憧「私のこと抱いてよ」セーラ「は?」(115)
代行 ID:Kqft79Ep0
代行感謝ー
書きために即興を交えながらだらだらやります
ではどぞー
憧「はぁっ、ぁん、や、だ、めっ」
俺の腕の中にいるお前はあられもない姿で喘いでいる。
苦しそうな、それでいて快楽に溺れている表情は美しい。
甲高い嬌声は耳にまとわりついて離れない。
セーラ「憧、もっと声出して」
耳元で囁いてやれば、上気していた頬を更に赤らめる。
憧「ばかっ、なに、、言って、やぁっ、あっ、あぁっ!」
そのくせ、さっきよりも大きい声を出して、快感に震えている。
セーラ「憧、もっと」
憧「ぁっ、あぁ、んっあ、ぁ!!!!シズっ!シズっ!」
シエンスルデー
何度も、何度も、そう呼ばれる。
俺の名前はセーラで、シズやない。
けど、憧は自分が何を言っているのかなんて、全然わかってへんから。
いつも、いつもそう。
何も、気付いてはいない。
でも、それで気持ちがよくて、憧の気が晴れるなら
別にそれでいい。
俺とお前の関係はなんて、所詮はそんなもんやろ?
と、思ってた。…思ってたんやけど。
数ヶ月前、秋、千里山女子
セーラ「阿知賀と練習試合?ほぉー」
浩子「そやから、先輩も出席してくださいね」
セーラ「見てるだけか?一緒に打つん?」
泉「向こうサイドは3年生もぜひってことらしいです」
怜「まあ、軽くならええよ」
竜華「怜は無理せん程度やで」
怜「わかってるって」
竜華「それにしてもなんで千里山なん?」
浩子「あぁ、それは私が向こうの部長さんと仲良くさせてもらってるんで」
セーラ「あー、あのボウリングの子やな」
浩子「そうです、インハイのあとちょっとあって」
竜華「なるほど」
泉「阿知賀は3年生が抜けて、秋の団体戦は不参加決定らしいんです」
怜「あら、もったいないなぁ」
浩子「それで、4人で個人戦にエントリーしたはええけど、」
セーラ「同じメンツとばっかり打ってても練習にならへんって?」
浩子「ま、そんなとこで。そういうの聞いてたんで、誘ってみたんですよ」
竜華「あの子らも頑張ってんねんなぁ」
怜「保護者目線やな」
竜華「ふふ、そやな」
阿知賀との練習試合か、ふふん、おもろそうやな。
あの生意気な1年も来るんやろなぁ、
ほんでまた食らいついてきよるんやろなぁ。
相手を捕らえて、睨み返してくる鋭い眼光が印象深い。
ああいう向かい方をしてくる相手はあんまりおらんから。
怜「セーラ、嬉しそうやな」
セーラ「え、そうか?」
竜華「お気に入りのあの子も来るもんなぁ」
セーラ「そ、そんなんちゃうわ、アホ」
浩子「…新子憧ですか?」
セーラ「あぁ、まあそんな名前やったかな」
泉「またまた照れちゃってー」
セーラ「うるさい、こら、泉ぃ!」
週末、千里山女子
灼「あの、今日は練習試合お願いします」
浩子「こちらこそよろしゅう」
穏乃「お願いしますっ!」
憧「よろしくでーす」
玄「お願いします!あ、お姉ちゃんは欠席です」ぺっこりん
相変わらず、新子憧はなんか軽い子やなぁ。
あれ、うちにおったら監督にしばかれんで。
ま、阿知賀の子やし別にええけどなー。
簡単な挨拶のあと、適当に分かれて卓について練習試合が始まった。
俺ら3年生は、とりあえず様子見で色んな卓の様子を見て回ってる。
…んで、やっぱりちょっと気になる新子憧を見つける。
