モバP「まゆとの毎日」(104)

プロデューサーさん、代行ですよぉ……

モバP「さいきん、まゆの血を飲ませてもらってるんですけど」

ちひろ「えっ?」

モバP「飲みはじめてから身体の調子がいいんですよね」

モバP「まゆに身体の中から応援されてる気持ちになるっていうか……」

ちひろ「そんなの、おかしいですよ……」

モバP「えっ、なにがです?」

モバP「あ、そうかそうか!」

モバP「大丈夫です!実はおれとまゆは一ヶ月前から付き合っていますから」

ちひろ「いえ、知ってますし、そういうことじゃなくて……」

ちひろ「ふつう人の血なんて飲まないですよ……ね」

モバP「えっ」

ちひろ「その……冗談ですよね?」

モバP「……やだなぁ、ちひろさん!冗談に決まってるじゃないですかぁ!」

ちひろ「で、ですよねぇ!」

ちひろ「もうっ!こんな悪趣味な冗談はもうやめてくださいね!」

モバP「あはは、すみません」

ちひろ「まったく……」

モバP「(恋人に血を飲ませてもらうってふつうのことじゃないのか……)」

モバP「(これからは、あまりこのことを言い触らすのはやめるか)」




まゆ「お誕生日おめでとうございました……Pさん」

モバP「えっ?おれの誕生日はまだ先だけど」

まゆ「だってほら……うふ……わたしたちが出会う前の誕生日は祝ってなかったじゃないですか」

まゆ「だからいままでの分を今から祝おうと……」

まゆ「どうぞ……、一歳の誕生日おめでとうございました、Pさん…」

モバP「なるほど……」

まゆ「うふ……プレゼント開けてみてください」

モバP「おう、なにかな……ん?」

ガザゴソ

モバP「これは……指輪!?」

まゆ「はい、そうです……」

まゆ「ふつつか者ですが、わたしと結婚してください…!Pさん……」

モバP「まゆ……お前……」

モバP「まったく……こういうことは俺からするべきだろ?」

まゆ「そ、それじゃ…!」

モバP「あぁ……結婚しよう、まゆ」

まゆ「…うふ……うふふ……うふ…」

まゆ「嬉しいです……Pさん」

モバP「……まゆ!」

ダキッ

モバP「ふたりで、幸せになろうな、まゆ」

まゆ「はい…ぐすっ…ふたりだけで……」

モバP「あぁ……愛してるよ、まゆ」

まゆ「わたしもですよぉ……Pさん」




まゆ「わたしたちの子供カワイイですねぇ…?」

モバP「そうだな、さすが俺達の子だ」

まゆ2「わたしはかわいくないんですかぁ…?」

モバP「えっ?」

まゆ2「わたしよりも子供をとるんですか…?」

モバP「いや……それは」

まゆ「旦那さま……旦那さま旦那さま旦那さま」

まゆ2「あなた……あなたあなたあなた」

モバP「やめろっ!やめてくれぇ!」

まゆ2「わたしだけをわたしだけを愛してください」

モバP「寄るな!寄るなぁ!」

まゆ「よぉしよぉし……泣かないでね、いい子いい子……」

まゆ2「赤ちゃんなんかサルといっしょですよ…?そんなのに愛を向けないでくださいよぉ……」

まゆ2「……もし、それが不可能ならば」

まゆ「わたしは、死にます」

モバP「はっ!!……はぁ……はぁ……」

まゆ「どうしたんですかぁ…?Pさん」

モバP「あ…まゆ…?」

まゆ「はい……あなたの妻のまゆですよぉ…?うふ……」

モバP「そうか……さっきのは夢だったのか」

まゆ「怖いゆめを……みたんですかぁ…?」

モバP「あぁ……」

モバP「……なぁ、まゆ」
まゆ「はぁい?」

モバP「子どもなんか、俺達にいらないよな?」

まゆ「はい、もちろんですよ……当たり前じゃないですかぁ……」

まゆ「ふたりだけで幸せになろうって……誓い合いましたから……」

モバP「そうだな、俺達には子供なんか不要だよな……」

まゆ「はい……うふ……」

まゆ「そんなことよりぃ……」

まゆ「せっかくの新婚旅行なんだから楽しみましょう…?Pさん」

モバP「あぁ、あぁ、そうだよな!よしっ!」

モバP「今日は海でおもいっきり泳ぐかぁ!」

まゆ「うふ……いいですねぇ……わたしも新調した水着を着たいと思ってましたし」

モバP「…………」ゴクッ




モバP「ふぅ……遊び疲れたなぁ」

まゆ「うふ……たくさん遊びましたねぇ?」

モバP「あぁ……、もう明日には新婚旅行が終わるんだよなぁ……」

まゆ「さみしいですか…?」

モバP「この新婚旅行は楽しかったからなぁ、まゆはどうだった?」

まゆ「わたしも……たのしかったですよ?」

まゆ「ずっとPさんといっしょでしたから……」

まゆ「でも……わたしたちは夫婦ですよ」

モバP「あぁ、そうだな」

まゆ「だから……いつもの日常に戻るからといって」

まゆ「Pさんがさみしがることはないんですよ……ねぇ…?」

