京太郎「うおおおおお!! 優希いいいい!! うおおおおお!!!」(158)

優希「ほいっ、京太郎っ」スッ

京太郎「あん? なんだよこれ」

優希「わからんのか?」

京太郎「お前からの貰いもんなんて今まで一度もなかったろ」

優希「はぁ、これだから犬は」

京太郎「なんなんだよ。 気になる」

優希「……今日は2月2日。 だーれかさんの誕生日だじぇ」

京太郎「……あっ」

優希「わかったか? だから、ホレ」スッ

京太郎「まさか……俺の……誕生日プレゼント……?」

優希「うっ……さ、さっさと受け取る! そんな顔で見んな!」グイッ

京太郎「優希が……俺に……プレゼントを……」

京太郎「……うっ……ううっ……っ」

優希「きょ、京太郎? まさか……泣いて……」


京太郎「……っ!」

京太郎「優希いいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!」


ガバッ


優希「ぎょえええええええええええええええええええええ!!!???」

京太郎「うおおおおおお!! 優希いいいいいい!! うおおおおおおお!!!」

ギュゥウウウウウウウウウウウウ

優希「ぶっ! …ちょ、きょうた、おまっ、なにっ」


京太郎「おおおおおおおお前ってやつはああああああ!!!」

京太郎「いつもいつも俺をからかうぐらいしか脳が無いタダのタコス野郎だと思っていたが」

京太郎「こんなサプライズを俺にしてくれるなんてええええええあああああああああ!!!!」

優希「おち、落ちつ、きょうたろっ」


京太郎「俺は嬉しいぞおおおおおおおおおあああああああああ!!!」

スリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリ

優希「うひゃあっ!?」


京太郎「よぉおおおおおおおしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよし!!!!」

優希「ちょっ……なにやって……んっ……こらぁ……!」

京太郎「あああああああありがとなあああああああああ優希いいいいいいいいああああああああ!!!!!」

――数分後

優希「……お、おのれ京太郎……まさかこんなにハレンチなやつだったとは思わんかったじぇ……!」

京太郎「ち、違うっ! 俺は喜びを表したくて……」

優希「だからって……だからって急に人に抱きつく奴があるかっ!!」

京太郎「それぐらい嬉しかったんだって!!」

優希「!!」

優希「……そ、そんな……大したもんじゃないじぇ……」

京太郎「プレゼントをくれるってこと自体嬉しいんだよ!」

優希「ん……なら……さっさと開ける……」

京太郎「おお、そうだ! 中身はなんだ!?」

京太郎「優希のことだしやっぱタコスか? それともタコ焼き? いや、タコ飯だったり!!」

優希「ううう、うっさい!! 黙って開けるじぇ!!」

京太郎「なにかななにかな~♪」

ビリバリッ

京太郎「こ……これは……!!」

 キランッ

京太郎「……なんだこれ」

優希「……ネックレスだじょ」

京太郎「ネックレス?」

優希「……京太郎、あんまそういうの付けないし……。 に、似合うと思うし……」

京太郎「優希……」

優希「……こ、こっち見んな……」

京太郎「優希ぃ……!」

優希「……い、嫌な予感……」



京太郎「優希ぃいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!!」

ガババッッ

優希「だじぇえええええええええええええええ!!!!????」




優希「」

 ギュゥウウウウウウウウウウウウ!!

優希「わぷっ! やっ、こらっ……」

京太郎「このやろおおおおおおお!! いつもはこんな気遣い見せねえくせによおおおおおお!!!」

京太郎「こんな時だけ気遣いマックスでよおおおお! お前はあああああああ!!!」

優希「やぁっ……きょうたろ……強いっ……」

京太郎「俺に似合うとかそんなこと思いながら買ったのかこんちくしょおおお!!!」

京太郎「そんな……そんなこと言われたら……!!」


京太郎「撫でるしかねえだろおおおおおおおおおおおおああああああああああああああ!!!!!!」

ナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデ

優希「ふひゃぁ!!?」


京太郎「よおおおおおおおおおおおし!!! よしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよし!!!!!」

ナデナデナデナデナデナデナデナデ

優希「ああぁ……やめ……やめてぇ……////」

京太郎「これかっ!? これがいいんかあああああああああああ!!!!!!!!」

優希「あう……うぁ……きょうたろぉ……おまえ……おまえぇぇ……」

京太郎「くぅうううううううう!! このやろっ! このやろっ!!」

 ギュゥウウウウウウウウウウウウ

優希「ふぁああああああああああ……!」


優希(なんだじぇこれ……京太郎に抱かれて……頭ナデられて……)

