セーラ「宮守女子に入学するで」 (150)

前と学校が変わっただけです
ただ似たような展開にならないように気を付けたい
前回と同じく闘牌は書けないのでノリです

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3年前

秋、千里山中学、麻雀部、部室。


怜「セーラ、インターミドル終わったけど推薦来てるん?」

セーラ「いや…それが、その…」

竜華「セーラ?」

怜「え、まさかどこも来てないとか?」

セーラ「いや、ちゃうねん。来てるには来てるんやけど…」

竜華「歯切れ悪いなぁ」

セーラ「…たぶん、オヤジが転勤やねん」

怜「へ?」

竜華「おっちゃんが?へぇ」

セーラ「でな、オカンが一緒に行こうって」

怜「え、セーラどっか行ってしまうん?」

セーラ「うーん…困ってるとこや」

竜華「けど推薦とかで地方に行く場合もあるわけやん?」

セーラ「まあそうやな、場所によっては寮ってこともあるやろうし」

怜「で、とりあえずどこに行きそうになってんのか教えてや」

セーラ「岩手なんやって。しかも、山奥や」

竜華「岩手かーえらい遠いなぁ」

怜「…岩手ってどこ?」

セーラ「…俺もようわかってない」

竜華「…あんたらほんまちょっとは勉強しなあかんで」

竜華「岩手は東北や、ずーっと北やで」

怜「ほう、そら遠いわ」

セーラ「そんな山奥に行ってオヤジが何すんのか知らんけど、まあ家族で行きたいらしいで」

竜華「大阪には残れへん感じ?」

セーラ「大阪の強豪で寮持ってるとこないやんな、確か」

怜「あー大阪はないかも」

セーラ「ほな大阪の高校は無理かもしれん、一人暮らしなんかさせてくれへん」

竜華「えぇ…ほな3人で千里山っちゅうのも無理なんやな…ショックや」

怜「そ、そうなるか…千里山に寮があったらええのに」

セーラ「とりあえず推薦で行けそうで寮持ちっていうと、福岡の新道寺と
    東京の白糸台だけやな」

竜華「どっちも遠いな」

怜「うーん私らそのどっちにも行けへんしなぁ」

セーラ「それか素直に家族についていくか…」

竜華「岩手って麻雀強いとこないはずやなぁ」

怜「聞いたことないもんな」

セーラ「なんか急な話でごめんな」

怜「その、岩手行きはいつからなん?」

竜華「そうそう」

セーラ「とりあえず俺が高校に上がるタイミングでってことみたいや」

竜華「そうかー」

怜「新道寺とか白糸台はどうなん?」

セーラ「麻雀で全国制覇するなら行く価値はあると思うし、行きたい気持ちもあるで」

怜「うん」

セーラ「でも、どうせ大阪から離れることになるんやったら家族と一緒でもええのかなって思うで」

竜華「うちらからしたらセーラがおらんようになるのは一緒の事やしな」

怜「そうか、そうやな…」

セーラ「まあもうちょっと考えてみる…」

竜華「けどミドルであれだけ活躍したセーラが岩手っていうのもなぁ」

怜「岩手の行く高校の候補はあるん?」

セーラ「あるで、オカンが見つけてきたみたいや。ほら、ここ」パンフ

竜華「みや…もり?」

怜「女子高なんや」

セーラ「宮守女子、ほんま山奥でめっちゃ寒いらしい…でも一応麻雀部はあるみたいやな」

竜華「麻雀部あるんやったらまあ、なんとかやな」

セーラ「それもなかったら困るところやで」」

怜「あんなセーラの人生っていうか、うん、セーラが決めることやからあれやけど、」

セーラ「ん?」

怜「悔いのないようにな。岩手行って強い麻雀に飢えることもあるかもしれんし
  どこか別の場所へ行って家族に飢えるかもしれんし」

セーラ「あぁ、うん」

怜「寂しいけど、セーラが決めたことなら応援するから」

竜華「うん、私も」

セーラ「うん…ありがと」

年明け後、駅



セーラ「うー寒いなぁ」

怜「向こうはもっと寒いんちゃうの」

竜華「山は寒いで~雪もすごいやろうし」

セーラ「気が重い…けど、しゃーない」

怜「セーラ、そこ落ちたら遠いとこまで通うハメになるんやから
  スパっと合格してこなあかんで」

セーラ「わ、わかってるって!ほな、そろそろ行くわ」

竜華「セーラ頑張りや」

セーラ「おう、てかお前らも千里山の入試やろが」

怜「私ら楽勝やしな、セーラが心配や」

竜華「岩手まで受験に行って落ちましたーじゃカッコ悪すぎやしな」

セーラ「く、くぅ!受かったらええんやろ!やったる!」

怜「頑張れセーラ!」

竜華「ほら、いってらっしゃい」

セーラ「ほなまたな~」バイバイ

怜「あーあ、ついに行ったなぁ」

竜華「まあ、3日で帰ってくるけどな」

怜「そやけど、あと2か月でまたこうやって見送るんやで」

竜華「寂しいな、ほんま」

怜「そやな…なんで岩手なんか」

竜華「一緒に千里山で全国制覇したかったな」

怜「ほんまそれやで」

竜華「おっちゃんもおばちゃんもセーラは置いて行ってくれたらええのに」

怜「セーラはあれで親孝行やから残ることも他所へ行くこともあんま考えてへんかったと思う」

竜華「秋ごろ悩んでたんも踏ん切りつけたいって感じやったもんな」

怜「なぁ…うちらには何ができるやろなぁ」

竜華「うーんなにかなぁ…ずっと友達でいたいって言ってあげるとか?」

怜「うん、それええな。離れても友達や」

竜華「なんかまだ実感がないわ」

怜「3年一緒やったんやもん、そらそうやって」

竜華「…ふぅ、けどセーラの言うようにうちらも入試しっかりやらなあかんで」

怜「ら、楽勝やって」

竜華「ほんまかなぁ」

怜「ほ、ほんまやから!」

とりあえずここまでです
掴み的な感じで

数日後、千里山中学


セーラ「ただいま~」

怜「受験どうやったー?」

竜華「ちなみに私は、私は!バッチリやったけど」

怜「え、なにそれ竜華!私もバッチリやったって!」

竜華「セーラ聞いてー!試験の帰り道『もうあかん…』って泣きそうやったんやで、怜」

セーラ「ほんまか?」ケラケラ

怜「なっ!ちゃ、ちゃうし!アホ言わんといて!」アセ

竜華「と、まあ、こんな感じやったんやけどセーラは?」

セーラ「あー…ちょい予想外なことが」

怜「え?」

セーラ「試験自体はまあ…それなりにそれなりやったんやけど、」

竜華「怜コースやな…」

怜「竜華!」

竜華「ごめんごめん」

セーラ「終わったら校長に呼ばれてな、麻雀の話されたんよ」

セーラ「校長先生は麻雀好きで俺のこと元々知ってたらしい、ミドルも見てたって」

竜華「校長?なにそれこわっ」

怜「え、どういうこと?」

セーラ「まーなんか麻雀部強くしたいけど、田舎やし麻雀やってる子は少ないしとかなんとか」

セーラ「それに全国から人を呼べるお金もないし誰も田舎に来たがらんって」

竜華「つまり?」

セーラ「だから自主的に来た俺のこと推薦で入学させるから麻雀部強くしてくれって」

怜「え、セーラが?」

セーラ「ミドルの岩手予選ではそこそこの成績残した子らがおるらしくて、
