女「ねぇ、アドレス教えてよ」(120)
まず始めに言っときますがコピペです
ですが個人的にかなり面白かったので無断転載させていただきます
女「飲み会いこうよ」
男「飲み会?」
女「うん。このゼミのみんなで」
男「あー、教授とかもくるんだ?」
女「教授は来れないんだって。奥さんがうるさいらしいよ」
男「あ、そうなんだ」
女「だから来てよ」
男「だからって何さ」
女「教授苦手なんでしょ?」
男「……よくわかったね」
女「あれだけ言い寄られてれば、さすがにね」
男「あはは、困るよね。でも、飲み会は遠慮しておくよ」
女「なんで」
男「一人だけ年上ってのもさ」
女「だれも気にしてないって。わたしなんかタメ口きいてるし」
男「……いや、それはまぁ、いいんだけど」
女「だったら、ね?」
男「あー! その日バイト入ってたんだ」
女「狼にでもなる気?」
男「……少年の方だろ。ていうかなんで知ってるの」
女「友の彼女から聞いた」
男「友くんって、同じゼミの人だよね。でもなんで彼女?」
教授はホモなのか
女「世間はせまいってことよ」
男「ちょっと気になるんだけど」
女「今度聞いてみたらいいわ」
男「だいたい見当はついた」
女「で、わざわざあなたがバイト休みの日を選んだの」
男「それは、ありがとう」
女「そんなに来たくないの? ウソをついてまで」
男「んー。逆に、俺はいなくても問題ないんじゃないの?」
女「質問に質問で返されるのって、少しいらっとくるものよ」
男「君、A型だろ」
女「レッテル貼りはかなりくるわ」
男「年下にタメ口きかれるのはどうなんだろう」
女「友達なら別にいいと思う」
男「じゃあ君はタメ口禁止ね」
女「仲良くなりたいから、飲み会に誘ってるんでしょ」
男「別に、普段仲悪いわけでもないじゃん」
女「このゼミであなたとしゃべったことがある人は」
男「いっぱいいるよ」
女「それは事務的なものでしょ。あなたいつも一人でいるし」
男「いつも一人だから、みんなと仲良くなってもらおうと?」
女「……そんなかんじ」
男「そして大失敗なわけだ。笑えるね」
女「寡黙だけど、誘いを断るような人じゃないと思ってたんだけどね」
男「……かなりくるね、たしかに」
女「……はぁ。そんなのじゃ、社会に出たとき困るよ」
男「むしろ今困ってるよ」
女「これからもずっと飲み会を断る気なの?」
男「勘違いしないでね。バイト仲間とは何度も行ってる」
女「じゃあわたしたちともいこうよ」
男「知ってて言ったな、今の」
女「友の彼女とは高校からの付き合いなの」
男「素敵な三角関係だね」
女「ね、いこうよ」
男「やだよ」
女「あなたって友達はいるの?」
男「君は違うの?」
女「いらっ」
男「口にださなくても、顔でわかるよ」
女「いつも、一人のときはなにをしてるの?」
男「言わせんなよ」
女「オナニーなんでしょ?」
男「何もしてないよ、いろんな意味で」
女「セクハラはいつか必ず訴えるからね」
男「そのとらえ方がえろえろだよ」
女「寂しくないの?」
男「別に一人だろうと大勢でいようと、寂しいときはあるだろ」
女「あ、寂しいから慰めてるのね」
男「それはセクハラに含まれますか?」
女「バナナは含まれます」
男「君の前では絶対食べないようにするよ」
女「体、やわらかいのね」
男「さすがにそれはムリ」
女「まぁ、いいけど。一人がそんなに好きなのね」
男「それは違う」
女「……?」
男「好きで一人でいるのと、一人が好きなのはぜんぜん違うよ」
女「なぜ一人でいようとするの」
男「……いっしょにいたい人が、いないから」
女「人と関わらないと見つからないわよ、そんなの」
男「……もう、どこにもいないんだ」
女「……」
男「……」
女「教授が言ってた。あなたって留年も浪人もしてないそうね」
男「現役合格だよ。単位も落としたことない」
女「なのにわたしたちと同じ学年。休学したのね、一年間」
男「……」
女「何かあったの?」
男「……帰れ」
女「……」ビク
男「もう暗くなる。やることが終わったんなら早く帰った方がいい」
女「なんで?」
男「それは、危ないからだよ」
女「じゃあ帰らない」
男「君は人をイラつかせる資格でも取ってるの?」
女「あぶないってわかってるんなら、送ってくれるよね」