そっと後ろに立って手牌を見ると、まあなかなかのリャンシャンテン。
この子の打ち筋やったら、おそらく鳴いて早上がりしてくるやろう。
後ろでその様子を伺う。…そやけど、一向に鳴く素振りがない。
リャンシャンテンはイーシャンテンになってるけど、
でも、鳴いてテンパイに出来たはずやのに、それをやってへん。
セーラ「…ん?」
次の局も、その次の局も新子憧らしさ、とでも言うべきか、
早さもキレの良さも上手さもまるでなかった。
新しい打ち方を試してるんかとも思ったけど、どうやらそうでもないっぽい。
覇気もなく、もはや別人なんちゃうか、とまで一瞬思ったくらいや。
また調子が悪いのか
支援
先に対局を終えた阿知賀のドラゴンロードをつかまえてそっと聞いてみる。
セーラ「なぁ、あの子、どないしたん?あれ」
玄「憧ちゃんですか?…あぁ、えっと」
セーラ「なんか知ってるん?」
玄「…えっと、憧ちゃん最近様子がおかしいんですよね」
セーラ「そう、みたいやな」
玄「ボーっとしてることが多かったり、麻雀にも真剣に打ち込めてないみたいで…」
セーラ「原因は?」
玄「それがわからなくて…みんなで話し合ったりはするんですけど…」
セーラ「そうか…しかしあれはあかんやろ。言うて悪いけど、いまいちやで」
玄「…そう、ですよね」
セーラ「ん~…じゃあちょっと俺が打ってくるわ」
玄「すいません、お願いします」
セーラ「玄ちゃんも頑張ってや~」
玄「は、はい!」
セーラ「っておらへん…なぁ、泉~新子憧はー?」
泉「あれ?さっきまでそこのイスに座って…?」
穏乃「ほんとだ、憧がいない?」
怜「ん、どしたん?」
泉「新子さんがおらへんみたいで」
灼「どこ行ったのかな…」
浩子「トイレちゃいます?」
セーラ「あぁ、そうかもな。ほら、ちゃっちゃと打ってこ」
泉「はーい」
穏乃「はーい」
みんながまた卓についていく。
俺はそこをそっと抜け出して、トイレまで向かった。
トイレに行きたかったわけやない、つかまえて、話を聞きたかった。
何を呆けてるんや、と一言言いたかった。のかも。
シエンスルデー
新子憧はすぐに見つかった。
トイレの近くにある空き部屋のドアが開いているのが見えて、
覗き込んだら、窓辺で外を見ている新子憧がいた。
セーラ「おう、他校まで来てサボりかい」
憧「げっ、何してんのよ」
セーラ「げっ、って。悪いこと見つかったガキやないんやし。いや、ガキか」
憧「うっさいわね」
セーラ「お前こそなに抜け出してんねん」
憧「…いいじゃん別に」
セーラ「いいわけないやろ、ここ、お前の学校ちゃうで」
憧「そんなのわかってるわよ」
セーラ「なぁ、ちょっと話ええか?」
ドアを閉めて、俺は新子憧に近づいていく。
少し遠くからカチカチカチと牌の音が聞こえてた。
憧「なによ?お説教なんて聞かないから」
セーラ「お前はほんまに不良娘やなぁ、似合いすぎや」
憧「で、なに?」
セーラ「あ、とりあえず1つ。俺、3年生やからな」
憧「だから?」
セーラ「…だからときたか」
憧「敬語使えって?」
セーラ「イヤ、もうええ。それはもうええけど…お前、どないしたん?」
憧「なにが?主語のない会話は嫌いなんだけど」
なんちゅう腹立つ子や。顔と態度が思いっきり挑発してきてる。
ま、でも、こういうやつは嫌いちゃうで?