    そいつらと全国目指してくれって話」

竜華「そらまた大きい話やな…どう答えたん?」

セーラ「その場では面食らってもうて返事できひんかったんやけど、家族と相談して
    それでお願いしますってことになったわ」

怜「なんかスラスラ喋ってるけどめっちゃすごい話なんちゃうの?」

竜華「ほ、ほんまやな。ものすごい期待なんちゃう?」

セーラ「強豪校に殴り込みや!っていうならまあ気合いも入るしやる気も出るけど…」

セーラ「唐突な展開っちゅうか、そういうこと!?みたいな感じでまだ実感ないねん」

怜「そらそうやで、無理ないわ」

竜華「けど、ミドルで活躍したとはいえよう中学生の大会まで見てはったなぁ」

セーラ「中高生の全国大会が好きらしいわ、けど、
    そんな見ず知らずの人に知っててもらえてうれしかったんはあるで」

怜「確かに…おばちゃんびっくりしてたんちゃう?」

セーラ「そやねん、ウソやろって笑って本気にせんかったんやで」ケラケラ

竜華「それは想像できるわ」クス

怜「うんうん」

セーラ「で、とりあえず個人でも団体でもええから全国に行けって言われた」

怜「行けそう?」

セーラ「岩手のレベルはあんま高くないやろうし…どうやろ、全然わからん」

竜華「最近は団体やと一回戦敗退、個人も軒並みひどいもんや」

怜「竜華調べたん?」クスッ

セーラ「そーなんや、竜華ありがとう」

竜華「あ、うん気になってたしな」

セーラ「そういうことなら自信出てきたかも、他のメンバーも楽しみやし」

怜「仲良くしなあかんで?」

竜華「関西弁やと怖がられるかもしれへんで」

セーラ「え、やっぱそうなんかな?でもそんな俺が標準語とか気持ち悪いやん?」

怜「ま、セーラらしくないな」

竜華「うん、そうかも。セーラはどこでもセーラらしいのがええわ」

セーラ「まー…目標はデカいけど、頑張ってくる!」

怜「頑張れセーラ、うちら大阪で応援してるから」

セーラ「怜、全国に出てこれるくらい強くなるんやで」ナデナデ

怜「そ、それは厳しいなぁ。千里山は強いからなぁ。あ、竜華やったら大丈夫や!」テレ

竜華「私もどうやろなぁ、けど、もし全国で会えたらちょっとええ話やんな」

セーラ「おぉ、ちょっとおもろいな」

怜「遠く離れても私ら友達やからなんでも相談してな」

竜華「ずっと友達やで距離は関係ない」

セーラ「怜、竜華…あ、ありがとう。恥ずかしいな」

怜「可愛いなぁセーラ」ニヤニヤ

セーラ「う、うっさい!」テレ

竜華「あ、でも、そっち行ったらこの学ランともおさらばやん」

セーラ「そこは抜かりないで!」

怜「え?」

セーラ「校長に学ランでって頼んだし!」

竜華「それが通用するん?なんかずるいなぁ」クスクス

怜「えー残念やー。スカートのセーラ可愛いのにー」

セーラ「この方が楽やから!」

竜華「あーはいはい似合ってる似合ってる」

セーラ「…実はこの話するまで不安がほとんどやったんやけど、
    二人と話してたら期待も出てきたわ、ありがと」

竜華「どういたしまして」

怜「お役に立てて何より、…あと2か月いっぱい思い出作るで」

セーラ「おー!ええな!どこ行く?」

怜「どこがええかなー」

竜華「とりあえず今日は帰りに寄り道やな」

セーラ「さんせー」

怜「さんせー」

竜華「って怜病院やんか!」

怜「あ、ほんまや、ほな3人でいこ」

セーラ「なんじゃそれーでもそれもアリやな」

竜華「ま、3人で行くこともないやろうから…」

セーラ「なんでもありってことで!な?」

怜「うん、そやな!」

ここまでです
宮守の人は次回、出ます

感想ありがとう、オーダーは全くの白紙です

4月、入学式翌日


セーラ「さーて、さっそく麻雀部に…」

セーラ「…お、ここやな」


ガチャリ


セーラ「すんませーん…」

セーラ「って誰もおれへんのかー…確か3年生が1人おるんやっけ」

セーラ「お、全自動宅発見…ちょい古いけどけっこうええやつやな」サワサワ

ガチャリ


塞「それでね、昨日の…あ」

胡桃「塞どしたの?あっ」

白望「塞だるいから早く中に入って……誰?」

セーラ「あ、勝手に入ってすまん」

塞「あ、もしかして…大阪から来た人?」

セーラ「そうです、俺、江口セーラって名前で」

塞「江口さん、そうそう、江口さんだ」

胡桃「服装だらしない!」

セーラ「いや、これは許可もらってるから!」

塞「学ランが…?それほんと?」

セーラ「一応校長がそれでええって」

胡桃「じゃあしょうがない!」

白望「ねぇだるいから座らせて…」

セーラ「お、おぉ」

塞「私は臼沢塞、よろしくね」

セーラ「臼沢さん、オッケー覚えたで」

塞「塞でいいよ、同い年なんだし」

セーラ「そう?なら、塞で」

塞「うん」

胡桃「私は胡桃、鹿倉胡桃だよ。よろしく!」

セーラ「胡桃かーなんか可愛いなぁ」ナデナデ

胡桃「そこ!触らない!」

セーラ「お、すまん。ついくせで」

胡桃「癖?」

セーラ「よく友達を撫でてたから、すまんすまん」

胡桃「ふーん」

セーラ「で、そっちは?」

塞「そっちは小瀬川白望、だるいが口癖」

白望「よろしくー…シロでいいよ」

セーラ「けったいなやっちゃなぁ、でもちょっとおもろいな」

塞「おもろい?面白いってこと?」

セーラ「そうそう、逆にありっていうか」

胡桃「わかんない!」

白望「ねえもう帰ってもいい?あ、でも帰るのもだるい…」

セーラ「ほら、そういうとこがな」ケラケラ

塞「わっかんないなぁ」

胡桃「大阪の人はやっぱ変なんだね!」

セーラ「なんやとー!」

白望「大阪弁…なんかいいね」

セーラ「ほんま?怖くない?」

塞「私は大丈夫だけど」

胡桃「うん、平気」

セーラ「おぉ、よかった。怖がられるって脅されてたから」ケラケラ

塞「しっかしあのインターミドルに出た人が宮守の麻雀部とはねぇ」

セーラ「どもども」

胡桃「強いんだよね?」

セーラ「まあ…まあ、たぶん」

白望「…期待してる」

塞「じゃあ、ちょっと打ってみる?」

セーラ「あ、自分ら3人は中学から一緒なん?」

胡桃「自分?」

塞「私たちってこと?それなら、そうだよ。中学では人数足りなくて団体戦はあきらめて、
  個人ではそれぞれいいとこまで行けたけど全国は遠かったなぁ」

セーラ「なるほどなるほど、じゃあ今度は全国やな」

塞「行ければ面白いけど…どうかな」

白望「…だるい」

セーラ「まあ、頑張ろうや」

胡桃「やるからには」

セーラ「そやな」

白望「…打とう」

塞「だるくないんだ?」

胡桃「準備するよーシロー」

白望「だるいから胡桃がやって…」

胡桃「手伝うの!」

セーラ「なぁ、ここって部長さんおるんちゃうの?」

塞「あー名前だけみたい。試合になれば出て来るとは思うけど…」

セーラ「ようそんな部で全国行けとか言うわあの校長…」

塞「江口さん個人なら行けるよ」

