玄「おねえちゃーん、弘世さんたち来たよー」(230)

咲キャラ全員同一校設定です

照「はぁ……寒い」ガクガク

菫「少し前までは暖かかったが……もう12月だからな」

照「ねえ菫、今日私がいる意味ってあるの?」ブルブル

菫「当たり前だろ。そうじゃないとわざわざ呼ばない」

照「松実さんの家に遊びに行くんでしょ? それなら私は邪魔だと思うんだけど……」

菫「……」

照「菫?」

菫「……宥と二人きりになった時、間が持たなくなるのが怖いんだ」

照「え……」

菫「……そんな目で見るな」

照「こんな寒い中呼び出されて、どんな事情があるのか心配してたのに……ちょっと信じられない」

菫「いつもは私がお前に振り回されてるんだ。こういう時くらい付き合え」

照「なんで私なの? 怜や久とかでも良かったんじゃ……」

菫「あの二人のどっちかを連れて行くくらいなら1人のがマシだ」

照「よく分からない……」

菫「それに。玄さんと面識がある分お前の方が都合が良いんだよ」

照「玄さん?」

菫(まあ、あちら側としては少し対応に戸惑うかもだが……)

照「やっぱりよく分からない……」

菫「難しく考えなくていい。普段通りにしていてくれれば」

照「うーん」

菫(地図によると確かこの辺りなんだが……)

照「そういえば。菫は松実さんの家に行ったことあるの?」

菫「いや、無い」

照「……えっと、道任せて大丈夫?」

菫「お前にだけは心配されたくないんだが」

照「寒いから早く屋内に入りたい……」ブルブル

菫「安心しろ。地図通りならもう着いてる」

照「えっ。でもこの周辺にはお屋敷しか……」キョロキョロ

菫「……」ジー

照「……もしかして」

菫「ああ、そうだろうな」

照「これが松実さんの家……?」

菫「あそこに表札があるし、間違いないだろ」

照「いや、あれは表札じゃなくて看板って言うんじゃ……」

菫「そういえば家が旅館を経営しているとか言っていたな……」

照「旅館……ということは温泉……」ポワポワ

菫「まあ何にせよもう約束の時間だ。行くぞ」

照「了解」キリ

菫(相変わらず現金なヤツだな……)

照「えっと、チャイムは……」キョロキョロ

菫「あるわけないだろ。旅館だぞ」

照「え。じゃあどうやって入れば……?」

菫「宿泊客と同じように正面から入ればいい」

照「……菫ってこういう時は堂々としてるよね」

菫「こういう時はってどういう意味だ」ジト

照「いや。他意は無い」

菫「……行くぞ」ウィーン

照「家の玄関が自動ドアってすごい……」ウィーン

仲居「ようこそ松実館へ。ご予約のお客様でしょうか?」

照(な、仲居さんだ……)

菫「いえ。私たちは松実宥さんの友人で……」

仲居「あなたたちが宥ちゃんの……お話は聞いています。少々お待ちください」ニコ

―――――――――――――――――――

玄「お待たせしまし……って宮永さん!?」

照「あ、玄さん。こんばんは」ペコ

玄「ど、どうして宮永さんがここに……?」

照「菫に無理やり連れて来られました」

菫「人聞きの悪いことを言うな」

菫「すまない玄さん。照のことは宥にもさっき連絡を入れたばかりなんだ」

玄「えっと、宮永さんも遊びにいらした、ってことですか?」

菫「ああ、そういうことだ」

玄(だからお姉ちゃんちょっと機嫌悪かったんだ……)

照「玄さん、今日はお世話になります」フカブカ

玄「こ、こちらこそよろしくお願いします」フカブカ

玄「えっと。それじゃあ早速案内しますね。どうぞこちらへ」

菫(今さらになって緊張してくるとは……情けない)ドキドキ

照(晩ご飯は板前さんが作ってくれるのかな)

玄(お姉ちゃんちょっと可哀想かも……)