セーラ「ふんっ、しょうもない打ち方して他校での練習試合サボって、何を考えてるんや?」
憧「別に何も。だいたい練習試合も別に来たかったわけじゃないし」
セーラ「ほう、そう来たか。来たくなかったからサボってる、やる気がないって?」
憧「そうよ、そんなとこ。だからもう放っておいてよ、で、あんたは戻れば?」
セーラ「玄ちゃん言うてたで、最近ずっとおかしいってな」
憧「…だからなんなの?あんたに関係ない」
セーラ「…あんまり俺のこと怒らせんといてや?」
憧「はぁ?」
セーラ「がっかりやな、お前は。気にしてた俺がアホみたいや」
憧「…」
セーラ「お前は見所があるって思ってたんは間違いやったわ、全部大間違いやな」
憧「…そうよ、私は何の特徴もない何の取柄もない」
憧「だから、だからシズだって…」
セーラ「え?なんて?」
憧「…別に。何も」
セーラ「…?まあ、ただ忘れんなよ、俺はお前との個人収支では勝ったけど、けど」
セーラ「チームは、阿知賀に手が届かずに3位で…俺の団体戦での対局はあれが最後やったんや」
憧「…?」
セーラ「チームのために死ぬ気で頑張ってきたのに、あそこで終わった」
セーラ「個人戦もあったけど、あんなんおまけみたいなもんや」
セーラ「俺のインハイは…あれが最高で、あれが全てやった…」
憧「そ、そんなの私には関係ない」
セーラ「そうやな、関係ないかもな。敗者の戯言でしかないよな」
セーラ「でも、俺は阿知賀を応援してたし、俺と戦ったお前に誰より頑張って欲しかった」
憧「…」
セーラ「決勝ではなかなかええとこは見せられへんかったかもしれんけど」
セーラ「でも、お前らしい打ち方やったと思う。すごいと思った」
セーラ「…それが、なんやこれ。お前何してんねん!」
憧「い、いろいろあんのよ!いつまでもインハイのときの私じゃない!」
セーラ「そらそうや、でも、打ち方まで変わるとかおかしいやろ…何があったんや?」
憧「…何もない」
セーラ「別に無理に聞くつもりはないけど、でも、阿知賀のやつらに言えん内容なんやったら…」
セーラ「俺が聞くで?…なんか、ようわからんけどお前のことは放っておけん」
憧「なにそれ」
セーラ「さあな、わからん。…けど、お前なんか辛そうやし、力になりたい」
セーラ「俺に出来ることがあるんやったら言うたらええ、俺を頼ってええから」
憧「すごい自信…暑苦しいんだけど」
セーラ「暑苦しくて結構や」
憧「ふふ、あんたやっぱり面白い人だわ」
セーラ「そらどうも。…ま、なんでもしたるから、ちょい元気とやる気出せや」
憧「なんでも?」
セーラ「え?いや、そら限度とかいろいろあるけど…」
憧「なんでもって言ったじゃん、先輩」
セーラ「うわ、ずるいなぁお前」
憧「…なんでもいいならさ、」
セーラ「お、なんや?」
憧「私のこと、…抱いてよ」
セーラ「は?」
書き込みが上手くいかない
憧「そしたら、やる気と元気、出るかもね」
憧「あ、なら私の話をしてもいいよ」
セーラ「待て待て、上級生をか、からかうなよ」
憧「セーラの顔真っ赤じゃん、なに照れてんの」
セーラ「こら、呼び捨てにすんな、って照れてへんわ!」
憧「赤いじゃん、頬。…ま、どうせ無理なんでしょ、いいよ別に」
セーラ「俺がそ、それをしたとしてお前がどうなんねん」
憧「やる気と、元気が出るんじゃない?」
セーラ「す、好きでもない人とそんなことしてか?」
憧「そうでーす」
セーラ「ふざけんのも大概にしとけや、新子憧」
憧「フルネームで呼ばないでよ、野暮ったいなぁ」
セーラ「ほな憧、それになんの意味があるんか教えろや」
憧「…さぁ、そんなのしてみなきゃわかんないし」
セーラ「なんやとこら!」
憧「いいよ、もういい。バカらしくなっちゃった」
セーラ「…」
憧「じゃ、あたし先に戻るから」
セーラ「…」
憧「今のこと、全部忘れて」
セーラ「……お前はほんまに俺にそうされたいん?」
セーラ「それでお前は元気になるん?」
憧「…そうなんじゃないの?そう思ったから口に出したわけだし」
セーラ「わかった、じゃあ、そうしたらええ」
憧「は?ちょ、本気?」
セーラ「お前は本気ちゃうんか?」
憧「いや、だ、だって…」
セーラ「携帯のアドレス教えろ、ほんで、今夜うちに泊まれ」
憧「今日?は?え、そんな準備とかしてないし、だいたいっ」
セーラ「だいたい?」
憧「いや…別になんもない…はい、これアドレス」
セーラ「あとでメールするから。今日は家に親もおらんし、ちょうどええわ」
憧「それほんとなわけ?」
セーラ「ほな、先に戻るで」
憧「え、ちょ、」
憧が何か言いたそうやったけど、無視するように空き部屋を出た。
自分から言い出したくせに、いざこうなると焦るとかほんまガキやな。
いや、俺も焦ったしどうしようかと思ったけど…。
でも確かになんでもするって言うたしな。
…あいつがそれでいつも通りになるって言うなら、やってやればええんちゃう?
