○このスレは所謂、基本ギャルゲな京太郎スレです
○九年間もあるのでキンクリ多めでお送りします。
○判定は基本コンマ。重大な選択だけ選択安価を取ります。
○現在の行動スパンは一週間です。
○エンディングは好感度MAXになったヒロイン全員分と幼馴染丼姉妹丼師弟丼含めて書きます
○愛情度はイベント回数を記録している程度のもので、特に意味はありません
○>>1000はない場合とある場合があります。ある時はヒロインとの見たいイベントで取って下さい。過去ネタもオッケーです。
○実験作でもあるのでご意見募集中です。
○>>1は雑談好きなので雑談はスレが埋まらない限り、歓迎です。
○麻雀描写はとってもファジー。あんまり深く気にしないで下さい(小声)
※麻雀描写について
麻雀は四回判定を取り、コンマによる結果はその一局だけではなく数局に渡って発揮されます。
その為、点数のやりとりが前半と後半であわなくなる事もありますが仕様です
基本的に二回トップを取れれば勝ち抜けはほぼ確定だと思って下さい
逆に二回最下位だとかなり危ないです
その場合、【クライマックスパート】などでチャンスを作るつもりではありますが、かなり判定は厳し目になります
予めご了承ください
○予定表※ただしこの通りに進むとは限りません
5月の2週(中間テスト)
6月の4週(インターハイ地方予選)
7月の3週(期末テスト)
8月の2週(インターハイ本戦)
10月2週(中間テスト)
10月4週(文化祭)
11月2週(秋季大会)
11月4週(期末テスト)
12月2周(秋季大会本戦)
12月4週(クリスマス)
2月1週(学年末テスト)
3月2週(卒業式)+U22大会
前スレ
【咲】京太郎「阿知賀で過ごす九年間」晴絵「27年…同い年かな」【安価】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1388942340/)
wiki
http://www54.atwiki.jp/atiga-9nen/pages/1.html
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1389813060
五時も超えたし今日はそろそろ終わります
明日から大会に入っていく予定です
乙
憧の能力の大蛇神の贄&黒嬢からくるラスボス感
はぁ那珂ちゃんは改2になってアイドルっぽさ増した分ウザさも増えてホント可愛い
義姉スレのテルーも涙流した分、ヒロインっぽさが増えて本当に可愛い
やっぱり京照も良いよね
>>5
実は他の阿知賀ヒロインにも大蛇神シリーズつく予定だったんだけどね(小声)
穏乃:【大蛇神の愛玩者】
灼:【大蛇神の盟友】
玄:【大蛇神の姫】
宥:【大蛇神の虜】
みたいな
他のヒロインが覚醒してない分、ガチでやったらラスボスはやっぱ憧じゃないかなーと
>>12
元ネタ的に黒嬢は手を出された方なんだがなあ
京透スレとかプロスレとか見てると人多いなー人気すげーなーって思うよね(艦これしながら)
俺ももっと人が来るようなスレ作りたいけど、どうすればいいんだろう(遠征回しながら)
じゃあ始めるかー(3-2-1回しながら)
>>14
あれ?ナイちゃんは手を出した方じゃなかったっけ?
イッチ、酉外れとるでー
ガッちゃんは乙女ゲー主人公でもいける逸材だと思う
ネシンバラとか犬臭い忍者とかにツンデレってるところが見てみたい
でも、どうしてもナイちゃん相手と同じくらいがっちりはまってる感はないよなーと
>>18
ありがとう、上で言われてるのにまたミスするところでした…
【高校三年 ―― 2月第四週】
京太郎「(憧の奴…この土壇場でまた一皮むけるなんてなぁ…)」
京太郎「(この前あったU-22の予選…その中でプロと打って何か見出したのかも)」
京太郎「(今でもそこまで差がない…と言うか俺が負ける事もあるのに…)」
京太郎「(コレ以上憧にばかり強くなられると…差が広がってしまうな…)」
京太郎「(俺も気合入れて…頑張っていかないと)」ウン
京太郎「(…幸いにして…ようやく一つ思いついた事もあるし…な)」
京太郎「(これが形になれば…劇的とまでは言わなくても…一つ手札が増える)」
京太郎「(元々、俺は手札の多さで勝負するタイプだし…)」
京太郎「(その一枚は…かなり大きいはずだ)」
京太郎「(対応出来る相手も増えて…地力の底上げにもなるし)」
京太郎「(時間はないけど…出来れば大会までには形にしたい)」
京太郎「(そのためにも…今週は…)」
>>+2
末尾126 憧しずと練習
末尾378 やえさんと雀荘へ
末尾4590 レジェンドと特訓
>>レジェンドと特訓
晴絵「京太郎、特訓よ!」バンッ
京太郎「い、いきなりなんだよ…」
晴絵「いやー迷える子羊的な空気を感じ取ったというか…ね」
京太郎「…別にそこまで迷走してるつもりはないんだけどな」
晴絵「そ、そう?」
京太郎「おう。大会までに試してみたい事は沢山あるし…」
晴絵「で、でも、やっぱり行き詰まりとかあるんじゃない?」
京太郎「今のところは特にないけど…」
晴絵「だ、だけど…ほら、もしそうなった時にはやっぱり先生って必要だと思うのよね」
晴絵「京太郎が一番頼りにしてくれてるのって私な訳じゃない?」
晴絵「だったらほら…あの…その…ね?」
京太郎「……」
京太郎「…なんだ。寂しいのか?」
晴絵「ふぇぇ!?」カァ
晴絵「な、ななな何を言ってるのよ…そんな訳あるはずないでしょ…!」
晴絵「処女賭けたって良いわよ!」マッカ
京太郎「もう俺のもんだよ。ってか…今日だって休みな訳だし」
晴絵「ぅっ…」
京太郎「そろそろ卒業式で…レジェンドも阿知賀を離れる訳だしさ」
晴絵「そ、それは…」
京太郎「だからやる事は色々あると思うんだけど…わざわざ俺のところに訪ねてくるって事は…」
晴絵「そ……そう…よ」
晴絵「後任の顧問も決まって麻雀部の面倒も見なくてよくなっちゃったから…」
晴絵「ついつい寂しくて京太郎の顔を見に来たのよ!これで良い!?」ガーッ
京太郎「なんで怒ってるんだよ」
晴絵「怒ってない!拗ねてるの!!」
京太郎「殆ど同じじゃねぇか」
晴絵「まったく…たまには先生らしいところ見せたかったのに台無しじゃない…」
京太郎「安心しろよ。最初からそんなの期待してないから」
晴絵「うぐぅ……そんなにダメ?」
京太郎「ダメって訳じゃないけどさ」
京太郎「でも、今更そういうのが通用するような仲じゃないだろ」
晴絵「通用するような仲…って」カァ
晴絵「き、京太郎のエッチ…スケベ…へんたぁい…」モジモジ
晴絵「こ、こんな昼間っから…何考えてるのよぉ…♪」チラッ
京太郎「それはこっちのセリフだっての」
京太郎「ま、ともかく…来てくれたなら有難いや」
京太郎「ちょっと色々試したい事もあるしさ。練習台になってくれよ」
晴絵「れ、練習台…」カァァ
京太郎「だから、お前は何を想像してるんだよ」
>>+2
00~50 成功
51~99 大成功
※雀力により+16 大成功になるとカウンターが減ります
あちょー
踏まなくてよかった…ぞろ目ボーナスあるなら別だけど
>>大成功
京太郎「どうだ?」
晴絵「なるほどねー…底上げしたオカルトを基軸に考えて…そこに上乗せする形なのか」
京太郎「おう。まぁ、完璧って訳じゃないけど…今の俺は平で打たせる事が可能になってる」
京太郎「そしてそれが出来るんなら…ネト麻で培った打ち筋も幾つか使えるんじゃないかと」
晴絵「その中で狙い撃ちに特化…か。なるほど、悪くない方向性じゃない」
京太郎「だろ?まぁ…問題は確実に再現出来る訳じゃないってトコロだけどな」
晴絵「その辺りは練習を重ねていけば精度もあがっていくでしょ」
京太郎「だなぁ。ま、形になるまで頑張るよ」
晴絵「うん。私も応援してるから…ね」
京太郎「…応援だけか?」
晴絵「ふふ…まったく手の掛かる生徒なんだから」
晴絵「…仕方ない。ちゃんと最後までめんどうみてあげるわよ」クスッ
コンマ神が最終回間近だから祝福しに来てくれたと思おう(震え声)
京太郎「はいはい。先生何時もありがとうございます」
晴絵「何よ、全然感謝が足りないわよ?」
京太郎「じゃあ、どうすりゃ良いんだ?」
晴絵「んー…とりあえず咽び泣いて花束の一つでも渡してくれるとか」
京太郎「ま、そういうのは卒業式にやってやるよ」
晴絵「…ホント?」
京太郎「気が向いたらな」
晴絵「まったく…つれないんだから」
晴絵「…でも、卒業式…かぁ」
京太郎「……」
京太郎「やっぱり未練があるのか?」
晴絵「え?」
京太郎「先生を辞める事…もしかしてまだ迷ってるのか?」
晴絵「あはは…やっぱ誤魔化せない…か」
晴絵「…うん。ちょっと…ね」
晴絵「この三年間…とても楽しかっただけに…さ」
晴絵「この期に及んで…未練が出てきちゃった」
京太郎「…レジェンド」
晴絵「情けないよね。京太郎や憧…しずみたいな立派な生徒育てて…さ」
晴絵「もう未練なんてないって…そう思ってたのに…こうして…目前に迫ると…」
晴絵「…情けない赤土晴絵が顔を出して来ちゃって…さ」
京太郎「……こら」ペシッ
晴絵「あいた…」
京太郎「…情けなくなんかないだろ。皆、同じ気持ちなんだ」
晴絵「…でも…私は皆の事…置いていくんだよ?」
晴絵「置いて…プロになるって決めたのに…まだ迷って…」
京太郎「そんなの誰だって一緒だ。…俺だってあいつらの事を置いて…卒業したくないって思ってる」
京太郎「Wはまだまだ手が掛かるし…Yは完成しているようで荒い部分がまだ目立つ」
京太郎「あいつらに麻雀部を任せるのは…やっぱり不安だよ」
京太郎「でも、俺らは卒業して…離れなきゃいけない」
京太郎「どうしてか分かるか?」
晴絵「…それが仕方のない事だから?」
京太郎「ちげぇよ。それもあるけど…でも、それだけじゃない」
京太郎「…後に続く奴らを卒業させる為だ」
京太郎「先輩がそうだったから…自分たちも立派に卒業しよう」
京太郎「そう思わせる為に…俺達は卒業するんだよ」
晴絵「…京太郎」
京太郎「あいつらと離れる事が…俺達がしてやれる最後の仕事なんだ」
京太郎「どれだけ泣いても良い、迷っても良い」
京太郎「でも、最後には胸を張って…頑張るって言えるように…」
京太郎「そんな立派な別れ方を見せてやるのが…必要なんだよ」ポン
晴絵「…京太郎は大人だなぁ」
京太郎「大人じゃねぇよ。まだまだ情けなくて…バカなガキだ」
京太郎「でも、俺は…周りの人間に恵まれた」
京太郎「だから…俺みたいな平凡な奴でもここまで言えるってだけだよ」
晴絵「…インターミドルからインターハイまで制した男が何を言ってるのよ」クスッ
京太郎「ま、先生が良かったもんでね」
晴絵「…本当にそう思ってくれてる?」
京太郎「当たり前だろ」
晴絵「…卒業ギリギリでこんな事言い出すような女でも」
京太郎「そのくらいの方が可愛げがあるってもんだよ」
晴絵「…まったく…女たらしな言葉ばっかり覚えちゃって」
京太郎「これも先生が良いもんでね」
晴絵「…だれが先生なのか、後でじっくり聞かせてもらうけれど…」
小学校の頃から安価の結果とは言え割りと大人びてたしなぁ…
この土壇場で寧ろヘタレていたら今までが台無しになるレベルだし(震え声)
晴絵「でも、ありがとうね」
晴絵「少し…気が楽になったよ」
晴絵「まだ断ち切れないけど…でも」
晴絵「…別れを教える事が…私が教師として出来る最後の事なんだよ…ね」
京太郎「あぁ…そうだ」
晴絵「うん…それじゃ…私、頑張るよ」
晴絵「教師として…皆に見送られて…」
晴絵「皆が…後の卒業に耐えられるように…きっと立派に…阿知賀から卒業して見せるから…」
京太郎「…おう」
晴絵「でも…」
京太郎「ん?」
晴絵「京太郎は…ずっと一緒に居て…くれるんだよね…?」
京太郎「…当たり前だろ」
晴絵「…うん。よし。じゃあ…頑張れる」
晴絵「頑張れる…けど…さ」チラッ
京太郎「ん?」
晴絵「…もし…立派に…卒業できたら…あの…その…さ」
晴絵「…京太郎の胸で…泣かせてもらっても良いかな?」
京太郎「…それくらいお安い御用だよ」
【System】
須賀京太郎の雀力が1あがりました
崩壊世界カウンターが残り1になりました
【高校三年 ―― 3月第一週】
京太郎「(…さて、待ちに待った大会が来週から始まる)」
京太郎「(インターハイからこっち…ずっとそのために努力してきたけれど…)」
京太郎「(こうして間近に迫ると…やっぱり緊張するな…)」
京太郎「(U-22とは言え…国内で活躍する数々のプロが参戦してるんだ)」
京太郎「(こうして発表されたトーナメント表とそこに並ぶ名前を見るだけでも…身震いする)」
京太郎「(宮永プロに天江プロ…それに神代選手や辻垣内選手…まさに魑魅魍魎って感じだな)」
京太郎「(こんなトコロで…勝ち抜けていけるのかは自信はないけれど…)」
京太郎「(でも…高校三年間の集大成…そしてこれからの俺を図るには…最高の試金石になる)」
京太郎「(…どんな結果になっても後悔はしないように…)」
京太郎「(大会前のこの貴重な時間…最後の練習を頑張るか)」
>>+2
末尾126 憧しずと練習
末尾3780 やえさんと雀荘へ
末尾459 レジェンドと特訓
>>やえさんと雀荘へ
「おう、須賀ァ。今日も来たのか?」
京太郎「うっす。まぁ、最終調整って奴で」
「はは。その為にうちを選んでくれるたぁ光栄だな」
「もし優勝したら宣伝してくれよ」
「ばーか。宣伝してもこんな辺鄙な雀荘じゃ人来ないっての」
京太郎「んな事ないですよ。俺が知る限りじゃここが一番レベル高いですし」
「嬉しい事言ってくれるじゃねぇか」
「それじゃとことん喜ばせてやるからな」
京太郎「あ、いや…それは遠慮します」
「なんだよ、付き合い悪いな」
京太郎「それよりやえさんはもう来てます?」
「あぁ、嬢ちゃんか。ほら、そこで一局打ってるぞ」
バランスいいな
予定してた話が全部書けそうで内心喜んでます
お前らこういう時だけデレやがって…
やえ「……リーチ」ゴッ
京太郎「…凄い気迫だ」
「嬢ちゃんも予選突破してるんだったな」
京太郎「えぇ。立派な戦いっぷりでしたよ」
やえ「…ツモ。800・1600…お疲れ様でした」
やえ「……ふぅ」トサ
京太郎「やえさんお疲れ様」
やえ「あ…京太郎君…」
やえ「ごめん…着てたの気づかなくて」
京太郎「良いんだよ。それだけ集中してたって事なんだろうし」
やえ「…うん」
京太郎「でも、どうしてこんな早くから?今日の予定は11時からだっただろ?」
やえ「それは…」
コンマ「イッチを喜ばせたくて取ったんじゃないんだからね!
どのストーリーもみたかっただけなんだからね!勘違いしないでよね!」
「ったく須賀、察してやれよ」
「嬢ちゃんは京太郎と少しでも早く会いたいから早めに来てたんだろ」
京太郎「…そうなのか?」
やえ「あ、ち、違…っ」カァァ
京太郎「はは。やっぱりやえさんは可愛いな」ナデナデ
やえ「はぅ…ん…♪」ポワー
京太郎「でも、そういう時は遠慮せずに言ってくれても良いんだぞ」
京太郎「俺もやえさんと出来るだけ早く逢いたいしさ」
やえ「…ぅん…♪」ポー
京太郎「…それにまぁ一人でやるよりも二人でやった方が強くなれるだろ?」
やえ「…え?」
京太郎「だから…ほら、終わってすぐだけど…もう一局やろうぜ」
京太郎「おじさんもいけますよね?」
「まったく…お前は俺の事を全自動麻雀マシーンだって勘違いしてるんじゃねぇか?」
「男は度胸。なんでも試してみるもんさ。それに…きっと良い気持ちだぜ」
>>+2
00~50 成功
51~99 大成功
※雀力16+仲3で+19
お前ら調子良すぎなんだよぉ(震え声)
なんであのギリギリの土壇場から習得までこぎつけるのか…コレガワカラナイ
主人公補正ってやつだろ?(すっとぼけ)
>>大成功
やえ「んー…ふぅ…」
京太郎「お疲れ様。どうだった?」
やえ「…うん…ちょっと悔しいかな」
京太郎「おいおい、アレだけ一位になっておいて…どうして悔しいんだ?」
やえ「…それが京太郎君に譲られた勝利だったから…かな」
京太郎「いや、別に俺はやえさんに差し込みはしてないぞ」
やえ「そうだね。確かに…差し込みはなかった」
やえ「でも…普段ならもっと京太郎君が稼いでいたはずでしょ」
京太郎「今日はたまたま運が悪かったんだよ」
やえ「…本当に?」
京太郎「あぁ、何なら牌譜にして見せたって良いぞ」
京太郎「今日の俺は調子が悪くて…やえさんは調子が良かった」
京太郎「あくまでそれだけの話じゃないか?」
やえ「調子…か」
やえ「…ねぇ、私で…本当に勝てる?」
京太郎「え?」
やえ「…私は予選で新子に負けた」
やえ「本戦に行けたのだって…ギリギリの結果だった」
やえ「そんな私で…本当に本戦で…勝てるのかな」
やえ「京太郎君や…新子に…私が勝てるのかな…」
京太郎「…やえさん?」
やえ「…ごめんね。こんな事言っても…仕方のない事だって分かってる」
やえ「でも…やっぱり不安…なんだよ」
やえ「私は…京太郎君どころか…新子にも及ばない」
やえ「この前の戦いで…それを思い知らされてしまった」
やえ「私は弱いって…そこそこやれていたのは…ただ単に井の中の蛙だっただけなんだって…」ギュッ
京太郎「やえさんは弱くないよ」
やえ「…でも…京太郎君よりは弱い」
京太郎「そんな事はない。やえさんは…!」
やえ「…ごめん。卑怯な言い方をして…」
やえ「でも…ね。でも…やっぱり分かっちゃうんだよ」
やえ「…京太郎君は優しいから…強くて…凄いから…」
やえ「…私のことが有利になるように…何もかもを整えてくれていたんだって」
京太郎「…やえさん、それは…」
やえ「私は弱い。でも…それでも…私はずっと京太郎君の事見てきたんだよ」
やえ「京太郎君が…どういう打ち方をして…どういう勝ち方をするのか」
やえ「今まで…全部見てきて…知ってるんだから」
やえ「だから…今日の事がどれだけおかしいかってことも…分かってる」
やえ「調子じゃない運じゃない…そういうレベルで…勝てるような差じゃないんだ」
京太郎「…買いかぶり過ぎだ」
京太郎「俺は和了りを見逃したりしなかった。差し込みはなかった」
京太郎「それなのにやえさんを勝たせる事が出来るはずないだろ?」
やえ「…じゃあ、それは最速だった?…ううん、全力だった?」
やえ「何時もみたいに全力で叩き潰すつもりで…戦ってくれていた?」
京太郎「…それは…」
やえ「…やっぱり違うんだ」
京太郎「…違う。それこそ俺の調子が悪くて…」
やえ「…京太郎君…一つ言わせてくれる?」
やえ「あんまり…私の事を舐めないで」
京太郎「っ…!」
やえ「…確かに私は京太郎君よりも弱い」
やえ「不安で…焦っていたのも事実」
やえ「でも、だからといって…こんな事されて嬉しいはずない」
やえ「…自分の時間を削って…私に自信をつけさせようとされても…喜べないよ」
やえ「寧ろ…屈辱的で…私は今、凄く京太郎くんに怒ってる」
京太郎「…やえさん、その…俺は…」
やえ「…私は前も言ったはず」
やえ「私は…京太郎君のお荷物になりたい訳じゃない」
やえ「一緒に並び立てる…パートナーになりたいの」
やえ「決して…京太郎君の感情を満足させる為の道具じゃない…!」
京太郎「…………」
やえ「…あ…その…」
京太郎「……ごめん」
京太郎「…そういうつもりじゃ…なかったんだ」
京太郎「…ただ…俺は…能力の使い方を確かめようとしていただけで…」
やえ「…能力?」
京太郎「あぁ。レジェンドと…新しく能力の方向性を決めて…」
京太郎「その精度をあげるための…特訓中だったんだ」
京太郎「それは…その俺が和了るだけじゃ意味がなくて…」
京太郎「相手を思い通りに動かせる技術も必要なものだった」
京太郎「それを…俺はやえさんで試そうとして…それで…」
やえ「……私が勝った?」
京太郎「…正直に言えば元々そういう特訓だったんだ」
京太郎「自分以外の相手を意図的に和了らせて一位にする」
京太郎「勿論、差し込みも見逃しもなしで…」
京太郎「それくらい場のコントロールが出来て…ようやく実になるって…そういう話だったからさ」
やえ「……」
京太郎「だから…違うんだ」
京太郎「焦ってたのは…やえさんじゃない」
京太郎「俺の方なんだよ」
京太郎「大会までに何とかしないといけないって…そう思って…」
京太郎「やえさんの気持ちを考えず…道具みたいに使った…俺の所為なんだ」
京太郎「…ごめん。俺…気づかれると思ってなくて…」
京太郎「どうせ一位にするなら…やえさんの方が良いってそう…バカな事考えた」
やえ「……」
京太郎「…許してくれとは言えない…けど…」
京太郎「……本当にすまなかった」スッ
やえ「……頭をあげて」
京太郎「……うん」
やえ「…そういう事情ならなんで真っ先に言ってくれなかったの…とか」
やえ「それなら私、ただの道化じゃないとか…色々言いたい事はあるけれど…」
京太郎「…うん」
やえ「それが…京太郎君の特訓…だったんだよね」
京太郎「…あぁ、そうだ」
やえ「分かった。……じゃあ…許してあげる」
京太郎「…良いのか?」
やえ「勿論、腹が立つ気持ちはあるけれど…ね」
やえ「でも…それは京太郎君なりの特訓だったのなら…私が腹を立てても意味ないし…」
やえ「それに…正直に話してくれて…気も晴れたっていうのもあったから…」
京太郎「…晴れた?」
やえ「さっきはああいったけれど…京太郎君に勝てたのが実力じゃないかなって…そう思ってなかった訳じゃないんだよ」
やえ「でも…それを否定する自分は強くて…おかしいって違和感は叫んでて…」
やえ「それで…頭の中、グチャグチャだった」
京太郎「…うん」
やえ「でも…京太郎君のお陰で…今、頭の中スッキリして…やる気も出てきたよ」
京太郎「そっか。良かっ」
やえ「よくないよ」
京太郎「え?」
やえ「だって…私は決めたんだから」
やえ「今回の雪辱を晴らす為にも…必ず京太郎君にリベンジする…!」ビシッ
京太郎「…り、リベンジ?」
やえ「そう。大会で…今度こそ勝ってみせる」
やえ「そんな巫山戯た練習に付き合わされて…私は怒ってるんだから」
やえ「だから…その分の怒りは…大会で思いっきり晴らすよ」ニコー
京太郎「お、おう…」
やえ「…だから、今日のところは休戦」
やえ「京太郎君も大会前の調整に特訓したいって気持ちはあるだろうし」
京太郎「…ごめんな」
やえ「良いよ。その代わり…ものにしないと許さないからね」
やえ「私をこんなに怒らせたんだから…もっともっと強くなって貰わないと」
京太郎「やえさんは厳しいなぁ…」
やえ「当然。だってそうやって私を利用して強くなった京太郎君に勝って…ようやくリベンジが達成されるんだから」
やえ「…あ、でも、今日はもう私にそれ使っちゃ嫌だよ?」
やえ「私だって今日は特訓するつもりで来てるんだからさ」
やえ「意図的に勝たせてもらっちゃ特訓にならないでしょ」
京太郎「…返す言葉もありません…」
やえ「まったく…こんなのバレたら絶交ものなんだからね?分かってる?」
京太郎「はい…」
やえ「…まぁ、私を選んでくれたっていうのは…ちょっと嬉しいけどさ」
京太郎「え?」
やえ「なんでもない。ほら、それより麻雀に戻るよ」
やえ「今週中に一杯強くならないとリベンジも果たせないんだから」
やえ「京太郎君には…罰として今週いっぱい付き合ってもらうからね!」
【System】
須賀京太郎の雀力が1あがりました
小走やえの雀力が1あがりました
小走りやえはリベンジを硬く決めたようです
須賀京太郎の能力【崩壊世界】がランクアップし【終焉世界】に進化しました
この能力は自身のコンマに【+(雀力/3)】の補正を加え、相手全員のコンマに【-(雀力/2)の補正】を掛ける
また【狂堕狼】や【祝福のキス】など一部のネト麻専用スキルの補正を現実でも得る
相手全員の【補正前コンマ】が自身の【雀力/2】を下回った場合、特殊勝利する
この効果が発動した場合、その局のみ相手全員のオカルトを一つ無効にする事が出来る
流石に雀荘の中では話してないんじゃないかな!?(曖昧)
後、なんかちょっとやらかしてしまった感
勝つ動機が薄かったやえさんが喧嘩してぶっ倒すって心に決めるのが書きたかったはずなんだけどなぁ
うーん…やっぱ書きなおした方が良い?なんかすげーダメな気がしてきた…
よし、描き直そう(提案)
クライマックス前でごたついてアレだけど、やっぱこれは京太郎もやえさんも得しない展開な気がしなくもない
代わりに今日も五時くらいまで頑張るんでちょっと書き直させてください…
>>大成功
やえ「ふぅ…」
京太郎「お疲れ様。はい、どうぞ」
やえ「あぁ…ありがとう」
やえ「…にしても京太郎君は強いな」
やえ「いや…また一つ…強くなった…が正確かな」
京太郎「あぁ。先週ちょっと色々あって…コツが掴めたみたいで…さ」
京太郎「色々試してみたけど…意外と馴染んでくれてる」
やえ「…そう…か」
京太郎「…どうかした?」
やえ「いや…京太郎君はそんなに強くなっているのに…私は何をしているのかな…と」
京太郎「やえさんも順調に強くなっているって」
やえ「…うん。それは…実感してるよ」
やえ「この前も…似たような事言って京太郎君に迷惑を掛けたし…」
やえ「それは…疑ってない。でも…」
やえ「…この前新子に負けたのが…やっぱり脳裏に残っていて…」
京太郎「…やえさん」
やえ「…中学の頃は私のほうがまだ強かったはずなんだけれどな」
やえ「…今ではもう逆転されて…ても足も出なかった」
京太郎「そんな事はないだろうに」
京太郎「…勝ち目がなかった訳じゃないだろ」
やえ「だけど…私はそれを掴めなかったよ」
やえ「…そして新子はそれを的確に掴んで…要所要所で締めていった」
やえ「お陰で点差を詰められても逆転出来ないまま…」
やえ「本戦には行けたが…不安が残る仕上がりである事は否めない」ギュッ
京太郎「…やっぱり不安なのか?」
やえ「…あぁ、不安だよ」
やえ「私では…場違いじゃないのかと…恥を晒すだけではないかと…」
やえ「…そんな気持ちや…焦燥感はどうしてもあって…」
やえ「…今日も早くに来たのは…京太郎君に会いたかったからだけじゃないんだ」
やえ「一人でいると…焦燥感が湧き上がって…どうしようもなくなる」
やえ「…こんな事…インターハイに出場してる時でもなかったのに…」
やえ「今の私は…一年生の時以上に…恐れて…怯えている」
やえ「インターミドルの頃と違って…失うものなんてなにもないのに…」
やえ「…何をやっているんだろうかって…自分でも思うよ」
やえ「…でも…どうしてもその気持ちが…消えてくれなくて…」
京太郎「……じゃあどうしたらソレが消えてくれる?」
やえ「え?」
京太郎「ずっとそれを感じている訳じゃないだろ?」
京太郎「その焦燥感を忘れられている時間はあるはずだ」
京太郎「その時は…何をしてるんだ?」
やえ「……それは…」
やえ「…京太郎君の事を…考えてる」
京太郎「え?」
やえ「京太郎くんとメールしたり…電話したりして…」
やえ「それを…思い返してる時は…そういう焦りとかも消えて…」
やえ「……ご、ごめん。重い女で…」シュン
京太郎「あ、いや…驚いたけど…でも、重いなんて思ってないよ」
やえ「…ホント?」
京太郎「本当本当。…と言うかそれだけ思ってもらえるなんて光栄な話だしな」ナデナデ
やえ「…ん♪」
京太郎「…だからさ、ちょっと提案があるんだけど…」
やえ「提案?」
京太郎「あぁ。やえさんさえ良ければ…さ。家に泊まりに来ないか?」
やえ「……え?」
京太郎「俺と一緒にいられる時に忘れられるなら…大会まで一緒にいよう」
やえ「で、でも…迷惑じゃない?」
京太郎「やえさんが側にいて迷惑になるはずないだろ」
京太郎「それに…俺も調整の仕上げがまだ終わってないんだ」
京太郎「ギリギリまで一緒に打ってくれる人が居てくれると嬉しい」
やえ「…それが私で良いの?」
京太郎「ん?」
やえ「新子とか…高鴨さんとか…赤土さんとかもいるじゃない?」
やえ「それなのに…私で良いのかな…って」
京太郎「やえさんが良いんだよ」ギュッ
やえ「はぅ…っ♪」カァァ
京太郎「だから…引き受けてくれないか?」
やえ「卑怯…だよ。そんな言われ方したら…断れない…」モジモジ
京太郎「はは。断らせる気はないからな」
京太郎「ま、親御さんとかの許可も必要だから無理にとは言わないけど…」
やえ「だ、大丈夫だよ!友達の家に泊まるって言うし…!」
京太郎「それで大丈夫なのか?」
やえ「うん。他の皆には口裏合わせてもらうようにするから…!」
やえ「京太郎君は何も心配しなくても良いからね!」
京太郎「お、おう…」
やえ「よし…!それじゃお泊りの準備してこないと…!」
京太郎「え?もう?」
やえ「うん。色々必要なものとかもあるし…」
やえ「そ、それに…あの…勝負下着とかも必要…でしょ」ポソッ
京太郎「え…あ、いや…」
やえ「い、良いの選ぶから…期待して待っててね」カァ
やえ「それじゃまた後で…!」ダッ
京太郎「…そ、そういうのはなしのつもりだったんだけど…」
京太郎「(…ま、いっか。元気にはなったみたいだし…)」
京太郎「(問題は…俺が誘惑を拒みきれるかって事だけど…)」
京太郎「(うん。その辺は…なんとかなる…なんとかなる………はずだ)」
ネタがなくなると安易なエロオチに逃げる男ッ!スパイダーン(テレッテレーテレン)
いや、ホント、ごめんなさい…でも、さっきのアレよりもマシな気がするのでこのままいきます
【高校三年 ―― 3月U22大会】
京太郎「(…それからは禁欲の日々が続いた)」
京太郎「(やえさんは憧たちみたいに露骨に誘惑してくるタイプじゃないけど…)」
京太郎「(無意識にガードを下げて…エロいところを晒すんだから)」
京太郎「(この数日間でパンチラブラチラの回数がどれだけに達した事か…)」
京太郎「(おまけに…一回は風呂あがりのやえさんと遭遇しちゃって…)」
京太郎「(…珠の肌を間近で見て…思わず勃起しちゃった事も…)」
京太郎「(それだけならまだしもパニックになったやえさんが転びそうになったのを支えたりとか…さ)」
京太郎「(あの時はよく手を出すのを我慢出来たもんだよなぁ…)」
京太郎「(我ながら褒めてやりたいくらいだった)」
京太郎「(…憧たちの露骨な誘惑で耐性が出来てなかったらもしかしたら即死だったかもしれない)」
京太郎「(ただでさえ最近は麻雀の特訓ばかりだったから…正直、今までにないくらい溜まってるし)」
京太郎「(ま、それを何とか我慢したお陰で…例の能力も形に出来た)」
京太郎「(準備は万全…コンディションもしっかりしてる)」
京太郎「(だからこそ…一回戦は軽く突破することが出来たんだろう)」
京太郎「(…ただ…問題は二回戦からで…)」
憧「…やっほ」
やえ「…えへ…」
華菜「やっほだし!!」
京太郎「(…なんだこのメンツ…)」
京太郎「(抽選の結果とは言え…ちょっと偏り過ぎじゃないか!?)」
京太郎「(全員が知り合いなんだけど…ってか、池田さん以外知り合い以上なんだけど…!?)」
華菜「何くらい顔してるし」
京太郎「…いや、ちょっと大会側の作為を疑いたくなりまして」
華菜「ん?そんなにこの華菜ちゃんがここで立ちふさがったのが恐ろしいのか?」
華菜「ふふーん、やはり狂堕狼は分かっているな。後でジュースを奢ってやろう」
憧「……きょう…」ヒクッ
やえ「…たろう…?」ビキッ
京太郎「…あ」
憧「…申し訳ないですけど…池田さん」
華菜「ん?どうした?」
やえ「…彼とどういう関係で?」
華菜「それは…」チラッ
京太郎「(誤魔化して誤魔化して…!!)」フルフル
華菜「…」ニヤッ
華菜「幾つもの熱い夜を過ごした仲だし…♥」イヤンイヤン
京太郎「(池田ァァァァァ!!!!!!)」
憧「…へぇ、そうなんですか…」ゴゴ
やえ「…それは初耳…ですね」メラメラ
華菜「ふふーん。まぁ、私と狂堕狼は所謂秘密の仲って奴だし!」
華菜「あ、これオフレコだから秘密な!取材されても言っちゃダメだぞ」
華菜「まぁ、そもそも取材されるようなところまで行かせないけどな!」ドヤァ
華菜「ここから先は華菜ちゃんの独壇場だし…!」グッ
喧嘩売るなら相手選べよ?池田
ヒィヒィ言わすぞ、お?
嫌いだったらここに登場させる訳ないだろォ!!
ただ単にネト麻で他の二人のフラグが立ってなかったから池田が出ただけなんじゃよ…
っていうか俺前々から言ってるけど咲で一番好きなの池田だからな!!
憧「…そうですか。それは怖いですね…」グルグル
やえ「そう…だな、うん、とても怖い、怖いなぁ…」ゴッ
京太郎「(……俺はそこの二人の方が怖いです…)」フルフル
華菜「ま、一位だけ抜けられるルールで華菜ちゃんとあたった不運を恨むし!」ドヤァ
京太郎「…うん。確かに不運ですね」
華菜「なんだ、やっぱり狂堕狼はよく分かってるじゃないか」フフーン
華菜「ま、狂堕狼に恨みはないけど…折角予選を勝ち抜いてここまで来たんだし」
華菜「目標は優勝ただ一つ」
華菜「家では…妹たちも必死に応援してくれているし…職場の皆からの餞別も貰ってる」
華菜「悪いけど…負けてやる事は出来ない」
華菜「だから…全力で掛かってくるが良いし」
華菜「 ―― 全員、返り討ちにしてやるよ」
>>+1 京太郎(雀力16+能力136+土壇場5+キス5)162
>>+2 憧(雀力10+能力65-能力(京太郎)84)-9
>>+3 やえ(雀力12+能力60-能力(京太郎)84)-12
>>+4 華菜(雀力11+能力40-能力(京太郎)84)-33
というか読み同じせいでHN気づかなかった
>>京太郎 211 → 黒嬢の反動 → 127
>>憧 85 → 黒嬢発動(+210) → 295
>>やえ 47→ 王道の体現者発動 →131
>>華菜0
京太郎「……」ズズ
憧「くぅ…」
憧「(…相変わらず…本気になるとぞっとするくらいなんだから…)」
憧「(でも…こちとら普段からこのプレッシャーに慣れてるのよ…)」
憧「(伊達に…幼馴染やり続けちゃいないっての…)」
憧「(何より…こっちには今日の今日までずっと隠し続けてた…新技があるんだから…!)」
憧「…それポン」
京太郎「~~っ!」
憧「(…京太郎には分かるよね)」
憧「(アンタの手から察するに…これは超がつくくらいの急所でしょ)」
憧「(これが表にあるだけで…アンタが待ってる牌は出せない)」
憧「(なにせ…あたしの超本命牌なんだもの)」
憧「(こんな序盤で勝負するメリットもないし…)」
憧「(ここは降りてでも…それを残そうとするはず)」
憧「(だから…アンタは手を組み直さざるを得ない)」
憧「(遠回りでも…よそを探さざるを得ない)」
憧「(…でも、それも…)」
憧「…もひとつポン!」
京太郎「~~~っ!」
憧「(…潰す。何度でも潰す)」
憧「(京太郎が手を組み直す度に…何度でも)」
憧「(勿論、普段はこんな無軌道な打ち方はしない)」
憧「(でも…今は京太郎の能力が他の二人を抑えててくれてる)」
憧「(そして…あたしの待ちは…京太郎に合わせて刻一刻と変わってる)」
憧「(それが京太郎の能力によって他家の手の中に入って…)」
憧「(それはいずれ…手の中に収まりきらなくなってくる)」
憧「(後は…それを待てば…!)」
憧「…ロン。8000です」
華菜「だ…だし…!?」ビクゥゥ
>>+1 京太郎(雀力16+能力136+土壇場5+キス5)162
>>+2 憧(雀力10+能力65-能力(京太郎)84)-9
>>+3 やえ(雀力12+能力60-能力(京太郎)84)-12
>>+4 華菜(雀力11+能力40-能力(京太郎)84)-33
あわれ池田
アカン(震え声)
ん…あれ?ちょい待ち…ごめん反転世界忘れてましたの…
結果は変わらないけど、次からは忘れないようにします、すみません
>>京太郎248 → 黒嬢の反動 → 反転世界発動(-53) → 113
>>憧 21 → 黒嬢発動(+210) →エイリアス発動(-84) → 147
>>やえ 134
>>池田ァ 66
やえ「(新子が…止まらない…!)」
やえ「(強い強いとは思っていたが…まさか…京太郎君を相手にここまでやるなんて…)」
やえ「(いや…それも…当然かもしれない…な)」
やえ「(新子はずっと京太郎君の側にいたんだ)」
やえ「(京太郎君の側にいて…そして勝つ方法を模索し続けていた)」
やえ「(それが…あの打ち筋…)」
やえ「(異能と言っても良い…才覚…)」
やえ「(京太郎とはまた違った意味で…化け物…だな)」
やえ「(予選ではプロたちも新子に完全に手を焼いているような状態だった…)」
やえ「(…私も実際そうだった…けれど…)」
憧「……」ゴゴゴ
やえ「(その時は…ここまで恐ろしかったか…?)」
やえ「(まるで…背筋をのたうつような…プレッシャーを与えてくるような奴だったか…?)」
やえ「(…違う。どれだけ思い返しても…これは違う…)」
やえ「(…なら…新子は…どうして…)」
やえ「(…まるで…おかしくなった時の京太郎君のような…おぞましさは一体…)」
憧「…ツモ。4000オール」
>>+1 京太郎(雀力16+能力136+土壇場5+キス5)162
>>+2 憧(雀力10+能力65-能力(京太郎)84)-9
>>+3 やえ(雀力12+能力60) 72
>>+4 華菜(雀力11+能力40-能力(京太郎)84)-33
崩壊世界の特殊勝利で憧の黒嬢無効化すればいける
でも、発動条件満たさないんだよ!!!!!!
全員84以下で発動するのになんでさっき池田が99出すんだよ!!!
