男「5億年ボタン?」(174)

 
友「でさー、5億年ボタンってのがある訳よ」

男「5億年ボタン?」

友「そ。 ボタンを押すと、100万円もらえるんだよ」

男「最高だな」

友「その代わり、ただっぴろい空間に飛ばされて、そこで5億年過ごさなきゃいけない」

男「……5億年も? 発狂するんじゃないか?」

友「でも、5億年過ごした後は記憶は消されて、全部元通り」

友「ボタンを押したら100万円もらえた、って感覚しか残らないワケ」

男「うーん……でも、記憶が消されてるとはいえ5億年過ごすのはキツいし……」

友「ま、現実にはありえねーって」

男「だな」



ホームレス「ちょっと、兄さん達」

男「ん?」

ホームレス「……5億年ボタン……押す? 押さない?」

 
男「え?」

友「5億年ボタン?」

ホームレス「そう。 これじゃよ」 スッ

友「……これが? 5億年ボタン?」

ホームレス「……」ヒヒヒ

男(なあ、変人じゃね? 逃げようぜ)

友(でもさ、何か面白そうじゃね?)

男(えぇぇ……)

友「よっしゃ爺さん、俺押すぜ!」

男「おい、友!」

友「だいじょーぶだいじょーぶ、こんなん嘘に決まってるし、もし本当でも金もらえるじゃんw」

男「……」

ホームレス「このボタンを押すだけじゃよ」

友「よぉーし」 スッ
 

 
友「ポチッとな!w」

 ポ チ ッ 

友「………」

友「………」

男「おい、友?」

友「え? あ、うん 何か今、指にビリッと……」

 ウィーン バサッ

友「うおっ!? 金が出てきた!?」

ホームレス「ほれ、この百万円はお前さんのもんじゃ」

友「マジでー!? ラッキィー!w」

男「……マジで?」

友「おいぃ!マジで本物の金だよこれ!w なあ爺さん!もっかい押してもいいか!?」

ホームレス「もちろんじゃよ」 ニコニコ

友「ポチッとな!w」

 ポ チ ッ

http://blog.livedoor.jp/o2ch/archives/1054655.html

 
 ウィーン バサッ

友「ひょぉぉぉぉ!w マジでヤバいってこれ! 最高じゃん!!」

友「男! お前も押してみろって!」

男「え……」

友「だってこれ、押したらそれだけで百万もらえるんだぜ!」

男「……」

ホームレス「……」 ニコニコ

男「お……押してみよっかな……」 スッ

男「………」

男(いや、でも……)

友「あぁ~w この札束の感触~w」 スリスリ

男「……」

男(友も大丈夫そうだし……)

ホームレス「さあ、押してみんさい」 スッ

男(押しても……大丈夫だろ……)

 
男「よ、よし……」

男「………」 ドキドキドキドキ




 ポ チ ッ 



男「っ!?」

 シュゥゥゥゥゥゥゥン

男(何だ……急に……気が……遠く……)






男「ハッ」

男「……どこだ……ここ……」 キョロキョロ

男「……宇宙……? いや、地面はある……なんだこれ、タイルみたいな……」

男(地平線が見えない……)

未読の人は>>17を読むと分かりやすいです

 
男「……」

男「ははは……マジかよ」

男「えっと……5億年、ここで過ごすんだよな……」

男「5億年……」

男(とにかく、ボーッとしてりゃ、何年かは過ごせるだろ……)

男「………」 ゴロゴロ


 2日後

男「………」 ゴロゴロ

男「あ゙ぁぁ……ダメだ……眠くもならないし、何だか落ち着かねぇ……」

男「……今、どれぐらい経ったんだ……?」

男(少なくとも、1週間はまだ経ってない……)

男「………」

男「5億年………?」

男「5億って……0が1、2、3……8個」
 

 
男「……はぁぁ……」

男(もしかして俺……とんでもないボタンを押しちまったんじゃ……)