セーラ「おっと、セーラでええよ」

塞「あ、うん」

セーラ「でも…やっぱりインハイは団体戦やで」

塞「花形だもんね、そりゃ」

セーラ「…まあ部長さんがアレな場合は最悪、副将までにどっか飛ばしたらええ」

塞「それは無理でしょー」

セーラ「さぁ、できるかもしれへんで?」ニヤッ

塞「う、うん……」

ここまでです
やっぱり団体戦はやりたい

下げ進行だったか乙

胡桃「塞ーセーラー麻雀やるよー」

塞「はいはい」

セーラ「よっしゃー」

白望「4人打ちは久しぶりかも」

塞「いつもサンマだったからねー」

胡桃「いつ以来かな」

白望「…覚えてない」

塞「あれ、ひょっとしてミドルの予選以来…てことはないはずなんだけど」

セーラ「そうか、じゃあとりあえず様子見でいくかな」

半荘終了後


セーラ「お、胡桃がトビやな」

胡桃「うぅ、なにこれ強すぎ!」

塞「いやーやばいねセーラ」

白望「火力狙い?」

セーラ「そう、俺はチマチマしてんの苦手で」

白望「そっか、なるほど」

塞「これが全国レベルなんだね」

セーラ「高校ではそうはいかへんかもしれんけどなぁ」

胡桃「ほんとに行けちゃったりするのかな、全国…」

白望「どうかな…」

塞「でもまずは私たちが強くならないと」

セーラ「じゃあ、もう一回」

白望「いいよ」

塞「次はもうちょっと頑張ろう」

胡桃「飛ばないようにしなきゃ」

セーラ「頑張れよー」

何回目かの半荘終了後


セーラ「それ、ロンや。18000」

塞「ぬぎゃー!またやっちゃったー」

白望「塞、それ見え見えなんだから…」

塞「私ほんとダメだわ」

胡桃「またまたセーラがトップ!」

セーラ「んー…シロ、お前が一番できそうやな」

白望「…さぁ」

胡桃「セーラ正解!」

塞「わかるの?」

セーラ「なんとなく、そうかなって」

白望「すごいね」

セーラ「俺って直感と感覚派やからデータとか無視しまくるけど、直感はあんまり外れんわ」

塞「あー私もなんかやる気出てきたわ」

胡桃「私もそうかも…なんだろこれ」

白望「…だるい」


セーラ「胡桃はダマで勝負するのが得意って感じ?リーチなかったけど」

胡桃「意識してないけどそうかな」

セーラ「ならもっと特化したらええねん、徹底的にダマとか。テンパイ気配消す勢いで」

胡桃「徹底的…難しそうだね」

セーラ「でもその方がいい気がする」

塞「直感?」

セーラ「そんな感じ」

胡桃「意識か…やってみる」

セーラ「素直やん、可愛いなぁ」ナデナデ

胡桃「そこ!」

セーラ「ええやんええやん」ナデナデ

胡桃「う、うぅ」テレ

塞「おぉ、胡桃が照れてる」

白望「可愛い」

胡桃「ちょ、シロまで!」テレ

セーラ「塞はなんかピリっとせん感じやったんやけど、どうなん?」

塞「あー私は…うん、なんか自分でもよくわからなくて」

セーラ「わからん?」

塞「なんかこう、自分の中にある何かを感じるけどそれはよくわからない」

白望「塞、それずっと言ってるね」

塞「うん、前からずっとその感じがある」

セーラ「へぇ…じゃあそれが何か見つかれば強くなれるんちゃう?」

塞「見つかればいいけど…でもこのままじゃおもろくないよね」

セーラ「ぷっ!そや、おもろくない!」

白望「塞発音へん…」

塞「なっ!う、うるさいなぁシロ!」テレ


セーラ「シロは……なんかありそうやけどわからへんかった」

胡桃「あぁ、シロは」

セーラ「待った」

胡桃「え?」

セーラ「なんかわかりそうな感じはしてるんや、せやから俺が探す」

白望「じゃあ探してみて」

セーラ「うん、そやからいっぱい打とうな!」

白望「…それだるいね」

セーラ「でも面白そうやろ?」

白望「どうかな…嫌じゃないけど」

塞「おぉ!シロの前向き発言!」

セーラ「え、これ前向き?」

胡桃「だいぶ!」

セーラ「こんな偉そうなこと言うてるけど俺もまだまだ精進が足らんし、
    頑張って全国目指すで!」 

セーラ「よーし!これから毎日がっつり練習やー!!」

塞「おー!」

胡桃「おー!」

白望「…おー」

ここまでです

>>41
どっちでもいいです
なんとなくやってるだけなので


数日後、岩手、セーラの部屋


セーラ「と、まあ、こんな感じ」

竜華『なかなか大変そうやな、やっぱり』

セーラ「個人戦はともかく、団体戦はなかなか厳しいで」

竜華『そやなぁ、部長さんがそんなんではなぁ。他の3人はどう?』

セーラ「シロは結構強いかも、ミドルに出てきてもそこそこ戦えたんちゃうかな。
    けどいかんせんやる気があんまりないねんなぁ」

竜華『そらまた難儀やな、そういう子は大変や』

セーラ「塞は…っとやめとこ」

竜華『えー』

セーラ「ほら、敵になるんやしペラペラしゃべったらあかんやん?」

竜華『なるほど!セーラも考えられるようになったか』クス

セーラ「う、うるさい!」

竜華『あ、そうや…あの姫松の、』

セーラ「…愛宕洋榎?」

竜華『そうそう、セーラは岩手に行ったから千里山には来んって聞いて
   えらい怒ってたわーってうちの監督が』

セーラ「あぁ、そうか愛宕プロ…やなくて愛宕監督はあのアホのおかーさんか」

竜華『アホって』ハハハ

セーラ「全国で待っとけってまあ、機会あったら言うといて」

竜華『それガチで頑張らなあかんな、セーラ』

セーラ「そやで、頑張る。けどな竜華、俺は教えたり出来ひんねんけどどうしよ」

竜華『私は敵やでー』

セーラ「う、そうか…でもちょっとこうアドバイス的なのをひとつ!」

竜華『うーん、私も別に得意ではないねんけどなぁ…ま、でもそやな』

セーラ「うんうん」

竜華『セーラは感覚優先やから言葉で伝えるのは難しいと思うし、
   無理して言葉にせんでもいいかなって思うで』

セーラ「ほうほう」

竜華『見て覚えろ!やないけど、その方がセーラらしい感じがするし
   あー結局、いっぱい打て!ってことで!』

セーラ「なんやそれ俺でも言えるやん」ケラケラ

竜華『真剣に考えたのにひどいなぁ』モウ

セーラ「でもありがとう。難しいこと考えんでええってことやんな」

竜華『そうそう。らしく、やで』

セーラ「竜華ありがとうな、さすが千里山中の元部長や」

竜華『お役に立てて何よりやで、ほな、頑張って』

セーラ「竜華も頑張れ、応援してるで」

短いですが今日はこれだけ


団体戦予選前日、宮守麻雀部部室


セーラ「さて、いよいよ明日なわけやけど」

塞「あー!ずいぶん早かったね」

胡桃「どうしよう緊張するかも」

セーラ「お前は緊張とか無縁やろ」ケラケラ

胡桃「そこうるさい!」ビシッ

セーラ「あぁ、もういちいち可愛いな」ぎゅー

胡桃「あ、暑い!」

セーラ「うん確かに!」

塞「バカだねぇ…」

胡桃「バカ!」

セーラ「うぅ」

白望「予選会場遠い…だる」

セーラ「塞、シロのこと絶対絶対連れて来いよ」

塞「任せて」グッ!