ごめんなさい(フルエゴエ)
いや、流石に2連続負けは想定外だったけどゾロ目出たしまだ挽回出来るよ
てか、ホント、この特殊勝利条件不遇だよな…結構発動率高いはずなのに発動したとこ見たことないぞ…
>> 須賀京太郎の運命の二つ名発動
京太郎「(…はは。やっぱ…憧はすげーや…)」
京太郎「(ここまでボコられたのは…一体、どれくらいぶりかな…)」
京太郎「(中学三年の江藤…いや、ヘタしたらソレ以上かな…)」カチャ
京太郎「(なんせ…団体戦とは違って、こっちは個人戦だ)」
京太郎「(幾らかは返せてるけど…点差はかなり開いてる)」
京太郎「(…このままじゃ負ける…な)」フゥ
京太郎「(…負ける…負ける…か)」
京太郎「(公式戦や大会で…負けるのは何年ぶりだろうな)」
京太郎「(失ったら負ける…そう負ける…はずなんだけど)」
京太郎「(…今は全然…怖くない)」
京太郎「(いや…寧ろワクワクしてる)」
京太郎「(ここまで追い詰められたのが…今は楽しい)」
京太郎「(後がないギリギリの戦いのはずなのに…顔がにやけて堪らない)」
京太郎「はは」
華菜「…笑ってる…?」
京太郎「…いや、悪い」
京太郎「やっぱり…麻雀って楽しいと思ってな」スッ
京太郎「まさか…ここまで追い詰められるとは思ってなかった」
憧「…負け惜しみ?」
京太郎「まさか。俺はまだまだ逆転出来るつもりだよ」
京太郎「確かに危なくはあるけど…憧も知ってるだろ?」
京太郎「俺は・・・土壇場に強い男なんだよ」
憧「…じゃあ、どうしてくれるの?」
京太郎「あぁ…それじゃ…これなんかどうだ?」スッ
華菜「んな…!?」
京太郎「…オープンリーチだ」
憧「…言っとくけど、オープンリーチは大会の役に指定されてないわよ?」
京太郎「知ってるよ、ちゃんと規約には目を通してる」
京太郎「でも、このまま待ってたって…誰かが出してくれる訳じゃない」
京太郎「だから…オープンだ。俺は…必ずツモる」
京太郎「ケチな点棒拾う気なし……!」
やえ「…それじゃわざわざオープンする必要はなかったんじゃないか?」
京太郎「あぁ。まったくないな」
華菜「分かってるならどうして…」
京太郎「だって…これくらいじゃないと…憧には追いつけないだろ」
華菜「基準が分からないし…!?」
京太郎「俺もよく分からない。だけど…」
京太郎「…俺の勘が言ってるんだよ、ここが勝負どころだって」
京太郎「ここを逃したら…俺は憧には勝てないって…さ」
京太郎「だから…俺はここで…勝ちに行く」
京太郎「勝って…憧から流れを取り戻す…」
京太郎「そして…先に行くんだ」
華菜「…しょ、正気じゃないし…」スッ
京太郎「ま、確かに…メリットはないよ」スッ
京太郎「…でも、麻雀の神様ってやつはバカな男はきらいじゃないらしいぞ」トン
やえ「…え?」
京太郎「…ツモ。満貫だ」
憧「…嘘」
京太郎「4000・2000…さぁ…逆襲の始まりだ」ゴッ
>>+1 京太郎(雀力16+能力136+土壇場5+キス5)162
>>+2 憧(雀力10+能力65-能力(京太郎)84)-9
>>+3 やえ(雀力12+能力60) 72
>>+4 華菜(雀力11+能力40-能力(京太郎)84)-33
全員84以下か
いや、まだ勝ち確定じゃない
クライマックスパートガアルヨ
>>京太郎 244 → 黒嬢の反動 → 反転世界(-53) → 107
>>憧63 → 黒嬢 →(210) → エイリアス(-84)→ 273
>>やえ122
>>華菜0
京太郎の終焉世界発動
憧「(流れ…そんなの…迷信よ)」
憧「(確かに…オカルトはある。でも…流れなんてものはない)」
憧「(例え…あったところでオープンリーチなんて無法で引き寄せられるはずはないんだから…)」
憧「(アレは…ただの偶然)」
憧「(ただの…まぐれよ)」
憧「(京太郎が…まだあたしを上回った訳じゃない)」
憧「(その証拠に…私のやり方は今も京太郎をがんじがらめにしてる…)」
憧「(普段ならもうとっくの昔に和了っていてもおかしくないのに…未だ手を組み替えて…)」
憧「(必死になってあがこうとしてる…)」
憧「(普段の京太郎からは…考えられないくらい無様な姿…)」
憧「(…でも、あたしは譲るつもりはないから)」
憧「(例え京太郎にだって…ううん、京太郎にだからこそ…)」
憧「(麻雀への真摯な気持ちは…譲れない)」
憧「(例え理性では負けたほうが将来的に良いと分かっていても…)」
憧「(全力で…京太郎をねじ伏せて…勝ってみせる…!)」グッ
憧「(…でも、どうして…?)」
憧「(そろそろ私の和了り牌が来ても良いはずなのに…)」
憧「(さっきから…場が膠着して動かない…)」
憧「(さっきまでは…こんな事なかったはずなのに…)」
憧「(まるで皆が固まってしまったみたいに…)」
京太郎「…海底摸月…か」
憧「っ…!」
憧「(…海底…確かにこのままじゃ京太郎が海底を引く事になる…)」
憧「(でも…それがどうしたって言うの…?)」
憧「(海底摸月で和了る確率の高い雀士なんて…天江選手くらいなもの)」
憧「(常人がおいそれと…しかも、狙って出来るようなものじゃ…)」
京太郎「…」ゴゴ
憧「(……常人…?)」ゾッ
憧「(違う…相手は…京太郎…なんだ…)」
憧「(どんな相手でも逆転して…さっきもオープンリーチを和了って…)」
憧「(もし本当に…流れってものがあるのだとしたら…今は…京太郎の方に向かっていきかねない…!!)」
憧「(…ありえない)」
憧「(でも…)」
憧「(ありえない…!)」
憧「(もしかしたら…)
憧「ありえるはずがないのに…!」」
憧「(京太郎なら…)」
憧(ありえる訳がない…!)」
憧「(さっきのオープンリーチを和了ってみせた京太郎なら…あり得るかも…)」
憧「……~~っ…!!!」スッ
憧「…ポン!」
京太郎「…降りたな」
憧「………ぁ」
京太郎「無駄鳴きだ。普段の憧じゃ…しないやり方だな」
憧「…くぅ…」
京太郎「そんなに俺に海底引かれるのが怖かったのか?…でもな」スッ
京太郎「…俺の和了り牌はここにある」タン
憧「…あ」
京太郎「ツモ。500・1000」
京太郎「(…と格好つけたものの…だ)」
京太郎「(憧の妨害は…ホントきつい…)」
京太郎「(最後の親も流されて…最終局…)」
京太郎「(点差は…約8000点)」
京太郎「(直撃ならば5400でようやく…)」
京太郎「(ツモ和了りなら7700でギリ逆転ってところか…)」
京太郎「(…ぶっちゃけきつい)」
京太郎「(普段なら大物手を作る事もそれほど難しくないけど…)」
京太郎「(憧の妨害の上となると話は別だ)」
京太郎「(こっちの打ち筋を完璧に分析されている以上…何をやっても裏目に出る)」フゥ
京太郎「(…それでも…ここで逆転できなきゃ…終わりだ)」
京太郎「(相性が悪かったなんて…言い訳にもならない)」
京太郎「(俺は…何の成果も出せないままここで敗退する事になる)」
京太郎「(それは…出来ない)」
京太郎「(これからプロとしてやっていく為にも…そんな無様なところは見せられないんだ…)」
京太郎「(憧の為にも…やえさんの為にも…)」
京太郎「(ここは…必ず…和了る…!)」
京太郎「(だから…その為の手よ…どうか…来てくれ…!)」グッ
>>+2
00~30 だが現実は無情である
31~60 そこそこの手が入った
61~99 最高の手が入った
※雀力と土壇場により+21
ksk
さすが持ってますわ~
ハッ意識が飛んでた…再開します
>>最高の手が入った
京太郎「(…はは。なんだ…)」
京太郎「(…俺のツキもまだまだ捨てたもんじゃないな)」
京太郎「(この土壇場で…小三元を狙える形で持ってこれている…)」
京太郎「(勿論、それだけじゃ直撃じゃないと足りないが…)」
京太郎「(リーチを考えれば…十分だ)」
京太郎「(憧の妨害をかいくぐるには…憧よりも先にテンパイすることが最低条件だし)」
京太郎「(それを満たしてくれるってだけでも有難い…)」
京太郎「(何より…)」
京太郎「(…よし。これで暗刻で構えられた…!)」
京太郎「…リーチ…!」スッ
憧「っ…!」
華菜「も、もう…!?」
京太郎「(…後は和了るのを待つだけ…)」
京太郎「(焦るなよ…表情に出せば…終わりだ)」
京太郎「(憧との付き合いは長いんだ…俺の手を…簡単に見破る事だってありうる…)」
京太郎「(逆転手が入っているのは分かってるだろうから…)」
京太郎「(一つの情報が命取りだって…心得ろよ…)」
京太郎「(小三元なんて…バレたらほぼ和了れない役も同然なんだ)」
京太郎「(ここはクールに…なんでもない振りをして…)」
>>+2
00~50 だが、気取られてしまった
51~99 気取られる前に和了った
※雀力16+土壇場5
憧「(ここで…リーチ…!?)」ゾッ
憧「(まだ二巡目なのに…ダメ…待ちなんて分からない…)」
憧「(ここでリーチをかけてくるって事は…間違いなく勝負手…)」
憧「(ツモ和了りだって逆転を考えられる…そんな形で持ってきてるはず…)」
憧「(…この土壇場で…そんな良手を引っ張ってくるなんて…ね)」
憧「(京太郎、やっぱりアンタは…プロに向いているわよ)」
憧「(最後まで…ドラマチックに闘牌を演出してくれるんだから)」
憧「(正直…そんなところは凄い格好良いし…ドキドキしちゃう)」
憧「(…でも、だからこそ…!)」グッ
憧「(だからこそ…!負けられない…!)」
憧「(そんな京太郎に…格好良いところを見せたいから…!)」
憧「(あたしだって…京太郎の隣にいれるんだって…証明したいから…!)」
憧「(……ここは…逃げない…!)」スッ
憧「(京太郎よりも…先に和了って…最後まで…)」トン
京太郎「 ―― それだ」
憧「…え?」
京太郎「…ロン。8000…また満貫だ」
憧「あーぁ…また負けちゃった…」フゥ
京太郎「…憧」
憧「まさか最後に直撃で逆転なんて…ね」
憧「ホント…良い格好してくれて」
京太郎「…悪いな」
憧「勝負なんだから謝らないの」
憧「あたしも京太郎も…全力でやった。そうでしょ?」
京太郎「…あぁ」
憧「だから、一々そんな風に謝らなくても良いの」
憧「…そんな風に謝るくらいなら…顔をあげて準決勝の事考えてなさい」
憧「…次はあたし達よりも強敵があんたの前に立ちふさがるんだからね」
京太郎「はは。正直、考えたくはないけれど…な」
憧「バカな事言ってないの」トン
憧「それが…勝ったアンタの責任なんだから」
憧「しっかりやってきなさいよ、じゃないと…許さないからね」
京太郎「…あぁ」
やえ「…京太郎君」
京太郎「やえさん…俺…」
やえ「…やっぱり京太郎君は強かったね」
やえ「私は殆ど何も出来ていなかった…」
京太郎「…いや、憧が強かっただけだよ」
京太郎「俺も序盤は何も出来ていなかった」
京太郎「後半流れを掴めたのも…無茶苦茶やって憧がびびった結果だし」
憧「びびってない!!」ムゥ
京太郎「はは。ま…正直、偶然の要素が強いよ」
京太郎「ぶっちゃけた話…憧がいなかったらやえさんに負けてた未来もあったかもしれない」
京太郎「それくらい今日の憧は…強かったからさ」
やえ「…だけど…偶然でも勝利を手にしたのは京太郎君だよ」
やえ「私でも新子でもない…京太郎君なんだ」トン
京太郎「…うん」
やえ「…だから、応援してる…からね」
やえ「何時も以上に…京太郎君の事」
やえ「絶対…優勝して」
京太郎「任せてくれ」
華菜「だしぃ…」
京太郎「…池田さん大丈夫ですか?」
華菜「何が大丈夫ですか?だし!」ウガー
華菜「オープンリーチからこっちやることなすこと無茶苦茶過ぎるし!!」
京太郎「す、すみません」
華菜「…でも、今日の華菜ちゃんが京太郎に及ばなかったのは認めざるを得ない」
京太郎「…え?」
華菜「何がえ?なんだよ」
京太郎「…いや、だっててっきり認めないって言われると思ってましたし…」
華菜「華菜ちゃんはそんな嫌な子じゃないし!」
華菜「…と言うか負けたのを負けたって認めないと先に進めないだろ」
華菜「ただでさえ華菜ちゃんはあんまり才能溢れるってタイプじゃないんだから」
華菜「その辺は心得ているし」
華菜ちゃ…池田はメンタル強いからこの程度じゃ死んだりしないし!!
華菜「…でも、これで諦めた訳じゃないからな!」
京太郎「え?」
華菜「ネト麻でもリアルでも…何時か必ず狂堕狼…いや、京太郎の事を倒してやる!」
華菜「そして華菜ちゃんが名実ともにナンバーワンに返り咲くんだし!」キラキラ
京太郎「…返り咲くって華菜さん一度でも、ナンバーワンになった事ありましたっけ…?」
華菜「…京太郎…ちょっと顔貸せ」
京太郎「え?」
華菜「いいから屈め!」
京太郎「こ、こうですか…?」
華菜「よし!!」ムニー
京太郎「い、いひゃいいひゃい…!」
華菜「まったく生意気な後輩だし!」
華菜「…でも、華菜ちゃんは優しい先輩だからそんな生意気な奴でもここから先勝てるように応援してやるし」スッ
京太郎「いてて…まぁ…ありがとうございます」
華菜「…うん。だから…残り二戦…負けるなよ」
華菜「華菜ちゃんの期待を裏切ったら承知しないんだからな!」グッ
京太郎「(…さて、休憩経て…準決勝)」
京太郎「(これを突破すれば…今日はもう終わりだ)」
京太郎「(決勝戦は明日の夕方から…ゴールデンタイムに流れるらしい)」
京太郎「(インターハイでもそこまで期待されてた訳じゃないのに…一体どれだけ注目度が高いのか)」
京太郎「(初めての大会だから…まったくの未知数だけれども…)」
京太郎「(でも…玄や穏乃…宥さんたち…阿知賀の皆は見てくれているのは確実だ)」
京太郎「(そんな舞台で…恥ずかしい打ち筋を見せる訳にはいかない)」
京太郎「(俺に負けて…敗退したやえさん達の為にも…)」
京太郎「(ここは絶対に落とせない…そのはず…なんだけど…)」
江藤「…」ゴゴゴ
咲「…」ドドド
淡「…」アワアワ
京太郎「(…なんでよりにもよってこんな激戦区なんだろうな…)」
京太郎「(運営スタッフはなにか俺に恨みでもあるのか…)」
京太郎「(いや…俺だって分かってる)」
京太郎「(順当にシード選手 ―― 招待された選手が勝ち上がっただけなんだって)」
京太郎「(江藤は言わずもがな…宮永咲選手も大星淡選手も女子インターハイじゃトップクラスだ)」
京太郎「(特に宮永咲選手は容赦なくプラマイ0に追い込む事から魔王と呼ばれてもいる)」
京太郎「(そんな人達と同じブロックって時点で割りと予想してたよ…してたけどさ…!)」
京太郎「(何も勝ち上がってきてほしくない連中全員が集まる事はないだろうに…)」ハァ
江藤「…どうした、須賀」
京太郎「いや…生きるって中々上手くいかないなって思ってさ…」
淡「…なにそれてつがくてきしこーって奴?」
京太郎「あー…まぁ、そんなもんだ」
京太郎「(実際はもっと即物的だけど)」
咲「…それより早く座ってくれませんか?」
咲「そろそろ試合も始まりますし」
京太郎「あ、はい…すみません…」
淡「おっかなぁい…」
京太郎「ま、ぼーっと突っ立ってる俺が悪かったんだよ」スッ
江藤「確かにな」
京太郎「…そこは少しはフォローしろよ、顔見知りだろ」
江藤「知らん。そもそも…今の俺とおまえは敵同士だぞ」
江藤「慣れ合うつもりはない」
京太郎「小鍛治プロへの恋愛相談に乗ってやったのに…」
江藤「ばっ!それは秘密だって言っただろ!!」
淡「え?なにない?楽しい話?」アワワッ
江藤「なんでもない!と言うかこっち来るな…!」
淡「ぶー…いいじゃんちょっとくらい」
江藤「良くない…まったく…流石にお前ら緊張感がかけすぎていないか?」
淡「…え?緊張?どうしてする必要があるの?」
江藤「…ん?」
淡「決勝に行くのは私だよ」
淡「決勝に言って…テルーとまた麻雀するの」
淡「それでね、強くなったねって褒めて貰うんだよ」アワー
京太郎「…なるほど。緊張感がない訳じゃなく自信の現れだった訳か」
江藤「でも…俺達もそう簡単に負けるつもりはないぞ」
淡「とーぜんじゃん。ここまで来て楽しませてもらわないと拍子抜け」
淡「でも…さ。勝つのは絶対にこの私!」
淡「その為に…大嫌いな教本とだってにらめっこしてきたんだもん!」グッ
江藤「そりゃ大層な努力をしたもんだ。…ちなみに須賀は?」
京太郎「え?俺?」
江藤「おう。何か努力したのか?」
京太郎「…まぁ、強くなったとは思うけど…努力…努力…」ウーン
京太郎「……とりあえず自制心は養われたと思うぞ、色んな意味で」
江藤「…自制心?」
淡「じせーしんってなーに?」
咲「…無駄話はそこまでにしませんか?」
咲「試合始まりますから…」ピー
咲「…始まりました。では…始めましょう」
咲「勝ち上がるのは…一人だけ…そんなギリギリの戦いを」
あかん…なんか咲さんのセリフが変になっとる
なんかそれっぽく格好良いセリフに脳内変換しておいてください(震え声)
>>+1京太郎(雀力16+能力136+土壇場5+キス5-能力(江藤)130-能力(あわあわ)70)
>>+2江藤(雀力13+能力130-能力(京太郎)84-能力(あわあわ)70)
>>+3淡(雀力14+能力70)
>>+4咲(雀力15+能力100)
だねー、とりあえず結果だけだして今日は終わりにしよっか
今日も南西諸島ボス5回終わらなかったし…(涙目)
80%から羅針盤が北にそれまくるのってなんなんだろうねアレ…
>>京太郎 61 → RDS発動(+500) → 561 → 咲のプラマイゼロの世界発動(-200) →361
>>江藤 0 → 万物の例長spec3発動(+219) アルターエイリアス無効 → 221
>>淡122 → 大いなる星々の申し子発動(+130) → アルターエイリアス無効 → 232
>>咲137 → 嶺上開花の極意発動(+100) → アルターエイリアス無効 →237
淡「(…うわ)」
江藤「(…これは…)」
京太郎「(…酷いな)
咲「(……)」
淡「(もー…卓グッチャグチャで…上手く打てないじゃーん…)」
江藤「(これだけの支配力の応酬なんて…初めて見るな)」
京太郎「(…ろくに打てない…これは酷いな…)」
江藤「(…だが、突破口は…ある)」
江藤「(須賀の奴に今度こそリベンジを果たす時の為、磨き上げた…俺の新しい能力…!)」
江藤「(先生との愛のマンツーマンレッスン…それを乗り越えた俺には…この程度…!!)」
江藤の万物の例長Spes3の効果
自身が-補正を受けた際、ソレを打ち消し、自身の雀力と同じだけの+補正を得る
あ、特殊効果も無効にします(小声)
淡「(ふっふーん…でも、この混戦は私には有利…)」
淡「(なにせ…私はこの経験が山ほどあるからね!!)」
淡「(リンシャンサキーと一緒に打つと…たいていこうなるし…)」
淡「(シズーと一緒にやると…もっと酷い事になるし)」
淡「(何より…私はこの三年間…これを突破する為に腕を磨き上げてきたんだ…!)」
淡「(この混戦を抜けられる可能性が…一番高いのは間違いなく私…!)」グッ
大星淡の大いなる星々の申し子
全体の補正が12を越えるか、自分以外に補正後コンマが変動した場合に発動する
自身の雀力分の補正をコンマに+する
この効果が発動した場合、特殊効果を受けない
淡「(今ならリンシャンサキーの矛先も別のところに向いてる…)」」
淡「(このまま…全部ぶっ飛ばして…テルーのところまで行くんだから…!)」グッ
京太郎「(…有利なのは俺だ)」
京太郎「(なにせこの場には場に重圧を掛けてくれるタイプの雀士が二人もいる)」
京太郎「(ましてや…二人とも並の雀士じゃろくに勝てないような実力者だ)」
京太郎「(…何時もの技でぶっちぎる準備は出来てる…!)」
京太郎「(ここで…鳴いて…一気に和了に…!)」
咲「……遅い」
京太郎「…え?」ガクッ
京太郎「~~~っ!」
京太郎「(今…速度が堕ちた…!!)」
京太郎「(何時もなら…もっともっと加速出来るはずだったのに…)」
京太郎「(…今鳴いて…掴んだ牌が…4萬…!?)」
京太郎「(これじゃ…和了には近づくけど…)」
京太郎「(手が…高くならない…!!)」
咲「……」
宮永咲のプラマイゼロの世界
一つの+補正で100を超える場合、それを100へと変更する
このスキルはあらゆる効果で無効には出来ない
淡「(…使ったね、リンシャンサキーの必殺技…)」
淡「(アレがあるから…リンシャンサキーは苦手なんだよね)」
淡「(まるで押さえつけられてるみたいで…すっごい気分悪いんだから)」プンプン
淡「(でも…今、躊躇なく金髪に使ったって事は…)」
淡「(金髪の能力ってそんなにやばいの?)」
淡「(うーん…ちょっと気になるかも)」
淡「(男子とか興味なかったから全然見てなかったしー…)」
淡「(でも、リンシャンサキーに止められるって時点で凄いって事だし…)」
淡「(一回…リンシャンサキーなしで打ってみたいな)」
淡「(ま…でも、だからって手加減はしないよ」
咲「…カン」
江藤「っ…!」
淡「(だって…サキーが…嶺上開花の準備に入ってるし)」
淡「(今はまだ卓がぐちゃぐちゃな所為で一回目だけど…これが続くと止まらなくなる…)」
淡「(早く和了って…リンシャンサキーを止めないと…!)」
宮永咲の嶺上開花の極意
自身がトップでない場合に発動可能
さらに+100の補正を新しく加える
江藤「(よし…テンパった…!)」
淡「…リーチ…!」
江藤「っ…!(まずはそっちか…!)」
淡「(悪いけど…今の私は絶好調なんだから)」
淡「(普通のリーチでも裏が乗る…ううん、乗らせるよ…!)」
淡「(個人戦…点数も少ないけど…)」
淡「(一発目から…ドデカイの…思いっきりぃ…!)」グッ
京太郎「…ん。よし…」
京太郎「…ツモだ」パタン
淡「…え?」
咲「え…?」
江藤「…え?」
京太郎「1000・2000っと」
淡「…えーっ!ずっこーい!」
淡「全然テンパってる気配なかったのに!!」
京太郎「そりゃ感じさせる訳ないだろ。こっちだって必死なんだから」
淡「ぅー…」
京太郎「はいはい。次な、次」
京太郎「(…おおまかに相手の能力も割れてきた)」
京太郎「(今回は上がれたけど…正直、次は分からない)」
京太郎「(どれもこれも…俺にと同じかそれ以上のバケモノなんだ)」
京太郎「(こんな僅かな点差で…油断しないようにしないと…な)」
というわけで今日は終わりです
魔物同士の対局は処理は大変だな!!
次からは能力の説明とかは入らないんでもうちょっと早いと思います
明日にはエンディング入る準備したいです…
正直勝てるのかこれ
乙
江藤が食われたか…
竜の鳴きはカンだけじゃないから、どっちかというとこれは人鬼
やっぱ咲の本質はプラマイゼロな所が怖い
そのためなら相手の支配突破してゴミ手流しも役満ツモもできるとかもうね
この咲さんはどう考えても照と和解できていない、むしろ大会を経て会いに行ったけど拒否られてそう
ただいま戻りました…
すみません残業で色々と酷使されたんで先にちょっと寝てきます…
起きたら開始する予定です
>>218
自分、期待してもいいですか?
ぬぁー三時に目覚ましセットしたのに思いっきり寝過ごしたぁ…おはようございます
なんか色々心配させてごめんなさい
一応開始前にちゃんと寝てたりするんで睡眠時間とかは大丈夫です
それに一週間に一日とか二日お休み貰う事もあるし
でも、まぁ、後多分二日、長くても3日でエンディング入れるんで頑張ろうかなーと
それに投下ジャンキーと言うか書いてないとなんかすげーダメな気がするんで書かせてください!なんでもしますから!
>>201
コンマと補正を見るんだ、強敵みたいな演出してるけど寧ろ楽勝です。【このままなら】
>>203
江藤はシャイボーイかつすこやんを崇拝してるから清く正しいお付き合いをしてるんじゃね(適当)
現代に降り立ったすこやんにそんな穢れた感情を向けるのがどうかしている!と言いながら一人悶々としてるとか
>>209
和解どころか決勝で阿知賀に負けて和が転校決定しちゃったからなぁ
自分が負けた所為でのどっちがいなくなってしまったと思い込み、ひたすらに強さを求めるヘルカイザー咲ちゃんです(小声)
>>219
おう、考えてやるよ(やるとは言ってない)
じゃあ、そろそろ始めます
この時間なんで五分置いたら連続取得オッケーですよ
京太郎「(まぁ…何はともあれ…だ)」
京太郎「(目の前にいるのは今年のインターハイ男女合わせて最強格の三人だ)」
京太郎「(そんな奴ら相手にファーストアタックを決められたのは嬉しい)」
京太郎「(決して油断できない状況じゃないが…それでも頭ひとつ抜けてるんだ)」
京太郎「(……ただ)」チラッ
咲「……」ゴゴ
京太郎「(宮永プロの妹…宮永咲)」
京太郎「(彼女はまだ…本気を出しちゃいない)」
京太郎「(まだ隠してる…或いは使ってない手札がある)」
京太郎「(まったく…こっちは全部使ってようやくって感じなんだけどな…)」
京太郎「(…だが、まぁ…どっちにせよ…)」
京太郎「(俺はこの卓を全力で戦って…)」
京太郎「(そして…楽しむだけだ)」ゴッ
>>+1京太郎(雀力16+能力136+土壇場5+キス5-能力(江藤)130-能力(あわあわ)70)-34
>>+2江藤(雀力13+能力130)70
>>+3淡(雀力14+能力70)84
>>+4咲(雀力15+能力100)115
わざわざ二重で取りに来てもらってすまぬ…すまぬ…
後、すっげー眠かった所為か前回最後のコンマが明らかにおかしかった事に今更気づきました
今回はちょっと色々と前回と違うかもしれません、申し訳ないです
>>京太郎 24 → LDSやら咲能力やら発動 → 320
>>江藤 172 →Spec3発動(+130) → 302
>>淡 103 → 大いなる星々の申し子発動(+140) → 243
>>咲 → 153 → 嶺上開花の極意(+100) → 253
淡「(…なんで…?)」
淡「(あの金髪…リンシャンサキーに止められてるはずでしょ…?)」
淡「(普通なら…私達はその上にいける…はずなのに…)」
京太郎「…ポン」
咲「っ!」
淡「(…またリンシャンサキーの顔が変わった…)」
淡「(止められて…いないんだ)」
淡「(ううん…多分、止められてはいる…けど…)」
江藤「(…宮永妹にもわかってきたんだろう)」
江藤「(須賀の本当の恐ろしさは…オカルトじゃない)」
江藤「(高校生にはあるまじき…手札の多さだ)」
江藤「(能力を失っても尚、打ち続けていたこいつはまともなやり方じゃ縛れない)」
江藤「(どんな状況、どんな場所でも戦えるだけの手札を持ってる)」
江藤「(一つその勢いを止めたところで…どうにもならない)」
江藤「(…逆にあいつにそれを利用されるだけだ)」
咲「……っ」トン
京太郎「…ロン。7700」
咲「…は…い」スッ
>>+1京太郎(雀力16+能力136+土壇場5+キス5-能力(江藤)130-能力(あわあわ)70)-34
>>+2江藤(雀力13+能力130)143
>>+3淡(雀力14+能力70)84
>>+4咲(雀力15+能力100)115
>>京太郎 227 → LDSやら咲の能力発動 →327
>>江藤 206 → Spec3発動(+130) →336
>>淡 173 → 大いなる星星の輝き発動(+140) → 313
>>咲 143 → 嶺上開花の極意発動(+100) → 243
→ 江藤選手の勝利で ――
咲「(…この人達…強い)」
咲「(大星さんは知ってたけど…)」
咲「(男子の二人もここまでやるなんて…)」
咲「(…でも、私は…負けられない)」グッ
咲「(お姉ちゃんの事なんて…どうでも良い)」
咲「(私はもう…絶対に…誰にも負けられない…!!)」
咲「(私の所為で…麻雀を止める事になった和ちゃんの為にも…)」
咲「(和ちゃんがいなくなって…元気のなくなった優希ちゃんの為にも…)」
咲「(私は…強くなきゃいけないんだ)」
咲「(誰も手の届かないような…ところまで)」
咲「(誰もが…見上げるような高みまで…)」
咲「(…絶対に行かなきゃ…いけない)」
咲「(それだけが…私が…和ちゃんにしてあげられる事だから…)」グッ
咲「(だから……っ!!!)」
→ 宮永咲の帳尻合わせ発動
江藤「(…よし。張った)」
江藤「(逆転手…まぁ、直撃前提だけどな)」
江藤「(だが、この中で誰よりも須賀の事を知ってるのは俺だ)」
江藤「(今の待ちならば…直撃が狙える)」
江藤「(ま…あくまでそれは理想論だけど…)」
江藤「(個人戦で三倍満ともなれば…直撃じゃなくても痛いはずだ)」
江藤「(まだまだ逆転の目はある…)」
江藤「(前半戦を取られたくらいで…諦めたりしねぇぞ)」スッ
咲「…カン」スッ
江藤「(…っ!?しま…っ)」
咲「カン」ゴゴゴ
咲「もいっこカン…」ズズズ
江藤「……」ゾッ
咲「…リンシャンツモ…責任払いです」パラッ
江藤「あ…あぁ…」
淡「(うわー…もう出ちゃうんだ…リンシャンサキーのアレ…)」
淡「(もしかして…前半戦金髪に取られて…焦ってる?)」
淡「(どっちにしろ…これやばいよね…)」
淡「(てっきり来るのは最後だと思ってたけど…)」
淡「(これまで殆ど和了れてない状態で…あの状態のリンシャンサキーと打つ…?)」
咲「……」ゴゴゴ
淡「(……ちょっときついかなー…)」
淡「(…でも、諦めるつもりはないけどね)」
淡「(最後まで何が起こるか分かんない)」
淡「(シズーとテルーは私にそれを教えてくれた)」
淡「(もしかしたら最後の一局で役満が入るかもしれない)」グッ
淡「(だから…諦めないよ…絶対に…!)」
京太郎「(…んだよ、アレ…)」
京太郎「(…一瞬だった)」
京太郎「(江藤も決して油断してた訳じゃなかった)」
京太郎「(あいつだって…高校生の中じゃトップクラスに強いんだから)」
京太郎「(なのに一瞬で…距離を詰められて…刈り取られてる)」
京太郎「(あんなの…避けようがない)」
京太郎「(暗刻が出来た時点で…こっちを射程圏内に入れてくる化け物なんて…避けられるのかよ…)」グッ
京太郎「(…いや、弱気になっちゃダメだ)」
京太郎「(確かに…嶺上牌は俺の力じゃ動かせない)」
京太郎「(俺がどうこう出来るのはあくまで山の方なんだ)」
京太郎「(でも…それだけで十分だ)」
京太郎「(あいつが嶺上開花を問答無用で咲かせるっていうのなら…)」
京太郎「(俺が…その山を動かす。その前提から…切り崩す)」
京太郎「(気合入れろよ…須賀京太郎)」
京太郎「(多分…ここからが本番だぞ…)」
宮永咲の帳尻合わせ
後半戦に発動可能
トップになれなかった数×50の補正を補正後コンマに加える
>>+1京太郎(雀力16+能力136+土壇場5+キス5-能力(江藤)130-能力(あわあわ)70)-34
>>+2江藤(雀力13+能力130)143
>>+3淡(雀力14+能力70)84
>>+4咲(雀力15+能力100)115
爆笑したwwww
ここで持ってく江藤はホントライバルキャラだよなぁ
>>京太郎 6 → 諸々発動 → 302
>>江藤 234 → spec3発動(+130) → 364
>>淡 179 → 大いなる星々の申し子発動(+140)319
>>咲 148 → 嶺上開花の極意+帳尻合わせ(+200) → 348
江藤「(…今の一撃で…トップ争いからはほぼ転落…)」
江藤「(実質…宮永と須賀の一騎打ちみたいなもんだな…)」
江藤「(この点差で最終局…手は酷いって訳じゃないが…)」
江藤「(そのままじゃ…逆転には届かない)」
江藤「(…そう…そのままじゃ…な)」
江藤「(…だけど…舐めるなよ…)」ズズ
江藤「(俺は…小鍛治先生の一番弟子なんだ…!)」
江藤「(その俺が…須賀だけじゃなく…宮永にまで負ける?)」
江藤「(…そんなの許せない。許せる…はずがない)」
江藤「(俺は…勝つ。絶対に…!)」
江藤「(少なくとも…最後の最後まで…その為の麻雀を続ける…!)」
江藤「(その…為には…!)」グッ
江藤「……リーチ!」
淡「ここでリーチ…!?」
わざとじゃなかったのかwwwwてっきり水を差されたから怒ってるのかと
江藤「(…須賀や宮永の前でコレ以上に手は伸ばせない)」
江藤「(…と言うか、須賀の前でそうやって手替えしてる時間はデメリットでしかない)」
江藤「(時間がかかればかかるほど…こっちに和了牌は来なくなりやすいんだから)」
江藤「(なら…無謀でも早い内にリーチを仕掛けていったほうがマシだ)」
江藤「(あいつだって山の全部を支配してる訳じゃない)」
江藤「(俺の待ちが分からなきゃ…どうずらせばいいのか分からないだろ)」
江藤「(…何より)」チラッ
淡「…」ゴッ
咲「……」ゴゴゴ
江藤「(…警戒するべきは俺だけじゃない)」
江藤「(宮永咲も…大星淡も…まだまだ逆転を諦めてない)」
江藤「(そして二人の手には…おそらく大物手が入ってるだろう)」
江藤「(そんな状況で…俺だけに集中出来るもんかよ?)