 2週間後

男「帰りたい……」

男「帰りたい帰りたい帰りたい」

男「人、車、鳥、犬、木、草、石……なんでもいい……会いたい……」

男「あぁぁぁぁ……頼むよ……家に帰してくれよぉぉ……」

男「………」

男「……誰か、誰かいねぇのか……」

男「そうだ……ここにも誰かいるかもしれない」

男「探そう」

 17日後

男「………」 ガク…

男(どこまで歩いても同じ景色だ……)

男(疲れもしない……何も変わらない……)

男(体は疲れないのに、心のHPだけガシガシ削られてる感じがする……)

男(誰もいないんだ……)

男(ここには俺しかいないんだ……)

男「うぅぅぅ……」

 
  2ヵ月後

男「………」

男「うん、そうそう」

男「馬鹿だなー」

男「いやいやでもさぁ」

男「……」

男「はぁ……」

男(一人で会話するのも飽きてきたな……)

男「……」

男(今、どれぐらい時間が経ったんだ?)

男(1ヶ月?1年?10年?)

男(何にも分からねぇ・・・…)

男「……5億年…・・・」

男「5億…・・・…」

男「………」 ガク…

 
 6ヶ月後

男「………」

男(そもそもここはどこなんだ・・・…?)

男(宇宙? どこかの施設?)

男(仮想現実……薬で夢を見せられてるって可能性も……)

男(どうしたら抜け出せる……?)

男(どうしたら……)


 2年後

男「………」

男(どうしようもない……)

男(今、俺は生きてるのか? 死んでるのか?)

男(何も分からない……)

男(最近、頭が鈍くなってきたな……考える速さが遅くなって……)

男(逆に、思考時間が長くなった……)
 

 
男(………)

男(報酬は、なんだっけ……)

男(100万円……)

男(100万……)

男「……はは」

男「あははははははははは!!!」

男「はは……あは、は……」



 10年後

男「………」

男「…………」

男(……俺って何なんだろう)

男(何のために生まれて来たんだろう……)

男(こんなことをするために生まれて来たんだろうか……)

男(……"生まれる"って、何だ……?)

 
 15年後

男("生まれる"ってのは、何なんだ……)

男("生きる"ってのは、何なんだ……)

男「俺は今生きてる……」

男「……俺は、本当に生きてるのか……?」

男「……俺が生きてると思えば、それは生きてるってことなんだ……」

男「……ってことは、俺が想像した人間だって……俺の中で生きてるんだ……」

男「……」

男「………」

男「話し相手が欲しい……」

男「……そうだ、トモダチだ」

男「トモダチを作ろう」

男「背は俺ぐらいの男で……髪は短くて……声は少し低い……」

男「………」ブツブツ
 

 
  それから7ヶ月後 (15年7ヶ月後)

男「だからさ……この空間は現実じゃないと思ってる」

トモダチ「へぇ? どうして?」

男「俺はこの空間に一瞬でワープした……でも肉体が瞬時に別の場所に飛ぶなんて、不可能だ」

トモダチ「それで?」

男「ってことは……薬か電気かで、俺の脳が操作されて、この幻覚を見せられてる、と考える方が自然だ」

トモダチ「幻覚?」

男「ああ……今はカフェでお前と語り合ってるが……本当はただっぴろい宇宙空間なんだよ……ここは」

トモダチ「ふぅん」

男「で、お前はどう思う?」

トモダチ「そんなこと、僕には分からない」

男「……何でもいい 意見をくれよ」

トモダチ「分からないよ」

男「何でもいいんだよ!! 頼むよ!! 何か、何か言ってくれよ!!!」

トモダチ「ボクはキミが作った想像の産物なんだから、新しいことなんて言えないよ」 ニコッ

 
男「もういい……失敗だ……消えろ」

トモダチ「───」

 フッ

男(………いつもの宇宙空間に戻った……)

男(それに……相変わらず俺は一人ぼっちだ……)

男(……失敗だ……)

男(トモダチは、俺が知ってることしかしゃべらないし、俺が知らない知識を与えてはくれない……)

男(クソッ……どうすればいい……どうすればいいんだ……)

男(またやり直しだ……)



