街が見える (2)
どれほど歩いただろうか…星(地球)に帰ってから四度目の朝を迎えた、ジリジリと俺達を照りつける太陽が疎ましく身体が水を欲するもう限界はとっくに超えているのに足は動く、遠く見える街を目指して、だが街は遠のいて行く
「おかしい」
街との距離は一向に縮まらない、漏れた言葉は照り返しと混ざって消えた、思えば命がけの旅に生きたまま帰ってきただけで奇跡かもしれない、青い星をみて、碧い地を踏んだだけで
「満足かもしれない」
多くが足を止めた、歩む物もいるかごく少数だ、俺走った。死んでもいい、せめて最後にあの街を、走る走る走る走る、もう街は目の前…
「え?」
訳がわからなかった…喜びも怒りも悲しみも憎しみも、ただ笑った、笑った、笑ったんだ、笑ってた、ジリジリと太陽が一人を照りつける、足元で乱反射する水溜りは太陽の様に真っ赤に燃えたいた、俺は蠢くモニュメントと共に嘆くように、叫ぶように、届くように、笑った
未だ果てには希望が見えているのだろう
END
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