京太郎「…くっ」
江藤「(…出来ないよな。流石に)」
江藤「(幾らお前でも…この状況は処理能力が足りないはずだ)」
江藤「(だからこそ…勝機はある。ほんの小さな…クモの糸のようなほそいものだけど…)」
江藤「(…だけど…確かにある…勝機が)」
京太郎「(まずい…能力の処理限界を超えてる…)」
京太郎「(宮永選手にも…大星選手にも…大物手が入ってる気配があるのに…)」
京太郎「(その上…江藤がリーチ…?)」
京太郎「(今まで…ろくにリーチなんて掛けたことのない奴が…ここで…)」
京太郎「(おそらく…自信がある…からなんだろう)」
京太郎「(その手で逆転出来ると…そう信じているからこそ…)」
京太郎「(余裕を見せて…大きく構えていられる)」
京太郎「(…そうなるとかなり高めの手…だけど…)」
淡「……これとかどうかな…!カン!」スッ
京太郎「っ…!」
咲「……カン」
京太郎「(まず…!)」
京太郎「(ふたりとも一気にテンパイ近い…!)」
京太郎「(カンで晒した手牌から察するに二人の待ちは…)」
京太郎「(他の三人の河を考慮しても…残ってる大物手…)」
京太郎「(…その全部を回避して…和了に近づくなら…これしかない…!)」スッ
江藤「…それだ」
京太郎「…え?」
江藤「…悪いな、須賀」パタッ
江藤「俺はお前が警戒してるような大物手なんて張ってない」
江藤「…普段の俺からすればノミ手って言ってもいいようなもんだよ」
淡「ち、ちょっと!それで本気で和了るつもり!?」
淡「それじゃ全然逆転出来ないじゃん!」
江藤「…そうだな。このままじゃ最下位が三位に変わるくらいだ」
江藤「…だけどこのままじゃなかったらどうする?」
淡「え?」
江藤「…あるじゃねぇか。手軽で簡単に…点数を増やすものが」
京太郎「まさか…ドラ!?」
江藤「あぁ。ま…モットーには反するやり方だけどな」スッ
江藤「だけど、宮永や大星がカンして広げてくれたお陰で…逆転の可能性はない訳じゃない」
江藤「ま…こんな無様な打ち方は全然、先生らしくない」
江藤「裏ドラなんかに頼るなんて…ホント、自分でも笑っちまうよ」
江藤「…でも…な。それでも俺は負けたくなかった」
京太郎「…江藤」
江藤「先生の名前を背負って…最下位だけは我慢がならなかったんだ」
江藤「…だから、こんな無様なやり方でも…」コロン
江藤「みっともない…やり方でも…」コロン
江藤「…俺は望みに賭ける」
江藤「俺なりに見出した…逆転の可能性…」
江藤「(……頼む…来てくれ…)」コロン
京太郎「……裏」
淡「……なし…」
江藤「……あぁ。そう…だな」スッ
江藤「…俺の負けだ。須賀」
江藤「……お前が…勝ち抜けだよ」トン
京太郎「…正直、勝った気はしないけどな」
京太郎「最後の直撃…心臓が止まるかと思った」
江藤「あったりまえだ。こっちはモットー曲げて滅茶苦茶にやってるんだから」
江藤「それくらいびびってくれなきゃ…甲斐がねぇよ」ハァ
京太郎「…江藤」
江藤「…はは。モットーを捨てて…がむしゃらに勝ちにいっても…まだ届かないか」
江藤「……須賀」
京太郎「…ん?」
江藤「……麻雀って楽しいな」
京太郎「…おう。そうだな」
なるほど…フィルターに「引っかかったのか[]なかったし何事かと思ったw
まぁ、と言う訳でクライマックスパートはありません
一回最下位になったくらいじゃ二回勝ってる京太郎は揺るがないし
咲「…楽しいですか?」
江藤「ん?」
咲「負けたのに…どうして楽しいんですか?」
江藤「そりゃ全力を出し切ったしな」
咲「でも、負けは負けじゃないですか」
江藤「そうだな。負けは負けだ」
江藤「でも、麻雀って勝つだけの競技じゃないだろ」
咲「…え?」
江藤「俺も…昔はそう思ってた」
江藤「勝つだけの単純で退屈なゲームだって」
江藤「でも、このバカに何度も負けて…考えが変わったよ」
江藤「麻雀は…やっぱり遊びなんだよ」
江藤「どんな形でも…楽しんだ奴が勝ちなんだ」
江藤「俺は楽しんだ」
江藤「最後の最後まで逆転を追い求めて…楽しんだ」
江藤「悔しかったけれど…負けたけれど…」
江藤「…でも、それは俺の勝ちだ。俺だけの勝利だ」
咲「…理解出来ません」
江藤「してもらおうとも思ってねぇよ」
江藤「あまえんな。そういうのは自分で見つけるもんだ」
江藤「でも、もし、お前が…今の麻雀が楽しくなくて…」
江藤「そんな自分を変えたいと少しでも思っているなら…」
江藤「そこのバカが変わるまで相手してくれるよ」
京太郎「…おい、なんでそこで俺に振るんだよ」
江藤「俺には小鍛治先生という心に決めた相手がいるしな!」
江藤「何よりあんなちんちくりんは好みじゃない」
淡「うわ…さいってー…」
江藤「うるさい。俺は小鍛治先生がいればそれでいいんだ」
京太郎「うわぁ…」
淡「…あんまりおもすぎると女の子に引かれるよ?」
江藤「ぐっ…」
淡「…ま、アレだよね」
淡「私も楽しかったよ」
淡「負けたけど…悔しいけど」
淡「…でも、最後の最後までギリギリの勝負ができて…最高だった」
京太郎「大星選手…」
淡「だけど…!」ビシッ
淡「そんな金髪でもテルーには絶対負けちゃうんだからね!」
淡「テルーはほんとすっごいんだから!もうバーンでドギューンなんだから!!」グッ
京太郎「お、おう」
淡「だから…こてんぱんにのされてきなさいよ」
淡「それが終わったら…私が金髪にリベンジするんだからね!」
淡「覚えてなさい…絶対絶対…この借りは返すから…!」ダッ
京太郎「…あ」
すこやんは思いっきり愛の言葉耳元で囁いて蕩けさせたい
真っ赤になったすこやん抱きしめてそのまま眠りたい
【ホテル】
京太郎「(…それで俺のU22大会初日は終わった)」
京太郎「(大星選手が涙浮かべながら去って…)」
京太郎「(宮永選手もいつの間にかいなくなって…)」
京太郎「(江藤とも適当にだべりながら…別れた)」
京太郎「(思い返せば…朝から夕方まで三回戦った訳だけど…)」
京太郎「(初戦はともかく二回戦からは結構苦戦した)」
京太郎「(準決勝だって…逆転されてもおかしくなかっただろう)」
京太郎「(一歩間違えれば…即座に転落してもおかしくなかったギリギリの戦い)」
京太郎「(プロ入りの前にこういう戦いが出来たのは…間違いなく幸運だったな)」
京太郎「(特に…準決勝は俺の処理能力不足が目に見えて露呈した)」
京太郎「(能力入り交じる混沌とした状況だったとはいえ…)」
京太郎「(もう少し落ち着いて考えていれば…あの直撃は避けられた)」
京太郎「(なまじ江藤を知ってるがゆえに…騙されたとは言え…)」
京太郎「(アレはちょっと…無様と言われても仕方のない打牌だったな…)」
京太郎「(…明日の決勝戦であんな事をしたら…即座に刈り取られるだろう)」
京太郎「(なにせ、発表された決勝戦の組み合わせの中に宮永照プロや天江衣選手がいるんだから)」
京太郎「(宮永プロはプロ入り一年目から新人賞など様々な賞に輝く活躍っぷりで…)」
京太郎「(一年目から日本代表入りしている注目株だ)」
京太郎「(天江選手はプロ入りしていないとはいえ…最多得点叩きだした圧倒的な戦い方は健在だ)」
京太郎「(日本の名だたるプロを相手にしても殆ど和了らせる事はなかったらしい)」
京太郎「(最後の一人は神代選手)」
京太郎「(プロ入りもしてなくて…データも数年前の公式戦の分しかないけれど…)」
京太郎「(…何故か俺は一番、神代選手が怖い)」
京太郎「(まるで水と油のように…相容れないような…得体のしれないような…)」
京太郎「(そんな雰囲気を感じる)」
あ、多分すこやんの小ネタは今日、投下します(小声)
京太郎「(…ま、総評として…準決勝よりも辛い戦いになりかねない)」
京太郎「(それにワクワクする自分は…勿論、いる)」
京太郎「(ギリギリのせめぎあいって奴はやっぱり楽しいんだ)」
京太郎「(…だけど…どうしてベッドに横になっていると…)」
京太郎「(やっぱり不安…だな)」
京太郎「(明日は間違いなく…大舞台だ)」
京太郎「(ゴールデンタイムに生中継する為に開始も遅い)」
京太郎「(わざわざ放送枠にねじ込むくらいのそれは日本中の注目を浴びているからだろう)」
京太郎「(…そんな舞台で戦うとなると…やっぱりどうしても緊張する)」
京太郎「(相手が準決勝と同じかそれ以上の強者だと確定しているんだから…尚更だ)」
京太郎「(……やっぱりここは…誰かに連絡を取るべき…かな)」
京太郎「(一応、まだ日付も変わっていないし…)」
京太郎「(電話しても…それほど迷惑にはならないはずだ)」
京太郎「(……まぁ、こんな風に弱気な俺は呆れられるかもしれないけど…でも…)」
京太郎「(…今は無性に皆の声が聞きたい…)」
京太郎「(それがあれば…明日も頑張れる気がするから…だから…)」
>>+2
ヒロインの名前をお選び下さい
や玄N
プルルル
玄「…はい。もしもし」
京太郎「おう。悪いなこんな時間に」
玄「ううん。私は大丈夫だよ」
玄「と言うか…実は興奮して寝られなかったりして」エヘヘ
京太郎「え?」
玄「だって、明日はおにーちゃんの大舞台でしょ?」
京太郎「…そうだな」
玄「だから、明日が凄い楽しみで…ドキドキして」
京太郎「小学生かお前は」
玄「えへへ…でも、おねーちゃんも同じだよ?」
玄「眠れないって言って…今もおこたで鶴折ってる」
京太郎「鶴?」
玄「うん。おにーちゃんが勝てるようにって」
玄「東京にいけない私達には…これくらいしか出来る事ないから…ね」
京太郎「…玄」
ってか五回目の裁判って事は総合スレのあの人か!www
何時も楽しく拝見させて頂いております
今回の裁判は霞さんとあわあわでとても私得でございました
霞さんがぽろっと姫様も気に入ってるて漏らしてるってことは永水ハーレム不可避じゃないですかー
淡に幼馴染と初恋とか最早、咲さんに勝てる要素ないじゃないですかーやっtやだー
ダーリン呼びのあわあわあわいい諦めずに勧誘しちゃうチョロ霞さんチョロ可愛いかったですうへへへ
京太郎「…んな事ねぇよ」
玄「でも…」
京太郎「…だって、俺は今、玄に頼ってるんだからな」
玄「…え?」
京太郎「…正直に話すと…俺、今すげー不安でさ」
京太郎「準決勝以上の強敵が待ってると思うと…楽しみだけど…」
京太郎「やっぱそれと同じくらい緊張するんだよ」
玄「…おにーちゃん…」
京太郎「だから…それを紛らわせる為に玄に電話して…さ」
京太郎「…情けない…ホントみっともないけど…でも」
京太郎「俺が今、すげー助かってるのは事実なんだぜ」
玄「…ホント?」
京太郎「こんなみっともない嘘なんて吐かないっての」
京太郎「吐くんだったらもっと格好いい嘘吐くわ」
玄「…でも、本当に私でいいの?」
京太郎「ん?」
玄「私とおねーちゃん以外は皆東京に行ってるし…」
玄「他の人に相談した方が…あの…」
京太郎「ま、そうなんだけどさ」
京太郎「でも…こうして不安になった時にどうしても玄の顔が浮かんで」
玄「ふぇぇ!?」カァァ
京太郎「はは。もしかして照れてるのか?」
玄「そ、そりゃ…照れるよぉ…」モジモジ
玄「お、おにーちゃんにそんな風に言われるなんて…想像してなかったもん…」
京太郎「ま…俺もだな。まさかここで玄の顔が浮かぶとは思ってなかった」
京太郎「でも、なんだかんだで玄の前だと格好つけなきゃって思うから…なのかなぁ」
玄「…おにーちゃん…」
玄「…情けなくてもいいよ」
京太郎「え?」
玄「…だって、おにーちゃんは…京太郎君は私にとって何時だって素敵で最高なんだから!」
京太郎「…玄」
玄「だから…ちょっとくらい情けないところ見せてもいいんだよ?」
玄「そんな風に自分を追い込んだりしなくて…いいの」
玄「私だって…おねーちゃんの妹なんだから」
玄「弱い部分だって受け止めてあげられるし…」
玄「京太郎君を慰めてあげられるよ?」
京太郎「おう…」
玄「だから…今はおにーちゃんじゃなくて…京太郎君でいいの」
玄「等身大の京太郎君で…素の京太郎君でいいから」
玄「辛い気持ち…全部、私にぶつけて欲しいな」
京太郎「ありがとな」
京太郎「でも、大丈夫だよ」
玄「ホント?」
京太郎「あぁ、玄の声を聞いたら元気が出てきた」
京太郎「俺はもう迷ったりしないよ」
京太郎「ちゃんと…戦ってくる」
玄「…無理してない?」
京太郎「してないって。そもそもこれに慣れとかないと…さ」
京太郎「仮にもこれからプロでやっていくって奴がここでへたれるなんて情けなさすぎるし」
玄「じゃあ、私に出来る事ってもうないの…かな?」
京太郎「ん?」
玄「…私、もっと京太郎君に色々してあげたいよ…」
玄「こんな離れた場所だけど…でも、私達は京太郎君の事思ってるから…」
玄「だから…私達に出来る事ならなんだって言って?」
京太郎「…大丈夫だよ、もう元気は沢山もらったからさ」
京太郎「でも、もうちょっとだけ…通話繋げといてもいいか?」
玄「え?」
京太郎「もうちょっとだけ…玄の声が聞きたいからさ」
玄「うんっ勿論だよ…!」
玄「…え?おねーちゃんどうしたの…?」
玄「え…っ!?そ、そんな…ふぇぇぇ!?」
京太郎「ん?どうかしたのか?」
玄「あ、あの…あの…ね、京太郎君…」
京太郎「おう。なんかあったのか?」
玄「べ、別に何もないんだけど…えっと…その…」
玄「て、テレフォンセックスとか…興味…ある…?」
京太郎「…………ぇ?」
玄「お、おねーちゃんが不安な時はやっぱり気持ちよくなるのが一番だって…」
玄「で、でも、私達…そっちにどうしても行けないし…」
京太郎「ぉ、おう…」
玄「だ、だったらおねーちゃんが…テレフォンセックスなら出来るよって…」
京太郎「…どっからそんな知識仕入れたんだ…」
玄「でも…テレフォンセックスってどうするの…?え、エッチなのは分かるけど…やり方は知らなくて…」
京太郎「いや、一生知らなくてもいい事だろそれは」
一番最初は全体の予定だったんだけど最初の判定でミスしたからもうこのままでいいかなって(震え声)
後、帳尻合わせの効果も最下位からじゃなくトップからも和了が取れる効果があったのを説明し忘れていました(白目)
玄「ぅー…でも…」
京太郎「そんな事はいいから…さ。そっちはどうなんだ?」
玄「あ、従業員の皆もたまーにテレビつけて確認してるよ」
玄「準決勝で京太郎君が勝った時は控室から歓声が漏れてお客様びっくりしちゃったくらいなんだから」クスッ
京太郎「そっか。それなら…頑張った甲斐があったな」
玄「うん。決勝戦も…皆応援するって言ってた」
京太郎「ますます無様な戦いはできなくなったな…」
玄「あ、ごめん…プレッシャーになっちゃった?」
京太郎「大丈夫だよ。そんなものインターミドルから背負慣れてる」
玄「…あ、今、なんか格好良かったかも…」
京太郎「別に格好つけたつもりはないんだけどなぁ」
玄「でも、ドキってしちゃった…えへへ…♪」
京太郎「ん?」
玄「やっぱり…京太郎君は格好いいなって」
玄「何気ない一言でも…凄いドキドキしちゃうくらい」
玄「…だから、明日もきっとだいじょうぶだよ」
玄「京太郎君なら…きっと勝てる」
玄「私はそう…信じているから」
京太郎「…おう。ありがとうな」
あ、やばい…テルーたちのデータ飛んでる…対局開始はもうちょっとお待ちを…;
【System】
松実玄の愛情度がLv10になりました
松実玄関連のスキルが決勝戦で使用出来るようになりました
対象のスキルは思い出のぬいぐるみ【+3】と心の兄妹【+5】です
まぁ、レジェンドも三十路だしなぁ
確かにハーレム作ってる京太郎に言う資格はない(断言)
まぁ一人に重い感情向けてる江藤と重い感情を向けられてそれに応えようとする京太郎じゃやっぱり合わないんだろう(多分)
28ってもう三十路って良いんじゃね!?(錯乱)
データ復元出来たのでそろそろ始めます
後、一応先に言っときますが、俺は謝りません(小声)
【U-22決勝戦】
京太郎「(昨日は玄と会話してたお陰で…気持ちは大分楽になった)」
京太郎「(ま…その所為でダラダラ話して…深夜まで延長しちゃったんだけどさ)」
京太郎「(これで情けないところは…見せられないよな)」
京太郎「(今日も仕事だってのに…あんな時間まで付き合ってくれたんだ)」
京太郎「(今までよりも…遥かに大きな…決勝の大舞台…)」スゥ
京太郎「(まだ緊張が抜けきった訳じゃない)」
京太郎「(不安も…勿論ある)」
京太郎「(でも…それは足を鈍らせる理由にはならない)」
京太郎「(…俺は多くの人の気持ちを背負って…ここにいるんだから)」
京太郎「(これまで倒してきた皆の為にも…応援してくれている皆の為にも…)」
京太郎「(…胸を張る。ゆっくりと歩く)」
京太郎「(自信満々に…プロらしく)」
京太郎「(…彼女たちに負けないくらい…立派に)」
照「…」ゴゴ
衣「…」ズズ
小蒔「……」ウトウト
京太郎「……」
京太郎なんで「…神代選手寝てるんですか?」
照「…何時もの事」
衣「うむ。それはころもも気にしているのだが…」
衣「もしや寝不足だったのだろうか…?」
照「寝不足?」
衣「衣も遠足の前の日は緊張して眠れない時もあるぞ」ウムッ
照「…お菓子があれば問題ない」
衣「なんと…!?」
小蒔「ハッ…すみません寝てました…!?」
小蒔「…ってあれ?まだ始まってないですか?」
京太郎「(…なんか緊張感ないなぁ)」
京太郎「えぇ。まだもう少し時間が有りますよ」
小蒔「良かった…って…あれ?」
京太郎「ん?」
小蒔「…あの…須賀さん…ですよね」
京太郎「えぇ」
小蒔「もしかして…会った事ないですか?」
京太郎「…え?」
京太郎「いや…ないと思いますけれど…」
小蒔「そう…ですか。そうですよね」
小蒔「…映像を見た時は…何も感じませんでしたし…」
小蒔「(……ただ…なんでしょう…?)」
小蒔「(須賀さんから感じる…嫌な感じ…)」
小蒔「(…私は…いえ…私に力を貸してくれている方々は…)」
小蒔「(…これを…知っている…?)」
小蒔「(そして…危険だと…訴えている…)」
小蒔「(…一体…この人に何が…)」ブー
照「…時間」スッ
衣「そのようだ。では…始めようか」
小蒔「あっ…はい。全力以上で…お相手します!」
京太郎「こっちもですよ。よろしくお願いします」
>>+1 京太郎(雀力16+能力136+諸々18-能力(衣)75)+95
>>+2 照(雀力16+能力80-能力(衣)75)+21
>>+3 衣(雀力15)15
>>+4 小蒔(雀力6+???)
>>京太郎 100
>>照72 → アガリ放棄
>>衣 102
>>小蒔40 → 九面神降ろしの儀発動(+60)-ころたんの能力(75) → 25
小蒔「…」スッ
京太郎「…っ!」ゾッ
京太郎「(…神代さんの雰囲気が変わった…!?)」
京太郎「(さっきまでのほんわかした人じゃなくって…今は鋭い…)」
京太郎「(剣みたいな…張り詰めた空気になってる…)」
京太郎「(しかも…その視線は俺に向けられていて…)
小蒔「…」ジィ
京太郎「(これは…敵意…?)」
京太郎「(でも…どうして…だ?)」
京太郎「(そんな風に恨まれるような記憶はない)」
京太郎「(と言うか…ついさっき会ったばかりだ)」
京太郎「(それなのに…こんな…肌にしみるようなはっきりとした敵意…)」
京太郎「(これは一体…)」
衣「(…うん。善き哉善き哉)」
衣「(予想通り…こまきの意識は須賀京太郎へと向けられているようだ)」
衣「(…その割には降りてきたのが弱い神だが…)」
衣「(今は様子見のつもりか…或いは下手に刺激するとまずいとおもったのか)」
衣「(どちらにせよ…こまきと須賀京太郎が意識を向け合っている今が好機…)」グツ
衣「(てるも最初の一局は和了る事はないこの状態で…)」スッ
小蒔「…はい」スッ
衣「ロン。3300」
衣「(…ゆっくりと毒を撒く)」
衣「(海底は…それからだ)」ゴゴッ
天江衣のオカルト【月光を掴む者】
牌すら狂わせ、人を狂乱へと陥れる魔物の証。
自身の雀力の1/2を相手へのマイナス補正へと変える。
この効果で与えられるマイナス補正はあらゆる効果で軽減、無効には出来ない。
また相手から和了る度に全体に与えるマイナス補正が雀力の1/5ずつ増加する。
相手のマイナス補正が自身の雀力を上回った時、特殊勝利する。
またこの効果の発動後、マイナス補正は一番最初の値に戻る。
ん?あ、いや…ちょっと待って…(震え声)
終焉世界の特殊勝利決まってるやん…
ごめんなさい、ちょっと上記はなしでーーー;;;
衣「(…うん。善き哉善き哉)」
衣「(予想通り…こまきの意識は須賀京太郎へと向けられているようだ)」
衣「(…その割には降りてきたのが弱い神だが…)」
衣「(今は様子見のつもりか…或いは下手に刺激するとまずいとおもったのか)」
衣「(どちらにせよ…こまきと須賀京太郎が意識を向け合っている今が好機…)」グツ
衣「(てるも最初の一局は和了る事はないこの状態で…)」スッ
衣「(最初の一撃…ころもが貰う…!)」
衣「(…のつもりだったのだが…)」
衣「(何故だ…?さっきからツモが悪い…)」
衣「(何時もなら…もうとっくの昔にテンパイしてもおかしくないのに…)」
衣「(今は…それが全て阻まれている)」
衣「(まるで…自分の前に何か巨大なものが立ちふさがっているような…そんな居心地の悪さ…)」
衣「(…これは一体…)」
衣「(…おかしい)」
衣「(この四人が居て…もう流局間近…?)」
衣「(確かに…それぞれが深く絡み合っている分…ありえない話ではない)」
衣「(だが…静か過ぎる…!)」
衣「(静観するであろうてるはともかく…鳴きを多用する須賀京太郎すら…鳴かない)」
衣「(ただ無言で…手を入れ替え続けている…)」
衣「(…こまきもまだテンパイ出来ていないのか…手を入れ替えて…)」
衣「(…これは一体…どういう事だ…?)」
衣「(私も含めて…ムダヅモばっかりだったとでも言うのか…?)」スッ
衣「(…ダメだ。これも…友好牌ではない…)」スッ
衣「(…次の須賀京太郎でラスト…流局か…)」
衣「(…なにやら拍子抜けだな)」
衣「(この四人が集まったのだ)」
衣「(あの宮永咲のような驚天動地な打ち筋を見せてくれるものだと思ったが…)」
京太郎「……」スッ
京太郎「……よし。海底摸月」
衣「……え…?」
衣「……海底摸月?」
京太郎「あぁ。それだけ…だけどな」
京太郎「400・700…ま、ノミ手も良いトコロだけど…」
衣「(…ノミ手?たしかにそうだ…)」
衣「(だが…衣だけじゃなく…てるやこまきもいる状態で…)」
衣「(…海底まで回って…それだけ?)」
衣「……ふふ」
京太郎「ん?」
衣「……面白い…随分…面白い打ち方だ」ゴゴッ
衣「この衣の前で海底摸月で和了るとはな」
衣「…須賀京太郎」
京太郎「お、おう」
衣「覚悟しておけ。次の底は…もっと暗いぞ」ズズズ
京太郎「…っ!?」
天江衣のオカルト【月光を掴む者】
牌すら狂わせ、人を狂乱へと陥れる魔物の証。
自身の雀力の1/2を相手へのマイナス補正へと変える。
この効果で与えられるマイナス補正はあらゆる効果で軽減、無効には出来ない。
また相手から和了る度に全体に与えるマイナス補正が雀力の1/5ずつ増加する。
相手のマイナス補正が自身の雀力を上回った時、特殊勝利する。
またこの効果の発動後、マイナス補正は一番最初の値に戻る。
天江衣のオカルト2【暗き水底の支配者】
相手が和了った時に発動可能
和了者に自身が与えるマイナス補正を次の判定時のみ雀力の1/5分増やす
この効果で増えた分のマイナス補正は【月光を掴む者】の特殊勝利の判定にも加える事が出来る
照「(…良かった。天江選手が和了らなかった…)」ホッ
照「(出来れば…流局が一番だったけれど…)」
照「(…最初の一撃は…痛くない)」
照「(立ち上がりとしては…悪くない形のはず…)」
照「(でも…今日は満月で…しかも、夜…)」
照「(天江選手が絶好調な時間…)」
照「(普段から相性が良いとは言えないけれど…)」
照「(…須賀選手が安手で和了ってくれたお陰で…勝機も大分見えてきた)」
照「(それにこの局は様子見に回ったお陰で…神代選手の能力が分かったし…)」
小蒔の九面神降ろしの儀
自身の補正前コンマの値による補正が変化する
0~10 +20
10~20 +40 コレ以降-補正無効
21~30 +50 コレ以降特殊効果無効
31~40 +60 コレ以降末尾1にて特殊勝利
41~50 +80 コレ以降末尾2にて特殊勝利
51~60 +100 これ以降末尾3にて特殊勝利
61~70 +120 コレ以降末尾4にて特殊勝利
71~80 +140 コレ以降末尾5にて特殊勝利
81~99 +150 コレ以降末尾6にて特殊勝利
ゾロ目:+200 0以外で特殊勝利
照「(…やっぱり最後のインターハイの時より強くなってる…)」
照「(特に…上のほうを引かれると…私でも手が出せなくなる…)」
照「(こればっかりは祈るしか無いけれど…)」
照「(【後半にまだ隠し球を持っているみたい】…)」
照「(…序盤の内に…リードを作っておかないと大変な事になりそう)」
照「(……ただ…)」チラッ
京太郎「…」
照「(……須賀選手に見えた影…)」
照「(無数の蛇を従えた…山をも超える大蛇…)」
照「(太陽すらも飲み込んでしまいそうな…あの巨大で醜悪な…肉の塊は…)」ゾッ
照「(…ありえない。そんな事…あるはずがない)」
照「(…アレはもう滅びたんだから)」
照「(今更…蘇るはずがない)」
照「(だけど…こうしているだけで漂ってくる…独特の気味悪さ…)」
照「(…瘴気と言っても良い…居心地の悪さは…どうしても否定出来ない)」
照「(…今は押さえ込めている…押さえ込もうとしている…)」
照「(でも…それが長く続く訳がない…)」
照「(アレは…どんどん成長してる…)」
照「(多くの人の思いを食べて…まだ…膨れ上がっている…)」
照「(今はともかく…いずれは…押さえ込めなくなってもおかしくはない…)」ゾッ
照「(…今でも…その力を借り受けていない状態でも…)」
照「(私達と互角に戦えている彼が…さらに強くなったら…)」
照「(…止められない…誰が…どうあっても)」
照「(…手がつけられる内に…どうにかしておかないと…大変な事になる)」フゥ
照「(きっと…無表情に人を壊して…屍を積み上げるような…化け物になってしまう…)」グッ
照「(…なら、今の間に…どうにかしておかないと…)」
照「(私に何か出来るとは思わない…)」
照「(私はただ見えるだけで…そういうのは専門外なんだから)」
照「(…でも、だからと言って…このまま見過ごす事なんて…出来るはずがない)」
照「(…少なくとも…負けられない理由が出来た)」
照「(…賞金以上の…ファンの為っていう理由以上の…ものが出来た)」
照「(…だからこそ、ここからは…本気で行く…)」ゴッ
照「(…もうコレ以上、誰も和了らせない…私が最後まで…決める…!)」
【輝魔鏡】
最初の判定を放棄する事により、それ以降の相手全ての+補正を半減させる
この効果はあらゆる能力で無効にはならない
【連続和了】
前局の判定で勝利した場合、次の局が特殊勝利になる
ただし、前局の補正後コンマを補正後コンマで超えられなければ失敗となる(この場合、通常勝利になる)
【日輪を描くもの】
あらゆるものを遍く照らし、その遥か上を行く魔物の証
自身の雀力の半分を+補正に加え、勝利する度に補正値を同じだけ増やしていく
またマイナス補正を受けず、特殊効果を受ける事もない
京太郎「(…やっべぇ…)」
京太郎「(今の和了で…完全に目をつけられた…)」
京太郎「(他家から伝わってくる空気が…明らかに変わってる…)」
京太郎「(…どうしてかは分からないけど…俺はやっぱり目の敵にされているらしい)」フゥ
京太郎「(…まったく前世の俺が…何かやらかしたのかな…)」
京太郎「(例えば…女の子を弄んだとか……)」
京太郎「(…なんか今の状態を思い返すと…ないとは言い切れないな)」
京太郎「(…ま、ともあれ…だ)」
京太郎「(そんなもの…百も承知でここに来てるんだ)」
京太郎「(あのノミ手和了った時点で…狙われるのなんて分かりきってるよ)」
京太郎「(それでも和了ったのは…逃げ切る自身があるからだ)」
京太郎「(さぁ…気合入れろよ、須賀京太郎)」
京太郎「(こっからが…本番だぞ…!)」
>>+1 京太郎(雀力8+能力68+諸々9-能力(衣)105)-20
>>+2 照(雀力16+能力80-能力(衣)75)+21
>>+3 衣(雀力7)7
>>+4 小蒔(雀力3-能力(衣)75)-72
まぁ、ぶっちゃけ今までが高すぎたんだよなぁ…その反動が何時か来ると思ってたしこれくらい大丈夫ー
それにまぁ…実はこれラストバトルじゃないしな
あ、ごめん。コレ以上やばくはない
こっちがある意味、隠しボス的なアレだし
京太郎 0
照 57
衣 23
小蒔 81
→ 末尾1の為、小蒔の特殊勝利が確定
京太郎「(…よし)」
京太郎「(能力は…効いてる…!)」
京太郎「(真っ向からの打ち合いはきついけど…)」
京太郎「(だけど…後ろにずれ込めばチャンスはある…)」
京太郎「(局が進めば進むほど…手牌が分かる以上…)」
京太郎「(山を殆ど支配している俺が有利だ)」
京太郎「(…まぁ…他家を抑えるのに殆どの意識を集中しなきゃいけない所為で)」
京太郎「(自分の手の進みは…あんまり早くないけどな)」
京太郎「(だが…)」スッ
京太郎「(テンパイだ…)」
京太郎「(誰も鳴かない限り…次のツモで…俺の和了が確定…)」
小蒔「ポン」
京太郎「…っ!?」
京太郎「(…ここで鳴き…!?嘘だろ…!!)」
コンマで勝て(迫真)
まぁ、それほど実力差が離れてる訳じゃないしコンマさえ良ければ勝てるよ
後、特殊勝利同士がかちあった場合、コンマの高いほうが優先されます
今回の京太郎のコンマは0なので小蒔の特殊勝利が優先される感じ
小蒔「…」スッ
京太郎「(…予定が狂った…)」ドッドッ
京太郎「(いや…冷静になれ…)」フゥ
京太郎「(局は進んでる…手を変える時間はない…)」スゥ
京太郎「(…ならノーテンになっても良いから和了だけは回避する方向に持って行こう)」
京太郎「(俺なら…そっちの方向に持っていく事だって出来るはず…)」
京太郎「(今、山を支配してるのは間違いなく俺なんだ…だから…)」スッ
小蒔「……ロン」
京太郎「え?」
小蒔「5200…」
京太郎「あ、あぁ…」スッ
京太郎「(…破られてた…?俺の支配が…)」
京太郎「(さっきと同じなら…押さえ込めていたはずなのに…)」
京太郎「(…もしかして…後になっていくほど強力になっていくタイプの雀士…なのか?)」
京太郎「(…もしそうだとしたら…)」
京太郎「(……次はもっと恐ろしいのが…来る…?)」ゾッ
>>+1 京太郎(雀力8+能力68+諸々9-能力(衣)75)+10
>>+2 照(雀力16+能力80-能力(衣)75)+21
>>+3 衣(雀力7)7
>>+4 小蒔(雀力3-能力(衣)105)-102
やだなにこの超接戦…
>>京太郎 97
>>照96
>>衣89
>>小蒔152 → ころたんイェイ(-102) → 50
照「…」スッ
衣「……」スッ
京太郎「(やば…いな)」
京太郎「(能力の効きが少しずつ悪くなっている…)」
京太郎「(全員、この状況下での打ち方に慣れ始めているんだ…)」
京太郎「(…まさか半荘で見切られる…なんてな)」
京太郎「(元々完璧だとは思ってなかったけど…)」
京太郎「(…こんなに早く効果がなくなるなんて…)」フゥ
京太郎「(…なら平で打つ…しかないけれど…)」
京太郎「(それじゃ…宮永プロに勝てる自身はない)」
京太郎「(能力で最大限妨害しようとして…)」
京太郎「(それでようやく…届くような人なんだから)」
京太郎「(今の俺で速度で競ろうとしても…負けるだけだ)」
京太郎「(…ここは降りる。それが一番だ…)」スッ
―― やっぱり…京太郎くんは格好良いなって
――京太郎君ならきっと勝てる
―― …だって、おにーちゃんは…京太郎君は私にとって何時だって素敵で最高なんだから!
京太郎「…………」ピタッ
京太郎「(そうだよな…)」
京太郎「(…ここで日和っちゃ格好良いお兄ちゃんにはなれないよな)」
京太郎「(…やるまえから…逃げて…どうするんだよ…)」
京太郎「(まだ数巡が終わったばっかりだろ…)」
京太郎「(…もしかしたらツモが回るかもしれない)」
京太郎「(逆に宮永プロのツモが最悪かもしれない)」
京太郎「(…それなのにこんな序盤から諦めて…たまるか)」スッ
京太郎「(…さっきの直撃で…神代選手に逆転されてるんだ)」
京太郎「(…ここは日和らずに攻めていく…!攻めて攻めて…ギリギリまで狙ってく…!!)」
照「(…須賀選手の目が変わった)」
照「(さっきの逆転で…逃げの姿勢が見えていたけれど…)」
照「(…今はガンガン攻めてきている…)」
照「(だけど…こっちも負ける訳にはいかない…)」
照「(…次辺りから神代選手が…怖くなってくる…)」
照「(貯金は幾らあっても足りないくらいだし…)」
照「(…何より…須賀選手に調子づかせる訳にはいかない…)」
照「(出来れば…最下位まで落ちていってもらう…その為にも…!)」ゴウッ
京太郎「(…っ!…来たか)」
京太郎「(宮永プロの本気…!!)」
京太郎「(だけど…こっちだって負けてられないんだよ…!)」
京太郎「(こんな無様な俺を…応援してくれている人がいる)」
京太郎「(格好良いって言ってくれた奴がいる…!)」
京太郎「(そいつの為にも…ここは…絶対に…譲れない……!!)」ズズズ
小蒔「……」パチン
小蒔「…あ、あれ…?えぇっと…」
小蒔「ど、どうしましょう…う、うぅん…」
小蒔「と、とりあえず…こ、これです…!」スッ
京太郎「…え?」
小蒔「あれ?」
京太郎「…いいのか?」
小蒔「え?ダメですか?」キョトン
京太郎「あ、いや…ロン。6400」
小蒔「ふぇ…えぇぇぇ!?」ズガーン
京太郎「(…なんか棚ぼたみたいだったけど…でも、逆転は出来た…)」
京太郎「(…一位…だけど、油断は出来ない)」
京太郎「(二位の神代選手との点差は数千程度…)」
京太郎「(最下位の天江選手と比べても一万もない)」
京太郎「(満貫の直撃一回で簡単にひっくり返るような…そんなギリギリのラインだ)」
京太郎「(…やっぱりここは貪欲に勝ちを狙っていかないと…ダメだな)」
京太郎「(全員が高い火力を持っている以上…流すだけじゃダメだ)」
京太郎「(自分から和了って…トドメを指すつもりじゃなきゃ…どうにもならない)」
京太郎「(ここからは相手も死に物狂いで点棒をとりに来るだろうし…)」
京太郎「(…油断は…油断は…)」
京太郎「……」
小蒔「…すぅ」コックリ…コックリ
京太郎「…すみません。また神代選手寝てるんですけど」
衣「…二度寝か」
照「…ついに来る」
京太郎「…えっ?」
衣「…須賀京太郎、覚悟しておいた方がいいぞ」
照「…ここからは本気の神代選手が来る…」
京太郎「…本気?」
照「二度寝した時の神代選手は強力…」
衣「ほぼたった一人で姫松を叩き落としシードを獲得した猛者だからな!」
京太郎「…」ゴクッ
衣「無論、衣もまだ諦めたつもりはない」
衣「逆転は虎視眈々と狙い続けている」
照「…私も同じ」
照「勝負は…まだこれから…」
照「…諦めた訳じゃない…全力で…勝ちに行く…」
京太郎「…はは」
照「…え?」
京太郎「…嬉しいな、天下の宮永プロや天江選手みたいな凄い人が…」
京太郎「俺みたいな奴にそこまで本気になってくれるなんて…」
京太郎「…なら俺も全力で…いや…」
京太郎「あえて神代選手の言葉を借りて…全力以上で…お相手させてもらいます」
京太郎「…そして、その上で…このまま逃げ切って優勝を貰う…!!」ゴッ
小蒔「すやぁ…」
二度寝しまーすおやすみなさーい…
自身の補正前コンマに+20する
>>+1 京太郎(雀力8+能力68+諸々9-能力(衣)105)-20
>>+2 照(雀力16+能力80-能力(衣)75)+21
>>+3 衣(雀力7)7
>>+4 小蒔(雀力3-能力(衣)75)-102
ん?これって特殊勝利?
>>359
せやで(ニコッ
>>京太郎 53
>>照 77
>>衣 48
>>小蒔 189 → ころたんイェイ(-75) → 114
京太郎「(準決勝の時とも…また違う…)」
京太郎「(まさにギリギリで…肌にひりつくような限界の戦い…)」
京太郎「(…一歩間違えれば一位から転落してもおかしくはない)」
京太郎「(…なのに俺は今、それを楽しんでいる)」
京太郎「(始まる前は緊張してたのに)」
京太郎「(あんなに…不安だったのに)」
京太郎「(今の俺は…すげーワクワクしてる)」
京太郎「(…ホントどれだけ現金で…麻雀バカなんだろうな俺は)」
京太郎「(でも…はは、そうだな…でも…)」
京太郎「(嫌じゃない…嫌な訳じゃない)」
京太郎「(…もっともっとこの戦いを楽しみたいとさえ思ってる)」
京太郎「(オーラスの…本当に最期の最後で…こんな事を思うなんてな)」
京太郎「(だけど…これで…終わりだ…!)」スッ
京太郎「(タンピン系の多面待ち…)」
京太郎「(待ってるのは現状1.2個河に流れてる…)」
京太郎「(こんな状態でも抱えてても意味は無いから…)」
京太郎「(局が進めば…必ずだぼついてくるはずだ)」
京太郎「(…後は注意深く他を観察しながら…和了を警戒すれば…)」
京太郎「(…勝てる…!この戦いで…優勝できる…!!)」
京太郎「(あいつらに…大手を振って…帰ってやれる…!)」
京太郎「(…玄にも…勝てたのはお前のお陰だって…そう言ってやれる…)」
京太郎「(もう少しだ…もう少しで……)」
―― 小蒔の末尾が4の為、特殊勝利します
小蒔「…ロン」
京太郎「……え?」
衣「…あ」
小蒔「7700…」
衣「……はぃ」スッ
京太郎「…………」
照「…………」
衣「…………」
京太郎「……」チラッ
1位神代小蒔
2位須賀京太郎
3位宮永照
4位天江衣
京太郎「……負け…か」
特殊勝利は確かに0.5換算するから普通ならその通り
でも、特殊勝利はトップ以外から和了る場合は0.5でトップで特殊勝利の場合はちゃんと1で計算されるんや
そうじゃないとトップで特殊勝利したばっかりに大損って事にもなるし
だから今回の姫様の勝ち星は2で京太郎のが1.5になる計算
小蒔「…むにゃ…はぇ?」パチクリ
京太郎「優勝おめでとうございます神代選手」
小蒔「…え?優勝ですか?」キョトン
京太郎「はい。最後は見事に捲くられて…本当に凄かったです」
衣「…うむ。特に最後の一撃は…どんな名監督でも文句はつけられなかっただろう」
照「…おめでとう、神代選手」
小蒔「…ふぇ?え…あ、ありがとうございます…」ジワッ
小蒔「あ、私…優勝…本当に…優勝…」ポロ
バンッ
巴「姫様ー!」
霞「おめでとう…おめでとうございます…!」
初美「今夜はお祝いですよー!」
春「…姫様、凄かった」
京太郎「……」
照「…須賀選手」
京太郎「え?」
照「…ちょっと時間ある?」
京太郎「えぇ…大丈夫です」
照「…惜しかったね」
京太郎「いや…実力の差ですよ」
京太郎「最後の土壇場で捲くられるなんて…雀士として未熟な証拠です」
京太郎「次は何時になるかは分かりませんけど必ずリベンジしてみせますよ」
照「……そう」
照「……でも、それだけ?」
京太郎「え?」
照「…本気を出せば勝てたのにって…そうは思わなかった?」
京太郎「っ…!」
照「…やっぱり」
京太郎「あ、いや…その…」
京太郎「何を言ってるんですか。俺は…本気でしたよ」
京太郎「間違いなく本気で打って…そして負けました」
つまり2パイに愛された姫様が最強だったのも当然の事なんですね(錯乱)
照「…でも、全部出し切った?」
京太郎「……」
照「…君の手札が多いのは知ってる…」
照「その中の全部を出し切って…負けたって言える?」
京太郎「…宮永プロは何を言ってるんですか?」
照「…まだ君には隠しているものがある」
照「それも…人ならざる力を」
照「…それを使うつもりはなかった?本当に…自分を律しきれていた?」
京太郎「…何が言いたいんです?」
照「…私には見えた」
照「君の背にうずまく…悪意の群れを」
照「君に寄生してその身を蝕む大蛇を」
京太郎「…大蛇?」
照「それは何時か…須賀選手を蝕む」
照「それは…あっちゃいけない力」
照「いずれ…君はそれを押さえ込めなくなる」
唯一のおもち持ちの魔物だよな、姫様
降りる神様が貧乳なんだろうか?姫様はあくまでも依り代で魔物ではない、的な
京太郎「…つまり…どういう事ですか?」
照「…君は麻雀を止めるべき」
京太郎「…っ!ふざけんな!」
照「ふざけてなんていない。…それが君の為でもある」
照「君自身でも…分かっているはず。それがどれだけ恐ろしいものか」
照「今は確かに大人しくしているかもしれない…だけど、それは必ず…何時か大事な人を傷つける…」
照「……私の妹みたいに」
京太郎「…え?」
照「…なんでもない」
照「だけど…強すぎる力には何時か必ず悲劇が付き纏う」
照「今は良い…でも…何時か必ずそれは叛逆する」
照「だから…」
京太郎「……でも…」
京太郎「でも…俺にはこれしかないんだ…」ギュッ
>>372
日本神話の神様だしひんぬーなのはあり得るかもなぁ…
ってか一部は男だし
今更だけど九面降ろしの儀の補正って照の特殊で半減されてなくね?
>>377
あ゛……………しかも、半減したら一回3位からの特殊勝利になって0.5判定に…
…ど、どうしよう…(震え声)
うん。俺のミスだし描き直そう。
折角の高校ラストがミスで敗北とか悲しすぎるし
って訳で決着はなしだオラァ!!クライマックスパート入るぞッシャァ!!
あ、でも、流石にちょっと休憩させて下さい(震え声)
2局目も4局目も+補正半減されたら姫様トップじゃないような…
2局目
53+3+(100/2)-75=31
4局目
49+3+(20/2)+(100/2)-75=37
>>386
あ゛…そうか、あらゆる+補正だから補正前コンマにもかかるのか
計算式もそれであってると思います…
って事は最後も終焉世界の特殊勝利発動して逃げ切り勝ちだね
クライマックスパートなんてなかったんや(震え声)
こうしてやってるとデータ管理する系のスレは俺じゃ無理なのかもなぁ…
何時か清澄内政系スレ(首相兼主人公は久で、京太郎は外交大使みたいな扱い)とかやろうと思ってたんだけど…
こうやってミス出まくりだとやらないほうが無難そうですね…(吐血)
あ、ちょっと飯食べてくる事になったんで再開はちょっと遅れます
何時もより遅くないですが飯時には帰ってこれなさそうです
京太郎の素の雀力が169.5だから相手3人の出したコンマが84以下なら特殊勝利であってる?
他のオカルトで潰されない限り相当強いんだよな
うぐぅ…ageてしまって申し訳ない…
再開は最終局の結果からの開始になります
>>396
それであってるー
うん、ぶっちゃけそれだけで魔物クラス戦えるくらい強いはずなんだけどな!
