男「一度だけ時を止められる時計……」(248)
男「今使うのは勿体無いよな……」
男「勿体無いし本当にいざ、という時だけ使うかな……」
男「でもそんな時がこないでずっと使わない内に死んだらなぁ……」
男「悩む……」
学校
友「何悩んでんだよ」
男「いやさぁ、実はこんなもん拾ってよぉ」
友「この時計は一度だけ時を止められます?」
友「どう考えてもイタズラだろこんなの」
男「でもイタズラじゃなかったらなぁ……」
友「もしもただのイタズラだったらいざってとき後悔するぜ」
男「だよなぁ……」
友「じゃ、そろそろ座ろうぜ」
男「お、おう」
男(イタズラかイタズラじゃないか分かる方法は使う以外にあるか……?)
男「使うしか……ないかな……」
教師「えー……が……で……であって……であるとして……で……」
男(いや、待てよ)
男(もしも本当に時を止められるとしよう)
男(けど、もしも時が止まりっぱなしだったらどうするんだ?)
男(……)
教師「おい、男聞いてるか?」
男「え、あ、はい」
教師「じゃ、ここ読んで」
男「え?あ?」
教師「97ページ」
クスクス……
男「あぁ……」
友「考えてんのか?使うか使わないか」
男「うん……」
友「俺は捨てといた方がいいと思うんだ」
男「捨てる……?」
友「なんつーか、そんなアヤシいもん使ってよ」
友「もし何かあったらさ……危険じゃん?」
男「あぁ……だな……」
友「ならばいっそのこと捨てたらどうかなって」
男「捨てるか……」
男(そういえば捨てるって手があったな)
男「分かった、放課後捨ててみるわ」
友「おう、じゃあ頑張れよ」
男「あぁ」
男(なんつーか……捨てる前に使いてぇ……!)
男「やめとこう」
男「さようなら、時を止められるかもしんねぇ時計」
男「……」ポイッ
ドサッ
男「さて、これでよしっと」
男「早めに捨てといたほうがいいよなやっぱり……」
男「授業始まるかもしんねぇし戻るとすっか」
男「っと、トイレ行きたくなったな」
男「うートイレトイレ」
男「ふぅ……スッキリした」
男「ん?」
男「時計が……落ちてる……」
女「~♪」
男「あいつが持ってるゴミ袋……もしかして……」
男「あのゴミ袋だ、なんてこったい」
男「誰かに拾われると厄介だ、俺が拾っておこう」
男「結局戻ってきてしまった」
男「教室のゴミ箱に捨てるかな」
ワイワイ……ガヤガヤ……
男「授業前の教室はうるせーなー」
男「誰にも見られない内に捨てるか」
ポイッ
男「それじゃ、授業始まるし席に着くか」
教師「で……聖徳太子は……だから……妹子が……」
男「……」ウトウト……
教師「蘇我が……おっとっと……」ドンッ
ガッシャーン
教師「あららーやっちゃった」
生徒「先生ー勘弁してくれよ!ゴミがこっちまで飛んできたじゃん」
教師「ごめん、ちょっと誰かちりとりとほうき持ってきてくんない?」
コツンッ
男「ん……?何か当たったような……」
男「時計……」
男「……!?」
男「とりあえず……拾っておこう……」
男「何かおかしくないか……?」
友「んで、放課後に捨てんだよな?その時計」
男「……」
友「おい、どうしたよ」
男「戻ってくる……」
友「へ?」
男「捨てても……戻ってくる……」
友「は?なんだそれ!」
男「本当だよ!信じてくれって!」
友「そ、そうだな……それじゃ、ちょっとその時計貸してみ?」
男「……ほい」
友「じゃ、俺が捨ててみるわこれ」
男「あぁ、頼んだぞ」
男「さて、厄介な時計も無くなったことだしこれで安心できるな」
DQN「おい、男wwww」
男「ん?何だDQN」
