宇津木「武部先輩が好きなんです」麻子「…は?」(130)

宇津木「あの~冷泉先輩」

麻子「ん?」

麻子「お前はたしか…」

麻子「一年の宇津木優季…だったな?」

麻子(話しかけられるのは初めてだな)

麻子「私に何か用か?」

宇津木「はい~」

宇津木「ちょっと聞きたいことがあって~」

麻子「なんだ?」

宇津木「冷泉先輩って武部先輩とつきあってるんですか~?」

麻子「………」

麻子「意味がわからん」

麻子「私と沙織がつきあってるように見えるのか?」

宇津木「はい~」

宇津木「だって~毎日起こしてもらってるじゃないですか」

宇津木「そういう関係に見えても仕方ないですよ~」

麻子「なわけあるか」

麻子「沙織とはただの幼馴染だ」

宇津木「よかった~」

麻子「うん?」

麻子「『よかった~』?」

宇津木「はい!『よかった~』です」

宇津木「冷泉先輩と武部先輩がそういう関係じゃないって~」

宇津木「私ほっとしました~」

麻子「まさか…お前…」

宇津木「あはは~お察しのとうりですよ」

宇津木「私、武部先輩のことが好きなんです」

宇津木「これから告白するつもりなんです」

麻子「………」ポカーン

麻子「いやいや…」

麻子「やめたほうがいいと思うぞ」

宇津木「どうしてですか?」

麻子「あいつがそういうのじゃないってのはお前も知ってるだろ」

麻子「というか…そもそもお前も彼氏がどうとか言ってなかったか?」

宇津木「ああ、それはですね…」

宇津木「実は私の空想上の彼氏だったんです~」

麻子「空想って…」

麻子(なかなかにクレイジーだなこいつ)

宇津木「ほら~公式ツイッターでも言ってたじゃないですか」

「ガールズ&パンツァー」公式アカウント
@garupan
この逃げられた彼氏は本当に彼氏だったかどうかは、かなり怪しいです(笑)。BV湯川

宇津木「って~」

麻子「メタ発言はやめろ」

宇津木「ぶっちゃけ火消しっぽいですけどね~」

麻子「それ以上はよせ」

宇津木「すみません~」

麻子「しかしお前…空想って…」

宇津木「もちろん痛いってのは自覚してますよ~」

宇津木「でも~そういう妄想とか好きなんですよね」

宇津木「空想上の彼氏にむかって腕組んだりして~」

宇津木「はたからみればおかしな人ですよね~きゃ~」

宇津木「今は戦車道やって引かれちゃって~」

宇津木「フラレちゃった~…って設定なんですよ」

麻子「そ、そうか…」

麻子(怖いなこいつ…)

宇津木(あ、引いてますね冷泉先輩)

宇津木(まあ当然ですよね)

宇津木「で、そんな痛い娘な私ですけど~」

宇津木「なんか武部先輩に共感したっていうか~」

宇津木「シンパシーってやつですかね~?」

宇津木「武部先輩って~妄想とかしてそうですし?」

宇津木「なんか私と似てるっていうか~?」

麻子「そんなことは……」

*・:..。o¢o。..:・*・:..。o¢o。..:・*・:..。o¢o。..:・*・:..。o¢o。..:・*・:..。o¢o。..:・

沙織『モテるの?モテモテになっちゃうのっ!?』

沙織『ああっ、もう!惚れられちゃったらどうしようー!』

沙織『罪な女の子…私の事ね!』

沙織『かに座はね、母性愛が強いんだよ!』

沙織『やっぱり視線を感じちゃうー♪』
(キャラクターソング vol.2 武部沙織(CV.茅野愛衣)『SUNNY GIRL』より)


沙織『どこかで私を見つめてるー♪』
(キャラクターソング vol.2 武部沙織(CV.茅野愛衣)『SUNNY GIRL』より)

沙織『ねえ麻子!私ってさ、やっぱモ(略』

*・:..。o¢o。..:・*・:..。o¢o。..:・*・:..。o¢o。..:・*・:..。o¢o。..:・*・:..。o¢o。..:・

麻子「……似てるかもな」

宇津木「ですよね~!」

麻子(すまんな沙織…否定できない)