  25年後

トモダチ「ボクは………知らない」

男「………」

男「……消えてくれ」

トモダチ「ボk────」 フッ

 
男「どんどんトモダチの姿かたちは精巧になっていくのに……」

男「性格も、嗜好も、喋り方まで……どんどん精密になっていくのに……」

男「どうして、知識は増えないんだ……」

男「………」

男「……分かった……」

男「いきなり成長した姿で出すからダメなんだ……」

男「トモダチを赤ん坊の頃から育てよう……」

男「トモダチ……トモダチ……」

男「ハッ」

男「そうだ……トモダチの親も作らなくちゃ……」

男「……」ブツブツ

 
 40年後

男「……生まれるって、何なんだろうな」

トモダチ「無の状態から"生きる"の状態になることだよ」

男「それは分かる……でも、その瞬間に何が起きてるんだ?」

トモダチ「それは君が一番良く知ってるじゃないか」

男「え……?」

トモダチ「ボクは君の想像から生まれた」

男「え……」

男「あ、そうか……そうだったな」

トモダチ「何だ、忘れたのか」

男「あ、いや……ちょっと、な」

トモダチ「キミは───」

 ブツッ

男「ハッ」

男「…………」

 
男「………」

男(何だ……この感覚……)

男(我に帰る、って奴か……)

男(……一瞬、この宇宙空間にいたことを忘れてた……)

男(………)

男「……帰りたい」

男「……もっかい、この現状を忘れたい……」

男「また一から作らなきゃ……」

男「……そうだ……」

男「トモダチ一人じゃ可哀相だ……」

男「もう一人、トモダチを作ろう……」

男「今度は何年かかるか分からないけど……」

男「今度は……そうだ……女の子だ……」

男「場所も広くしよう……」

男「店員さんも作ろう……メニューも増やそう……」 ブツブツ

 50年後

トモ男「でさー」

トモ女「うんうん」

男「へぇー」

トモ女「でさ、男はどう思うの?」

男「え?」

トモ男「おいおい、さっきも聞いたじゃんそれ」

トモ女「え? そうだっけ?」

男(……楽しい……)

トモ男「さっきから話ループしすぎだよw」

男(この楽しい時間が……ずっと続けばいい……)

トモ女「ループ? だって仕方ないじゃん」

男(……? 何だろう 何か大切なことを忘れてるような…… 言い知れぬ不安が……)

トモ女「だって、この時間も空間も、閉じ込められてるんだから」

男「え……」

 
トモ男「閉じ込められてる? どういうことだよ」

男「ゔ……」 ズキ…

男(頭が……痛……)

トモ女「だって、ココもアタシタチも、全部男くんが想像で作っただけだもんね?」

男「え……?」

 ピキ

男「あ……」

トモ女「それ0pほpふ90うぇ───」

男「ッダメだぁぁ!! 行かないでくれ─── ッ!」

 バリィィィィィン!




男「………」

男「…………」

男「…………クソッ……!」 ドンッ

 
 60年後

男「ダメだ……どうしても……どうしても限界が来る……」

男「途中で思い出してしまう……5億年ボタンのことを……」

男「……そうだ……人間が少ないから、不自然だったんだ……」

男「もっと増やせばいい……」

男「時間はたっぷりあるんだ……もっと作ればいいんだ……」 ブツブツ




 キーン コーン カーン コーン

委員長「男くん、今日の掃除当番、お願いね」

男「ああ、分かったよ」

女友「一人で大丈夫? 手伝っか?」

男友「おーおー優しいねぇ、俺ん時は声すら掛けてくれなかったのに」

女友「うっさい!」

男「ははは……」

 
委員長「あ、男友くん! 進路希望調査の紙、まだ出してないでしょ」

男友「あーそうだった やべーどうしよっかなー」

男「おいおい」

女友「あたしも出してなーい」

男「え?」

男子A「俺も出してないや」

女子A「私も」

委員長「私も出してない」

男「え? え?」

 
男友「将来とか未来とか、くっだらねー」

男「男友……」

女子B「どうでもいいよね」

男「おい、皆……どうしちゃったんだよ」

男「ちゃんと将来のこと考えないと……」

女友「将来なんてないよ」

男「え………」

委員長「だって」




全員「「「ここはアナタの想像の世界だから」」」




男「うわあ゙ぁ゙ぁ゙ああ゙ぁ゙ぁああぁ!!! やめろお゙お゙お゙ぉぉお゙おぉお!!!」
 

  バリイイィィィィイィィン!!!