DQN「ちょっとwwww歴史のノートwwww貸してくれよっwwww」
DQN2「おねげーだwwwwおねげーだ!DQNの兄貴居眠りしちまってよwwww」
DQN「なwww?な?wwww頼むよwww」
男「あ、あぁ……ほれ」
DQN「サンクスwwwww」
男「次は英語か……」
男(戻ってくんじゃねぇぞ……)
男「……」チラッ
友「……!」ビクッ
友「……」グッ
男「……」ホッ
外人教師「Koreha……De……Kokoga……Deattesite……」
男「……」
外人教師「Tugiha……Otokokun!」
男「あ、はい」
外人教師「EigodeOnegaiSima-su!」
男「い、イェス……」
男「よかった……何事も無かった……」
友「戻ってこないだろ?」
男「お前どこに捨てたの?」
友「トイレ」
男「は?」
友「頑張って流したよ」
男「そ、そうか」
男(……)
友「ん?どうした?」
男「あぁ、いやなんでもない」
男(俺の予想だと……)
生徒「先生、トイレ詰まってんですけど」
男(やっぱり……)
教師「なんだ?時計?」
生徒「時を止められる時計……?」
教師「イタズラだろ、誰がこんなもんトイレに詰まらしたんだ?」
生徒「ちょっと貸してみてくださいよ」
教師「やめろ、こんな汚いもん」
生徒「お願いします!」
教師「これは先生が捨てておく」
生徒「ちぇっ」
男(戻ってくんなよ……)
男「放課後まで戻って来なかった」
友「だろ?戻ってこねーだろ?トイレに流しといてよかったんだよ!」
男「だな……」
友「それじゃ、気を付けて帰れよ!」
男「あぁ」
男(俺は先生が捨てたことを知っている……)
男(そして、さっきゴミ収集車が来た……)
男(捨てられていてくれよ……)
男「帰宅まで時計を見ることはなかった」
男「やった!きっと偶然だったんだ!」
男「さーてゲームするぞー!」
ガキ「おい、車からこんなの落ちたぜ!」
ガキ2「時を止められるだって!すげーな!」
ガキ「止めよーぜ!」
ガキ3「ちょっと貸してみ」
ガキ「お前も見たいのか?見ろよ!」
ガキ3「ふんっ」ブンッ
ポーイ
ガキ「あっ!何すんだよ!」
ガキ3「こんなのイタズラだろ、時を止められるわけないだろバーカ!」
ガシャーン
ガキ3「え?」
ガキ2「ガキ3が窓わったー!」
ガキ「俺知らねー!にっげろー!」
ガシャーン
男「( ゚д゚)」
コロコロ……
男「お、おかえりなさい……」
男「……うおぉぉぉぉぉぉぉ!」
男「もう嫌だァァァ!」
男「そんなに時を止めて欲しいのか!」
男「時を止めて欲しいんだろ?ナァーー!」
男「くそっ!なんでまたコイツが……」
男「窓……どうしようか……」
母「どうしたのー?男ー?」
ドンドンドン……
男「上がってくる……」
ドンドンッ!
母「男ー!はいるよー!」
男「あ、あぁ」
母「ちょ!どうしたのよこれ!」
男「知らねぇ……突然窓が割れた……」
男(時計の事は言えねぇ……)
母「とりあえず今日は新聞紙でも貼っておきましょう」
男「だ、だね」
母「何考えてんの、窓の事?」
男「いや、違う……」
母「だったら早くご飯食べなさい、冷めるわよ」
男「あぁ……」
母「ほら、食べた食べた」
男(ピザ……)
母「?」
男(何かに似てるよな……)
男(くそっ!また時計の事が……)
男「もう一回窓から捨ててみるか」
ベリッ
ポイッ
男「新聞紙貼りなおさねぇとな」
男「夜の営みがしたくなってきた」
男「みんな寝てるし……音は漏れねぇよな?」
男「イヤホンなしで営むのは緊張するけど楽しいぜぇ」
アンッアンッ! アッアッアッ! ラメェッ!