胡桃「私も引っ張ってく!」

セーラ「胡桃頼むで、マジで」

塞「それより部長さんと打ったことって2~3回しか打ったことないんだけど
  ちゃんと来てくれるかな…てか大丈夫なのかな」

セーラ「うーん…」

胡桃「しかもぶっちゃけ弱いような」

白望「トバなければなんとかなる…けど」

セーラ「お前らはっきり言いすぎやろ」ハハハ

塞「だからこその先鋒なんだけど不安しかないわー」

セーラ「ま、そこは塞が次鋒で全部取り返すからオールOKや」

白望「確かに」

塞「ちょ!そんなの全部は無理だって」

セーラ「まーとりあえず大将に繋いでくれ」

白望「…だるい」

塞「でもま、団体戦はオマケみたいなもんだよね?」

白望「オマケ?」

塞「団体戦は私を含めて戦力整ってるとは言えないわけだしさ、
  セーラが個人で全国に行くってのが一番可能性高いわけでしょ?」

セーラ「おいこら塞、アホみたいなこと言うなよ」

塞「でも、」

セーラ「出るからには勝つ、オマケってそんな感覚でおったら勝てる試合も勝てんわ」

白望「…そこは、セーラに賛成しとく」

塞「シロ…」

セーラ「確かに部長さんはアレな実力やけど、そういう戦力でも全国出てくるとこはあるんやで」

胡桃「そうなの?」

セーラ「そう、他が強けりゃ問題ないんやし穴は4人で埋める、くらいの覚悟がないとな」

塞「…うぅ、ごめん」

胡桃「塞頑張ろうよ」

塞「うん、そうだよね。気持ちで負けちゃカッコ悪いよね」

白望「…それは一番だるい」

セーラ「さーて、最後に調整しとこうや」

塞「うん!やる!」

胡桃「やろー」

白望「だるい…」

セーラ「やる気出てきたー」

塞「熱いね!」

白望「眩しいね」

胡桃「そこ!手伝って!」

セーラ「はいはい、ごめん」

ここまでです

ガチャリ


部長「よっ、みんな」

セーラ「部長さん!」

塞「あれ、どうされたんですか?」

部長「明日試合だよね、みんなどうしてるかなーって。それと一つ報告があって」

白望「明日…来ます?」

部長「え、行くよ!さすがにそれは行くって!」

胡桃「大丈夫ですかー?」ニヤニヤ

部長「え、実力的な意味で?」アセ

塞「ちょ、胡桃っ」

部長「ごめんねほんと弱くてさー…でも他に麻雀できる子いないんだもんね、ごめんね」

塞「い、いやそれは仕方ないですし、お互い頑張りましょう」

セーラ「あ、報告ってなんですか?」

部長「あ、そうそう江口さんに校長先生から伝言なの」

セーラ「俺ですか?」

部長「その制服さ、まあ校内…とぎりぎり会場内はいいけど公式戦のときはこっちでって」ヒラヒラ

セーラ「えっ」

白望「スカート…」

塞「プッ」

胡桃「似合わない!」

セーラ「いやいや!ないない!それなしでいいって校長言うてましたから!」

部長「さすがに公式戦はマズイみたい」

塞「いいじゃん、着なよ。似合うって」クスクス

セーラ「だぁー!塞笑いすぎやー!」

胡桃「そこ諦める!」ビシッ

セーラ「ええ…うそやろ…そんなアホな…」

白望「…意外と似合うかも」ジー

セーラ「そういう問題ちゃうわー…」ショボン

部長「じゃあ、伝えたからね。頼むよ?」

セーラ「はぁ…」

塞「あの、では部長も明日お願いします。時間はこの間の通りで」

部長「うん、わかったよー。じゃあごめん急ぐから行くね、また明日」


バタン

胡桃「前日なのに全然練習しない人!」

塞「こらこら、あの人忙しい人なんだから」

白望「生徒会…だっけ?」

胡桃「そうみたいだねー」

セーラ「ま、いないよりはマシやから。みんなが頑張ればええの」

胡桃「うん!」

セーラ「胡桃のそれめっちゃ可愛いなぁ」ナデナデ

胡桃「ちょ、触らない!」

セーラ「断る!」ダキ

胡桃「うー苦しいー」

白望「暑そう…だるい」

塞「ほらじゃれてないでやるよ」

セーラ「ほーい」

胡桃「あ、熱くて暑い!」

セーラ「あ、それ褒めてる?」

胡桃「なわけないから」

白望「サイコロふるよ…」

セーラ「あ、そういや結局シロの特徴がつかめへんかったわ」

塞「そういえばそんなこと言ってたね」

白望「セーラがわかるまで言わない」

セーラ「自分で言うたからにはって思うんやけど難しいなぁ」

胡桃「たぶん分析の上手な人にはすぐわかる」

セーラ「そうなん?」

胡桃「たぶん!」

塞「牌譜は当然として、映像込みでね」

セーラ「うーん…人のことはあんまり見てないからなぁ。牌譜見るのもあんま好きちゃうし」

胡桃「だめじゃん」

塞「牌譜見ないんだ?」

セーラ「とにかく稼げばええんやろ!って感じやから、俺」

胡桃「いつもそうだもんね」

白望「まあ、わかったところで…大したことではないよ」


セーラ「(うーん…わからん。あ、そういえばシロってたまにすごい長考したり
     ちょいタンマとか言うときあるな…関係あったりすんのかな?)」

セーラ「(けど関係あるとしてどう関係あるかなんてわからんわ…竜華のが得意やな、こういうのは)」

セーラ「ほい出た、ロン…えっと、12000」

胡桃「あーもう速いなぁ」ガックシ

塞「いい感じだね、セーラ」

白望「大将さん、頑張って」

セーラ「任せろ!…けど、みんな春よりだいぶ強くなったと思うで」

胡桃「そう?実感ないやー」

塞「実感はないね、練習試合とかできればいいのかもしれないけどさー」

セーラ「相手がおらんなー」

白望「セーラは実感あるの?」

セーラ「俺は…」

塞「私たちが弱いせいでセーラが鈍ってるとかないよね?」

セーラ「ない、っていうか塞はネガティブすぎや」

白望「昔からそう」

塞「自分に自信がないから、かな」シュン

胡桃「強気でいればいいのに!」

セーラ「メンタルも実力やし、強くしようや。時にはハッタリも有効や」

塞「う、うん…やるだけやってみる。ごめんね」

セーラ「なんか塞は、胡桃とはちゃう意味でほっとけん感じやな。そやろ、シロ?」

白望「…だるい」

胡桃「なにそれ!」

塞「どういう意味よーもう」

セーラ「さて、もっかいやるでー」

セーラ「(飽きるまで調整というかひたすら打ってた。)」

セーラ「(興奮とか不安とかそういうの全部誤魔化したいって感じでひたすら打ってた)」


セーラ「(初めての公式戦…服装は気になるけど、でも俺はやっぱり楽しみや)」

セーラ「(みんなちゃんと強くなってる、大丈夫。全国、待ってろ!)」

同じ日の夜



怜『そっちはもう明日が予選なんやな』

セーラ「そやねん、やる気十分や」

怜『こっちも先輩らがピリピリしてきてるで、来週末やねん』

セーラ「竜華はベンチやっけ?」

怜『うん、1年やのにすごいやろ?私は三軍やけど…』

セーラ「まだまだ高校生活始まったばっかやん、気にすんな」

怜『うん、ありがと。せやけど私は竜華が頑張ってくれたらそんでええねん』

セーラ「怜もな」

怜『なかなか思うようにいかんわー…ってごめん、明日はセーラの大事な日やのに』

セーラ「ううん、怜の声聞いてたら緊張してたんがマシになってる感じするで」

怜『えーほんまー?』クスッ

セーラ「あ、身体はどうなん?」

