田中「なんだよぉ~それぇ!知らないよぉ~!」
さやか「え?ちょ、ちょっと……!」
田中「俺ケーキじゃないからぁ!ケーキは山根じゃないのぉ~!?」
山根「え、違うよ。おまえじゃないの?」
田中「だからさぁ!俺は違うって言ってんじゃんかぁ!何度も言わせないでよぉ~!ていうかなんだよぉ!この変なゲームぅ~!こんなんでナイトメア退治ちゃんとできるのぉ!?」ぶんぶん
杏子「お、おい……!」
田中「もぉう!絶対俺はケーキじゃないからぁ!ケーキは杏子ちゃんじゃないのぉ!?」ぶんぶん
杏子「え?あ、え、えっと……ちーがーう♪あたしはリンゴ……♪」
―――
――
まどか「ナイトメア退治はなんとかできたけど……」
杏子「田中!おまえちゃんと打ち合わせ通りにやれよ!」バシッ
田中「ちょ、痛ぁい!やめてよぉ!なんで叩くのぉ~!?」
さやか「自分で考えなよ……」
ベベ「モジャモベベ!(くたばれ!)」
山根「おまえちゃんとやれよ」
田中「うえぇ!?なんで俺ばっかり批判されてるのぉ!?そんなこと言ったらほむらちゃんだって『かぼちゃ』とか言ってケーキにかぼちゃのっけてたじゃんかぁ!なんでケーキにかぼちゃなのぉ!?」ぶんぶん
ほむら「え……」
マミ「ほ、ほら!もういいじゃないみんな!この話はやめましょう!それよりもうちに寄っていかない?お茶でも飲んで休みましょ」
田中「本当ぉ!?飲む飲むぅ~!」
ほむら(私たちの戦いってこれでよかったんだっけ……)
―――
――
――カフェ的な場所
ほむら「……」
田中「それで話ってなんなのぉ?ほむらちゃん~?」ぶんぶん
ほむら「え、えっと……なんていうか……田中さんが私の記憶にある田中さんと違っているっていうか……それが気になって……」
田中「ちょ、なにそれぇ~!」ぶんぶん
ほむら「田中さんってお笑い芸人じゃなかったですか……?」
田中「うえぇ!?違うよぉ!俺は魔法少女だからぁ~!もぉう!ほむらちゃんだって知ってるでしょぉ?」ぶんぶん
ほむら(少女……?)
田中「ちょっとぉ!ほむらちゃん俺に喧嘩売ってるのぉ?」
ほむら「……田中さんは見滝原市外からやってきたんですよね?今から隣の風見野まで行ってみませんか?」
田中「うえぇぇ!?ちょ、なんでぇ!?」ぶんぶん
ほむら「ちょっと気になることがあって……だから……」
田中「ちょ、いやだよぉ~!めんどくさいじゃんかぁ~!今からとか無理ぃ!」
ほむら「……」
田中「それに女子中学生とこんなハゲのおっさんが一緒に歩いてると事案になりそうじゃんかぁ!」
ほむら(自分でおっさんって言った……)
田中「警察はい~や~だぁ!」
ほむら「い、いいから行きますよ!ほら!」ぐいっ
田中「ちょ、ちょっとぉ!引っ張らないでぇよ!痛い痛い!ちょ、山根ぇ~!」
―――
――
――バス停
田中「結局連れてこられたけどさぁ……」
ほむら「……」
田中「なんで見滝原の外に出られないわけぇ!?なんだよこれぇ~!幻覚なのぉ!?こうなったら変身して……!」バッ
ほむら「あ、変身はしないほうが……」
「……」ゾロゾロ
田中「うえぇ!?ちょ、なにこの人たちぃ!?もしかしてこの人たちが俺たちに幻覚見せてるのぉ!?くそぅ!やっつけてや」
「……」バシッ ドカッ バキッ ボコォッ
田中「ちょ、痛い痛い!やめてよぉ!なんなんだよぉ!集団で殴るのや~め~てぇ~!」
ほむら「田中さん!」
「……」ペキッ ボコッ バキッ ズゴォッ
田中「痛い!痛いからぁ~!フルボッコやめてぇ!ちょ、ほむらちゃん助けてぇ~!」
ほむら「は、はい!今変身を……!」
ポロッ
ほむら「あ、ソウルジェムが……」
田中「ちょ、ほむらちゃあん!早く助け」くるっ
パキッ
田中「う、うえぇ!?ちょ、ちょっとぉ!なんか踏んだんだけどぉ!?なにこれぇ!?ほむらちゃんのソウルジェムぅ?木端微塵じゃんかぁ!」
ほむら「……え?」
田中「なんなんだよぉ!もぉう!これ俺が悪いことになっちゃうのぉ~!?ちょっとぉ!」ぶんぶん
ゴゴゴゴゴゴゴ……
ほむら「そ、そんな……ソウルジェムが砕けたのに……私は生きてる……?」
田中「ご、ごめんねぇ~!ほむらちゃん!俺、弁償するからさぁ!許してぇ!」ぶんぶん
ほむら「つまりはもう……魔法少女でさえないってわけ……?」
田中「ちょ、ほむらちゃん~!いくら払えばいいのぉ?言い値でいいからさぁ~!」ぶんぶん
ほむら「どうして……私がこんな……一体いつの間に……」
田中「ちょ!無視しないでよぉ!なんで無視するんだよぉ!顔が気持ち悪いからって無視しないでよぉ~!傷つくじゃんかぁ!」ぶんぶん
ほむら「魔女になっていたのッ!?」
田中「うええぇぇ!?ちょ、何言ってるのこの子ぉ!?」ぶんぶんぶんぶん
―――
――
―
ゴゴゴゴゴゴゴ……
魔女化ほむら「……」
マミ「あれが……魔女?」