おっさん「……チッ」
おっさん「なんだ?ニートの俺にこんな嫌な声聞かせんのか?」
おっさん「……ざけんなよ、ホテルにでも行ってやっとけコラ」
おっさん「……あぁムカつく」
おっさん「るっせぇんだよ!」ブンッ
バサッ
コロコロ……
男「……!?」カチッ
男「……あららら、静かにしときゃよかったなこりゃ」
友「で、戻ってきたと」
男「正直、もう俺は使っちまおうと思う」
友「まぁ、いいんじゃね?男がそう思うなら」
男「お前なら止めると思っていたが……」
友「正直言って、トイレに流したのに男の家に飛んでくるのは普通じゃない」
友「どうしても時を止めて欲しいんだろうな、その時計」
男「……」
友「一応言うぞ」
友「これは、本物だ」
男「……」
男「もう、使ってみるか?」
男「AM9:55か」
男「こんな時計でもキチンと時計の役割は果たしてんだな」
男「それじゃあ、少し止めさせてもらいますよ皆さん」
男「それっ!」
カチッ
ピピッ……エラー
男「……プッ!」
男「エラーかよ!お腹いてぇ!ハハハハハ!」
男「あー考えてるのがバカバカしくなってきたぞ」
ピッエラーエラーエエラーエラーピピッエラー
男「アハハハハハハハハハ!」
男「結局ただのイタズラかよ!」
ガヤガヤ……ワイワイ……
男「ククク……!」
男「友に知らせるか!」
友「エラー?」
男「そうそう、エラーしか聞こえねぇの!」
ピピッエラー
友「……ぶふっ!」
男「ほら!ほら!」
友「ちょっと貸してみww」
ピピッエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラー
友・男「ブッハハハハハハハ!」
友「今までこんなもんの為にいろいろ考えてたのかよwwwww」
ガヤガヤ……
友「あーおかしいおかしい、考えて損した」
男「授業始まるし戻ろうぜ」
男「クククク……」
エラーエエラーエラーエララーエラー
男「!?」
シーン……
男「……」
エラーエラーエエラーエラーエラー
男「うるせぇなぁ……」チラッ
シーン
男「……」ブルブルッ
教師「………………で…………………あるからして………………」
エラーエラーエラーエラー
男(なんだ?本当にぶっ壊れちまったか?)
エラーエエラーエラーエラララーエラー
男(なんかじわじわ笑えてきたぞ)
エラーエラララーエラーエエエラー
友「クククク…………エエララーwww…………」
男「……ぶふっ……!」
教師「何笑ってるん だ? 男」
男「え、あ、すみません」
エラーエラエラエラーーエラララーエエララー
男「っるっせぇなぁ!この糞時計!」
教師「……………………」
生徒「……………………」
ポンッ
男「?」
DQN「病院………………………行くか!?」
ドワッハッハッハッハ!
男「……」
男(おいおい、聞こえねぇのかよお前ら……)
外人教師「Deeeeeee………………………Arrrrukarasitteeeeee…………………」
男「……」ウトウト…
エラーエッララエラエラエラエララー
男「……」チッ
シーン
外人教師「HEY!…………………Otokokun!」
男「あ、はい」
外人教師「Eigo……………………De!」
男「い、イェス」
男「…………」ウトウト
エラーエラーエラーエラーエラーエラー
男「………………」ガクッ
エラーエララーエラーエラエーラー
男「zzz」
エラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラー
エラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラー
男「……!」ハッ
男「寝ちまったよ……」
男「友?」
友「zzz」
男「おい、寝んじゃねぇよ」ガスッ
友「あいてっ」
男「ったく……」
友「どんだけ寝過ごしてんだよ」
男「そもそもなんで誰も起こさねぇんだよ」
友「もう6時じゃん」
男「おい、DQN!」ゲシッ
DQN「……」ダラダラ
男「おい?」
友「誰も動かねぇぞこれ」
男「……」
友「……まさか……」
カンリョウシマシタ……カンリョウシマシタ……
男「……!?」
友「おい、嘘だろ嘘だろ嘘だろ!?」
友「……窓を開けるぞ」
男「……あぁ」
ビュオオオオ
男「……寒っ、閉めろよ」