男「……少年の方だ、って言ったろ」
女「わたしはその方が安心よ」
男「別にいいけど、変態に襲われても助けないよ」
女「もやしっ子にそんなこと期待してません」
男「大根に言われたくはないね」
女「蹴るわよ。カモシカのような足で」
女「ずいぶんあっさりOKしたね、送ってくれるって」
男「妥協点だと思った」
女「お世辞の一つでも覚えたほうがいいわ」
男「覚えてるよ。使ってないだけで」
女「デリカシーがないっていうのよ」
男「私生活?」
女「それはプライバシー」
男「配達?」
女「それはデリバリー」
男「……」
女「もう打ち止め?」
男「悔しくはないよ、ほんとだよ」
女「そういえば、お酒は飲めるの?」
男「今更かよ。週一くらいで飲んでるよ」
女「意外かも。何が好きなの?」
男「何だと思う?」
女「いらっ」
男「……スカイブルー」
女「あなたって、かっこつけなのね。喋り方といい」
男「いらっ」
女「夜なのに青空をあおる俺かっこいい!」
男「本気でごめん」
女「でも、飲んだことないわ」
男「おいしいよ、飲みやすいと思う」
女「どんな味?」
男「飲めばわかるんじゃないかな」
女「……スーパー寄るわよ」
男「じゃあ俺帰るね」
女「カモシカキック!」ゲシッ
男「いて、大根でたたくなよ!」
女「グーが良かった?」
男「可愛らしいじゃがいもですこと……っいてぇ!」ドカッ
女(さりげなくおごりか……こういうところは年上なのね)
男「まだつかないの?」
女「もうすぐよ。もちろんあがっていくわよね」
男「……まさか君が狼だったとは」
女「ちゃんと二人分買ってあるでしょ」
男「俺は帰るからね」
女「遠慮しないで」
男「はっきり言うとめんどくさい」
女「二人分わたしに食べさせる気なの?」
男「俺のだけ持って帰るよ」
女「そっちのほうがめんどくさいと思うけど」
男「……」
女「……」
男「……はぁ」
女「……あなたの過去になにがあったかなんて、わたしには関係ない」
男「当たり前だ」
女「でも興味はあるわ」
男「動物虐待だね」
女「わたしは猫、好きよ」
男「よかった。俺は犬派だ」
女「わたしたち、もう親友って呼ばれてもおかしくないと思わない?」
男「そのペースだと来週には結婚しそうだね」
女「来週はゴールデンウイークよ」
男「そっか……はやいなぁ」
女「だから、ね」
男「……」
女「ねぇ、アドレス教えてよ」
完
女「それでは、二人が無事親友になれたことを祝して、かんぱい!」カラン
男「……おっぱーい」カラン
女「決めた。あなたが内定をもらったら訴えることにする」
男「じゃあそれまでにいっぱいセクハラしないとね」
女「もはやハラスメントを感じないけど」
男「たぶんセクシャルの部分が重要なんじゃないかな。男からすれば」
女「自分を貶めてるわよ」
男「22才だからね、盛りなんだよ」
女「よく見ると右腕がだいぶ太いわね」
男「それはない。……はず。ないよな?」
女「もやしのいか風味。吐き気を催すわ」
男「ちょっと傷ついた」
女「慰めてなさい、一人で」
男「それよりお酒、どう?」
女「うん、けっこうおいしい。それにビンがすごくキレイね」
男「青空っていうよりは、深海って感じだけどね」
女「居酒屋にもあるの?」
男「無いときもあるけど」
女「そういうときは何を飲むの?」
男「ウォッカトニック」
女「あなたが言うと気障ったらしいね」
男「……梅酒」
女「ありがちね。あとはどうせカシオレとか、カルーアでしょ」
男「テキーラを、ショットで」
女「それは罰ゲームですね」
男「じゃあ君は何を飲むんだよ」
女「ウーロン杯。愚問よ」
男「あまり飲み過ぎると雌豚になっちゃうよ」
女「ならプーアル茶を飲むことにする」
男「知ってるんだ」
女「お父さんが持ってたの」
男「あー、なるほどね」
女「お母さんが全部古本屋に売ったわ」
男「臨時収入にしてはいい額になるから、気持ちはわかる」
女「あなた、家族は?」
男「……」
女「……ごめんなさい」
男「……父親と母親、あと妹。元気だよ」
女「いらっ」
男「他人のいらだち密の味」
女「謝り損ね」
男「謝って損することはないよ。誤って損することはあってもね」
女「酔ってる? 日本語が通じないわ」
男「ごめん、俺お酒弱いんだ」
