【安価】艦娘達の戦後 (40)


深海棲艦が我が国の民間船を撃沈した事件から五年。戦争は幾つもの傷痕を残して終わった。

登場する艦娘を安価で募集します。
>>3から>>13まで

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ぜかまし

豈泌升

提督「すまない。出撃の準備に忙しい中集まってもらって申し訳ない」

薄暗い地下室に設置された司令室に修理が追いついてないボロボロの艦娘が集まっていた。とても狭く肩と肩が触れそうだけど、それでも艦娘は9人しかいなかった。
集まった艦娘は無口だった。きっと全員が私の綺麗事を並べた玉砕命令を聞かなくちゃいけないと思っているのだろう。裸電球で照らされた艦娘の顔顔は生気を感じるものではなかった。

提督「明日の出撃は中止。そして今日から我が艦隊は敗軍となった。」

暫く沈黙が続いた。その沈黙を破ったのは翔鶴だった。

翔鶴「私たちが負けたんですか?」

提督「そうだ。終わった。」

翔鶴「嘘でしょ。何のために加賀さんや瑞鶴が犠牲になったの?何で?何で?」

翔鶴は私の首根っこをつかみ、振り回してそう喚いた。そして崩れ落ちた。


提督「翔鶴…本当に…すまない。ただ負けたのは本当なんだ。わかってくれ」

翔鶴だけじゃない。他の皆も泣いていた。すすり泣く音が地下室に響く。

提督「深海棲艦は我々の武装解除に猶予をもうけてくれた。10日後に君達は解体される。…以上た。解散!」



~武装解除まで10日~

鳳翔「提督。皆さん寝床につきました。」

提督「ご苦労。翔鶴は?」

鳳翔「だいぶ落ち着きましたよ。ただ気持ちの整理にはまだ時間がかかりそうです。」

提督「そうか…」

鳳翔「あの子は不器用な位いい子すぎるんです。今まで沈んでしまった子は自分が力不足だって思い込んじゃってるんですよね。特に妹の瑞鶴は近くで沈ずむのを見てしまったので…」



司令官ドア<ドンドンドン

鳳翔「何方かしら?…榛名ちゃん!顔真っ青でどうしたの?」

榛名「ハァハァ…翔鶴が!翔鶴が!」

鳳翔「翔鶴がどうしたの?」

榛名「翔鶴さんが死にたいと行って逃げたのです。早く見つけないと翔鶴さん…」

鳳翔「提督!」

提督「鳳翔!榛名!探すぞ!」

~基地内~

提督「翔鶴!どこだ!いたら返事しろ!」

榛名「提督!基地は広すぎます。手分けして探しましょう。」

提督「そうだな。榛名は宿舎、鳳翔はドックを調べてくれ。俺は海岸を調べる」

榛名&翔鶴「はい!」

?海岸?

提督「翔鶴!」

翔鶴は海岸にいた。夜の冷たい海に膝までつかっていた。

翔鶴「あっ!提督!私を探しに来たんですか。」

提督「そうだ。心配させやがって。宿舎に戻るぞ!」

翔鶴「すみません、提督。でも私は宿舎に戻りません。」

提督「はっ?野宿するのか?寒さで死ぬぞ?」

翔鶴「…私は死んだ方がいいです。ごめんなさい。」

そう言って翔鶴は沖の方へ歩き始めた。

提督「翔鶴!引き返せ!死ぬ必要はない。」

翔鶴は引き返さなかった。海水が翔鶴の腰まで浸かっていた。

榛名「提督!」

提督「榛名!」

榛名「追いかけましょう。二人なら連れてけます。」

榛名と俺は翔鶴の後を追った。ジヮバジャバと波をうちわけて言った。翔鶴は俺達が近づいてる音が聞こえたらしく歩みを早めた。そして翔鶴の肩までの深さになった時に翔鶴は波にさらわれた。

?武装解除まで9日?
?病棟?

翔鶴「うぅ…」

雷 「司令官!翔鶴ねえちゃんが起きたよ!」

提督「良かったなぁ!雷」

雷「私、一生懸命に翔鶴ねえちゃんを看護したもん。わたしが看護したから翔鶴ねえちゃん直ぐに良くなるよ」

提督「そうだね。雷。榛名と一緒に翔鶴におかゆを作ってあげなさい」

榛名「雷ちゃん。一緒に台所に行こうね」


提督「助かった気分はどうだ?」

翔鶴「…」

提督「そうか…瑞鶴達には会えたか?」

翔鶴「…瑞鶴、加賀さん、赤城さん、飛龍さんと蒼龍さんに会えました。あと不思議な場所でした。真っ白い空間で奥行きが感じれず宙に浮いてる感じでした。でも直ぐに瑞鶴達は消えて気がついたらここの天井と雷ちゃんの顔が見えました」

提督「…多分な翔鶴を迎えに来たんだよ。でも来るのが速すぎたんだよ。だから翔鶴はここに戻って来たんだよ」

翔鶴「…なんで駄目だったのかな?」

提督「翔鶴に死にたくないって気持ちがあったんじゃないかな?昨日の事だって榛名に死に行きますって言ったり俺にみつかるまで沖まで行こうとはしなかったよね?翔鶴の心の奥では誰かに止めて欲しかったんじゃない…」

とりあえず今日はここまで。駄文や誤字が目立ったのと翔鶴の扱いが酷くて翔鶴好きな方には申し訳ない。
ちなみに私は日向さんが好きです。

提督「どうだ?違ったのか?」

翔鶴は黙ったままだった。でも透き通るくらい白い頬に一筋の涙が流れていた。

提督「もう戦争は終わったんだ。もう誰も傷つけ合う必要もない。それに翔鶴は生き残った。自分が足を引っ張って周りを死なせてしまったって感じるかもしれないけどそんな事はない。ただ翔鶴も皆も生き残る為に一生懸命に頑張った。先に逝ってしまった皆と翔鶴が違うとすれば少し翔鶴が運が良かっただけ。だからその運を無駄にするなよ。他の皆は生き残りたくても生き残れなかった。先に逝ってしまった皆の分まで幸せになれよ」

~執務室~
鳳翔「提督。翔鶴ですがちゃんと食事はとれてます」

提督「そうか。ありがとう」

鳳翔「提督。一つ聞きたい事がございまして…」

提督「うん。なんだ?」

鳳翔「武装解除っていうのは私達の解体って訳ですよね?」

提督「そうだが?」

鳳翔「すなわち解体は私達を…」

提督「いや殺さんよ。解体って言うのは普通の人間に戻る事だ。だから9日後はお互い違う新しい人生が始まる」

鳳翔「そうですか。それならば一安心です。他の皆さんも将来の事を心配してたんです」

提督「ただ今までの記憶…艦娘としての記憶は抹消される。だから戦いも戦友も私のことも全て忘れる」

鳳翔「提督…記憶を残すって事は出来ないんですか?死んだ他の子を忘れたくないんです」

提督「気持ちはわかる。でも全員の艦娘の記憶の抹消が無条件降伏の条件なんだ。理解してくれ。記憶は無くなるけど君達は生き残れるんだ」

鳳翔「そうですか…私達が私達でいられるのもあと9日だけなんですね」

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