―――――――――――――――――――――

玄「おねえちゃーん。弘世さんたち来たよー」ガラッ

宥「ふぇ!?」

菫「なっ」

照「おお……」

玄「あ……お着替え中でしたか」

宥「お、お客さん来るときはノックしてっていつも言ってるのに……」カァァァ

玄「弘世さんたちはお友達だから大丈夫かなー、って」アハハ

宥「は、早く閉めて……!」

玄「ふふ、ごゆっくりどうぞー」ガラッ

菫「……」

照「……菫、鼻の下伸びてる」

菫「適当なことを言うな!?」

―――――――――――――――――――――

宥「うぅ……クロちゃんのバカぁ……」ウルウル

玄「あはは、ごめんなさい」

菫「その、なんだ。あまり見てないから気にしなくていい」

照「菫すごく集中して見てたけど……」

菫「おい!」

宥「うぅ……」

玄「ふふ。私お茶入れて来ますからフォローお願いしますね」ボソ

菫「そ、そう言われてもだな……」

照「大丈夫だよ松実さん。着替えを見られるなんてよくあることだから」

照「私もよく菫に見られてるし」

宥「え……?」

菫「誤解を招くようなことを言うな!?」

照「誤解?」

宥「そ、それってどういう……?」

照「私が菫の家とかで着替えてるときよく目撃される」

照「菫が私の家に来てるときもよく目撃される」

宥「……」

菫「ち、違う。宥、君が思ってるようなことは一切無い。だ、だから勘違いしないでくれ」

照「勘違い?」

菫「コイツは家の中だと一切人目を気にしないんだ」

菫「隣に誰が居ようが唐突に着替えだすし服を脱いだりも平気でする」

照「そんなことない。菫と一緒に居るときだけ」

宥「えっ……」

菫「だ、だからそういう私だけとか言うのやめろ!?」

菫「妹たちの前でも平気でしてるだろ!」

照「あ。そういえばそうかも……」

宥「宮永さんと菫ちゃんって本当に仲良いんだね……」シュン

菫「そ、そんなことはない。コイツとは腐れ縁でいつも振り回されてるだけだ」

照「振り回してる云々は同意しかねるけど、腐れ縁っていうのはあってると思う」

照「菫とは幼稚園の時からの付き合い。私が何から何まで面倒を見てあげてた」フフン

菫「お前に面倒を見られた記憶なんて一切無いんだが……?」ゴゴゴ

照「そ、そんなことないよ。二人組作るときとかずっと私が相手してあげてたし」

菫「お前が人見知りで誰にも声をかけられないから私が組んでやってたんだろ!!」

照「そ、そうだっけ?」

菫「中学入るまでロクに友達居なかったの覚えてないのか……」

照「いや、咲とか淡とか居たよ? それに怜と久も……」

菫「1人は妹だし1人はお隣さんだろ……それに二人とも年下だ」

照「うっ」

菫「園城寺や竹井に至っては高校に入ってからだろ……」

照(思い返してみると……同年代の友達って菫だけだったかも……)

照「で、でも菫も友達少なかったはず。教室では私としか一緒にいなかった」

菫「お前がひとりぼっちになるから一緒に居てやったんだろ……」

照「友達がいなかった理由を私のせいにするのは良くない」

菫「お前なぁ……!!」

宥(すごいなぁ、宮永さん……)

宥(菫ちゃんのこといっぱい知ってて、こんなにも気兼ねなく話してて……)

宥(菫ちゃん、宮永さんと居るときはとっても雰囲気が柔らかくなってる……)

宥(私と一緒にいる時はどこかぎこちない感じなのに……)

玄「お待たせしましたー」

玄(ってどういう状況なんだろう……)アハハ

玄(弘世さんと宮永さんが喧嘩? してて、それをお姉ちゃんが黙って見てて……)

玄(お姉ちゃんちょっと表情暗い……たぶん宮永さんのことが……)

照「!」

照「玄さん、そのお盆の上に乗ってる物は……!」

菫「まだ話の途中なんだが……」

玄「あ、お茶だけだと寂しいと思って持ってきました」

照「おおー」キラキラ

玄「まあお話はそのくらいにして。どうぞ食べてください」ニコ

照「頂きます」キリ

菫「はぁ……コイツは本当に……」

宥「……」ジー

玄(お姉ちゃん……)

照「玄さん。私このいちご大福が食べたいです」

玄「え? あ、ああ。どうぞ召し上がってください」ニコ

菫「すまないな宥、騒がしいのを連れて来てしまって……」

宥「ううん、大丈夫。賑やかな方が楽しいから」ニコ

菫「そうか……それは良かったよ」フフ

宥(菫ちゃんのバカ……)

玄「お、お二人もどうぞ! 好きなの食べてください!」

菫「色々と気を遣わせてしまってすまないな」

宥「クロちゃんも一緒に食べよ? ほら、座って」

玄「え……で、でも私は……」

照「玄さん、このお饅頭も頂いていいですか?」

玄「あ、どうぞ。お茶入れますね」

照「ありがとうございます」モグモグ

菫「お前の中に遠慮という言葉は無いのか……」

照「普段通りにしろと言ったのは菫」ズズズ

菫「確かにそうだが……」

玄「お二人は今日、どういった理由でここに?」

菫「私が宥に遊びに来ないかと誘われて、私が照を誘って。という流れだな」

玄「お姉ちゃんが弘世さんを……」ジー

宥「な、なにクロちゃん……?」

玄「いや、すごく珍しいなーって」

照「そうなんですか?」モシャモシャ

玄「はい。お姉ちゃんはあまりそういうことしないから……」

宥「うぅ……」モジ…

玄(そんなお姉ちゃんが勇気を出して弘世さんを呼んだのに……)ムムム

菫(ど、どうして玄さんに睨まれているんだ……?)

照「この部屋は松実さんの部屋?」

宥「え? あ、はい。そうですけど……」

照「なるほど。客間か何かかと思ってた」

宥「ふふ、客間にこたつは置きませんよ」

菫「それもそうだ」アハハ

照「良い部屋……特にこたつが良い……私の部屋にも欲しい」

菫「お前は出て来れなくなりそうだからやめとけ」

照「外が寒かった分ここが天国に思える……」

照「あったかいし、お菓子もお茶も美味しいし……」

照「住みたい」キリ

菫「ふざけるな」ジト

宥「あはは……」

玄(このままじゃお姉ちゃんが可哀想だよ……)

玄(お姉ちゃんは弘世さんと二人きりで過ごせると思って、今日という日を楽しみにしてたのに……)

菫「おい照、口にあんこが付いてるぞ」

照「取って」

菫「はぁ……」スッ

玄(こんなのってあんまりだよ……)

玄(弘世さんは何を思って宮永さんを……)

玄(お姉ちゃんのことが好きなら二人きりになりたがるはずなのに……どうして……)ムムム

玄(それにさっきから弘世さん、宮永さんとしか話してないし……)イライライラ

宥「クロちゃん」ギュ

玄「わわ……お、お姉ちゃん……?」

宥「私なら大丈夫だから、心配しないで」ボソ

玄「で、でも……」

宥「菫ちゃんにとって大切な人は、私にとっても大切な人だから」ニコ

玄「っ……!」

菫(さっきから二人で何の話を……?)

