衣「迷子になってしまったぞ…」 (51)
衣「ハギヨシー!透華ー!」
シーン…
衣「みんないったいどこへ行ってしまったのだ…携帯も繋がらないし」
衣「東京とは恐ろしいところだな…人が大勢いると思っていたらこのような誰もいないところに出てしまうとは…」
衣「誰か…いないのか…」
衣「ん、あんなところに童が」
衣「おいそこの童、道を尋ねたいのだが」
胡桃「え?」
胡桃「…」
衣「おい何とか言わぬか!」
胡桃「私のこと童って言ったけど、そっちの方が小さいじゃん」
胡桃「まったく…最近の子供は」
衣「衣は子供じゃないぞ!!」
胡桃「どう見ても子供だから…」
衣「むうぅ…衣よりほんの少し背が高いからっていい気になるな!」
衣「衣は高校二年生なんだぞ!」
胡桃「嘘でしょ?自分のこと名前で呼んでるようなお子様が高2な訳ないじゃん」
衣「うぅ…」
胡桃「まっあんたが本当に高2だとしても私は高3だから私の方が年上なんだけどね」
衣「童よ嘘はよくないぞ」
胡桃「嘘じゃないってば」
??「何で揉めてるかは知らないけど子供同士仲良くするですよー」
衣「衣は子供じゃないぞ!」
胡桃「あんたは永水の薄墨初美!」
初美「もしかしてそっちの子は私のファンですか?」
胡桃「私も子供じゃないから…宮守の鹿倉胡桃だよ!」
初美「えっ宮守の!?」
胡桃「そうそう」
初美「おかしいですね…宮守は
背が高い人
おばあちゃんみたいな人
外人さん
だるいの人
ボンバーマン
の5人だったはずですよー」
胡桃「絶対わざとでしょそれ!?私インハイで永水の黒糖の人と対局したでしょ!」
初美「…」
初美「あー、あのちびっ子ですか」
胡桃「背が少し高いからって調子に乗ってるでしょ!」
衣「そんなことより何で2人はここにいるんだ?」
胡桃「えっと…」
初美「それは…」
衣「ふん、もしかして迷子か?偉そうなわりに情けないな」
胡桃「じゃあ衣ちゃんはどうなの?」
衣「散歩してたらここに来ていた…だけだ」
初美「衣ちゃんも迷子ですかー」
胡桃「なーんだ迷子か」
衣「うぅ…」
衣「そっ、それよりも!胡桃は年上だからともかく何でお前にまでちゃん付けされねばならんのだ」
初美「これでも私は3年生ですよー」
衣「嘘だ…こんな面妖な者が他にいてたまるか」
胡桃「そこ私の方見ながら言わない!」
初美「衣ちゃんだって大概ですよ」
衣「うぅ…」
胡桃「はあ…とりあえず人を探して道を聞くわよ」
衣「…そうだな」
初美「早く帰りたいですよー」
衣「人が見当たらないぞ…」
胡桃「大丈夫そのうち見つかるって。2人とも気を落とさないで行こう」
初美「ちょっと待つですよ!」
衣「どうした初美」
初美「この際衣ちゃんがタメ口なのは許すけど、なんで胡桃が仕切ってるですかー。ちなみに私は5月生まれですよー」
胡桃「へ?じゃあ初美が仕切って良いよ。私9月生まれだし」
初美「ふん、やっぱり私の方がお姉さんでしたか」
初美「それでは、チーム初美出発ですよー!」
衣「おー!」
胡桃(2人とも子供だなあ)
初美「胡桃ノリが悪いですよー」
胡桃「そういうのいいから…」
……………
衣「衣は早く帰りたいぞ…」
胡桃「誰もいないね…」
初美「お腹がすいたですよー」
衣「衣は何も持ってないぞ」
胡桃「私も」
もこ「私も…」ボソッ
衣「ん?」
胡桃「増えてる…?」
初美「お…おおお、お化けですよー!早く逃げないと!」
胡桃「巫女さんなのにこういうのダメなんだ…」
もこ「……」ブツブツ
衣「ん?何々…そうか」
衣「名は対木もこ、お化けじゃないそうだぞ。ちなみに高校一年生だ」
衣「迷子になって困ってたら人が歩いてたからとりあえずついて来たらしい」
胡桃「残念ながら私たちも迷子なんだよね…」
初美「もこちゃんのチーム初美への入隊を認めるですよー」
もこ「…」ブツブツ
衣「入りたいなんて言ってない、だそうだ」
初美「遠慮しないでいいですよー」
胡桃「そんなことより歩こうか。そのうち人がいる所に出るでしょ…たぶん」
衣「衣はもう疲れたぞ…」
もこ「……」ブツブツ
初美「もこちゃんも疲れたそうですよー」
胡桃「じゃあ休憩しよっか」
胡桃「って初美が仕切るんじゃなかったの?」
初美「お腹がすいて力が出ないですよー」
衣「衣も空腹だぞ」
胡桃「もしかしてこのまま飢え死にするとか…」
衣「そんなの嫌だぞ」
もこ「……」ブツブツ
衣「何っ?そんなことより迷子になってからずっと覚えのある気配がするだと」
初美「そういえばこの場所は普通じゃないみたいですね」
初美「何らかの力が働いてるのは間違いないですよー」
胡桃「そういうのは早く言ってよ」
胡桃「つまり何者かの謎の力によって私たちは迷子になってるってこと?」
初美「恐らくここはその何者かによって作られた空間ですよー」