まゆ「これからずっと、いっしょなんですから……」

モバP「あはは、まゆにはかなわないなぁ」

まゆ「うふふ……」

おまえら少しだけじかんをくれ
その間に書き溜めをしたい

モバP「よし、それなら笑って日常に戻るかな」

まゆ「はい……それがいいですよ」

まゆ「…………」

モバP「ん?どうしたんだ」

まゆ「新婚旅行も終わりですから……最後におおきな思い出をつくりたい、と思って……」

モバP「えっ?」

まゆ「ダメ…ですかぁ…?」

モバP「……避妊はするからな?」

まゆ「はい……うふ……」



まゆ「…………」

モバP「(……なにか悩んでるみたいだな)」

モバP「おい、まゆ」

まゆ「…はぁい?」

モバP「なにか悩み事でもあるのか?」

まゆ「……うふ……実はきょうの晩御飯をなににするか、考えていたんですよぉ……」

モバP「なんだ、そんなことか……、おれはオムライスがいいな」

まゆ「うふ……それじゃあオムライスにしますねぇ……」

まゆ「…………」

モバP「ふぅ、オムライス美味かったよ」

まゆ「うふ……おそまつさまです」

まゆ「…………」

モバP「……今度は、何に悩んでるんだ?」

まゆ「…………」

モバP「……まゆ?」

まゆ「…はぁい?」

モバP「まゆ、もしかして、なにか俺に……」

まゆ「なんですかぁ…?」

モバP「……いや、なんでもない」



モバP「(けっきょく、まゆがなにを秘密にしているのか、ずっと聞けないままだな……まゆ……)」

モバP「いったい……まゆはなにを……」

まゆ「…………」

スタスタスタ

モバP「……まゆ?買い物かな」

モバP「(もしかして、浮気相手のところに……)」

モバP「……なにを考えてるんだ、おれは」

まゆ「…………」

スタスタスタスタ

モバP「(なにをやってるんだおれは……妻であるまゆを、疑って、後をつけるなんて……)」

まゆ「…………」

スタスタスタガチャバタンッ

モバP「あっ、まゆが建物の中に…!」

モバP「あれは……産婦人科?」

ガチャバタンッ

まゆ「……ただいまかえりましたぁ」

モバP「おかえり、まゆ」

まゆ「うふ……お出迎えありがとうございます……」

モバP「実はな、まゆに話がある、あとで俺の部屋にきてくれ」

まゆ「話って、なんですかぁ…?」

モバP「いいな」

スタスタスタスタ

まゆ「…………」

まゆ「それで、話ってなんですかぁ…?」

モバP「……きょう、まゆが産婦人科に入るのをみたんだ」

まゆ「見間違いじゃないんですかぁ…?」

モバP「……まゆ、お前まさか妊娠しているのか?」

まゆ「そんなわけないじゃないですかぁ……あのときの誓いをわたしが破るなんて……」

モバP「まゆ、もう、嘘をつかないでくれ……」

まゆ「…………」

まゆ「ごめんなさい……あなた」

モバP「やっぱりそうなんだな」

まゆ「ごめんなさい…!ごめんなさい…!わたし、誓いを破って……でも避妊したはずなのに、おかしくって、なんでどうして、わたし誓いを破ったらあなたに嫌われてそうしたらわたし……」

モバP「まゆ……!」

ダキッ

まゆ「あ……」

モバP「……産もう、まゆ」

まゆ「えっ……でもふたりだけの幸せは……」

モバP「できたものは仕方ないさ、これからは三人で幸せになろう」

まゆ「……それでいいんですかぁ…?あなたは……」

モバP「あぁ、まゆは、嫌なのか?」

まゆ「…………」




オギャア!オギャア!

モバP「かわいいなぁ、おれたちの娘は」

まゆ「そうですかぁ…?なんだか、サルみたい…」

モバP「…そんなことないだろ」

まゆ「あなた……わたしこの子を産んでほんとうによかったんですかぁ…?」

モバP「あたりまえだろ?……これからは三人で幸せに暮らすんだ」

モバP「二度とそんなことはいうなよ?」

まゆ「……はい」

オンギャァ!オンギャア!

まゆ「ひとつ、質問してもいいですかぁ…?」

モバP「なんだ?」

まゆ「幸せに三人で、って……要するに幸福を分け合うってことですよねぇ…?」

モバP「まぁ、そうだな」

まゆ「ということはぁ……」

まゆ「愛も三人で分け合うんですかぁ…?」

モバP「とうぜん、だろ?娘にも愛を分け合わなきゃ」

まゆ「そうですかぁ……」

『わたしだけをわたしだけを愛してください』

モバP「あっ…!、もちろんまゆへの愛は今までと変わりないからな?」

まゆ「……ほんとうですかぁ?」

モバP「もちろん、ほんとうだよ」

まゆ「それは……うれしいです」

モバP「(ふぅ……フォローもしたし、これであのときの夢みたいにはならない、よな?)」

オンギャァン!オンギャァン!