女「……早くいいなさいよ、バカ」
男「でも、まさか一本で酔うなんて」
女「わたしに酔ったんじゃない?」
男「大根にアルコール成分ってあったっけ」
女「ダイコンキック!」ゲシ
男「酔ってるよね、君が」
女「認めちゃった……」
男「いつか食べてもらえるといいね」
女「すでに食べ残しかもよ?」
男「残さず食えよって言いたい」
女「あなたもA型なのね」
男「いらっ」
女「よし」
男「それにしても殺風景だね」
女「すっきりしてるでしょ」
男「テレビすら無いってどういうこと」
女「おもしろくないもの、最近は」
男「それは同感だけど、ニュースとかは?」
女「やふー」
男「マリオ?」
女「ヤッフー↑じゃなくて、ヤフー↓」
男「ゲームもするんだ、意外」
女「お父さんがね……」
男「若いね、お父さん……」
女「あなたは?」
男「最近はあんまり。DS持ってる?」
女「ピンクよ、かわいいでしょ」
男「ラジアントヒストリアはおすすめだよ」
女「ナニゲー?」
男「ナニゲーではないことだけは保証する」
女「小学生のころはよくゲームしてたな。インドアだったの」
男「ていうと、PSとか?」
女「SFC」
男「いいね、思い出がつまってる」
女「昔を語るのは大人になった証拠ね」
男「ついこの間までは未来に夢をはせていたのになぁ」
女「どんな夢?」
女「聞いてほしい?」
男「聞き返してほしい?」
男・女「いらっ」
男「もうそれはいいよ」ケラ
女「けらっ」
男「それはいいから」
女「ごめんなさい」
男「変な人だね」
女「死にたいの?」
男「そこまでいく!?」
女「かなりきたから」
男「いや、レッテルじゃなくて事実だよ」
女「事実をレッテルって言うのよ」
男「都合がいいなぁ」
女「事実に価値なんかないわ。認められてはじめて真実になるのよ」
男「……じゃあ、それから逃げ続けたら?」
女「道は必ずとぎれるわ。いつか、追い込まれる」
男「……」
女「そこが崖なら、飛び降りるのも一つの方法かもね」
男「……人生何回目?」
女「わからない。途中で数えるのをやめたんじゃないかな」
男「おもしろいな、ほんと」ケラケラ
女「誰にでもこんなこと言うわけじゃないわよ」
男「親友だもんね、俺たち」
女「遠慮します」
男「……人生何回目?」
女「わからない。途中で数えるのをやめたんじゃないかな」
男「おもしろいな、ほんと」ケラケラ
女「誰にでもこんなこと言うわけじゃないわよ」
男「親友だもんね、俺たち」
女「遠慮します」
男「言い出しっぺのくせに」
女「言い出しっぺが一番に逃げるのよ」
男「期待させるだけさせといて、置いていくんだよな」
女「……」
男「酔ったいきおいでさ」
女「えっ、うん」ドキドキ
男「ぶちまけちゃおうかなと、思ったんだけど」
女「……」ドキドキ
男「親友じゃないなら、いいや」
女(そっちの話ね)
男「酒が入ると、どうにもダメだね」
女「……話したいんなら聞くし、受け止めるよ」
男「……もう、今日は帰るよ」
女「……」
男「今日のことは、お互いに忘れよう。明日からはまた、ただの他人として」
女「それでいいの?」
男「どうでもいいの」
女「じゃあ、もう何も言わない」
男「ありがとう」
女「謝らないで」
男「うん、謝ってないからね」
女「帰り道、わかる? 帰れそう?」
男「バスで帰るからだいじょうぶ。その前に、片付けやっておくよ」
女「明日やるからいいよ」
男「あ、そう? ならお言葉に甘えて」
女(そこは食い下がってよ)
男「今日は楽しかった。本当にありがとう」
女「いいよ、わたしも楽しかった」
男「ばいばい」
女「ばいばい」
女「でもね、今日のことは忘れても」
女「アドレスはしっかり残ってるわ。だから」
女「またね」
女「なんだかんだ言って来てくれるわけね」
男「頼むから深夜に何十通もメール送らないでくれ」
女「じゃないとあなた、来なかったでしょ」
男「これ訴えたら勝てるんじゃね?」
女「すぐ訴えるとか言うんだから。なんとかの一つ覚えね」
男「それ自分に突き刺さってるぞ」
女「首が飛びそう」
男「ヒゲは生えてないみたいだけど」
女「女にヒゲは生えないわ」
男「そうなの? 俺の母さんはうっすら生えてたけど」
女「それはきっとお父さんよ。みなまで言わせないで」
