友「まだ女の事忘れられないのか?」男「忘れられない」 (59)

—大学の学食—


友「もう4年だぞ・・・。そろそろ忘れて、他の子と付き合えよ」

男「・・・。悪い。頭では分かってるんだよ。忘れなきゃって。でも、あんな別れ方したんだ。スッキリしないよ」

友「いや、分からなくはないぞ?でも、お前はあの時から変わった」



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男は大学3年生。

友も同じ学年で、学部も同じ。
そして、高校も同じ出身だ。

男は日本有数の大手グループの社長息子。

父親は実父だが、今の母親は男の実母ではない。

男の実母は小学校に上がる前父親と離婚し、この家から追い出された。

それ故、男は父親と仲が悪く、日々衝突していた。

金は腐るほど与えられたが、愛など微塵もない。

中学に上がる迄は父親とはなんとか上手くやっていた。

冷たく、現実的な父親に好かれようと勉強もし、作法も身に付ける為に努力する日々。

しかし、そんな俺に父親は男に見向きもせず、ただただ数字だけを眺めていた。

学校では夜遊びなとで注意を受ける以外は成績も優秀で顔も申し分なく、気さくで、皆の注目の的だった。



中学生に上がると母親と別れ、追放した父親が憎くなり、家と父親から距離を置くようになった。

その結果、夜遊びなどに走るようになる。

勿論この頃から父親や、再婚した母親との喧嘩は絶えなかった。



とある有名私立高校に入学し、そこで友と出会い、すぐに意気投合。
クラスも一緒だった為、親友と呼べる友人が出来たのは友が初めてたった

間違えた。学校では「夜遊びなとで注意を受ける」の括弧は間違えて挿入したので、抜いて読んでください

—高校1年夏—

男「友、一緒に帰り、お好み焼き食っていこうぜ」

友「いいね。勿論奢ってくれるよな?ぼんぼん(笑)」

男「ぼんぼんって言うから、今日はお前が払え」

友「ごめんなさい。金持ち様」

男「じゃあな」

友「うそうそ!割り勘なら行く。前も奢られたから申し訳なくってよ」

男「なら、割り勘にするか」

友「おう!」

男と友は学校を出て、学校の近くにあるお好み焼き屋に向かった。

—道中—

友「あー。彼女欲しいなー。前に歩いてるカップル[ピーーー]ばいいのに」

男「まったくだ。羨ましい。[ピーーー]!」

友「お前も[ピーーー]!」

男「なんでだよ(笑)酷いな、お前」

友「酷いのはお前だ!高校入って早々からモテやがって!しかもそれを振るしさ・・・。バカかお前は!なにが羨ましいだ。その気になればすぐに出来るだろ!」

男「しょうがねぇだろ。好きじゃねぇんだから」

友「理想高いんだな、お前は」

そんな話をしているうちに目的の店についた。

俺たちは座敷に座った。

友「よいしょー。なに食おうかな」

男「かなー」

俺達はメニューに目を通す。

友「俺は豚たま」

男「じゃお俺も同じの頼む。大盛りで」

友「お前以外と食うよな。見た目は普通に見えるのに」

男「そうか。スリムか俺」

友「ナルシストキモいです」

メニューを注文して、しばしば話ながら待っていると、頼んだものがきた

友「はい。お前のはこのでかいの」

男「どうもどうも」

友「ここからここは俺の陣地だから手を出すなよ」

男「わかった」

友「じゃあ焼こうぜ。鉄板も温まってるし」
