蘭子「蒼の魔道書、起動!!」 (21)


人生は残酷だと、誰れかが言った。

人生は苦痛だと、誰れかが言った。

人生は喜劇だと、誰れかが言った。

人生は悲劇だと、誰れかが言った。

当たり前に過ごし、当たり前に繰り返す。

“特別”な人生を歩む者など、いったいどれほど居るのか。

人は灰に溺れ、路傍の石と変わる。

手を伸ばしても、

手を伸ばしても、

手を伸ばしても、

手を伸ばしても。

わたしは“特別”へと至らない。

「すみません!!」

誰れかが言った。

「我に何用か?」

事実は、小説より奇なりと。

「あの!私、こういう者なのですが」

灰を被った人間が、幸せを掴むおとぎ話があった。

「へ……?」

魔法使いと出会い、魔法をかけられた

「アイドルになってみませんか!?」

そんなありふれた、“誰もが生まれ変われる人生のお話<シンデレラストーリー>”

「ええぇっっ!?」



――――――――――――

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1391155196

※注意※
このssはアイドルマスターシンデレラガールズとブレイブルーを使ったssです
アイドルが格ゲーをするだけのお話です

・基本茶番です
・キャラ崩壊が多分に含まれます
・神崎蘭子が765プロに所属しています
・初投稿なので、お見苦しいかもしれません
・地の文を用いる場面があります
・スマートフォンからの投稿なので、おかしなところがあるかもしれません
・先に謝っときます。春香さんプロデューサーの方々ごめんなさい
・にわか知識が多いと思います

これらを良いよ!と言われる方、気長にお楽しみいただけると幸いです


――――数ヵ月後


???「んっふっふ?♪亜美隊員、今日の任務の復唱を!」

亜美「んっふっふ?♪了解しました、真美隊員!最近、うちの兄ちゃんは仕事が忙しく、事務所での泊まり掛けのお仕事を余儀無くされているようです!」

真美「ふむふむ」

亜美「シャチョーからは、無理をせずに明日に仕事を回せばいいと言われたようですが、それを断り、仕事が多い日は一人、残業をしてる模様!」

真美「さすが兄ちゃん……真面目だねえ……」

亜美「それもこれも、亜美たちみんなをトップアイドルへと導く為にしてることなんだよねえ……」

真美「兄ちゃん……良い奴だったよ」

亜美「どうやら昨日も事務所に泊まっていたみたいですぞ!」

真美「なんと!?」

亜美「しかも、昨日はりっちゃんとぴよちゃんが、一緒に残って仕事をすると伝えたところ、これを拒否したようです!」

真美「美女二人のお誘いを無下にする……これはなにか臭いますぜ亜美隊員……!!」

亜美「女には見せられないなにかがある。そんな気がしますぜ真美隊員……!!」

真美「つい最近、ゆきぴょんが兄ちゃんが大きな鞄を事務所に持ち込むところを見かけたようですな……」

亜美「ん?……せくちーな臭いがしますな……」


真美「今、兄ちゃんは朝の買い出しで事務所を離れてる」

亜美「りっちゃんはあずさお姉ちゃんの付き添いで居ない!」

真美「ピヨちゃんは給湯室!」

亜美「亜美たちのお仕事は昼から!」

真美「そう!つまり」

亜美「今しかないっしょ♪」

「「んっふっふ?♪」」

真美「真美は兄ちゃんのデスク周辺を探すねー」

亜美「じゃあ亜美はテレビの辺りを!」

真美「せくちーなDVDか、せくちーな本が必ずあるはずだよ!」

亜美「全く、世話のかかるプロデューサーだぜ!」

ガサゴソガサゴソ

真美「……………」

亜美「……………」

ガサゴソガサゴソ

真美「ないね」

亜美「ないね……」

ガサゴソガサゴソ

「「…………………」」

ガサゴソガ

真美「うわーん!なんでないのっ!?」


亜美「兄ちゃんそれでも男なの!?」

真美「男は女将っしょ?!」

亜美「もしかして兄ちゃん、宇宙人!?」

「「うわーん!!!!!」」

小鳥(オカミ……?)