男「ごめんなさい」
女「デリカシーを叩き込む必要がありそうね」
男「使ってないだけだって」
女「なおさらダメでしょ、それ……」
男「使う相手がいないからね」
女「よくわたしを前にして言えるわね」
男「君だからだよ」
女「デリカシーを叩き込む必要がありそうね」
男「使ってないだけだって」
女「なおさらダメでしょ、それ……」
男「使う相手がいないからね」
女「よくわたしを前にして言えるわね」
男「君だからだよ」
女「親しき仲にもなんとやら」
男「歯の浮くようなセリフをお望み?」
女「そのセリフがすでに浮いてるわ」
男「軽い言葉ってやつだね」
女「もっと気持ちをこめなさい」
男「こめるほどあればいいんだけど。それより」
女「なに?」
男「謝らなきゃいけないことがある」
女「心当たりが多すぎるんだけど」
男「結局飲み会をパスした俺は、今夜君と二人で飲みにいかなきゃならないハメになったわけだけど」
女「どんだけイヤなのよ」
男「昨日、君からメールもらったとき、バイト中だったんだ」
女「どおりで、返信が遅かったわけね」
男「で、俺バイト中は携帯をカバンの中に入れっぱなしにしてるんだけど」
女「当然よね。で?」
男「勝手に先輩に見られて、私も行く、って」
女「……」
男「お前に女友達? ホントかどうか確かめてやるよ、って」
女「……もちろん、空気読んだわよね?」
男「空気を読んだ結果がこれです」
先輩「よーっす、お疲れ!」
女「……」
男「……こればっかりは心から謝る。ごめんなさい」
先輩「なにしけた面してんだよお前は」
男「先輩のせいだよ……」
先輩「知らねーよ。で、お前のお友達ってのは?」
女「……わたしですが、何か」
先輩「おー……。おぉう!? えぇー!」
男「なんなのさ」
先輩「いやいやいや、お前これホームランだわ。ホールインワン目指すべきだわこれ」
女「……ねぇ」
男「……つまり、想像以上に可愛かったから、お突き合いまでいけたらいいね。そう言ってるんだと思う」
女「……これでこの人が男だったらはっ倒してるところだわ」
男「いや、むしろやってくれ」
先輩「はっはっは、いやーテンション上がったわ。女ちゃんだっけ」
女「はい。あなたは?」
先輩「このアホのバイト先の先輩。先輩でいーよ、よろしくな」
男「まぁ、ちょっとうるさいラジオ程度に思っておけば問題ないよね」
女「そうね、今日は二人で飲み明かしましょ」
先輩「無視かよ。いや、つれない態度もそそるねぇ。女ちゃん彼氏いるの?」
男「それ完全にチャラ男だから。いいから店入るよ」
先輩「女ちゃーん待ってー!」
男「……疲れる」
女「へー、院生だったんですね」
先輩「そーだな、だから実際は男と同級生なんだ」
男「学部は違うし、休学してたせいで接点はなかったけど」
先輩「私のバイト先にこいつが入ってきたんだよ。ま、だから私のが先輩ってわけ」
女「バイト仲間とは飲みに行く、って」
男「こういうこと。わかっただろ」
女「ご臨終です」
男「なんか違う」
先輩「あっはっは、私にとっては弟、いや弟子、いやいや舎弟みたいなもんだからな」
男「上がこんなだと苦労がたえないよ」
女「お察しします」
先輩「ほーう?」
女「な、なんですか?」
先輩「いーや、やたら男の肩持つなーと思ってさー?」
男「そりゃ先輩はすでに形なしだからね」
先輩「上手くねーから。てかどーいう意味だよ」
女「そのまんまですよ」
先輩「おいおい女ちゃん、そんな態度をとっていいのかな?」
女「と、言いいますと」
先輩「ネタはあがってんだぜ。まー同じ女だからな、わかるんだよ」
男「聞き流しといたほうがいいよ。ろくなこと言わないから」
女「あなたは黙ってて」
男「なんで!?」
先輩「はっはっは、お前は自分の首でも絞めてろよ」
女「……一応言っておきますけど、そんなんじゃないですから」
先輩「あ、お花摘みに行ってくんなー」
女「聞いてます!?」
先輩「はいはいおしっこおしっこ」
女「なぜ言い直す……」
男「すごくトゲがあるんですが」
女「よろしくやっちゃってる仲なの?」
男「少し変えただけで卑猥に聞こえる。日本語の不思議だね」
女「言葉遣いと見た目が正反対ね、先輩さん」
男「黙ってればお淑やかなんだけどね」