宇津木「そんな武部先輩ですけど、恋愛経験はゼロなんですよね~」

宇津木「なのにあんなしたり顔で恋愛を語ろうとしたんですよ~?」

宇津木「もう!ちょうかわいいです武部先輩!」

宇津木「…で、何時の間にか好きになっちゃったんです」

麻子「…なるほどな」

麻子「まあどうであれ」

麻子「沙織に告白するのはあまり勧められんがな」

宇津木「へえ~」

宇津木「そうですか」

宇津木「もしかして冷泉先輩って本当は~」

宇津木「武部先輩のことが好きじゃないんですか?」

麻子「…………バカを言うな」

宇津木「うふふ、間がありましたよ~?」

麻子「うるさいぞ、妄想癖」

宇津木「ごめんなさ~い」

宇津木「じゃあ私、武部先輩に告白してきますね」

麻子「好きにしろ」

宇津木「きっと戸惑っちゃうんだろうな~」

宇津木「楽しみだな~」

麻子「さっさと行け」

宇津木「は~い」

タッタッタッ…

麻子「………」

麻子(ふん…どうせ断られるだろう)

麻子(可哀想だからヘコんでたら慰めてやるか)

・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆

・‥…━━━☆・‥…━━━☆

・‥…━━━☆

沙織「お待たせ優季ちゃん!」

沙織「どうしたの?私なんか呼び出して?」

宇津木「ちょっと先輩に言いたいことがあって~」

沙織「私に?」

宇津木「私…その…」

沙織(なにかな?)

沙織(あっ!恋愛の相談!?)

沙織(ふふん、先輩として後輩の相談に乗るのはとーぜんっ!)

沙織(恋愛マスターこと武部沙織に任せなさいっ!)

宇津木「せ…せんぱいのことが…」

宇津木「先輩のことが好きなんですっ!」

沙織(あれ?)

沙織「?うん、私も優季ちゃんのことは好きだよ?」

沙織「恋愛トーク仲間だしね!」

宇津木(あはは、そうきますか先輩)

宇津木(けどまあ想定してたことかな)

宇津木「違うんですよ先輩~」

宇津木「恋愛的な意味で『好き』って言ったんです」

宇津木「私を先輩の“彼女”にしてください!」

沙織「へ?」

沙織(優季ちゃんが…私のことを好きで…?)

沙織(うんと…それで…)

沙織「…えええっ!!?」

沙織「かっ…かかか彼女!?」

宇津木「そうですよ~彼女です~」

宇津木「……私なんかじゃヤですか?」

沙織「いや…そういうわけじゃないけど…」

沙織「私はそういうのに興味はないっていうか…」

宇津木(先輩は当然ノーマルだからそう言いますよね~)

宇津木(ま、私も少し前はノーマルでしたけど)

宇津木(先輩に出会う前までは)

宇津木(先輩の困った顔もかわいいな~)

沙織「そ、そもそもさ」

沙織「わ、私たちって…女の子同士じゃん…」

沙織「そういうのは…イケないと思うんだ」

沙織「私も優季ちゃんのことは好きだよ、でも…」

宇津木(うーん、どうしようかな~)

宇津木(よし、ここは…)

宇津木「だけど私は先輩のことが好きなんです!」

宇津木「好きで好きでたまらないんです!」

宇津木「大好きなんです!」

沙織「え、えと…///」

宇津木(照れてる顔もかわいいな~)

宇津木「私が先輩を世界一愛しているんです!」

宇津木「先輩のそばにいると私すっごく幸せなんです!」

沙織「そ、そうなんだ…////」

宇津木(やっぱりこういうストレートなのに弱いんだ先輩)

宇津木(思ったとおりだな~かわいい~)

沙織「だ、だけどね…私は…」

宇津木(あと一押し、かな…)

宇津木「お願いですせんぱい…」

宇津木「私…ホントに先輩のことが…」うるうる

沙織(うっ…泣き顔は反則だよー…)

宇津木「つきあって…ください先輩」ぎゅ…

沙織(だ、抱きついてきた…)

宇津木「せんぱい…」じっ…

沙織「あ…あうう…」

沙織(か…かわいい…)

宇津木(………落ちたかな)

宇津木(上目づかい…何度も練習した甲斐があった♪)

宇津木(同性につかうとは思ってなかったけど~)

沙織「わ…わかった…」

沙織「その…つきあってもいいよ…?」

沙織(あれ?なに言ってるの私ー!?)

