母「今日は貴方の16歳の誕生日」
母「とうとうこの日が来たのね」
勇者「やっぱり旅立たないと駄目なの?」
母「あなたは勇者の血を引き継ぐ者、この世界を平和に出来るのは貴方だけなのよ」
勇者「でもスライムも倒せないんだよ?装備もないし!」
母「王様がきっと素晴らしい装備をくれるわ」
勇者「でも一人だと寂しいなーお母さんも勇者の妻なんだし一緒に行かない?」
母「ふふふ、早く準備なさい、城に向かうわよ」
勇者「はーい」
母「さぁ、ここからは一人で行けるわね?」
勇者「うむ!」
母「ふふふ、しっかりご挨拶してくるのよ」
勇者「んじゃの」テクテク
母「……」
門番「はっお待ちしてました!」
勇者「うむくるしゅーない」
王様「おお、待っておったぞ勇者」
勇者「どうもー」
王様「うむ、思っていたより若いな」
勇者「どもどもー」
大臣「小さい頃にお父上を亡くされましてさぞ辛かったことでしょうな」コソッ
王様「うむ、それでは始めるとするかな」
―――――――――――――――――――――――――――
王様「よし、それでは勇者よ、そなたが魔王を倒す日を待ちわびておるぞ」
勇者「あれ、装備は?」
王様「なぬ?持っておらぬのか」
王様「そこの兵士よ、ちょっと外にある木の枝を折って参れ」
王様「後一階にある厨房から鍋の蓋もじゃ」
兵士「?……ははっ!」
勇者「?」
兵士「ただいま持って参りました」
王様「ほれ、それを持って行くがよい」
勇者「これ家にもあった」
王様「後これは餞別じゃ、ほれ」
「50G」ドヤァ
勇者「これで魔王が倒せるのか、なんとかなりそうかな!」
王様「よい知らせを待っておるぞ」
勇者「さて、早速町を出ますか!」
勇者「初めて町から出る、わくわく!」
勇者「へー外はこうなってたんだ、遠くに塔が見える」
スライムが現れた!
勇者「うわっ」
勇者は逃げ出した!しかし足が動かない!
スライムの攻撃!急所に当たった!
勇者「はうっ……」
―――――――――――――――――――――
王様「おお、勇者よ死んでしまうとはふがいない!」
勇者「ここは…城…?」
大臣「外で倒れている所を偶然兵士が見つけて運んで参りました」
勇者「あれ…確か…いててっ…」
勇者「あれ?装備がない」ショボーン
勇者「ねえねえ」
兵士「はっ!これは勇者様!」
勇者「その装備ちょこーっと貸してくれない?」
兵士「はっ!もちろんです!」
鉄の剣、鉄の盾を手に入れた!
勇者「重っ……」
兵士「大丈夫ですか?勇者様!」
勇者「へーきへーき!」
――――――――――――――――――――――――
店員「何のようだい?」
勇者「これとそれ交換してー」
店員「承知しました、差額はこちらになります」
銅の剣、皮の盾、3000Gゲット
勇者「おお、意外といいもの使ってたんだなー」
勇者「……兵士が魔王倒せばいいのに」
勇者「さっきはびっくりしたけど次は驚かないぞ!」
スライムが現れた!
勇者「うっ…ふーっ…ふーっ…」ザッ
勇者「よし!足が動く!」タッタ
勇者は逃げ出した!
勇者「ふぅ、圧勝だな」
おおがらすが現れた!
勇者「でかっ!」
おおがらすがいきなり襲い掛かってきた!
勇者「うわああっ!くそっ…死んでも装備は……離さないぞ……」
――――――――――――――――――――――――――――――
王様「おお勇者よ、死んでしまうとは情けない」
勇者「……あれ、装備は!?」
大臣「こちらに。抱きしめたまま死んでおられました」
勇者「装備は無事でよかったー」
勇者「なんか殺されてばっかだなー」
勇者「ちょっと町でも探索しよ」
「北西にレーベの村があるよ」「夜は魔物が強いぞ」
「ここの宿屋は高いよ」「Xボタンは便利ボタン」
勇者「色んな話が聞けたなー」
勇者「ん?ここはなんだろう?」
ルイーダ「ここはルイーダの酒場よ」
勇者「お酒まだ飲めない」
ルイーダ「あら勇者様。ここではお仲間を探すことも出来ますよ」
勇者「え、そうなの?」
ルイーダ「ご希望の職業はあられますか?」
勇者「んー何があるの?」
ルイーダ「せんし ぶとうか まほうつかい しょうにん とうぞく そうりょ あそびにんがございます」
勇者「なんかおかしいのがふたつある」
ルイーダ「どちらの方がご希望ですか?」
勇者「んー」
勇者「ん?」
魔法使い「……」ハッ ササッ
勇者「……?」
魔法使い「……」オズオズ
勇者「なんか用なの?」
魔法使い「あの、勇者様ですか?」
勇者「そうだよ、スライムも倒せないけど」
魔法使い「あのっ私も連れてってください!」
勇者「なんで?」
魔法使い「わたしっ魔法の修行がしたいんです!」
勇者「あのねお嬢ちゃん、冒険はそんなに楽しいもんじゃないよ」