オンギャァ!オンギャァ!

まゆ「しかし……赤ちゃんってうるさいんですねぇ……」

モバP「しょうがないさ、赤ちゃんなんだから」

まゆ「……ねぇ、あなた……キス、してくれませんかぁ…?」

モバP「えっ?」

まゆ「いえ……やっぱりいいです……」

モバP「…?」

オンギャアオンギャア!



モバP「それじゃあ、仕事行ってきます」

まゆ「はい……いってらっしゃい」

まゆ「ほら……パパにいってらっしゃいは…?」

バブゥァ!バブァ!

モバP「あはは、かわいいなぁ」

モバP「よし、娘に元気をもらったし頑張ってくるぞ!」

ガチャッバタンッ

まゆ「…………」

オンギャァオンギャア!!

まゆ「いい子…いい子…よしよし」




モバP「それじゃあ、行ってくる」

まゆ「いってらっしゃい、あなた……」

まゆ「ほら……いってらっしゃいは…?」

バブゥァ!バブァ!

モバP「あはは、よしよし」

モバP「さて!きょうも娘に元気をもらったし頑張ってくるぞ!」

ガチャッバタンッ

まゆ「…………」

オンギャァオンギャア!!

まゆ「いい子いい子…?よしよし」

モバP「それじゃあ、仕事行ってきます」

まゆ「はい……いってらっしゃい」

バブゥァ!バブァ!

モバP「あはは、娘はかわいいなぁ!」

モバP「よしっ!じゃあ行ってくるよ!」

ガチャッバタンッ

まゆ「…………」

オンギャァオンギャア!!

まゆ「…………」

モバP「それじゃあ、仕事行ってきます」

まゆ「……いってらっしゃい」

モバP「あれ…娘は?」

まゆ「うふ……必要ですかぁ…?」

モバP「まぁ、娘がいてくれたほうが元気がでるかなぁ」

まゆ「バブゥ!バブゥア!」

モバP「あはは、なにやってるんだ?娘の真似か?」

まゆ「…………」

モバP「あ、ヤバイ、早く行かないと遅刻してしまう……それじゃあ、行ってくる!」

ガチャバタンッ

まゆ「……」

オンギャア!オンギャア!

まゆ「…………」

オンギャア!オンギャア!オンギャア!オンギャア!

まゆ「……やっぱり愛を分けたらダメなんですよ」

まゆ「うふ……」

オンギャア!オンギャア!オンギャア!オンギャア!オンギャア!オンギャア!

まゆ「うふ……うふふ…ふ…」

オンギャア!オンギャア!

モバP「たっだいまー!」

シーン

モバP「まゆー?」

モバP「……買い物かな?」

スタスタスタ…ガチャ

まゆ「…………」

モバP「…ま…まゆっ!どうしたんだ!?」

まゆ「…うふ…ふ…うふ…」

モバP「家の中も荒れ放題だし……、まさか泥棒かっ!」

モバP「娘は!?娘は無事なのか!?」

まゆ「…うふ……うふ…」

まゆ「わたしたちの子供カワイイですねぇ…?」

モバP「は…?」

まゆ「でも、わたしはかわいくないんですかぁ…?」

モバP「まゆ…なにを言って…?」

『わたしだけをわたしだけを愛してください』

モバP「…!?ひぃっ!!」

まゆ「赤ちゃんなんかサルといっしょですよ…?そんなのにわたしの分の愛を向けないでくださいよぉ……」

モバP「…あ……あ…あ」

モバP「こないでくれっ!来るな!来るな!」

まゆ「おびえないでください……あなたはいまおかしくなってるんですよ……」

まゆ「うふ…わたしにはわかりますよぉ…?あの泣き声をずっと聞くとおかしくなっちゃいますよねぇ…?」

まゆ「……しかも、無条件に愛を分け与えてもらっている存在なのなら、なおのことですよねぇ」

モバP「ああぁっ!……ああぁっ!」

まゆ「……あなた」

ダキッ

モバP「あぁ!あぁぁぁっ!ああぁ!」

まゆ「むかしに戻りましょぉ…?わたしがアイドルをしていたときに……」

モバP「ああぁっ…ああ…!」

まゆ「わたしの血を美味しそうに飲んでくれたあなたがいたときに……」

モバP「あぁあ…あぁ…」

まゆ「あの頃に……」

モバP「…………静かだ」

まゆ「えぇ……だっていまは、うふ……」

まゆ「あの頃ですから……」




おしまい

やっとおわりました
ねむいのでおやすみします支援ありがとうございました

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