宇津木「ホントですか~!」

宇津木「やった~!先輩大好きです~!」

ぎゅううううううううううううう…………

沙織(ううっ…やっぱりかわいい…)

宇津木「よろしくお願いします先輩~」

沙織「う…うん」

沙織「これからよろしくね優季ちゃ…」

宇津木「優季」

沙織「えっ?」

宇津木「『優季』ってよんでください先輩」

宇津木「恋人同士なんですから~」

宇津木「ね?」

沙織「わ、わかった」

沙織「こ、これからよろしくね優季」

宇津木「はいっ!先輩!」

宇津木(…こんなに計画どうりにいくなんて)

宇津木(ちょろいな~先輩って)

宇津木(でもそんなとこもかわいいな~)

沙織(………)

沙織(どうしよ…オッケーしちゃった…)

・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆

・‥…━━━☆・‥…━━━☆

・‥…━━━☆

沙織「………」とぼとぼ…

とぼとぼ…

麻子「おい」

沙織「わっ!」

沙織「なんだ麻子か…」

沙織「ビックリさせないでよ…」

麻子「別にそんなつもりはなかったんだが」

沙織「ああごめん…少しぼーっとしてた…」

麻子「………」

麻子(無理もないか)

麻子「なにかあったのか?」

麻子(まあ、原因はわかってるんだけどな)

麻子「よければ相談に乗るぞ」

沙織「えっと…」

沙織(麻子になら…話してもいいかな)

沙織「ちょっとね…こんなことが――――」

沙織「――――ってわけなの…」

麻子「…そうか」

麻子「告白したのは一年の娘なのか?」

沙織「うん…戦車道やってる優季ちゃんに好きだって…」

沙織「優季ちゃんは麻子も知ってるよね?」

麻子「ん、ああ、まあな」

麻子(あいつ…本当に告白したとは…)

麻子「それは災難だったな」

麻子「だがそう落ちこむな、沙織」

麻子「振って相手をヘコませてつらいのはわかるが…」

麻子「所詮そんな同性へ恋なんて、思春期特有の気の迷いでしかないんだ」

麻子「そいつも、いつか必ず後悔するときが来るはずだ」

麻子「だからお前が気に病むことなんてない」

沙織「違うの麻子…」

麻子「なにが違うんだ?」

麻子「こんなことでそんなに落ちこむなんて」

麻子「恋愛道の達人である沙織様から程遠いんじゃないか?」

沙織「そうじゃないの…」

沙織「私…オッケーしちゃったの…」

麻子「………………………………………………………」

麻子「…え?」

沙織「オッケーしちゃったの…」

麻子「ど、どうしてだ!?」

麻子「お前彼氏彼氏っていつも言ってただろ!!?」

麻子「………もしかしてもとからそういう…」

沙織「ち、違うよ!!」

沙織「そういうのじゃないって!!」

沙織「最初は断るつもりだったし!!」

麻子「だったらどうして断らないんだ!!」

沙織「仕方ないじゃん!」

沙織「だって…だって!」

沙織「か…かわいかったんだもん…」

麻子「」

沙織「そしたらなんか…」

沙織「なんか…無意識のうちにオッケーしちゃったんだもん…」

麻子「沙織…お前というやつは…」

麻子「…まあいいさ」

麻子「まだ遅くない」

麻子「はねのけるチャンスはいくらでもある」

沙織「そ…そうだよね!」

麻子「私も協力するから安心しろ」

麻子「…とりあえずこれから戦車道の練習だ」

麻子「引きずるなよ?」

沙織「わかった!」

沙織「うん!麻子と話して悩みが晴れてきたよ!」

沙織「ありがと、麻子!」

麻子「どういたしまして」

麻子(…)

麻子(まさか…沙織が…)

:::*:::*戦車道演習*:::*:::

みほ(…おかしいな)

みほ(いつも違って操縦が…荒れてる?)