友「……」ピシャッ
男「DQN……」
DQN「……」ダラダラ
男「見えてるなら……クビを振ってくれ……」
DQN「……」
男「見えてるなら……目を動かしてくれ……」
DQN「……」ギョロギョロ
男「おい!目は動くぞ!」
友「少し……分かってきた気がする……」
男「そういや……」
カンリョウシマシタ……カンリョウシマシタ……
男「友、なんでお前は動けるんだ?」
友「多分、押した奴が動けるんだと思う……」
男「……時は戻せるのか?」
友「分かんねぇ……もう一回押してみろよ」
男「……カチッ」
ヒキツヅキ、ウゴカナイセカイヲオタノシミクダサイ
男「……おい、なんだよこれ」
友「……もう一生動かない?」
男「……は?」
友「俺、分かったかもしんね」ダッ
男「ちょ、どこ行くんだよ友!」
外
友「蟻だ……動きは止まっているが……」
男「なんで時が止まってるのに寒いんだよ……風が吹いてんだよ!」
友「動物だ……」
男「え?」
友「俺達以外の生き物の動きが止まっている……」
男「おいおい……時は!?時を止めるんだろ!?」
友「残念だが、止まってない」
男「はぁ!?」
友「時計が動いている」
男「……」
男「なんだよそれ……」
友「現実を見るしかねぇな」
男「どうやって戻せるんだよ!」
友「分からない、探すしか無い、方法を」
男「……どうやってそんな方法探すんだよ!」
友「そんなこと言ってる場合じゃない、早く探さないとまずい」
友「学校に戻ってみろよ」
男「俺だけか?」
友「お前だけだ」
男「うっ!クセェ!」
男「まさか……」ガラッ
男「なんてことだ……漏らしてるぞ、こいつら」
生徒2「……」ポロポロ
男「こいつは、涙も出てるし、汗もでてる」
男「生きてるんだな……」
男「ならば、つまりこういう事か?」
男「時を戻せなければ皆死ぬってことかよ!」
男「あぁ押さなきゃよかった!押さなきゃよかった!糞!」
男「……」
オタノシミクダサイ、オタノシミクダサイ、オタノシミクダサイ
男「楽しめるかよこのクソ時計……」
男「楽しめるかよ!このクソ時計!」ブンッ
バキィッ
タノシミクダサイ……オタノシミ……オタノシミクダサイ……
男「……やめとこう、一応持っておこう……」
男「早い内に友のところに戻るか」
男「友……?」
男「なんだ?この張り紙、友からのメッセージか?」
男「”野球部の部室にこい”か……」
男「行くしかねぇか……」
男「何か分かったのか?友……」
ガチャッ……
ギィィィィ……
男「天井から吊るされた縄……横になった台……」
男「おい!?まさかまさかまさか!」
男「ちょっと待てゴラ!どこ行ったんだよ!てめぇ!」
男「こんなイタズラしてんじゃねぇよ!」
男「なんだ?遺言か?」
男「……」
男「”男へ、お前がこれを読んでいる時にはとっくに俺は死んでいるだろう”」
男「”もちろん首を吊ってここで死んでいるはずだ”」
男「”これで何かが分かると嬉しい、頼んだぞ、男”」
男「”頑張って時を戻してくれ”……」
男「死んでる……?いねぇじゃねぇか……」
男「死体は消える?なんだよ!益々わけがわかんねぇぞコラァ!」
男「なんとか答えろよこの時計が!」カチッ
オタノシミクダサイ
男「クソッ!」カチッ
オタノシミクダサイ
男「……」
男「そうだ、京都行こう」
男「……どっか遠いところ行ってみるか……」
男「電車は……」
ガタンゴトンガタンゴトンガタンゴトンガタンゴトン
男「おいおい……」
ガァンッ
男「やりたい放題じゃねぇかよ……」
男「テレビは……」
男「家に帰るか……」
男「テレビは……やってるのか……」
男「ただ、ずっとニュースキャスターが映っているだけだ……」
男「何をしていいかがわからない」
男「さて……これをまた渡るのか……」
ブロロロロロロロガァンッ!ガァンッ!ブロロロロロ……
男「歩道にまで車が突っ込んできてやがる……」
男「あ、あそこの事故った車の中の人消えた……」
男「死んだってことかよ……」
男「本当に何をすればいいんだよ……」
男「ただ、立ち尽くすしかねぇだろ……」
男「誰だって立ち尽くすしかなくなる……」
男「……コンビニ行ってこよう……」
男「ふぅ…喉が乾いてたんだよな……」
男「お金、一応ここにおいておくぞ」
ピピッ
男「……時計か……」
マンゾク……デスカ?
男「満足なわけあるか!不満足だよゴラァ!」
男「なおせよ!おい!」
……ヒキツヅキ、オタノシミクダサイ
男「あぁもう!」
男「トイレも満足にできる……けど……」
コンビニ店員「……」ショワアアアア
男「他の人達は漏らすしかできねぇ……」
男「うっぷ」
男「そういや、時間は……」
男「9時……」
男「早いとこ何か見つけねぇと……」
ピピッ
男「あん?なんだよ」
マンゾク……デスカ?
男「だから!時をなおせ!戻せ!コラァ!」
……ヒキツヅキ、オタノシミクダサイ
男「なんだよ……」
男「いっそのこと、俺も死んでみるか?」
男「いいや、やめとこう」
男「そうなったら本当にオシマイだからな……」
男「……寝るか?」
男「もう考えてないでキチンと休んでから考えよう」
ピピッ
男「……だから!」
マンゾク……デスカ?
男(何か変わると思ってたら……あぁ!)
男「満足だ!あぁ満足だとも!もうこんな世界満足さ!」
キキィィィ
男「うわぁぁっ!」
キキィィィィィィィ
ゴロゴロゴロゴロ
男「……満足だよ!ゴラァ!」
……マンゾクデ、ナニヨリデス
男「……は?」
シーン
男「よし、おうちに帰って寝るとするか!」
男「あーそうしよううんそうしよう!」
男「今日はたっぷり寝るぞー!」
男「ふぅ……家まで帰るのも一苦労だよ」
ピピッ
ツライデスカ……?
男「辛いから、どうした」
ナニガツライデスカ?
男「もう、泣く姿も見たくない」
男「暴走する車を見たくない……」
男「お前が止めたことが辛いんだよ!」
ワカリマシタ……
男「絶対にわかってない!」
男「寝るっ!」
男「ふぁぁぁ……よく寝た……」
男「一日中寝てたか……」
デハ、トマッタセカイヲオタノシミクダサイ
男「……?」
男「時間は……」
男「9時……」
男「!?」
男「車は!?」
男「まるで暴走してたのが嘘みたいだ……」
男「止まってる……」
男「……なんだ?」
男「何かおかしいぞ?」
オタノシミクダサイ……
男「……奇妙だ、外にでよう」
男「寒くも暖かくもないぞ……」
男「車も……止まっている……」
男「まさか!」
男「本当に時が止まった……」
男「時計も……動いてねぇぞ」
男「でも、こっちの方が、前よりは少し楽だ」
男「なんてのんきなこと考えてんじゃねぇぞ!」
男「あぁ!動かねぇなら更に分からねぇじゃねぇか!アホ!」
男「……おい、時計」
ハイ?
男「……え?」
シーン
男「時計……?」
ハイ?トイッテルンデス、ハヤクシテクダサイ
男「なんで、喋ってんの?」
カンペキニトキガトマッタコトデ、シャベルコトガデキルヨウニナリマシタ
男「なんだそれ、わけわからねぇ」
ツライデスカ?
男「辛いわ、阿呆」
モドシマスカ?