 
男「……ハッ……」

男「………」

男「……うっ………」

男「うぅぅぅうぅ……」 ポロ…ポロ…

男「………」 ゴシゴシ

男「クラスじゃ……ダメだ……」

男「学校……いや……」

男「街……街だ」

男「街……」

男「できるか……? いや、時間は腐る程あるんだ……」

男「人……店……公園……」

男「道……車……街路樹……下水道……野良犬……」ブツブツ

 
 140年後

男「行ってきまーす」

母「行ってらっしゃい」

 バタン

男「ふぁぁ……昨日は深夜テレビ見すぎた……」

男友「よーっす 何だか眠そうだな」

男「ああ、ちょっとな」

 ブルル…

男友「おい、車来るぞ」

男「おっと」

男友「はぁ……しかし最近寒くなって来たなぁ」

男「だな……息が白い」

女友「あ、おはよーっ!」

男「おー、おはよう」

女友「今日の国語、小テストだねー、勉強した?」

 
男「げ、そうだっけ」

男友「おいおい、連絡あっただろ」

男「やべぇ、忘れてた……」

女友「へへー、ノート見せたげよっか?」

男「マジ!? 助かるっ!」

男友「へぇ、やけに優しいじゃんか」

女友「うっさい!」

男「あはは……」

男(ん……?)

男友「ん? どうした?」

男「あ、いや、何でも……」

男(前にも……こんなこと……)

女友「ねぇ、大丈夫? 何だgか顔色が悪いよ?」

男「あ、いや……大丈夫」

 
男友「この顔色の悪さ……小学校の給食でグリーンピース出たときみたいだな」

男「何でそんなこと覚えてんだよ!」

女友「さすが幼馴染……」

男「感心するとこ違う!」

男友「おっ、もうこんな時間……急ぐか」

男「おう」



 ガララッ

男「セーフ」

 ザワザワ

男子A「なあ、知ってる?」

男子B「何をだよ」

男子A「5億年ボタン」

男「っ」 ピク

男子B「5億年ボタン? 何だそれ」

 
男「……」 ズキン…ズキン…

男子A「何かよー、ボタン押すと100万円もらえてー、でも5億年過ごさなくちゃいけないんだって」

男子B「何だよそれ」

男「………」 ハァ…ハァ…

男友「おい、男? どうしhた?」

女友「今日の男、何だqか変……」

男「だ、大丈夫……なんか頭痛が……」

 グニャ…

男「何だか景色が歪んで……」

女子A「ねぇ、昨日ネットで見たんだけどさー」

女子B「何なに?」

女子A「5億年ボタンってのが最近話題でさー」

男(やめてくれ……その話をやめてくれ……!)

男友「おいgy、ほkんjとにどうh」したんwkmだよ」

女友「保g健室、fつれ6dてこlklh43っpsか?」

 
女子B「5億年ボタンかぁー、なんか怖いねー」

女子A「でもさー、ネットとかでも凄い議論になっててー」

男(やめろ……やめろよ……)

男(よくあるくだらない妄想話の類じゃないか……)

男(何でそんなに皆……そんなものの話をしたがるんだよ……!!)

 グニャァ…

男(不自然じゃないか……)

男子A「現実じゃありえねーのになー」

男子B「なんか興味わいちゃうよな」

男(まるで……)

男子A「───」

男子B「────」

女子A「──、──」

女子B「───!」

男(まるで……ココが現実じゃないみたいじゃないか……!!) ズキン、ズキン、ズキン

男子A「だ」

男子B「っ」

女子A「て」

女子B「そ」

男子C「う」

女子C「じ」

男子D「ゃ」

女子D「ん」


男「………え………」


男友「ココは」

 やめろぉぉ………   やめてくれええぇぇぇえぇ………!!