みほ(冷泉さん調子悪いのかな?…めずらしい)

優花里(冷泉殿にも不調なときがあるんですかね?)

華(どうしたのでしょうか冷泉さん?)

麻子(沙織…)

麻子(まさか沙織が告白を受けるなんて…)

麻子(…なんで沙織じゃなくて私が引きずってるんだ)

麻子(集中…集中しろ)

沙織(麻子ってば…なんかヘン)

沙織(いったいどうしたんだろ?)

杏「はいお疲れー」

杏(今日はあんこうの調子が悪かったなあ…特に操縦)

麻子「………」

杏(でも自覚してるみたいだし、指摘はしないでいっか)

杏「今日はここまでだねーまた明日もヨロシクー」

桃「よしっ!解散だ!」

一同「「「「おつかれさまでしたー!」」」」

麻子「…」

沙織「ま…」

宇津木「せんぱ~い」

沙織「あっ、優季ちゃ…」

宇津木「優季」コソッ

沙織(み、耳元でささやかれた…)ドキッ…

沙織「ど、どうしたの優季」

宇津木「一緒に帰りましょ~せんぱ~い」

沙織「そ、そうだね」

大野「あれ?武部先輩って優季ちゃんのこと『優季』って?」

山郷「いつのまにそんな仲良くなったんですか?」

沙織「ち、ちょっとねー…」

宇津木「実はね~私と先輩はつきあってるんだよ~」

沙織「なっ!?」

澤「ええー!?」

佳利奈「最近流行りの百合アニメ!?」

丸山「…………………!?」

山郷「先輩ってそういう人だったんですか!?」

大野「スレ立てないと!!」

沙織「ち、ちょっと優季!!」

宇津木「いいじゃないですか~」

宇津木「みんなにも応援してもらいましょうよ~」

沙織「も、もう!!////」

麻子「……」

麻子「じゃあな、沙織」

麻子「お幸せに」

沙織「あ、麻子!待ってよ話が…」

沙織「…行っちゃった」

宇津木(…やっぱり武部先輩が好きだったんですね、冷泉先輩)

宇津木(これは注意しておかないと~)

一年「「「先輩どういうことですか!?」」」

一年「「詳しく聞かせてよ優季ちゃん!」」

キャッキャキャッキャ!

沙織「もうやだー!」

優花里「なんか賑やかですね西住殿ー」

みほ「そうだね、武部さんとうさぎさんたちとっても楽しそう!」

華「いったいどんな話をしていたのでしょうか?」

:::*:::*帰り道*:::*:::

沙織「もうくたくただよ…」

沙織「いったいなに考えてるのさー…」

宇津木「だって~」

宇津木「先輩とつきあってるって自慢したかったんです~」

沙織「勘弁してよー…」

宇津木「えへへ~」

ぎゅっ

沙織「ん?」

宇津木「恋人らしく腕組みですよ~」

宇津木「腕組みなんて初めて~きゃ~」

沙織「えーと?でも彼氏がいたって言ってなかったっけ?」

宇津木「ああ、あれですか?」

宇津木「あれはウソというか空想というか」

沙織「う…ウソ、くうそう?」

宇津木「はい~そうですよ」

宇津木「だから初めては先輩なんです~」

宇津木「先輩大好き~」ぎゅうう

沙織「…」

沙織(…やばい、かわいい……)

沙織(こんなのも悪くないかも…)

沙織(ハッ、いけないいけない!正気保たないと!)

宇津木(先輩柔らかいな~)

宇津木(…いつまで持つのかな、うふふ)

沙織「ええと…ここでお別れかな?」

宇津木「はい、私の家あっちにあるんです~」

沙織「そっか、また明日ね優季ちゃ…優季」

宇津木「よくいえました~」パチパチ

沙織「慣れないなぁコレ…」

宇津木「そのうち慣れますって~」

宇津木「じゃあ恋人なので~」チュッ

沙織「んむっ!?」

宇津木「お別れのキスです~」

沙織「ななな…!//////」

宇津木「先輩さよなら~」たったった…

沙織「『さよなら~』じゃないよ!!」

沙織(私のファーストキスがぁ…!!)