何故か二回戦では不発しまくってクライマックスパートまで流れこむというわけの分かんない事にですね
>>1は書き溜めの非安価系の方が合ってるとは思う
呼び出されたのか寄生してんのか分からんけど、いらない発言されても健気にモグモグ食べながら出番待ちしてると考えると
ギリギリで追いついた
とりあえず>>1は俺のオナ禁止生活2ヶ月を返してください(褒め言葉)
ステルスモモなら俺の横で寝てるぞ(ただいま戻りましたの意)
>>398
うーん…確かに書き溜めした方が楽ではあるんだよねー
ただ、わいわいやりながらやってくのが好きなんで安価系の方が楽しいっちゃ楽しい
色々失敗とか問題とかあったけどこのスレやってて面白かったし
次回作ホントどうしようかなー…
>>404
あれ?なんかそう言われると献身的ヒロインに思えてきたぞ…(錯乱)
>>421
ようこそこんな場末のスレへ、今日明日で完結予定だけどよければ付き合ってくださいな
でも、オナ禁なんてする方が悪いんだよ!!オナ禁するのは良いけど一週間くらいにしとけ!!(暴論)
あ、先にすこやんの小ネタ投下していきます
―― 小鍛治健夜の朝は遅い。
低血圧な彼女にとって布団と言うのはまさに楽園だ。
自分の身体から放たれる熱をしっかりと閉じ込めるその場所はとても暖かで心地良いのだから。
放っておけば何時迄も夢見心地から帰ってこず、微睡みを続ける。
けれど、彼女はそれでも自分で目覚ましをセットした事と言うのが殆どなかった。
「義姉さん。入るよ」
そんな彼女の部屋に入ってきたのは一人の少年だった。
子どもから大人への過渡期にあるその姿は15.16程度に見える。
それは彼の顔立ちが幾分、幼くも見える事が関係しているのだろう。
時に女性にも見えるほどに整っているその顔は、182cmと言う長身がなければ中学生に見えてもおかしくはない。
「…ってまた寝てるのか」
その肩を呆れるように上下させながら、彼はそっと呆れるような仕草を見せた。
勿論、彼とて、健夜の義姉になって既に十年が経過しているベテランである。
色々な意味でだらしない彼女の性質は理解しているし、体感もしていた。
それでもそうやって彼がつ呟いてしまうのは既にそれが日課になっているからだろう。
義姉と生活するようになってそれなりに時間が経っているが、彼女が自分で起きたところを彼は殆ど見た事がなかった。
「(でも…起こさない訳にはいかないよなぁ…)」
チラリと彼が時計 ―― アラサーの女性には似つかわしくないファンシーなキャラ物である ―― に目を向ければ、そこには7:00と刻まれていた。
普通の社会人であれば、そろそろ起きだして朝の準備をしている頃だろう。
だが、目の前の義姉にはその気配はまるでなく、心地よさそうに規則的な寝息を立てていた。
すぴーと幸せそうな顔で眠る健夜を起こすのは少し気が引けるが、けれど、今日の彼女は仕事があるのである。
「…義姉さん」
そう心に言い聞かせて、彼はそっと義姉の身体を揺すった。
ユサユサと脳を揺さぶるその刺激に「ぅぅん…」とアラサーの身体が身動ぎを返す。
けれど、彼女から帰ってくる反応はそれだけで、ソレ以上のものは何もない。
分かっていたとは言え、起きる気配のない義姉に彼は肩を落としながら、ゆっくりとその布団をめくった。
「ひゃ…あぁ…」
瞬間、彼女を包む朝の冷気に小柄な身体が縮こまる。
フルフルと小動物めいたその仕草は庇護欲を擽るが、さりとて、義弟は手を緩めたりはしない。
親同士が再婚してから十年間、義姉を起こすのは彼の役割だったのだから。
この程度で健夜が起きるはずがないと分かっているのもあって、すぐさま次の手を打った。
「ほら、義姉さん。朝だよ」
「ぅー…やらぁ…寒いぃ…」
そう言って彼の手は健夜の身体を強引に起こす。
グイっとベッドから引き起こそうとするそれに健夜の口から抵抗の言葉が漏れた。
それは彼女の脳が半ば覚醒を始めている証なのだろう。
それを理解している義弟はさらに手に力を入れて、ゆっくりと彼女を抱き上げた。
「ん…♪」
瞬間、身体を包む暖かさに健夜はかすかに声をあげた。
心地よさそうにも満足そうにも聞こえるそれは朝の冷気とはまるで違う体温に包まれているからだろう。
彼女にとって義弟の暖かさというのは布団のそれに並ぶくらいの心地良さを与えてくれるものなのだ。
こうして抱きあげられる安堵感と安心感を感じてしまうくらいに。
「起きた?」
「…起きたぁ…♪」
その安心感をより確かなものにしようと彼女の瞼がそっと開く。
瞬間、健夜の目に映ったのは愛しい義弟の顔だった。
朝の日差しに負けないくらいキラキラと輝くその髪は男性らしく短く切りそろえられている。
鼻筋はしっかり通って、目元も温和で優しいものだ。
彼女を見下ろすその瞳もまたクリクリとした愛らしいものである。
そんな瞳と唇に自分を慈しむようなものが浮かんでいるのだから、免疫のないアラサー女が耐えられるはずがない。
その両腕をスルリと義弟に絡みつかせながら、彼女はほぅと安堵の息を漏らした。
「じゃ、降ろすよ」
「…嫌」
どうやら本格的に起きたらしい義姉を、彼はそのまま床の上へと降ろそうとする。
しかし、それにすぐさま拒絶を示す健夜は絡みつく腕にギュッと力を込めた。
まるで意地でも義弟を離すまいとするそれに彼は小さく肩を落とす。
しかし、そこには呆れるような感情はなく、ただただ諦観だけが浮かんでいた。
「…義姉さん、そろそろ卒業しないと」
「卒業なんか…しないもん」
勿論、それはこうしたやりとりが毎朝のものだからだ。
彼がこうして義姉を起こすやり方を確立してからずっと続いているのである。
しかし、義姉も味を染めたのか、コレ以外のやり方で起きようとはしない。
例え起きても延々と眠ったふりを続けて彼の手を煩わせるのだ。
「…それとも京太郎は嫌?」
「嫌じゃない…けど…」
そんな彼女を降ろすにはある儀式が必要である。
しかし、それは普通の姉弟でやるような行為ではないと彼 ―― 須賀京太郎も分かっていた。
その意味も知らなかった小さい頃ならばともかく、今の彼はもう青春まっただ中の高校1年生なのだから。
性教育も済ませ、人並みに異性に興味のある彼にとって、それは中々に踏み越えづらい一線だ。
「…ん♥」
「ぅ…」
けれど、そんな京太郎の逡巡も気にせず、健夜はそっと瞼を降ろす。
それは眠る為のものではなく、ただ瞳を閉じる為の仕草だ。
そのまま微かに唇を突き出す彼女の頬は緩やかな紅潮を見せ始めた。
熟れた桃を彷彿とさせるその優しい色に、彼の口から小さな呻き声が漏れる。
―― 一秒…二秒…三秒…四秒…
それだけ経過しても尚、その仕草を義姉は崩さなかった。
まるで自分の望むものが必ず来ると分かっているように目を閉じ続ける。
そんな彼女に惹かれるようにして、京太郎の顔がゆっくりと近づいていった。
牛の歩みよりもさらに遅く緩やかなそれは、しかし、止まる事はなく、数秒後、義姉の唇と触れ合う。
「ん…♥ふぅ…♪」
それに満足気な吐息を漏らした瞬間、健夜の身体がブルリと震えた。
まるで抑えきれない喜悦を示すようなその仕草に、けれど、京太郎の身体は揺るがない。
腕の中にすっぽりと収まったそれが大切な宝物であるかのようにしっかりと抱き上げ続けている。
そんな義弟の逞しく頼りがいのある姿に身体だけではなく心まで震わせながら、健夜は一つの言葉を胸に浮かばせた。
「(幸…せぇ…♥)」
トロンと胸の奥が蕩けるような独特の幸福感。
それは決してあって良いものではないと彼女も理解していた。
なにせ、彼女と彼は義理ではあるものの姉弟であり、年齢差だってかなりのものなのだから。
こうして京太郎のキスを強請っていた健夜とて、それがどれだけみっともなく、はしたない事か自覚しているのだ。
「(でも…止められ…ない…♥)」
それでも健夜は自分の感情をどうしてもコントロールする事が出来ない。
それがどれだけいけない事であり、世間から後ろ指刺される事だと理解していても、こうしてキスされた瞬間、全てが吹き飛んでしまう。
道徳観や倫理観を纏めて吹き飛ばすその幸福感はいっそ中毒めいた危なさを含んでいるのだ。
お陰で健夜は最初のキスからずっとこの感覚の虜になってしまっているのである。
「ふぁぁ…♪」
「…っ」
そんな健夜の唇からゆっくりと京太郎の唇が離れていく。
触れ合っていたのは十秒にも満たない時間 ―― 回数はその半分程度だろう。
ぎこちなく続いたバードキスは終わり、健夜の瞼もゆっくりと開いていった。
その奥から現れた瞳は欲情とも幸福感とも言えぬもので甘く濡れている。
テラテラといけない感情を滲ませるその瞳は紅潮した頬と相まってとても愛らしく、義弟の胸を微かに掴んだ。
「えへ…♥」
「…もう良いだろ」
それを出来るだけ表に出さないようにしながら、京太郎は義姉に突き放すような言葉を向ける。
それに蕩けた笑みを浮かべていた健夜が微かに不満気なものを滲ませた。
しかし、それを言葉にはせず、彼女はゆっくりとその腕を解いていく。
そのまま離れる義姉の身体をゆっくりと絨毯の上に立たせて、ようやく彼の仕事が一つ終わった。
「…じゃあ、京太郎、次は着替えさせてくれる?」
「それは駄目」
だからと言う訳ではないが、彼は義姉の言葉をきっぱりと断ってみせた。
勿論、それは健夜の手伝いが面倒だという理由だけではない。
幾ら義姉であり、アラサーであるとは言え、彼女の顔立ちはとても整っているのだ。
京太郎と同じく童顔である義姉は到底、アラサーだとは思えない。
その肌のきめ細やかさや身体のラインも20代前半から一切、崩れる事はなかった。
そんな彼女の肢体を間近で見ても尚、自分を律し続ける理性があるとは京太郎には思えなかったのである。
「…意地悪ぅ」
「はいはい。それじゃ意地悪な俺はとっとと下に降りてるからな」
そんな京太郎の切実な感情に気づく事もなく、健夜はそっと頬を膨らませる。
何処か子どもじみたその仕草も義姉に似合っていると思いながら、彼はそっと背を向けた。
そのまま振り返る事なく部屋を出て行く義弟を見送りながら、健夜は小さくため息を吐く。
「(…私ってやっぱり魅力ないのかなぁ…)」
小鍛治健夜と言う女性は今までろくに男性との付き合いがなかった。
小中とあまり積極的ではなかった彼女はそのまま女子校へと進んでしまった事も無関係ではないのだろう。
引っ込み思案な性格を治す事もなくそのままプロ入りし、慌ただしく日本を飛び回った彼女にそんな暇はなかった。
そんな生活に嫌気が差して実家に戻ってきてからも異性との出会いはなく、結果、健夜は正当に自分のことを評価する機会に恵まれなかったのである。
「(…まぁ、京太郎から見たらもうおばさんだもんね…)」
頬を膨らませたり子どもっぽい言葉遣いをする彼女でも、自分の年齢の事くらいは分かっている。
最早、若くない事に対する自覚はあり、義弟との年齢差は常に意識するものであった。
彼女の愛しい義弟はまったくそんな事を思っていないのだが、しかし、そんなもの彼女に分かるはずがない。
今まで異性との付き合いがろくになかった健夜にとって、義弟の性的興奮の混じる目を判別する事は出来なかったのだ。
「(…お母さんももうちょっと後に産んでくれれば良かったのに…)」
そうしたらこんな風に悩まなくても済んだはず。
そんな風に思いながらも健夜が母に恨みを向ける気にはなれないのは、母の再婚のお陰で京太郎と出会えたからだろう。
彼女の人生の中で誰よりも身近に【来てくれた】義弟の存在に、健夜は数え切れないほど救われていた。
最初から【居た】母ではなく、信頼と尊敬を持って近づいてくれた京太郎がいなかったら、今の自分は間違いなく存在しない。
そう思うほどに彼の事を重視している彼女にとって、母とは恋のキューピッドも同然であった。
「よいしょっと…」
そんな事を考えながら健夜は軽く着替えを済ませる。
ファンシーな動物が描かれたパジャマから黒いミニスカサロペットと灰色のシャツへと。
胸の下から背中までを紐で結ばれたそれは彼女にとってお気に入りの一つである。
胸下辺りに上品なレースの入ったそれは京太郎と一緒に選んだものなのだから。
他にも彼に選んでもらったり買ってもらったものは沢山あるが、ラフで気軽なその服はその中でも特にお気に入りなものだった。
「(ん…大丈夫かな?)」
既に何度も着ているのでその組み合わせがどんな風に映るかは知っている。
それでもクルリと健夜が鏡の前で回るのは、この姿を真っ先に見るであろう義弟が愛おしいからだ。
出来るだけ見栄えが良く有りたい、義弟に可愛いと思って欲しい。
彼が来るまでは自分には無縁だと思っていた感情が、今、彼女を突き動かしている。
「(ついでに笑顔の練習…)」
とは言え、それが決して成果として現れるかはまた別問題である。
鏡の前で頬を釣り上げて笑おうとする彼女の表情は、とてもぎこちないものだった。
ギリギリとそんな機械の軋みさえ聞こえてきそうな表情に、健夜はそっとため息を漏らす。
義弟の前では自然な笑顔が出てくるのに一体、どうして自分は愛想笑い一つ上手に出来ないのだろう。
それに自嘲を覚えた瞬間、彼女の鼻孔を芳しい匂いが擽った。
「…う」
そのままグゥと鳴るお腹は正直者だ。
美容と健康の為に寝る六時間前から一切の食事を絶っている健夜にとってその匂いはあまりにも効果が高過ぎる。
寝起きの身体が思い出したかのように空腹を訴え、彼女の意識をそちらへと向けさせた。
それに引っ張られるようにして健夜の身体もフラフラと歩き出し、そのまま匂いの源へと進んでいく。
「ふっふふんふんふーん♪」
そんな彼女が行き着いたのは階下のキッチンであった。
二人の親が再婚してからリフォームされたそこには上機嫌で鼻歌を歌う義弟の姿がある。
スラリとした長身にエプロンを纏うその様は意外なほどに様になっていた。
一見すれば軽いタイプにも見えるはずのその表情も心から嬉しそうに輝き、リズムよくフランパンを揺すっている。
「あ、義姉さん、おはよう」
「ぅ…ん。お…はよ…ぅ」
いっそ幼く見えるくらいの優しい表情を浮かべる義弟はそのままニッコリと振り返る。
瞬間、義姉の胸がトクンと脈打ち、表情がぎこちなくなった。
しかし、それはさっきのように無理をして笑顔を作ろうとしていた時とまったく違う。
寧ろ、その奥にある感情を何とか堪えようとするが故に、言葉も尻すぼみになっていた。
「(…はぁ、京太郎君…今日も素敵…)」
もう何年も感じてきた事ではあるが、こうして毎朝、彼に微笑まれる度にそれを実感する。
勿論、健夜とてそれが恋する乙女が故の贔屓目である事くらい分かっていた。
けれど、それを一々、訂正するような理性が初恋をそのまま義弟に捧げているアラサーにあろうはずもない。
彼女にとって義弟と言うのはそれだけ素晴らしい存在であれば、世間がどう思おうとまったく関係ないのだ。
「すぐ出来るから待っててくれよ」
「うん。でも…あんまり急がなくて良いからね」
義弟の言葉にうなずきを返しながら、健夜はそっとリビングの椅子に座る。
そのままキッチンで動く京太郎の姿を見るのが、彼女はとても好きだ。
出張なども多い両親に代わって須賀家の台所を長年、預かっている彼の仕草はとてもてきぱきとしている。
動作一つ一つが流れるようにも見えるそれはさらに強まる美味しそうな匂いと相まって、期待をそそられるくらいに。
「(…一応、私も出来るけど…京太郎君には敵わないなぁ)」
それを脳裏の自分の様子と重ねあわせて、健夜は内心ため息を漏らした。
再婚した当初、まだまだ幼かった京太郎の代わりに料理を作っていたのは健夜である。
それはあまり出来が良いものではなかったものの、義弟はキラキラと顔を輝かせて喜んでくれたのをよく覚えていた。
そんな彼の顔を見るのが嬉しくて、その勉強を始めた健夜も一応、人並み以上には料理が出来る。
「(…就職さえなければ…)」
しかし、それもプロ入りまでの事。
インターハイからその片鱗を見せていた大型新人は一年目から大忙しだったのである。
結果、家で料理を作ってあげる暇もなくなり、その腕も幾分錆びついてしまっていた。
勿論、それからドロップアウトして、地元に貢献している今であれば出来ない訳でもないのだが… ――
「(今はもう京太郎君の方が上手だし…)」
多忙な両親や姉に代わってその台所を引き継いだのは他でもない彼であった。
勿論、最初は失敗ばかりだったものの、数年も経てば様変わりもする。
元々、そういう才能もあったのかメキメキと料理の腕をあげた義弟はあっという間に健夜の腕を追い越していた。
そんな彼に自分の料理を振る舞うというのは何とも気恥ずかしく、物怖じを覚えてしまう。
元の性格があまり活動的でない事も相まって、葛藤を覚えながら健夜は中々、義弟に料理を作ってあげる事が出来なかった。
「出来たよ」
「わぁ…」
そんな自分への情けなさも目の前に差し出された朝食を見れば吹き飛んでしまう。
健夜の好きな半熟トロトロのベーコンエッグに、玉ねぎや人参の浮かんだコンソメスープ。
切り揃えられたソーセージから浮かぶ湯気の向こうには小麦色に焼きあがったパンが並んでいる。
その横には手作りのジャムが並ぶ光景など、一般家庭ではそうはお目にかかれない。
それもこれも義弟が人に喜んでもらうための努力を惜しまないタイプだからだろう。
「いっただきまーす」
「はい。どうぞ」
そして義姉はそんな義弟の努力をムダにしないタイプだ。
朝食としてはかなりのランクに入るそれに萎縮する事はなく、すぐさま手を合わせる。
そのまま手を伸ばすのは白身の上にトロトロとした黄身が乗るベーコンエッグだ。
ベーコンの油と塩コショウだけで味付けされたそれをゆっくりと口に運ぶ。
瞬間、口の中に広がる旨味は素材の味を活かした優しいものだった。
「どう?」
「美味しいっ」
最低限の調味料ながらもしっかりと健夜の味覚にヒットする味付け。
それを少ない言葉で賞賛しながら、彼女はまた別の料理へと手を伸ばす。
ベーコンエッグによって完全に食欲を刺激された健夜の動きは止まらない。
あっという間に一人前をたいらげて、その口から満足気なため息を漏らした。
「ふぅ。ご馳走様」
「はい。お粗末さまでした」
そんな挨拶を交わしながら、京太郎はクスリと笑った。
勿論、彼は既に朝食を終え、義姉の目の前でホットミルクを飲んでいる。
幾ら食欲をそそられたと言っても、健夜の食事は元々遅いのだ。
小動物のように小さく削って、反芻するようにゆっくりと味わっているのだから。
食事だけで数十分掛かるのも決して珍しくはない。
「(…でも、悪い気はしないよな)」
勿論、人に尽くすのが好きだと言っても見返りがなくてはやってはいけない。
須賀京太郎と言う人物は普通よりも人が良いタイプではあるが、決して聖人君子ではないのだから。
人並みに欲がある以上、どうしても報われたいと言う気持ちはある。
そんな彼にとって目の前で美味しそうに食べてくれる義姉の姿は最高の報酬だ。
それが見たくてついつい毎朝の食事の準備も頑張ってしまうくらいに。
「んじゃ…そろそろ俺も行くよ」
「…うん」
とは言え、あまりそんな風にのんびりはしていられない。
彼がまだ高校生であり、今日が平日である以上、学校へは行かなくてはいかないのだから。
朝は比較的余裕があるようにしているが、それでも食べるのが遅い義姉に付き合っていると時間もなくなる。
時計を見ればそろそろ登校を始めなければ危ない時刻を指していた。
「あ、昨日も言ったけど…今日は遅くなるかもしれないからさ」
「うん…分かってる」
そんな彼が自宅へと帰ってくる時間は夕方過ぎになる。
それは京太郎が高校生になってから部活を始めたからだ。
自他ともに認めるシスコンである義弟は義姉のようになりたくて麻雀部に所属したのである。
これまで家族麻雀で鍛えあげられていたとはいえ、一年は一年。
周りが女子ばかりなのも相まって、雑用ばかりやっているのを義姉もまた知っていた。
「ちゃんと歯を磨いてから出ないとダメだぞ」
「もう…そこまで子どもじゃないよっ」
その情報によって浮かぶ暗い感情を誤魔化すように健夜は全身で怒りをアピールする。
そんな義姉にイタズラそうな笑みを向けながら、京太郎はそそくさと玄関へと消えていった。
数秒後、ガチャンと言う音が鳴り、健夜に扉の開閉を知らせる。
その瞬間、小さくため息を吐いてから、健夜はゆっくりと義弟が残してくれたコーヒーに手を伸ばす。
「…ん」
健夜の好きなミルク2にシロップ1が混ぜ合わされた甘いコーヒー。
それに舌鼓を打ちながらも、心の中の苛立ちはどうしても消えなかった。
勿論、それは義弟が原因という訳ではない。
常日頃から尽くしすぎるくらいに尽くしてくれている彼に、義姉は一切の不満はなかった。
「(…京太郎を…良いように使って…)」
勿論、京太郎がそうして人に喜んでもらうのが好きである事を彼女も知っている。
おそらく麻雀部でも自分から率先して雑用をすると言い出したのだろう。
しかし、それによって愛しい義弟との時間を削られている彼女にとって、見知らぬ麻雀部の面々は敵と言っても良い存在だった。
ぶつける場所のない苛立ちを向けても問題もない ―― さらに言えば大義名分もある ―― そんなある種都合の良い相手だったのである。
「(…ううん。一人だけ…知ってるっけ)」
そんな麻雀部の中に新入りが生まれたらしい。
健夜も何度か顔を合わせている宮永咲という少女。
彼女からさらに輪をかけて臆病で引っ込み思案なその少女の事を京太郎は気にかけていた。
それはどことなく彼女が義姉に通じる雰囲気のあるからではあるが、そんなもの健夜が知る由もない。
健夜にとって大事なのはその少女が自分から京太郎を奪いつつある存在であるという事だけだ。
「(京太郎君は…私のものなのに…)」
それがどれだけ自分勝手で無茶苦茶な思考であるという事くらい彼女は理解している。
その感情がどうであれ、二人は姉弟であり、結婚など出来るはずもない。
ましてやその感情を彼にぶつけた事もない以上、自分のものだなんて口が裂けても言えないだろう。
だが、そうと分かっていても、行き場のないその感情を理性で押しとどめる事は難しかった。
「(私が…一番、京太郎君の事を理解してる…想ってるのに…)」
それは人並み以上に健夜が京太郎の事を理解していると言う事と無関係ではないのだろう。
長年、彼と一緒に生活してきた義姉は世界で一番、彼のことを理解していると言い切る事が出来る。
世界2位になっても尚、自信を持てなかった麻雀よりも遥かに自信を持って宣言出来るのだ。
それがどれだけ異常で、普通ではあり得ない事か、健夜は自覚してはいない。
義弟の心奪われた彼女は、彼の事以外に対してはあまりにも疎くなってしまっているのだから。
「(…だから、京太郎君は…私と一緒にいるのが一番なんだ…)」
そう結んだ瞬間、彼女の心に寂しさが湧き上がる。
それは健夜が自分の近くに義弟がいない事を自覚してしまったからだろう。
何時だって自分の事を照らし、暖めてくれる太陽のような存在。
それがいないというだけで健夜の心は冬が訪れたかのように凍え、暖を求めようとする。
「(…京太郎君…)」
その感情のままに健夜はゆっくりと立ち上がる。
その手にはまだ湯気が立ち上るコーヒーがあったが、彼女はそれを省みる事はなかった。
勿論、それは彼の入れてくれたコーヒーでも、その凍えるような寂しさはなくならないからである。
どれだけ熱く、暖かな飲み物でも、今の健夜を癒やす事は出来ない。
それが出来るのは他でもない義弟の存在だけなのだ。
「…ん…♪」
そんな健夜が向かったのは京太郎の部屋だった。
部屋中に京太郎の匂いが満ちるそこは彼女にとっての楽園である。
大きく息を吸い込めば、肺の中から京太郎に満たされた気がした。
それだけで幾分、気分も落ち着き、ほっとため息が飛び出る。
「…はぁ、私…何をやっているんだろう…」
けれど、それは自嘲と共に漏らされたものだった。
健夜とてこんな事をする自分がおかしいという自覚はあるのである。
しかし、それでも感情はどうしても止まらない、いや、止まれない。
分かっていても尚、愛情がそのまま裏返しになったような寂しさには抗えないのだ。
「(…このままじゃ私…おかしくなっちゃう…)」
最初は勿論、こうではなかった。
決して頼りがいがあるという訳ではないが、それでも義姉としてそれなりに上手くやっていけたのである。
だが、それが義弟への恋へと転じ、それが深まっていく中で、心もまた変貌していった。
自分の中にそんなものがあったなんて思えないほどのドロドロとした独占欲混じりの感情が少しずつ勢力を強めていっている。
「(…怖いよ…助けて…京太郎君…)」
自分が自分でなくなっていくような薄ら寒さ。
しかし、何より恐ろしいのはそれが良いと思う自分が日に日に大きくなっていく事だった。
義弟との時間が少なくなっている今、その自分勝手な自分をどうしても止める事は出来ない。
それを止める事が出来るのは何時でも健夜に暖かなものをくれる最愛の義弟ただ一人だけなのだ。
「(ダメ…そんなの…ダメだよ…)」
それを大義名分にしておかしくなろうとする自分。
おかしくなるのを食い止める為に仕方ないのだと思うその感情を健夜はなんとか歯止めを掛けた。
そのまま意識の奥底へと沈めようとする義姉に、しかし、意識そのものが抗う。
独占欲という猛毒に半ば支配されたそれは最早理性ではどうにもならないのだ。
「……えい」
それを自分一人でどうにかするのを諦めた健夜はボフリとベッドに身体を沈める。
勿論、それは自分のベッドではなく、普段、義弟が使っているベッドだ。
自然、そこに染み付いていた京太郎の匂いが、抗う意識をゆっくりと鎮めてくれる。
お陰で今日もまたダメな自分を封印できたと一息吐いた瞬間、健夜の胸に甘いものが満ちた。
「あぁ…♪」
京太郎の匂いは義姉にとって最高の媚薬だ。
その残滓を感じるだけで胸が疼いてしまう自分にとって、今の環境はあまりにもまずい。
そう思いながらも彼女の身体は京太郎のベッドから離れる仕草すら見せなかった。
それは勿論、その場所が起きたばかりの健夜に微睡みを与えるほど心地良かったからである。
「…きょぉたろう君…♥」
瞬間、健夜の口から漏れ出る甘い声。
義姉ではなく女としての声に彼女の背筋がゾクリとしたものを訴える。
同時に腹の底から沸き上がる甘い衝動に義姉は微かに肌を震わせた。
自分の内側を滴り落ちていくようなそのもどかしさに手がゆっくりと動き出す。
義弟のベッドという最高のシチュエーションの中、それは彼女の服の中に入って ――
ブルルルル
「ひゃう!?」
それが中断されたのは突如として割り込んだ振動の所為というべきかお陰と言うべきか。
彼女自身分からないままに肩を震わせ、声をあげる。
まるで天敵と鉢合わせてしまった小動物のようなその仕草に、しかし、振動の源はまったく構わない。
ブルルと機械的に震えて、健夜に何かを伝えようとするままだった。
「…はぁ」
今から自分を慰めようとしていたのに水を差された所為か、或いは自分の痴態が今更恥ずかしくなったのか。
ため息の理由を考えることを放棄しながら、健夜はゆっくりとポケットから携帯を取り出す。
数年前に義弟と一緒に選んだ携帯 ―― 今ではガラケーと呼ばれて区別されるそれを開けば、ディスプレイに見慣れた名前が浮かんでいた。
仕事で何度も組み、プライベートでも話す事の多い相手 ―― 口には出さないけれど友人だと思っている彼女の着信に健夜はボタンを押して応える。
「はい。もしもし」
「あ、すこやん。起きてたー?」
そのまま耳に当てた携帯から伝わってくるのは明るいハキハキとした声。
どれだけ勢い任せで話していても、彼女がアナウンサーである事を知らせるその声に健夜はほんの少し嫉妬を感じる。
引っ込み思案な自分とは違ってハキハキと言いたい事が言える彼女のようであれば、こんな気持ちに振り回される事もないのに。
八つ当たりめいたその思考を理性が再び意識の底へと沈める健夜の耳に再び相手 ―― 福与恒子の声が届いた。
「アラフォーだから起きれないかと思ってた」
「アラサーだよ!?」
そんなお決まりのネタを交わす度に健夜は思う。
もうそろそろこーこちゃんもアラサーの仲間入りじゃないか、そうなったら何時か絶対に弄ってやる、と。
勿論、彼女自身もそんな姿は想像出来ないし出来るとも思わないが、鉄板ネタとは言え多少傷ついているのは確かなのだ。
ましてや日に日に三十路というある種の境が見えてくる立場であれば尚更である。
それを笑って許しているのは相手のキャラと、それなりに仲が良いと言う自負からだ。
それがなければ今すぐ上に掛けあってコンビを解消するように言っているだろう。
「今日も愛しい弟ちゃんに起こされたの?」
「…うん」
とは言え、そんな仲の良い相手でも流石にキスで起こしてもらいましたとは言えない。
それは彼女にとっても義弟にとってもトップシークレットであり、決してよそに漏らしてはいけないものなのだ。
友人としてはそれなりに信頼しているものの、福与恒子は些か勢いで話しすぎる傾向が強い。
言ったところで明確に関係が変わったりはしないと思うが、秘密を漏らす可能性が否定しきれない以上、話す訳にもいかなかった。
「良いなぁ。私もあんなイケメンで献身的な弟が欲しいなぁ」
「…あげないよ、絶対」
そんな彼女に応える声は自分でも驚くほどに冷たいものだった。
まるで相手に明確な敵意を向けているようなそれに健夜自身も驚く。
だが、同時にそれは当然だと思うのは、彼女にとってその立場がとても大事なものだからだろう。
義姉と言う立場がなければこんなに悩みはしなかったとはいえ、それは愛しい義弟に尤も近い居場所なのだから。
それを奪おうとする相手の言葉に ―― 例えそれが冗談だと分かっていても ―― 底冷えするような殺意を向けてもおかしくはない。
「じ、冗談だって。ホントすこやんは京太郎君の事となるとマジになるんだから…」
「…それで用件は何?」
否定も肯定も出来ない恒子の言葉。
それに応える事を諦めながら、健夜は話を本筋に戻そうとする。
幾ら彼女がお気楽そうに見えるとは言え、朝から自分をからかう為だけに電話をしてこないだろう。
気持ちを切り替える為にも早くその用件を聞いて、通話を切りたい。
「あ、今日の収録なんだけど…打ち合わせがちょっと前倒しになったらしくて」
「え?」
「そろそろ出ないとまずいかなーって思って連絡したんだけど」
恒子の言葉に部屋の時計を見れば、そこには確かにまずい時間が刻まれていた。
と言うか、今から出ても、ほぼ遅刻確定である。
焦る焦らないの問題ではなく、物理的に間に合わないようなそんな時間。
「わ、私聞いてないよ!?」
「私もさっき聞いた…ホント、社畜って辛いよね…」
「うん…ってしみじみしてる場合じゃないよ!?」
放送枠の都合やトラブルによって往々にして出演者にしわ寄せが行く事を健夜も理解している。
その事でお金を貰っているのだから、今更、文句をいうつもりはない。
しかし、なんでもうちょっと早く言ってくれなかったのか。
後十分早ければまだ何とかなったかもしれないのに。
根が真面目な小鍛治健夜はそう思いながら、ガバリとベッドから立ち上がる。
「と、とにかく!準備するから…!」
そう言い逃げするように通話を切りながら、健夜はキョロキョロと周囲を見渡した。
勿論、そうやって見回したところで彼女がいるのは自室ではなく、準備するものは見えない。
それでもこうして見渡してしまうのは彼女自身が困惑しているからだろう。
普段であればそんな健夜をフォローする義弟や恒子がそばにいるのだが、今の彼女は一人だ。
すぐさまやるべき事が思い浮かばず、どうしようとそんな言葉だけが思考を滑っていく。
「……ぁ」
そんな彼女の思考を現実へと引き戻したのは机の上に置いてある義弟の写真立てだった。
小学校の頃に彼が図工で作ったその中には義弟と義姉のツーショットが入っている。
彼が小学校を卒業した時 ―― はにかむ義弟とそれに並ぶ自分の姿に頬が緩んだ。
今の自分と同じ頬を緩ませて嬉しそうにする過去の姿に活力が湧いてくる。
今日も一日、義弟の為に頑張ろう、そんな言葉が思い浮かぶくらいに。
「……うん。大丈夫」
今はまだ大丈夫。
その言葉の意味を健夜は正確に理解していた。
義弟の心は今まだ誰のものではなく、自分を第一に思ってくれている。
机の上の写真立てもそうだし、携帯の待受も自分と選んだものだ。
愛しい ―― けれどその感情に身を任せる訳にはいかない相手のそれは何時だって健夜の心を安定させる。
どんな状況からでも前に進む活力と気力を、義姉に与えてくれるのだ。
―― …でも、もしそれがなくなったら?
「……」
何時かは義弟も彼女を作るだろう。
彼の顔立ちは惚れた欲目は脇においても整っているのだから。
性格も義姉とは違って積極的であるし、何より献身的だ。
恒子はそんな彼を冗談めかして欲しいと言ったが、本気でそう思っている相手は間違いなくいるだろう。
少なくともその魅力を誰よりも良く知る義姉にとって、それは疑いようのない事実であった。
―― その時、自分はどうなってしまうのか。
今もこうして自分を落ち着かせてくれた写真立て。
その中に自分ではない女の写真が入っていたら…どうなってしまうのだろう。
自分と一緒に選んだ義弟の携帯が突如として最新機種に変わり、その待受が別の女になっていたらどうなってしまうのだろう。
今のまま踏みとどまれるのか、或いは足を踏み外して狂気へと堕ちてしまうのか。
分かりきっているその答えを出すのが健夜は無性に怖かった。
それはその現実がヒタヒタと足音を立ててすぐ側まで迫っている気配を感じているからである。
「……私は…」
何時まで義姉で居られるかは分からない。
きっと何時かはこの狂気に足を滑らせ、義弟をそこに引きずり込もうとするだろう。
いや、それだけではなく、彼を傷つける事だってあるかもしれない。
その前に義弟の前からいなくなるのが正しい。
健夜の理性は間違いなくそう訴えていた。
「…お仕事しよう」
だが、それをどうしても認められない心は問題を先送りにする。
何時か破滅が待っていると分かっていても尚、それを一分先一時間先一日先へと流していくのだ。
勿論、そうやっていても解決する事なんてない事くらい健夜も分かっている。
だが、そうして先送りにしていたらその分、義弟の側に居られるのだ。
愛しくて愛しくて…おかしくなりそうな彼の側に、義姉と言う結ばれない関係ではあれど、いる事が出来る。
「(…他には何も要らない)」
退廃的なその思考を、けれど、健夜は止める事が出来ない。
既にその心は須賀京太郎と言う猛毒に侵され、崩れてしまっているのだ。
依存と言っても良いくらいに傾倒している自分を誇らしいと思うくらいに。
小鍛治健夜にとって彼はもう空気や水と同じレベルで必要不可欠なものになっている。
「(…だから)
だから、今日も頑張るのか、だから、堕ちても仕方ないのか。
自分でもその言葉をどう繋げるつもりであったのか健夜には分からない。
ただ、彼女の胸にあったのは前向きな活力と、それと同じくらいの暗い活力であった。
心の奥底にねっとりと溜まり続け、使われる事を待ち続けるそれから彼女は目を背ける。
代わりに差し迫った問題をまずは解決していこうとその足をゆっくりと踏み出して ――
―― 小鍛治健夜が崩壊するまで後 X日
Qなんで病みかけてるの?
Aヤンデレが書きたかった
Qなんで専業主婦っぽいすこやん母が働いてるの?
Aヤンデレが書きたかった
この後は多分、咲ちゃんからお姉さんを忘れる為にとか言われて告白されて付き合って
デートしてるところとかすこやんに見られて少しずつすこやんがおかしくなって
最後は家の前でキスするところを魅せられて、勝ち誇ったように去っていく咲と
顔を赤くしながらまんざらでもなさそうにしている義弟に心が壊れて
監禁エンド一直線になるんじゃね?(適当)
>>須賀京太郎の特殊勝利発動
京太郎「(…っ!…くそ…やっぱり…手牌は悪い…な)」
京太郎「(さっきのでまたこっちに…天江選手の能力が寄ってきてる…)」
京太郎「(一向聴地獄…いや、今はもう三向聴を突破する事すら難しい…)」
京太郎「(普段ならある程度あるはずの暗刻も…影も形も見えないくらいだからな…)」
京太郎「(……でも)」
小蒔「……」ゴゴゴ
京太郎「(……神代さんから恐ろしいまでのプレッシャーを感じる…)」
京太郎「(こんな状況でも…おそらく高めを張ってるんだろう)」
京太郎「(…なんでそんな高めを張れるのかとか…なんで居眠りするのかとか…)」
京太郎「(思うことは色々あるけど…でも…)」
京太郎「(この状況…この土壇場でのそれは…正直きつい)」
京太郎「(…出来ればこっちが先にテンパイしておきたいんだけど…)」
京太郎「(…この手牌だと正直厳しそうだ…)」
京太郎「(…いや、まだだ)」
京太郎「(まだ始まったばかり…諦めるには全然早い)」
―― 諦メロ
京太郎「(意識は妨害に集中…もう山を突破させはしない)」
―― オ前デハ勝テナイ
京太郎「(とりあえず…和了られてしまったら終わりなんだ)」
―― 私ニ全テヲ委ネロ
京太郎「(流局ギリギリまで持っていければ…この手牌でもチャンスはある…)」
―― チャンスナドナイ オ前ハソレヲ掴メナイ
京太郎「(…諦めるな。最後まで希望を捨てずに…やれば…)」
―― 希望ナド何処ニモナイ 見テミロ
小蒔「…リーチ」スッ
京太郎「…っ!!」
京太郎「(ここで…リーチ宣言…)」
―― オ前デヤレルカ? 無理ダ
京太郎「(…無理じゃない)」
―― 神殺シハ得意ダ 任セロ
京太郎「(…たかがリーチを三巡目リーチをかいくぐって和了るだけだろう…!!)」
―― ダガ、オ前ハサッキデキナカッタ
京太郎「(…っ!!)」
―― 磨キアゲタチカラハクダケタ 突破サレタ
京太郎「(……それは)」
―― オ前ハ最強ニナラナケレバイケナインダロウ?
京太郎「(……あぁ)」
―― オ前ノ愛シイモノノ為ニ誰ヨリモ強クナラナケレバイケナインダロウ?
京太郎「(……そう…だ)」
―― ナラバ、コンナトコロデ躓ク訳ニハイカナイ
京太郎「(…躓……く?)」
―― ソウダ、コンナトコロデ負ケル訳ニハイカナイ
京太郎「(……負ける…俺が…)」
―― ソレハ嫌ダロウ?情ケナイダロウ?
京太郎「(………嫌…だ)」
―― ナラ、コノ戒メヲハズセ ソウスレバ私ガオ前ニ勝利ヲ与エテヤル
京太郎「(……勝利…勝利…)」
穏乃「京ちゃんなら大丈夫だよ!」
憧「しっかりやってきなさいよ、じゃないと…許さないからね」
灼「…頑張って」
玄「…だって、おにーちゃんは…京太郎君は私にとって何時だって素敵で最高なんだから!」
宥「見せてね、きょーくんの暖かい麻雀…」
やえ「だから、応援してる…からね。何時も以上に…京太郎君の事」
晴絵「ま、楽しんできなさい。今度こそ高校最後の大舞台なんだしね」
京太郎「(…そう…だな)」
―― デハ…
京太郎「(……俺の答えはこうだ。…断る)」
―― 何…?
京太郎「(…確かに俺は優勝したい)」
京太郎「(いや、しなければいけない)」
京太郎「(やえさんには約束したし…玄たちの応援も受けてる)」
―― ナラバ、何故…!?
京太郎「(…そんなもん決まってるよ)」
京太郎「(…お前が俺じゃないからだ)」
京太郎「(お前は俺の力じゃない)」
京太郎「(俺が…レジェンドから教えてもらって…赤坂監督に形にしてもらった力じゃない…!)」
京太郎「(あくまでお前は借り物で…俺の力じゃない…!)」
―― ソンナモノ勝利ノ為ニハ…
京太郎「(違うな。お前の力を借りた時点で…俺は負けてる)」
京太郎「(…それはあいつが…江藤が証明してくれた)」
京太郎「(麻雀は楽しんだ奴が勝ちなんだ)」
京太郎「(だけど…お前の力を借りたら俺は楽しめない)」
京太郎「(ただ…勝ち続けるだけの…そんな存在になる)」
京太郎「(それは…負けだ)」
京太郎「(どんな惨めな敗北よりも最悪な…結果だよ)」
―― ソンナ意地デ負ケルツモリカ…!?
京太郎「(…負けねぇよ。俺は負けない)」
京太郎「(お前の力なんてなくても…俺は勝ってみせる…)」
京太郎「(どれだけ絶望的だろうが…戦況が悪かろうが…!)」
京太郎「(…運でも流れでも…引き寄せてやる…!!)」
京太郎「(お前の力なんて借りなくても…自分自身の力で…!)」
京太郎「…ポン!」
な、なんだよお前らいきなりデレやがって…べ、別に嬉しくとも何ともないんだからね…!!!!(土下座しながら)
照「っ…!?」
照「(…流れが…変わった…?)」
照「(…神代選手の方に流れていったものが…)」
照「(今の鳴きで…須賀選手の方に流れていってる…)」
照「(…まずい。このままじゃ…須賀選手が和了ってしまう…)」
照「(最終局なのに…逃げ切られるのはまずい…)」
照「(なんとか…手を打たないといけない…なのに…)」
衣「(……ツモが悪すぎる)」
衣「(これは…てるの能力だけではない)」
衣「(今再び…須賀京太郎が山を掌握しつつある)」
衣「(まだ隠し球を持っていた……いや、違うか)」
衣「(…アレが人の意思…人の技)」
衣「(最後まで諦めなかったが故に…技を研磨し続けた故に至った境地)」
衣「(人として魔物に並び、それを打ち倒す…英雄の力)」
衣「(これが…須賀京太郎)」
衣「(これが…人の…力…か)」
京太郎「…ツモ。400…!700!」
「決まったああああああ!」
「ラスト流局間近の電光石火!」
「鳴きからの電撃戦で…十八番で決めました!」
「U22大会…初代優勝者は…!須賀京太郎選手です」
京太郎「…………ふぅ」
京太郎「(…疲れたぁ…)」
京太郎「(最後の最後まで…ギリギリだったな…)」
京太郎「(一瞬も気を抜けない…ホント、綱渡りのような戦いだった…)」
衣「…須賀京太郎」
京太郎「…あ、お疲れ様です」
衣「うむ。凄い戦いだった」
衣「まさか衣がろくに和了らせて貰えないとはな」
京太郎「いやー…何度か危ないところはありましたけどね」
京太郎「(…特に最初とか…あの海底を天江選手に譲っていたら和了られていてもおかしくなかったし…)」
衣「謙遜するな。人の身でよくぞそこまで演練続けたものだ」
衣「衣は須賀京太郎に…いや、きょうたろーに興味が沸いたぞ!」グッ
京太郎「え?」
衣「きょうたろーはプロになるつもりか?」
京太郎「…えぇ。今のところはそのつもりです」
照「……」
衣「そうか!では、衣もプロになる事にしよう!」
京太郎「…え?」
衣「今までは特にプロも興味なかったし…トーカからも止められていたけれど…」
衣「…きょーたろーのような面白い打ち手がいるなら話は別だ」
衣「衣も…プロに行ってみたい!行って…今回みたいな舞台できょーたろーと打ってみたい…!」キラキラ
衣「そして…今度こそ衣が勝ってみせる」ニコッ
京太郎「……はい。お待ちしています」
小蒔「……ぅーん…むにゃむにゃ…」
小蒔「…皆のお陰で優勝…出来ました…」
小蒔「今日は…最高の日…で…しゅ……ぅ…?」パチッ
京太郎「あ、神代選手…お疲れ様です」
小蒔「…あ、はい。お疲れ様で…あ…」
京太郎「…どうかしました?」
小蒔「……あ、いえ…そう…ですね」
小蒔「…私、負けていたんです……ね」シュン
京太郎「……はい。あの…」
小蒔「……ふふ、夢を…見ました」
京太郎「…夢?」
小蒔「はい。ギリギリのところで…須賀さんに逆転出来る光景を」
小蒔「…そこで私は皆に囲まれて…祝福してもらえて…最高の…気分でした」
京太郎「…神代選手」
小蒔「…だから、私、ちゃんと言えます」
小蒔「…悔しいけれど、悲しかったけれど…ちゃんと…言えます」グッ
小蒔「須賀さん、優勝…おめでとうございます」ペコッ
小蒔「…完敗でした」
京太郎「……はい。ありがとうございました」
全部ワイが悪いんや…
中学の時にやらかした時も辛かったけど…今回はマジで申し訳無さがマッハ
ごめんね姫様…
照「須賀選手…おめでとう」
京太郎「ありがとうございます。宮永プロもお疲れ様です」
照「…うん。お疲れ様」
照「…でも、ちょっと話したい事があるんだけど…」
照「優勝者インタビュー前に…時間…良いかな?」
京太郎「えぇ。構いませんよ」
照「良かった。じゃあ…あまり聞かれたくないし…こっちに来てくれる?」
京太郎「…あ、はい…」
照「……ん。ここくらいで良いかな…?」
京太郎「確かに…マスコミもここまでは入ってこれませんしね」
照「…うん。でも、あんまり優勝者を独り占めするのはいけないから…身近に…」
照「……須賀選手…さっきのは…本気だった?」
京太郎「…勿論ですよ、俺の…全力でした」
照「…でも、全部出し切った?」
京太郎「……」
照「…君の手札が多いのは知ってる…」
照「その中の全部を出し切って…勝ったって言える?」
京太郎「…宮永プロは何を言ってるんですか?」
照「…まだ君には隠しているものがある」
照「それも…人ならざる力を」
照「…それを使うつもりはなかった?本当に…自分を律しきれていた?」
京太郎「…何が言いたいんです?」
照「…私には見えた」
照「君の背にうずまく…悪意の群れを」
照「君に寄生してその身を蝕む大蛇を」
京太郎「…大蛇?」
照「それは何時か…須賀選手を蝕む」
照「それは…あっちゃいけない力」
照「いずれ…君はそれを押さえ込めなくなる」
京太郎「…つまり…どういう事ですか?」
照「…君は麻雀を止めるべき」
京太郎「…っ!ふざけんな!」
照「ふざけてなんていない。…それが君の為でもある」
照「君自身でも…分かっているはず。それがどれだけ恐ろしいものか」
照「私には…見えた。君がどれだけそれに苦しんで…悩んでいるか」
照「そして…それにどれだけ人を巻き込み…傷つけているか」
京太郎「そ…れは…」
照「今は確かに大人しくしているかもしれない…」
照「だけど、それは必ず…何時か大事な人を傷つける…」
照「……私の妹みたいに」
京太郎「…え?」
照「…なんでもない」
照「だけど…強すぎる力には何時か必ず悲劇が付き纏う」
照「今は良い…でも…何時か必ずそれは叛逆する」
照「だから…」
京太郎「……でも…」
京太郎「でも…俺にはこれしかないんだ…」ギュッ
京太郎「…俺があいつらにしてやれるのは…これだけなんだ」
京太郎「麻雀でしか…俺は傷つけた奴らに…償ってやる事は出来ない…」
京太郎「不自由なくあいつらを暮らさせてやるには…俺にはこれだけしか思いつかないんだ…」
照「……」
京太郎「…でも…宮永プロの…言う通り…です」
京太郎「…さっきギリギリの戦いの最中…『あいつ』の囁きが聞こえました」
京太郎「それはもしかしたらただの幻聴かもしれない…だけど…」
京太郎「それに…耳を傾けてしまった俺というのが…どうしても居て…」
京太郎「今回は…それを拒否する事が出来ました。でも…」
京太郎「何時か…それに負けてしまいかねないと…自分でも…思って…」
京太郎「…宮永プロ…そこまで…見えているなら…教えてください」
照「…何を?」
京太郎「…何か…ないんですか?」
京太郎「俺のこの力を…完全に消す方法は…」
京太郎「これを…使わないでいる方法は…ないんですか……?」
まぁ姫様は多分これが最後だって我儘言って大会に出場させてもらった訳だろうしなぁ
ある意味打ち切りエンドでもおかしくないのかもしれない
照「…麻雀をしない事が一番」
京太郎「無理ですよ…俺はもう…プロとして契約してる」
京太郎「既に次に出る大会や試合なんかも決まってます…」
京太郎「それらに出ずにやめますなんて…スポンサーにも迷惑が掛かる」
京太郎「その場合には賠償金も発生しますし…とてもじゃないですが止められません…」
京太郎「だから…お願いします…」
京太郎「ソレ以外の方法を…なにか教えて下さい…っ!」ペコッ
京太郎「俺…なんでもします…!」
京太郎「どんな事だってしますから…だから…!」
照「………リスクがある」
照「…それでも良いなら…一つ方法がない訳じゃない」
京太郎「っ!教えてください…その方法を…!」
京太郎「リスクでも何でも飲みますから…お願いします…!」
そもそも京太郎は元々魔物だったんじゃなくてデメリット飲む事によって魔物になってる訳だしね
冷やしとーかみたいなもん
【京太郎の部屋】
憧「……で、全力の京太郎をぶっ倒せって?」
京太郎「…そういう事らしい」
やえ「…にわかには信じがたい話だね」
穏乃「でも…わざわざそんな警告する?」
晴絵「…ま、優勝された嫌がらせって可能性もない訳じゃないだろうけど…」
玄「…ううん。違うよ」
宥「…玄ちゃん?」
玄「一度、戦ったから分かるよ」
玄「宮永プロはそんな人じゃない」
玄「多分…心から心配してくれているんだと思う」
京太郎「…あぁ、俺もそう思う」
京太郎「あの人の目は…そういうものじゃなかった」
京太郎「こっちの事を心配して…そして申し訳無さそうにしていた」
京太郎「それに…宮永プロが言ってるのは今まで一度もよそで出してない話だ」
京太郎「本当に…俺の中にいるものが見えてなきゃ、そんな言葉は出てこないはず」
やえ「…しかし…ヤマタノオロチか。また大物が出てきたなぁ…」
穏乃「それって強いの?」
晴絵「凄い大雑把に言えば神様も丸呑みにしちゃうくらい大きくて強い蛇だからね」
穏乃「なにそれすごい」
京太郎「日本神話最強の化け物とも言われてるらしいからなぁ」
やえ「何より恐ろしいのはそいつがかなりの知恵を持つ事だろうな」
やえ「参照する資料にもよるが、全て食べつくすのではなく」
やえ「生贄を要求したり子どもが生まれるのを察知して現れたりする」
京太郎「スサノオに退治されるまで他の神様も手が出せなかったらしいし…」
京太郎「何より色んな所で暴れまくって追放までされたスサノオが策を使ってようやく勝てたってレベルらしいからな」
armsを彷彿させるこの展開嫌いじゃない
鹿児島スレで話題でたからそのために一気読みした俺にはタイムリーでうれC
京太郎「ついでに執念深さも大概で、源平合戦中、安徳天皇が三種の神器と一緒に水没したのは」
京太郎「こいつの呪いだって話もあるらしい」
玄「ほえー…」
晴絵「後に天皇家に戻された時も皇族の一人が原因不明の病に掛かったりして…」
晴絵「その時も剣に宿ったヤマタノオロチの怨念のせいって話があっったみたいね」
穏乃「なんだか凄い化け物なんだね…」
憧「…ま、正直、眉唾も良いトコロだけどね」
憧「オカルトがあるのは知ってるけど…でも、それが神話の化け物の所為とかありえないでしょ」
宥「…確かに…そうだね」
灼「…だけど、幾つか適合する符号があるのは事実」
憧「ぅ…それは…」
灼「酒に酔うとはっきりと好きって言って貰えるのも…オロチだからと言えば納得できる…」
穏乃「…どうして?」
憧「…オロチって酒に弱いのよ、それ飲んで泥酔したところを細切りにされたくらいだし」
オロチ女体化で攻略しよう(提案)
>>494
それだ!!