なんて、最初は軽い気持ちで。
抱く、が何を意味するかをわかったつもりでいた。
余裕ぶって、ほんまに、…軽い気持ちやった。
家の場所と時間をメールして、先に家に帰って憧を待った。
でも、来るはずないって思ってた。
一人で大阪に残るなんて、他の阿知賀の子らが許すわけないやろうし、
そもそもやっぱりあれはその場限りの冗談で…と、思ってた。
けど、そう思うのと同じくらい、あいつは絶対来るって思ってた。
何の自信かわからんけど、来るって思ってた。
あいつはそういうタイプのやつや、って思ってた。
だから、やっぱり、ほら、チャイムが鳴った。
ガチャリとドアを開ければ、
私服姿の新子憧が気まずそうな顔をしてそこにいた。
憧「…来た、けど」
セーラ「どこで着替えたん?制服やったやん」
憧「あぁ、もうそんなことどうでもいいでしょ?」
セーラ「いや、気になるし」
憧「買ったの!で、お店のトイレで着替えたの!それだけ!」
セーラ「なるほど、…ってここに来るために服買ったってことか?」
憧「べ、別にそういうわけじゃ」
セーラ「そうかそうか、悪かったな。まあ、入って」
憧「…お邪魔します」
セーラ「言うてた通り、親はおらんし、気を使わんでもええよ」
憧「う、うん」
ひどく強張った顔。
当たり前か、だって、そういうこと、しに来たんやもんな。
ここに来たってことはそういうことやもんな。
だから、そんな短いスカートなんやろ?
憧「…来た、けど」
セーラ「どこで着替えたん?制服やったやん」
憧「あぁ、もうそんなことどうでもいいでしょ?」
セーラ「いや、気になるし」
憧「買ったの!で、お店のトイレで着替えたの!それだけ!」
セーラ「なるほど、…ってここに来るために服買ったってことか?」
憧「べ、別にそういうわけじゃ」
セーラ「そうかそうか、悪かったな。まあ、入って」
憧「…お邪魔します」
セーラ「言うてた通り、親はおらんし、気を使わんでもええよ」
憧「う、うん」
ひどく強張った顔。
当たり前か、だって、そういうこと、しに来たんやもんな。
ここに来たってことはそういうことやもんな。
だから、そんな短いスカートなんやろ?
おっと
セーラ「…確認してええか?」
と、口を開いたのは自室に招き入れて直後のことやった。
憧「なによ?」
セーラ「阿知賀の子らには何て言うたん?」
憧「買い物とかしたいし、一人になりたいからって言ったけど」
セーラ「そうか、…ならええわ」
憧「最近腫れ物だから、あたしは」
セーラ「自覚あるんやな」
憧「ま、それくらいわかる」
セーラ「で、もう一つ確認。…こういうの、初めてなん?」
憧「さぁ、どうかな」
セーラ「ほんまのこと言わへんとめちゃくちゃにしてしまうで」
憧「…セーラは経験あるの?」
セーラ「まあな」
思い出したくもない記憶がよぎる。
経験があると言えばある、でも、自分にとっては思い出したくない。
それでも、今こうして余裕ぶっていられるのはあの日のおかげか。
…一瞬寒気がした。咳をして誤魔化す。
憧「……意外すぎて、言葉でないんだけど」
セーラ「で、お前は?」
憧「…ない」
セーラ「おいおい、処女のくせにあんなこと言うたんかいな。もう」
憧「…だからなに?処女だったら人に抱いてって言っちゃいけないの?」
セーラ「その強気の出所はどこやねんもう」
憧「あんたはなんでもしてくれるんでしょ?」
セーラ「…限度、わきまえてや」
憧「それは、自信ないけど」
セーラ「ま、ええわ…荷物置いて、シャワーへどうぞ」
憧「う、うん…」
セーラ「一緒に入る?」
憧「ば、バカ!何言ってんの!?」
セーラ「うぶやなぁ、可愛いなぁ」
憧「ふ、ふざけたこと言わないで!」
なんて大きな声で言うてたけど、照れ隠しやんな?