かき混ぜて、生地を焼き始めた
広げていくと、友の生地にくっつく

友「俺の陣地に入んなよ!言っただろうが!」

男「しょうがねぇだろ!大盛りなんだから!」

友「なら横に広げて、楕円形しろよな」

男「美しくないだろ!」

友「そんなの知らねぇよ!」

そんな子どもなような言い合いをしていると、二人組の女子高生らしき女子が入店してきた。

座敷に上がる迄は後ろ姿しか見えず、1人は肩まである茶髪のセミロングで、背が低く、もう1人は腰まで髪があり、黒髪で、背が高かった。

その二人が男と友の向かいの座敷に座った。

茶髪の子は男に背を向け、黒髪の子はこちらに顔を向けていた。

男はなんとなく向かいに座った女子を見ると、長い黒髪の子と目が合う。

しばし男と黒髪の子の視線はぶつかり合う。

男と故意に目線を逸らしたのではなく、反らせなかった。

二重の切れ長な瞳、薄く血色のいい唇に雪のようにきめ細やかな白い肌。
そして、人形のように小さく、綺麗に整った輪郭。

可愛らしくも美しい品のある雰囲気に男は目を奪われたのだ。

この子が後の忘れられない『女』となる。

友「・・い。おい!」

男「あ、はい?」

友「はいじゃねぇよ。焦げるぞ。ひっくり返さなきゃ」

友にヘラを渡されて、ひっくり返すが失敗。

友「おいおい。何やってんだよ、下手くそ。てか、なんかさっきからぼーっとしてない?」

男「いや。なんでもねぇよ」

男は崩れたお好み焼きをそのまま焼い続けた。

男はもうこの時、女に心を完全に奪われていた

風呂と飯食ってくる

ゆっくりですが、よろしくです

ただいま

誤字脱字すいません

>>12

「男は故意に目を見つめていたのではなく、逸らせなかった」

です

文間違えました


じゃあゆっくり書きます

その後、男は少し焦げたお好み焼きを食べていた。

なんとなく箸を止めて、顔挙げ、前方を見ると、また女と目が合った。

女は、ニコッと男に微笑みかける。

その瞬間、男の心臓は激しく脈動し始めた。

ドキドキしているのに、頭がぼーっとする。

友「男!」

男「・・・うん?」

友「だから、うん?じゃなくて、さっきから可笑しいだろお前」

男「そうか?」

友「そうだよ。さっきから前向いて上の空。前になんかあんのか?」

友は後ろの座席を見た。
そして、友はにやつきながら俺の顔を見てきた。

友「ふーん。なるほど(笑)」

男「なんだよ」

友「男は理想高いんだな(笑)やっぱり」

男「なんでだよ」

友「お前、あの黒髪の子見てただろ。めっちゃくちゃ美人で可愛いもんな」

男「違うから。馬鹿」

友「あれ?(笑)男が珍しく焦ってるぞ」

男は友の頭を叩いた

友「痛ぇー」

男「アホみたいな事言うからだろ。で、あのセーラー服ってどこの学校だっけ?」

友「やっぱ、気になってんじゃん(笑)可愛らしいな男(笑)」

男はまた友の頭を叩いた

友「脳細胞死ぬからやめろ!」

男「元からねぇだろ」

友「うるせぇ!あの制服はここの地域にある普通科の県立高校だよ。俺らの学校からバスで30分くらいの場所にある」

男「意外と時間かかるな」

友「まあ乗り換えもあるしな。県立の中なら優秀な進学校だよ」

男「頭いいんだな。知らなかった」

友「普通に有名だし、街とか歩いてれば見かけるだろう」

男「いや、あまり気にしてなかったから」