男「戻せよ……」
デキマセン
男「……だったら、何故聞いた」
ナントナクデス
男「死ね……」
シネマセン
男「誰がお前を作った?」
クウキデス
男「更にわけわかんねぇよ」
男「空気からできたのか?」
ハイ
男「はっ……あっそう……」
トキハ……
男「へ?」
トキハ、サラニトマリダシマス
男「もう完璧に止まってる」
コウエンガ、アリマスネ
男「あぁ、あるぞあるぞこのクソ時計が」
ブランコニノッテミテクダサイ
男「……分かったよ」
男「動かねぇ……」
モドスホウホウハアリマセン
男「なら、このまま野垂れ死ぬってわけか?」
ソノトオリデス、カシコイデスネ
男「アホか糞野郎」
ア……ト……
男「おい?時計?おい?」
男「お……」
男(声が出せない……!?)
男(体が動かねぇ……)
男(……)
男(どれくらい経ったのかな)
男(何も変わっていない)
男(ずっと動かないままだ)
男(完璧に止まっちまったな、ハハ)
男(意識はあるけどな)
男(……)
男(考えるの、やめるか?)
男(俺も、死んどきゃよかったかもな)
男(あーなんで押したんだろう)
男(……)
男(……)
男(……)
男(……)
俺は、ずっと目の前の遊具を見つめるしかなかった
ただただ、ずーっと月明かりの下で……おや?
どんどん……何も見えなくなってきたぞ……
トキハ、トマル
男「」
男()
男()
トキハ、マキモドサレル……
男「お前が、止めたことが辛いんだよ!」
男「満足なわけあるか!不満足だよゴラァ!」
男「友……?」
友「現実を見るしかねぇな」
母「ほら、食べた食べた」
DQN「ちょっとwwww歴史のノートwwww貸してくれよっwwww」
女「~♪」
男(なんつーか……捨てる前に使いてぇ……!)
男(捨てる前に使う……?)
男(空気が……割れてる……)
男「時が……戻った……?」
男「……」ポイッ
スゥ……
男「空気が……」
教師「で……聖徳太子が……妹子が……」
男(……終わったのか……?)
男(これで、あの時計は消えたのか……?)
????
AM8;00
男「一度だけ時を止められる時計……」
男「今使うのは勿体無いよな……」
男「勿体無いし本当にいざ、という時だけ使うかな……」
男「でもそんな時がこないでずっと使わない内に死んだらなぁ……」
男「悩む……」
ムゲンループッテ、コワイデスネ
男「は?無限ループ?」
シーン……
学校
友「何悩んでんだよ」
Fin
友が死ぬ→空気になる→空気の割れ目の中に送り込まれる
男が時計を空気の割れ目に投げる→時計が空気になる→その空気が割れ目を塞ぐ
死んだ者の空気が合わさり時計ができる→時計が別世界に落ちる
なんつーか俺の頭はパンクした早く通訳来てくれ
時計は生きてる
どうせまた矛盾が出るんだろうけど
即効で書いてたからなんか伏線の回収とか全然できてないことに気付いた
これひどいな
友が自殺したのはただ単に精神が限界だった
なにか分かってくれると嬉しいは言い訳
叩かれるの覚悟で書きます
どこまで良かった?今なら書き直せる
俺の頭がパンクしてるのに変わりはないからな、矛盾してたら教えろよ
男「もう考えてないでキチンと休んでから考えよう」
ピピッ
男「……だから!」
マンゾク……デスカ?
男(何か変わると思ってたら……あぁ!)
男「満足だ!あぁ満足だとも!もうこんな世界満足さ!」
キキィィィ
男「うわぁぁっ!」
キキィィィィィィィ
ゴロゴロゴロゴロ
男「……満足だよ!ゴラァ!」
……マンゾクデ、ナニヨリデス
男「……は?」
ナニヲ……シテマシタカ?