沙織(でも…なんだか柔らかかったな…)

沙織(幸せ…かも)

沙織(…いやいや!冷静になって私!!)

沙織「……」

沙織「…優季のバカ」

※*※*数日後*※*※

沙織「聞いてよ麻子ー優季ってばさー」

麻子「………」

麻子(『優季』か…)

麻子(いつのまにか『優季ちゃん』から呼び捨てで呼ぶようになったな…)

沙織「でさー…ねえ麻子聞いてる?」

麻子「聞いてない」

沙織「なによそれー」

麻子「…沙織」

麻子「お前もしかして楽しんでないか?」

麻子「もうこのまま受け入れよう、とか思ってないよな?」

沙織「そ、そんなことないって!」

沙織「でも…ちょっと楽しかったり?」

沙織「女の子であれ人に好かれるのは悪い気しない…じゃん?」

沙織「あはは…」

麻子「なっ…」

麻子「…もういい」

麻子「お前の相談に乗るのがバカらしくなってきた」

沙織「あっ…待ってよ麻子!」

沙織「そんなに怒らないでよー…」

沙織「そうだ!前から聞きたかったんだけどさ麻子」

沙織「最近麻子ってばヘンだよ?」

沙織「なんか戦車道のときもいつもの麻子らしくないっていうか…」

沙織「なにかあったの?私でよければ相談に乗るよ!」

沙織「こんなときこそ幼馴染の出番ってやつでしょ!」

麻子「……」

麻子「誰のせいだと思ってるんだ…?」

沙織「あ…あれ?」

沙織(な…なんかさらに怒らせちゃった感じ?)

沙織「ま…麻子…?」

パシィ

麻子「触るな」

沙織「……」

沙織「…なにそれ」

沙織「…もう麻子なんて知らない!」

沙織「バカ!麻子のバカっ!」

タッタッタッ…

麻子「………」

麻子「沙織…」

麻子「…」とぼとぼ…

山郷「ねえ聞いたー?」コソコソ

佳利奈「なにがなにがー?」コソコソ

麻子(この声は…一年か)

大野「優季ちゃん今日武部先輩の家にお泊りだってー」コソコソ

丸山「…………………!」

麻子(!?)

佳利奈「マジっすか!」コソコソ

山郷「うわーだいたーん!」コソコソ

佳利奈「よっしゃー!明日いろいろ聞いてみよ!」コソコソ

澤「ダメだよー…先輩困らせちゃ…」コソコソ

大野「『高校の先輩(♀)が後輩(♀)とお泊りな件』っと…」ポチッ

麻子(お泊り…だと)

麻子(沙織のやつ…よくも私に黙って…)

麻子(…私には関係のないことだ)

麻子(…帰ろう)

:::*:::*麻子の家*:::*:::

麻子「………」

麻子(眠れない…)

麻子(学校のときはいいすぎたか…)

麻子(そのまま話してたらお泊りのことも話したのだろうか…)

麻子(沙織のやつ…いまなにしてるのかな…)

麻子(…ふん、沙織と私はただの幼馴染だ)

麻子(別に沙織があいつとなにしようが知ったことか)

麻子(あいつらは恋人同士なんだからな)

麻子(…沙織)

麻子(いやな…予感がする…)

麻子「…………」

麻子「くそっ!」がばっ!

麻子「眠れん…責任を取ってもらうぞ沙織…!」ガラッ!