友「男らしい(笑)ただ、流石に驚いたな。あんな子いたんだ。あんだけ可愛いなら巷で有名にもなりそうだが」

男「だよな。彼氏とかいんのかな」

友「まさか、男が射止められるとはな(笑)吃驚だわ(笑)」

確かに男自身も驚いていた。
まさか自分が一目惚れするとは考えもしなかったのだから。

男たちは食べ終わると、会計を済ませて外に出た

男「うまかったな」

友「それより、俺はお前の反応が面白くて堪らなかったぞ(笑)」

男「お年頃なんだよ。てか、絶対口外すんなよ。したら無理矢理借金させて、トイチで金巻き上げるからな」

友「なんでそう怖いこと言うかな(笑)高校生のすることじゃねぇよ」

男「とにかくだ。俺ら二人の秘密だからな」

友「わかったよ。じゃあ、またな」

男「おう。また」

男たちは別れ、家に帰った

—数日後—

男は休日の昼間に使用人に外出することを伝え、車を出してもらい、大きな書店まで送ってもらった。

中に入り、男性用のファッション雑誌を手に取って、流しながら読んでいた。

一冊読み終わり、次の雑誌に手をかけた時、すこし奥の右斜め向かいにお好み焼き屋で見た、例の女が女性用のファッション雑誌を読んでいた。

男は二冊めの雑誌を読んでいる振りをしながら、女をチラチラと見ていた。
まさに変態である。

すると、女は視線を感じたのか、男の方に顔を向けた。

男は目を逸らそうとするが、遅かった。

メール欄にsagaって入れろ
そしたら、死ねや殺す、オナニードラえもんコナン、他にもフィルター突破できるから

女「あれ?」

彼女は雑誌を戻して、男の下に寄ってきた。

女「あの・・・」

男「はい?」

女「確か、数日前にお好み焼き屋で会いませんでしたか・・・?」

男「会いましたかな?」

男は焦ってしまい、言葉遣いが変になっていた。

女「記憶違いかな」

彼女は頭を人差し指で掻いて、首を傾けていた

男「いや、会いましたよ」

女「ですよね!よかったー。間違えてたらどうしようかと思っちゃいました」

見た目よりも話し方が可愛らしくて、男は更に女に惚れていった。

>>21

ありがとうございます

てす

死ね

男「俺もあれ?って思ってたんだけど、声掛けにくくて」

女「気軽に声掛けてくれてよかったのにな」

男「ごめんね」

女「別にいいですよ。今日は本でも買いに来たんですか?」

男「なんとなく雑誌とか色々見て、気にいったのがあれば買おうかと思ってたんだ。」

女「なら一緒ですね。あたしも見て、読みたいものがあれば買おうと思ってたんです」

男「そうなんだ。何か読みたいものはあった?」

女「それがなかったんです。あはは(笑)」

彼女はニコッと笑う。
彼女の一つ一つの動作や仕草、表情が男をドキドキさせていた。

男「そういえば、女ちゃんは今いくつなの」

女「あたしは今16歳です。今年高校生になったばかりですよ」

男「お?じゃあ同い年なんだね」

女「あ、そうなんですか!男くん大人っぽいから年上かなって思ってました。なんか同い年って知って嬉しくなりました」

男「そう言われるとなんか照れるな(笑)」

男は言葉通り、顔を綻ばせながら照れていた。

女「あの、こんな所で立ち話もなんなのでコーヒーでも飲みにいきませんか?」

男の心は踊りに踊った

一旦区切ります

3日までは携帯なのでゆっくりです

なんでもう名前知ってんの?