カピーならともかく原作に影も形もないオロチちゃんを攻略してもなぁ…
いや、まぁ、なんかこの子健気でハーレム許容派って辺りToLoveるのあの子を思い出すけどさ
京太郎「…実際、酒飲んで弱らせるのが一番だって宮永プロも言ってた」
憧「…で、どうするの?」
やえ「…リスクはあるんだよね?」
京太郎「あぁ。下手に俺が勝ってしまうと症状が進む可能性が高いって」
京太郎「わざと負けようとしても意味が無い…全力で打って…それを倒さなきゃダメなんだって」
穏乃「……そっか」
穏乃「…じゃあ、簡単だね!」
京太郎「……え?」
穏乃「…え?だって勝てば良いんでしょ?」
京太郎「そう…だけど」
穏乃「じゃあ、やっぱり簡単だよ!だって…ここには皆がいるんだよ?」
憧「…ま、そうね」
京太郎「…憧」
憧「ここにいる全員なら京太郎相手にでも勝てるでしょ」
やえ「…うん。一人なら厳しいかもしれないけど…」
玄「でも…皆がいるなら…大丈夫だよね!」
灼「…私はブランクが…」
宥「私も…あんまり自信ない…かも」
晴絵「大丈夫。その辺は私が調整してあげるから!」
京太郎「…レジェンド?」
晴絵「本当は私も京太郎と戦いたいけど…ね」
晴絵「でも、それはやっぱり…この子達に譲るべきだと思うんだ」
晴絵「京太郎と一緒に歩んで…ずっと一緒に戦って」
晴絵「そんな皆だからこそ…京太郎と戦う資格があるんだと思う」
晴絵「…それに私は最後まで先生で居たい」
晴絵「ギリギリまで皆を支えて…導いてあげられる先生でありたい」
晴絵「京太郎と戦うのは…プロになってからでも遅くはないし…ね」
京太郎「……そうだな」
お前らの所為で触手に犯されてアヘ顔になってる女装した京ちゃんが出てきたじゃねぇか訴訟
晴絵「よし…!じゃあ決定…!」
晴絵「明日から皆で特訓だよ!」
穏乃「はーい!」
晴絵「灼と宥もだいじょうぶだよね?」
灼「…うん。今は春休みだし…」
宥「旅館のお仕事もあるからずっとって訳にはいかないけど…数日くらいなら大丈夫だと思う…」
晴絵「よし…じゃあ、憧と穏乃以外は合宿ね!」
晴絵「とりあえずこの一週間使って…現役レベルまで戻すから」
憧「…あたし達は?」
晴絵「あんたらは自主練」
穏乃「えー…」
晴絵「仕方ないでしょ、卒業式まだ終わってないから春休みになってないんだし」
晴絵「それに三年間みっちりやってた二人に教える事なんてもう殆ど残ってないしね」
晴絵「京太郎と打って少しは慣れときなさい」
穏乃「はーい…」
京太郎「…良い…のか?俺の為にそんな…」
穏乃「水くさいよ、京ちゃん!」
玄「皆、京ちゃんの事がえっと…大事だからこうしてるんだよ」
憧「そうそう。それに何時迄も忘れられっぱなしじゃ癪だしね」
宥「…皆との暖かい思い出…取り戻せるかは分からないけど…」
やえ「…でも、これから新しい思い出を作る為にも…必要なことだしね」
灼「…これは私達の為でもある。…京太郎が気にする事じゃない…」
晴絵「…だから、京太郎はどーんと構えて待ってなさい」
晴絵「私達が必ず…アンタの事を治してあげるから」
晴絵「私達に…ずっとしてくれたように…今度は私達が手を差し伸べてあげるから」
晴絵「安心して…待っていれば良いの」
京太郎「……あぁ。分かった」
【System】
須賀京太郎の雀力が0.5上昇し、カンストしました
須賀京太郎とのラストバトルが発生しました
勝敗によってエンディングが分岐します
【卒業式】
京太郎「(それからの一週間は怒涛と言っても良いものだった)」
京太郎「(レジェンドの話が終わったと同時にそれぞれが合宿の準備を初めて…)」
京太郎「(松実館で泊まり込みの練習を始めた)」
京太郎「(合宿で抜ける玄の代わりに何度も顔を出してるけれど…)」
京太郎「(そこにいたのは現役の時以上に必死になって打つ皆の姿だった)」
京太郎「(そんなに頑張って大丈夫なのかと思うけれど…)」
京太郎「(でも…それを止める事は俺には出来ない)」
京太郎「(皆…俺を治す為にそんなに必死になってくれているんだから)」
京太郎「(それを俺が…水を差す訳にはいかない)」
京太郎「(それよりも…憧や穏乃と少しでも打って…負ける確率を高めておこう)」
京太郎「(そう思って…過ごした一週間はあっという間に過ぎて…)」
京太郎「(…卒業式、高校最後の日がやってきた)」
これバトルまで行く?
なら今のうちにコンマテス
明日確実にエンディングに入れるようにラストバトルの一回目か二回目くらいまでは処理しようかなーと
ただそろそろ眠いのでおそらく三時くらいには力尽きるかもです…
W「うっぐ…ひっぐ…」
京太郎「あー…もう泣くなって」
W「でも…師匠ぉ…」ボロボロ
京太郎「中学の頃に一回やってるだろ」
W「そんなんじゃ…どうにも出来ません…!」
W「俺は…俺は…やっぱり師匠と一緒にいたいです…!」
ヒソヒソアノフタリッテヤッパリ…ホンメイハWダッタノネ
京太郎「…あー…まぁ、俺も同じ気持ちだよ」
京太郎「俺もお前らとまだまだ一緒にいたい」
京太郎「…この学校を卒業したくないよ」ポン
京太郎「…でも、俺はもう行かなきゃいけない」
京太郎「…これまで見送ってきた俺が…ここで足を止める訳にはいかないんだよ」
W「ししょぉぉ…!!」ボロボロ
京太郎「だから…今度はお前の番だW」ポン
京太郎「…泣いても良い。引き止めても良い」
京太郎「…でも、今までの俺がそうであったように…」
京太郎「出来れば…最後は送り出して欲しい」
W「…ぐっ…は…ぃ゛…」
W「俺は…俺は師匠の事を…須賀先輩の事を…送り出します」
W「「…プロの世界でも…頑張ってください…須賀先輩…!」
京太郎「…あぁ。ありがとうな」
京太郎「やっぱりお前は俺の自慢の後輩だよ」
W「…あ゛りがとう…ござい゛ます……」グジュッ
京太郎「…W。お前はまだまだ伸びしろが山ほどある」
京太郎「でも、それだけにとらわれずに…もうちょっと周りを見ると良い」
京太郎「お前の周りには支えてくれる奴らがたくさんいる」
京太郎「俺だけじゃない…大事な奴が他にもいるだろ?」
W「…はい…っ」
京太郎「…お前は自分で進む事で周りを引っ張っていくタイプのリーダーだ」
京太郎「でも、だからって周りに頼っちゃいけない訳じゃない」
京太郎「いざって時は…周りに甘えていいんだ。それを忘れるなよ」
W「分かりました…!心に…刻みます…!」
京太郎「…よし。…それでY」
Y「…はい」
京太郎「Wも含めて皆の事…よろしく頼むな」
京太郎「こいつはまだ荒削りで…きっと失敗も多いと思う」
京太郎「でも、その時、それを指摘して…支えてやれるのはきっとお前だけだ」
京太郎「大変な役目だとは思うが…頼む」
Y「…了解です…須賀先輩」
京太郎「ん?」
Y「…プロでのご活躍期待しています」
京太郎「…あぁ。ありがとうな」
α「…卒業…かぁ」
β「…あぁ。これで本当に終わりなんだよ…な」
京太郎「だなぁ…」
α「……でも、思い返すと長かったよな」
β「そうだな…なんだかんだ言って…もう六年一緒か」
京太郎「クラスも一緒だったしな。腐れ縁って奴か」
α「ま、流石にここでそれも途切れるけどな」
β「俺達はインターカレッジに行くし…」
京太郎「…そう…だな」
α「…でも、忘れるなよ」
α「別にそれが途切れても…俺達の関係が終わった訳じゃない」
α「…その気になれば何時だって会う事が出来るんだ」
α「俺達は…阿知賀の黄金世代は…何時迄も不滅だ」
β「…なんだよ、マジになってさ」
α「…うっせーよ。…流石にちょっと…寂しいんだよ」
うん…まぁ、だからラストバトルって銘打ってるけど割りと楽勝なんだよね(白目)
なんもかんも憧が強くなりすぎた…
京太郎「ま、部長様の最後の言葉だし…ちゃんと聞いとくか」
β「それもそうだな」
α「なんだよ…お前ら」
α「今まで部長とか…殆ど言った事がない癖にさ」
京太郎「これでも感謝してるんだぜ?」
β「そうそう。…三年間、お疲れ様」
京太郎「俺らのこと引っ張ってくれてありがとうな」
β「…ま、流石に深淵の騎士団なるものに入れられたのはびっくりしたけどさ」
β「でも…まぁ、それも含めて今では良い思い出だよ」
京太郎「あぁ」
α「ば……バカな事言いやがって…!」
α「おま…お前らの方こそ…俺…俺は…感謝してるんだぞ…」ポロポロ
あ、いや、違う、二回戦の時と同じく特殊勝利が来ると能力封じが来るから特殊勝利されるとダメだね
三人の内誰か一人でも85以上出せば勝てる感じ
α「浮いてた俺と友達でいてくれてありがとう…」
α「ずっと…バカな事やってくれて…ありがとう…」
α「お前らは…最高の友達だ…」
京太郎「なーに当然の事言ってるんだよ」ジワッ
β「…あったりまえだろ。何年の付き合いだと思ってるんだよ」ジワァ
京太郎「ほんっとだよ…そんなの…今更だろうが…」
京太郎「…俺も…お前のこと最高の友人だって思ってるよ」
α「…はは…恥ずかしいっての…お前ら青春し過ぎ…」
β「うっせ。ばーか…この…ばーか…」グジグジ
β「んなバカだから…放っとけないんだろうが…グジグジ
京太郎「…あー…俺ら何してるんだろうな」
α「…青春だろ、一応」
β「男三人で泣くとか黒歴史以外の何物でもないけどな」
京太郎「ま、その辺は…何時か笑い話にでもしようぜ」
α「…だな」
β「そうだな。何時かまた…会う時もあるだろうし」
α「同窓会には絶対来いよ」
β「仕事だとかいう甘えは許さないからな」
京太郎「いや、そこは許してくれよ…」
京太郎「ま、出来るだけ行くようにはするよ」
京太郎「俺もお前らと会いたいしな」
α「…会えれば良いなぁ」
β「次に会う前に刺されたりするなよ」
京太郎「…それはないって多分」
まさかそこまでちゃんと見てくれてる人がいるとは…
間違えてから修正する暇なかったけど、実は黒嬢は種別:スキル/オカルトなんだ
だから一応、終焉世界で無効化出来る
と言うか出来ないと二回戦の勝ち筋がない、いや、マジで
京太郎「…あ」
α「…新子と高鴨か」
β「今日は決戦なんだっけ?」
京太郎「…おう」
α「頑張れよ…って言うのも変な話か」
β「負けなきゃいけないんだったっけ?」
京太郎「一応…そうらしいな」
α「ま、今まで女の子弄んだ報いだろ」ウケケ
京太郎「っせーな。…一応反省してるっての」
β「ま、なんとかならなくても…俺らがお前の友達である事に代わりはないよ」
α「もしダメだった時は俺らがぶん殴って正気に戻してやるから安心しろ」
京太郎「おう。ありがとうな」
β「よし・…じゃあ最後の戦い…行って来い」
α「出来るだけ無様に負けてこいよ」
京太郎「解ってるっての。…じゃあな!」
憧「…おかえりなさい。もう良いの?」
京太郎「…あぁ。何もこれが今生の別れって訳でもないしさ」
京太郎「でも、色々と話してる間に待たせてたみたいだな。悪い」
穏乃「仕方ないよ、卒業式だもん」
憧「…うん。別に鬼じゃないんだからそれくらい多めに見るわよ」
京太郎「…ありがとうな」
京太郎「お前らが居てくれて…本当に良かった」
京太郎「お陰で…最高の三年間だったよ」
憧「なーに言ってるのよ」ポン
穏乃「そうだよ。それが決まるのは…これからなんだからね」ギュッ
憧「…あたし達の三年間の集大成…」
穏乃「最後の麻雀で思いっきり賭けるから…」
京太郎「…おう。俺も全力で相手をするよ」
【京太郎の部屋】
晴絵「おっかえりー」
京太郎「ってレジェンド…」
晴絵「あはは…いやぁ…送別会とか色々誘われたんだけど…やっぱこっち気になってさ」
晴絵「まぁ、居ても何かする訳じゃないんだけど…車飛ばして来ちゃった」テヘペロ
玄「えへへ…私達は朝からずっと待機中だったけどね」
宥「卒業式行きたかったけど…OBが入っちゃいけないし…」
やえ「私なんかは完全に部外者だしね…」
京太郎「いや、そう言ってくれるだけでもうれしいよ」
灼「…うん。じゃあ、改めて…京太郎、卒業おめでとう」
京太郎「ありがとうな。ここまでこれたのは…皆のお陰だよ」
灼「…うん。それはこっちのセリフ…」
玄「それにね…本番はこれからだよ」グッ
宥「うん。だから…とりあえず駆けつけ3杯で良いかな…?」トポトポ
京太郎「う…い、いきなり三杯も…?」
やえ「まぁ、無理しない程度にな、眠ったりしたら元も子もない訳だし…」スッ
京太郎「…そう言いながらカクテル差し出すんだなやえさん…」
やえ「の、喉が渇いたかなーって思っただけだから…」メソラシ
晴絵「さて…じゃあ、京太郎が呑んでる間にルール説明するよ」
晴絵「今回のレギュレーションは主にインターハイのものに準じます」
晴絵「つまり半荘二回で役もインターハイで採用されているものだけ」
晴絵「大きく違うのは一人ずつの持ち点5万点である事と半荘終わったら交代すると言う事だね」
京太郎「…つまり?」グビグビ
晴絵「前半戦は憧、宥、灼が相手をするけど、後半戦は穏乃、玄、小走さんが相手になるって事」
晴絵「勿論、点数はそれぞれ引き継ぐからどれか一家でも飛んだらそこで終わり」
京太郎「……なるほど」
晴絵「ま、こっちに多少有利なようにオーダーは組ませてもらったけど…」
京太郎「…問題ない。それくらいは予想してた事だし…」
京太郎「何より…全員飛ばせば問題ない訳だろ?」ズズ
憧「…っ!」ゾクッ
あ、ごめん。違う。
灼とやえさんが逆だ;;
前半戦は憧、宥、やえで 後半戦が穏乃、玄、灼になりまする
昔は卒業生=OBしか聞いたことなかったけど、最近は女性の卒業生OGって呼ばれるね
あれっていつからだろ
>>538
うーん…少なくとも数年前はOGなんて言われてなかったけどなぁ
あくまでうちが行ってた大学は~だけど
つか、そんな言葉今はじめて聞いたよ!!
えっ、OGって普通じゃ…
そうそう
んで、オールドガール(OG)ってわけ
マジかー…うちじゃ皆、男子も女子も合わせてOBだったよ…
ってかオールド・ボーイはともかくオールドガールってなんか凄い微妙だな
京太郎「その程度の小細工で負けるような俺じゃない」
穏乃「(違…う…)」ゾッ
玄「(目の前にいるのは…京太郎君じゃない…)」
宥「(もっと気持ち悪くて…恐ろしいものに…支配されてる…)」
やえ「(こんなものを…今まで京太郎君は押さえ込んでいたの…?)」カタカタ
灼「(…正直、怖い。でも…!)」
憧「(……今日、この時の為に皆我慢してきた)」
憧「(頑張ってきた…)」
憧「(…例え相手がどれだけ恐ろしくても…負けない…絶対に…!)」
京太郎「さぁ…早くやろうぜ」
京太郎「そんな小細工ごと…纏めて捻り潰してやる」ゴッ
※須賀京太郎の弱体化により運命の二つ名が使用不能になりました
>>+1京太郎(雀力17+能力300+キス5)+322
>>+2憧(雀力10+能力65-能力(京太郎)249) -174
>>+3宥(雀力8+能力42-能力(京太郎)249) -199
>>+4やえ(雀力12+能力60) 72
なんだこの低コンマは(絶望)
>>京太郎 353
>>憧 0 → 黒嬢発動(75+364) →439
>>宥 0
>>やえ 99
憧「くっ…」
憧「(ダメ…手が悪い…っ!)」
憧「(前半戦…鍵となるのは私なのに…)」
憧「(こんな…不甲斐ない手じゃ…」
京太郎「……」ズズズ
憧「(捕まった…!?)」
憧「(…あの時と…二回戦の時と同じ…!)」
憧「(ダメ…これじゃ…逃げられない…)」
憧「(また…流局間際で…京太郎に和了られる…!)」
憧「(今までの傾向なら…点数はそれほどでもない)」
憧「(…けど…!)」
京太郎「…チー」
憧「…っ!」ゾッ
憧「(ダメ…だ。今の京太郎は…ダメだ…)」
憧「(あの手…どう見ても低くなんかない…!)」
憧「(おそらくかなりの高め…それも…満貫クラスを張ってる…!!)」
憧「(私が…私が…なんとかしなきゃ…)」
憧「(なんとかしなきゃ…いけないのに…!!)」
宥「…大丈夫だよ、憧ちゃん」
憧「え?」
宥「…ね、きょーくん…覚えてる?」
宥「私と…最初に会った時の事」
宥「…最初…私は逃げ出しちゃったよね」
憧「…宥姉?」
宥「臆病で…引っ込み思案だった私は…」
宥「きょーくんの事が怖くて…皆に歓迎されないのが恐ろしくて…」
宥「きょーくんの前から…逃げ出しちゃったよね」
宥「…私、あの時よりもずっと怖いよ」
宥「…ほら、見て。手なんて…さっきからプルプル震えてる」プルプル
宥「おねーちゃんなのに…相手はきょーくんなのに…」
宥「…私、今こんなに怯えてるよ」
玄「…おねーちゃん」
宥「でも…ね」
宥「…私、逃げないよ」
宥「あの時よりも恐ろしいけれど…でも」
宥「私は…もうそんなものには負けたりしない」
宥「…きょーくんのお陰だよ」
宥「きょーくんが…私の事強くしてくれたから」
宥「一杯…暖かいものをくれたから…私はこうして…」
宥「…きょーくんの前にいられる」
宥「…ううん…いるだけじゃない」
宥「手を差し伸べても…あげられる」
京太郎「…そんな事頼んだつもりはない」
宥「うん。そうだね」
宥「だから…これは私達の我儘」
宥「だから…きょーくんの顔で…きょーくんの声で…」
宥「そんな事言っても…怯んだりはしない」
宥「私はもう…決めたんだ」
宥「どれだけ自分勝手でも…きょーくんを幸せにするって」
宥「暖かくて幸せな世界を…きょーくんと共有するんだって」
宥「……だから…お願い。やえちゃん」
やえ「…分かった」
松実宥の【大蛇神の虜】発動!!
やえ「…」スッ
宥「ポン」
宥「ポン」
宥「さらにポン…!」
京太郎「…な…っ!イカサマだ…!」
宥「イカサマじゃないよ、通しも何もしていない」
やえ「…ただ、私のところに来た宥の当たり牌を放出しているだけだ」
京太郎「それがどうしてそんな結論に…あっ…」
宥「…気づいた?そう…きょーくんのお陰だよ」
宥「きょーくんが私のトコロに来るはずだった暖かい牌を…よそに持って行くから…」
やえ「それを出せば…宥が鳴ける」
やえ「至極当然の結果だな」
京太郎「…くっ」
>>京太郎「それがどうしてそんな結論に…あっ…」
↓↓
京太郎「それがどうしてそんな正確に…あっ…」
でオナシャス!!なんで正確が結論になるんだろ…(白目)
矢印ィー!
宥「…私の能力有りきの…無茶苦茶なやり方だけど…」
やえ「でも、今の三連鳴きでツモ順も変わった」
京太郎「っ!」
やえ「…さぁ、次に宥のところに来るのは…誰の当たり牌かな?」
京太郎「……く」
憧「…悪いけど鳴かせないわよ?」スッ
京太郎「…現物…!?」グッ
憧「あたし達の目的は…京太郎に勝つ事であって一位になる事じゃないもの」
やえ「…卑怯だとは思うけれど…それくらいの小細工は超えてくれるんだろう?」スッ
宥「…皆ありがとう」
宥「……お陰で暖かいのが引けたよ」ニコ
宥「…ツモ。2000・4000…満貫です」
宥「…まずはおねーちゃんの一勝だね」クス
松実宥の【大蛇神の虜】
自身のコンマが【思い出+愛情度】以下の場合に特殊勝利する
この特殊勝利は特殊勝利同士でぶつかった場合、優先される
>>+1京太郎(雀力17+能力300+キス5)+322
>>+2憧(雀力10+能力65-能力(京太郎)249) -174
>>+3宥(雀力8+能力42-能力(京太郎)249) -199
>>+4やえ(雀力12+能力60) 72
あ、ちなみに宥姉の【大蛇神の虜】が発動する条件は補正前コンマが20以下だった場合です
また一度の対局で一回しか使えません
てっきりぞろ目ボーナスだと思った
大蛇神の虜ってオカルトっぽいけど無効化されないの?
あ、しかも前局アルター・エイリアス入れるの忘れてるじゃん…
まぁ、憧が多少下がったところで宥姉の勝利には変わりがないけど…
すみません、次から入ります…って事で結果
>>京太郎 368
>>憧98 →黒嬢発動(75+364) → 反転世界発動(-85) → 452
>>宥 0
>>やえ141
アコチャーは強い(確信)
ってところで申し訳ないですが今日は終わります…
明日はちょっとやる事があるんで昼ごろから始められたら良いなと思ってます
>>572
あ゛………………うん、無効化されるな(白目)
でも、書きなおして京太郎側勝利ってなると読者が不利になるし…
一応、特訓で習得した能力って事で初お披露目なんで、
能力を【特殊勝利同士だと有利】から【相手の特殊勝利を無効にする】って効果に変えます…ごめんなさい;
乙~
いや…こうした方がわかりやすいか
補正前コンマも結構重要になってきたしなー
>>京太郎46 → 368
>>憧98 →黒嬢発動(75+364) → 反転世界発動(-85) → 452
>>宥 50 → 0
>>やえ69 → 141
後、能力そのままで書き直せよって人が多ければ結果から書き直します
では、今日はもうおやすみなさーい…
咲世界の神=リッツに出番をなくされた結果モモ以上のステルス体質になって幼馴染と同系能力のモモぐらいしか感知しなくなって
少しでも自分を見てほしいと思った結果その身長とどれだけ目立ってもVTR確認しないとわからないほどのステルスを生かし
バスケで大会を総なめし世界にも進出するほどになるけど誰にでも知られているけど誰も自分を見つけてくれない葛藤に苦しみ
咲も咲で今まで近くにいた幼馴染がどこか遠くに行ってしまって今まで通りに接することができなくなって悶々とした日々を送り
京ちゃんは試合を重ねて進化してしまったステルスによってでついに今まで見えていた人にも見えなくなってしまった結果
どうして自分は近くに自分が見える人がいる幸せに気づかなかったんだろうと自分の選択を後悔しながらも
自分でも本当に自分がここにいるのかわからなくなって狂いそうになりながらも見える人を探すも誰もおらず絶望しきったその時
オカルトの強さと幼馴染であったがゆえにまだおぼろげに自分がわかった照に照魔鏡で見つけられ自分がここにいると再確認して
その数年後世界的に有名なバスケットボールプレイヤーとある麻雀プロが結婚するという京照ください
>>580
人のスレに誤爆したんだ、覚悟はできてるんだろうなぁ…!?(ビキビキ)
―― 例えば世界から疎まれた存在となって
―― 誰にも認識されなくなって
―― 一人ただ狂っていくだけなのだとしたら
―― はたしてそれは『生きている』と言えるのだろうか?
桃子「…きょーさん」
京太郎「あぁ、モモか…」
桃子「今日はどうでした?」
京太郎「ダメだったよ、やっぱり今日も話しかけられなかった」
桃子「そうっすか…」
京太郎「…やっぱりそうなのか?」
京太郎「俺も…モモみたいになっていってるって言うのは…本当の事なのか?」
桃子「…おそらく」
京太郎「…そっか」
京太郎「…辛いなコレ」
京太郎「前に…モモに分かる…なんて下らない事言ったけど…」
京太郎「今は本当に分かるよ、モモの辛さも…加治木さんにアレだけ依存した訳も」
桃子「……きょーさん」
京太郎「俺は…どうしたら良い?」
京太郎「いや…誰にも話しかけられない俺は…これからどうなっていくんだ…?」
桃子「…これからもっともっと…酷くなっていくと思うっす」
桃子「今は話しかけられないだけで済むかもしれないですけど…」
桃子「きょーさんのステルスっぷりは日に日に酷くなっていってるっすから…」
桃子「何時か視界に入っても気づかれないくらいひどくなる可能性もあるっす」
京太郎「……そう…か」
桃子「きょーさん…あの…元気だして下さいっす」
京太郎「元気…?そうだな…麻雀部の皆にろくに話しかけられなくなって…」
京太郎「クラスでも仲の良い友だちから無視されるようになって」
京太郎「それでも俺は元気を出すべきなんだな」
桃子「…ごめん…なさい」
京太郎「いや…俺の方こそ…悪かった」
京太郎「…八つ当たりして…ごめん」
京太郎「でも、俺…本当にどうしたら良いのか分かんないんだ…」
桃子「…きょーさん…」
桃子「それなら…コレを期に何かを始めてみたらどうっすか?」
京太郎「…何かを?」
桃子「きょーさんが私に言ったじゃないっすか」
桃子「誰にも気づかれないステルスをメリットとして使える私が凄いって」
桃子「…アレは嘘だったんっすか?」
京太郎「嘘じゃない。本心からのもんだ」
桃子「…じゃあ、きょーさんも凄くなるっすよ」
京太郎「……なれるのかな?」
桃子「勿論っす。だって…きょーさんは元から凄っすから」グッ
京太郎「はは。なんだよそれ」
桃子「だって、先輩以外で私の事一発で見つけられたのってきょーさんだけっすよ?」
京太郎「それはおも…」
桃子「おも?」
京太郎「い、いや、なんでもない」
京太郎「でも…そう…だな」
京太郎「…少しは前向きになってみるか」
「人が見えなくなるなんてそんなオカルトありえません」
桃子「そ、そうっすよ。それに…私もいます…し」モニョモニョ
京太郎「ん?モモが?」
桃子「あ、えっと…あの…その…」
桃子「わ、私がステルスの先輩として出来るだけサポートするっすから!!」
桃子「だから、大丈夫って事っす!!」ググッ
京太郎「お、おう…そうか」
桃子「そうっす!」
桃子「……うぅ…私のヘタレ…」
京太郎「…???」
………
……
…
A田「ふんふふーん」
京太郎「あ、A田ちょっと良いか?」
A田「うぉあわ!?って須賀か…」
京太郎「悪い。驚かせたか?」
A田「あぁ…でも、お前そんなところに居たのか?まったく気づかなかったぞ…」
京太郎「…最初からいたんだ」
京太郎「まぁ、良い。それよりA田、お前…バスケ部だったよな?」
A田「あぁ、今から部活だけど…どうしたんだ?」
京太郎「…頼む。俺をバスケ部に入れてくれないか?」
A田「え?」
>>589
…あ、これ京和じゃね?(錯乱)
ダムダム
A田「圧力かけろ!潰していけ!!」
「くっ…」
京太郎「…」スゥ
「んな…!」
京太郎「頂き…ぃ!」パァン
「出たー!清澄のPG須賀選手!!」
「今試合連続24回目のスティールです!!」
「スティールが上手い選手というのは居ますが…彼のそれはレベルが違いますね」
「攻守共にチームの歯車となっています。昨年は三回戦負け清澄がインターハイまで来れたのも」
「間違いなく彼の活躍によるものでしょう」
京太郎「(俺に出来る事…!)」
京太郎「(それは…一年間ミッチリやったスティールとパスだけ…!)」
京太郎「(だけど…それだけでチームは回る…!)」
京太郎「(俺でも…皆の役に立てる…!)」
京太郎「(誰にも気づかれないというデメリット…)」
京太郎「(それを活かす事が出来る…!)」
京太郎「(嬉しい…楽しい…)」
京太郎「(もっと…これを楽しみたい)」
京太郎「(もっと…これを教えてくれた人の役に立ちたい…)」
京太郎「(だからこそ…俺は…!!)」
ピッピー
「試合…終了!!」
「優勝はインターハイ優勝は…清澄高校です!!」
京太郎「…はぁ……はぁ…」
A田「須賀!何処だ!?」
京太郎「…ここだよ」スッ
A田「はは…!やったな…!こいつぅ!」ガシッ
京太郎「うわ…っ!やめろよこら!」
A田「ばーか。インターハイ優勝の立役者を離すかよ!」
A田「おら、皆で胴上げだ!!」
「……あの、きょーさん、今時間良いっすか?」
「悪い。今日はバスケの練習試合でさ」
「京ちゃん、あの…映画館行かない?実はチケット…」
「すまねぇ。合宿で忙しいから…誰か別のやつと行ってきてくれ」
「…きょーさん、たまにはで、でで…デートとかどうっすかね?」
「…悪い。疲れてるんだ。また今度な」
「京ちゃん、あの…私、告白されちゃったんだけど…」
「ん…嫌じゃないなら請ければ良いじゃないか」
「…きょーさん、最近、バスケばっかりで…」
「…俺なりに頑張ってるんだ。ほっといてくれ」
「…え?俺がアメリカに…ですか?」
「…はい!勿論です!ありがとうございます!」
「精一杯頑張ります!!」
なんかすげーバスケの大会
京太郎「…はぁ…はぁ…」
京太郎「(…嘘…だろ…)」
京太郎「(ここまで順調だった…アメリカでも…俺の能力は通用した…)」
京太郎「(チームメイトは実力も相性も最高で…)」
京太郎「(全米トップの決勝戦まで来る事が出来た…なのに…)」
京太郎「(今俺たちの歩みは…ここで遮られようとしている)」
京太郎「(…対戦相手は去年は下位チームだった)」
京太郎「(中堅どころか…下から数えた方が早いようなチーム)」
京太郎「(いや…今だってチームとしては…間違いなく下位だ)」
京太郎「(そんなチームがここまで来たのは…ひとえに…)」
エトー「…」ゴゴゴ
京太郎「(…この化け物の所為だ)」
京太郎「(身長210cm…長身の多いバスケ選手の中でもさらに飛び抜けてデカイ巨人だ)」
京太郎「(手足も長く、こいつが中央で両手を広げているだけでかなりの威圧感がある)」
京太郎「(何より最悪なのは…こいつが人並み外れた反射神経を持っているという事)」
京太郎「(神速のインパルス…そんな風にも名付けられる人間の限界速度)」
京太郎「(それに到達したこいつは…パスを見てから反応できる)」
京太郎「(お陰で…俺のスティールも…ステルスパスもまったく通じない…)」
京太郎「(その上身体能力も飛び抜けてて…他の皆でも手が出ないとなってる…)」
京太郎「(ドリブルだけで数人突破とか…このレベルの大会じゃまずありえないはずなのに)」
京太郎「(まるでそれを遊びのようにやってのけるんだから)」
京太郎「(…でも、負けたく…ない)」
京太郎「(勝ちたい…この皆と…)」
京太郎「(未だに…消える事くらいしか取り柄のない俺を…受け入れてくれた皆と…優勝したい)」
京太郎「(…こんな何もかも輝いて…存在感に溢れるような奴には…負けたくない…!)」
日系アメリカ人じゃね?あ、別にストーカーじゃないんで(震え声)
京太郎「(もっとだ…もっと薄く…)」スゥ
京太郎「(ボールを持ってる時すら…気付かれないように…薄く)」
京太郎「(まるで幽霊のように…人の気を引かず…映らず…)」
京太郎「(そして……)」ユラァ
「…」パッ
京太郎「(…もらった!)」
エトー「っ!」
京太郎「(反応した…だけど…)」スゥ
エトー「…え?」
京太郎「(俺は…空気だ)」
京太郎「(見えない…映らない…)」
京太郎「(見えなきゃ…ボールは取れない…)」
京太郎「(下手に取ろうとしちゃ…ファウルになるからな…!)」
京太郎「(それに…俺が見えなきゃ…)」
京太郎「(折角の反応速度だって…完璧に使いこなせないだろ…!)」スッ
エトー「…くっ!」
京太郎「(躊躇した…!その間にっ!)」スッ
京太郎「(頼む…!マイケル気づいてくれ…!)」シュッ
マイケル「(…スガ、ユーが何処にいるのかミーは知らない)」パッ
マイケル「(だけど…ユーがやりたがってる事は分かるネー)」
マイケル「(ユーがアメリカに来てから何度もやってきたフォーメーションの練習)」
マイケル「(ミーが提案したそれを…何度も反復したヨー)」
マイケル「(そして…ナウなこの布陣)」
マイケル「(それを試すのはうってつけ…ネ)」
マイケル「(びこーす…ミーは信じるね)」
マイケル「(ユーがこのタイミングで何を信じるか)」
マイケル「(ユーの親友だったミーだけは…それを信じる)」
マイケル「(何時も自信がなくて…誰よりも遅くまで練習していたユーなら…)」
マイケル「(ラストに信じるのは…自分のトレーニングだった…と)」シュッ
京太郎「(…最高だマイケル)」
京太郎「(そうだ…その位置だ)」
京太郎「(あの化け物の射程にも入らない…ギリギリの距離)」
京太郎「(その角度の…ゴールへのパス)」
京太郎「(それなら…追いつける…俺が…入れられる…!)」
京太郎「(渾身のアリウープ…決まってくれ…!)」ズドン
ピッピー
「試合終了…!!」
「逆転!まさかの逆転です!」
「VTRを確認…やはりMrスガです!」
「Mrスガのアリウープ連発!」
マイケル「何処だ!?スガ…!?」
京太郎「……マイケル?」
マイケル「スガー!?」
京太郎「おい、俺はここにいるぞ」
マイケル「何処に行った…?」
京太郎「ここにいる…!俺は…ここにいるんだ…!」
マイケル「スガ…嘘だろ…」
マイケル「VTR…VTRは何処だ!?」
マイケル「おいテレビ局!スガはここにいるのか!?」
「い、います…カメラには…映っています…」
「ま、マイケル選手の隣で…何かを必死に伝えようと…」
マイケル「…なんだ?何が言いたいんだ?」
マイケル「スガ…聞こえない…」
マイケル「何も…聞こえないんだ…」
京太郎「………ありがとう」
―― 例えば世界から疎まれた存在となって
―― 誰にも認識されなくなって
―― 一人ただ狂っていくだけなのだとしたら
―― はたしてそれは『生きている』と言えるのだろうか?
俺の答えはノーだ。
誰も知られない…認識されない。
ビデオカメラに映って…ようやく存在が確認される程度。
そんな俺が…生きているはずがない。
…チームの契約も打ち切られた。
そもそもロビーの人間にさえ俺は見えないのだから。
そんな気味が悪い存在を何時迄もチームに置いておくはずがない。
契約の打ち切りにともなってかなりの違約金が払われたけれど…正直それは何の慰めにもならなかった。
寧ろ…金を払うからもっとあのチームでやらせて欲しい。
声がかれるほど叫んだそれでさえ…ロビーの人間には届かなかった。
―― 結果、俺はアメリカにある自分の部屋で鬱屈とした日々を過ごしている。
夢破れたとは言え、日本に帰る気にはなれなかった。
なにせ俺は夢の為に多くのものを犠牲にしてきたのだから。
俺の事を最後まで案じてくれた…同じ能力を持ってたモモ。
それに…朧げながら見える俺を探し続けた咲。
俺は彼女たちにろくに相談する事なく日本を飛び出した。
…それなのに今更、どんな顔をして帰れるだろうか。
日本で俺のことをどう報じられているかすら知るのが恐ろしいと言うのに。
―― 幸い生きていくのに十分な金はある。
だが…あくまでそれだけだった。
見えない俺ではろくに買い物も出来ない。
そもそもあの決勝戦から会話すらロクにしたことがなかった。
誰も俺の事が見えないし、声も聞こえないのだから当然だろう。
―― それでも宅配サービスにより食料は運ばれてくるから問題はない。
これで生きていくのが不可能になっていれば俺もまだ完全に絶望出来ただろう。
だが、高度に発達した現代社会は認識すら出来ない人間を活かす事も可能だ。
結果、俺は自分で自分を殺す事も出来ず、起きて寝るだけの日々を過ごしている。
―― では…俺は何の為に生きている?
それに応える言葉は俺の中にはなかった。
強いて言うなら…死ぬのが怖いから生きている程度。
そんな後ろ向きな動機しか…俺の中には残されていなかった。
夢も実現される道はなく…ただただ朽ちるだけしか…俺には残されていないのである。
―― いや…そもそも俺はここに『いる』のか?
誰にも認識されない俺は…ただそう思い込んでいるだけではないのだろうか?
今の俺は生きていると思い込んでいるだけの幽霊ではないのだろうか?
本当の俺は…あの決勝戦で死んでしまったのではないだろうか?