怜『病院通いは相変わらずやけどな、でも、調子はええよ』

セーラ「そっか、それは安心した」ホッ

怜『ふふ、ありがと』

セーラ「竜華も怜も頑張ってるみたいやし俺も頑張ってくるわ」

怜『頑張れセーラ』

セーラ「不安も多いねんけど、言うててもしょうがないしな」

怜『そやな、それが正解や』

セーラ「ほな、そろそろ寝るわ。竜華によろしく言うといて」

怜『私に電話くれてありがとう、なんか嬉しかった』

セーラ「なんか怜の声が聴きたかったんよ、そんだけや」テレ

怜『アホ、私も照れるやん…じゃあおやすみセーラ』

セーラ「おやすみ、怜」


セーラ「(高校生活で初めての公式戦か…悔いないようにやるで…!!)」

ちょっと長めで、ここまでです
スカートはお約束です

大会始まります


翌日、予選会会場



塞「とうちゃーく」

胡桃「眠い!」

白望「そこのベンチで寝ててもいい?」

セーラ「アカンアカン」

部長「盛岡は遠いね…」

塞「組み合わせってどこに貼ってあるのかな」

胡桃「あっちみたい」

白望「みんなで見てきて…」

セーラ「ハイハイ、もうそこにおれ。部長、このだるいのんお願いします」

部長「お、おぉわかった」

セーラ「おーい塞、胡桃ー待ってくれー」トテトテ

組み合わせ表


胡桃「お、うちの名前あったー」

塞「あちゃー…」

セーラ「え?」

胡桃「そこと一回戦はきつい!」

セーラ「そこ強いん?」

塞「もう前話したじゃん、一昨年の優勝校だって」

セーラ「あぁ、そういえば聞いたわ」

胡桃「どうしよ」

セーラ「なんで?強いとこってそりゃそのうち当たるんやし問題ないやん」

塞「そうだけどさー…ってあれ、ここのエースって確か…」

胡桃「あー塞可哀想に」

セーラ「んー?」

塞「例年通りなら、次鋒にエースだわ…」

セーラ「へぇ、珍しいなー」

胡桃「確か先鋒は耐えて各校が比較的戦力落としてくる次鋒でエースがボコるのが作戦なんだよね」

セーラ「なんとまあ」

胡桃「けどその戦法で一昨年は全国に行ってる」

塞「うわぁ、どうしよう…そんな強豪校のエースとかないわー…無理だよ」

胡桃「大変!」

セーラ「でもそれって先鋒にエースは来んのやろ?ほな部長さんも耐えてくれるかなー」

胡桃「そうか、そうだね!塞頑張れ!」

塞「もう…あぁ、もう…」

セーラ「強いとこはさっさと倒して上行くで、腹くくれ。メンタルやメンタル」

塞「セーラのその強さがうらやましいよ、まったくもう」

胡桃「それは向こう見ずとも言います」

セーラ「こら胡桃ー」

白望「どうだった?」

塞「一昨年の優勝校いるわ、一回戦」

部長「えーまずいなぁ…」

白望「そっか、あ、でもそこって…」

胡桃「次鋒がエースです!」

白望「だったね、塞は大変だ」

セーラ「そやから部長さんはまだきつないと思います
    強豪校のエースはヤバいのがゴロゴロいるのが普通なんで」

部長「だけど他の2校にヤバいのがいる可能性は…?」

セーラ「それは否定しませんけど、それでもちょっとはマシかと思います」

部長「そっかよかった…あ、臼沢さんごめん」

塞「いえ…」

胡桃「それからセーラが、」

セーラ「強いってことは勝ちあがったらそのうち当たるんやしいつでも一緒やって」

胡桃「と、言ってます」

白望「…まあ確かに」

部長「それはそうだけど…」

セーラ「さ、観戦室行くでー」

胡桃「行くぞー」

部長「緊張するなぁ…」

塞「…もう」

白望「塞、力抜いて」

塞「う、うん…」

白望「私、セーラを見てたらなんか安心する」

塞「それは私も…かも」

白望「じゃ、そういうことで」

スタスタ

塞「ちょ、シロだるくないの!?」

塞「……落ち着け、落ち着け私」

塞「ふぅ…行くか」

塞「みんな待ってよー!!」

タッタッタ

ここまでです

塞さん頑張れ

1回戦先鋒戦終了後、会場廊下



部長「ごめん…」ズーン

セーラ「いや全然大丈夫ですよ!」

塞「むしろもっとやばいと思っててごめんなさいって感じです」

部長「ほんと?マイナス3万点なんだけど…」

胡桃「個人ならトビ!」

セーラ「こらこら胡桃…けど、やっぱり強豪校の先鋒はピリっとせんな。やっぱエースは次鋒におるんやろうな」

白望「他の2校はちょっとわからなかったけど…強くは…ない?」

セーラ「そう感じたから、どっかにエースがおるかこれが一番強いのかまだわからんな」

胡桃「塞、プラス3万でよろしく!」

塞「もう胡桃ほんとプレッシャーだよー…」

部長「ほんとごめんね、私のせいだよ3年生なのに面目ない。練習もロクにやってないから…」

セーラ「まあ、そこはもう今更後悔してもあれなんで、次頑張りましょ?」

部長「う、うん」

白望「あ、塞が取り返すので大丈夫です」

塞「こらシロまで」

部長「お願いね、臼沢さん」

塞「は、はい」

セーラ「頑張れ塞、大丈夫。エースよりお前のが強いかもしれんやろ」

塞「その可能性低いよ…」

胡桃「塞ー気楽にいこうよー」

塞「ありがと…でも難しいよ…」

白望「絶対取り返して」

塞「おいシロ…まー行ってくるわ」

セーラ「塞、ちょっと」

塞「んー?」

セーラ「何かつかめるかもしれへんから、注意深くな」

塞「あ、うんそうだよね」

セーラ「塞ってなーんかある気がするんよ、隠してるのか隠れてるのかそんな気がして」

塞「でもまだ自分でもわかんないから…だから、だから…できるだけ全力で頑張る」

セーラ「うん、がんばれ」

塞「…それじゃ行ってきます」ヒラヒラ

胡桃「塞頑張ってー」

白望「座りたい…」

部長「観客席戻ろっか」

セーラ「はい」

胡桃「もう、シロしっかりしてよ」

白望「眠い…」

セーラ「しっかりせーよ」

白望「…うん」

胡桃「ほらシロ行くよー」グイグイ

ここまでです

相も変わらず闘牌は書けませんので
あっさりサクサク進んでいきますがご了承ください

次鋒戦終了後、廊下


セーラ「塞ようやったな!相手エースを抑え込んだやん!」

塞「思ったより出来たよー…緊張した…でもらしくできたかも」

セーラ「そやから気楽にって言うたやろ?」

胡桃「塞すごい!正直予想外!」

塞「えぇーひどい」

白望「よかったよ、塞」

塞「な、なんか恥ずかしいなぁ」テレ

部長「ありがとう、ほとんど取り返してくれて…」

塞「あぁーはい。なんとか、強豪校を抑え込めましたよ。あの人エースだったのかな?」

白望「私はそう感じたけど…セーラは?」

セーラ「俺も思った、あれは多分なんかの能力的な…」

胡桃「すごかったよ塞、ほんとほんと」

塞「それよりなんかすごい疲れたって言うか、体が重くて…なんだろう」

白望「頭使ったから?」

塞「いや、そういう感じじゃなくて…体全体が変な感じ」

セーラ「大丈夫か?」

塞「うん、なんとか平気…それより胡桃頑張ってね」

胡桃「任せて!さーて次は私だー」ワクワク

部長「鹿倉さん頑張って」

セーラ「初めての公式戦やぞーしっかりな」

胡桃「わかってるって!」

セーラ「そんなに強がらんでもええねんでー」ぎゅー

胡桃「わ、ちょっと!恥ずかしいなぁもう!」テレ

