ミカサ「エレン、マフラー巻いて」(13)


エレン「……またかよ」


ミカサ「…そんなもんオレが何度でも巻いてやる。これからもずっと、オレが何度でも」キリッ


エレン「はいはい、言いましたよ」シュルリ


エレン「これでいいか?」


ミカサ「ええ…あったかい」ホクホク


エレン(最近、ミカサが頻繁にマフラーを巻いてってお願いしてくる…正直ウザイ)


エレン(いや、巻くのは別にいいんだ。すぐ終わるし、約束しちまったオレに責任があるからな。でも……)


ミカサ「エレン、マフラー巻いて」


エレン「……ここがどこだかわかってんのか?」


ミカサ「ええ、トイレの中」


エレン「出てけ」


ミカサ「そんなもんオレが何度でも巻いてやる。これからもずっと、オレが何度でも」キリッ


エレン「確かに言ったが『どこでも』とは言ってない」


ミカサ「なるほど……わかった、終わるまで待ってる」


エレン「外で待ってろ」


ミカサ「エレン、マフラー巻いて」


エレン「…今じゃないとダメか?」


ミカサ「ええ、今とても寒い」


エレン「…これから巨人化するとこなんだから後にしろ」


ミカサ「いえ、なう」


エレン「…わかったよ。ハンジさん、少しだけ時間をください」


ハンジ「いや…巨人化したままマフラーを巻くことが出来るか、実験してみるのもいいかも…」


ミカサ(大きなエレンがマフラーを………いい、とてもいい)


ミカサ「ぜひ、それで」


エレン「却下だ」


ミカサ「エレン、マフラー巻いて」


エレン「…ここは脱衣所だ。巻くんじゃなくて、脱ぐ場所だ」


ミカサ「わかった、脱ごう」ヌギヌギ


エレン「巻いてやるからマフラーだけ脱げ」


ミカサ「裸マフラーを見たくないの?」


エレン「見たくない」


ミカサ「…照れなくてもいいのに」


エレン「照れる要素ゼロだ」


ミカサ「………」シュン


エレン(少し言い過ぎたか…?)


ミカサ(さむい……体も…心も)


エレン「………」シュルリ


ミカサ「エレン!?」


エレン「さっきは少し言いすぎた…ごめん」


ミカサ「いえ…私も我侭言いすぎていた。ごめんなさい」


エレン「でもお前なぁ、こういう寒い夜の見張りの時こそお願いしろよ。それにそもそも何でマフラーを巻いてなかったんだ?」


ミカサ「…私の匂いが染み込んでしまっていたので、少しエレンの匂いを付けて寝かしていた」


エレン「はぁ…これはお前のなんだからお前の匂いが染み込むのは当たり前だろ。そんなことしないで巻いてろ。オレの匂いならいつでも嗅がせてやるからさ」


ミカサ「…いつでも?」


エレン「あ」


ミカサ「………」


エレン「………いや、今のは無しで」


ミカサ「断固拒否」


エレン「ですよねー」


ミカサ「エレン、匂いを嗅がせて」



おしまい


おまけ



ジャン「ミ、ミカサ!今のオレはエレンに変装しているんだ。だから、あいつの代わりに…マ、マフラー巻いてやろうか?」ドキドキ


ミカサ「ごめんなさい」


ジャン「に、匂いを嗅いでもいいんだぞ…?」


ミカサ「本当にごめんなさい」


ジャン「………オレのほうこそ…ごめん」グスン

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