大本営「チキチキ!!無人島生き残りバトル~!」日本兵「おぉーっ!!」 (96)

大本営「さぁ始まりました!!第三回無人島生き残りバトル。司会は私、大本営陸海軍部がお届け致します」

大本営「今回舞台となりますのはフィリピン諸島の名も無き島。熱き日本男児達にはこの島でバトルを繰り広げて頂きまッしょう!!!」

大本営「そして栄えある第三回目を記念して特別解説員もお招きしております。この方です」

USPF「どうもこんにちは。アメリカ大平洋艦隊司令部(USPF)です」

大本営「本日はよろしくお願いします」

USPF「よろしくお願いします」

大本営「今回、大会運営の多くはUSPFさんが受け持ったそうですね?」

USPF「はい、熱き男達を屈折させるだけの難易度の高いフィールドを設定いたしました」

大本営「なるほど、具体的にはどのような?」

USPF「それはこれからチャレンジャー達が身を持って我々に見せてくれると思います」

大本営「それは楽しみですね。おーっと!!早速挑戦者達がスタートラインに着いたようです」

大本営「今回彼等にはこの無人島であるミッションに挑戦して頂きます」

大本営「そのミッションをクリアした者には~……なんと!!!!」

大本営「大本営陸海軍部より直々に本土での休暇が進呈されます!!!!」

USPF「素晴らしいプレゼントですね。兵士にとって休暇は何物にも勝るものです」



USPF「ちなみに現在、アメリカ海軍では入隊者全員に休暇を与えるキャンペーンを実施しております」

USPF「これを見ている若き愛国者達よ。入隊するなら野蛮な陸軍より海軍にしよう。君もポパイになれる」

大本営「さぁ今回挑戦者に挑んでもらう試練はーこれだぁ!!」


【作戦指令:本日1700に敵飛行場に対し艦砲射撃を敢行せんがため、貴官には敵重要施設に誘導用の発煙筒の設置することを命ずる】


大本営「おーっと、これは非常に難易度が高いと思われますが。USPFさん如何でしょうか?」

USPF「大変困難ですね。飛行場は最重要軍事施設ですから警備も厳重であると予想されます」

USPF「と言うか大変厳重ですね。私が厳重にしました」

大本営「さぁ挑戦者達の中にコレをクリアする強者は現れるのでしょうか!!!大変見ものです!!!」

大本営「えー、今回挑戦者達にはそれぞれ手書きの地図(誤表示アリ)とコンパスが支給されます」

大本営「皆さんにはこれを頼りにミッションをクリアして頂きます。真の漢であればギリギリクリア出来る内容です」

USPF「この条件は私から見ても非常に難易度が高いですね」

大本営「全員支給品は持ちましたね~?それでは……」


大本営「チキチキ!!!!無人島生き残りバトルの開幕です!!!!」

大本営「アメリカ大平洋艦隊司令部さん。彼らはまずどう動くでしょう?」

USPF「そうですね。まず自分達の正確な位置を知る必要があります。
なので山の位置や海岸線の形からそれを予測すると思います」

大本営「なるほど……おぉっと!!!一部の者がいきなりジャングルの中へと入っていきます」

USPF「これは大変危険ですね。遭難の危険性があります」

大本営「彼等には恐れというものが無いのでしょうか?素晴らしい精神力です!!」

大本営「えー、運営本部より連絡がありました。ジャングルに入った一隊はアメリカ海兵隊に捕まり本部に保護されたたようです」

USPF「今大会には我らも非常に力を入れておりますので、わずかな隙も命取りとなります」

大本営「大変恐ろしい!!!果たしてこの鬼畜米英の罠に掛からず目的を達成する者は現れるのでしょうか!!!」

大本営「おっと、どうやら海岸に残った者達が自分の位置を掴んだようです」

USPF「僅かな手掛かりから正確な情報を導きだす。お見事です」

大本営「どうやら彼等はジャングルを迂回して飛行場を目指すようです」

USPF「良い選択です。遠回りに見えて実はジャングルの中を進むよりも時間短縮になります」

大本営「しかしこの開けた海岸では隠れることも困難ですね」

USPF「飛行場から離れたこの位置でわざわざジャングルの中に隠れ潜む者はいないと踏んだようです。
リスキーですが【虎穴に入らずんば】というやつですね」



USPF「ちなみにアメリカ海軍ではこのような選択は致しません。
ハンニバルオタクが無茶をする陸軍よりもリスクを排除した行動をとる海軍に入隊しましょう」



大本営「さぁ果たしてこの選択が吉と出るのか凶と出るのか!!!」

大本営「既に開始より2時間が経過しておりますが、今のところ大きな動きはありません」