>>27

男と女という言葉を使って書いていたから、名前を知ろうが知らまいが、表記上は変わらないと思ったんですが、確かに名前を既に知っているような書き方をしてしまいました

男と女は某コーヒーチェーン店に入り、注文を済ませてから商品を受け取り、二人がけの席についた。

ここで互いの名前を知る。

男「俺は男。あなたは?」

女「女です」

男「教えてくれてありがとう。というか敬語じゃなくてもいいよ。同い年なんだから」

女「わかりました!」

男「それ敬語(笑)」

女「あ、ごめん(笑)」

男はいつしか緊張することなく、女と話せていた。

男「部活には入部してるの?」

女「してないよ。バイトはしてるけどね」

男「バイトか。俺は部活もやってなければ、バイトもしてないや」

女「そうなんだ。なら男くんは毎日何してるの?」

男「友達と遊んでるか、どこか出掛けてるかな」

女「ぐうたらだなぁ(笑)あたしの家は貧乏だから、バイトしないと生計立てられないんだ」

彼女は笑って見せたが、どこか悲哀に満ちていた。

しかし、女の話を聞いて、男はある不安を抱いていた。

自分の家には金があり、彼女とは真逆の人生を送っている。

自分で稼ぐ苦労も知らず、ただのグループの後継者というだけで、父親からは腐るほど貰っていた。

こんな自分を知って、彼女は嫌悪感を抱いてしまうんじゃないかって。

女「男くんはバイトしてないから、お小遣いか」

男「・・・うん」

女「いいなー。あたしも欲しい(笑)男くんはお金持ちなのかな?」

男「まあ一応・・・」

女「羨ましいな。でも、今に満足してるからあたしはいいけど」

彼女の満面の笑みが、男の心を抉った。

話題は急に変わり、なんとなく女は今までとは変わった面持ちで話始めた。

女「男くんって彼女とかいるの?」

男「え、いないよ」

女は男の言葉を聞いて、安堵したような表情に変わった

女「そうなんだ!よかった・・・」

男「うん?最後なって言ったの?」

女「え、何も言ってないよ」

男「そっか」

女「うん」

男「逆に女ちゃんは彼氏とかいるの?」

男も緊張した面持ちだ。

女「いないよ!」

すぐに男は力を抜いた。

男と女は連絡先を交換してから店を出て、直ぐに別れた。

女がバイトに行くからだ。

男は電話で車を呼び、家に帰った


—男の家—


使用人「男様。おかえりなさいませ」

男「ただいま」

自室に入り、大きなベッドに横たわり、ずっと女のことを思っていた。

それから直ぐに男は友に電話をかけた。

—学校—

朝、すぐに友が男の前に現れた。

友「あの電話マジなのか?なあ?マジか?」

男「しつこすぎ(笑)本当だよ」

友「マジか。本屋で再会なんて、またロマンチックだな」

男「偶然だよ。たまたま」

友「でも、よかったな。一目惚れしてた女から話しかけてくれてさ」

男「声でかいんだよ馬鹿!聞こえるだろ!」

友「ついつい興奮しちまって」

男「お前がするなよ。俺がする分にはいいけど」

友「で、どんな子だったんだ?」

男「外見はバッチリ、可愛くて美人。お好み焼き屋の時のまま。あと今のところめちゃくちゃ性格可愛いし、いいこ」

友「完璧超人か」

男「近いな」

友「連絡先を交換したからには連絡取り合ってるんだろうな?」

男「毎日とってまーす」

友「うわ(笑)死ね!馬鹿!包茎!」

男「最後やめろ!」

友「男はさ、女ちゃんとは付き合いたいのか?」

男はすこし考えた後、首を縦に振った。

友「なら告白だな」

男「もう!?」

友「ちゃんとしたデート一回して、その帰りに告白」

男「いや、早すぎだろ。再会して時に顔合わせただけで、あとは連絡のやり取りしかしてないんだぞ!?」

友「馬鹿!色々話は聞いたが、向こうから彼女いるかどうかとか聞いてきたなら、向こうもお前に気があるんだよ!」

男「そうだといいけどさ・・・」

友「なに弱気になってんだよ。男らしくもない。というか告白は今だよ。変に長引いてしづらくなるよりいい」

俺は友のアドバイスを受けて、女にスケジュールを聞いて、その結果、7月末にデートすることになった。

今日は寝ます

表記の仕方に違和感があったのはすいません。

一応読んでいただけるように自分なりに頑張りますが、至らない所はすいません

おやすみなさい

明日はデートから書いていきます

おはよ

今日もゆっくりお願いします

—7月末—

男は炎天下かの中、女を待っていた。
しばらくすると、女がやってきた。

女「遅くなってごめんね!」

男「いやいや、大丈夫。俺もさっき来たばかりだから」

女「あ、本当?ならよかった」

この日の彼女は今まで見た中で一番綺麗だった。

メイクもちゃんとしてるし、薄くて可愛いワンピースと細いベルトを巻いていた。

男「なんか今日めちゃくちゃ可愛いね」

女「そんなことないよ!ちょっと気合いいれておめかししてみたの!」

男「そうなんだ。でも可愛い」

男は初デートで上がっていた。

手にも額にも少し汗が滲んでいたのだが、女は手を繋ごうと言ってきた。

男は手を繋ごうと言われて、慌てて滲んでいた汗を拭う。
女は横に手を広げて、男が手を握るのを待っていた。
男は拭った手で、女と手を繋いだ。

いきなり初デートで、すぐに手を繋ぐことになろうとは予想だにもしなかったのだから、男は緊張を隠せなかった。

女「男くん、手汗すごいよ(笑)」

男「あ、ごめん」

男は手をすぐに離そうとするが、女は強く握って離さなかった。

女「大丈夫だよ。あたし嫌じゃないから」

男「え?」

女「だから大丈夫。男くんなら・・・」

男は一気に顔が紅潮していき、女も同じように顔が紅くなっていた。
周りからはいつも増せているように見える二人だったが、こうなるとただの年頃の男の子と女の子。
二人の姿はとても初々しかった。