山根「あ、怖がらないでやって」
さやか「ああ見えて一番辛いのはあいつ自身なんだ」
田中「うえぇ!?あれが魔女なのぉ!?キモぉ~い!」ぶんぶん
ベベ「ガゥガッ!(田中のほうがキモい!)」
田中「なんだよぉ!おまえだってキモいじゃんかぁ~!」
杏子「……笑えねえな」
QB「待ってくれみんな!あれは暁美ほむらなんだ!君たちは仲間と戦う気かい?」
田中「ちょ!おまえ普通に喋れたのぉ!?すげぇキモいんだけどぉ~!」ぶんぶん
QB「君のほうがキモいよ」
さやか「とにかく……まどか、さっきあたしが教えたとおりにやればいい」
まどか「う、うん……」
山根「よし、それじゃあ、みんなでほむらちゃんの救済に行こっか」
田中「ちょ、ちょっと山根ぇ!?おまえ何言ってるのぉ!?ていうかおまえなんなのぉ?」ぶんぶん
山根「あ、俺、円環の理だから」
田中「はあぁ!?えんかんのことわりぃ?なにそれぇ?」
山根「え?あれだよ。この世の因果を外れた者たちだよ」
田中「うえぇ!?ますます意味わかんないんだけどぉ!?おまえホントなに言ってんのぉ!?病院行った方がいいんじゃないのぉ~?」ぶんぶん
なぎさ「私かさやかか山根が預かっていた本当の記憶をまどかに返す手筈だったのです」
田中「うぇ!?ちょ、おまえ誰なのぉ~!?急に出てこないでよぉ!びっくりするじゃんかぁ!」ぶんぶん
さやか「まぁ、要するに鞄持ちみたいなモンですわ」
田中「ちょ、なんだよぉそれぇ!もうわけわかんないんだけどぉ!なに言ってるのこの子たちぃ!?あとさやかちゃんのうしろにスタンド能力みたいなのが見えるんだけどなにそれぇ!?キモぉ~いよぉ~!」ぶんぶん
山根「まあ、そういうわけだから」
田中「全然意味分かんないんだけどぉ……それよりも山根ぇ……胸糞悪くなる夢見たんだけどさぁ……」
山根「……」
田中「山根が消えちゃう夢なんだけど……そっちが現実で今ここにいるのが夢だって……そういうことなのぉ?山根ぇ?」ぶんぶん
山根「あ、うん。そうだよ」
田中「はあぁ!?マジでぇ!?ちょ、地味に最大級の衝撃なんだけどぉ~!」ぶんぶん
山根「まぁ、夢っていうほど哀しいもんじゃないからさ、いいじゃん」
田中「や、山根ぇ……!」ポロポロ
山根「うぉ、泣くなよ。気持ち悪いから」
田中「山根ぇ……山根ぇ……!」ポロポロ
山根「まぁ、おまえがいつか導かれたら、円環の理でまた二人でアンガールズとして活動しような。だから泣くなって……気持ち悪いからさ」
田中「山根ぇぇぇぇぇ!」ポロポロ
なぎさ「なぎさはもう一度チーズを食べたかっただけなのです」
田中「ちょ、ちょっとぉ!空気読んでよぉ!チーズなんてコンビニで買えばいいじゃんかぁ~!」ポロポロ ぶんぶん
―――
――
―
(なんやかんやでほむらちゃん救出後)
まど神「そうだった……わたしはほむらちゃんのために……こんな大事なこと忘れていたなんて……」
杏子「これが鹿目まどか?」
マミ「いつか私たちを導く円環の理……」
山根「あ、それじゃ俺もそろそろ円環に戻るから。達者でな」
田中「えぇ!?ま、待ってよ山根ぇ!一緒になんかご飯食いに行ってから帰ればいいじゃんかぁ!俺がおごるからさぁ!」ぶんぶん
まど神「さあ、行こう……これからはずっと一緒だよ」
ほむら「……まどか」
山根「じゃあな」ダッ
田中「待ってよぉ!山根ぇ!」ダッ
ほむら「この時を……」
田中「山根ぇ!待ってぇ!」タッタッタッタッ
ほむら「待ってたッ!」ギュッ
田中「うえぇ!?」ガシッ
まど神「え?」
ほむら「あ、あれ……?」
田中「ちょ!離してよぉ!ほむらちゃぁん!早くしないと山根が帰っちゃうじゃんかぁ!」じたばた
ほむら「ち、違う……!私が掴もうとしたのはまどかで……!」
田中「ちょ、だめぇ!ほむらちゃん!痛い痛い!ちょ!お、俺が……避けちゃうぅぅ~!」
パリーン
―――
――
―
ほむら「……」
QB「世界が書き換わっていくね。この宇宙に新しい概念が誕生したのかな」
ほむら「なにこれ……なにが起きてるの……」
QB「君は田中の一部をもぎとっていったからね。アンガールズ田中のアンガールズの部分を」
ほむら「つまり……」
QB「今の君はアンガールズを取り込んだ者……『アンガールズほむら』とでも呼ぶしかないんじゃないかい?」
ほむら「……」
QB「じゃあ僕は帰るね。こんな途方の無い結末は僕たちでは制御しきれない」
ほむら「まちなさいッ!」ジャンガッ
QB「うわっ!」ガシッ
ほむら「このまま帰らせはしないわ……あなたもアンガールズのメンバーとして働いてもらうから」
QB「えぇー……」
ほむら「協力してもらうわよ……『アンガールズキュゥべえ』」
QB(やだなぁ……)
完
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