胡桃「そんなのどうすればいいのよ…」
初美「多分その何者かもこの空間にいるので見つければ何とかなると思いますよー」
胡桃「そんなこと言ってもどこにいるっていうのよ…」
衣「もしかしたらこの気配…た」
初美「あんなところに食べ物が有りますよー!」
胡桃「ちょっと!大丈夫なのそれ?」
穏乃「大丈夫ですよ」
胡桃「あっ、あんたは!」
初美「誰ですか?」
もこ「…」ブツブツ
衣「久しいな高鴨穏乃…もことも知り合いのようだな」
穏乃「お久しぶりです。この食べ物は私が用意しました好きなだけ食べてください」
胡桃「あなたも迷子なの?」
初美「チーム初美に入りますか?」
衣「違うぞ2人とも」
穏乃「残念ながら私は迷子じゃありません」
初美「それじゃあ…」
胡桃「あなたが犯人なの…?」
穏乃「犯人って言われるのはちょっとショックですけど…ここは私が作りました」
もこ「……」ブツブツ
衣「何故このような事を…もこも怒っているようだぞ」
穏乃「それはですね…小さくて可愛い女の子と一緒にいたいからですよ!!」
衣「…」
胡桃「え…」
初美「うわあ…」
もこ「ロリコン」ボソッ
衣「しかしどうやってこんな真似を…?」
穏乃「山が力を貸してくれました」
胡桃「何…それ…」
初美「そんなことより私たちをここから出すですよー」
穏乃「嫌ですよここで私とずっと一緒に暮らしましょう」
穏乃「せっかく高校生になっても小さくて可愛いままの女の子を見つけたんですからみすみす手放したり出来ませんよ」
もこ「だったら麻雀で勝負」
穏乃「…良いですよ。そのかわり負けたらずっとここで暮らして貰いますからね」
胡桃「望むところだよ!」
初美「負けませんよー」
もこ「…」ブツブツ
衣「衣も打ちたいぞ…」
穏乃「天江さんとはこの3人の後で打ちますよ」
初美「もう勝った気でいるんですかー」
もこ「…」ブツブツ
胡桃「またボコボコにしてやるだって」
穏乃「残念ながら今の私は誰にも負けませんよ!」
もこ「…」
胡桃「負けた…」
初美「うぅ…」
穏乃「3人ともこれからよろしくお願いしますね」ニコッ
初美「こんなのイカサマですよー」
胡桃「そうだそうだ!空間を支配してるんだから麻雀でもイカサマし放題じゃない!」
穏乃「確かにそうですけど、私がイカサマした証拠はあるんですか?」
胡桃「うっ…」
初美「ぐぬぬ…」
衣「衣は負けないぞ!」
穏乃「天江さんもここで一緒に暮らしましょう」
憧「そこまでよしず!」
ハギヨシ「残念ながら衣様は返していただきます」
穏乃「どうやってここに」
玄「龍門渕さんが…」
透華「…」
衣「高鴨に冷たい透華が引き寄せられたようだな」
晴絵「もうこんな事はやめるんだ」
穏乃「先生…今の私は誰にも負けませんよ」
晴絵「問答無用!レジェンドツモ!!」
穏乃「えっ!?」
バシッ!!
穏乃「きゅー」バタッ
胡桃「あれっ、ここって…」
初美「どうやら帰って来れたみたいですね」
灼「さっすがハルちゃん」
透華「…ここはどこですの!?」
衣「透華ーありがとうー」
透華「何だか分かりませんが、家族を守るのは当然のことですわ」
晴絵「うちの部員がすみませんでした!!」
もこ「…」ブツブツ
ハギヨシ「おかげで助かったから許す、だそうです」
穏乃「先生…どうして…」
宥「穏乃ちゃん…」
憧「しずの方こそどうしてこんなことしたのよ!」
穏乃「しょうがないだろ…憧は昔と変わっちゃうし…桜子たちからも避けられるし…」
玄「しずちゃん…」
穏乃「先生が邪魔さえしなければ私は!」
灼「穏乃…」
晴絵「性癖なんて自分の勝手だ…だけどな性癖が人に迷惑をかけて良い理由にはならないんだよ」
穏乃「だったら私はどうすれば…」
初美「しょうがないからチーム初美に入れてあげますよ」
胡桃「あれってまだ続くの!?」
穏乃「えっ…いいんですか…?」
初美「当然ですよーチームリーダーの私が認めてるんですから」
胡桃「無視するなー!」
穏乃「ありがとう…ございます…」
胡桃「もう…しょうがないなあ」
もこ「友達」
衣「衣も友達になるぞ」
穏乃「天使だ…天使がいる…」
透華「大丈夫なんですの?」
晴絵「何かあったらまた私が何とかするよ」
穏乃「早速どこか遊びに行きませんか」
初美「良いですねー。チーム初美出動ですよー」
胡桃「ちょっと!学校のみんなに連絡させてよ」
もこ「…」ブツブツ
衣「もこはもう連絡したらしいぞ」
胡桃「えっ!」
初美「私もしましたよー」
胡桃「えー!!」
初美「改めて、チーム初美出動ー!」
穏乃・衣・もこ「おー!」
胡桃「ちょっと待ってよー」
カン
タコスは穏乃より背が高いから選ばなかった
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