まあ、そう思うことにするわ。
憧「あの、お先…」
セーラ「早かったやんってシャワー浴びたのに私服のままかい」
憧「だってこれ以外の服ないし…あんたは入るの?」
セーラ「俺はさっき入ったから」
憧「そう…」
目に見えて大人しくなった。
シャワーを浴びたら、今から何をするのか現実的に考え始めたか。
セーラ「じゃあ、ベッドに来てや」
憧「…うん」
憧がベッドに腰掛ける。俺はそれを立ったまま見下ろしてる。
短いスカートが、白い太ももが眩しい。
あぁ、このままこの子としてしまうのか。
自分自身も、今からすることの重大さを痛感する。
この子は好きでもない俺に初めてを捧げようとしてる。
そう、それは俺と同じ。俺の場合、不可抗力やったけど。
本当にそれでいいのか、ともう一度聞いてみようかと思うけど
でも、どうせ「うっさい」って言われるのがオチやから言わへん。
セーラ「…キス、してええの?」
憧「…いいよ」
いいよ、と憧が言い終える前に唇を奪った。
湯上りの憧の唇は柔らかくて暖かくて。
優しくしようと思ったのに、気付いたら強く唇を押し付けていた。
憧は顔を少し仰け反らせている。
憧「んっ…」
唇の隙間から漏れる吐息が色っぽい。
とても年下には思えない。そう、身体つきだって…。
ドキドキしている。緊張してる。
でも、憧はきっとそれ以上にドキドキしているだろうし緊張している。
やっぱり、ちゃんとリードしてあげないと。
そう思って、吸い付くように憧の唇を貪った。
憧「っぁ、はぁっ」
短く、吐息が零れる。
でも、それは憧だけじゃない。
セーラ「はぁっ、んぁっ、はぁ、はぁ」
頭の中が蕩けていく。
こんな風に熱く口付けを交わすのはいつ以来だろう。
そう思うのに、頭は考えることを拒否している。
何も考えられない。考えたくない。
そうして、考えること拒否したあたりから
俺は何かの糸が切れたように憧を求めた。
何度も「いやだ」「やめて」と言われた気がする。
それでも手も口も何もかも、止めることが出来なかった。
我に返ったとき、目の前には全裸の憧がいて、
その上に半裸の自分が乗っかっていた。
憧「はぁ、はぁ…バカっじゃないの…はぁ、はぁ」
憧は荒い息を整えながら悪態をつく。
それでも、表情には悦楽や快楽の色が見える。
セーラ「気持ちよかったくせに」
憧「うっさい…はぁ、はぁ…」
案の定うるさいと言われる。
それでも、俺が憧と行為に及んだことは消えようもない事実で。
覆いかぶさって憧を抱きしめると身体は熱かった。
セーラ「熱い身体やなぁ」
憧「…誰のせいよ」
セーラ「お前がしてくれって言うからやったんやで」
憧「そう、だよね…」
それっきり黙りこんだ憧を俺はずっと抱きしめていた。
これで何かわかったことがあるんか?
お前は何を悩んでいるんや?
お前の望みを叶えたんやから教えろや。
言いたいことや聞きたいことはいっぱいあったけど
それでも、黙り込んだ憧に質問をぶつけることは出来なかった。
そのまま俺らは眠りについた。
裸のまま抱き合って、暖め合っていた。
朝、目が覚めると憧はおらんかった。
一瞬、昨日のことは全部夢やったんかも知れへんと思ったけど
憧が持ってきていたバッグを見て夢じゃないとわかる。
セーラ「あいつどこ行ったんやろ…」
ふらふらと起き上がって自室のドアを開けると、
下の階にある浴室からシャワーの音が聞こえてきた。
セーラ「…シャワーか」
憧がいることを音で確認した俺はもう一度ベッドへ戻った。
疲れたのか、身体がだるい。
あいつが戻るまでもうちょっとだけ寝るか…
瞼が下りてきて、もう一度夢の世界に…と思ったとき、
ガチャリとドアが開く音がした。
憧「あれ、まだ寝てんの?」
湯上りの匂いがする憧がバスタオル姿で部屋に入ってくる。
セーラ「やっ…さっき起きたとこや」
ゆっくりと身体を持ち上げて、ベッドの上に胡坐をかいた。
俺が起き上がると憧はベッドの空いたスペースに腰掛ける。
上気した肌、背中がすごくエロい。
昨日のことをどうしても思い出してしまう。
憧「…あんま、見ないで」
セーラ「お、おうすまん」
俺の視線に気付いたか、そう言われて俺は目線を自分の脚に向けた。
janeだと落ちたことになってるなあ
憧「あのさ…聞かないの?」
憧は俺に背を向けたまま、小さな声でそう言う。
セーラ「んー…聞きたいけど、言いたくないなら別に」