京太郎「あ…あぁ…ぁ…」
それに時折、気が狂いそうになる。
自分で自分の実在すら信じられない。
生きている実感すらなく、ただ朽ちるだけの未来。
死にたい。でも、生きたい。
そんな感情に挟まれて…身体が震える。
京太郎「ああああああああああああああああああ!!!!!」
誰か声をかけて欲しい。
俺が生きているのだと言って欲しい。
ここにいるのだと教えて欲しい。
…だけど、その声は勿論、届かない。
誰にも、何処にも…届くはずがない。
幼馴染にも…同じ思いを共有した仲間も。
全て俺は…夢の為に捨ててきてしまったのだから。
京太郎「はぁ…はぁ…」
そんな発作も喉が枯れるほど叫べば少しは収まる。
相変わらず気が狂いそうなのは変わらないが、それでもほんのすこしだけ心が落ち着いた。
しかし、それは今だけの事でしかない。
日に日に発作の間隔が短くなっている事を思えば、何時かは本当に気が狂ってしまうだろう。
いや…もしかしたらもう俺は狂っているのかもしれない。
京太郎「…助けてくれ…誰か…」
もし、俺があのまま日本にいたらどうなっていただろうか。
多分、日本でプロになったらしい咲やモモと仲良くやれていただろう。
もしかしたら二人のどちらかと付き合っていた未来もあったかもしれない。
だけど、それはあくまでもしもの話だ。
でも…俺にはもうそんなものしか縋るものがない。
未来を閉ざされた俺にはもう過去しか思いを馳せられるものがないのだ。
京太郎「…あぁ…」
だが、それすらも俺にとっては苦痛でしかない。
そうやってもしもを思う度に、過去を思う度に。
取りこぼしてきた物の大事さに気づくだけなのだから。
どうしてあの時、もっと優しくしてやれなかったのか。
どうしてあの時、もっと気にしてやれなかったのか。
そんな言葉が胸を突き、吐き気となって俺を襲う。
ピンポーン
京太郎「……」
瞬間、部屋に響くインターフォン。
俺はそれに応えるつもりはまったくなかった。
なにせ、俺の姿は誰にも見えないのだから。
応答する為に出たとしても無意味でしかない。
今日は食料の注文もしていないし、わざわざ身体を動かす理由はないのだ。
ピンポーン
しかし、そうやって居留守を続けてもインターフォンは鳴り続ける。
五分、十分と経っても…変わらずに。
まるで俺が家にいる事を知っているようなその諦めの悪さに思わずため息を吐いた。
幾ら無気力な俺でもこうも続けば苛立ちも覚える。
宗教の勧誘だかなんだか知らないが…適当に驚かせて帰してやろう。
ガチャ
照「……あ、京ちゃん」
―― そう思って扉を開いた俺の目の前にいたのは…日本でトッププロとして活躍するもう一人の幼馴染だった
よし。本編をやろう(提案)
やり直したほうが良いって人が一人居て、そのままで良いって人がいないんでちょっとやり直します
>>563から再開しまする
ただ、次の判定結果はもう出てるんで、二回目は憧の特殊勝利で終わるね
今日の安価は三回目の判定から入ります
宥「…私の能力有りきの…無茶苦茶なやり方だけど…」
やえ「でも、今の三連鳴きでツモ順も変わった」
京太郎「っ!」
やえ「…さぁ、次に宥のところに来るのは…誰の当たり牌かな?」
京太郎「……く」
憧「…悪いけど鳴かせないわよ?」スッ
京太郎「…現物…!?」グッ
憧「あたし達の目的は…京太郎に勝つ事であって一位になる事じゃないもの」
やえ「…卑怯だとは思うけれど…それくらいの小細工は超えてくれるんだろう?」スッ
宥「…皆…ありがとう」
松実宥の【大蛇神の虜】
自身のコンマが【思い出+愛情度】以下の場合に特殊勝利する
この特殊勝利は特殊勝利同士でぶつかった場合、優先される
宥「お陰で…条件は整った…」
宥「これで…」スッ
宥「……え?」
京太郎「…どうした?」
宥「…う、嘘…」
京太郎「…もしかしてそれが和了牌だとでも思い込んでいたのか?」
京太郎「 ―― …駆け引きの経験不足だな」
京太郎「焦っていたように見えたのは全部演技だ」
京太郎「それは…宥さんの和了牌でもなんでもない」
宥「…くっ」スッ
京太郎「…そして考察不足でもある」
京太郎「…それは俺の和了牌だ」
京太郎「…ロン。12000」
宥「…あ…っ」ビクゥ
誤爆したネタを最後まで書く訳ないだろ!!!!
いや、まぁ、コレ以上あっちに構うと今日完結させるって予定が狂っちゃいそうでさ…
あ、思いっきり弄ったけれど面白そうだったから書いただけで別に責める意図はないからね!?
俺もコメント欄をメモ帳変わりにして誤爆したりする事あるから気にしないで
こっちの方こそいじりまくってごめんなさい
>>京太郎46 → 368 → 反転世界発動(-52) → 316
>>憧98 →黒嬢発動(75+364) → アルターエイリアス発動(-85) → 452
>>宥 50 → 0
>>やえ69 → 141
→ 憧の特殊勝利です
宥「…」フルフル
やえ「(ダメ…宥が完全に飲まれてしまってる…)」
やえ「(このままじゃ…宥が飛ぶ…けれど…)」チラッ
京太郎「…どうした?」ゴゴ
やえ「…く…っ」
やえ「(…この状況下で…差し込みなんて出来ない)」
やえ「(京太郎君の待ちは…分からないけれど…)」
やえ「(たった一回…あのインターミドルの半荘を見る限り…)」
やえ「(私達の誰かの待ちに…合わせている可能性が高いんだから)」
やえ「(…特にさっきの一撃…アレは…)」
やえ「(…私達の中で駆け引きに優れているが故に…出来る事だ)」
やえ「(大会などで常に最高の成績を収めてきた京太郎君は…)」
やえ「(この中の誰よりも…駆け引きに強い…)」
やえ「(…疑心暗鬼にさせるのが目的だと分かっていても…)」
やえ「(そうならざるを得ないくらいに…!)」
やえ「(…勿論、能力も恐ろしい)」
やえ「(手札の多さも驚異的だ)」
やえ「(だけど…一番恐ろしいのは…勝負強さとそれに裏打ちされた駆け引きの経験値…!)」
やえ「(この中の誰よりも高いであろうそれは…三人がかりというアドバンテージを容易く崩しうる…)」
やえ「(ましてや…今やプロも含めたU22…その中で最強ともなった京太郎君よりも…)」
やえ「(今…目の前にいる彼は…間違いなく強い)」
やえ「(そんな彼を前にして…私が出来る事…)」
やえ「(…悔しいけど…そんなの…たった一つしかない)」スッ
憧「……ポン」
やえ「(…徹底的に新子を援護する)」
やえ「(私じゃ…どうあっても今の京太郎君には追いつけない)」
やえ「(宥ほど能力に囚われている訳じゃないけど…)」
やえ「(それでも…京太郎君に競り勝つのはまず無理だ…)」
やえ「(…さっきの一局で…痛感した)」
やえ「(この中で…京太郎君に勝てる可能性があるのは…)」チラッ
憧「……」ゴゴゴ
やえ「(…新子だけだ)」
憧「(…凄い期待してくれちゃって…)」
憧「(まぁ…嬉しいけれどね)」
憧「(あたしだって…小走先輩に憧れてた一人なんだから)」
憧「(そんな相手に…こうも期待されたら…応えたくなっちゃうでしょ)」フゥ
憧「(それに…さ)」
憧「(…こうも期待されて…応える姿を…あたしは誰よりも京太郎に見て欲しい)」
憧「(何時だって…一緒だった)」
憧「(辛い時は助けてくれた)」
憧「(何度も…護ってくれた)」
憧「(…そんな京太郎と一緒だからこそ…あたしはここまで来れたんだから)」
憧「(きっと…京太郎がいなかったら私はもっと別のあたしになっていたんだと思う)」
憧「(もしかしたらオシャレになんて興味を覚えず、今もしずと一緒に山を走り回ってたかもしれない)」
憧「(それどころか…麻雀すらこんなに本格的にやっていなかったかも…ね)」
憧「(でも…あたしはあたし)」
憧「(京太郎の為と会って…変わって…)」
憧「(こうして一緒に歩いてきたあたしが…あたしなんだ)」グッ
憧「(だから…見て欲しい)」
憧「(京太郎が作ってくれた…あたしの凄さを)」
憧「(京太郎に髪の一本から唾液の一滴まで…何もかもを捧げた…女の凄さを)」
憧「(見て…知って…実感して欲しい)」
憧「(京太郎の横にいるのにふさわしい…そんな女なんだって思って欲しい)」
憧「(…それが出来る最高の機会…シチュエーション)」
憧「(…だから・・・あたしにとってこれは…)」
憧「(三年間の…集大成なんかじゃない)」
憧「(京太郎と会ってからの時間)」
憧「(九年間全てを問われる…戦いなんだ)」
憧「(…だからこそ…負けられない…!!)」グッ
憧「(皆の為にも…自分の為にも…京太郎の為にも…)」
憧「(大会の時より…もっともっと沢山のものを背負っている今こそ…!)」
憧「(負けられない…今度こそ…絶対に…!!)」
憧「…ツモ…!4000・8000!!」
京太郎「…なん…でだ…?」
京太郎「俺は…強い。そのはず…だ」
京太郎「…最強だ。誰にも和了らせない…」
京太郎「その為の力もあるはず…」ブツブツ
憧「…なーに言ってるのよ」
憧「…最強なんてあり得るはずないでしょ」
京太郎「…何?」
憧「相性差だってあるし…麻雀は運の要素が強いんだから」
憧「100回やって100回とも勝てるはずないのに最強なんてあり得ない」
憧「…ましてやアンタの前にいるのはずっとアンタの事見てきた女ばっかりよ」
憧「…バカで情けなくって…ホント頭おかしいくらいに京太郎の事好きな女ばっかりなんだから」
憧「最強?笑わせないでよ」
憧「多少おかしくなったくらいで…その想いに勝てるはずないでしょ?」
憧「こちとら…もう九年近くアンタの事見てるのよ…!!」
憧「だから…そんなものとっとと投げ捨てて帰って来なさい…!!」
やえ「…まぁ、憧ほど私は京太郎君の事を長い間思ってた訳じゃないわ」
やえ「でも…やっぱり今の京太郎君はらしくないと思う」
京太郎「…俺…らしい…?」
やえ「うん。京太郎君は何時だって麻雀を楽しんでいた」
やえ「確かに怯える事はあった。不安に思う事はあった」
やえ「でも…私の知る京太郎君は何時だってそれを乗り越えてきたよ」
やえ「…だから、今の京太郎くんは…やっぱり好きじゃない」
やえ「今の京太郎君が拘ってるのは…強さだけだ」
やえ「自分の強さを誇示するのであれば麻雀でなくたって良い」
やえ「ただ相手をねじ伏せて屈服させたいっていう…支配欲の塊だ」
京太郎「…そういうのが好きなんじゃないのか?」
やえ「……好き…だよ」カァ
やえ「…でも、私がそうやって支配されたいのは…屈服させて欲しいのは」
やえ「鈍感だけど人の痛みにすぐ気づいて…私の事をいつの間にか追い越して」
やえ「それでも尚、私の事を待ってくれている…愛しいご主人様だけだよ」
やえ「…今みたいに支配欲丸出しで強引に迫ってくる姿じゃない」
やえ「私のご主人様は…もっともっと暖かくて優しい人なんだから」
宥「……」
京太郎「…宥さんは違うだろう?」
京太郎「宥さんは…俺の力を知ってるはずだ」
京太郎「これがあれば…皆を幸せに出来るってそれくらい凄い力だって…」
宥「……うん、確かに凄いね」
宥「私…殆ど何もさせて貰えなかった」
宥「殆ど置物みたいで…酷い戦い…」
やえ「…宥」
宥「……でもね、今のきょーくんは全然強くなんかないよ」
京太郎「…え?」
宥「私…ね、ずっときょーくんの戦いを見てきて…思ったの」
宥「暖かいなぁって…」
宥「でも、今のきょーくんからは何も感じない」
宥「ただ…恐ろしいだけ」
京太郎「それが力だ」
宥「うん。そうだと思う」
宥「でもね、力があるってことと強いって事はまた別問題なんだよ」
宥「本当に強い人は…凄い人は…ただ勝つだけじゃない」
宥「それで…何かを…勝ち負け以上の何かを伝えられる人」
宥「見ている人も興奮して…湧き上がるような…そんな戦い方が出来る人だよ」
宥「…普段のきょーくんは…それができてる」
宥「この前の大会も…凄い暖かかった…」ポワァ
宥「でも…今のきょーくんからはそんなものはまったく感じない」
宥「そんなの…強さじゃないよ…」
宥「…凄くなんかなんともない…」
宥「力を振り回すだけじゃ…誰にも…何も伝わらないよ」
京太郎「そんなものは詭弁だ」
京太郎「お前たちだって…勝ちたいんだろう?負けたくはないんだろう?」
やえ「あぁ」
京太郎「なら…さっきのそれはまったく意味のない…自己弁護にすらなってないだろう…!」
宥「かもしれない…」
憧「でも…それは後の皆が証明してくれるでしょ?」チラッ
穏乃「…うん。勿論だよ!」
灼「…バトンは受け取った」
玄「おねーちゃんたちの…気持ち絶対に無駄にはしないよ」
京太郎「…出来るか?」
穏乃「出来る出来ないじゃないよ!」
穏乃「京ちゃんのためなら…私は不可能だって可能にしてみせる…!」グッ
灼「…出来の良い弟を悪い道から戻してあげるのも…姉の務めだよね」クスッ
宥「え?」
玄「何より…私達には…阿知賀の六人目の選手がついているのです!」
晴絵「はは。ま、見てるだけだけど…ね」
晴絵「…じゃあ、そろそろ後半戦も始めようか」
晴絵「どっちが正しいのかは…その後で分かるでしょ?」
京太郎「……そうだな」
>>+1京太郎(雀力17+能力300+キス5-能力(灼)20)
>>+2穏乃(雀力9-能力(京太郎)249-能力(灼)20)
>>+3灼(雀力8+能力40-能力(京太郎)249)
>>+4玄(雀力8+能力80) 72
京太郎「(何をするつもりかは知らない…)」
京太郎「(だが…後半に灼を入れたのは悪手だったな)」
京太郎「(お陰で…俺は穏乃の影響から逃げ出せる…)」
京太郎「(そうすれば…素のぶつかり合いだ)」
京太郎「(だけど…そのままの穏乃じゃ…俺の相手にはならない)」
京太郎「(例え、他の誰かの援護があったとしても…俺の勝ちだ…!)」
穏乃「……それはどうかな?」
京太郎「何…!?」
>>穏乃の【大蛇神の愛玩者】発動!
京太郎「んな…!?」
京太郎「(世界が…歪む…)」
京太郎「(俺の…力が抜けて…)」
穏乃「ずっと…考えてた」
穏乃「京ちゃんに少しでも追いつく方法」
穏乃「前半に手加減されなくても…後半で捲るやり方」
穏乃「私…バカだから…さ。こんなに時間かかっちゃったけど…」
穏乃「…でも、これが私なりの…答えだよ」
穏乃「京ちゃんに追いつく為の…私の答え…!!」
【大蛇神の愛玩者】
相手の【補正前コンマ】よりも自身の【補正前コンマ+愛情度+思い出】のコンマが高い場合に発動可能
相手の特殊効果無効を破壊する。この効果は特殊効果無効では防げない
穏乃「そぉ…してぇ…!!!」
>>穏乃の【深山幽谷の化身:ダイダラボッチ】発動
>>京太郎67
>>穏乃77 → +140 → 217
>>灼13
>>玄105
京太郎「く…っ!」
京太郎「(ダメ…だ。支配力で負けた…!)」
京太郎「(山が奪われて…まずい…)」
京太郎「(いや…まだ…だ。落ち着け…)」
京太郎(支配力が落ちても…しずの奴には荒が多い)」
京太郎「(何度かそれで直撃はとっている…)」
京太郎「(多少力が衰えたくらいで…負けた訳じゃない)」
京太郎「(真っ向勝負からは難しいが…絡め手なら勝負は出来る…!)」
京太郎「…その程度で俺を押さえ込めたつもりなのか?」
京太郎「…甘いな。リーチだ」スッ
京太郎「(…リーチのみ。殆どブラフも良いところだ)」
京太郎「(だが、普段のしずなら…これを警戒するはずだ)」
京太郎「(降りる…とまではいかないけど…)」
京太郎「(勝負どころで警戒はするはず)」
京太郎「(そうして局が後ろに進めば…まだ俺が復帰するチャンスもある)」
京太郎「(安手だが…必ず和了って…)」
穏乃「…無駄だよ」
穏乃「…私は信じてる」
京太郎「…何をだ?」
穏乃「京ちゃんの事」
穏乃「京ちゃんは…言ってくれた」
穏乃「今の私には後半で勝てる気がしないって」
穏乃「一番怖いのは…私だって」
京太郎「…嘘かもしれない」
穏乃「そうだね、嘘かもしれない」
穏乃「京ちゃんは優しいから…優しい嘘を吐いてくれたのかもしれない」
穏乃「…でも、それでも私は京ちゃんの事を信じるよ」
京太郎「…どうして?」
穏乃「だって私は憧みたいに頭がよくないもん!」
穏乃「ぐだぐだ考えたって多分正解にはたどり着けない」
穏乃「だから…私は自分の事よりも京ちゃんや憧の事を信じてる」
穏乃「そんな二人が凄いって言ってくれた…自分の力も…信じてるよ」
穏乃「だから…私は突き進む…!」
穏乃「どんな風に嘘を吐こうとしても…誤魔化そうとしても無駄だよ」
穏乃「私は止まらない。だって…一人じゃないもん」
穏乃「憧もいる。皆もいる。何より…」
穏乃「私の中には…京ちゃんとの九年間が詰まってる…!」グッ
京太郎「それで失敗したら?取り返しがつかないんだぞ?」
穏乃「その時は…みんなといっしょに…一生掛けて償うよ」
穏乃「京ちゃんに私の一生をあげる」
穏乃「どんな事をしても良いよ、絶対に文句は言わない」
穏乃「まぁ、今も殆ど変わらないけど」エヘヘ
穏乃「でも、私の覚悟は…もう決まってる」
穏乃「どんな結果になっても受け入れるって」
穏乃「だから…後悔なんてしたくない…京ちゃんに教わった打ち方をする」スッ
穏乃「自分を信じて…ギリギリまで引かない…!」
穏乃「こんな危ない牌だって…切れるよ」トン
京太郎「…っ!」
>>須賀京太郎の特殊勝利破壊
京太郎「…理解…出来ない」
穏乃「出来なくても…良いよ」
穏乃「されたいなんて…思ってない」
穏乃「でもね。でも…」
穏乃「私はね、京ちゃんの事…大好き!」
穏乃「理屈じゃなくても…それは確かだから」
穏乃「だから…今の私の行動もきっと理屈じゃないの」
穏乃「もっと深いところで…大事な部分で…」
穏乃「私は京ちゃんと…きっと繋がっている」
穏乃「…だから…私は前に進めるよ」
穏乃「失敗なんて怖くない」
穏乃「それも…京ちゃんと一緒なら乗り越えられるって信じてるんだから…!」スッ
穏乃「…うん。ツモ。2000・3900…だね」
京太郎「…く…!」
>>+1京太郎(雀力17+能力300+キス5-能力(灼)20)
>>+2穏乃(雀力9-能力(京太郎)249-能力(灼)20)
>>+3灼(雀力8+能力40-能力(京太郎)249)
>>+4玄(雀力8+能力80) 88
>>京太郎 46 → 63
>>穏乃 40 → +149 → 189
>>灼 2 → 30
>>玄 50 → 138
>>須賀京太郎の特殊勝利発動
京太郎「(…ぐっ…またあの圧力…が…!)」
京太郎「(のしかかる…気持ち…悪い…!)」
京太郎「(…だ…が…!!)」
京太郎「(完全に…能力は…消されていない…)」
京太郎「(さっきよりも…支配力が…甘い…!)」
京太郎「(油断したのか…或いは一度きりだったのか…)」
京太郎「(俺には分からない…分からない…が…)」
京太郎「(はは…勝てる…勝てるぞ…!)」
京太郎「(ここで勝てば…互角に持っていける…!)」
京太郎「(まだ…諦めない…!)」
京太郎「(勝機は…ある…!)」ゴッ
穏乃「っ…!」
京太郎「(はは…しずの能力が…外れた)」
京太郎「(これで…俺はもう自由だ)」
京太郎「(さぁ…今度こそ全員を蹂躙してやる)」
京太郎「(お前らが信じている俺が…欠片も残さないほどに…)」
京太郎「(粉々に…噛み砕いて…!!)」
あれ?全員に発動してもクロチャーが影響受けるのは反転世界とオカルト破壊のみ→ドラゴンキラーはスキルだから大丈夫って流れじゃないっけ(汗)
玄「……ね、京太郎君」
京太郎「…なんだ?」
玄「一つ聞かせてくれないかな。…京太郎君にとって…麻雀って何?」
京太郎「…さっき憧が言ってただろ?」
玄「それは…本当に事実なの?」
京太郎「そうだ。俺にとって麻雀は金を稼いで勝つ為の道具でしかない」
玄「…そっか。そうなんだ」
玄「…じゃあ、やっぱり今の京太郎君は京太郎君じゃないんだね」
玄「…普段の京太郎君なら…絶対にそんな事言わないもん」
京太郎「…玄に俺の何が分かるんだ?」
玄「分かるよ。だって…京太郎君は何時だって麻雀に真剣だったよ」
玄「じゃなきゃ…わざわざ一年掛けてネト麻やって…」
玄「大会に出場したりなんかしない」
玄「京太郎君が…麻雀の事を一杯大事に思ってたからこそ…」
玄「あんなに必死になったはずだよ」
ぬぐぅ…自分で自分の判定すら信じられない疑心暗鬼状態(白目)
次にこうしたデータ管理系にする時はもっとエクセルとかで処理しやすい形にしよう…
京太郎「心変わりしただけだろう」
玄「…うん。かもしれない」
玄「でも…私はあの決勝戦の前の晩…京太郎君から電話を貰ったよ」
玄「不安だって…怖いんだって…その時の京太郎君は言ってた」
玄「本当にお金儲けの為だけなら…そんな風に怯えたりしないよね」
玄「勝つ為の道具でだけなら…不安になったりしないもん」
玄「負けるかもしれないなんて…真剣にやってなきゃ怖くないはずだよ」
京太郎「……」
玄「…だから、きっと今の京太郎君は違うんだなってようやく分かった」
玄「本当に…おかしくなってしまったんだなって…ようやく」
京太郎「…分かったから…どうなんだ?」
玄「…勝つよ」
玄「そんな京太郎君…もう見たくないから」
玄「今すぐにでも…元にもどって欲しいから…私たちが…勝つ」
京太郎「…出来ると思ってるのか?」
玄「出来るよ。だって…私も穏乃ちゃんと同じだもん」
玄「覚えてる?私…二年前のインターハイ…本当に酷かったよね」
玄「準決勝で宮永さんにボロボロにされちゃって…何も出来なかった」
玄「なんとか憧ちゃんたちが逆転してくれたけど…でも…」
玄「自信もなくして…皆に会わせる顔もなくって…」
玄「そんな時に…京太郎君は私の事を一杯慰めてくれた」
玄「ううん。慰めてくれただけじゃない」
玄「つきっきりで教えてくれて…決勝戦で勝てるようにしてくれた」
玄「私…あの時の事…まだ覚えてるよ」
玄「あの時も…こうだったよね」スッ
京太郎「~~~~っ!」
玄「…ドラ切り」
玄「…私にとってドラはとっても大事なもの」
玄「おかーさんとの…絆」
玄「だけど…それも…京太郎君の為なら…要らない」
玄「それが京太郎君を取り戻す為なら…いくらでも切って見せる」
玄「それが…私の覚悟、私の…想い」
京太郎「(まず…ぃ。今のドラ切りの所為で…!!)」
京太郎「(手の中にドラが舞い込んでくるように…))」
玄「…京太郎君、ドラ切れないよね」
玄「私が怖くて…崩すしかないでしょ?」
京太郎「…玄…!」ギリッ
玄「…大丈夫だよ。私にはもうなんの力もない」
玄「ドラを呼ぶ力もない…ただの無能力者」
玄「…でもね、私には…まだ残ってるものは沢山ある」
玄「皆から託されたもの…京太郎君から教わったもの」
玄「今の私にはそれがある」
玄「昔みたいに…能力に…おかーさんにばかり頼ってばかりの私じゃない」
玄「今の私には…それよりももっと大事な皆がいるから」
玄「…だから引けるよ」
玄「私は…一人じゃないから」
玄「私には…京太郎君がいるから…!」スッ
>>松実玄のドラゴンキラー発動
玄「……ツモ。2000・4000」
玄「…私達の勝ち…だね」
京太郎「ば…かな…」ガタッ
京太郎「(…あいつらの勝ちだ)」
京太郎「認め…ない…」グッ
京太郎「(俺は最強なんかじゃなかった)」
京太郎「俺は…最強だ…!」
京太郎「(まだまだ驕ってたガキだったんだよ)」
京太郎「誰にも…負けない…!」
京太郎「(もう終わりだ。俺の負けなんだよ)」
京太郎「負けて…ない…!」
京太郎「(終局して結果、三位…これの何処が敗北じゃないと言うんだ?」
京太郎「違…ぅ…俺は…誰にも負けるはずがないんだ…」フラァ
京太郎「(だが…現に負けてるじゃないか)」
京太郎「これは…夢だ…夢…なんだ…」
京太郎「(…夢じゃねぇよ。現実だ)」
京太郎「(あいつらが掴んでくれた…嘘の一欠片もない現実なんだよ)」
京太郎「あ…あぁぁ…あぁぁぁぁぁ!!!」
京太郎「…気は済んだかよ」
「…済んだ訳がない」
「もう少しでお前を依代として現世に蘇る事も出来たのに…こんな結果とはな」
「見ろ…ここまで復元した身体が崩れていく…なんと情けない最期だ」
京太郎「…なぁ、結局お前はなんなんだよ?」
京太郎「俺の一部だったのか?それとも…本物のヤマタノオロチだったのか?」
「…どちらでも構わないだろう」
「お前にとって大事なのはここで私が消える事だ。違うか?」
京太郎「……その通りだ」
「ならば、もっと嬉しそうな顔をしろ」
「でなければ消える甲斐もないし…呪詛の一つも吐けんだろうに」
京太郎「……出来ねぇよ」
「…どうしてだ?」
京太郎「…最初にお前を呼び込んだのは俺だ」
京太郎「力を求めた俺に…お前は応えてくれた」
京太郎「結果はどうであれ…原因は俺なんだよ」
京太郎「…謝って許してもらえるとは思わない」
京太郎「だけど…邪魔者として扱って…すまなかった」
京太郎「お前は何度か力を貸してくれたのに…その礼も出来ないままで」
「…まったく…これだから須賀の人間は嫌いなんだ」
京太郎「…え?」
「お人好しが過ぎる…まったく…バカばかりだ」
「…そもそも私は最初からお前の中にいたんだ。お前に呼ばれた訳じゃない」
京太郎「…それって」
「それ以上は自分で考えろ」
「…ただ、一つ…一つ言うならば…だ」
京太郎「…おう」
「私はお前の中の一部であり…そうでもない」
京太郎「え?」
「だから…私が消えたところでお前の積み重ねてきたものが減ったりはしない」
「…能力の方向性は変わるかもしれないけどな」
京太郎「……もしかして心配してくれているのか?」
「心配?バカな事を言うな」
「ただの…最期の呪詛だ。蛇らしい呪いを込めた…な」ボロッ
「…これで最期か」
京太郎「お前…光って…」
「…私が寄生していた本来のお前の力だ」
京太郎「え?」
「…尻尾に柄が見えるか?」
京太郎「あ、あぁ」
「…ならば、抜け。それで全てが終わる」
京太郎「…なんだかマジでファンタジーじみて来たな」
「ここはお前の内面世界だ。お前もそういうのが好きという訳なんだろう」ククッ
京太郎「うっせーな!確かに…憧れるシチュエーションだけどよ」グッ
「…後は一人でやれ。私は知らん」
京太郎「…おう」
京太郎「…じゃ、抜くぞ」
「あぁ…」
……………ザシュ
憧「…京太郎?」
京太郎「……あー」
穏乃「…大丈夫?」
京太郎「…ん。とりあえず…どうにかなったらしい」
玄「はぁ…良かったぁ…」
灼「いきなり倒れるから…びっくりした」
京太郎「悪いな、心配かけて」
京太郎「でも…きっともう大丈夫だからさ」
やえ「…本当?」
京太郎「…あぁ。何も覚えてないけど…そんな気がする」
晴絵「…覚えてない?」
京太郎「あぁ。なんか…眠ってる間に何かあった気がするんだけどさ」
京太郎「まったく思い出せない…でも」
憧「…でも?」
京太郎「……なんだか少しだけ寂しかった気がするな」
京太郎「ほんのすこし…本当に少しだけだけど…」
京太郎「俺は…きっとあいつに感謝してたんだな」
【System】
須賀京太郎の能力・【貪欲の八つ首】が消滅しました
須賀京太郎は能力・【天叢雲剣】を手に入れました
このスキルはヒロインたちの【(愛情度+思い出)/2】を自身の【+補正】に変えます
須賀京太郎は能力・【草薙剣】を手に入れました
このスキルは相手からの特殊効果を無効にし、自身の【-補正】を相手にも返します
大蛇さんはね、転校しちゃったんだよ…
まぁ、須賀の血筋に本物の天叢雲剣が眠ってるって設定(になった)ので孫とかその辺の世代でまた復活目論むんじゃね?(適当)
【エピローグ】
「さぁ、いよいよ始まりました!麻雀世界大会決勝戦!」
「それももう大詰めとなっております…!」
「現在決勝に残っているのはフランス・中国・アメリカ・日本の四カ国」
「現在トップはフランス!日本は三位です!」
「日本の先鋒、江藤選手が大きく稼ぎましたが…その後が大きく崩れましたから」
「下手に一位で浮いてしまった事もあって集中砲火を受けたのが辛かったですね」
「そうして回った大将戦!日本の相手は全て世界ランク一桁のトップランカー達です!」
「この中で三位から一位に返り咲くのは難しいでしょう…普通ならば」
「そう!その普通ではない事をやってのけるのが…この男!」
「現世界ランク四位!!日本の誇る『ブレイドマスター』!」
「須賀京太郎だあああ!!」
江藤「…ようやく阿知賀の種馬呼ばわりされなくなったな」
須賀「あぁ…本当に安心したよ…」ハァ
うん。同じ同じ
でも、使い方によって別の効果がある的なサムシングで
江藤の八咫の鏡も使い方を変える事によって複数の効果を持ってるって設定だし
江藤「…大丈夫か?」
京太郎「ま、なんとかなるだろ」
江藤「うちの大将様はずいぶんと余裕だな」
京太郎「試合の直前までラブコールしてたエースには言われたくねぇよ」
江藤「俺は先生の声を聞かないと実力が発揮できないんだよ」
京太郎「はいはい、ご馳走様」
江藤「…それよりそっちは良いのか?」
京太郎「今は日本は夜だしなぁ…」
江藤「…どうせお前の嫁の事だし起きてるだろうに」
京太郎「ま、そうなんだろうけど…寝てたらきまずいじゃん?」
京太郎「昔ならともかく、今はもう全員仕事してる訳だしさ…」
江藤「稼ぎが少ないからな」
京太郎「一応これでも年収何千万あるんだぞ…!!」
江藤「…で、子どもは何人いるんだっけ?」
京太郎「…六人」
江藤「将来の事考えたら足りないだろ」
京太郎「うぅ…世知辛い…」
「さぁ、今!日本の絶対的エースに見送られて…!」
「日本の絶対的リーダーが勝負の場へと行きます」
江藤「…らしいぞ」
京太郎「行きたくないなぁ…」
京太郎「アメリカ代表俺の事目の敵にしてるし…」
江藤「まぁどう考えても男に好かれる状況じゃないよな」
京太郎「俺だって好きでハーレム作ってる訳じゃないのに」
江藤「…じゃ誰か一人に決めるか?」
京太郎「…それも嫌だ」
京太郎「一人に決めるんじゃなくて…それで誰かが泣くのが嫌だ」
江藤「だったら、愛想尽かされないように格好良いところ見せてこいよ」バシッ
京太郎「いって…ったく…分かったよ」
京太郎「ま…どこぞのエース様がもうちょっと稼いでくれれば楽だったけど?」
江藤「どっかの大将様に見せ場を残しておいてやったんだよ」
江藤「…だから、逆転…頼むぞ大将」
京太郎「…任せろよ、エース」
京太郎「それじゃ…逆転まで一つ切り開いてきますか」ゴッ
京太郎「ただいまー…」
「パパお帰りなさーい」ダキッ
「あ、こら、最初は母さんたちのはずだろ…!」
「ずるーい!約束破った!」
「パパが一番好きなのはあたしだから問題ないの!」
「えー!違うよ。とーさんが好きなのは俺のかーさんだよ!」
「違うよ。私だもーん!」
「…おかえりなさい」
京太郎「はいはい。お前ら皆愛してるぞ」ギュー
「キャー♪」
「パパロリコン?ロリコンなの?」
「なんで嬉しそうなんだよ」
「そういうにーちゃんだって顔にやけてる」
「うっせーな!オヤジに好きとか言われて嬉しいはずないだろ!」
「……はわぁ♪」
京太郎「でも、ちょっと待っててくれな」
京太郎「先に母さんたちにも挨拶してこないと」
憧「おかえりなさい、アナタ」
京太郎「ただいま。どうだ?調子は」
憧「うん。ぼちぼちってところ」
京太郎「…にしても大分腹もでかくなったなぁ」
憧「うん…今度は双子みたいだし」
京太郎「…また生活費が…」
憧「大丈夫よ、貯蓄はそれなりにあるし」
京太郎「うーん…でも、それはお前らを働かせてるからだしなぁ…」
憧「いいのよ、それぞれ好きでやってるんだし」
憧「それに専業主婦なんてやってたら大変よ大変」
憧「これだけ子どもがいるんだもの。一人じゃ見てられないし」
憧「それぞれが休みに見る分担の方が色々と理に適ってるわよ」
京太郎「…うん」ナデナデ
憧「あ…ちょ…もぅ♪」
憧「いきなり…何するのよ…」
京太郎「いや、産休とってその大変な事をやってくれてる憧にご褒美と思って」
憧「…ありがと」クスッ
憧「嬉しいけど…でも、今は他の子を優先してあげて?」
憧「アナタが世界大会から帰ってくるの…皆待ってたんだから」
穏乃「京ちゃーん…?」チラッ
京太郎「…はいはい。もうこっち来て良いぞ」
穏乃「…えへへ」イソイソ
穏乃「…ぎゅーして良い?」ウワメヅカイ
京太郎「寧ろこっちがギューしてやる」
穏乃「キャー♪」
京太郎「んー…」
穏乃「どうかした?」
京太郎「しずはやっぱ良い匂いだなぁって」
穏乃「一応、和菓子屋さんで働いてるからね」
京太郎「いや、そういうんじゃなくて…こうなんだろ?」
京太郎「…女の匂い的な?」
穏乃「…うん。私は京ちゃんの女だもん…♥」スリスリ
穏乃「だから…一杯…匂いつけちゃうんだから…♪」
京太郎「あ、こら、今はダメだぞ」
穏乃「えー…」
京太郎「そういうのされたら我慢出来なくなるから…さ」チュッ
穏乃「はぁん…♪」
京太郎「…子どもたちが寝た後で…な」
穏乃「…うん。待ってるぅ…♥」ポー
実はアレ全部ショタ京ちゃんの姉だったりとか…ショタ京ちゃんの名前出てないし
って思ったけど全員同居状態の須賀家で泣く理由がないな
京太郎「えーっと…後は…」
玄「……えいっ」ギュー
京太郎「うわっ!」
玄「おねーちゃん、おにーちゃん確保したよ!」
宥「よーし。それじゃ突撃…っ♪」ギュゥ
京太郎「お、おう…」
玄「ふふーん♪これぞ松実家必殺姉妹サンドだよ…!ニコー
宥「この必殺技からは逃れられたきょーくんは今まで一人もいないよ…♥」
京太郎「…まぁ、逃れる気ねぇしなぁ」ギュゥ
宥「んぅ…♪」ビクゥ
玄「あ、おねーちゃんだけギューして貰ってずるい…」
宥「えへへ…じゃんけんで勝ったもんね♥」ポー
宥「でも、後で玄ちゃんにもギューしてあげてね?」
京太郎「おう。…ってか二人並べば一気に抱きしめられるんじゃね?」
玄「んー…それはそれでちょっと違うかなーって」
京太郎「そうなのか?」
宥「うん…やっぱり二人だと子ども扱いされてるみたいだし…」
宥「ギューは一人すつがいい…な」ポワァ
京太郎「でも、今日は何時もより早くないか?」
玄「うん。今日はおにーちゃんが帰ってくるって事で早めに上がらせて貰ったよ」
京太郎「あー…オヤジさん何か言ってたか?」
玄「何も?あ、でも、これ貰ったよ」スッ
京太郎「…なんだこれ?」
宥「優勝したご祝儀…だって」ニコー
京太郎「…悪いなぁ」
玄「おとーさんも素直じゃないから…」
京太郎「まぁ、娘さん二人とも嫁に下さいって言った時点で殺されないだけ御の字だけどな」
宥「でも、おとーさん、きょーくんが出た試合、全部録画してるよ?」
京太郎「マジで?」
宥「うん。この前も書斎で一人嬉しそうに見てた」
京太郎「…そっか」
京太郎「また今度、子どもたちとお礼に行かないとな」
宥「…また殴られちゃうかもだよ?」
京太郎「ま、その時はおとなしく殴られるよ」
京太郎「今もこうして二人の事独占してる罰みたいなもんだと思えば我慢出来るし…さ」ナデナデ
京太郎「ふぅ」
やえ「…随分と熱烈だったね」
京太郎「う、うわぁ…や、やえさんいつの間に…」
やえ「実はずっと後ろで出待ちしてたんだけどね」
やえ「…中々、京太郎君が気づいてくれなくて」ジトー
京太郎「ご、ごめん…」
やえ「ふふ…まぁ、良いけど」
やえ「それより…ちゃんと待てが出来てた私にご褒美とか…ないかな?」チラッ
京太郎「はは。ホントやえさんは甘えん坊だなぁ」
やえ「し、仕方ないじゃない…私はプロの仕事の所為で出発も見送れなかったし…」
京太郎「…気にしてた?」
やえ「…うん。勿論…お仕事も大事なのは分かってるけど…やっぱり…」
京太郎「…やえさん」チュ
やえ「んぅ…♥」
京太郎「…ちゃんと待ってたやえさんにご褒美」
やえ「も、もう…卑怯…だよ…ぉ♪」
京太郎「じゃあ…・やえさんが満足するまでもっと卑怯になろうか」チュッ
やえ「んや…ちょ…♪ふぅ…ん…っ♥」チュゥ
灼「……」
京太郎「灼…は料理中か」
灼「……ん」
京太郎「…アレ?なんか拗ねてる?」
灼「…拗ねてない」
京太郎「でもさ」
灼「別に後ろでやえさんが腰砕けになるまでキスしてた事とか気にしてない」
京太郎「あー…」
灼「…私にはまだ挨拶もしてくれてないのに…」
京太郎「…ごめん。悪かった」
京太郎「…ただいま灼」
灼「…うん。おかえりなさい、京太郎」ニコ
灼「ゴハンもう少しで出来るから…待っててね」
京太郎「おう。期待してる…けど」ギュッ
灼「ん…っ♪こ、こら…料理中…ぅ♥」モジッ
京太郎「…灼」チュッチュ
灼「ん…またそんな…誤魔化そうと…して…♥」
京太郎「その割には頬赤いぞ」
灼「…そ、そんな事はない…きっと…気のせい…」カァ
京太郎「そうか?」
灼「…そ、そう…絶対に…」
灼「そんな…首筋とか耳にキスされても…全然、嬉しくなったりしない…」チラッ
京太郎「はは。じゃあ…これならどうだ?」スッ
京太郎「灼…好きだ」
灼「…はぅっ♪」ボンッ
京太郎「…愛してる」
灼「ひゃ…ぁ…♪」プルプル
京太郎「今日も可愛いよ」
灼「ん…ふぅっ♪」モジモジ
京太郎「はは。耳まで真っ赤になってるぞ」
灼「~~っ!!」
灼「…もう…っ!京太郎のだけ熱いまま出すから…!」カァァ
京太郎「そ。それは勘弁…猫舌まだ治ってないんだよ…!」
灼「…じゃあ、フーフーして食べさせてあげるから…」チラッ
京太郎「…あぁ。分かったよ」ナデナデ
晴絵「たっだいまぁ…って…あれ?」
晴絵「」ドタドタドタ
晴絵「京太郎!?」バン
京太郎「おかえり。でも、あんまりそんなバタバタするなよ」
京太郎「親父さん達に幾らか金出してもらってるとは言え一応自慢の一軒家なんだからさ」
晴絵「あ、ごめん…」シュン
晴絵「後…お出迎え出来なくてごめんね…?」
京太郎「気にしてないよ、レジェンドもプロの仕事忙しいだろうし」
晴絵「そうなのよねー…」ハァ
晴絵「女子は女子で色々あるからさー…」
京太郎「ま、そっちも日本代表チームだしな」
晴絵「ぅー…まぁそれは嬉しいし有難いんだけどね」
晴絵「復帰してすぐに日本代表入りとか…名誉な事だし」
晴絵「でも、時間がねー…やっぱり京太郎とイチャイチャ出来ないのが辛い」
京太郎「…なんだ?それは遠回しにオネダリしてるのか?」
晴絵「……実は…そうかなって…」カァ
京太郎「はは。じゃあ、こっち来いよ」ポンポン
晴絵「ん…♪」
京太郎「こうやって肩寄せらるの好きだよな」ソッ
晴絵「…うん…恋人みたいで安心する…♥」
京太郎「一応、恋人以上だろ…晴絵」
晴絵「ん…♪そ、その名前で呼んじゃ…ダメ…♥」フルフル
京太郎「どうして?」
晴絵「こ、子どもたちも見てる…よぉ…♥」カァ
京太郎「テレビに夢中でこっちに気づいてないよ。だから…さ」チュッ
晴絵「はぁ…♪」
ちょっとゴハンやら作ってくるので休憩ー
再開は22時くらいの予定です
後、エピローグが終わったら次回作のネタ投下して安価取るので良ければ参加していってください
個別エンディングも一応やる(予定)です
まぁ、今回みたいなしっかりとしたものじゃなく数レス程度の軽いイチャイチャになると思うけど
後、次回作はエピローグ終わった後にまた纏めて予告を投下します
しかしこれ、嫁一人につき二人産んだとしたら7*2=14人(実際は多分これ以上出てくる)
年々須賀家は縦に伸びていくんだろうなぁ……ってか今の位階で6~7階建(一階に一世帯)とかやってそう
ついでに須賀チルドレンとかもう昼ドラとか少女漫画みたいなドロドロ展開を繰り広げそうな予感がヒシヒシと……
>>733
修羅場経験豊富な正妻たちならそんな展開でもいい方向に持っていけるはず
うあーすみません、ちょっとトラブルがありましたの…
今から投下再開します
京太郎「(…まぁ、こうして俺は皆と暮らしてる)」
京太郎「(家はちょっと無理して庭付き一戸建て)」
京太郎「(それもかなりの面積をとった豪邸だ)」
京太郎「(ぶっちゃけここが田舎と言っても、かなりの出費になっている)」
京太郎「(実際、収入の不定期な俺じゃローン通らず、一括払いの為に義父たちに援助して貰っているし…)」
京太郎「(娘さんをハーレムに加えさせて下さい、なんて不義理をしてる俺にそこまでしてもらって頭が上がらない)」
京太郎「(…まぁ正確に言えば俺のためじゃなく娘の為なんだろうけれどな)」
京太郎「(未だに顔を見せるな、とか、次に会ったら殺すとか言われてるし)」
京太郎「(だけど…それでも何度も頭を下げて殴られ続けた結果、消極的な指示を取り付ける事が出来た)」
京太郎「(勿論、未だに恨みは買っているし、ろくに話もしてもらえないけれど…)」
京太郎「(それでもこの家はある意味で俺たちが一緒に暮らしていくのを認めてもらった証なのだと思ってる)」
京太郎「(だから、俺はこの家が好きで…とても気に入っている)」
京太郎「(…それはきっとここが阿知賀だからっていうのもあるんだろう)」
京太郎「(結局、俺のホームは阿知賀のままだった)」
京太郎「(九年も過ごしている間に色々と思い入れも出来てしまったんだろう)」
京太郎「(大会で活躍して東京での仕事が増えても…それは毎日実感する)」
京太郎「(俺の居場所はココなんだって)」
京太郎「(子どもたちが出来てからは…尚更そうだ)」
京太郎「(子ども達が大きくなって小学校に通い始めて…)」
京太郎「(俺達がかつて通った道をゆっくりと歩き始めているのを見て)」
京太郎「(やっぱりここが俺の故郷なんだって…はっきりと)」
憧「…どうかした?」
京太郎「ん…?あぁ…いや…」
玄「また遠い目をしてたよ?」
京太郎「ちょっと物思いに…な」
晴絵「物思いに耽るなんて年取った証だよ」
京太郎「レジェンドが言うなレジェンドが」
京太郎「……ま、なんだろうな」
京太郎「今更だけど…阿知賀に来てよかったって…そう思ってさ」
穏乃「…ぅ?今まではそうは思ってなかったの?」
やえ「京太郎君がこっちに来てもう何十年なのにな」
灼「…ちょっと遅すぎ」
宥「こんなに美人な奥さんたちがいるのに…失礼しちゃうよね…」クスッ
京太郎「はは。悪い悪い」
京太郎「でも、何十年も経っても皆は綺麗なままだよ」
憧「ったく…当然でしょ。一応努力してるもの」ニヘラ
玄「えへへ、この前ね、お客様に20代前半だって言われちゃった」エヘー
穏乃「綺麗だって…もぉ…♥」カァ
灼「……タラシ化が進みすぎ…」ポッ
京太郎「本心だっての」
京太郎「つーかお前らマジで変わらなさすぎだろ」
京太郎「玄の言う通り20代からマジで変わってないぞ」
京太郎「…(より正確に言えば何人か10代前半から変わってないんだけど)」
京太郎「ま、それに外でこんな事言わないっての」
京太郎「俺がこういう事言うのはお前らだけだって。修羅場はもう懲り懲りだしな」
やえ「…でも、娘には言うよね?」ジィ
京太郎「ちょ…娘は仕方ないだろ、娘は」
京太郎「俺とお前らの子どもなんだし可愛いのは仕方ないって」
晴絵「…でも、最近、京太郎を見る目が怪しい子もいるような…」
京太郎「気のせいだって。近親相姦とかファンタジーじゃないんだからあり得ません」
宥「…ハーレム作ってるきょーくんが言っても説得力ないと思うな」クスッ
京太郎「うぐ…」
憧「コレ以上、犠牲者を増やさない為に娘たちを隔離するべきかしら」
憧「主に母親として…うん、母親として」
京太郎「ちょっと待てよ、流石に子どもに会えないのは応えるぞ」
憧「…アナタにはあたし達だけがいれば良いでしょ?」
京太郎「おーい…ハイライトさん帰ってきてー…」
憧「…まぁ、流石にそれは冗談だけど」クスッ
憧「でも、あたしらも流石に娘相手に修羅場とか絶対やだからね」
京太郎「ねぇよ。俺だってやだよそんなの」
京太郎「つーかこんなおっさん娘の方が頼まれたって嫌だろうに」
穏乃「でも、京ちゃん20代の頃から変わってないよ?」
玄「…て言うか二十歳の頃のままだよね、殆ど」
灼「…実際、京太郎は裏で乙女の生き血を吸って若さと精力を維持していると言う噂が…」
京太郎「マジかよ、止めろよマネージャー」
灼「…犠牲者が増えるといけないんでその後、記憶を消されてボロ雑巾のように捨てられるって付け加えといた」
京太郎「マネージャー!?」
やえ「まぁまぁ。それでも仕事来てるんだから別に良いじゃない」ニコー
晴絵「そうそう。それに一応、皆でこうして生活出来てる訳だしね」
やえ「…でも…さ、変わったトコロはあるよね?」スッ
京太郎「ぅ…」
やえ「…格好良くなったよ、京太郎君」チュッ
玄「あー!!」
宥「やえちゃんったら…ずるい…」
やえ「世界大会決勝も…凄かった…♪ゾクゾクしちゃったよ…♥」チュッチュ
憧「しず。動けないあたしの代わりにゴーよ」
穏乃「ラジャー!」
灼「……面倒だから実力で排除…」シュル
京太郎「ちょ…ま、待てって」
京太郎「まだ子どもが起きてるかもしれないし…」
晴絵「大丈夫だって。ここ完全防音仕様だし」
玄「それに…世界大会の間、おにーちゃんも禁欲してたんでしょ?」ペロッ
宥「…それは私達も同じだよ。だから…」シュル
灼「…今日は皆の事…可愛がってね…♥」
京太郎「…あー…」
穏乃「ふふ…もうこんなにおっきくなってる…ぅ♥」
京太郎「ちょ…しずいつの間に…!」
玄「…さっき変わらないって言ってたけど…ここは大きくなってるよね…♪」ハァ
宥「昔と同じく絶倫さん…だしね…♥」ペロ
やえ「でも…それは私達も一緒…だよね…」スッ
憧「…ま、全員、今も開発されてる訳だしね」ハァ
灼「…見て…♥京太郎に開発された…淫乱な身体…♥」ハァハァ
京太郎「ぅ…」
灼「高校生の頃よりも敏感になった私の事…可愛がって…♪」
晴絵「ちょ、灼、先走り過ぎ…!」
穏乃「ぅ…ちょっと狭いよぉ…」
玄「キングスサイズとは言ってもこの人数だとねー…」
憧「ほら、京太郎、奥行きなさい」
京太郎「い、いや…でもさー…」
宥「…きょーくん、お願い…」ジィ
京太郎「…はい」イソイソ
と言うか内心察してたんじゃね?