優希(体の奥底が……ポカポカしてくる……うわ……うわわわわ……)


京太郎「ありがとな!! ありがとな!!! 毎日これ付けてくるからな!!!」

優希「うぁ……ああぁ……」

京太郎「そんで、道行く人皆に『これ、友人から貰ったんスよwwwww』って自慢しまくってやる!!!!」

優希「……そんな……やめてぇ……」

京太郎「優希!! 優希ぃいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!!」

ギュゥウウウウウウウウウウウウ !!!!!!!


優希(そんな……っ! 今そんな強く抱かれたら……アタシアタシ……!)

優希「!!」

優希(体が……シビれ……っ!?)

 ビクンッ

優希「―――ッ!」


京太郎「……おっ?」

優希「―――……っはぁっ……はぁ……はぁ……」

京太郎「……だ、大丈夫か? ちょい、やり過ぎたか?」

優希「……だ、だいじょ……うぶ……」

優希(……じゃ……ないじぇ……)


バタンッ


――――
―――
――

京太郎「優希? ……おーい?」

優希「……ぁ……ぁぁ……」

京太郎「……あぁ、またやっちまった……」


??「もう。 感極まるのはわかるけど、程々にしなきゃ駄目だよ? 京ちゃんっ」

京太郎「えっ」

京太郎「……さ、咲っ!和も!」

咲「ムフフフ……」

和「な、なにやってたんですか? 優希が凄いことになってますけど……」

京太郎「あ、ああ。 これは俺のせいで……」

咲「ちょっとした貧血じゃないかなっ? それを介抱してたんだよね?」

京太郎「さ、咲?」

咲「シーッ……」スッ

京太郎「……?」

咲「とりあえずこの場は、ね?」ボソッ

京太郎「あ、ああ……」

和「優希が? ……貧血を起こしたことなんて一度も無いのに……」

咲「女の子だもんっ、色々あるんだよっ」

和「……そ、そうですか……」

京太郎「と、とりあえず。 優希を仮眠ベッドに……」スッ


京太郎「そういえば部長とまこ先輩は?」

咲「部長は生徒会のお仕事。 染谷先輩は今日バイトだってさ」

和「部長が来るまでは各自自主練、とのことです」

京太郎「そっか。 じゃあ俺は優希看てく……」

咲「ちょっと待った。 和ちゃん、京ちゃんに何かあるんでしょ?」

京太郎「えっ」

和「……あ、はい、そうでした。 ……須賀くんに……」ゴソゴソ

和「これをっ」スッ

京太郎「……これは……」

和「はいっ」

和「誕生日プレゼントですっ」ニコッ

京太郎「和が……俺に……?」

和「誕生日おめでとうございます。 これからも、同じ部の一員としてよろしくお願いしますねっ」

京太郎「……っ……っ……」

咲「良かったね、京ちゃん! ほらっ、中身開ける開けるっ!」

京太郎「あ、ああ……!」

 バリバリッ

京太郎「こ、これは……これはぁ……!」

京太郎「……『おしえて!科学する麻雀』……」


和「須賀くんが麻雀部の一員になって随分経ちますけど、失礼ながら、須賀くんはまだまだ初心者の打ち手」

和「本当なら実際に打って鍛えるのが一番ですが、残念ながら須賀くんにはあまり打つ機会がありません」

和「ですので、私が今まで読んだ麻雀参考書の中で一番良かったものを差し上げますっ」

京太郎「これを……俺に?」

和「はいっ。 それを読んで、少しでも上手い打ち手になってください」

和「そして……私達と一緒に打ちましょう?」

京太郎「……和……っ!」

京太郎「俺のために……こんな……こんな……」

咲「だってさ、京ちゃん! ねえねえ、どうするどうする?」

京太郎「どうする……って……?」

京太郎「……どうするって言ったら……」

咲「どうするって言ったら?」


京太郎「どうするって……」

 スッ

和「……須賀くん?」


京太郎「抱くしかねえだろおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」

グワバッ


和「えっ、えええええええええええええええええええ!!!???」


ギュムッ !!