白望「トバしてくれたら終わりに出来るんだけど…」

胡桃「それは無理!」

セーラ「できるかもしれへんでー?」

胡桃「ないない!っとじゃあ行って来まーす」

塞「今日の胡桃は機嫌いいなぁ」

セーラ「大丈夫そうやな」

白望「みたいだね」

部長「あ、先戻ってて。私トイレ行くね」

白望「じゃあ私も…トイレ遠い…だる」

部長「ほら、行くよ~」グイグイ

セーラ「引っ張られてるなー」ケラケラ

塞「で、さっきの話なんだけど…疲れるっていうの」

セーラ「うん、ほんま平気?」

塞「平気、そんなにってわけじゃないし。でも、何か掴んだ気がする」

セーラ「ほんま?」

塞「ある瞬間から、身体にかかる負担が大きくなったんだよ、それは自覚できた」

セーラ「ある瞬間?」

塞「そう。強豪のエースさん、なんかすごくクセのある打ち方だったでしょ?」

セーラ「オカルト的な感じな、牌の偏りやな」

塞「うん、見ててわかったでしょ?」

セーラ「竹ばっか集めてたなー」

塞「そう、で、なんとか抑えられないかと思って相手を注意深く見てみようってじっと視線を向けたら…」

セーラ「向けたら?」

塞「ずしんと身体が少し重くなったような気がして、あれ、どうしたんだろうって思ってて」

塞「相手は手が重いのか上手くいかないのかテンパイすら出来ていないような様子で」

塞「で、気を抜いて下家に気を取られてたら索子の混一で上がられて、
  もう一度視線を向けたらまた相手の手が重くなってるように感じて…」

セーラ「うん、それって…」

塞「見つめたら…相手の手を…いやいや、冷静に考えてそんなわけないか」

セーラ「疲れる代わりに抑え込める…塞ぐてこと?」

塞「さ、さぁ…でもそうなんじゃないかって思えて…あ、これみんなには内緒ね?」

セーラ「え、なんで?」

塞「違ったら恥ずかしいし…みんなとは付き合いも長いし
  急にそんなこと言ったらおかしくなったって思われちゃうよ」

セーラ「そうか?塞は今まで自分の中にある何かを探してたってのは二人は知ってるやん?」

塞「だけど…でも次も試してからにさせて」

セーラ「わかった、じゃあそうしようか。でもなんでこのタイミングやったんかな?」

塞「この大会に向けて死ぬほど打ったからだよ、…多分ね」

セーラ「ふふ、じゃあそういうことにしとこか。ほんまやったらこれはすごいことやで塞」

塞「だよね…いわゆるオカルト的な人の手を重くさせるなんてすごいよね…」

セーラ「もちろんすごいけどそうなるとお前もオカルトってことになるで」ハハハ

塞「あ…そうか、そうなるんだね。なんか実感ないなぁ」

セーラ「けど疲れるっていうのは引っかかるな、体力いるんやな。制限付きっていうか」

塞「う、うん…これが毎回だときついのかも」

セーラ「もしそうなら使い方も考えんとな…」フム

塞「そうだよね、でも少しワクワクする」ニコニコ

セーラ「塞が笑顔になってよかった」フー

塞「ば、ばか恥ずかしいって」テレ

セーラ「可愛い可愛い」ポンポン

塞「も、もう!胡桃みたいなことしてー…って、そろそろ戻ろ。胡桃の応援しなきゃ」

セーラ「せやな。よっしゃ、一回戦突破するで~!!」

ここまでです

塞さんはいつこの能力に目覚めたんだろうっていう

原作で豊音が学校に来て打った時負けてたからその時点では目覚めてない可能性があると思うな。

大将戦終了、観戦室


アナ『D卓、宮守女子大将江口セーラが○△高校に跳直で試合終了!
   宮守女子1年生江口、圧倒的な力で他家を寄せ付けませんでした!』


塞「やったー!!!」

部長「勝っちゃった…すさまじいね、江口さん」

胡桃「セーラってやっぱりすごい!」

白望「……ほんとだね」

セーラ「たっだいま~」

塞「着替えるの早すぎるよ、いつ着替えたの?」

セーラ「え?あー試合会場出て、トイレ行ってパパーっと!」

白望「そんなに嫌なんだね…」

胡桃「似合ってたのに!」

セーラ「似合ってへんって!スースーするやん?あれ」

塞「ってセーラどんだけ稼いだの!かっこよすぎだよ!」

胡桃「すごい!」

セーラ「やろ~?見直したかー?」

胡桃「たぶん!」

セーラ「え、なにそれたぶんってなに」

塞「正直ほんとすごいね、なんでうちらのチームメイトなのか不思議なくらい」

部長「推薦たくさんきてたってのは伊達じゃないんだね…」

セーラ「そう正面から褒められると照れるな//」デレデレ

セーラ「けど、シロのおかげやで」

白望「え?」

セーラ「大将戦までにあんだけ点差つけたんはシロやで」

白望「…セーラの方が稼いだよ」

セーラ「その点差があったから攻めていけたんや、守らんでもいけるって思えた」

白望「そう、ならよかった」

セーラ「シロはやっぱすごい、俺はそう思った!」

白望「あ、ありがと」テレ

胡桃「シロが照れた!」

塞「珍しいもん見ちゃった」

白望「う、うるさいなぁ」

セーラ「さて、2回戦に向けて飯でも食おうや~」

部長「そうしよう」

胡桃「おっひる~」

塞「なに食べようかなー」

白望「立ち上がるのだるい…」

セーラ「ほら行くで、シロ」グイ

その日の夜、市内のホテル、塞と白望の部屋


塞「まだ信じられないよ」

部長「ホテル空いててよかったよー」

セーラ「まさか泊まりになるとは」

胡桃「シロのせい!」

白望「あの時間から帰ったら家で全然寝れないし…」

塞「それはそうだけどねって私が信じられないのは決勝に進出したことだって!」

セーラ「あーそっちなー」

胡桃「わかってるって塞」

部長「私、三倍満に振り込んだときにあぁもう無理かもって思っちゃったよ」

塞「マイナス5万点を原点に戻すのはきつかったです…結局無理でした…」

胡桃「私も全然上がれなかったしなーけど、シロが!」

セーラ「シロお前はやっぱすごいわ」

白望「……まあ、たまたまうまくいっただけ」

セーラ「シロのあとやとやりやすいんや、オーダー考えるのすごい迷ったけど結果的によかったわ」

塞「今のところはうまく機能してるのかもね」

胡桃「じゃあ、明日の対策しよ」

白望「塞、まとまったらあとで教えて」

塞「じゃあシロなにすんの?」

白望「…だる」

セーラ「こら寝るなー!」

胡桃「そこ、ベッドに横にならない!あ、シロちょっとそこ座って」

白望「……眠い」ストン

胡桃「じゃあ、私も座ろっと」ストン

白望「重い…」

胡桃「充電器!」

セーラ「なんやそれ」ケラケラ

塞「収まってる」ワハハ

部長「可愛いね」ハハ

胡桃「ちょうどいい!」

白望「だる…眠い…」

部長「ほんと、眠そうだねー」クスッ

塞「じゃあ、はじめるよー」

セーラ「ほーい」

白望「え、このままなの…」ボソ

ここまでです

1年生編?は早く終わらせたいがそうもいかない…

>>106
トシさんのおかげで目覚めたのかもしれないですね
ここではセーラってことで

作戦会議終了後


部長「じゃあ部屋に戻るね、おやすみー」

塞「お疲れ様です、明日も頑張りましょう」

セーラ「おやすみですー」

胡桃「おやすみなさい!」

白望「おつかれさまでした」