USPF「これは非常に危険な状態です。徐々に敵の本拠地に近付いているわけですが、彼等は今油断しています」

大本営「なるほど、そろそろアメリカ海兵隊に出会す可能性が……」

大本営「おぉっと!!!で…出ました!!!あれはアメリカ海兵隊の一団です。と……あれは!!!」



大本営「な、なんとM2中戦車です!!!海兵隊がM2中戦車を運用しています!!!!」

USPF「本国で腐らせていたものを取り寄せました。あれでも軽装の上陸部隊には驚異でしょう」

大本営「なんと恐ろしい!!!第一回マレー大会を彷彿とさせます!!!」

USPF「本当はM4を取り寄せたかったのですが、陸軍が首を縦に振りませんでした」



USPF「このようにアメリカ陸軍は大変ケチです」

USPF「真の愛国者は欧州でチョビ髭狩りに勤しむ陸軍よりも、リメンバー・パールハーバーの精神を持つ海軍に入隊しましよう」



大本営「さぁこのピンチに彼等はどう対処するのでしょうか!!!」

大本営「おぉっと、 彼等は特に混乱することもなくジャングルへと逃げ込みました」

USPF「素晴らしい。あの粗末な地図で予め敵が潜んでいそうな場所の目星を付けていたのでしょう」

USPF「しかしここから先は完全に敵のテリトリーとなります。僅かな油断も許されません」

大本営「さぁこの難所をどう乗り切るのか……おぉ?ここで隊長が何か指示を出したようです」

USPF「彼にはこの状況を打破する策でもあるのでしょうか」

大本営「えー、只今連絡がありました。どうやら彼等はあの戦車を奪取するするつもりのようです」

USPF「大変危険な賭けですね。失敗すれば全滅となりますが……しかし、今ならば可能かも知れません」

大本営「それは一体どういうことでしょう?」

USPF「ジャングルに陣取る挑戦者に対する海岸に立つ海兵隊……これは攻守の立場が完全に逆転しています」

USPF「海岸には隠れる場所も逃げる場所もないわけですから、挑戦者側にも十分勝機はあるわけです」

大本営「なるほど、それを見越しての戦車強奪作戦なわけですね。素晴らしい作戦です」

大本営「さぁ早速戦闘が始まったようです!!!挑戦者達が海兵隊に対して一斉射撃を開始しました!!!」

USPF「先制攻撃で敵を釘付けにする魂胆のようです。単純ですがそれだけに効果は絶大です」

大本営「しかし敵には戦車があるぞ!!どう対処するのか!!!」

USPF「おっと、どうやら糞陸軍の糞戦車は海兵隊を守る盾となる選択をしたようですね。これは大変な間違いです」

大本営「どういうことでしょう?」

USPF「この不利な状況を打破するには犠牲を覚悟して戦車はその機動力を駆使すべきです」

USPF「しかしこれでは挑戦者の思惑通り、完全に釘付け状態です」



USPF「これを見ても分かる通り陸軍は時として戦略を誤ります。確実な勝利を得たいなら海軍に入隊しましょう」



大本営「おおっ!!!戦況に動きがありした!!!挑戦者達が敵に向かって煙幕を投げつけております!!!」

大本営「そしてー……なんと!!いつの間にか左右に隠れていた別動隊が海兵隊に突撃しています!!!」

USPF「パーフェクトです。海兵隊は為す術もないでしょう」

大本営「はい!!!ここで戦車から白旗が揚がりました。規定によりこの戦車は挑戦者の物となりまーす!!」

大本営「さぁ戦車を手に入れた挑戦者達。ここからどう戦況を展開させていくのでしょうか」

USPF「非常に楽しみですね。ここまで彼等は常に正解を選択し続けています」

大本営「さぁいよいよ目標の敵飛行場ですが~……おおっとこれは!!!これは何ということでしょう!!!」

大本営「なんと飛行場周辺の木々が薙ぎ倒されてジャングルが平野となっております!!!」

USPF「我が合衆国が誇る工兵隊の力ですね。素晴らしい」

大本営「何と恐ろしい!!!これでは飛行場に近付く挑戦者達がまる見えとなってしまう!!!」

大本営「さぁここで隊長が二度目の作戦会議に入りました。この絶望的状況を突破する策はあるのでしょうか」

USPF「もはやマニュアルは通用しません。軍人としてのセンスが問われる難局ですね」

大本営「ここで隊長、戦車に何やら細工を行うように指示しております」

USPF「鹵獲した戦車を有効に活用出来るか、確かにこれが戦局が大きく左右しますね」

大本営「どうやら細工は完了したようです。果たしてどのような策を披露してくれるのでしょうか」

大本営「……っと、おぉ!!!これはどういうことでしょう。無人の戦車が低速で進み始めました!!!」

USPF「アクセルとクラッチを何かしらで固定したのでしょうか」