二人は手を繋いだまま、街を歩いた。

女「ねぇ。図書館に行かない?」

男「読みたい本でもあるの?」

女「読んでみたいと言うか、調べたいことがあるの。付き合ってくれる」

男「構わないよ。俺も本は好きだから」

女「よかった。嫌だとか言われたらどうしようかと思っちゃったよ(笑)」

男「大丈夫(笑)図書館でデートとか素敵でしょ」

女「嬉しいな。男くんとは趣味合いそうで」

男「俺もなんだか嬉しいよ」

二人は緩い傾斜で長い坂を上り、図書館に到着した。


図書館の中は当たり前ながら、静かだった。

女は真っ直ぐ入っていって、左手の奥の棚に向かった。

その棚は主に古典文学の著書がずらりと並んでいた。

女はそのうちの二冊を手にとり、大きな机の椅子に腰を下ろした。
男は向かいに座り、女が読んでいる本の題名に見た。

『曽根崎心中—近松門左衛門—』

男もこの話は知っていた。
美男美女の悲恋の話。

俺は女が持ってきたもう一冊の本を開いた。
それはその文学が現代語訳されたものだ。
読んでいると意外にも引き込まれ、時間も忘れて夢中になっていた。

女は指で男の腕をつつく

女「夢中になって読んでたね」

男「引き込まれちゃってな」

女「あはは。ならそろそろそっちにも目を通したいから貸して?」

男「いいよ」

そのまま、閉館になるまで二人は本を読んだり、たまに雑談したりして、時は過ぎていった。

女は二冊とも借りず、棚に返して、男と二人で外に出た。
外は既に薄暗くなっていた。

男「なんか読みいっちゃったね」

女「だねー。でも凄い楽しかったな。1人で来るのとは全然違うんだもん」

男「そんなもんかね」

女「そうだよ。付き合ってくれてありがとう」

彼女はいつもの満面の笑みを見せてくれて、男は彼女の笑顔が一番好きだった。

その後、男の奢りでラーメンを食べにいった。

男は女が気軽に美味しいものが食べたいと言うので、ラーメン屋を選んだのだ。

>>42


中間、変換ミスで俺となっていますが男です

飯食う

たまに男が俺になってます
すいません

また夜にきまし

ラーメンを啜りながら、男と女は話していた。

しかし、女からとある質問をされる。

女「男くんの家はお金持ちだって言ったけど、何か会社でも経営してるの?」

男「いや・・・。その・・・」

女「うん?」

男「父親が大手グループを経営しているんだよ」

女「え、嘘。そんなに凄い人だったんだ。男くん」

男「凄いかはわからないけど」

女「あたしと真逆の世界の人なんだね・・・。なんとなく遠く感じる」

男「いや!そういうの関係ないよ!」

女「そうだね。なんかごめんね」

男「なんか俺こそごめん」

そのまま雰囲気はあまり良くないまま店を出た。

—帰り道—

女「ねえ」

男「うん?」

女「ちょっと公園で話しよ」

男「いいよ」


男達は近くの公園のベンチに並んで座った。


女「男くんは愛している人が、住んでいる世界がまったく違う女の子ならどうする?」

男「俺はそういうの気にしないから」

女「本当?」

男「うん。好きになった人は好きになった人に違いないんだから、身分とか世界とかどうでもいいんだ」

女「そっか・・・。なら言っちゃおうかな」

男「何を?」

女「あたしね、男くんに一目惚れしてたんだ」

男「え?」

男はいきなりの女の言葉に驚いた

男「嘘だろ?」

女「本当だよ。お好み焼き屋で出会った瞬間に」

男「マジか・・・」

女「うん。でも、付き合いたいとかそこまでは望まないから」

男「どうして?」

女「きっと叶わない恋かなって思ってるの。男くんにはもっと相応しい人が現れるだろうなって」

男「そんなこと言うなよ」

女「え?」

男「実は、俺も出会ってすぐに一目惚れしたんだよ。それに俺か先に告白しようと思ったけど、逆にされちゃったな」

女「嘘つかないでよ」

男「嘘じゃない。本当だよ。俺は女が好きだ。だから付き合ってほしい」

女「いいの?あたしで・・・」

男「女だからいいんだよ」

女「男くん・・・大好き」

抱き合い、二人はキスをした。

そして、この瞬間、誰もが羨む美男美女のカップルが誕生した。



1年の夏に、付き合い始めた二人は時間が許す限り、一緒の時を過ごした。

男は、何度も何度も女の体を抱き、愛で続け、女も男を受け止め、男だけを愛し続けた。

二人の日々深まっていく愛は、男の父親が破壊しようとしても、壊れることはなかった。

しかし、終焉はすぐに訪れた。

—春休み—

男は女に電話をしたのだが、出なかった。
その後も、何度も何度もするが出る気配は一向になかった。

不安になり、友に電話した。


男「友、女と連絡とれないんだ」

友「バイトなんじやないのか?」

男「いや、違う。今日はオフのはずなんだよ」

友「大丈夫だ、そう焦るなよ。夜になってなら返事来るかも知れないだろ」

男「そうだな。今までこういうことあまり無かったから、同様しちゃった」

友「誰もが羨む二人なんだし、頑張れ!応援してるぞ」

電話を切り、男はソファーに横になり、眠りについた。
使用人に起こされて、食卓に向かう。
大きな机を間に挟んで、父親と対面する。
横には再婚した母が座っていた。
男がこうして父親と共に食事をするのは久しぶりだった。
それにしてもこの日の父親は機嫌が良かった。