憧「おかしいじゃん、あんた聞きたいからあんなこと…したのに」
セーラ「まあ、そうなんやけど…でもええよ、言いたくなったらで」
憧「…わかった、ごめん」
セーラ「はいはい」
返事をしながら髪にぽんぽんと触れると、
憧の素肌を晒している肩がビクンと跳ねた。
憧「っ!」
セーラ「す、すまん」
慌てて手を離す。
憧「…いいよ、別に」
憧の顔が見えへんからどんな表情かわからへんけど
でも、怒っているわけではなさそうというのはわかった。
セーラ「で、ちょっとは元気出たん?」
憧「…うん、少しは」
セーラ「それはよかった」
憧「なんていうか…その、」
セーラ「ごめんって言うつもりならもう何も言うな」
憧「…わかった」
俺らはそこでまた黙りこんで、しばらくそのままで
朝日を浴びながら憧と二人きり。
簡単な朝食を作って食べ終えるころには
憧は笑顔を見せるようになって俺は少し安堵していた。
これは頼まれたとか、それはそうかも知れへんけど
俺は2歳も年下の子に手を出して、行為に及んだ。
罪悪感が全くないわけじゃなかった。
だから、憧が笑ってくれて少しほっとしていた。
憧「じゃあ…帰る」
セーラ「あぁ、気をつけてな」
憧「あのさ、」
セーラ「ん?」
憧「…また、会って欲しいって言ったら?」
セーラ「んー…」
玄関で憧はそんなことを言い出す。
会って欲しいというのはまた話を聞いて欲しいということか
それともまたこんなことがしたいということか…。
憧の表情を見ると、どう見ても後者や。
セーラ「さぁ、気分次第やな」
憧「私のこと放っておけないんでしょ?」
セーラ「…ま、確かに」
憧「じゃあ…また連絡するから」
セーラ「わかった」
憧「…またね、セーラ」
俺の返事を聞いて大きく頷いた憧は俺の家を出て行った。
憧が出て行って鍵を閉めると、大きなため息が零れた。
何をしてるんやろ…何でこんなことに。
と思わずにはいられない。
軽いノリで、じゃあ、やってやるなんてノリで。
それでも、実際それを終えて彼女を送り出して、
我に返って、とんでもないことをしたんやないかって思えてきた。
でも、それでも、そんな風に思っていたのに、
こんな関係はだらだらと、それでも確実に続いていった。
週に1回、憧からメールが届く。
場所と時間が指定してあって、俺はそこへ行くか、憧が俺の家に来る。
何度も何度も身体を重ねた。
回を増すごとに憧は乱れるようになっていった。
恥ずかしい言葉も、恥ずかしいことも、
恥ずかしがりながらもそのことに興奮している様子で。
たまに、何のためにこんなことをしているんだっけ、
と我に返ることはあっても、だからこんなことを止めようとは
俺から言い出すことはなかったし、
もちろん、憧がそんなことを言うはずはなかった。
そして、憧が行為の最中に「シズ」と名前を呼ぶようになる。
「シズ」は阿知賀の大将のことやろう。
けど、憧は自分がその名を呼んでいることに気付きもしない。
無意識で呼んでいるんやろうか。
最初は何を言っているんやろうと疑問に思ったけど
今じゃそれをすんなり受け入れてしまって
憧はどうせ何もわかってないから、と諦めている。
それに、それで気持ちがよくて、憧の気が晴れるなら、別にそれでいい。
こんなことを延々と続けているのは、結局はやっぱり憧の為やから。
こんな関係を何て呼ぶんやろ?セフレ、っていうんやっけ。
何度も身体を重ねようが所詮はそんなもんで、大した関係じゃない。
それは自分が一番わかっている。
そやけど、憧が何も言わないことには何も先に進まない。
会って身体を求めるだけじゃ何も変わらない。
そうなのに、わかっているのに、止められない。
止められない理由?わかってる、自分が一番わかってる。
でも、それを口にしたらあかん。考えたらあかん。
それは自分の為でもあるし、憧の為でもある。
余計なことは考えず、求めに応じていればいい。
そんで、今日もまたいろんなものに蓋をして
見えないフリをして憧を受け入れる。
とりあえずカン
鯖が不安定な中支援していただいてありがとうございました
もうちょっと続く予定ではあるんですか
書き溜めも尽きたし鯖も不安定なのでここまでにしときます
続きは週末にでもできたらいいなぁと思ってます
それではみなさんおやすみなさいです
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