魔法使い「……メラゾーマ!」ボッ
勇者「おお!」
魔法使い「」ドヤァ
魔法使い「これでも足手まといですか?」
勇者「いや十分だよ!すごい!」
勇者「なんていうの?その魔法」
魔法使い「……メ、メラゾーマです!」
勇者「へぇ~かっこいい名前だね~」
魔法使い「へへんっ」
勇者「よし、後は…何が必要なんだろう?」
勇者「話を聞いてみるか」
男「戦士は腕っ節が強く僧侶がいれば傷も癒える」
男「だが盗賊は何の役にも立たねえ、連れて行くなら洒落程度にな」
勇者「ふむふむ」
盗賊「おっと、聞き捨てならねえな」
勇者「むむ?」
盗賊「あんたが勇者かい?」
勇者「たぶん」
盗賊「ちょうどよかった、もうこの町の物は盗みつくしたところだ」
盗賊「きっと役に立つから連れてってくれよ」
勇者「えー」
勇者「魔法使いどうする?」
魔法使い「私は別にかまいませんっ」
盗賊「おいおい、こんなちっちゃい女の子なんか連れてって大丈夫なのか?」
勇者「この子はすごいんだぞ、なんだっけ?メラゾーマ?が使えるんだぞ」
盗賊「うそだろ?見せてくれよ」
魔法使い「み、見せませんっ」
盗賊「けちー」
勇者「後は…やっぱり商人がいいかな?」
盗賊「僧侶でしょ」
ルイーダ「僧侶ですね?僧侶さーん!勇者さんがお呼びよー!」
僧侶「ゆゆゆゆ勇者さんですか?お目にかかれて光栄です!」
勇者「どもどもー」
魔法使い「よろしくです」
盗賊「よろしくー」
僧侶「お役に立てるように頑張ります!」
勇者「最初からここにきとけばよかった」
勇者「よーしみんな外は危険がいっぱいだから気をつけてね!」
盗賊「この辺おとなしい魔物しかいなくね?」
勇者「あれ、みんなスライムとか倒せる?」
盗・魔・僧「え?」
勇者「え?」
盗賊「しかし勇者がここまで弱かったとはねー」
勇者「ちょっと修行したいからみんな見守っててよ」
スライムが現れた!
魔法使い「勇者様!がんばですっ!」
勇者「よーし、せい!ほっ!」
勇者の攻撃!スライムは倒れた!
勇者「あれ?」
盗賊「やるじゃん」
僧侶「おそらく守るべき存在がいると強くなれるのですね」
勇者「おお、ほんとに勇者なんだ」
盗賊「よし、さっさと次の町に向かおうぜ!」
おおがらすが現れた!
勇者の攻撃!おおがらすは倒れた!
勇者「もうからすも一撃かー」
勇者「ん…?」パラパッパッパッパー
勇者はメラが使えるようになった
勇者「ん?」ボッ
盗賊「おお、メラが使えるようになったじゃん」
魔法使い「」ドキッ
勇者「お、これってメラゾーマ?」
盗賊「違うよ、それはメラゾーマの弱っちい版だよ」
僧侶「魔法使いさんどうしたのですか?」
魔法使い「……ははは」アセアセ
盗賊「ははーん、そういうことか」
勇者「なんだなんだ?」
魔法使い「うそついちゃってごめんなさい!」
勇者「なにが?」
盗賊「たぶん勇者は気にしてないよ」
魔法使い「そうなの…?」
勇者「それよりなんか変な臭いがする」クンクン
僧侶「確かに…おそらくあの家からでしょうか」
「」ボフンッ
勇者「なんだ?あの家からおっきい音が聞こえたぞ」
僧侶「行ってみましょう」
魔法使い「あれ、開かないよ?」
盗賊「はいはい、お嬢ちゃんはちょーっと目を閉じててね」ガチャリ
盗賊「お邪魔しまーす大丈夫ですかー?」
かしこさの種ゲット
爺「おやおや…鍵がかかっていたはずじゃが?」
勇者「はい!」
爺「もしや…そなた…勇者か?」
勇者「言い切れます、もうそれは覆らないです」
爺「待っておったぞ、ささ、このたまたまを…」
勇者「あちっ…なにこれ」
爺「これさえあればそなたの冒険の道が開かれるじゃろう」
勇者「ふーん、魔法使いあげるよ」
魔法使い「わーい」
僧侶「先ほどの音、ただならぬ物だと感じましたが…」
爺「そのたまたまは爆発するんでの、気をつけなはれや」
魔法使い「盗賊さんあげるっ」
盗賊「おい」
勇者「なんだここは…ほこら?」
爺「おやおや、こんなところに客人か?珍しいのう」
勇者「こんなところに住んでるの?珍しいのう」
爺「ここは旅の扉があるんじゃがほれ、壁に阻まれていてのう」
勇者「旅の扉?」
爺「違う場所へワープが出来るんじゃ、見た目はまぁ…あれだがのう」
勇者「なるほど、お任せあれ」
勇者「メラッ!」 ボッ
壁「……」シーン
盗賊「このたま使ってもいい?」
爺「おお!それはまさしく魔法の玉!」
爺「そなたはもしや勇者…?」
盗賊「俺が勇者に見えるってあんた相当やばいな」
盗賊「よし、セット完了。離れてー」
ドーン
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