大本営「さぁ無人の戦車がゆっくりと真っ直ぐ進んでいきます



大本営「そして~……さぁジャングルを抜けて切り開かれた平野を進んでいく」

USPF「なるほど、これは非常に有効な策ですね」

大本営「どういうことでしょう?」

USPF「見てください。飛行場の兵達の目が不審な戦車に釘付けとなっています」

大本営「おぉ確かに!!!そして挑戦者達はこの隙に~……なんと飛行場の反対側へと移動をしております!!!」

USPF「自分達が隠れるのではなく敵の視線を逸らすとは。お見事です」

大本営「おっと、平野の真ん中で無人の戦車が停止しました」

USPF「一体どのような細工を施したのでしょう。タイミングも完璧過ぎますね」

大本営「さぁ見張りの米兵達がこの不審極まる戦車に近寄って行きます」



大本営「そして~……うわぁッ!!!!こ、これはどういうことだぁ!?突然戦車が大爆発を起こしたぁ!!!これには見張りもビックリぃ!!!!」

USPF「凄まじいですね。映像からでも爆発の衝撃が見てとれます」

大本営「さぁ突然の爆音に基地内が騒然となっています」

USPF「これには兵士達も浮き足立っているでしょう。帰還してきた味方の戦車が突然爆発したわけですから」

大本営「さぁこの混乱に乗じて挑戦者達、有刺鉄線を切って続々と飛行場へと侵入していきます」

USPF「NINJAを彷彿とさせる見事な手際です。素晴らしい」

大本営「しかしここからが問題です。彼等の地図には重要施設の場所は書かれていない」

USPF「敵に見つからないように隠れながら重要施設を遠目に確認するのは至難の技です。どう出るのでしょう」

大本営「さぁ只今の時刻は1600。飛行場砲撃の任を負った艦隊は後1時間で到達します」

大本営「ちなみに砲撃艦隊には日本の戦艦、比叡と霧島を招待しております」

USPF「いずれも脚が速い艦ですからね。迅速に事を進める必要があるでしょう」

USPF「ちなみにアメリカ海軍では金剛級より強力なノースカロライナ級が運用されています。若い奴はガタガタ言わず海軍に……」

大本営「さぁ飛行場に侵入した挑戦者。敵に見つからないように隠れながら重要施設を捜索しております」

USPF「隠密行動を取りながらの索敵は非常に困難です、僅かなミスで全滅もありえます」

大本営「もしここで敵に見つかればこれまでの苦労が全て水の泡となります。恐ろしいプレッシャーで……ってなんだ!?」

USPF「飛行場の外から銃声が聞こえていますね。何かあったのでしょうか」

大本営「えー、たった今入った情報によりますと、ジャングル中から別の挑戦者一団が現れましたとのことです!!!一体どういうことでしょうか!?」

USPF「恐らくジャングルに入った一団の生き残りでしょう。ジャングル伝いにここまで辿り着いたようです」

大本営「なんという生命力!!!ジャングルの道なき道を海兵隊に見つからずここまで突き進むとは!!」

USPF「じゃっかん恐ろしいながらも素晴らしいですね。ここまで辿り着くとは」



大本営「あー、しかし残念!!!しぶとい彼等の命運も最早ここで尽きてしまったようです!!!」

大本営「なんと彼等が今立っているのは戦車が木っ端微塵になった場所の目の前っ!!!米兵達の目の前だーッ!!!」

USPF「恐らく爆音を聞いて急いでジャングルから出てきたのでしょう。判断を誤りましたね」

大本営「さぁどうする挑戦者、今彼等の前にいるのは戦車をやられて殺気立っている米兵達です」

USPF「しかしこの展開、彼等にとっては不運ですが飛行場に侵入したNINJA達にとってはこの上ない好機ですね」

大本営「さぁ現在米兵達の目はジャングルから出てきた不運な挑戦者に向けております!!!まさに一触即発の空気」

大本営「だがしかし、この隙に侵入した部隊は続々と目標に発煙筒を設置しております!!見事な手際です」

USPF「手際も見事ですが、天運を味方に付けた彼等こそ神に愛されし者共と言えるでしょう。素晴らしい」

大本営「最早彼等の勝利は決まってしまったのでしょうか~……」



大本営「っと、ここで本部から連絡がありました。どうやら戦艦が配置に着いたようです」

大本営「ではここで戦艦上空で待機するPB4Y-1に通信を繋げてみましょう。PB4Y-1さーん」

PB4Y-1「……はいー、こちら戦艦比叡と霧島の上空ですー。何やら飛行場から発煙筒以外の黒煙が上がっているようですがー?」

大本営「挑戦者達が見事な策を見せてくれましてー、そのせいですねー」

PB4Y-1「……なるほどー、こちらは既に飛行場への砲撃準備が整いましてー、あとは合図を待つだけとなっておりますー」