じゃなきゃ何度も家開けたりしないだろうし
代わりにハーレム化が決定した時に金包んで息子と一緒に土下座参りをしたとか
京太郎「(結局のところ、主導権は握られっぱなしだ)」
京太郎「(肝心なところでは逆らえないままだし…)」
京太郎「(プライベートの時間も皆に管理されて…仕事も灼にみっちり管理されてる)」
京太郎「(ハーレムって言うよりも割りと精神的に軟禁されてるって言ったほうが近い気がするくらいだ)」
京太郎「(でも…嫌じゃない)」
京太郎「(『アイツ』がいなくなって…普通の感性を取り戻して…)」
京太郎「(それでも尚、悩んだけれど…でも…)」
京太郎「(こうして皆と過ごす日々が幸せで幸せで…仕方ない)」
京太郎「(勿論、未だに異常だって叩かれる事もあるし…)」
京太郎「(訳の分かんないスクープのネタになる事もある)」
京太郎「(でも、それでも…皆はこうして俺についてきてくれている)」
京太郎「(憧や玄…宥さん、それにしずなんかは実家にも打撃があるかもしれないのに…)」
京太郎「(実家と俺を繋いだまま頑張ってくれてる)」
京太郎「(他の皆だって…忙しい仕事の合間を縫って俺の事を愛してくれてるんだ)」
京太郎「(…俺みたいな奴の事をずっと愛してくれている)」
京太郎「(昔はそれが分からなかった)」
京太郎「(『アイツ』に喰われて…記憶ごと抹消されてた)」
京太郎「(それが分かった後も…思い悩んだ)」
京太郎「(俺で本当に良いのかってずっと…ずっと)」
京太郎「(それは今もあまり変わっていない)」
京太郎「(本当にこれで良かったんかと思う事はある)」
京太郎「(子どもまで作って今更ではあるけれど…でも)」
京太郎「(俺の選んだこれは間違いなく多くの人に迷惑をかけるものなんだから)」
京太郎「(だけど…不思議と後悔はない)」
京太郎「(寧ろ…今の俺はとても幸せだ)」
京太郎「(皆に愛されて…子どもまで作って…)」
京太郎「(おっさんと呼ばれるような年になっても…こうして皆が求めてくれる)」
京太郎「(それが幸せだと言わずしてなんと言うんだろう)」
京太郎「(俺は間違いなく世界一の幸せものだ。だからこそ…)」
京太郎「…皆、愛してるよ」
穏乃「…京ちゃん…っ♥」ダキッ
憧「…あたしもよ、アナタ♥」チュッ
灼「…そんなの当然の事…♪」ニコー
玄「えへへ…おにーちゃん…大好き…♥」スリスリ
宥「うん…♪今日も一杯…私達の事暖かくしてね…♥」ポワァ
やえ「…ご主人様の愛を…いっぱいココに感じます…♥」ハァ
晴絵「言っとくけど…私の方が愛してるかたね、絶対♪」ギュー
カンッ
あれ?なんかどっかでスポーツ選手とかはローン組めないって話を見たような…
思い違いだったらごめんなさい…;
まぁ、組める場合は最初はスポンサーつきチームに所属してたけど、嫁との時間を作る為に途中でフリーになったんじゃね(適当)
んで、今はテレビやラジオでの出演や大会での賞金で暮らしてるとか
ぎゃーレジェンド噛んでるうううううううう!?
……まぁレジェンドらしいからいっか
んじゃ次回作候補の予告投下するよー
「―― 皆さん人は平等だと思いますか?」
「多くの人はこの問いに頷く事でしょう」
「私もそう思ってきました」
「しかし、今日、こうしてこの場に立って、私はそれが決して当たり前の事ではないと知りました」
「そう。―― 人は平等ではありません」
「貧富の差があり、才能の差があり、容姿の差があり、体格の差があり」
「人は様々な差異を持ち、けれど、共存出来ていました」
「それは私達が人は平等であると、人の命に価値はないのだと…内心はどうであれ表向きはそう思っていたからでしょう」
「―― ですが、事ここに至って、それを続ける理由があるとは私には思えません」
「超IPS技術の発達により、人は女性だけで人口を増やす事が可能になりました」
「麻雀を始め、女性による社会進出も広がっています」
「その上で私はこの場ではっきりと言いましょう」
「―― 男の人は弱い」
「勿論、肉体的な強さでは女性は決して男の人には敵いません」
「ですが、こうして技術が発達した今、そうした肉体的強さが何になるでしょう?」
「寧ろ、彼らの弱さが際立つ結果になっています」
「今や男の人でなければ出来ない仕事はなく、女性だけが出来る仕事が増えている一方なのですから」
「既に社会にとって男性が必要不可欠と呼べるものはなく、彼らは淘汰されるだけ」
「だから…えぇ。そう、だから…」
「私達が…彼らを護ってあげようじゃありませんか」
「社会から爪弾きにされた彼らを、人々から必要とされなくなった彼らを」
「私達が必要としてあげるのです」
「今まで通り…いえ、今まで以上の献身性を持って」
「愛してあげましょう。慈しんであげましょう。優しくしてあげましょう」
「抱きしめてあげましょう。甘えさせてあげましょう。気持ち良くしてあげましょう」
「理想の社会に必要なのは、差異を覆い隠す事ではありません」
「その差異を認め、許容した上で、彼らを受け入れる社会を構築する事なのです」
「そして…こうして男性を管理し…愛する事こそがきっと私達が理想とする社会への第一歩」
「ユートピアの…始まりなのです」
―― 宮永首相 就任記念麻雀で男子世界チャンプに完勝した後の演説
―― その演説を聞いた時、俺はまだ笑っていた。
ああまた変な思いつきで馬鹿な事を言っているのだと。
どうせ和辺りがインパクト優先で書いた演説を話しているのだろうと。
遠い存在になった幼馴染をテレビ越しで見ながら、俺はそう思っていたのだ。
けれど…それは幼馴染が首相になってから最初の国会までの事。
―― 男性は保護権を所有する女性と共に行動しなければいけない。
―― 男性は仕事をしてはいけない。
―― 男性は愛されなくてはいけない。
―― 男性は女性を受け入れなければいけない。
―― 男性は女性に逆らってはいけない。
―― 男性は学んではいけない。
最初の国会で可決された『男性保護法』。
それは保護とは名ばかりの権利を奪うものだった。
異例のスピードで可決され、そして施行されたそれに俺は絶句したのを覚えている。
一体、何を言っているのかと、何かの冗談ではないかと、そう思っていた。
―― けれど、俺の戸惑いとは無関係に…世界は急激に変革した。
まるでそれが最初から当然であったかのように、男が外から消えた。
法律を理由に男が解雇され、働き手は一夜で女性ばかりになったのである。
それに男が逆らおうとした瞬間、『特別IPS親衛隊』…俗に『IPS隊』と呼ばれる女性部隊に連行されていく。
その後、何があるのかは分からないが…連行された先の白い病棟から彼らが出てくる事を見た者はいない。
―― そんな時代のうねりに男も抗おうとしたのだ。
けれど、まるで最初から俺たちの動きが分かっていたようにIPS隊たちは先回りを続けた。
結果、男の尊厳と権利を取り戻そうとするレジスタンスは一年で壊滅。
俺が世話になった人たちも皆、捕まってしまった。
一時期見せしめとして放映されていた映像を見るに…もう彼らは元の自分を取り戻す事はないだろう。
念入りに『愛された』結果、彼らはもう女性なしでは生きられない『ペット』になっている。
食事一つするにしても女性に懇願しなければ出来ないような情けない生き物になってしまったのだ。
―― そんな世界で…俺は未だ一人彷徨い歩いていた。
運が良かったのか、悪かったのか。
レジスタンスが壊滅した今も…そこに所属していた俺は捕まる事はない。
それは俺が多少、女顔であるという事も無関係ではないのだろう。
ウィッグを身につけ、多少の化粧をすれば、俺は違和感なく女性社会に溶け込める。
そうして自分を偽りながら、俺は麻雀の技術を磨き、少しずつ強くなっていった。
―― そんな俺を今の政府は『反逆者』と呼んでいるらしい。
それは各地の女性たちを俺が麻雀で倒しているからだろう。
この狂った世界を作った張本人にして現世界政府トップ ―― 宮永咲の象徴とも言っても良い麻雀は最も女性と男性の差異が現れると言われている。
そんな競技で男性が女性を打ち倒すとなれば、それは男性が圧倒的に女性に劣っているという現政策の根幹を揺るがす出来事だ。
勿論、そうやって俺が雀士を倒したところで何か世界が変わる訳ではない。
既に幼馴染が開いたパンドラの箱は災厄を放ち、世界はそれに満たされている。
俺以外の男たちは殆ど骨抜きにされて、最早、蜂起出来るような状態ではない。
俺がどれだけ抗っても…きっと何も変わらないのだろう。
だけど…俺はそれでも…心折れ…刃尽きるまで戦い…そしてその中でこう叫び続けよう。
―― 【R18】京太郎「間違っているのは俺じゃない。世界の方だ」【咲安価】
―― 世界は汚染されてしまった。
そんな文面が小説ではなく、リアルで飛び交うようになったのは一体、何時頃なのだろうか。
勿論、それは決して冗談ではなく、知識人達が真顔で言うくらいに逼迫した現実である。
だが、それは放射能が漏れたとか、汚染物質が垂れ流しだとかそういう現実的なものではない。
さっきと矛盾するようではあるが、それはとてもファンタジーでメルヘンなものによって引き起こされていた。
―― 学者たちはそれを瘴気を名づけた。
馬鹿馬鹿しい話ではあるが…その汚染は別世界から行われているものらしい。
と言うのは、瘴気と名付けられた紫色の霧はこの世界の物理法則とはまったく異なるものだからだ。
その構成元素一つすら未だに分析する事が出来ていないそれはある日、東京から噴き出し、瞬く間に本州を包み込んだのである。
結果、この国は別世界の法則によって汚染され、そしてそこに住む人々もまた変質してしまった。
―― 今やこの国に明確な意味で『人間』である者は少ない。
突如として吹き出したその紫色の霧はあっという間に日本を覆ったが故に誰も逃げる事が出来なかったのである。
それは政治家たちも例外ではなく、霧に飲み込まれてすぐに『人間』を辞めてしまった。
望む望まざるに関わらず、人は人である事を放棄し、ソレ以外の生き物へと変貌したのである。
勿論、そうやって変貌した人々は現実に存在する動植物へと変わってしまった訳ではない。
異世界から漏れだし、今も世界を別の法則に書き換えている瘴気はそんな生易しいものではないのだ。
―― 人々はファンタジーに語られるような『魔物』になってしまったのだから。
スライム、ゴブリン、オーク。
こんなモンスターの名前を聞いた事はないだろうか。
娯楽としてゲームが氾濫していた時代の人間にとって、それらはきっと一発でピンと来るものだろう。
だけど、それらが普通に町中を闊歩している姿が、はたして想像出来るだろうか。
俺もその手のゲームは好きだったけれど…でも、そんな事は想像もした事がない。
だけど、今、この国を支配しているのは間違いなくそういう異形の魔物たちであった。
―― とは言え、それはゲームに出てくるような化け物の姿ではない。
寧ろ、彼女たちはとても美しい容姿をしていた。
豚面で肥満体型として描かれ、悪役である事が多いオークでさえ豚耳にちょっとぽっちゃりした美少女という有り様である。
スライムも粘液体という事もあって向こう側が透けているものの、世が世ならアイドルになってもおかしくない容姿をしていた。
勿論、この2種族だけが特別なのではなく、ミノタウロスだの、ジョロウグモだのと言った他の化け物たちもその特徴を残しながらも美少女化している。
―― そんな世界で俺はなぜか一千兆円もの借金を背負ってしまった。
そんな風に闊歩する人々が変わっても、貨幣の価値は消えなかった。
人々は人の形を残しているとはいえ、以前のような生産は殆どしていない。
異形に変わった事で得た力 ―― 所謂ファンタジー的な魔法によって全ての生産活動がなされている。
凄い乱暴な言い方をすればチチンプイと呪文一つで電力を作り、水を生み出す事が出来るのだから以前のような生産の仕方などするはずがない。
これまで世界が大事に守ってきた物理法則をぶっちぎるこの国で、こうして貨幣価値が維持されているのは、良くも悪くも保守的なお国柄だったからなのだろう。
―― だからこそ俺が背負うその価値も…今も昔とそう変わらず一千兆円なのだ。
決してハイパーインフレーションを起こした訳ではなく…俺は本当にある日突然国の国家予算をはるか超える借金を背負う事になった。
勿論、そんなもの誰かから借りる事など出来ないし、そもそも普通の一般市民の俺がそんなお金を必要とするはずがない。
だが、国から俺の目の前に突きつけられたその借用証は悲しいくらいに本物で…そして逃れられない事を俺に悟らせた。
何せ、その債権者がこの国そのものなのだから、司法に訴えても認めてもらえるはずがない。
―― それに脱力する俺に国が提示した唯一の返済方法は…ダンジョンを探索する事だった。
ダンジョンとはこの国に瘴気が溢れたのと同時期に各地で生まれた迷宮である。
強大な魔物が生み出す桁外れの魔力が作ると言われているそれは一般人の立ち入りは禁止されていた。
それは勿論、その内部に強大な怪物が闊歩し、侵入者を文字通りの意味で叩き出すからだろう。
今まで死傷者が出たと言う報道は聞いたことがないが、しかし、気安く足を踏み入れては確実に痛い目を見る。
そんな場所に政府は一般人である俺に探索して来い、とそう言っているのだ。
―― 勿論、『パートナー』はつけてもらえるみたいだけどさ…。
今やこの世界は男よりもはるかに女のほうが身体的に優れている世界だ。
溢れだした瘴気は男よりも女のほうが馴染みやすいのか、怪物になった女に男は足元にも及ばない。
それでも女が男を支配なんて話にはなっていないけど、今の社会は完全に女ありきのものになっている。
この国の生産活動全般を支えている魔法を使えるのは彼女だけであり、そしてまたこの世界の物理法則が通用しない迷宮の怪物達と戦うのにも彼女たちの力が必要なのだ。
―― …それでも普通は行きたいとは思えないだろう。
俺だって男な訳で…自分を護る為に女を戦わせるのはあまり良い気分ではない。
ましてや、大丈夫だと言われているとは言え、命の危険があるかも知れないダンジョン探索なのだ。
幾ら借金という逃れられない理由があるとは言え、正直、気が重い。
けれど…それでも…俺には国からの命令にも近いそれを拒みきる事が出来なかった。
―― …あそこには俺の幼馴染がいるんだ。
あの日、俺はあいつを…咲を助けられなかった。
瘴気が吹き出した場所に誰よりも近かったが為に、真っ先にそれに飲み込まれ…そしておかしくなったあいつの事を。
俺に救いを求めて…手を伸ばして…縋った咲を俺は怯えて…拒絶してしまったのだ。
そして…今もその場所から帰ってこないあいつは…日本最初にして最大の迷宮 ―― TOKYO租界の主だと認定されている。
この霧の源を今も覆うそのダンジョンの攻略はようやく政府機能を回復させつつあるこの国にとってまさしく急務なのだろう。
―― …その為に俺に白羽の矢を立てられた意味までは分からないけれど。
俺は元コマンドーでも、元特殊部隊のコックでも、特攻野郎Aチームでもないのだ。
つい数年前までごくごく普通の高校生で…そしてだからこそ、あの場にい合わせてしまっただけのただのガキである。
そんな俺にわざわざ借金まで背負わせて働かせる理由までは分からないけれど…でも、俺にとって大事なのは行かなきゃいけない理由があるって事だ。
―― もし、また咲に会えるなら…俺は謝罪がしたいって…ずっと思ってた。
あの時…拒絶してしまった事…助けてやれなかった事…今までずっと逃げ続けた事。
あいつに謝らないといけない事は山ほどある。
それを許してもらえるかは分からない…って言うかまず間違いなく怒られると思う。
咲ってアレで俺に結構容赦ないしな…って、まぁそれはともかく。
だけど…そうやって俺はあいつと向き合って…それでようやく…あの瞬間に止まったままの俺の時間も動き出すんだ。
だから…怖いけれど…情けないけれど…付き合わせる事になる子には申し訳ないけれど…でも、俺は… ――
【R18】京太郎「魔物娘とダンジョン攻略」【安価】
「ねぇ、マヨナカテレビって知ってる?」
「あぁ、深夜0時になると未来の結婚相手が映るって奴でしたっけ」
「え?私が聞いたのは気になる人の秘密が分かるって話だったけれど…」
「まぁ、よくある都市伝説だし、話がズレるのも仕方ないでしょ」
「…それがね。違うらしいよ」
「えっ」
「後輩がね。本当に見たって言うの」
「見たって…マヨナカテレビを?」
「うん」
「…見間違えじゃないんですか?もしくは寝ぼけてたとか」
「本当だってばー。もう…疑り深いんだから」
「そりゃ都市伝説を信じろってのは無茶な話でしょうに」
「むー…それじゃあ…確かめてみようよ」
「確かめるって…どうやって?」
「ほら、丁度、明日は雨じゃない?マヨナカテレビも映るでしょ。チェックしてみようよ」
「…もしかして最初からそのつもりでした?」
「ふふ、どうだろう」
「まぁ…明日はシフト入ってないですし、良いですよ」
「有難う!だから、須賀君って大好き!」
「公子先輩…んな事言われてもまったく嬉しくないですよ」
―― 結果から言えば、そんな何でもないやりとりが、俺を不可思議な事件へと巻き込むキッカケとなった。
奈良県阿知賀市で起こった不可解な連続殺人事件。
死体が電柱に吊るされ、死因すらはっきりしないという事件はまだ始まってすらいない。
だが、俺はあの時…あの瞬間から…間違いなくその事件に絡め取られていた。
そして…その奥に蠢く悪意と歪んだ願望の源にも。
―― けれど、俺は…本来ならば、ただのギャラリーに過ぎなかったのだろう。。
敢えてこの話の主役を挙げるのだとすれば、それはきっと公子先輩だった。
常識では決して解けないその難事件を解決するのは、俺のバイト先の先輩であり、俺がほのかな恋心を寄せる彼女であったはずなのである。
けれど…彼女はその役を果たす事なかった。
代わりに彼女に与えられたのは…幕開けの役目。
ワイルド
つまり物語の主役であるべき『切り札』の死から…その事件は始まったのだ。
「ヒーローごっこは…楽しかったかぁおいぃ!」
「安っぽいヒロイズムに浸ってぇ、敵討を誓ってよぉ!」
「そうだよ!楽しかったよなぁ!!だって、『特別』になれたんだ!」
「平凡なお前が、ようやく復讐を誓うヒーローっていう『特別』を手に入れられたんだ!」
「楽しいよなぁ!素晴らしいよなぁ!!」
「こんな気持ちで何かするなんて初めてだ!何をしても肯定される!正義のためだ!」
「だから…そうだろ?お前も…本当は分かってるんだろ?」
「先輩が死んで、好きな人が死んでくれて良かったって…そう思ってるのを…自分で分かってるんだろぉぉ!?
「お…お前なんか…」
「男は皆…アコアコアコアコアコ…」
「誰も私を…女の子として見てくれない」
「ちょっぴり化粧だってしたのに…髪型だって女の子っぽく変えたのに」
「でも、皆はアコばっかり…アコしか見てない」
「だから…本当は妬ましかったんだよね…疎ましかったんだよねぇ?」
「アコが阿知賀に来てくれた時どう思った?」
「嬉しかったよね、うん。それは確か」
「でも…なんで嬉しかったの?」
「親友が…自分の所為で大変な道を選んだのに」
「大事な仲間が…茨の道を選んだのに」
「それでも…それでも脳天気に喜ぶって事はさー…本当は分かってたんじゃないの?」
「本当は…憧の人生を滅茶苦茶にしてやりたいって…思ってたんでしょ?」
「アンタなんか…!」
「男なんて嫌い…」
「だって…あいつらは野蛮で馬鹿で…汚いもの」
「しかも、ギラギラした目で人の事を見てきて…怖い」
「きっと頭の中で私の事を滅茶苦茶にされてるんだって…そう思うと…吐き気がする」
「でも…女の子は違う。女の子は暖かくて…優しいもの」
「それに…その中でもシズは特別」
「シズはちゃんと私を守ってくれる」
「だから…私はシズだけで良い」
「怖いものなんて…汚いものなんて、私の世界には要らない」
「優しいもの…美しいものだけあれば良いの」
「あ…アンタなんかぁぁ…!」
「私は…この阿知賀からは出られない」
「私は跡取り娘で…これから松実館を支えていかなきゃいけないんだから」
「周りも…皆それを望んでる。私に期待してくれている」
「それが…重い…苦しい…辛い…」
「私が何かする前に…もうするべき事は決まっている」
「他の事はさせて貰えなくて…引かれたレールを走るだけ」
「そんな中で…玄ちゃんだけが心の支えだって…そう思ってた」
「でも…玄ちゃんはきっと外に出て行っちゃう」
「私と違って夢がある玄ちゃんは…私を置いて…出ていっちゃう」
「私は…私はここで…一人ぼっち…寂しい…寒いよ…」
「誰か…暖めて…私の事…ギュッとして…」
「誰でも良い…もう玄ちゃんじゃなくっても良いの」
「私を支えてくれる人なら…暖めてくれる人なら…誰だって…っ!」
「貴女は…」
「阿知賀のレジェンド…良い響きだよね」
「でも、私はそれに相応しい事を何かやれた?」
「インターハイで良いところまではいけたよね。うん…でも、それだけ」
「誘ってもらえた実業団での成績もパッとしないまま…こうして都落ち」
「でも、地元の皆は未だに私の事を阿知賀のレジェンドって呼ぶ」
「…正直、鬱陶しいよね?」
「何?あてつけなの?伝説になれなかった私を責めてるの?」
「私だって精一杯やったわよ。精一杯やったけど…でも、どうにもならないの!」
「それなのに…皆レジェンドレジェンドって…!!」
「腹立つ…だから、田舎って大っ嫌い!」
「本当は…戻ってきたくなんてなかった!」
「こんな辛気臭くて何もないような場所なんか大っ嫌いだもの!」
「住人だって…生徒だって皆、嫌い!」
「貴女なんか…!」
「で…どうだった?」
「王者王者と…そう言って必死に保って取り繕ってきた自分が崩れた姿は」
「所詮、お前は妾の子なんだ」
「どれだけ努力しても、王者にはなれない」
「既にその座に君臨するものが居て、お前はそれを見上げるだけだ」
「そんな事分かっているだろう?」
「どれだけ桐条グループに尽くしても…所詮、お前は捨て駒でしかない」
「それでもそうやって自分を取り繕うのは、お前には何もないからだ」
「夢?目標?違うな」
「お前のやっている事はただの子どもっぽいあてつけに過ぎない」
「お前が王を口にする度に、痛々しそうにする母の顔を知っているだろう?」
「お前が王を口にする度に気まずそうにする役員の顔を覚えているんだろう?」
「それなのに…どうして言うんだ?」
「産んでくれた母親を、媚びへつらわなければいけない役員たちを不快にさせる言葉を…どうして?」
「本当にそれを目指すつもりがあるのなら…もっとやり方はあるだろう?」
「それなのに…その言葉を軽々しく口にするのは、お前にとって、それが当てこすりの道具でしかない証だ」
「お…お前など…」
「「「 私じゃない!!!! 」」」
「…アレはアナタです」
「いえ、より正確に言うならばアナタの一部と言うべきでしょうか」
「アナタが目を背け、抑えこんできた自意識の一部」
「いわばアナタの影 ―― シャドウです」
「そして…シャドウの目的はアナタを排除する事」
「主従を逆転し…自らが陽の光を浴びる為に」
「それは勿論、長くは続きません」
「アレは所詮、影。あなたの一部に過ぎないのですから」
「けれど…それでもシャドウにとってはそれで良いのです」
「アナタがシャドウを憎むように、シャドウもまたアナタを憎んでいるのですから」
「アレはアナタの一部であると同時に鏡でもあるのです」
「…そっか。だったら…やる事は一つだけ…だよね」
「…行くのですか?」
「うん。それが…私のしなきゃいけない事だと思うから」
「世話になったね…えっと…エトピリカになりたかったペンギンちゃん?」
「…エトペンで構いません。でも…そのまま行けば…」
「そうだね。ペルソナを奪われた私は死ぬしかない」
「今までこき使ってきた所為か、アイツ滅茶苦茶だもんねー…はは」
「でも…このまま逃げまわってるだけじゃ、エトペンちゃんにも迷惑がかかっちゃうでしょ?」
「ですが…」
「良いの。きっと…何とかなるから」
「ううん。何とかしてくれる…かな。私の大事な後輩君なら…さ」
ワイルド
「かくして、『主役』は舞台から退場なさいました」
「されど、物語は周り、時間は流水のように流れ行くものです」
ワイルド
「その中で『切り札』を譲られた少年が、いかな結末を迎えるのか」
「それを決めるのは貴方方次第であります」
1.【安価】京太郎「マヨナカテレビの謎を解く」穏乃「阿知賀でね!」【咲×ペルソナ4】
あれ…京子ちゃんネタ何処言った…!?ごめん、ちょっと探してきます
宥姉は完二枠だからなー(意味深)
― それは一人の男の言葉から始まった。
京太郎「え?鹿児島に引越し?」
京太郎父「そうだ。急な話で悪いが…」
― 訪れる別れ
咲「…行かないでよ…京ちゃん…」
京太郎「咲…ごめんな…」
― そして出会い
小蒔「私が神代小蒔です!よろしくお願いします」
京太郎「俺は須賀京太郎です。よろしくおねがいします」
― 真実。
京太郎「…え?」
霞「だから…君は私達の代わりに呼ばれたのよ」
霞「今年で…卒業しちゃう私達の代わりに…姫様と一緒にインターハイに行く為に」
― 変異。
初美「これから京太郎君は京子ちゃんとなって、頑張るのですよー」
京太郎「い、いや!無理ですって!絶対無理ですって!!一発でバレますから」
巴「うーん…意外とお化粧ののりが良い…ちょっと悔しいわ…」
― 怒り。
京太郎「おいこら糞オヤジ!!てめぇどういう事だ!!」
京太郎父「おいおい嘘は言ってないぞ、神代さんとこが親戚なのは本当だし、引越するのも事実だっただろ?」
京太郎父「ただし、お前だけで、俺は謝礼金をがっぽり貰って母さんと世界一周旅行中だがな!」
京太郎「ほぼ身売りじゃねぇかくそがあああああ!」
京太郎父「大丈夫だって。何か最近、お前女顔っぽいからなんとかなるって」
― 諦観。
京太郎「…今日からお世話になります須賀京子です。よろしくおねがいします」ペコリ
モブ1「まぁ…なんて素敵なお方…」
モブ2「どことなく男性的で…私の胸もドキドキしてしまいますわ…」ウットリ
モブ3「お姉さま…いえ…京子姐様と言うのが良いかしら…」ドキドキ
京太郎(「うぅ…何言われてるんだろう)」
― 試練
京太郎「(目立つな…絶対に目立つんじゃない…!目立ったら終わりだ…!!)」
淡「(コイツ…さっきからまったく私に振り込まない…!?)」
淡「(完全に狙い撃ちにしているはずなのに…どういう事…!?)」
― そして審判の時
咲「京ちゃんもインターハイ出場決まったんだ!おめでとう!」
京太郎「あ、あぁ…」
咲「これでまた全国で会えるね!」
京太郎「そう…だな…」
咲「…京ちゃん?」
京太郎「いや…何でもない。…咲も頑張れよ」
京太郎「俺も…何とかやっていくからさ…」サメザメ
【咲】京太郎「明日から俺が須賀京子ちゃん…だって…?」 【非安価】
2013年春公開予定!!
3は阿知賀メンバーってのはわかるけど1と2で出てくるのが咲ちゃん以外わからないな
可能であれば次回作で主に出てくるキャラとかも教えてほしいのよー
後なんかヤンデレ(おそらくクロチャーになる)とおもち少女二周目な感じー
>>790
1と2は安価スレだからヒロインは安価で決定するのよー
12巻買ったし有栖山もある程度行けるはず
まぁ、まったく露出ない子はちょっと厳しいけれどね
でーちゃんとかは勝手にこっちで設定つけて遊びます
それじゃ結構スレ残ってるんでとりあえず今から24時間集計する感じで
1【.R18】京太郎「間違っているのは俺じゃない。世界の方だ」【咲安価】
2.【R18】京太郎「魔物娘とダンジョン攻略」【安価】
3.【安価】京太郎「マヨナカテレビの謎を解く」穏乃「阿知賀でね!」【咲×ペルソナ4】
4.【咲】京太郎「明日から俺が須賀京子ちゃん…だって…?」 【非安価】
5.クロチャーのヤンデレ
6.おもち少女二周目
数字でお選び下さいませ
24時間は長すぎと言うかID変えればいくらでも票入れられるし
流石に24時間は長いような
おもち2周目(貧乳)希望
後な!こんなグダってるのに終わるまでついてきてくれたお前らに俺の方こそ乙だと言いたいんだよ!!
いや、ホント、ごめんなさい…次も次回作に安価入ってるけどこんなにぐだったりしないように頑張ります
そしてこんなスレについてきてくれてありがとうございます、完走出来たのは乙つけてコンマとってくれた皆様のお陰です
本当にありがとうございます
>>795>>805
と言っても俺の都合で開始時間遅れちゃったからなぁ;
次回作安価楽しみにしてくれた人もいるかもしれないし…って思うとできるだけ長く範囲とった方が良いかなって…
うーんでも長いって人もいるし>>830までにするかな
思った以上に人が沸いてびっくりしたし…sageてるのになんでこんなに人いるんですかね(震え声)
2でやっぱオリネタで推したい
>>830まで多重除くと
1:1
2:7
3:3
4:11
5:3
6:8
かな?
こっちは6が9になったけど(多分重複で弾いた数の違いだと思う))大体、>>833と同じだね
>>833も集計ありがとうございました
って事で次回作は4の【咲】京太郎「明日から俺が須賀京子ちゃん…だって…?」 【非安価】に決まりました
皆様次回作の安価にまで参加して頂いて本当にありがとうございます
次回作は某有名京綾スレみたくほのぼのギャグ目指して頑張ります
エロ?た、たまに書きたくなる発作はエロパロスレで補うから(震え声)
ていうか、クロチャーのヤンデレとしか書いてない5に票結構入っててワロタ
仕方ねぇな!ちょっとだけサービスしてやるよ!!