真美「はあ……兄ちゃんに期待した真美たちが馬鹿だったよ……」

亜美「そうだよ……兄ちゃんは草食系だもん」

真美「………予定が台無しだよー」

亜美「あきらめて、今日のお仕事の打ち合わせでも――――ん?」

真美「ん?どしたの亜美」

亜美「これは……?」

真美「あれ?コレ、PS3のゲームのパッケージじゃない??」

亜美「あ!まさかこの中にせくちーなDVDが!」

真美「おお!擬態ってやつですな!早速開けて確かめねば!」

亜美「お→ぷん♪」

パカッ


真美「………………」

亜美「………ゲームのソフトだね」

真美「だね……」

亜美「んん???でもなんでソフトが事務所に?」

真美「事務所にPS3は置いてあるけど、誰が持ってきたんだろ?」

亜美「亜美たち以外でゲームしてそうなアイドルは居ないし」

真美「社長?ピヨちゃんかな?」

亜美「もしかして、ゆきぴょんが言ってた、兄ちゃんが持ってきた鞄の中身ってコレ?」

真美「大きい鞄って言ってたから、サイズが合わないよー」

亜美「んー……」

???「……あっ、亜美ちゃん、真美ちゃん、どうかしたの……?」

真美「あ!」


亜美「らんらんオハー☆」

真美「オハオハー☆」

蘭子「おはよう」

亜美「あれ?らんらん、今日は早いね」

蘭子「うん。ちょっと、プロデューサーにスケジュール調整で話が」

真美「らんらんは見るからに朝弱そうだけど、ダイジョーブ?」

蘭子「正直言うと、結構キツいよぉ…」

亜美「ありゃりゃ?」

真美「体調管理もアイドルの仕事の内だかんね」

蘭子「そうだね……まだ、お仕事は全然貰えてないけど、いつでも準備万端にしとかないと」

亜美「そうそう。体調だけじゃなくて、常にアイドルとしてのミリキも磨かなきゃダメだかんね!」

蘭子「み、みりき……?」

小鳥(たぶん魅力のことよね……)

真美「らんらんのミリキと言えば……アレ?そういえば最近、あの“口調”しないんだね」

蘭子「―――っ!?」


亜美「確かに聞かないね。らんらん、なんかあった?」

蘭子「いや……その……っ」

亜美「…………もしかして亜美たち」

真美「空気読めないこと言っちゃった……?」

蘭子「ちがっ……今は、その……ごめんね……」

真美「ううん。真美たちこそごめんね」

亜美「ごめんね、らんらん」

蘭子(ううっ……そんなつもりじゃ――――――え……?)

真美「?らんらん、どっかした?」

蘭子「亜美ちゃん!その持ってるのって……!」

亜美「えっ。これ?」

蘭子「それ!それってもしかしなくても―――」

ガチャッ

P「ただいま戻りましたー」

真美「げえっ!?兄ちゃん帰ってきた!」


小鳥「プロデューサーさん、おかえりなさい」

P「ただいまです、音無さん。留守中に電話などは……」

小鳥「ありませんでしたよ。喜ぶことじゃないんですけどね」

P「あはは……すみません。俺が不甲斐ないばかりに……」

小鳥「ああ、いえ、すみません!そういうつもりで言ったわけじゃなかったんですが……」

P「いえ。事実ですから。……よーし!みんなが忙しくて、猫の手も借りたくなるぐらい売れるように、今日も一日頑張るぞォ!!」

小鳥「ふふっ。無理はしないようにしてくださいね」

P「はい!頑張ります!」

真美「いや?、兄ちゃんは今日も熱いですなー。これは青春、青春ですなぁ!!」

P「おはよう、真美!」

真美「オッハー☆」

P「で!真美」

真美「ん?なに兄ちゃん」

P「今さっき、なんで『げえっ!?』って言ったんだ」

真美「聞こえてたんかい!?」


P「で?」

真美「うっ……」

P「でぇ?」

真美「いやあー、うん……」

P「うん……?」

真美「べつに、誰も兄ちゃんがせくちーな本やDVDを隠し持ってないか、探したりしてないよ……うん」

小鳥(自分から自爆していくのね……)

蘭子(ぷっ、プロデューサーの顔が怖い……)

亜美(真美……君のことは忘れない!)

P「真美が、ってことは、亜美も共犯なんだろ?」

亜美「ええっ!兄ちゃん、名探偵!?」

P「早速自供したな……」

亜美「あっ」

真美「亜美……怒られるときも一緒だぜ……」

P「おまえらな……」

亜美「ええい!まだよ!?こっちには切り札がある!!」

P「あのな……俺は、亜美たちが探し求めてるようなモノは持ってないからな」

真美「切り札!?ナニソレ!」

P「真美が知らないのか」

蘭子「切り札!?なにそれカッコいい!」

P「目が輝いてるなあ」

亜美「これだぁ!」

ドン!


P「――――あ」

真美「切り札、って。今さっき見つけたゲームソフトじゃん」

蘭子「え……えっ?」

亜美「どうせ兄ちゃんのことだ。みんなが帰った事務所で、一人隠れてゲームをしてたに違いない!!!」

真美「ナニソレ!ズルい!!」

小鳥(根拠のない切り札……)

P「……………」

亜美「……………」

真美「……………」

蘭子「???」

亜美「……………えーっと」

真美「亜美。早く謝った方がいいと思うよ」

亜美「ごめんなさい兄ちゃん!!」

P「…………………………………」

亜美「……………あの?」

真美「兄ちゃん……?」

P「なっ」

真美「な?」

P「なななななななななななななな」

亜美「!?」

真美「!?」

蘭子「!?」

小鳥(すごい汗!?)