男「コンビニでジュースとか飲んでたよ」
シーン
男「なんだ?本当に変な時計だ」
男「早く寝よう」
男「頭が変になっちまう……」
男「さっき、喋ったよなこの時計……」
男「いいや、明日考えることにするか……」
男「zzz……」
男「朝……か……」
男「そうか、他の奴らは動きが止まっているんだっけ……」
男「電車が道路に……どんな状況だよ……」
男「外には出れねぇかもしれねぇな……」
男「そうだ、母ちゃんは?」
ダッ
男「母ちゃん……」
男「涙まで流して……」
男「やめろよ……そんな目で俺を見るなよ……」
男「……やはり時計しかないか……」
男「時計が何かヒントを持っている事に違いはない……」
男「本当、時計の役割は果たしてんのな」
男「お前は一体何で作られてるんだよ?」
男「何で作られたらそんなことができるんだよ!」
男「答えろよ!」
シーン
男「……」
男「ただ寝転がるしかねぇよ……」
チッチッチッ
男「時は進んでるんだよなぁー……」
チッ チッ チッ
男「……?」
男「時計の針の進みが遅くなった……」
男「なんだよ……これ以上止まるってのかよ!」
男「やめろ……もうやめろ……!」
男「時計!お前ならできるだろ!?」
男「早くやめさせろ!」
男「早く!」
チッ チッ
男「あぁぁ……」
チッ チッ
男「おい、時計!早くやめさせてくれよ……!」
男「頼む……!頼む……!」ポロポロ
チッチッチッ
男「?」
サルさんくらった
またお猿さんだよ
男「時計……?」
シーン
男「もう……壊しちまうか……」
男「トンカチ……トンカチ……」
男「さようなら……!時計ッ!」ガンッ
グシャッ
ボロボロ……
ドクンッドクンッ
男「へ?」
男「この時計……生きてる……!?」
お猿さんが……
男「これは、壊して正解だったのかもな……」
男「こいつを、殺してみるか?」
ドクンッドクンッ
男「殺さねぇと何も分からねぇ……!」グシャッ
男「うっ!耳が……!」
男「キーンと……」
男「いてぇ……意識が……」
お猿さんしつこいので串通してますので多分ID変わってる
男「……う……ここは……?」
男「何もない……真っ暗な場所だ……」
「よくぞ来た、勇敢な少年よ……」
男「誰だ!?」
「知りたいか?」
男「知りたいに決まってるだろう!名を名乗れ!」
「私が時計を作ったんだよ」
男「なっ!?」
「時計を殺したものはここに転送される仕組みになっていてね……」
男「どういう事だ!?俺をここに連れてきて何をしたい!」
「いや、時計を殺したのがどんな奴だったか知りたくてね……」
男「貴様っ!時を戻せ!」
「私はやろうと思えば簡単に君を消せるんだぞ?」
「こういう風にな……」
男「腕が消えた!?」
「消したのではないのさ……空気に変えたんだよ……」
男「俺の腕を空気に変えた!?」
「その気になれば君を空気に変えることさえできるさ……フフフ……」
男「なぜこんな時計を作った!?」
「動きが止まった世界の死体は空気になってここにやってくる」
男「……そうか、友が消えたのは……!」
「私はそれを吸って生きているのだよ」
「この時計がないと私の食事ができないのでね……」
飯食うわ
「さて、君は時計を壊したね?」
男「壊したさ、壊してやったさ!」
「食事の邪魔をされるのはあまり好きではないからそろそろ死んでもらうとするか……」
男「誰が貴様などにやられるか……」
「まずは残ったその腕をもらうぞ」
男「なっ!腕が消えた……」
男(とりあえず逃げねぇと……!)ダッ
「逃げても無駄だ……」
男「あ、足がっ!」
「私の話は一応聞いてもらいたいものでね、逃げられたら困るのだよ」
男(逃げられたら……困る?)