:::*:::*沙織の家*:::*:::

宇津木「どうしたんですか~先輩?」

宇津木「元気ないですよ~?」

沙織「うん…ちょっとね…」

沙織「麻子とケンカしちゃったんだ…」

宇津木「冷泉先輩とですか?」

宇津木「大丈夫ですよ~すぐに仲直りできますって~」

宇津木「だって先輩と冷泉先輩は幼馴染じゃないですか~」

宇津木「ねっ?だから元気だしてください!」

沙織「うん…そうだね!」

沙織「ありがと、優季」

沙織「なんか元気出てきた!」

宇津木「どういたしまして~」

宇津木(そっか~ケンカしたんだ~)

宇津木(チャンスかな…)

沙織「でも私たちってつきあってるのに結婚情報誌とか読みあってさ」

沙織「なんかおかしいよねーあはは」

宇津木「そうですね~」

宇津木「だけど私はこうやっていままでどうり~」

宇津木「先輩とすごせるだけで幸せですよ~?」

沙織「優季…」

宇津木「すっかりそのままの名前で呼んでくれるようになりましたね」

宇津木「つきあってるって自覚もあるみたいですし、嬉しいです先輩」

沙織「それは…その…」

宇津木「あはっ…恥ずかしがらなくてもいいですよ、先輩」

宇津木「そうだ~」

宇津木「先輩って~こういう雑誌は読んだことありますか?」

沙織「えと…どれどれ…」

沙織「ひゃっ…な、なにこれ!////」

宇津木「やっぱりないんですか~」

宇津木「うふふ、先輩ったらウブでかわいいな~」

沙織「だって…そういうのって…////」

宇津木「うんうん、わかりますよ~」

宇津木(そろそろ冷泉先輩も限界だろうし…)

宇津木(面倒なことになる前に済ませようかな)

宇津木「ねえ…せんぱい…」

沙織「な…なに?」

宇津木「いいですよね?」

沙織「な…なにが?」

宇津木「もう~わかってるくせに~」

宇津木「せっかくのお泊りなんですよ~?」

宇津木「もう一度聞きますね?」

宇津木「いいですよね」

沙織「あ…う…」

沙織(ずっとこうだ…)

沙織(告白されてからずっと優季のペースにのまれて…)

沙織(なにも…できなくなっちゃう…)

宇津木「なにも言わないってことは…いいってことですよね」

宇津木「脱がせますよ?」

パサ…

宇津木「あはっ…抵抗一つしないんですね、先輩」

沙織「だ…だって…」

宇津木「情けないとは思わないんですか?」

宇津木「後輩の娘に好きなようにされて」

沙織「うう…」

宇津木「ホントにノーマルだったんですか?」

宇津木「ホントは年下の女の子に、ずっとこうされたかったんじゃないんですか?」

沙織「そ…そんなこと…」

宇津木「でも…そんな情けない先輩も、私は好きですよ?」

宇津木「続けますね」

沙織「あうう…」

ピンポーン

宇津木「!」

沙織「!」

麻子「私だ、沙織」

麻子「開けてくれ」

沙織「ま…麻子!?」

宇津木「………」

宇津木(う~ん、ちょっと予想外だな~)

宇津木(まあどうにかなるかな~)

宇津木「私が開けますよ、先輩」

沙織「えっ!で…でも!」

沙織「ま、待って、私まだ服きてな…」

ガチャ

宇津木「こんばんわ~冷泉先輩」

麻子「…な」

麻子「お前まさか…」

宇津木「ええ、そのまさかですよ~」

宇津木「しちゃいました~」

沙織「してない!してないからね!?」

麻子「………」

麻子(沙織の様子から見て本当にしてないようだな)

麻子(よかった…)

宇津木(沙織先輩の様子で大丈夫だと察したようですね~)

宇津木(さすが幼馴染って感じですか、妬いちゃうな~)

宇津木「こんな夜中にいきなり押しかけるなんて~」

宇津木「いったいどうしたんですか~冷泉先輩?」

宇津木「幼馴染とはいえ~ちょっとデリカシーがないんじゃないですか?」

麻子「それほど気の置けない仲ということだ」

宇津木「へえ~そうですか~」

宇津木「でもそのようだと~私がいるのも知ってたみたいですね」

宇津木「ふつうそんなことします?」

宇津木「馬に蹴られて死んじまえ~ですよ?」

麻子「…それはお前の言うとおりだ」

麻子「私と沙織は幼馴染でしかない」

麻子「一方でお前と沙織は恋人同士だからな」

宇津木「ですよね~」

麻子「…少し沙織に話したいことがあってな」

沙織「私と…話?」

麻子「学校ではすまなかったな、沙織」

沙織「ああ…うん」

沙織「全然気にしてないから安心して!」

麻子「そうか」

麻子「ありがとな」

宇津木(うわ~ホントすぐに仲直りしちゃったよ~)

