男「…」幼馴染「自殺?」 (24)
~屋上~
男「!?」
幼馴染「神出鬼没でごめんね、で?授業中に屋上でなにをしてるのかな」
男「……お前には、関係無い」
幼馴染「まぁそりゃそうだ、だって私は貴方じゃないんだから貴方の考えなんか分からないよ」
幼馴染「けどねぇ、流石に学校で自殺は酷だと思わない?それともワザと?」
男「……」
幼馴染「虐めなんでしょ?」
男「……」
幼馴染「仕返しなんて出来ない、だからせめてものの腹癒せに学校巻き込んで天国からざまぁ作戦?甘いね」
幼馴染「自殺する勇気が有るのに虐めっ子に仕返しする勇気が出ないんだ」
男「それは…」
幼馴染「ねぇ、良かったらなんだけど……自殺する前に私に付き合わない?」
男「えっ?」
幼馴染「嫌かな?」
男「い、嫌とかじゃなくて…い、今から死のうと思ってたのに」
幼馴染「どうせ死ぬ決意が出来てるんでしょ?私に振り回されてから死ぬのでも悪くないでしょ?」
男「………」
幼馴染「あれあれ?もしかして私と一緒に居たら死ぬ決意が揺らいじゃう?そんな適当な決意?」
男「ち、違う……分かったよ、付き合うよ」
幼馴染「ふふふ、ありがと」
男「……何すれば良いんだ」
幼馴染「お金は?」
男「は、はぁ?」
幼馴染「持ってる?」
男「……無いよ」
~ファミレス~
男「学校抜け出してファミレスって……大丈夫なのかよ」
幼馴染「ん?それはどっちの?」
男「学校とお金の両方だよ。お前、優等生だろ…」
幼馴染「優等生?私はただ真面目に授業出てただけなんだけど。まぁ成績は悪くは無いから優等生なのかなぁ」
男「………なぁ、いい加減話してくれないか?俺使って何がしたいんだよ」
幼馴染「そんな事よりお腹空きました」
男「……」
幼馴染「ねぇねぇ、どうして昼休み前なのにお金が無かったの?弁当持ってきたりしてないよね」
男「か、関係無いだろ……くそ」
幼馴染「お金の心配は要らないから好きな物頼んでね。空腹で動けないとか勘弁だよ」
幼馴染「何時頃から?」
男「?」
幼馴染「虐めだよ虐め。1年の頃から?それとも2年?」
男「………」
幼馴染「今更黙るの?どうせ死ぬんだからいいんじゃないかな」
幼馴染「ほら、どうせなら全部吐き出してから楽になった方が気持ち的にも違うでしょ?」
男「1年の頃からだよ…」
幼馴染「成る程ね、クラス違ってたもんね。だから気付かなかった訳だ」
男「……」
幼馴染「殴られ蹴られされてるんでしょ?」
男「……」
幼馴染「だからさぁ、今更誤魔化すのはおかしいと思うんだよねぇ」
幼馴染「それに、虐める相手も下手くそだよね」
男「えっ…?」
幼馴染「いや、だって右頬思いっきり腫れてるし。普通そういうのはバレない身体にするもんだよ」
幼馴染「ボディブローやレバー入れたりさ!服着てるんだし親にもバレる心配が無いのに」
幼馴染「……両親にはどう言ってるの?」
男「自転車…転んだって」
幼馴染「そう……あの、ちょっと脱げる?」
男「!?」
幼馴染「いや、そんな恥ずかしがられたら困る。確認だよ確認……大丈夫?」
男「……あぁ、分かった」
幼馴染「……」
男「も、もういいだろ?店員にバレるの恥ずかしいし」
幼馴染「うん……ありがと」
男「ん…」
幼馴染「そっか、そうなんだ。だから上にね」
男「???」
幼馴染「もう身体中痣だらけじゃん。きっと相手も私と同じ考え持ってたと思う……身体見せろとか言われてたでしょ」
男「よ、よく分かったな」
幼馴染「きっと傷だらけの身体見て変な満足感に浸ってたんだと思うんだよね。だから痣だらけの身体じゃ意味が無いから顔に来たんだと思う」
男「……」
幼馴染「最近でしょ?顔に来たの」
男「お、おう…鼻血出てビビったけど」
幼馴染「そう…」
幼馴染「お金は……やっぱカツアゲとかされてたんだよね」
男「………隠しても意味ねーよな」
男「そうだよ、ほぼ毎日だ。今じゃ親の財布から抜いてる……我ながら情けねーよ」
幼馴染「……」
男「殴られたり蹴られたりすんのはさ、ほら、自分が困るだけなんだけどよ」
男「やっぱ、ほら……金は、自分じゃどうしようも出来なくて…」
幼馴染「逃げればいいじゃん」
男「……虐められた事無い奴にはわかんねーよ。逃げられるなら逃げてーよ、けど無理なんだよ」
男「電話掛かってくるし、出なかったらその事問い詰められるし…」
幼馴染「とにかく両親にこれ以上迷惑掛けたく無いから自殺しようと」
男「………うん」
幼馴染「くだんないね」
男「……」
幼馴染「ていうか馬鹿だよね。逃げればいいのにさ」
男「……」
幼馴染「学校で顔合わせなかったらいいだけなのにさ。まぁもう死ぬ人にあーだこーだ言うつもりも無いんだけど」
男「顔合わせなかったら…?無茶言うなよ……呼び出されるに決まってんだろ」
幼馴染「その呼び出し無視すればいいだけの話じゃないの?」
男「勝手言うなよ…」
幼馴染「そうやって命令を聞いてるから向こうも調子に乗るんだよ?こいつは俺の言うことに対して絶対に従うんだって」
男「……もう関係無いけどな、死ぬんだし」
幼馴染「あはは、確かに」
幼馴染「質問。親に相談するとか思いつかなかったの?」
男「迷惑掛けたくねーから」
幼馴染「うっわぁ典型的な強がりだよねそれ」
幼馴染「ただ単に言うのが恥ずかしいとか、親に言って親が学校に乗り出しちゃったりして後が怖くなるからでしょ?」
男「……」
幼馴染「男の子ってさ、変なとこで見栄張るよね?他人に押し付けて自分は逃れようとしたりもするし、追い詰められた時のダサさが半端じゃないもん」
男「あぁそうだよお前の言うとおりだよ恥ずかしいかったんだよ、これで文句ねーかよ」
幼馴染「どうして怒るかなぁ、これも男の子あるあるで困っちゃうんだよねぇ」
男「………もう良いんだよ、これでもう親に迷惑掛けなくてすむし」
~公園~
幼馴染「懐かしいよね、昔はよくここの公園で遊んだよね」
男「……」
幼馴染「初めて会った時の事覚えてる?」
男「覚えてない」
幼馴染「そっか……保育園の時だったかなぁ。私が虐められててさ、その時に助けて貰って」
幼馴染「後から家が近い事知って、ビックリしちゃったよ」
男「そうだったっけ…なんか曖昧過ぎてなんともいえねぇ」
幼馴染「そんな当時強かった男が今じゃ虐められてるなんてさぁ、ビックリしてる」
幼馴染「………ごめん、気付くのが遅くなったて」
男「へ?」
幼馴染「いや、なんでもないよ」
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