男(つまり……今、近くにいるのか……)
「君は自殺しない分よく頑張ったよ」
「他の奴らは皆すぐに自殺してしまう」
「私は嬉しかったよ、君みたいな人間がいることを知って」
男「他の奴らとは何だ!?そして、ここは一体どこなんだ!?」
「質問は一つずつにしてもらいたいところだが……まぁいいだろう、どうせ死ぬ運命さ」
「ここは、空気の中だ」
男「空気の中……?」
「まぁ、もう一つの世界と考えてもらってもいいよ」
男「……クッ……」
「そして、他の奴ら……だっけ?」
男「あぁ……答えてもらう……」
「私の時計は……時を戻せる優れものでね……後は分かるだろう?」
男「……クッ」
「それじゃあさようなら男君、君の行動を見ていて楽しかったよ」
「……おや?これはズボンか……」
男(なぜ……殺されなかったんだ?)
「さて、次で確実に仕留めるとしよう……」
男(まさかとは思うが……こいつ……)スリスリ……
「……ん?どこに行ったのだ?逃げても無駄だと言っただろう……」
男(見えてないのか……信じられない事に……)スリスリ……
「逃げても無駄だ!どこにいる!」
男(そうだ……俺、携帯持ってたっけ……)スリスリ……
男(携帯……そうだ、腕がねぇんだ……)
男(さっきのは偶然足を取られたってことなのか……)スリスリ……
男(無いか……?何か……)スリスリ……
コツンッ
男(ん?)
男(何かに当たったぞ……)
男(なんだ……?これは……)
「時計に当たった音……今度こそ終わりだ、男君」
男「時計に当たったのか!このマヌケ!死ね!」
男(手がねぇなら口でっ!)ピッ
ピッエラーエラーエラーエラー
「……クソッ!死ね!」
男(頭より下が完全に無くなっちまった……!)
男(もう時計に託すしか無いな……)
男「……」
カンリョウシマシタ……カンリョウシマシタ……
男「やったぞ!奴の動きを止めた!」
男「何だ?体が戻ってくる……」
「ぐおおおぉぉ……」
男「光が……」
男「……人の形をした悪魔か……」
男「悪いな、食事の邪魔をしちまって……」
悪魔「……ろ……」
男「喋れるのか?動きが止まっても」
悪魔「や……め……ろ……」
男「いいや、やめないね」
男「死ね」
男「おい、時計」
ハイ?
男「喋れるのか?」
ワタシハイキテマスカラ
男「そうだったな……なぜ俺の体が戻った?」
ワタシガマスターノトキヲモドサセテイタダキマシタ
男「マスター?」
コノセカイデハトキヲトメタモノガワタシノマスタートナリマス
男「あぁ、そう……とりあえず、外の世界の時を戻してくれ……」
リョウカイシマシタ……
男「そうだ時計、お前何でできてるんだ?」
クウキデス
男「空気……死人でできてるってことか?」
マァソンナモンデショウネ
男「……そうか」
男「それと、時間を昨日の朝8時に戻してくれないか?」
リョウカイシマシタ……
ソロソロコノセカイガキエマス
男「……へ?」
コノセカイハ、アノアクマガスムタメニデキタセカイ
アノアクマガキエレバコノセカイハジキキエルコトニナルデショウ
男「消える……」
マァ、セカイガモトドオリニナルンデスシイインジャナインデスカ?
男「そうだな……」
デハ、ワタシガモトノセカイニモドシテアゲマス……
男「光……空気の割れ目か……」
アト、5ビョウ……
男「まずいっ!早くこの世界から出なければっ!」
男「戻ってきたのか……」
男「ここは、時計を拾った場所……」
男「けど、もう何も無いのか……」
男「あの時計に感謝でもしときゃよかったかな……」
男「割れ目が消えていく……」
スゥ……
男「完璧にあの世界は消えた……」
男「ん?時計が落ちてる……」
男「腕時計か……シンプルな腕時計だな」
男「……貰っとくか」
友「お?その時計結構似合ってるぞ」
男「似合ってるか?」
友「ブランド何よ?それ」
男「いや、何も書いてないからわかんね」
友「ふーん……」
友「どっかで見たことあるような気がするんだよな……」
男「気のせいだろ……」
友「似合いすぎてよぉ、なんかお前の為に作られてるって感じだぜ」
男「お世辞はやめなさい」
友「いやいや、本当だって」
END
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