照「おいしい……」モグモグ

照「酔ってない」の続き?

玄「弘世さん!!」ガタン

菫「っ……な、なんだ玄さん?」

玄「……お姉ちゃんを泣かさないよーに」グズッ

菫「あ、ああ……?」

宥(クロちゃん……)

玄(私が頑張らなきゃ……私が頑張って、お姉ちゃんと弘世さんを……!!)

照「うん、羊羹はお茶と合う……」ズズ

菫「ってお前さっきから食べ過ぎだぞ!?」

照「こんなにもいっぱいあるんだから大丈夫だよ」モグモグ

照「菫も食べる?」スッ

菫「なっ……」

玄「!」

照「あーん」

宥「……!」

菫「ば、バカっ。食べるわけ……」

玄「あむっ」

照「え……」

玄「さ、流石宮永さんお目が高い! すごく美味しいですね!」モグモグ

宥「く、クロちゃん……?」

照「……」ポカーン

玄(は、恥ずかしい……)カァァ

玄(でも、これ以上宮永さんと弘世さんをベタベタさせるわけには……!)

照「玄さん。これも美味しいよ」スッ

玄「えっ……?」

照「あーん」

玄「み、宮永さ……」

照「あーん」

玄「……あむ」

照「どう?」

玄「美味しい、です……」

照「それは良かった」ニコ

玄「っ……」ドキ

照「はい。松実さんも」スッ

菫「な……」

宥「えっ? わ、私……?」

照「さっきから全然食べてないし、少し表情も暗い」

照「元気が無い時は甘い物に限る」

照「だから、はい」スッ

宥「あ、ありがとう……ん」パク

照「美味しい?」

宥「うん……」モグモグ

宥「美味しいです」ニコ

照「やっぱり。松実さんは笑ってる方が綺麗」

宥「み、宮永さ……」カァァ

菫「照、このどら焼きも美味いぞ」グイ

照「んむ!?」

菫「よーく噛んで食えよ? 喉を詰まらせるからな……!」グググ

照「んむむむ!?」

玄「ひ、弘世さんいきなり何を……!?」アワワ

宥「ふふ、あははっ……」

――――――――――――――――――――

照「し、死ぬかと思った……」ゼーハーゼーハー

菫「すまんな、少しやり過ぎたよ」

照「絶対に反省してない……!」

玄「二人とも本当に仲が良いんですね」クス


照菫「「良くない」」


玄「ふふ、ねえお姉ちゃん。宮永さんと弘世さんってクラスでもこんな感じなの?」

宥「うん。二人ともいつも一緒に居るし、すごく楽しそうにしてる……」シュン

玄(ああ!? せっかく宮永さんのおかげで元気出たのに私のせいで!?)

菫「どこをどう見たら楽しそうに見えるんだ……私はいつもコイツに振り回されてるだけで……」

宥「宮永さんたちと一緒にいる菫ちゃん、笑ってるから」

菫「笑ってる……?」

菫(私が……?)

照「流石松実さん、よく菫のことを見ている。実際菫は私たちと何かするときいつもノリノリ」

菫「そんなわけあるか!」

照「怜と久どっちがモテるのか検証したときも、松実さんのとき以外は本気で止めようとしてなかった」

照「演劇の練習の時だってノリノリで演技してた」フフン

菫「どうしてお前が得意げな顔をしてるんだよ……!」グググ

照「痛い痛い痛い!?」

玄(演技の練習……)

宥「す、菫ちゃんそれくらいにしてあげて……」

菫「……ふんっ」パッ

照「ま、まったく。菫はすぐに暴力に訴えるからよくない」

菫「口で何度も言っても聞かないからだろ」ジト

玄「まあまあお二人ともその辺にして……」アハハ

照「あ、そうだ」

照「菫、アレ出して」

菫「……何言ってるんだお前」

照「そこの私の鞄の中に入ってるから、出して」

菫「だから一体何を出せば……ってなんだこれ……」

照「すごろく」

玄「すごろく?」

照「小さい時、咲たちと一緒に作ったヤツ。菫、覚えてない?」

菫「そういえばこれ……いや、作る手伝いをした覚えはあるが遊んだ記憶はない」

照「あれ、そうだっけ」

玄「これ本当に手作りなんですか? すごくよく出来てる……」

照「図画工作の課題だったから。かなり真剣に作った。自信作」フフ

玄「わわ、お姉ちゃん見て! 折りたたみ式だよこれ!」パカパカ

宥「広げると結構大きさあるんだねー」マジマジ

菫「よくこんなものが今まで残っていたな……保存状態も良いし……」

照「みんなで一生懸命作ったヤツだから。思い入れ深い」

菫「……懐かしいな」シンミリ

照「思い出してきた?」

菫「ああ。そういえば、あの二人とちゃんと話したのもコイツがきっかけだった」

照「あの時はみんな小さかったね」

菫「私たちが小5の時だからな」

玄「そんな思い出の品をまた、どうして?」

照「四人集まるって聞いてたから、何か遊べるものをと思って」

菫「それでこれか……」

宥「同年代の子とボードゲームするって、私初めてかも……」

玄「お姉ちゃんはいつも私たちと遊んでたしね」アハハ

照「私もです、松実さん」キリ

菫「しかし大きいな……終わるまで結構時間かかるんじゃないか?」

照「1時間もあれば終わる……かな?」

玄「夕飯時までちょうど良さそうですね。ぜひ遊びましょう」ニコ

照「じゃあ早速サイコロで順番を決めて―――」

―――――――――――――――――――――――――――

照「一番」ドヤァ

菫「何番でもいいからさっさと振れ」

照「まったく、菫は慌ただしい……」コロ

照「3」

玄「命令は……」

照「自分の右隣に座っている人を抱きしめる」

宥「えっ」

照「右隣ってことは……」チラ

玄「!」

菫「……」

照「……はぁ」

菫「その溜め息はどういう意味だ……?」ピキ

照「た、他意はない」

玄(よりによってこんな命令を……弘世さんが宮永さんと……)

宥「だ、抱きしめるってちょっと刺激的な内容だね」アハハ

照「このすごろくに書いてあるマスは大体こんな感じ」

宥「へ……?」

菫「な、なんだって?」

照「確かもっと刺激的なのがあったと思うけど……」

玄(ホントだ……このすごろくに書いてあるマス、全部……)ドキドキ

菫「……おい照。どういうことだ?」

照「マスの命令は咲と淡が二人で考えてたから。どういうことなのかは二人に訊いて」

菫(当時小学生のあの二人が……こんな下心しかない命令を……)

玄(これを上手く利用すれば……)

宥「えっと……どうしよっか?」

菫「今すぐやめよう。3マス目でこの内容なんだ、きっと終盤に行けば行くほど……」

照「大丈夫だよ。嫌な気持ちになるような命令は無いから」

菫「そ、そういう問題じゃなくてだな」

玄「いいじゃないですか、やりましょうよ弘世さん」ニコ

菫「く、玄さん……?」

玄「夕飯まですることも無いですし……」

玄「それにこれ、とっても楽しそうです」

玄「お姉ちゃんも。やりたいよね?」

宥「ふぇっ?」

玄「もしかしたら弘世さんと色々出来るかもしれないよ?」ボソ

宥「い、色々……?」

玄「さっきは弘世さんと宮永さんで出ちゃったけど」

玄「これがお姉ちゃんと弘世さんで出ることだって……」

宥「……」

菫(さっきから二人は何を……)

照「菫、早く命令こなして次に行こう」スッ

菫「ま、待て。まだやるとは決まって無いだろ」

照「玄さんはやりたいって言ってるんだから2対1だよ」

照「それに予め内容を確認しなかった菫が悪い。もうみんなやる気満々なのに」

菫「うっ……ゆ、宥はどうなんだ。まだやりたいとも言っていないだろ?」

菫「嫌なら嫌と言っていいんだぞ? 何もこんなふざけたすごろくに付き合うことは……」

宥「私も……やりたい」

菫「なっ!?」

照「決定だね」

クロチャーはおねーちゃん思いの良い子やなぁ

菫「ゆ、宥? こんなアホに気を遣わなくていいんだぞ?」

宥「別に気を遣ってるわけじゃないよ?」アハハ

宥「私、あまりこういうことしたことないから……みんなで遊んでみたいな、って」

宥「菫ちゃんも一緒にしてくれたら嬉しいんだけど……ダメ、かな?」

菫「っ……」ドキ

照(落ちた)

玄(落ちた)

菫「……ゆ、宥がそういうなら3対1だ。私が参加しないわけにはいかない」

宥「ありがとう、菫ちゃん」ニコ

照(松実さんが出て来ると菫はちょろいなぁ……)

玄(そんなにもお姉ちゃんのことが好きなのにどうして……)

菫「そういうわけだ。とっとと命令を済ませろ」

照「了解」

玄(お姉ちゃん、辛いかもしれないけど今は我慢なのです……)

宥「……」

照「菫、両腕を上げて……というより脇を開いて」

菫「脇を開く? ……こうか?」スッ

照「そう、そんな感じ」ギュ

菫「なっ……」

宥「あ……」

玄「そ、そんなにも密着するんですね」

照「抱きしめるってこういうことじゃないの?」キョトン

玄「普通はそんなしっとりとした抱きしめ方じゃないと思いますけど……」アハハ

菫(ゆ、宥に見られてるんだ。あらぬ誤解は招きたく無い)

菫「照。もういいだろ、そろそろ離れろ」

照「……あとちょっとだけ」

菫「な、なに言ってるんだお前?」

照「菫、あったかいから気持ちいい……」ギュウ

菫「お、おいっ!」

宥「……」ジー

玄「むむ……」ジト

菫(ま、まずい……!)

菫「いいから離れろバカ! 時間指定なんてないだろうが……!」グググ

照「痛い痛い!? わ、分かった。離れるから乱暴しないで!」

菫「乱暴とか言うな!」

照「もう、菫はシャイなんだから……」スッ

菫「そういう問題じゃない」ジト

菫「ったく……最初の命令から疲れさせるな……」

照「抱きしめられてるだけだったのに」

玄(もし宮永さんが弘世さんのこと好きだったりしたら……大変なことに……)

宥「……次はクロちゃんだね。はい、どうぞ」

玄「あ。ありがとう」

玄(お姉ちゃん、あんまり表情には出さないタイプだから……ちょっと心配……)コロ

玄「5。命令は……」

宥菫「「……」」

照「誰かの首筋を舐める、だね」

玄「え……」

咲さん…あわあわ……

玄「えええ!?」

菫(なんて命令だ……)

玄「く、首筋を舐めるって……」

照「玄さんが誰を選ぶのか……気になる」

玄(そうだった……ゲームに参加してるんだから、当然私も……)

宥「だ、大丈夫クロちゃん? 嫌なら無理しなくても……」

玄「ダメだよお姉ちゃん。こういうのはちゃんとしないと白けちゃうから」アハハ

玄(お姉ちゃんと弘世さんのためにも、ここは……)

菫「相手は誰にするんだ? 」

菫(当たり障りのないところで行くなら、姉である宥に……)

玄「……み、宮永さんでお願いします」

宥「えっ」

照「わ、私?」

菫(どういうことだ? 一体何が理由で……)

玄「よろしくお願いします」ペコ

照「こ、こちらこそ……」

菫(まさか照に惚れて……? いや、流石に短絡的すぎる。じゃあ何故……)

宥(クロちゃん、私と菫ちゃんに気を遣ってるのかな……でも、それだけじゃ無さそうだし……)

玄「し、失礼しますね」

玄(……あの時のこと、思い出しちゃうな)ドキドキ

玄「ん……」チュ

照「っ……」ビク

玄「ぁ……」ペロ

照「っ……!」ゾクッ

宥(本当に……)

玄「お、終わりです! 次行きましょう!」

菫「あ、ああ……そうだな……」

照「首を舐められるなんて初めて……」

菫「ここにいる全員そうだろ……」

玄「ごめんなさい宮永さん。これも命令なんで……」アハハ

玄(……あの時のお返しです)

宥「つ、次行こっか。はい、菫ちゃん」

菫「ゴールまでこれが続くとなると気が重くなるな……」コロ

書きためなくなったんで遅くなります
すみません

菫「……3」

照「ってことは」

宥「右隣の人を抱きしめる……」

玄「……えええ!?」

玄(ま、また私!?)

菫「……すまないな玄さん。ゲームだと思って割り切って欲しい」

玄「そ、そんな。全然嫌とかじゃないんで気にしないでください」

照「菫と玄さんと言えば……」

菫「やめてくれ……思い出すだけで恥ずかしくなる……」

宥「そういえばそんなこともあったね……」アハハ

しえ

玄「恥ずかしくなるのは私の方ですよ……」カァァ

照「あの時の玄さんは迫真の演技だった。クライマックスには菫を押し倒して……」

玄「み、宮永さん!!」

菫「それ以上古傷を抉るな」ベシ

照「あうっ」

菫「軽く終わらせて次に行こう」スッ

玄「は、はい……」

宥(クロちゃんいいなぁ……宮永さんも……)

菫(いざやるとなると少し緊張するな……)ギュ

玄「っ……」ビク

照「あれ? そんな感じでいいの?」

菫「これが普通だ。お前の抱きしめ方は、その……おかしいんだよ」

宥「宮永さんがしてたのは、恋人同士でするものだから」アハハ

照「そうなんだ……ハグにも色々あるんだね」

玄「……」ポケー

菫「……玄さん。そろそろいいか?」

玄「ふぇっ。あ、はい……」

菫「ふぅ……次に行こうか」

玄(宮永さんの言ってた通りだ……温かくて、気持ち良くて……)

玄「わ、私ってば何を……!」アワワ

菫「だ、大丈夫か玄さん……?」

照「はい、松実さんの番だよ」

宥「うん……」

宥(あんまり期待しすぎると、がっかりするだけだよね……)コロ

宥「えっと1だから……5マス進む?」

照「ありがちなヤツだね」

玄「それって結局6と同じなんじゃ……」

菫「まあ小学生が考えたものだからな……」

照「松実さん、さらに5マス先の命令はなに?」

宥「えっと……次に自分の番が回って来るまで、好きな人と手を繋ぐ……」

玄「!」

菫「今までのヤツと比べると優しく感じるな」

照「次に自分の番が回って来るまで、が重要なポイントだと思う」

宥(好きな人と、手を……)ドキドキ

菫「……だ、誰にするんだ宥?」

菫(普通に考えるなら、妹である玄さんだと思うが……)

宥菫!宥菫!

玄(お姉ちゃん、勇気を出して……!)

宥「菫ちゃん……いい?」

菫「っ……」ドキ

菫「も、もちろんだ。ゲーム的にも断れないしな」

照(一言多いよ菫……)

宥「うん……ありがとう」ニコ

玄「弘世さんとお姉ちゃんの場所は反対だから……場所を移動しないとだね」ニコ

宥「わ、私が菫ちゃんの方に座るね」スッ

菫「あ、ああ……」

照「この命令、単純に見えてなかなか奥が深い……」

玄「ふふ、よく考えられてますよね」

キマシタワ――(゚∀゚)――!!

宥「……そ、それじゃあ。手、握るね」ギュ

菫(……ただ手を繋いでるだけなのに、どうしてこんなにも……)ドキドキ

宥(この感触、久しぶり……)

宥(恋人同士でもないんだから、当たり前だけど……)

玄「ふふ……良い調子なのです……」ボソ

照(そういえば二人の噂って最近は聞かなくなったな……)

照(一時期はすごい騒がれようだったのに……)

菫「て、照。お前の番だぞ」

照「もっとゆっくり進行してもいいんだよ?」

菫「さっさと振れバカ……」

照「素直じゃないんだから」コロ

照「4。いち、に、さん、しー……」

玄「命令は……」

照「好きな人の名前を言う、だね」

菫(こんな命令もあるのか……)

宥(宮永さん全然動揺してないけど、恥ずかしくないのかな……?)

玄(疑惑はまだ晴れてないし、もしかしたら宮永さんの真意が分かるかも……)

照「ど、どうしてみんな静かになるの?」

菫「……照、お前ここに書いてある好きな人の意味分かってるのか?」

照「何か別の意味でもあるの?」

玄「この好きな人ってたぶん……ラブのことですよ?」

照「ら、ラブ?」

菫「好きじゃなくて愛してる、つまり恋愛感情の方だ」

照「えっ……そんな人いない……」

宥「ほ、本当に?」

照「うん」

菫「まあそんなことだろうとは思ったが……」

照「こういう場合ってどうするの? もう終わり?」

玄「いや。ライクの方でもいいので、一番好きな人を言いましょう」

玄「自分が一番好感を抱いている人物、ってことで」

菫「随分と掘り下げるんだな……」

玄「いない、だけじゃ面白く無いので」ニコ

宥(宮永さんが一番好感を抱いている人……それってやっぱり……)

照「うーん……」

照「それなら菫だと思う」

宥「!」

玄(やっぱり……)

菫「お、お前には羞恥心ってものが無いのか」

照「羞恥心を感じる理屈がよく分からないけど」

玄「な、何か理由はあるですか?」

照「理由……そういう訊かれ方をすると難しい……」

照「でも、パッと思い浮かんだのは菫だから……」

玄「な、なるほど……」

菫(何故私が気恥ずかしくなって……)

宥「……」ギュゥ

菫「っ……ゆ、宥?」

宥「あっ……ご、ごめんなさい。つい……」

玄(これはつまり、何かきっかけがあれば恋愛感情に転ぶ可能性もある……)

玄(侮れないのです……!)

照「他に質問が無いなら、私の命令はこれで終わりだね」

照「はい、玄さん」スッ

玄「あ、どうも……」

菫(照は本当にぶれないな……それがコイツの長所でもあるが……)

照「?」

宥(菫ちゃん、どんな気持ちなんだろう……)

玄「さ、サイコロ振りますね。どんどん行きましょう!」

玄「えい」コロ

照「3。命令は……」

玄「右隣の人の……あ、足を舐める!?」

菫(おいおいまだ序盤だぞ……少し飛ばしすぎやしないか……?)

宥「クロちゃんの右隣だから……私だね」アハハ

照「だんだん命令が過激になってきた」

菫「まだ二順目なのにな」ハァ

菫(あの二人の煩悩が念写されているようなすごろくだ……)

宥「く、クロちゃん。今度こそパスしても……」

玄「大丈夫。私、お姉ちゃんの足なら舐めれるから」ニコ

宥「クロちゃん……」

菫(まだ宥と玄さんだからダメージは少ないものの、私たちが引いてしまえば……)

照「美しい姉妹愛……」

玄「えっと、じゃあ軽くやって終わらせるね」

宥「うん……この命令って、足のどこを舐めるのかな……?」

菫「……足とだけ書いてあるんだ。足首でも太ももでもどこでもいいだろ」

照「この漢字の足といえば、普通爪先とかだと思うけど……」

宥「そ、そういうところは汚いからちょっと……」モジ…

玄「えっと、それじゃあ足の甲で」アハハ

玄「お姉ちゃん、靴下脱いで?」

宥「う、うん……」シュルシュル



照「……ちょっと羨ましいとか思ってる?」ボソ

菫「……殴るぞお前」ジト

玄「お姉ちゃん、足伸ばして」

宥「こ、こう……?」スッ

玄「うん、そんな感じ。あともうちょっとこっちに……」

照(玄さんノリノリ……)

菫(手を繋いでいる相手が足を舐められる……考えてみると不思議な状況だ……)

玄「よっと……よし。それじゃあ舐めるね」

宥「う、うん……」

玄「ちゅ」

宥「ひゃ……」

玄「ん……」ペロ…

玄「は、はい。おしまい」ドキドキ

玄(いくらお姉ちゃんとは言え恥ずかしいよ……)

照「案外あっさり終わるんだね」

宥「軽く舐めるだけだから……」

照「もっとこう、ねっとりとしたのを想像してた」

玄「終盤になったらあるかもしれませんよ?」アハハ

菫「末恐ろしいな……」

照「そんなこと言って期待してるくせに」

菫「してない。今すぐ夕飯を迎えて中断したいくらいだ」

宥「菫ちゃん楽しくない……?」

菫「え。いや、そういうわけじゃ……」

照「気にしないで松実さん。菫は素直じゃないだけだから」

照「現にほら、今もサイコロ持ってやる気満々」

菫「うっ……」

照「菫はあまのじゃくだから。松実さんも覚えておいて」

宥「は、はい……」

菫「変な事を吹き込むな……次行くぞ」コロ

菫「……6」

玄「これで一気に菫さんがトップですね」

菫「このゲームにトップとか関係あるのか?」

照「確か一番最初にゴールした人は何かご褒美があったはず」

宥「ご褒美?」

菫「最後まですることもないだろうし、どうでもいいだろ」

照「えっ……最後までしないの?」

菫「夕飯までの繋ぎだと言ってるだろ……」

玄「食べ終わってから続きをしてもいいですけどね」ニコ

宥「うん、やることもないだろうし……」

菫(どうして二人はそんなにも乗り気で……)

照「菫、早く命令を」

菫「す、すまない……えっと……」

菫「……」

照「さあ、早く」

玄「か、固まっちゃってますけどどうしたんですか?」

玄「どんな内容で……」

玄「!」

菫「……左隣の人を後ろから抱きしめ、愛を囁く……」

宥「今の菫ちゃんの左隣って……」

宥「わ、私……?」

菫(こっ、こんなことが……)

照「菫、テンポ良く行こう」

玄「そうですね。さあ早くお姉ちゃんを抱きしめて……」グイグイ

宥「く、クロちゃん押さないでっ……」

菫「ま、待て! 落ち着け二人ともっ」

菫「……ほ、本気で言ってるのか?」

照「玄さんは首舐めたり足舐めたりしたんだよ?」

照「ここで菫が命令に従わないなんてあり得ない」

菫「ぐっ……」

玄「それにお姉ちゃんも心の準備は出来てます!」

玄「だから早くそのカッコいい声で愛を囁いて……!」

宥「こ、心の準備出来てないよクロちゃん!?」

照「ほら、つべこべ言わずに早く」ワクワク

菫「し、しかしだなっ……」

照「菫はゲームだから仕方なく命令に従う。それでいいでしょ?」

菫「う、うぅ……」

玄「ほらお姉ちゃんも。これはサイコロの神様がくれたチャンスだよ!」ボソ

宥「ちゃ、チャンス……」

玄「お姉ちゃんから何か言えば弘世さんイチコロだから! ガンガン攻めて!」

宥「せ、攻めるって……私は別に菫ちゃんのことが好きとかじゃ……」アワワ


玄「宮永さんに取られちゃうよ?」


宥「っ……」

玄「自分の気持ちに素直になって……ね?」

菫「体育倉庫に閉じ込められるおまじない……?」
照「怜と久ってどっちがモテるの?」
照「怜と久どっちがモテるかに決着をつける」
照「保健室の荒川先生」
照「演技の練習?」
これ書いてた人?

照「菫。早く」

菫「で、でも宥はまだ何もっ」

宥「菫ちゃん」

菫「っ……」ドキ

宥「その、みんな待たせてるし……ね?」

菫「……宥がそういうなら」

玄(遂に……!)

照(本当に松実さんには弱いんだね……)

玄「それじゃあ早速、後ろからぎゅっと!」

菫(くっ……ただでさえ恥ずかしいのに、見られてるだなんて……)

照(ふふ、菫めちゃくちゃ動揺してる……面白い……)

玄(この調子で二人の距離感をぐっと近づけて……!)

宥「あの、菫ちゃん……無理しなくていいよ……?」

宥「本当に嫌ならしなくても……」

菫「そ、そんなことは断じてない。ただ……」

菫(心の準備が……)

照「どうして今さら怖じ気付いてるの?」

照「二人で閉じ込められた時とかもっとすごいこと」

菫「してない! そもそもあの時は緊急だったからで……!」

玄「緊急じゃなかったら、お姉ちゃんにそういうこと出来ないってことですか?」

菫「……そ、そんなことはない」

宥「菫ちゃん……」

照「菫ってヘタレなんだね……長い付き合いだけど初めて知った」

菫「ヘタレじゃない」

玄「説得力が……」アハハ

照「……」チラ

玄「?」

照(菫を押して!)

玄「!」

玄(了解です……!)

菫「だ、誰もやらないとは言ってないだろ?」

菫「ただ心の準備が欲しいだけであって……」

玄「そりゃ!」ドン

菫「のわっ!?」

宥「きゃあ!?」

照「おお……二人がくんずほぐれず……」

菫「い、一体何を……!」

宥「ぅ……ぁ……」カァァァ

菫「!!?」

菫「す、すまない! 今すぐ離れっ」

玄「ダメです!」

菫「っ!?」ビク

玄「離れちゃダメです! そのまま命令をこなして!」

宥「わ、私ならっ……だ、だいじょうぶ、だから……」フルフル

菫「ゆ、宥……」

宥(どうしよう……あの時と全然、違う……)

宥(すごく、ドキドキして……)

照「今離れたら次はもっと勇気がいるよ?」

照「文字通り後押ししてあげたんだから頑張って」

菫「……わ、分かってる」ギュ

宥「ぁ……」

菫(宥の髪……ふわりとしていて、さらさらで……とても良い匂いがして……)

菫(ダメだ。長時間この状態でいるのは相当にまずい……!)

菫(は、早く愛を囁いて……)

菫(あ、愛を……囁く……?)カァァァ

宥「あぅ……」



照「盛り上がって来てるね」ボソ

玄「あの二人があんなにも初々しいと思いませんでした……」

玄「てっきりもっと大人びてて、落ち着いた関係だと……」

照「見た目はそうだけどね」クス

菫(ど、どんな言葉をかければいいんだ……?)

菫(高1の時からずっと気になっていて、気付いた時には好きになっていたとでも言えばいいのか……?)

菫「そんなことっ……」

宥「だ、大丈夫菫ちゃん……?」

宥「体、あったかくなってきてるけど……」

菫「っ……」

宥(それに、すごくドキドキしてる)

宥(私のかもしれないけど……)

菫(だ、ダメだ……何も思いつかない……それならいっそ……)

宥「菫ちゃん……あの、言えそうにないなら、無理しなくて……」

菫「宥」ギュ

宥「は、はい……?」


菫「……好きだ。愛してる」ボソ


宥「!!」

宥「ぅ、ぁ……」カァァァ

玄(お姉ちゃん顔真っ赤……)

玄(たぶん、弘世さんが顔を近づけた時に……)

照(なんて言ったんだろ……)

菫「お、終わりだ! これでいいだろ!?」

照「くふふ……菫なんで涙目なの……」

玄「私たちには聞こえてませんよ?」アハハ

菫「うるさい……いいから次にいくぞ……」

宥(ど、どうしよう……私今、すごくドキドキして……)

照「大丈夫松実さん? さっきから放心状態だけど……」

宥「……」ポー

玄「全然大丈夫そうじゃないねー……」

玄(二人とも本当に初々しい……そう簡単にはくっつきそうじゃないなぁ)

菫「……つ、次は誰なんだ。早くサイコロを」

照「松実さんだけど……ゲーム再開出来るのかな?」

玄「もう少しだけ時間を置きましょうか」アハハ

7行目修正
玄「全然大丈夫そうじゃないですね……」

―――――――――――――――――――――――

宥「えっと、じゃあ振りますね……」コロ

照「2。命令は……」


「「………‥」」


玄「さっき私が当たった右隣の人の足を舐める、ですね!」キラキラ

宥「右隣?」チラ

菫「……」

宥「……ふぇっ!?」

菫(こ、こんなことが……)

照「座ってる場所そのままだったからね。元に戻った状態なら私だったけど」

菫「……な、なあ。もうすぐ夕飯も出来るそうだし、一旦中断して……」

玄「この命令を終えてからにしましょう!」

宥「す、菫ちゃんの足……」

照「松実さん、ぐいっといきましょう」キリ

玄「どこでも好きな足を舐めて……!」

菫「い、嫌なら断ってもいいんだぞ宥?」

菫「足を舐めるなんてそんな……」

宥「う、ううん。大丈夫。クロちゃんもしたから……ちゃんとするね」ニコ

照「流石松実さん。ヘタレな菫と違って堂々としてる」

菫「うるさいっ!」

玄「それじゃあ弘世さん。早速靴下を……じゃなくてタイツを」

照「松実さんのためにも早く脱いであげて」

菫「くうぅ……」

宥「ご、ごめんね菫ちゃん……命令だから……」

照「早く早く。ご飯冷めちゃう」

菫「分かってるからお前は黙ってろ……」ヌギヌギ

玄(タイツ脱いでるだけなのに色っぽい……)ドキドキ

菫「……こ、これでいいか宥?」

宥「うん、ありがとう」

宥(菫ちゃんの脚、すごく綺麗……)ジー

宥「……な、舐めるね」スッ

菫「ど、どこを……ひゃっ」

宥「ん……」ペロ…

菫「っ……ぁ……」

玄(ふ、太もも……!)

照(この光景端から見るとすごい……)

照(松実さんが跪いて、立ってる菫の脚を……)

宥「ちゅ……」

菫(宥が……私の脚を……)ドキドキ

玄(お、お姉ちゃんいつまで舐めてるんだろ……)

玄(菫さんも止めようとしないし……)

宥「ぁ……」ペロペロ

菫「っ……!」ビクッ

照「なんだか女王様プレイみたいだね……」

菫「は、はぁ?」

照「私の足をお舐め! みたいな」

菫(ああ……殴りたい……)

照「それにいつまでもストップかけないし……」

菫「!」

玄(よ、余計な事を!)

菫(しまった……とっくに条件は満たしていたのに……!)

菫「ゆ、宥」

宥「菫ちゃん……?」ジー

菫「うっ……」ドキ

菫「も、もういい。ありがとう」スッ

宥「ふぇ……? あ、うん……」

菫(わ、私は宥に何をさせて……)カァァ

照「松実さん」

宥「は、はい……?」

照「お腹空いた」

宥「お、お腹……?」

玄「……」ポカーン

菫(あの空気の中、唐突にこんなことを言えるのはコイツだけだろうな……)

照「菫の脚を舐めてる松実さんを見てると……図らずしも……」グゥ…

宥「あっ……えっと、じゃあそろそろ終わりましょうか」

玄(むぅ……良いところだったのに)

菫「続きはまた今度にしよう。このゲームは少し、疲れすぎる……」

照「菫と松実さんしか楽しんでないよ」

照「もっと私も遊びたかったけど……やっぱりお腹空いたから」

玄「それじゃあ、ご飯食べた後に続きを」ニコ

菫「本当に言ってるのか……」

玄「まだ二周しかしてませんよ?」クス

照「玄さんが乗り気で嬉しい。腹ごしらえのあとにゴールまでやろう」キリ

玄「望むところです!」

菫「はぁ……」

宥「ふふ、とりあえず。ご飯食べに行こっか」ニコ



続く

支援ありがとうございました
>>160は僕です。照が酔っぱらったヤツもそろそろ頑張ります

お疲れ様でした


いつごろ続きくる?

>>224
今日の夜か、明日の昼頃あたりに

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