女「……」
男「……何で黙るの?」
女「うるさい。努力よ、努力」
男「女の股に力が入る、ね」
女「私の股には心があるわ」
男「……埋め合わせはいつか、必ず」
女「よろしい」
男「……はぁ」
先輩「うぃー。いやー飲んだぶん全部でちゃったよ」
女「お帰りなさい」
先輩「お、いい顔してんね。どったの?」
男「強いて言うなら、先輩のせい」
先輩「あっはっは、私ってば悪女だからなー!」
女「ふふ。先輩さんもスカイブルー、好きなんですね」
先輩「……まーな」
女「……悪女、ですか」
先輩「うるせーやい。悪女である前に女子大生なのさ!」
男「カシオレうまー」
先輩「最初はグー!」
男「じゃん、けん!」
女「ぽーん」パー
先輩「いえす!」パー
男「ぐあっ、なぜだ!」グー
先輩「ほらほらイッキ!」
女「ちょっといいとこ見てみたーい」
男「くっそ……ん゛っ!」テキーラ
女「ご臨終です」
先輩「はっはっは、情けねーなぁ」
男「あっちぃー、のどが焼ける!」
先輩「じゃあ今度は私だ!」
女「じゃんけんの意味は?」
女「……さすがに飲みすぎたわ」
先輩「飲んだあとの夜の空気。もー最高だね」
男「なんで俺のおごりなの?」
先輩「驕るな小僧! なーんてな、はっはっは」
男「給料日までは待つからね」
女「あなた、小さいのね」
男「どこ見て言ってるの?」
先輩「どっちにしろ否定できねーだろ」
男「ベッドまで送ってやろうか?」
女「あなた、狼の皮かぶってたのね」
男「だからどこ見ていってんの」
先輩「あっはっは、どっちにしろ否定できねーだろ」
男「病院のベットまで送ってやろうか」
先輩「コスプレの準備はできてねーよ。っと、それより」
男「ひどくなぶられた気がする」
先輩「お前ら帰る方向一緒だよな。バス?」
女「バスはもうないから、歩きです」
先輩「そっか! じゃあ男、ちゃんと送ってやれよー」
男「わかってるよ」
先輩「ベッドまでだぞ?」
男「君もなんか言ってやれ」
女「あら、それは素敵ね」
男「……はぁ」
女「先輩さんは?」
先輩「私はこっから友達と飲みに行くのさ」
女「ザルなのね……」
先輩「はっはっは、お前らはサルみたいにやってんじゃねーぞ!」
男「もう勘弁して」
先輩「……」
男「先輩?」
先輩「……いや。女ちゃん、ちょっと」
女「はい?」
先輩「男」
男「はいはい」スタスタ
女「なんですか」
先輩「やー」
女「……」
先輩「……あいつのこと、よろしく頼むわ」
女「え?」
先輩「私は、ムリだったからさ」
女「先輩さん」
先輩「でも、お前なら、もしかしたら。ってな」
女「……」
先輩「あいつは自分の不幸に酔ってるだけなんだ」
女「……わたしはまだ、何も聞いてないわ」
先輩「不幸に酔わせるくらいなら、人に酔ったほうがまだマシってことさ」
女「……」
先輩「涙で溺れるくらいなら、恋に溺れたほうが健全だろーよ」
女「せ、先輩さんは」
先輩「いいのさ! 話は終わりだ。ほら、さっさと行きな」
女「……」
先輩「また飲もーぜ。今度はあのアホ抜きでさ」
女「……はい、必ず」
男「……何か言ってた?」
女「さぁ、どうかしら」
男「答えてるようなものだよね、それ」
女「ねぇ、まだゴールデンウイークは始まったばかりよ」
男「そうだね」
女「だから、またメールするから」
男「……ほどほどにね」
女「それはあなた次第よ」
男「バイト中には絶対するなよ」
女「それは、もちろん」クスクス
男「不安だ……」
女「じゃあ、またね」ヒラヒラ
男「うん、また」ヒラ
続きはwebで
続き見たいならコピりますが・・・いいですか?
女「なんだか最近飲んでばっかりね」
男「お酒はおまけ」
女「語呂がいいわね。本命は?」
男「ダーツ」
女「どこに行くつもり?」
男「前に、先輩に連れて行ってもらったんだ。ダーツバー」
女「そんなのがあるの?」
男「ダーツやってるんでしょ?」
女「カラオケのついでだったり、ビリヤードのついでだったり」
男「でも今日の本命はダーツだよ」
女「嫌いじゃないけど、得意でもないわ」
男「優しく教えてあげよう」チャキ
女「それは……?」
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