麻子「戦車道で不調だったのは沙織が原因だったんだ」

沙織「えっ?」

麻子「それでわかったんだ沙織」

麻子「私も沙織が好きなんだ」

沙織「…な!?」

麻子「私とつきあってくれ」

麻子「嫌か?」

沙織「い、嫌じゃないけどさ!ていうか…」

麻子「よし、嫌じゃないならこれで私も沙織の恋人だな」

麻子「これでいいのか?」

宇津木「…先輩って本当、情けないですね」

宇津木「私の前なんだからそこは嫌って言うべきなんですよ?」

沙織「あう…」

沙織「すみません……」

宇津木「う~ん…」

宇津木(先輩に一人だけを選んでほしいところだけど…)

宇津木(情けない先輩じゃむりっぽいな~)

宇津木(それに…このまま平行線になるようなら短いつきあいの私じゃ不利…)

宇津木(なんだかんだで先輩は、まだ私より冷泉先輩のほうが好きだろうし~)

宇津木「仕方ないですね~」

宇津木「ここは先輩を半分こってのはどうですか~冷泉先輩?」

麻子「半分こ?」

宇津木「はい~半分こです~」

宇津木「これでも最大限の譲歩ですよ~?」

宇津木「まさかいきなり現れて私から先輩すべてを奪っていくわけじゃ~」

宇津木「ないですよね?」

宇津木「それに~先輩じゃ私と冷泉先輩の二択はむりだと思うんです~」

麻子「………」

麻子(まあ沙織じゃ…無理だろうな)

麻子(ここは宇津木の口車に乗ってやるか)

麻子「わかった、乗ろう」

宇津木「話がわかる~!」

沙織「ち、ちょっと!半分こってなに!?」

沙織「私を置いて勝手に決めないでよー!」

宇津木「バカだな~先輩は~」

宇津木「じゃあ私か冷泉先輩」

麻子「どっちか選べるのか沙織?」

沙織「あ…ええと……」

沙織「…できません」

麻子「………」

宇津木「優柔不断でホント情けないな~先輩は」

沙織「あうう…」

宇津木「それじゃあ~せっかくですし~」

宇津木「二人で沙織先輩を愛でましょうか~」

麻子「…そうするか」

沙織「え…ま、待って!まだ心の準備が…」

沙織「やだもー!!!!」

・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆

・‥…━━━☆・‥…━━━☆

・‥…━━━☆

大野「ねえ聞いたー?」

山郷「なになに?なんかあったの?」

大野「冷泉先輩も武部先輩に告ったんだってー」

佳利奈「マジ!?今流行のハーレムアニメ!?」

丸山「…………………!!」

山郷「武部先輩モッテモテー!」

澤「女の子限定っぽいけどね…」

大野「『高校の先輩(♀)が女の子にモテすぎワロタwwww』っと…」ポチッ

宇津木「せんぱ~い、一緒に帰りましょ~」ぎゅっ

麻子「帰るぞ沙織」ぎゅっ

沙織「ちょっ、二人とも私に腕組みしないでよ!?」

沙織「歩きにくい!歩きにくいから!」

桃「…最近たるんでますね、あいつら」

杏「いいんじゃないのー冷泉ちゃんの調子も戻ったしー」

みほ(私も…お姉ちゃんとあんな風に…)

優花里「西住殿…あ、あの…わ、私とお…おつき…」

みほ「え?なに?聞こえなかったよ秋山さん」

優花里「……なんでもないでしゅ…」

華(沙織さん…わたくしも沙織さんのことが…)

宇津木「負けませんよ?」

麻子「こっちこそ」

沙織(どうして私は…いつも…こう…)

沙織「あはは…一応モテモテだし…幸せ…かな……」

ホントもう
困ります
モテ過ぎみたい(女の子に)
(キャラクターソング vol.2 武部沙織(CV.茅野愛衣)『SUNNY GIRL』より)

≒≒おわり≒≒

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