女「5億年ボタンが作り出した」

 「「「「 幻なんだから 」」」」

男「やめろお゙おお゙お゙お゙お゙お゙おおお゙ぉぉぉお゙お゙ぉぉぉお゙お゙!!!」

 
 バリィィィ───イイィィィン!!!




男「…………」




男「………………」





男「…………………は」




男「あは、はは」


 はははははhガハハハハあははははははははははは
  ハハハhハハハハはははははははハハハハはははははははは
   ハハハアはははははhハハハはははハハハハハははははははハハハ
  
   あ は は は は は は は は は は は は は !!!!!

 
 150年後

男(もう……いい……)

男(………もう……疲れた………)



 200年後

男「…………」



 300年後


男「………………」



 500年後


男「……………………」


 残り、799999500年
 

 
 150年後

男(もう……いい……)

男(………もう……疲れた………)



 200年後

男「…………」



 300年後


男「………………」



 500年後


男「……………………」


 残り、499999500年

 
  538年242日後

男「…………」

男「……、……」

男「っ!」 ガバッ

男(俺は……想像で人間を作ろうとしていた……)

男(人間の集団を作ろうとしていた……)

男(でもそれだけじゃ不十分だった………)

男(矛盾点が生じれば、そこを綻びとして、世界が揺るいでしまう……)

男(そうだ……地球を作ればいいんだ)

男(地球……)

男(最初は……火の玉だったんだよなぁ……)

男(マグマが噴き出して……とても生き物が住めたものじゃない……)

男(そこに雨が降って……)
 
 600年後

男(いいぞ……そうだ、生き物の時代だ……)

 
男(そうだ……初めはプランクトンみたいな小さい生き物だった……)

男(それが虫や魚みたいな奴になって……)

男(……大きい奴が出て来たなぁ……)

男(すごい、恐竜が地上の支配者だ……)

男(このネズミみたいな奴……生き残れるかな……)

男(……寒くなって来た……雪……? これが氷河期か……)

男(おっ……ネズミみたいなのが生き残ってるぞ……)

男(色んな生き物が増えたなぁ……)

男「(あ、猿……)

男(……あれ、あいつ、2本足で立った……)

男(仲間も真似してる……)

男(……道具を使い始めたな……)

男(! 火か…… ついに、だな)

男(……凄い速さで進化していく……服、宗教、文化……)

男(そろそろ思考スピードを落とすか……)

  1000年後

男(色んな国も出来た……文明も、文化も、歴史も、学問も……発展した……)
 
男(はは、ほんと、人類って凄いスピードで進化してきたんだなぁ……)

男(そろそろ参加させてもらうか……)

男(完璧に作ったんだ……)

男(矛盾も、綻びも、何も無い……)

男(絶対に、思い出すことは無い……!)

 フッ

男「………」

男「オギャーッ! オギャーッ! オギャーッ!」

母「はぁ……はぁ……」

医師「元気な男の子ですよ!」

父「母さん!がんばったな……!」

母「ええ……」 ポロ…

男「オギャァァ! オギャァァ!」

 
男「見て見て!ランドセル!」

母「ほら、動かないの チーズ!」 

男「チーー!」

 パシャッ

───

男友「なあ、高校どうする?」

男「……全然わかんねー」

───

男「あれ、君……」

女友「あ、いつもバスで一緒の……」

男「同じ高校、だったんだね……」

───

男「はぁー……なーんか忘れてる気がすんだよなぁ」

男友「はぁ?」

男「うんにゃ、何でもないっ」

 
───

母「あんまり夜更かししちゃダメよー おやすみー」

男「はーい」

男「最近ネットが唯一の楽しみ……」カタカタ

男「ん?」

 新規スレッド:「5億年ボタンって知ってるか?」

男「……?」

男「…ッ」 ズキィ!

男「な、何だ……急に頭痛が……」

男「……今日はもう寝よう……」

 パチン

男「………」

男(……5億年ボタン……?)