京太郎「ぬあああああああ!!! 和!!! のどかぁあああああああああああああああ!!!!!!!」

和「す、すがく、え、ええええええ!!?」


 ギュムゥウウウウウウウウウウウウウウウウウウ

京太郎「うおおおおおおおおお!!! ありがとおおおおおおおおお!!! ありがとうぉおおおおおおおおあああああ!!!」

京太郎「お前がこんなに天使だなんて知らなかったよおおおおおうわあああああああ!!!」

京太郎「心の中でいつも『ああ、やっぱ和は男なんてアウトオブ眼中のレズ淫ピなんだな』なんて思ってごめんよおおおおおおああああああ!!!!」

京太郎「いいこじゃんっ!! めっちゃくちゃいい子じゃん!!!! 誰だよ和のこと淫ピ言った奴出てこいよ!!! ぶっとばしてやるわぁああああああ!!!!」

和「な、なに言って……」

京太郎「んもぅ、のどっち大天使!! いい子いい子!!!!」

 ナデナデナデナデナデナデナデナデ !!!

和「ひゃっ、な、なんで撫で……ふぁっ……」

京太郎「いい子いい子いい子いい子いい子いい子いい子いい子いい子いい子!!!!!!!」

 ナデナデギュムギュム ナデナデギュムギュム

和「んっ……あっ……ああっ……!」

和(す、須賀くん……こんなに喜んでくれるなんて……)

和(嬉しいと言われたら嬉しいけど……これはちょっと……激しすぎっ……んくっ……!)


和「も……もう、十分でっ……すがくっ……やめっ……」

京太郎「いい子いい子いい子いい子いい乳いい子いい子いい子いい子!!!!」

ナデナデナデナデナデナデナデナデ ギュゥウウウウウウウウウウウウ

和「んっ……やっ……なにこれっ……んんっ……!」


和(撫でられてるだけなのに……気持ちいい……)

和(それに……心の底から……ホッとする……。 どうして……?)


和「あぁ……ああぁ……これっ……これぇ……!」

京太郎「うおああああああああ!!!! この本を聖典としてやるぅううう!!! そんで毎朝毎晩拝んで生きるわあああああああ!!!!」

ギュゥウウウウウウウウウウウウ


和「あ……。 あっあっあっ……あっ……っ!!」

和(そんなに強く抱かれたら……私……!!!)

和「―――っ、ああっ!!!」

ビクンッ....

和「あっ……あぁ……あぁぁぁ……」ズルッ

 クタリ.....