部長「うん、みんなもお疲れ様。明日もよろしくね」

ガチャ

バタン

胡桃「ねーシロージュース飲みたい」

白望「いってらっしゃい」

胡桃「シロー」

白望「……だるい」

胡桃「ほら行くよ、塞とセーラはいる?」

塞「私はいいや」

セーラ「俺さっき買ったからええわ、ありがと」

胡桃「おっけー、シロー立ってー」

白望「もう眠い…」

胡桃「いってきまーす」グイグイ

白望「いってきます」

ガチャ

バタン

塞「ふふ、シロはなんだかんだで優しいな」

セーラ「だるって言うの、照れ隠しとかそういうのやろ」クス

塞「あーせっかく2人になったからアレの話なんだけど、」

セーラ「うん、手が重くなるってやつな」

塞「2回戦の○○高校だけど、トップだったからじっと見てみたの」

塞「けどダメなの、全然手が重くなってないし上がられちゃって」

セーラ「うん」

塞「あれ、おかしいなって思ったんだけど、○◇高校の選手にはそれが通じたんだ」

セーラ「偏りの牌が入らんようになったってことやんな」

塞「そうなの、1回戦よりはきつくなかったけど、それでも体に負担があったよ」

セーラ「通じる選手と通じない選手がいる、か。違いは?」

塞「多分、何かしらの牌の偏り生じさせるいわゆるオカルト的なあれだよ」

セーラ「牌の偏りがある選手の手を塞ぐってことか?」

塞「そうなんだと思う。○○高校の選手は上手かったけどそういう偏りはなかったと思う」

塞「けど、○◇の選手には偏りがあった」

セーラ「牌譜見てないけど、その選手て一萬ばっか集まってなかったか?」

塞「集まってた、大抵暗刻で持ってたね。それで気になって視線向けてみたわけよ。
  その局、一萬は彼女にはいかなかった。これは確実だと思うんだ」

セーラ「けど一萬だけ集まってきても困るな、いや、すごいけどなんか微妙っちゅうか」

塞「それだよそれ!」

セーラ「え?」

塞「能力の強さ?ていうか、どれだけの支配力があるかっていうのがすごく関係してると思うの」

セーラ「何に関係すんの?あ、疲労度か!」

塞「そう!2回戦であまり疲れなかったのはそういうことだと思うんだ」

セーラ「なるほど…!じゃあ、すごいヤバイの当たったら…めっちゃ疲れるってことか」

塞「多分そうなるんじゃないかな…ハハハ、当たりたくないね」ニガワライ

セーラ「全国でも次鋒にいわゆる魔物クラス出してくるチームはないやろうな、たぶん」

塞「だといいんだけど」

セーラ「塞はその能力すごいし、地力が上がったら先鋒とかもええかもな。エースを塞ぐって意味で」

塞「えー絶対やだ」

セーラ「そう言うと思ったわ」ハハ

ガチャリ


胡桃「なにが嫌なのー?」

白望「ただいま」

塞「関西人のギャグ100連発」

胡桃「うわ」

セーラ「う、うわってなんやねん!」

白望「それだるい…あ、これおかし」ハイ

塞「え、いいの?」

白望「塞は頑張ったから。セーラもすごかったから」ハイ

セーラ「わ、悪いなありがとう」

塞「シロありがと」

白望「…ん」

胡桃「私も買ってもらっちゃった」コソコソ

セーラ「あいつほんまええやつやな」コソコソ

塞「可愛いとこあるでしょ?」コソコソ

白望「ねぇ塞」

塞「な、なに?」

白望「…全部聞こえてる…だるい」

塞「か、可愛いじゃん!」

白望「もう寝る…」

胡桃「そだね、じゃあ部屋戻る!」

セーラ「シロほんまおおきに!じゃあまた明日」

塞「あ、おやすみ!」

白望「おやすみ、みんな」スースー

塞「すぐ寝るんかい!ってやば、セーラがうつった」

白望「…ツッコミ」ボソッ

塞「う、うるさーい!」テレ

セーラと胡桃の部屋


胡桃「ねー塞と何話してたの?」

セーラ「今日の試合の話とかやで、なんで?」

胡桃「べつにー」

セーラ「なんやそれー」

胡桃「セーラって塞と仲いいよねー」

セーラ「そうか?みんなと一緒やん」

胡桃「そうかなー」

セーラ「そうやでー?なに、胡桃妬いてんの?」

胡桃「は?ないない」キリッ

セーラ「そのマジ顔やめろー」

胡桃「もう寝るよー電気消すねー」

セーラ「はいはい、明日も勝つでー」

胡桃「あったりまえー」

セーラ「全国行くでー」

胡桃「がんばるぞー」

セーラ「おやすみー…zzz」スースー

胡桃「…寝るの早いなー」

セーラ「スースー」


胡桃「………なーに話してたんだよーバーカ」ボソッ


胡桃「おやすみセーラ…」

ここまでです
次回県予選決勝開始~

先の話だけど、せっかくのIFモノなので後輩が欲しいですねー

それでは

後輩が入ったら少なくとも二人は試合に出られないのかー
魔物か強者か凡人かで変わってきそうだが

翌日、試合会場、学校控室


部長「おーこんなにいい部屋もらえるんだね」

塞「ソファくつろげるー」ポンポン

白望「寝れる…」グター

セーラ「こらこら」

胡桃「シロはここ座って!」

白望「ん…」ストン

胡桃「充電充電!」

塞「胡桃気に入ってんなーそれ」

セーラ「シロ、俺も後でそれやらせて!」

白望「胡桃は軽いけどセーラは重い…だる」

セーラ「お、重ないわ!」アセ

塞「筋肉ばかー」

セーラ「な、なんやとこの!」

胡桃「へっへーん」

セーラ「うぅ、よしじゃあ胡桃俺のとこ座れ」ポンポン

胡桃「え、や、やだ」

セーラ「照れんでええやんかー」

胡桃「うるさいそこ!」

塞「あー長丁場になりそうだね、今日は」

白望「副将…遠い」

部長「まあ出番まで寝て集中するって手もあるけど…」

アナウンス『先鋒戦に出場の選手は試合会場にお集まりください』


セーラ「お、そろそろやな」

部長「じゃあいってきます」

塞「頑張ってください!」

白望「あとは塞が何とかするので平気です」

塞「ちょっとシロ!」

胡桃「がんばれー」

部長「それじゃ!」


ガチャリ

バタン

胡桃「前年度チャンピオンは先鋒にエースだよねー」

セーラ「そうそう、ビデオ見た感じでは火力がべらぼうに高いな」

白望「そう、それであの作戦」

塞「そうだよね、だけど、まあ思い切ったね」

胡桃「セーラにはびっくりするなー」

白望「少し考えたけどあんなに思いきれない」

セーラ「作戦なんてもんちゃうちゃう、これしかないなと思っただけで」

塞「あとはそれをちゃんとやってくれるかどうかだね」

白望「大丈夫だとは思うけど…」

胡桃「大丈夫だよ、そういう人だし」

セーラ「仲間なんやから、信じようや」

塞「うん」

胡桃「おーはじまるー」

白望「がんばれ…」

セーラ「緊張するわ」


アナ『岩手県大会決勝先鋒戦、まもなく開始です!』

前日夜、塞と白望の部屋


セーラ「で、明日のことやけど、とりあえず先鋒戦が一番大事です」

部長「う、うん」

塞「どうする?」

白望「今日と一緒じゃダメなの?」

胡桃「あとがきついよ、やっぱり…あ、すいません」

部長「ううん、事実だよ。大丈夫」

セーラ「はい、で、明日の決勝は前年度チャンピオンが出て来る。他の2校も前年度の決勝におったとこや」

セーラ「それぞれ少しずつ映像と牌譜見たけど今日の戦い方じゃ勝てん」

