・・・）

泉（うちが今までやった半荘の中で一番アブノーマルだった試合はやっぱ準決勝の試合やな）

泉（あの高校の中で一番話し合えそうなのはやっぱ阿知賀やな）

泉（今度の休日にでも奈良まで行って、あの松実姉妹にでも聞いてみるか）