P「なっ―――なぜそれをオォォォォ……ッ!!!」

小鳥(あ。崩れ落ちた)

亜美「………………あれ?」

真美「おーい。兄ちゃーん……聞こえてないや」

P「おおおおおおおおおおおおお」

蘭子(真美ちゃんたちのじゃ、なかったんだ……プロデューサーの私物……)


―――――――――


亜美「で?」

P「いやあ……なんだ、その……」

亜美「で!?」

P「はいすみません……」

小鳥(立場が逆転してる……)

真美「なんでゲームソフトを事務所に?兄ちゃんPS3持ってなかったっけ?」

P「いやまあ、持ってるけど。基本、家に帰ったら、ご飯を食べて、お風呂に入って、寝て起きるだけだからなあ。事務所でなら仕事終わった後に、一時間くらいやれるかなーっと思って持ってきたわけなんだけど、まあそんなことはなかったなあ……」

亜美「兄ちゃん、そんな生活で健康に過ごせるの……?」

P「ん。今のところは問題ないし、大丈夫だろ」

小鳥(プロデューサーさんの仕事量の多さは……今、軌道に乗り始めてる律子さんがプロデュースしている、竜宮小町への負担を減らすために、竜宮以外のアイドル全員のお仕事を全部受け持ってるから……律子さんの前では空元気で頑張ってるけど、日に日に身体の疲れが蓄積してるのは、端から見ても明らかなのよね)


真美「大丈夫じゃないよ!?」

P「おうっ!?」

真美「真美たちには、体調の管理って口うるさく言うくせに、自分の健康管理出来てなかったら笑えないよ!」

P「いやでも、そこまでやわな身体じゃ……」

真美「兄ちゃん!!」

P「うっ……はい、以後気をつけます……」

亜美「約束だからね」

P「ああ。嘘ついたらちゃんと針千本呑むよ」

小鳥(竜宮の三人だけじゃなく、真美ちゃんたち――自分が受け持ってるアイドルたちに、罪悪感を持たせたくないからって、必死に頑張ってるプロデューサーさんだけど……やっぱり休暇は必要よね。ただでさえ、アイドルたちの売り込みを仕事の大半に使って、事務仕事を後回しにしてるせいで、泊まり掛けの残業を余儀無くされてるわけだし……ううっ、律子さんに相談したいけど、したらプロデューサーさん怒りますよって言ってたし……)

亜美「でも、仕事馬鹿な兄ちゃんがそこまでしてゲームやろうとするなんて珍しいよね」

真美「そうそう!それってなんのゲームなの?」

蘭子「!」

P「これか?これは
BLAZBLUE CHRONOPHANTASMAだ」


真美「ぶれいぶるー???」

亜美「黒のファンタうま???」

P「クロノファンタズマ。まあ、ブレイブルーがメインタイトルで、クロノファンタズマがサブタイトルだな。亜美と真美ならやったことあるだろうけど、格闘ゲームだよ」

真美「ストファイみたいな?」

P「まあ、これは2Dの格ゲーだがな。確かジャンルの正式名称が、次世代2D対戦格闘ゲームだったかな」

亜美「生まれた意味を知るRPGみたいな?」

P「そういうことだな」

真美「兄ちゃん、格ゲーなんてやるんだ。なんか意外かも」

P「そうなのか?学生の時は、友達と一緒にしょっちゅうゲームセンターで遊んでたけどな」

真美「へえ?」

亜美「兄ちゃんがハマるってことは、そのゲーム面白いの?」

P「コンボゲーかつ、独特のゲーム性なこともあってか、賛否両論ある作品だけど、個人的には好きな作品だな」

小鳥「コンボゲー?」


P「格ゲー、って言っても色々あるんですよ。如何にコンボ繋いで大ダメージを叩き出すかなコンボゲーとか、立ち回りの読み合いがメインな立ち回りゲーとか」

小鳥「へえ?。ゲームはそんなに詳しくないですよね……特に、格闘ゲームは敷居が高いイメージがあって」

P「まあ、そうですよね。実際、ゲームセンターなんかで対戦するとなると、他の人の目もありますし。とは言え、格闘ゲーム自体は、そんな敷居が高いなんてことはないんですよ」

小鳥「そうなんですか?」

P「はい!このブレイブルーなんかは、案外初心者にもオススメ出来ると思いますよ。初心者のために、家庭用版にはチュートリアルモードと言うものがありまして、これをプレイすれば、一から格ゲーの基礎を学ぶことが出来るんですよ!」

小鳥(プロデューサーさんが熱く語り始めた…!)

P「対戦時にも、初心者救済のスタイリッシュモードと言うのがありまして、ボタンを押すだけで、コンボが繋がったりするんですよ!」


亜美「兄ちゃんって、このゲーム強いの?」

P「俺か?俺は弱いよ。最近プレイ出来てないのもあるし」

真美「じゃあさ!じゃあさ!真美たちと対戦しようよー☆」

P「真美たち、このゲームやったことあるのか?」

真美「ないよ☆」

亜美「亜美たちを甘く見ちゃあいけねえぜ。やってきたゲームは数知れず!倒してきたラスボスは星の数!」

真美「格ゲーもプレイしたことがある真美たちが、兄ちゃんをフルボッコしてやるぜ!


P「ほう……」

蘭子(プロデューサーの目が鋭く!?この目は間違いない―――)

P「じゃあ、今時間もあるし、軽くやってみるか」

蘭子(―――初狩りの目だッ!!!)

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