食事を食べ終わり、携帯開くが返事はない。
最後に電話をかけるが、丸一日音信不通だった。

次の日も女とは連絡が取れない状態が続いた。

これで5日間会っていないことになった。

可笑しく思った男は女の家にいこうとした。
オンボロだけど大切な家に。

しかし、使用人に何故か止められる

使用人「外出ですか?」

男「ああ」

使用人「女様の所でしょうか?」

男「だったらなんだよ」

使用人「車を出させます」

男「歩いていくからいらねぇよ」

使用人「いいえ、乗ってください。その方が身の為です」


男はしっくりこない様子のまま車にのり、女の家に向かった。

男は女のアパートの前に立つと、呆気にとられた。

表札もなにもないし、大家に頼んで鍵を開けてもらい、中を見るが、もぬけの殻だった。

男は狼狽していた。

一体どうなっているのか・・・と

大家曰く、借金がかなりあり、一週間前に取り立てが来て、それで色々あったみたいという情報を得た。

男は最後に女に電話をかけた。

『お掛けになった電話番号は現在使われておりません』

男の血の気が引いていった。


—家—


きっと父親の仕業と思い、問い詰めた。

男「親父」

父親「なんだ息子」

男「女の家になんかしたのか?」

父親「さあ、何のことやら分からない」

飄々とした態度に腹を立てた俺は胸ぐらを掴んだ。

男「なんかあるなら言えよ」

父親「あったとすればどうする」

男「俺はあんたを許さない!」

父親「そうか。俺は彼女の家計を守るため金を貸した。グループ内にも闇金と繋がってる部分があるからな。利子も含め、総額が5000万以上あった。だから娘を預けてくれるなら1億やると言ったら、娘は状況が読めたねだろう。静かに頷いた。これで交渉が成立したわけだ」

男「なんでそんなことすんだよ!女は大切な彼女なんだぞ!」

父親「結局経済的にはよくなったんだ。そんな恋愛なんめもんはくそ食らえ。いずれ分かるさ。じゃあ出ていけ、邪魔だ」

こうして、父親に嵌められた形で二人の幸せは崩された。


男が高校2年になってから、友の情報もあり、女は学校を辞め、どこかに消えたらしい。

男を含め、女がどこに飛んでいってしまったのか、皆目検討もつかなかった。

父親自身は閉口したまま。

憂鬱な2年を迎えた。

これで大きな節目迎えました
あまり大切な所ではなないので、飛ばしてきましたが、読んでくれた方、ありがとう

おやすみ

やっとパソコンから書ける…

続き書きます

色々間違えますけど

二年になると、男はまったく別人と化していた。

気さくで、付き合いも良かった彼は、毎日学校に登校してきても、何も喋らず、ただ本を読んでいるだけだった。

唯一彼と話せたのは友だけ。

何度か男は告白される事もあったが、答えはすべてNO。

男にとって女は特別だった。

何物にも代えられないもの。

父親が彼女にしたことを男は一生許すことはないだろう。

そのまま時は過ぎていき、気付けば卒業していた。

男には一年の時の思い出しかなかった。

学園祭も修学旅行も男は行かなかったから。

ずっと家に居て、女のことを考えていた。

今どこにいるのか。

生きているのか。

裏の人間に売られて何をやらされているのか。

男は絶望の淵に立たされていた。

一応男は大阪府にある大学へ進学することが決まっていた。

学部は経済。後を継ぐ為の勉強。

友も学部は違うものの、同じ大学に進学した。

男は大学でも、女を忘れられないでいた。


そして

—大学三年のある日の学食—

友「もう4年だぞ・・・。そろそろ忘れて、他の子と付き合えよ」

男「・・・。悪い。頭では分かってるんだよ。忘れなきゃって。でも、あんな別れ方したんだ。スッキリしないよ」

友「いや、分からなくはないぞ?でも、お前はあの時から変わった」

男「ああ、変わったさ。父親に対する憎悪が増して、自分の心が死んで行ってるんだから」

友「男…」

男「お前も知ってるだろ?女と俺がどうして別れたのか」

友「うん…。お前からすべて聞いた」

男「女は売られた。女の親も親で特に引き留めようとはしなかったらしいからな」

友「しかも、お前の所と繋がりがある闇金だったんだろ?」

男「ああ。だからこそ俺と女を故意に別れさせることが出来たんだよ…」

友「そうか…」

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年02月07日 (土) 01:22:22   ID: BnS4UvIC

な、泣ける、

2 :  SS好きの774さん   2016年03月04日 (金) 21:21:01   ID: 2KIjdd3e

男の父親は、クズなのか?

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