塞「特に前年王者は先鋒がめちゃくちゃ稼ぐね」

白望「3年生…」

胡桃「あぁ、去年の全国でも稼いでたなー」

セーラ「そういう全国区の強者なんで、ここは一つ大胆な作戦で行こうと思います」

セーラ「中途半端なことは結局見破られて意味なかったりするんで」

塞「どーすんの?」

セーラ「すばり、スーパーベタオリ作戦や!」

胡桃「へ?」

部長「え?どういうこと?」

白望「思い切るね」

セーラ「まあな。1打目からひたすら安牌を切る、役は作らない、ノーテンOKっちゅう作戦です」

部長「とにかく振り込むなってことかな?」

塞「ほうそれはそれは。けどそれを前後半8局ともやるの?極端じゃない?」

セーラ「いや。前年度チャンピオンは直撃が多い。それだけは避けたいから、極端にいくで」

白望「形だね、あの人の」

セーラ「そうやねん。ツモはもう仕方ない、けど、ロンはある程度防げるし」

胡桃「ひっどい待ちであがちゃう人もいるけどねー」

セーラ「そういうのとか、地獄単騎とかそういうのもありえるけどそれは別にかまいません」

セーラ「ただひたすら安牌切ってください。それで今日みたいな失点を防ぎたいんです」

部長「う、うん…江口さんが言うならそうするよ。私も、みんなと全国に行きたい」

部長「正直、乗り気じゃなかったのは認めるよ。練習もやってこなかったし」

部長「だけど、今日試合をして、勝ち上がって、私も勝ちたいって思えたんだ」

部長「だから、精一杯やるよ!」

セーラ「お願いします!」

塞「頑張りましょう!」

胡桃「全国!」

白望「…うん」

ここまでです

予選終わらへん…もう少しだらだら続くかも

>>128
誰にするかは全然決めてないですけど
全員同級生なので1人くらい後輩がいても可愛いだろうなぁと思いまして

それでは

誰がくるのか 乙

アナ『先鋒戦終了!前年度チャンピオンが一人浮きの独走!
   初の決勝進出、宮守女子はベタオリ作戦が功を奏して2位と僅差の3位をキープです』


部長「戻ったよー」

塞「成功しましたね!先輩!」

セーラ「いやーよかったです!」

部長「ありがとう、江口さんのおかげ」

胡桃「部長さんのおかげですよー」

セーラ「こら胡桃」

白望「我慢、ありがとうございます」

部長「あぁ、うん。少し、勝負に出たくなるような配牌だったときは迷ったけどね」エヘヘ

セーラ「よし、これで失点を最低限に抑えられた。あとは、個々の力が重要や」

塞「そうだね」

白望「塞、任せた」

胡桃「塞いっけ~!」

セーラ「例のアレ、今回は使えへんかもやけど、お前の地力でなんとかしてこい」コソッ

塞「ん、頑張るね」グッ

胡桃「また内緒話してるー!」

セーラ「内緒の話やもんなぁ」ケラケラ

塞「も、もう変なこと言わないでよ。大したことじゃないって」

胡桃「ふーん」

塞「そんじゃま、行ってくるね!」

前日夜、塞と白望の部屋


セーラ「先鋒はベタオリで、次鋒は様子見しながら出来るだけ順位を上げる、ここまではええな?」

白望「うん」

胡桃「はーい」

塞「うん、私は派手に動かずに上を狙えばいいんだよね」

部長「そうだね」

セーラ「そう、そんでいい。で、中堅の話にいこか」

白望「中堅は…去年の3位だったとこが、厄介」

部長「そうなんだ」

塞「えーっと確かエースを中堅に据えるチームなんだっけ」

胡桃「そんなとこあるんだね」

セーラ「大阪にもあるで、伝統的にエースが中堅ってとこ」

白望「へぇ、どこ?」

セーラ「姫松っていう強豪でな、俺のライバルが」

胡桃「そこ!話を逸らさない!」

セーラ「す、すまん。で、何が言いたいかと言えば胡桃、きついでってこと」

胡桃「う、うぅ」

セーラ「正直めっちゃ強い、3年生やし、牌譜見る限り平均テンパイ速度が早い」

塞「どうするの?」

白望「うーん、胡桃は…セーラが言ってたアレ、徹底した方がいいと思う」

胡桃「あれってなんだっけ?」

セーラ「ダマに徹しろ」

白望「それそれ。なんとなくだけどダマの時の方が和了してるような…」

セーラ「データを細かく取れるのが一番ええんやけどなぁ」

塞「そうだっけ?どう、胡桃」

胡桃「うっ…確かに今日は3回リーチしたけど上がれなかった」

部長「でもリーチしても上がれないのはそう珍しいことじゃないような?」

セーラ「ですね、俺もそういうこと多いし。でも、胡桃は多分そうやないんです」

白望「胡桃はテンパイ気配をうまく覆い隠せる。相手はまず気づかない」

白望「だからこそ、油断をついてあがれる。リーチをかけたらそうはいかない」

塞「オカルト…?私は、胡桃からそういうの感じたことはないけど…」

白望「それに近い、と、私は思った。気付いたのは最近だけど」

セーラ「俺は初めて打った時にそんな感覚があったからダマにしたほうがええでって言うた」

胡桃「うん、だからそうしてるけどでもさ、リーチしたくなることもあるわけだし…」

セーラ「リーチ禁止でいこか、胡桃。それでなくても強敵や、お前の持ち味を生かした方がええ」

白望「セーラに賛成」

塞「どうなのかなぁ、でも、勝つためなら思い切りのいい方がいいか。先鋒のベタオリみたいにさ」

胡桃「じゃあ、……やってみる」

セーラ「我慢やで、胡桃」

胡桃「わ、わかってる!」

アナ『中堅戦終了!1位に躍り出たのはエースが登場した前年度3位高校!
   僅差で前年度王者を上回りました!宮守女子と4位校は点数が伸びません!
   残すところあと副将、大将戦のみとなります!王座をつかむのはどの高校か!』


胡桃「ごめん…」ズーン

セーラ「想像以上に厄介やったな、あのエース」ナデナデ

胡桃「うん…」

塞「大丈夫だよ胡桃、仕方ないよ」ヨシヨシ

白望「頑張ったよ胡桃」ポンポン

部長「お疲れ様、あとは二人が何とかしてくれるよ」

胡桃「…あ、ありがと」テレ

セーラ「あぁ、もう胡桃は可愛いなぁ」デレデレ

胡桃「きもちわるい!」

白望「じゃ、行くね」

塞「シロ頼むよー!」

セーラ「シロなら大丈夫、頑張れ」

胡桃「シロがんば!」

部長「お願いします!」

白望「ん…行ってきます」


ガチャリ

バタン

胡桃「がんばれ、シロ…」

セーラ「気落ちせんでええよ、胡桃」

胡桃「…うん」

セーラ「大丈夫、相手は3年や。俺らはまだ1年、まだまだ先があるやん」

胡桃「…うん」

セーラ「ほれ、ここ来てもええで?」ポンポン

胡桃「…うん、充電…する」ストン

セーラ「シロの応援するで、な?」ナデナデ

胡桃「…うん」

セーラ「可愛いなあお前はほんまに」

胡桃「…うるさいそこ」

セーラ「はいはい」

塞「よかった」

セーラ「んー?」

塞「なんでもないよー」

胡桃「塞うるさい…」

塞「わかったわかった」

ずいぶん間が空いてしまいましたすいません
あっさりさっくりしちゃってますが、何度も言いますけど闘牌は書けませんごめんない

次は早めに更新したい…

>>138
誰にしましょうかね、なんも考えてないです…

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