京太郎「……ハッ!! 何やってんだ俺は!!?」

咲「あーあ……またやっちゃったねぇ。 感極まり過ぎ」

京太郎「わ、悪い……。 で、でも、まさか和からプレゼントがもらえるだなんて……」

京太郎「う、うおお……うおおおおおおおお!!!! 和ぁあああああああああ!!!!!」

ギュゥウウウウウウウウウウウウ

和「んんはぁっ!?」

 ビクンッ

京太郎「あっ」

咲「もう……追い打ちかけないの。 駄目じゃない、京ちゃん」

京太郎「す、すまん……」

咲「……むふふっ。 相変わらずだね、そのハグ癖っ」

京太郎「最近嬉しいことなかったからなぁ……。 今の時期だと、ついやっちゃうんだ」

咲「最近は大人しくなってきたからちょっと残念だったけど……ふふ、久しぶりに見れたなぁ」

京太郎「と、とりあえず和を仮眠ベッドに……」

咲「仮眠ベッドは優希ちゃんが使用済みだよ?」

京太郎「……優希はロッカーに入れて、と」

咲「いいねっ」


京太郎「ふぅ……」

咲「……いつ頃からだっけか。 そのハグ癖」

京太郎「ん……。 初めてが咲だったから……中2,3の頃かなぁ」

咲「そっかぁ。 あれからそんなに経つのかぁ……」

京太郎「懐かしいなぁ」

咲「覚えてる? 私の初めての時」

京太郎「そりゃあ覚えてるよ。 あれほど嬉しいこと、忘れるわけがないさ……」

………。

――2年前。 京太郎、咲。中学2年の時。


咲「きょうちゃーんっ!」

京太郎「んー? あ、咲」

咲「みてみてー! お花、咲いたの!」

京太郎「咲だけに花『咲く』ってか。 なんの花?」

咲「Phalaenopsis」

京太郎「は?」

咲「だから、Phalaenopsis」

京太郎「ファ?」

咲「ファレノプシス! 胡蝶蘭のこと!」

京太郎「あ、ああ、胡蝶蘭ね。 専門用語で言われてもわかんねーよー」

咲「えへへ。 どう? 知的に見える?」

京太郎「すっげー、咲さんちょーちてきー」

咲「む、むー!」

京太郎「ハハハッ」

京太郎「それで? そのコチョーランが咲いたって? 咲はホント花好きだな」

咲「うん! お花大好きだよ!」

京太郎「……でも、ピンクの胡蝶蘭?普通は白じゃないのか?」

咲「ピンク色の胡蝶蘭もあるんだよっ。 他にも、青色なんかもあるしっ」

京太郎「ふぅん」

咲「……そ、それでね? ……その……」

京太郎「?」

咲「京ちゃん……今日、誕生日でしょ?」

京太郎「え? ああ、そうだけど……」

京太郎「……あれ? 俺お前に言った覚えあったっけ?」

咲「きょ……京ちゃんのことならなんだって解るんだよっ」

京太郎「へ、へぇ……すげぇなぁ」

咲「だから……。 ……ハイッ! 誕生日、おめでとう!」

京太郎「う、うん。 ありがとう」

咲「えへへ……」

京太郎「……な、なんか、気恥ずかしいな……」

咲「そ、それでね。 胡蝶蘭の花言葉、知ってる?」

京太郎「い、いや?」

咲「……白い胡蝶蘭の花言葉は、『清純』。 青い胡蝶蘭の花言葉は『幸福をアナタへ』」

咲「そして……ピンク色の胡蝶蘭は……」

京太郎「……ピンクは?」

咲「……耳、貸してっ!」グイッ

京太郎「うおっ」


咲「……『あなたを愛します』……なんだって」ボソッ

京太郎「えっ」


咲「……」スッ...

京太郎「咲……お前……」

咲「……///」

京太郎「……」

咲「……そ、そういうことだからっ!」

京太郎「……っ……っ」

咲「そ、それじゃね……」

京太郎「……っ!」

 ギュッ

咲「ふぇ?」

京太郎「……咲……っ!」

咲「きょ、京ちゃん? だ、駄目だよ……ここ、道路の真ん中……」

京太郎「咲……咲……っ!」

咲「……きょう……ちゃ」



京太郎「咲ぃいいいいいいああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!」

ギュゥウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ


咲「ひゃわあああああああああああああああああ!!!!?????」

京太郎「咲ぃいいいいい!! お前!! お前ぇえええええあああああああ!!! 」

京太郎「いじらしすぎるわぁああああああああああ!!!!!!」

京太郎「なんだよ!! 花言葉で告白とか90年代の告白かよ!!! お前本当に中学生かよ!!!!!」

京太郎「素直に可愛いわぁああああああああああああうあうあうあうあうあうあうあああああ!!!!!!」

 ギュゥウウウウウウウウウウウウ !!!


咲「はわ……はわわわわわわわわ……」

咲(あわ、あわわわわわわ……京ちゃんが……京ちゃんが京ちゃんが京ちゃんがぁ……)

咲(なにこれ……心が満たされてく感じ……。 京ちゃんに抱きつかれてるのに……気持ちいい……)


京太郎「お前の可愛さに俺もう脱帽だよ! 将来魔王になるんじゃないかと心配だよ!! それぐらい可愛いわああああああああああああ!!!!!!!」

京太郎「このやろっ! もう堪らん! 頭なでまくってやるわああああああああああああ!!!!!!」

 ナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデ


咲「あ……あっ……あああっ……」

咲(こんなの……幸せ……。 幸せ過ぎるよぉ……!)

 ビクンンッ!!!

咲「――っ!!! ……っはぁ……はぁ……」

京太郎「!! ご、ごめん咲! 痛くなかったか!?」

咲「はぁ……。 きょ、きょうちゃん……きょうちゃぁん……」

京太郎「だ、大丈夫か!? ちょっと待ってろ、今、お母さん呼んで……」

 ギュゥ....

京太郎「!? さ、咲!?」

咲「……ゃだよぅ……離れちゃ……いやぁ……」

京太郎「……さ、咲……」

咲「もっと……もっとぉ……!」


咲「もっと強くしてぇ……京ちゃぁん……」

京太郎「!!!」


京太郎「さ、咲ぃいいいいいいいいいいいいいいいああああああああ!!!!!!!!!!!!」

咲「京ちゃぁあああああああああああああああああん!!!!!」


 ギュゥウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ!!!!!!!!!