大本営「なるほどー、では合図が上がりましたら予定通りお願いしまーす」

PB4Y-1「……はいー、よろしくお願いしますー」

大本営「さぁいよいよ舞台はクライマックスを迎えておりますが、さすがに震えてきますね、USPFさん」

USPF「そうですね、しかし油断は出来ません。飛行場から脱出出来なければ失格となります」

大本営「その通りですね、さぁ飛行場に侵入した部隊は発煙筒を目標に設置し続々と脱出しております」

大本営「あと1人脱出に成功すれば晴れて全員任務を達成出来ますが……おや?」

大本営「なんでしょう?何やら飛行場内が騒がしくなってきました」

USPF「この警報は非常にまずいですね。どうやら一人見つかってしまったようです」

大本営「何ということだ!!!ここに来て一人脱落してしまうのかー!!!」

大本営「しかし任務は発煙筒の設置!!仮に一人捕まったとしても生き残った彼等は任務達成となります」

USPF「捕まった彼は非常に残念ですね。しかしほぼ任務達成したと言って良いでしょう。よく健闘しました」

大本営「さぁ後は飛行場から脱出した彼等が避難すれば……っとあれは!!!」



大本営「な、なんと飛行場を脱出した部隊がまた飛行場内へと侵入しております!!一体何をするつもりなのかー!!!」

USPF「どうやら彼等は捕まった仲間を助け出すつもりのようです。美しい、実に美しい信頼関係だ」

大本営「しかしあまりに無謀すぎる!!!正面からでは多勢に無勢です!!!何か策はあるのかー……」

大本営「いやっ!!!策は無いようです!!!彼等はただライフルを握り締めて米兵に突貫しております!!!!」

USPF「まさにKAMIKAZE、HARAKIRIの精神ですね。今の彼等からはBUSHI-DOスピリットが見て取れます」

大本営「なんと健気な光景でしょう!!!!仲間の為に一丸となって敵に向かっていく様、彼等こそ真の侍です!!!」





大本営「っとザーンネーンッ!!!!今ここで1700となりましたー!!!」

大本営「それでは……至急伝達!!宛海上戦艦隊!!!
目標、発煙筒にて指示されし敵飛行場重要施設群!!!
主砲、三式弾!!!撃ち方始メーッ!!!」

大本営「はい。と言うわけで第三回無人島生き残りバトル。残念ながら達成者は0という形になってしまいました」

USPF「非常に残念です。彼等の美しいBUSHI-DOスピリットが逆に足枷となってしまうとは……」

大本営「実に惜しい所まで行きましたね。最早任務達成としても良いのではないでしょうか?」

USPF「残念ながら兵士の仕事は生きて帰ってきて始めて達成されるのです。死は負けを意味します」

大本営「なるほど、さすが手厳しい!!!」

大本営「さぁ残念な結果に終わった今大会ですが……なんと!!!既に第四回大会の実施が決定しておりまーす!!!!」

USPF「素晴らしい。今大会に出場した者にも是非リベンジを果たして貰いたいですね」

大本営「第四回大会は今までよりも規模を広げる予定となっております!!!」

USPF「それは大変興味深いですね」

大本営「驚くことに【九州】【四国】【北関東】の同時開催が既に決定されているのです!!!!これはまた凄い規模ですね!?」

USPF「大会運営を我らUSPFから統合参謀本部に移すことで、ここまで規模を広げることを可能としました」

大本営「なるほど、ちなみに我らも大本営も第一総軍と第二総軍に別けて効率的に大会を運営する予定となっております」

USPF「HAHAHA、私は既に次回の開催が待ち遠しいですよ」

大本営「全くですね!!!私も武者震いが止まりませんよ、HAHAHA♪」

大本営「えー、それでは名残惜しいですがUSPFさん、締めの言葉をお願いします」

USPF「分かりました」

USPF「えー、連合国軍で一番偉い野郎は汚名を被りながらも生き抜いて救国の英雄となりました。
死ぬのは生き残った後にしましょう」

大本営「ありがとうございます。本日はお疲れ様でした」

USPF「お疲れ様でした」



大本営「それでは皆さんもまた次回!!第四回大会でまたお会いしましょーう♪」

~完~

陸軍「日本に勝てたのは次々と領土を落としていったから。だからうちを拡張しなさい」
海軍「日本に勝てたのは船を沈めて本土を孤立させたから。だからうちを拡張しなさい」
陸軍「日本に勝てたのは爆弾を落として焼き尽くしたから。だからうちを拡張しなさい」

仕方ないね

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom