勇太「六花、妊娠したってほんとかよ……」(135)
みたいなあれで
六花「本当。三ヶ月だって」
勇太「マジかよ今すぐ大剣売ってくる」
六花「えっ」
勇太「えっ?」
六花「どうして?」
勇太「駄目か?」
六花「だめ」
勇太「なんで」
六花「あれは富樫家の家宝。生まれてくる子供に受け継がせなくては」
勇太「俺たちの子供は中二病になるの前提かっ!」
六花「ちょっとトイレ」
勇太「はいはい」
六花「うん。生理こなかった」
勇太「なんてこった…まさかこうも立て続けに」
六花「? なんのこと?」
勇太「い、いや、こっちの話だ…」
六花「?」
みたいな
勇太「一応聞くけど、どうするつもりなんだ…?」
六花「もちろん産む。勇太と私の愛の結晶だから」
勇太「でも俺には子供を養っていける財力なんて無いぞ? いやその前に病院代とか…」
六花「心配ない。ママとお爺ちゃんにも相談してみるから」
勇太「そ、それにっ! たかだか高校生の身で身篭ったなんて打ち明けたら普通に大問題になるだろ!?」
六花「大丈夫。説得する」
勇太(まずい…こいつはまずいぞ…)
森夏「あら富樫くんに六花ちゃんじゃない。二人して真剣な顔してどうしたの?」
かくかくしかじか
森夏「…へぇ~、六花ちゃんもなの」
六花「私も?」
森夏「いいえ、こっちの話よ」ニヤッ
勇太「」ダラダラ
みたいな感じで
勇太「で、何の話だっけ」
六花「妊娠した。でも勇太がダークフレイムマスターの大剣を売ると言い出した」
勇太「そうそう。何かと入り用になるし」
六花「でもあの剣は富樫家の家宝。生まれてくる我が子にも受け継がせないと」
勇太「いやいやもっと大事なものあるだろ」
六花「わたし、勇太が大事////」
勇太「照れるなら言うなよかわいいなちくしょう…ってそういうことじゃなくて!」
乗っ取ってないからはよ
六花「お金のことなら心配ない」サッ
勇太「通帳?…って結構な金額だなオイ」
六花「邪王真眼主婦を甘く見ないでもらいたい」フンス
勇太「やれやれ…恐れ入りました」
六花「だからね、あの大剣は取っておいてね。ダークフレイムファーザー」
勇太「ああそうだ。おめでとうを言い忘れてしまった。すまん六花」
六花「もう、ゆうたったらドジっ子」
勇太「おまえが言うな。それより他に報告したのか?」
六花「ううん、まだ。勇太に最初に報告したかったし」
勇太「そうか。じゃあ早速報告しないと。俺はうちの家族に報告するからお前はお義母さんたちにな」
六花「わかった」
勇太「さーて、忙しくなるぞ」
報告しますた
勇太「父さんも母さんも喜んでたな。そっちはどうだ?」
六花「同じ。ママもばあちゃんも喜んでいたし。じいちゃんも『む』とか言ってたけど喜んでるのよってばあちゃんが」
勇太「おじいさんらしいな。十花さんからは?」
六花「プリ…お姉ちゃんからはまだ。多分お昼どき」
勇太「そういやまだイタリアはお昼か。一番忙しい時間だな」
六花「厨房は戦場。それが宿命」
勇太「まあ間違ってはいないような気はする」
六花「ねえゆうた。夕飯まだだよね?」
勇太「ん?ああ、仕事終わってすぐ来たからな」
六花「今日はどこかで外食しない?せっかくの記念日だし」
勇太「それもそうだな。まずは前祝いだ」
六花「さすがはダークフレイムマスター。そこにしびれるあこがれる」
勇太「おまえそれ自分言いたいだけやろ」
六花「てへぺろ」
勇太「(かわいいなちくしょう)」
帰宅後
六花「美味しかったね」
勇太「そうだな。野菜だけであれだけ美味い料理なんてそうそうない」
六花「わたしの知る限りあの料理を再現出来るのはお姉ちゃんくらい」
勇太「そもそも十花さんが勤めていたお店なんだけどな、今行ってきたレストランて」
六花「そういえばそうだったかもしれない。一生の不覚」
勇太「随分ささやかな一生の不覚だなぁ」
六花「ゆうた、ゆうた」
勇太「なんだい?」
六花「一緒にお風呂入ろ♪」
勇太「おおっ、久しぶりだな」
六花「うん。この子を仕込んだ時以来」サスサス
勇太「仕込んだ言うな」
六花「でも事実」
勇太「確かに逆算するとそうだけどな」
六花「それにたまには背中を流してあげたいし」
勇太「まあ今夜は洗い物もないし裸の付き合いといきますかね」
六花「でもベッドの中での裸の付き合いはしょっちゅうだね」
勇太「正直、子供が欲しかったってのが半分ある」
六花「残りの半分は?」
勇太「性欲です」キリッ
六花「ゆうたのエッチ~」
六花「そんなわけで我が家にあるお風呂場の脱衣所にやってきたのだ」
勇太「誰に説明してるんだ」
六花「そんなことより早くお風呂に入ろうぜ!」
勇太「なんかノリノリだな」
六花「めでたい日なんだし当然」
勇太「そういうところ変わらないな」ヌギヌギ
六花「当然。邪王真眼は普遍にして不変の存在」ヌギヌギ
勇太「予測変換をうまく駄洒落に使ったな」
勇太「でもここはずいぶん成長したな」モミッ
六花「きゃっ、んもうゆうたったら」
勇太「すまんすまん。でもまさかこんなに成長するとはなぁ」
六花「最初は嬉しかった。でも一ヶ月前に買ったブラがきつくなった時はさすがにどうかと思った」
勇太「結構大変だったんだな」
六花「でもいいの。ダークおっぱいマスターにはこの大きさこそふさわしい」
勇太「その称号はやめんか」
六花「でも事実だよね?」
勇太「はい」
六花「…んっ、あんっ」
勇太「大丈夫か?」クチュクチュ
六花「あっ、んんっ…大丈夫」
勇太「本当、感じやすいよなお前」
六花「んんっ、勇太のっ、せいだよぉ」
勇太「なんだとーそんなこと言う口はこうだー」チュー
六花「んんっ」チュー
勇太「んー」レロレロ
六花「んああっ」フニャー
勇太「そろそろいいか?」
六花「うん、いいよ…来て」
勇太「あんまり激しくは出来ないけど」ソウニュウ
六花「ああ~」
勇太「お腹の子に障るといけないからしばらくこのままでいるけどいいか?」
六花「…うん」ダキシメー
勇太「六花…」サスサス
六花「はぁ~…」ポワワ
この後対面座位のままディープキスしたり乳首を吸ったりこねくり回したり
頭や背中を撫でたりしていたら…
勇太「ふぅ…」
六花「出たの?」
勇太「うん」
六花「まさか暗炎竜がダークフレイムマスターの意志とは無関係に動き出したというのか…」
勇太「違います。違いないけど違います」
六花「わたしも不可視境界線が見えた」
勇太「なら良かった。俺ばかり満足したら申し訳無いし」
六花「わたしはゆうたに抱きしめてもらえるだけで満足///」
勇太「///(くそぅ、かわいいなコイツ)」
チャポン
六花「ふぅ」
勇太「なあ六花」
六花「なぁに?」
勇太「明日ゆっくり寝てていいぞ」
六花「えっ…でもわたしの当番だよ?」
勇太「お腹に子供がいるんだから俺が家事をするのは当然だろ」
六花「まだ大丈夫。いずれゆうたには全面的に協力してもらうことになるし」
勇太「いや、そりゃそうだけどさ。何かお前にしてあげたい気分なんだよ」
六花「ゆうた…」
勇太「それにだいぶお疲れみたいだし」
六花「やだ、ゆうたのエッチ///」
勇太「否定はしない」
寝室
勇太「それじゃ電気消すぞ」
六花「うん」
勇太「しかし俺も父親かあ」ピッ
六花「やっぱり不安?」
勇太「まあな。けど、お前の方がもっと大変で不安だろうし」
六花「問題ない。邪王真眼は最強」
勇太「はいはい。けど実際母は強しって言うしな」
六花「だからゆうた、あんまり無理しないでね」ユビキリ
勇太「お前もな」ユビキリ
六花「わかった。じゃあおやすみなさい」
勇太「おやすみ」
それから
どした
ピンポーム
六花「はーい」
森夏「ごめんくださーい」
六花「おおっ、丹生谷ひさしぶり」
森夏「お邪魔しても大丈夫?」
六花「大丈夫だ、問題ない。お茶入れるから上がって欲しい」
森夏「それじゃあお邪魔します」ヨッコラセ
六花「どうしたのそんな荷物抱えて?」
森夏「ちょっと早いかなとは思ったんだけど」
六花「!…これは…まさか!」
森夏「そんなに大袈裟に反応するもんでもないでしょ」
六花「なんとなく」
森夏「いつも通りでかえって安心したわ」
六花「しかしこんなにたくさん…申し訳ない」
森夏「気を使わなくてもいいわよ。長い付き合いなんだし」
六花「丹生谷には感謝してもしきれない。本当にありがとう」
森夏「どういたしまして。元気な赤ちゃんが生まれるといいわね」
六花「わたしも楽しみ」
森夏「ところで赤ちゃんの名前考えてる?」
六花「まだ特には…性別もわからないし」
森夏「それもそっか。でも困ったらいつでも相談してね!」
六花「重ね重ね感謝する」
とある居酒屋
一色「勇太も父親か~くっそなんか悔しい」
勇太「お前も結婚すればいいだろ捗るぞ」
一色「なかなかそうもいかないんだよなこれが」
勇太「やれやれ」
一色「ところでいつ産まれるんだ?」
勇太「あと半年くらいだな」
一色「やっぱり中二病の赤ん坊なんだろうか」
勇太「なわけあるか。
『クックックッ、我はダークフレイムマスタージュニア。闇の炎に抱かれて消えるデチュ!』
なんて新生児がいたら怖いわ!」
一色「おお、さすがサマになってるな」
勇太「やらすな阿呆、恥ずかしいわ!」
一色「けどさ」
勇太「ん」
一色「将来的に中二病なったらどうすんだ?」
勇太「そこは暖かく見守るさ」
一色「さすがはダークフレイムマスターそこにしびれるあこがれる」
勇太「ダークフレイムマスター言うな」
一色「わはは、すまんすまん」
勇太「思春期の熱病みたいなもんだ。いつかは冷める」グイノミ
勇太「それに変に自分を押し殺して生きるより伸び伸びと素直に育って欲しいし」
一色「でも自分が中二病だったことはばれたくないんだろ」
勇太「はい」
勇太「六花から妊娠報告受けた時な」
一色「うん」
勇太「半ば冗談で魔剣売るって言ったら反対されたんだよ」
一色「当然の反応だわな」
勇太「六花もあれで結構ノリがいいからな」
一色「だけど半分本気だったんだろ?」
勇太「まあな。高校入った時に売ろうかと思ってたけど売りそびれた代物だからな」
一色「買うやついるのか?」
勇太「さあな。探せばいるかもしれないけど」
一色「いっそ開き直って親子で中二病全開で行きゃいいじゃん」
勇太「勘弁してくれ」
一色「親子三人で仲良くコスプレとか微笑ましいと思うけどな」
勇太「むしろ痛々しいと思うんだが」
一色「そんなことねーだろ。何も普段からしなくとも夏と冬にやれる場所あるんだし」
勇太「ああ、あったな。行ったことないが」
一色「行けばいいじゃん」
勇太「丁重にお断りいたします」
勇太「…という話を一色としたんだが」
六花「……」キラキラ
勇太「(うわーなんか思いっきり目を輝かせてますよ義姉さん)」
六花「でもこの子がどんな風に育つかはこの子自身の問題」
勇太「意外…でもないか。お前も母親になるんだな」
六花「ゆうただってパパになるんだし」
勇太「お前がなるべく笑顔で過ごせるような家庭にするつもりだ」
六花「おぉ~…やっぱり勇太かっこいい~♪」
勇太「いやいや当然のことだから」
六花「////」
勇太「しょうが湯飲むか?」
六花「うん」
六花「甘くて美味しい」
勇太「身体冷やさないようにしないとな」
六花「問題ない。だってダークフレイムマスターが闇の炎で暖めてくれるから…/////」
勇太「///(ちくしょうやっぱりかわいいなコイツ)」
凸守「マスター!お久しぶりデース!」
六花「おお!凸守」
凸守「富樫先輩もおめでとうございます」
勇太「ありがとう凸守。ってか切り替え早いなオイ」
凸守「私だってもう大人ですから」フンス
凸守「さてマスター、これは安産のお守りデス!」
六花「おぉ~…これは皆既月食の夜に月から滴り落ちた雫の結晶!」
凸守「ハイ!」
六花「そしていにしえの大地の女神の肉片ではないか!」
凸守「さすがマスターお詳しい!その通りデース!」
六花「ミョルニルハンマーの使い手よ、心遣い感謝する」
凸守「いえいえマスター、当然のことデスよ」
勇太「(なんか微笑ましい)」
勇太「で、実際はなんて石なんだ?」
凸守「はい。こちらの白い石はムーンストーン。女性らしさを強めるとされています」
六花「そしてこっちの赤い石はカーネリアン。伝統的に安産のお守りとされている」
凸守「解説ありがとうデース。他にもいろいろありますがマスターにはこの二つが合ってると思ったのデス!」
勇太「効能はともかくアクセサリーとしては綺麗だな。ありがとう凸守」
凸守「どういたしまして、なのデース!」
楽しい時間はあっという間に過ぎるのデース
凸守「ううう、マスターお名残惜しいデス…」
六花「わたしも断腸の思い。息災を願う」
勇太「忙しいのにわざわざ来てくれて本当にありがとう凸守」
凸守「いやいや私も直接お会いして渡したかったものですから」
六花「ミョルニルハンマーの使い手にして超次元結晶体の守護者よ」
凸守「ハイ!」
六花「いずれ近いうちに購入へと赴くのでその時にはよろしく頼む」
凸守「お任せあれマスター!最善のものを見繕う所存デス!」
勇太「それじゃ気をつけてな」
凸守「はい。お二人ともお幸せに!」バイバイ
六花「ゆうた、ゆうた」
勇太「なんだい六花」
六花「さっそく付けてみたいからお願い」
勇太「はいよ」カッチリ
六花「どうかな?」
勇太「似合ってるぞ」
六花「えへへ…///」
勇太「///(ちくしょうやっぱりかわいいなコイツ)」
六花「くみんから絵葉書が届いた」
勇太「今度はどこからだ?」
六花「サンマリノだって」
勇太「どれどれ…相変わらず場所を選ばず昼寝敢行してるなー」
六花「それがくみんの存在理由(レーゾン・デートル)」
勇太「むしろ自我同一性(アイデンティティ)だろ」
勇太「そろそろ寝るか」
六花「うん」
勇太「ほら、来いよ」
六花「うん…////」
勇太「六花は本当にぬくいな」
六花「勇太も…あったかい…」
勇太「おやすみ」
六花「おやすみ」
就寝
勇太「そういえばなぜかくみん先輩の絵葉書には」
富樫くん六花ちゃんおめでとう♪
元気な赤ちゃん産んでね!
勇太「って書いてあったんだが」
六花「二代目邪王真眼ならわたしの妊娠を知ることなどたやすい」
勇太「普通に考えたらお前がメールしたんだろうけどな」
六花「うん」
勇太「この葉書の消印の日付、お前の妊娠がわかった日なんだよ」
六花「なにそれ不可思議」
勇太「Zzz....」
六花「Zzz...」
グラッ
勇太「わっ」
六花「Zzz...」
勇太「地震か…」
六花「Zzz...」
勇太「よく寝てるな…」ナデナデ
六花「Zzz...」
勇太「さて、俺も寝るか」
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