───

 
───

男「おはよー」

男友「おっす」

男「はぁ……」

男友「何だ? 元気ねーな」

男「いや、ちょっとな」

男友「ふぅん? あ、そういえばさ 昨日ネットで面白いもん見たんだけど」

男「何だよ?」

男友「5億年ボタンって奴なんだけどさ」

 ズ キ ン

男「ッ… その話……やめてくれないか?」

男友「? あ、ああ」

男「………」

男(何なんだ……?)

 
───

母「それじゃ、おやすみ」

男「おやすみー」

男(……ネット……) ポチッ ウィーン

男「!」

 新規スレッド:なあ、お前ら5億年ボタンがあったら押す?

男「ッ…」ズキッ

男「……何、なんだ……」

男「………」

 ズキン ズキン ズキン

男「えいっ」 カチッ

男「うわ、何だこりゃ……めちゃくちゃ議論が白熱してやがる……」

男「何をそんなに……」

 カタカタッ

 『5億年ボタンって何だ?』

男「……」 カチッ

 『ググれ』

男「チェッ」

 カタカタカタッ

男「……これか……」

男「何だか一昔前のCGって感じのマンガだな……」

男「……」

男「へぇ……」

男「うわ、こえー」

男「俺なら絶対に押さねーわ……」

男「……」

 
男「しかし、冷静に考えたら、何でこんなにスレが盛り上がってるんだ……?」

男「よくある妄想の類なのに……それにしては異常に盛り上がってるよな……」

男「youtubeに動画まで上げられて……皆で議論してる……」

男(何でだ……)

男「何でこの世界の人間は……こんなに5億年ボタンのことが気になるんだ……?」

男「ん……?」

男「俺今……"この世界"って言ったか……」


  ズ
         ン
     キ


男「ッッ!? ぐあァッ!?」
 

男「はぁ……はぁ……はぁ………」

 ダメダ

男「え………」

 オモイダスンジャナイ

男「何だ………」

 ピコン

  新規スレッド:男「5億年ボタン?」


男「はぁ……はぁ……はぁ………」


 ダメダ


男「はぁ……  はぁ……!」


  ヤメロ


    カチッ

 

男「あ………」


    男「5億年ボタン?」


    男「5億g年ボhタン?」


男「あれ……文字化けかな……」


    男「5hj億yf年ボjksghタpyン?=¥#」


男「俺の目が……おかしくなったのか………?」


   チガウ


男「あ…………」

 
男「世界に………  ノイズが……  歪、み………ぁ」


   そうか
    



   僕は






   押 し た ん だ 









男「あぁああ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!!!!!!!!」

      %完g

>>114訂正させてくれ

 
 
 
 
 
 
 
         %完g

 
 
 
 
 
 

くぅ~疲れましたw これにて5億年です!
実は、散歩したらバイトの話を持ちかけられたのが始まりでした
本当は押す気はなかったのですが←
ご厚意を無駄にするわけには行かないので流行りの連打で挑んでみた所存ですw
以下、妄想達のみんなへのメッセジをどぞ

1日「みんな、押してくれてありがとう
ちょっと退屈なところも見えちゃったけど・・・気にしないでね!」

1ヶ月「いやーありがと!
私のどうしようもなさは二十分に伝わったかな?」

1年「押してくれたのは嬉しいけどちょっとつまんないわね・・・」

100年「押してくれありがとな!
正直、押す前で言ったこの5億年は本当だよ!」

100000000年「・・・ありがと」ノコリヨンオクネン

では、

1日、1ヶ月、1年、100年、1億年、100万円「皆さんありがとうございました!」



1日、1ヶ月、1年、100年、1億年「って、なんで100万円くんが!?
改めまして、ありがとうございました!」

本当の本当に16往復
誰かもうちょっと面白くしてくれ

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年03月08日 (土) 16:34:08   ID: xXfSRlF-

もっと発狂するだろ

2 :  SS好きの774さん   2015年11月08日 (日) 14:14:12   ID: WGPBriCw

※1
意識がはっきりしてるから発狂すらできない

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