―――
――


京太郎「……今思うと……なんかとんでもないことしてた気がする」

咲「ふふふっ……。 あの時の京ちゃん、激しかったなぁ……」

京太郎「……うおぉ……恥ずかしい」

咲「ふふふっ」


咲「そーんなわけで! ハイ、京ちゃん! 誕生日おめでとう!」

京太郎「ん、おう。 いつもありがとな」

咲「えへへ。 渡すのはこれっ!」

 スッ

京太郎「これは……確か……」

咲「そう! Myosotis scorpioidesだねっ!」

京太郎「いや、わからんから」

咲「勿忘草だよ。 今年も綺麗に咲いたなぁ」

京太郎「ワスレナグサか。 綺麗なもんだな」

咲「勿忘草と言えば、名前の通り、どこか寂しげなイメージを感じさせがち」

咲「だけど、とても綺麗な花言葉を持ってるんだよ」

京太郎「……というと?」

咲「有名なのは『真実の友情』とか、『誠の愛』とか」

京太郎「へぇ……」

咲「だけど、京ちゃんに伝えたいのはもう1つの意味」

京太郎「……」



咲「……『私を忘れないで』 ってね」


京太郎「!」

咲「そして、こっちも」

京太郎「これは?」

咲「Snowdrop。 待雪草だよ」

京太郎「マツユキソウ……」

咲「花言葉は……『希望』」

京太郎「……ほう」

咲「……京ちゃん。 確かに京ちゃんは仲間はずれになりがちかもしれない」

咲「ウチの麻雀部は京ちゃん以外は皆女子だし、合宿にだって一緒にはいけない」

京太郎「……」

咲「だけど、忘れないで。 私がいるよ」

京太郎「咲……」

咲「孤独を感じそうになったら、いつでも私に言って。 スグに京ちゃんの元に駆けつけるから」

咲「だから……。 ……希望を忘れないで」

京太郎「咲……!」


咲「……改めて、誕生日おめでとう。 ……京ちゃん」

京太郎「咲……っ。 俺……俺……っ!」

咲「……いいよ。 ……おいで、京ちゃん」


咲「優しく、してね?」


京太郎「咲ぃいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!!!!!!!」


 ガバッ

――――
―――
――


咲「はぁ……はぁ……」

京太郎「ふぅ……ふぅ……」

咲「や……優しくして……って言ったのに……」

京太郎「ご、ごめん……ホント、久々だったから……」

咲「……ふふっ。 でも、嬉しかったから……いいよ」

京太郎「咲……」


京太郎「なんかもう、一生分くらいハグした気がする」

咲「む、駄目だよそんなの。 京ちゃんにはまだまだハグして撫でてもらうんだから」

京太郎「マジかよ」

咲「とりあえず、私の誕生日までは毎日ねっ!」

京太郎「……は、半年以上……」

咲「むふふっ」

咲「……ところで京ちゃん。 私、今年で16になるんだけど」

京太郎「……そりゃそうだろ」

咲「……16歳になるんだよ?」

京太郎「?」

咲「……」


咲「結婚できる年齢になったんだよ?」

京太郎「あっ」


咲「……ふふっ」

京太郎「……っ……っ」

咲「私の誕生日プレゼント、期待してるからね?」

京太郎「……さ、咲……!」

咲「……待ってるから、京ちゃん」


京太郎「!!!」

和「ん……私、なんで寝て……」ムク...

優希「誰だアタシをココに入れたの!! ロッカーは部長だろうがぁ!!」ドガァ

久「ごめん皆! 生徒会の仕事で遅れたっ!」ガチャッ

まこ「おっす」



京太郎「咲ぃいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!!!!!!!」

咲「京ちゃぁああああああああああああああああああん!!!!!!」

 ギュゥウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ!!!!!!!



和「 」

優希「 」

久「 」

まこ「おっす」




―カンッ

ネタSSのはずが変にイイハナシダナ-してしまった
久も書きたかったけど、まあいいべ

お前らとりあえず花買え花
そんで、読んでくれてありがと
また会ったらよろしく

ああ、いい忘れてた
誕生日おめでとう京太郎
百合も好きだけど京太郎も好きよ

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