あ、でも、今日はそろそろ眠いんでサービスは明日になると思います
では、皆様本当にありがとうございました
おやすみなさい
乙
非安価ならわざわざスレタイに入れる必要は無いんじゃないかな
乙
女装ってことは次回作はおとぼくみたいな展開になるのか
胸が熱くなる
完結乙したー
おとぼく時空か・・・股間が熱くなるな。
おつー
絹ちゃんはどうなったんや…
完結お疲れ様でした!めちゃめちゃ面白かったです。(小並感)
誰か新道寺スレ建てる人おらんのか!(迫真)
イッチ新道寺も候補に入れたげてよぉ~
完結乙
起きたら次回作が決まっていたでござるの巻
ベッドヤクザ京太郎書いてるイッチが女性上位であると思われる1をどう書くのか見たかったんだけどな
結局ハーレム√簡潔なのか……
正直幼馴染2人√と松実館√期待してただけに物足りなさ感じる
すみません、なんかavastさん更新したらCPU使用率100%になってろくに作業が出来ない状況です…
状況次第ですがもしかしたら今日は投下出来ないかもです…申し訳ない;
ぐあーとりあえず原因がウィルスというのも考えられるので軒並みパス変えてきました…(涙目)
ついでにavastさんも解雇、結構気に入ってたんだけどなぁ…
そんな訳でとりあえず落ち着いたんで出勤までちょこちょこ個別エンド投下していきます
>>858
他が安価って入れてたから非安価って入れとかないとわかりにくいかなって
スレ立てする時は非安価の部分消して立てますね、ありがとうございます
>>862>>866
実はおとぼくやってないんだよねー
一応、あわあわ以外は全員京子ちゃんが男である事を知ってる上での開始になるからおとぼくっぽくはならないと思う
モブ女子の反応がそれっぽくなるかもしれないけど
>>870
絹ちゃんはおそらく七股に幻滅して芽生え掛けてた気持ちが消えてるんじゃないかなー
後は
和:幼馴染たちがハーレムを作った事を知ってなんとか説得に動こうとするが全員の気持ちの強さに最終的に支援に回る
池田ァ:とりあえず負けて悔しかったので弄るが、無関係なのでハーレムも好きにすれば良いと思ってる
みたいな感じ?(適当)
>>872
新道寺は小ネタ書いて思ったけど方言の壁がでかすぎるんだよ…(震え声)
それさえなければ書きたい子多いんだけどねー
>>877
実は普段書いてるの女性上位のエロネタが多いんやで(小声)
>>885
>>887が言ってくれてる通りIF歴史的な個別エンドはやります
でも、幼馴染丼とか松実姉妹丼とかはハーレムエンドになったしもう良いかなって…
流石にそこまで書くとこのスレじゃ収まりきらなそう
【穏乃エンド】
京太郎「…ふぅ…っと」
穏乃「あ、京ちゃんお疲れ様」
京太郎「おう、しずもお疲れ
京太郎「そっちは片付け終わったか?」
穏乃「うん。ばっちりだよ」
京太郎「そっか。…でもさ」
穏乃「ん?」
京太郎「…毎回思うんだが、そろそろ京ちゃんは止めないか?」
穏乃「えーどうして?」
京太郎「だって一応、もう俺達結婚してるんだぜ?」
穏乃「け、結婚…」カァ
京太郎「あぁ…もう今更恥ずかしがるなよ」ポン
穏乃「だ、だって……夢みたい…なんだもん」
京太郎「ん?」
穏乃「だって、私、お化粧もろくに知らなくて…憧みたいに女の子っぽくないし」
穏乃「玄さんみたいに可愛い訳でも、宥さんみたく綺麗な訳でもないし…」
穏乃「灼さんみたいにしっかりものでもないでも…んにゃぁ」ノビー
京太郎「…まったく、そんなの気にするなよ」
穏乃「らってー…」
京太郎「…ま、仕方ないだろ。そんなしずに惚れちゃったんだから」パッ
穏乃「ほ、惚れ…!?」カァァ
京太郎「だから、結婚してるのに今更だっての…ったく」ギュッ
穏乃「ふぇ…な、何…するのぉ…」ポォ
京太郎「結婚数年経っても初なお前を誰かに取られないように独占してるの」ギュゥ
穏乃「わ、私と結婚してくれるのなんて京ちゃんだけだよ?」
穏乃「それに…私が結婚したいのも…京ちゃんだけだもん…」ギュゥ
京太郎「それはどうして?」
穏乃「だって…小学校の頃から…ずっとずっと…大好きで…」
穏乃「京ちゃんから告白してもらった時なんて…死んじゃいそうなくらいだったんだから…」
京太郎「実際ぶっ倒れたしな」
穏乃「ぅー…お、思い出さないでよぉ…」
穏乃「でも…あの時は本当にびっくりしたよ」
穏乃「だって…京ちゃんが好きなのは憧の方だと思ってたし…」
京太郎「憧は友達だっての」
穏乃「…でも、一緒にいたの憧の方が多くなかった?」
京太郎「そりゃ気のせいだよ、アイツと一緒の時は確かにあったけど間違いなくしずと一緒の事が多いって」
京太郎「それに憧と一緒の時は大抵、お前のプレゼントとか相談に乗ってもらってる時だからなぁ」
京太郎「不安に思ったりしなくても大丈夫だよ」ポンポン
穏乃「そっか…そっか…えへへ…」
京太郎「少しは気も紛れたか?」
穏乃「うん。…あ、変な事聞いちゃってごめんね」
京太郎「良いよ。それだけ嫉妬してくれるだけ俺の事が好きなんだろ?」
穏乃「うんっ大好き…♪」パァ
穏乃「あ…でも…これってやっぱり嫉妬…なのかな?」
京太郎「ん?どうした?」
穏乃「…だって、親友にこんな風に嫉妬するとか…情けないなぁって」
穏乃「もうけ…け…結婚も…してるのにこんな…嫌な子みたいに」カァ
京太郎「…良いんだよ。俺はそんな嫌な子が大好きなんだからさ」ギュゥ
穏乃「はぅん…♪」
京太郎「ま、誰かの嫉妬するなんて当然の感情だろ」
京太郎「俺だって男の従業員と話すしずを見て嫉妬してるぞ」
穏乃「…ホント?」
京太郎「ホントホント。しずは俺のものなのにーって言いたくて堪らないの」
穏乃「は…ぅう…♪」プルプル
京太郎「…どうだ?嬉しい?」
穏乃「……ぅん。今、すっごい嬉しかった…」カァ
穏乃「へ、変…だよね。京ちゃんを嫌な気分にさせてるのに…」
京太郎「そうやって嬉しくなるのも俺の事を愛してくれてる証だろ」
穏乃「…そう思って良いの?」
京太郎「逆に聞くけど誰がそれを怒るんだよ」
京太郎「社長夫婦がそれだけ仲が良いって素晴らしい事じゃないか」
穏乃「えへへ…♪うん…そうだね、うん」ニコー
穏乃「あ、でも…ね。浮気なんか絶対しないよ?」
穏乃「私の全部は…京ちゃんのものなんだから」
穏乃「だから…京ちゃんも浮気しちゃ…やだよ?」
京太郎「しないっての。つか…そもそも出来ないだろ」
京太郎「俺は入婿で一応社長にしてもらってる立場だしさ」
京太郎「社長業の最中も終わったあともしずとずっと一緒だし」
京太郎「する時間なんてないっての」
京太郎「それに…まぁ、何より…だ」
京太郎「こんなに可愛い奥さんがいるのにする理由がないだろ」チュッ
穏乃「…可愛い?」
京太郎「あぁ。可愛い。世界一可愛い」
穏乃「ぅ…そ、そんなお世辞ばっかり言わなくても…」
京太郎「しず相手に今更、お世辞なんか言うかっての」
京太郎「何ならお前の可愛いところ全部列挙しようか?」
穏乃「そ、それは恥ずかしいからやだぁ…」モジモジ
京太郎「じゃどうしたら信じてくれる?」
穏乃「あ…じゃあ…あの…あの…ね」
穏乃「……何時もの…魔法のキス…欲しい…な♥」ジィ
京太郎「…お安いご用だ」チュッ
穏乃「ふぅ…ん♥」クチュ
【憧エンド】
京太郎「ただいま」
憧「あ、おかえり、アナタ」パタパタ
憧「荷物預るね」スッ
京太郎「おう。頼むな」
憧「うん。ってまた重たいわね…」ズッシリ
憧「まさかまた仕事持って帰ってきたりとか…」ジトー
京太郎「してないしてない。ま、今日は色々あったんだよ」
憧「…色々…ねぇ。ま、詮索はしないでおいてあげるけど」
京太郎「物分かりの良い奥さんで嬉しいですよ」
憧「そうよ。まったく…こんな良い子めったにいないんだからね?」
憧「手放しちゃダメよ。絶対に」クスッ
京太郎「そんな事しねぇっての。後が怖いし」
憧「…それだけ?」
京太郎「はいはい。好きですよ、愛してます憧様」
憧「ふふ…あたしも愛してますよ旦那様」クスッ
憧「ほら、じゃあ、着替えさせるから…」
京太郎「あいよ。これで良いか」スッ
憧「はい。オッケー」スッ
憧「……うん。今日も浮気の後はなし…バッチリね」
京太郎「そりゃ毎日チェックされてるしな」
京太郎「浮気なんて怖くて出来ないっての」
憧「……したら冗談抜きで京太郎を殺してあたしも死ぬから」
京太郎「そんなに凄まなくても分かってるっての」
京太郎「それにまぁこんな中年のおっさんと浮気したいって女もいないだろ」
憧「…知ってる?日本で浮気する人が一番多い年齢って30から40代なんですって…」ゴゴゴ
京太郎「ま、だとしても俺は関係ねぇな」
憧「…どうして?」
京太郎「奥さんにぞっこんだからです。…その証拠に…ほら」パカッ
憧「あ…♪」
京太郎「結婚30年目の交際記念日だしな」
京太郎「ちょっと奮発して色々買ってみた」
憧「…もう。子どもがいなくなったって言っても、奮発し過ぎよ」
京太郎「大丈夫。日頃のおこづかいをコツコツ溜めて買ったからさ」
憧「まったくこんな事にお小遣い使っちゃって」ニマー
憧「もうちょっと趣味とかに使いなさいよ…もぉ」ニコニコ
京太郎「うちの奥さんはやりくり上手なお陰で毎月それなりに貰ってるしな」
京太郎「酒もタバコもやらんし…弁当も毎日持たせて貰ってるから金も余ってる」
京太郎「ま、日頃の感謝の気持ちって奴だ。にやけてないで受け取って欲しいな」
憧「に、にやけてなんて……ちょっとはあるかもしれないけどさ」スッ
憧「…ありがとね、京太郎。すっごく嬉しい」ニコ
京太郎「ま…カバン持った時点で大体の事は分かってたみたいだけどさ」
憧「それだけ素敵な旦那様の事を信じてるのよ」ギュッ
京太郎「っと…おいおい。まだ着替えの途中だぞ」
憧「…嬉しい。本当に…嬉しい」ギュゥ
京太郎「…ったく、年取っても甘えん坊になるトコロは変わらないな」ナデナデ
憧「…言っとくけどそんな女にしたのアナタだからね?」
憧「あたしにとって…一番大きな存在はずっとアナタだったんだから」
憧「アナタからの影響で…こんなに重くてダメな女になっちゃったのよ」スリスリ
京太郎「だから責任取れって?」
憧「…ん…もう十分責任は取ってもらってるかな」
憧「こうして専業主婦やらせてもらって…子どもも二人無事に送り出せて…」
京太郎「…おう。憧も本当にお疲れ様」
憧「ううん。あたし一人じゃこんな事出来なかった」
憧「アナタが外で人一倍頑張ってくれた結果」
憧「…あたしが惚れた…最高の旦那様のお陰です」
憧「今日も一日お疲れ様。皆の為に…ありがとうね」
京太郎「ま、それだって一人でやれてる訳じゃねぇよ」
京太郎「憧がいるから…子ども達がいるから」
京太郎「俺はこんなに頑張れるんだよ」
京太郎「ま、一番はやっぱり…俺の大好きな奥さんのお陰だけどな」ナデナデ
憧「ん…」
京太郎「こっちこそ…何時もありがとうな」
京太郎「愛してるよ、憧」
憧「…あたしも…愛してる…♥」ギュゥ
憧「…だから、絶対に…離さないでね」
京太郎「こんな年になって手放したりするかよ」
京太郎「…お前が死ぬまでちゃんと側にいてやるよ」
憧「…自分が死ぬまで…じゃないんだ」クスッ
京太郎「お前残して死んだら死んでも死にきれないだろ」
京太郎「だから、俺が必ず後で死んでやる。心配すんな」ナデナデ
憧「…ふふ…心配なんてしてないわよ」
憧「アナタが死んだらすぐに後を追うだけの話だから」
京太郎「…それが冗談に聞こえない辺り、すげーよな」
憧「本気だもの。当然でしょ」
京太郎「…やっぱお前置いて[ピーーー]ないな、後が不安過ぎる」
憧「…なによ、ただ一途なだけでしょ」
京太郎「お前の場合、それがたまーに行き過ぎる事があるんだよ」
京太郎「ま、もう慣れたけどさ」
京太郎「ソレ以外はホント非の打ち所のない女だし…奥さんとしても最高だし」
憧「当然よ、京太郎にふさわしいイイ女になれるように日々努力してるもの」
フィルターーーー!!!!!!(涙目)
京太郎「良い女…か、確かに憧は最高だよ」
京太郎「で、俺はそろそろその最高の女が作ってくれた料理を食べに行きたいんだけど」
憧「…このままもうちょっと…ダメ?」
京太郎「…だーめ。代わりに…ほら、ちょっとスペースあけろ」
憧「こう?」スッ
京太郎「あいよ…っと…!」スッ
憧「ちょ…わわ…っ!」
憧「い、いきなりお姫様抱っこは危ないでしょ!!」
京太郎「はは。悪い悪い」
京太郎「でも、相変わらず軽いな、ちゃんと飯喰ってるか」
憧「朝と夜は同じもの食べてるでしょ」
京太郎「ま、そうなんだけどさ…」
憧「それより…腰とか大丈夫?」
京太郎「ば、バカにすんなよ、まだまだ憧一人分くらい大丈夫だっての」
京太郎「なんなら今日はベッドで思いっきりそれを味あわせてやっても良いぞ」
憧「うわー…シモネタとかさいってー」クスッ
京太郎「…嫌か?」
憧「…そんな不安そうな顔しないの」ピッ
憧「こんなおばさんで良ければ何時だって相手してあげるから遠慮無く言いなさい」
京太郎「おばさんじゃねぇよ、憧は何時だって綺麗だ」
京太郎「だから、今すぐ…良いか?」
憧「もう…盛ってるんじゃないの」
京太郎「だって…憧があんまりにも可愛い事言うからさー…」
憧「お腹減ってるんでしょ?なら、先にゴハンよ。これは決定事項です」
京太郎「はーい…」
憧「…ま、その後、お風呂でなら…相手してあげるから」カァ
京太郎「あーこーっ」ギュゥ
憧「もう…甘えん坊はどっちよ」クスッ
憧「ほら、それより早く席になさいよ」
憧「今日もちゃんと最後まで食べさせてあげるからね」スッ
【灼エンド】
京太郎「ふぅ…灼、今日の予定は?」
灼「とりあえずこれで全部…」
京太郎「はー…ようやく終わったかぁ…」
灼「お疲れ様。はい、これ」スッ
京太郎「おう。ありがとうな」
京太郎「にしても…麻雀プロって思ったより辛いんだなぁ…」
灼「…泣き言?」クスッ
京太郎「ち、ちげーけど…でも、シーズン外でもあっちこっちから引っ張りだこだしさぁ…」
灼「…それは京太郎が今、男子日本一位だから…」
京太郎「うん。まぁ、実力を評価されてるのは嬉しいけど…」
京太郎「でも、なんか最近、ソレ以外の主演が多くないか?」
灼「…」メソラシ
京太郎「おい、マネージャー」
灼「…だって、京太郎は顔も良いから…」
灼「面倒見もいいしリアクションも面白いからバラエティの仕事が結構…」
京太郎「俺は麻雀プロであって芸能人じゃないんだけどなぁ…」
京太郎「なんで料理作ったり深夜のバラエティで鹿児島にバイクで行ったりするんだろ…」
灼「…嫌なら止める?」
京太郎「いや、止めない」
京太郎「今は何より金が必要だしな」
灼「…そんなに焦らなくても…」
京太郎「別に焦ってる訳じゃねぇけど…まぁ、このままで良いとも思ってないんだよな」
灼「…」
京太郎「確かに俺は強くなったし…有名になった」
京太郎「こうしてオファーも沢山貰って…間違いなく成功してる部類に入るんだろう」
京太郎「でも…」
灼「…ソレ以上は言わないで」
京太郎「でもさ…」
灼「…私は京太郎が成功してるなら…それで良い…」
灼「私は…マネージャーだから…京太郎の成功が一番の報酬」
京太郎「……だからって結婚もしないってのはどうなんだよ」
灼「…今は京太郎にとって大事な時期…」
京太郎「結婚で荒立てられる波ってなんだよ」
灼「それは…」
京太郎「…そんなに俺の事信用出来ないか?」
灼「違う…私は…!」
灼「ただ…京太郎に成功して欲しい…だけ」
京太郎「恋人と結婚できずに麻雀打つのが成功なのか?」
灼「それは…」
京太郎「違うだろ、そんなんじゃ成功したなんて言えない」
京太郎「俺はそんなことの為に麻雀プロなんてやってる訳じゃない」
灼「……」
京太郎「…なぁ、灼。そろそろ正直に言ってくれよ」
京太郎「俺は灼のマネージメントのお陰で成功できた」
京太郎「こうしてテレビ出演のオファーも来るし、大会でも活躍出来てる」
京太郎「コレ以上の成功は殆どないと言っても良いだろ?」
灼「…そ…れは…」
京太郎「なのに…事ココに至って…どうして結婚を拒むんだ?」
京太郎「いや…なんでそんなに結婚する事に怯えているんだ?」
灼「…」
京太郎「もう同棲してるも同然で…私生活でも仕事でも一緒じゃないか」
京太郎「それなのに…どうして結婚だけはそんなに嫌がるんだよ」
灼「それ…は…」
灼「……」
京太郎「…行動してる時はほぼ一緒だし、灼が浮気をしてるなんて疑っちゃいない」
京太郎「でも…それでも流石に…不安になる事があるんだよ」
京太郎「俺は…雑誌で言われているように無敵のチャンピオンじゃない」
京太郎「灼が献身的にサポートしてくれなかったら…間違いなくここまで来れなかったような男だ」
京太郎「灼が支えてくれなかったら、俺は本当は平凡で…特に何の取り柄もないまま終わった男だ」
灼「そんな事…」
京太郎「…あるんだよ」
京太郎「俺は灼に叱咤されなきゃこんなに麻雀に打ち込んでなかった」
京太郎「苦手なものを克服する為に何十時間も特訓に付き合ってくれた灼がいなかったら…」
京太郎「俺は間違いなくあのインターハイを勝ち抜く事は出来なかった」
京太郎「プロになった後も失敗や挫折で落ち込む俺を灼が励ましてくれなかったら全日本一位になんてなれなかった」
京太郎「俺にとって灼は…それだけ恩を感じてる存在だ」
京太郎「…だから…俺は灼の嫌がる事はしたくない」
京太郎「…でも…俺はこれまで…ずっと聞くのを躊躇ってきた」
京太郎「だけど…もう…俺は我慢出来ない…」
京太郎「なぁ、灼……俺の事…嫌いになったのか?」グッ
灼「違…っ!」
京太郎「…正直に言ってくれ」
京太郎「ここでそうだと言っても…俺は灼には何もしない」
京太郎「マネージャーを辞めたいと言うならすぐに別のマネージャーを手配するし」
京太郎「今の家だって…すぐに出て行く」
灼「違うの…本当に…」
京太郎「…じゃあ、どうしてなんだ…?」
京太郎「俺は結婚相手として…それだけ不安にさせる相手…なのか?」
灼「…違う」
京太郎「……じゃあ」
灼「違う…の、私の…所為…なの」ポロッ
京太郎「あ、灼…!?」アセッ
灼「怖い…んだよ…私…」
灼「結婚するのが…怖いの…」
京太郎「…怖い?」
京太郎「やっぱり俺が…」
灼「…ううん、京太郎は…悪くない…」
灼「悪いのは…私…なの…」
灼「私…幸せな家庭なんて…知らない」
灼「私が知ってるのは…働いてるお父さんとお母さんの背中だった…」
灼「物心ついてすぐに…お祖母ちゃんに預けられて…ずっとそこで暮らしてきた」
灼「…だから…私、どうしたら良いのか…わかんないの…」ギュッ
灼「…どうやって京太郎と幸せな家庭を作れば良いのか…」
灼「どうやったら…ちゃんとした母親になってあげられるのか…」
灼「…ずっとずっと…考えてるけど…でも…分からない…の…」ポロポロ
京太郎「灼…」
灼「それで…ちゃんと出来ないなら…まだ良い」
灼「でも…もし、京太郎に嫌われてしまったら…生きていけない…」
灼「だから…ずっと結論を先延ばしにして…そ、それ…で…」
京太郎「……ごめんな」ギュッ
灼「…ぅ」
京太郎「…俺、灼の事…ちゃんと分かってあげられてなかった」
京太郎「そうだな…確かに灼の立場なら不安になるのが当然なのかもしれない」
京太郎「…恋人なのに…まったくお前の立場を考えてなくて…ごめん」
京太郎「…でもさ」
京太郎「でも…そうやって働いてる両親しか知らないからこそ…」
京太郎「…灼は結婚するべきだと思うんだよ」
灼「…え?」
京太郎「灼はそんな二人の事を見送ってどう思った?」
灼「…寂しいって…思った」
灼「構って欲しいって…もっと顧みて欲しいって…」
灼「振り返って…欲しい……って…」グスッ
灼「でも…仕方のない事だから…私、言えなくて…」
京太郎「…そうだな。灼はずっと寂しい思いをしてきた」
京太郎「だからこそ…次は子どもにそんな思いをさせない家庭を作れるはずだ」
灼「…でも…DVを受けた子どもが親になった時にDVをする傾向が強いってデータも…」
京太郎「あるかもな。でも、それがどうしたよ?」
灼「…え?」
京太郎「貧困の再生産じゃないんだ。何もそれが延々と続いていく訳じゃないだろ」
京太郎「あくまで統計的データであって、決定づけられた運命とか未来じゃない」
京太郎「いや…例えそうでも灼は必ず乗り越えられるよ」
灼「…どうしてそこまで言い切れるの…?」
京太郎「だって、俺は知ってるからな」
京太郎「灼がどれだけすげー奴で…そして面倒見の良い奴か」
京太郎「自分の経験っていう…間違いのないものではっきりと感じてるんだ」
京太郎「だから、灼は絶対に子どもにそんな寂しい思いをさせないし…」
京太郎「立派な母親に…そして妻になってくれるって信じてる」
京太郎「何より…だ」グイッ
灼「あう…っ」
京太郎「…灼は一人じゃない」
京太郎「俺が…いる」
京太郎「今は…頼りないかもしれない」
京太郎「まだ灼におんぶだっこの状態かもしれない」
京太郎「でも…俺は何時か必ず灼の事を背負えるような男になる」
京太郎「心も身体も…護ってやれるような立派な奴になる」
京太郎「約束する…お前を一人にはさせない。絶対に」
京太郎「灼が間違えそうなときは…必ずそれを止めてやる」
京太郎「…ま、それでも、ダメって言うなら…当分は諦めるよ」スッ
灼「あ…っ」
京太郎「気持ちの整理とかもあるだろうし…それに俺が頼りないのは事実だしな」
京太郎「…今まで知らずに結婚の話とか出してたのが…その証拠だし」
灼「う、ううん…黙ってた私が悪いから…」
京太郎「恋人の気持ちに気付かなかった俺が悪いんだよ」
京太郎「だから…ま、当分はこの話はなしだ」
京太郎「とりあえず結婚資金を貯めるのを頑張りますか」
灼「……」
灼「…して…くれない…の?」
京太郎「え?」
灼「…あ、いや…その…」カァ
京太郎「……え?マジで?」
灼「あ…ぅ…ち、違…違うよ?」
灼「えっと…その…さっきの話でその気になったからとかじゃなくて…えっと…その…」モジモジ
灼「……私だって…本当は…京太郎と結婚…したかった」カァ
京太郎「…え?」
灼「だって…私…ずっと弟みたいに…思って…」
灼「私が面倒見てあげなきゃって…思ってた…のに…」
灼「いつの間にかどんどん格好良くなって…立派になって…」
灼「弟から…好きな人に…変わって…付き合う事になって…」
灼「それでも…京太郎はどんどん挫折を乗り越えて…立派になっていったんだから…」ギュッ
京太郎「ぅ…あ、灼…?」
灼「…本当は…誰にも渡したくなんか…ない」
灼「京太郎は…私の大事な弟で…恋人…なんだから」
灼「…不安で…ずっと逃げてたけれど…でも…」
灼「私が…家庭を築きたいのは…京太郎以外にいないよ…」
灼「…だから…その…京太郎さえ…よければ…」
灼「私と…私と…」
灼「結婚…してくれません…か?」マッカ
京太郎「…それ灼が言うのかよ」
灼「だ、だって…今までずっと袖にしてきたから…」
灼「今度はこっちから言わなきゃ…不義理かなって…」
京太郎「まったく…変なところで律儀なんだから」
京太郎「つーかもっと俺に格好つけさせろよ」
灼「…京太郎は十分格好良かった…」ギュゥ
京太郎「プロポーズされて格好良いも何も無い気がするけどなぁ…」
京太郎「…ま、いっか。とりあえず…さ」ゴソゴソ
灼「…何を探してるの?」
京太郎「…ちょっとまって。…よし、あった」
京太郎「…はい。これ」スッ
灼「こ、これって…もしかして…」
京太郎「ま、所謂、結婚指輪って奴?」
京太郎「収入不定期だから給料三ヶ月分かどうかはわかんないけどさ」
京太郎「…でも、灼の事を考えて…出来るだけ良いのを選んだつもりだ」
京太郎「だから…まぁ…その…な」
京太郎「…これを…俺が灼の指につけても…良いか?」
灼「…うん。勿論…」
灼「…京太郎に…つけて欲しい」
灼「その指輪で私の事…完全に縛り付けて欲しい…な」
京太郎「んじゃ…はめるぞ」
灼「うん…あ、あの…ゆっくりね…」
灼「は、初めてだから…あの…色々と味わいたくて…」
京太郎「…分かったよ、じゃあ…」スゥ
灼「…ん…♪」
京太郎「……何色っぽい声あげてるんだ、お前」
灼「か、感動で胸が一杯になっちゃうから…」
京太郎「…ホント、可愛い奴」チュッ
灼「ぅ…」カァァ
京太郎「…じゃ最後まで…いくぞ」
灼「…うん。来て…」
京太郎「……」ソッ
京太郎「よし…終わったぞ」
灼「……」
京太郎「…どうかした?」
灼「…やっぱり指にぴったりだなって…」
京太郎「そりゃここまで来てサイズミスったりしないっての」
灼「…うん。そうなんだけど…」ソッ
灼「…私…嬉しい」
灼「京太郎のくれた指輪が…私にぴったりな事が…」
灼「…心の底から…嬉しいの…」ジワッ
京太郎「…ばっか。泣くなよ」ソッ
灼「だ、だって…」
京太郎「…これから一杯、嬉しい事も幸せなことも沢山あるんだぞ」
京太郎「こんな事で泣いてちゃ、涙が枯れるっての」
灼「…枯らせてくれる?」
京太郎「勿論だよ。毎日毎日嬉しなきするくらい幸せにしてやる」
灼「ふふ…それはちょっと嫌かも…」
京太郎「…じゃあ、どんなのが良い?」
灼「…毎日、笑顔になれるような…そんな幸せが良い…かな…」ニコ
京太郎「了解。じゃあ…俺の奥さんの為にも…そんな幸せな家庭づくりを頑張らないとな」
灼「…うん。期待してるからね…アナタ」クスッ
Qなんで灼エンドだけちょっと長いん?
Aラストバトルで不遇だったからです(断言)後、アラタソは俺の嫁だから
んじゃそろそろ出勤してきますー
帰ってきてからの投下で残り4人を終わらせる予定ー
エロがない...だと...
乙
>>911
さりげなく別スレと混線してんじゃねーかw
乙です
玄には、玄にはエロがあるよね?
オロチさん相手にまたイッチが人外攻略をすると聞いて
でも最近のエロはシルキーズっぽく感じる(姫騎士感)
でもこの後日談のシズ達はアラフォーなんだよな…
シズ:新婚1~2年目(20代前半)
憧:熟年夫婦(40代中盤)
灼:事実婚カップル(20代後半~30代前半)
くらいじゃね?
個別エンドは他のヒロインがどうなるのかも気になるな
というか憧が病んでないか気になる
安価には混ざれなかったけど楽しみに読ませていただきました
イッチからは某首なし騎士の婿と似た匂いを感じるぜ、魔物娘好きそうだし
おはようございました
そろそろやってきます
その前にまぁお前らにちょっとしたプレゼントがですね(ゲス顔)
>>925>>932
残りレスで個別ルート終わらせる予定だからエロはないよ!
それにまぁこの前もガッツリやったから皆もう飽きてるかなって
>>929
阿知賀が地雷原なスレなんてワイは知らへん知らへんのや…(震え声)
>>934
つまり姫様にオロチさんを卸して貰って調伏セクロスすればワンチャン…永水が地獄になるな
>>937
アナタって最低のクズだわって言われたいのは間違いなく和
次点で菫さんだと思う(対魔忍感)
でも、アレ原作プレイしてないけど説明文見てる限り酷いのは母親の方だよね…
>>938
大体>>939の言ってくれてる通りのものを想定してます
憧だけはやっぱりアラフィフじゃないかなーと
まぁ、二次ヒロインの母親みたいな若くて美人なまんまを想像してくださると嬉しいなーと
>>940
個別エンドは他のヒロインを攻略してない世界線なので病みなんかないよ!!
>>942
デュラ婿…?いえ、知らない子ですね(すっとぼけ)
―― 奇跡と言うのは果たして実在するのだろうか。
この答えは恐らく価値観によって解答が別れるだろう。
現在の社会に多く広がっている科学至上主義からすれば奇跡なんてナンセンスだ。
歴史上に起こったどんな出来事も【必然】と捉える人にとっても否となるだろう。
しかし、宗教的奇跡 ―― 所謂、蘇生 ―― を信じる人にとってはそれがあると断言できるものだ。
勿論、俺はここでそのどちらが正しいと論じるつもりはない。
ただ、ここで俺が主張したいのは俺自身がその中に当てはまらないという事だけ。
―― なにせ俺はほんの数年前に本当の奇跡を見たのだから。
数年前まで俺の妻 ―― 松実宥は病弱だった。
夏でもコートとマフラーを手放せない病的なまでの寒がり。
体温調節機能に明らかな異常があるとしか思えない彼女が健康なはずがない。
ほんの少しでも寒くなればあっという間に風邪を引き、夏場も外気と体温のバランスが崩れて体調を崩しやすかった。
大きな病に掛かったのは一度や二度ではなく、数年後の生存率は0だとまで医者に宣告されたのである。
―― でも、今の彼女は違う。
生存すら絶望的だと言われてから数年経った今、彼女は俺達の愛娘と共に俺の隣を歩いていた。
桜がゆらゆらと風に揺れて花びらが舞う道を、かつてからは比べ物にならない薄着で。
勿論、トレードマークのマフラーは身につけているが、ソレ以外は格好は人並みレベルである。
その過去を知る人間からすれば、今の彼女が松実宥とは分からないだろう。
それくらいに彼女の変化は著しいものだった。
「ママー」
「なぁに?」
「あのねあのね」
そんな宥とにこやかに会話する娘には彼女の異常は遺伝しなかった。
勿論、多少寒がりではあるが、それは人並みレベルのもので収まっている。
その首に赤いマフラーを巻いているものの、それは妻が仕事中以外はずっとそれを身につけている所為だ。
ちょっぴり背伸びしたい年頃の娘にとって、母親と一緒のものというのはそれだけで素晴らしいのである。
「ふふ…良い子だね」
「えへー」
そして、そんな風に笑い合う母子の姿は俺にとって何事にも代えがたい宝物だった。
一時はどちらも失う事を覚悟した俺にとって、二人が揃うその光景は夢の様なものである。
ほんの少し足を踏み外していたら今の結果はなかった…いや、踏み外さなくてもなかったであろう理想の現在。
それが今日もまた続いている事を確認すると、それだけで頬が綻ぶ。
「パパどうしたの?」
「いや、幸せだなって思ってさ」
「私も幸せー♪」
宥から優しさを受け継いだ自慢の愛娘は俺の表情の変化に目ざとく気づいてくれたのだろう。
にこやかにそう言葉を漏らしながら、俺と繋いだ手にギュッと力を入れた。
まるで自分もそうなのだと必死に伝えようとするその小さな力に空いた手で頭を撫でてやりたくなる。
けれど、俺のもう片方の手は荷物で塞がっていて、それをしてやる事は出来ない。
「…親子三人またこの道を歩けたな」
「そうだね」
この道は松実館 ―― 俺が婿入りした宥の実家に繋がっている。
距離にしてほんの10メートル程度のその道を俺は親子三人で歩くのが夢だった。
半ば叶わぬと知っていても、それでも俺はそれに縋るしかなかったのである。
だが、今はそれが間違いなく現実になっていて…けれど、信じきれなくて。
ついつい確かめるようにそう言ってしまう。
「大丈夫だよ、京太郎君」
「…ん」
そんな俺の気持ちに妻は気づいてくれたのだろう。
娘を挟んだ向こう側からニコリと微笑んでくれる。
彼女らしい慈愛溢れるそのほほ笑みに胸の不安がゆっくりと溶けていくのを感じた。
「私は…松実宥はここにいるよ、何時だって…京太郎君の隣にいるよ」
「…あぁ、そうだな」
何時だって宥の言葉は俺を安心させてくれる。
受験の時も、彼女の出産の時も…そして今も。
だからこそ、俺はあの時も安心して送り出す事が出来た。
医者でも絶望的だという状況の中でも、必ず二人で帰ってきてくれるとそう信じて。
結果、それは叶って…俺達は今、家族三人の幸せな時間を過ごす事が出来ている。
「パパ…大丈夫?」
「あぁ。なんたって俺には最高の奥さんがいてくれるからな」
「も、もう…京太郎君ったら」
ある種、俺にとって女神と言っても良い彼女は微かに頬を赤らめながら、笑みを浮かべた。
交際を初めてからもう10年近くにもなるが、未だに彼女は初で可愛らしいままである。
こんななんでもない言葉一つにも慣れていないように反応してくれる姿は正直、グッと来るものがあった。
娘がいなければぐっと抱き寄せて思いっきり抱きしめていたかもしれない。
「あ、パパまたいやらしい事考えてる顔だ…」
「ち、違う、そんな事ないぞ」
それを目敏く感じ取る辺り、4歳でももう女と言うべきか。
俺の表情にジト目を向ける愛娘に俺は首を振って否定を返す。
しかし、4年も俺の側にいた娘の疑心を止めるには至らなかったらしい。
妻譲りの愛らしい顔を疑わしそうなものに染めながら俺を見上げ続けている。
「そ、それよりほら、そろそろ家だぞ。中井さんも見えてるし」
「あ、ほんとーだ」
それでも話題を変えればすぐさまそっちに意識を引かれるのが子どもらしさだろう。
松実館の入り口に目を向けるその顔は歳相応の幼い少女のものだった。
急激と言っても良いその変化に俺はそっと胸を撫で下ろす。
お世辞にも格好いい大人であるとは言えないと言っても娘の前で醜態を晒したい訳ではないのだ。
「中井さーん」
「あぁ、お嬢様、おかえりなさい。それに旦那様と女将も」
「うん。ただいま」
そう挨拶してくれる彼女 ―― 中井さんはもう松実館に何十年も務めているベテランだ。
母親を早くに亡くした宥にとっては母親のように慕っている存在である。
女将不在であった頃の松実館を女将代理として支えたその手腕は今も健在だ。
お義父さんから経営を受け継いだ今でも、それは変わらず、俺も宥もとても頼りにしている。
「あ、それで…く」
「女将。…そう呼ぶように言ったよね?」
「…はい」
けれど、宥と中井さんの関係は最近、少しぎこちない。
昔はもっと和やかであったのに、宥はたまに高圧的な態度を取るようになった。
立場を強調するそれは、勿論、ほんの数年前までなかったものである。
俺の知る妻はもっと穏やかで、おおらかな人だったのだから。
「仕事中なんだよ?しっかりして貰わないと」
「ごめんなさい…」
「そんなに怒らなくても良いじゃないか」
「…うん…ごめんなさい」
それがただの八つ当たりではない事くらい俺も分かっている。
妻の言葉には焦りと恐怖がにじみ出ていて…何かに怯えているがこそのもの。
しかし、だからと言って、母親代わりでもあった古株を攻め立てる妻の姿というのは見るに耐えない。
だからこそ遮るように入れた言葉に妻は素直にコクンと頷き、謝罪の言葉を口にする。
「…でも、中井さんでも…次はないからね」
「申し訳ありませんでした…」
最後通牒のようなその言葉に中井さんはシュンと肩を落とす。
勿論、次はないと言っても、相手は女将代理を務め上げたほどのベテランだ。
実際に懲罰を与える理由にはまったく足りないし、クビにしようとすれば反発も大きい。
だからこそ、それはただの実行力を伴わない警告でしかない……はずだ。
―― …だけど、妻の表情はそう信じる事が出来ないくらいに冷たいものだった。
さっきまでが春の日差しのような暖かさだと例えるなら、今の彼女は極寒の吹雪のようだ。
敵対者には容赦しないと訴えるような冷たさは最早、凄みというものを超えている。
いっそ殺意すら感じるようなその激しい感情に嘘偽りなどまったく感じられない。
本当に次はない、そう理解しているからこそ、中井さんも落とした肩を震わせているのだろう。
「その…ごめんなさい。ちょっと俺が怒らせちゃった所為で…宥は今、ピリピリしてるんだ」
そんな彼女をフォローする為に放った言葉は勿論、嘘である。
ついさっきまで俺たちは和やかな雰囲気で買い物を済ませ、こうして帰ってきたのだから。
喧嘩なんてする要素は一つもなく、寧ろ、さっきまで彼女は俺を慈しむような表情を向けてくれていた。
しかし、それを一々説明するよりは全部、俺が泥を被ってしまった方が良い。
ただでさえ俺は入婿であり、経営者という一歩引いた立場で従業員を見なければいけないのだから。
松実館一のベテランと女将同士がいがみ合うよりはそっちの方が幾らかダメージも少ないはずだ。
「……旦那様…あの…」
「ん?」
そう思う俺の前で中井さんがチラリと視線を泳がせる。
何かを訴えるような、怯えるような、責めるような、助けを求めるような…そんな仕草。
でも、そこまで読み取る事が出来ても、俺には彼女の真意がまったく見えてこなかった。
こうして中井さんが何かを訴えようとするのが数回目となっても尚、俺はそれを聞かされる事がなかったのである。
「……いえ、なんでもありません。お心遣いありがとうございます」
「あっ…」
そして今回もまたそれが成就する事はなく、彼女は背を向けて去っていく。
何処か哀愁を感じさせるその背中に俺は何を言えば良いのか分からない。
勿論、経営者として従業員の悩みに真摯になるのは当然の事である。
だが、その背中に浮かぶ拒絶に似た色に俺はもう一歩踏み込む事が出来なかった。
「ほら、京太郎君、早く行きましょ?」
「パパお腹すいたよー」
「…あぁ、そうだな」
妻と娘の急かす声に俺はそっと視線を中井さんから外した。
こうして彼女から話してくれる意図を見せてくれているのだから、それまで待っても良いだろう。
そんな言い訳を胸に浮かばせながら俺は二人と一緒に松実館へと足を踏み入れる。
それから二人と過ごしている間に中井さんの事も忘れ、俺はいつも通りの幸せな日常へと埋没していったのだった。
「んぅ…」
「あら…もうおねむ?」
「んー…」
愛娘の表情の変化に真っ先に気づいたのは母親の方だった。
眠そうに瞼を擦る娘にクスリと笑みを浮かべながら、彼女はそっと時計に目を向ける。
時刻は既に9時 ―― ついさっき女将としての仕事を終えたばかりの彼女にとってそれはまだ宵の口だ。
出来ればまだまだ一杯、娘にも夫にも話したい事がある。
「じゃあ、もう寝ないとね」
「やだぁ…」
とは言え、それが娘の教育に良くない事くらい彼女は良く分かっていた。
彼女にとってその小さな少女は宝物の一つなのだから。
勿論、夫には及ばないものの、それでも無闇矢鱈と傷つけていいものではない。
「ほら、あんまり起きてるとお化けが来ちゃうわよ?」
「…お化けなんてパパがいれば怖くないもん…」
だからこそ脅かそうとした言葉に娘は愛らしい言葉を返す。
実の父親に全幅の信頼を向けるそれに母親の対面にいる彼が頬を綻ばせた。
父性を感じさせるその表情が、彼女は愛おしくて堪らない。
それが自分に向けられているものではないと知っていても尚、抱きしめたくなるくらいに。
「じゃ、パパが眠いから添い寝してくれないか?」
「………するー」
そんな父の言葉に、娘は数秒ほど迷いながらも頷いた。
それは恐らく娘も自分の眠気が限界であることを理解しているからだろう。
色々と背伸びしたい盛りだと言っても、成長と睡眠を求める身体の欲求には逆らえない。
意識がどれだけ大好きな二人と一緒にいたいと望んでも、それは叶わないのだ。
「でも、もう何処か行っちゃダメ…だよ…」
「はいはい。分かってるって」
そう言ってコタツから出た父の手を握りながら、二人は扉の向こうに消えていく。
その背中を笑みと共に見送ってから、彼女はそっとコタツの片付けに入った。
夫の残したものはともかく、娘の残したものは片付けておかなければいけない。
後三十分もしたら帰ってくるであろう夫との時間をより多く取る為だと彼女の身体はキビキビと動き… ――
「…あ」
「ん…」
その瞬間、別の襖から現れた存在に、彼女がその手を止めた。
どちらも身体を硬直させたまま視線を交わすその姿にはぎこちなさが残る。
けれど、それも数秒も経てば緩やかに消えていき、場に満ちた緊張も緩んでいった。
それは二人が長年一緒に過ごした親子であるであるからこそなのだろう。
「おとーさん、どうかした?」
「…少し茶が飲みたいと思ってな」
「そっか。じゃあ待ってて。入れてあげるから」
そう言って妻 ―― 今は娘はそそくさとキッチンの方へと向かう。
旅館の方の大きなものとはまた違うその小さなスペースを手慣れた様子で動いていく。
テキパキと手際よく動くその姿は老舗旅館の女将らしい優雅ささえ感じさせるものだった。
けれど、それを見つめる父は苦虫を噛み潰したような表情を浮かべ、娘の首に巻かれた真紅のマフラーを見つめる。
「……まだそんな事をやってるのか?」
「そんな事って?」
「…宥のふりだ」
―― 瞬間、世界が凍った。
まるでその言葉が時を殺すキーワードであったように、二人の身体が止まる。
父は娘の背中を見つめ、娘は目の前のコンロをジィと見つめた。
二人ともその心臓が止まったかのように微動だにせず、時間だけが流れていく。
家電やコンロの稼動音がなければその場所だけ世界が切り取られたような沈黙。
「何を言ってるの?私は松実宥だよ」
それを打ち破ったのは振り返った娘の言葉であった。
ニコリと笑みを浮かべるその表情は、父の記憶にある長女のものと重なる。
だが、それは『一致』ではない。
どれだけ似ていても、それらしく振舞っていても、父にはその違いが気味悪いほどの違和感となって感じられた。
「…違う。宥はもう死んだんだ…」
瞬間、再び訪れる沈黙に父は肩を震わせる。
記憶にあるそれから数年経っても、彼はまだ乗り越える事が出来ていなかった。
未だに長女の事を夢に見るし、ふとした時に娘を思い出し、涙を流す事もある。
だが、彼にとって何より悲しいのはその死が全てを変えてしまった事だ。
「あの子を産んだ時に…死んだんだよ…」
勿論、その死は決して無駄ではなかった。
自らが選んだ青年との間に子どもを残してくれたのだから。
自分はきっと長くは生きる事が出来ないから、と親の反対を押し切って産んだ彼女にとってきっと満足な結果であっただろう、と父は思っている。
だが、だからと言って、失ったもののの大きさが、減ったりする訳はない。
どれだけそれらしい理由を並べ立てても、亡き妻から託された愛しい娘を『二人』も死なせてしまった悲しさは消えたりはしないのだから。
「だから…もうそんな真似はやめてくれ…玄」
もう一人の娘の名前を漏らすように呟きながら、彼はぎゅっと手を握りしめる。
震えるほどに力を込めたそれは己の無力感を否定しようとするような激しいものだ。
彼とて内心、分かっているのである。
最早、こんな事を言っても無駄なのだと。
「どうしたのおとーさん。そんなに悲しそうな顔をして」
そんな父の感情に応えるように娘 ―― 玄はニコリと笑った。
悲痛な彼の声など何も届いていないかのようなその表情に彼の胸は諦観を浮かべる。
こうして娘の事を ―― 姉を喪った妹の事を説得しようとしたのは一度や二度ではない。
だが、その言葉は幾度掛けても届く事はなく、こうして張り付いたような笑みで躱されてしまう。
「誰も死んでなんかいないよ。それに…『玄』って誰の事?」
「~~~っ!」
何より彼にとって恐ろしいのは自分の娘が自らの事を抹消しようとしている事だった。
天真爛漫と言っても良い笑みのまま放たれたそれは父の心に突き刺さる。
ソレは勿論、娘のそれが決して冗談でもなんでもないと分かっているからだ。
今や姉になりきっている妹は自らの存在を許しはしない。
それは長年松実館に務め上げ、彼女たちの母親と言っても良い存在に対しても同様だった。
「何度も言うように…私は松実宥だよ。おとーさんの一人娘の」
「玄…お前は…」
そんな娘に彼は何を言って良いのか分からない。
悲しいまでに姉になりきる彼女の気持ちは父ももう薄々気づいている。
だけど、だからこそ、そんな悲しい真似は止めさせなければいけない。
自分の存在を消し去ってまで、誰かの欠落を埋めようとしても幸せになれるはずがないのだ。
「…違うよ。私は玄じゃない。そんな名前の子じゃない」
だが、そんな彼の想いとは裏腹に娘はゆっくりと首を振る。
はっきりとしたその否定の感情に父は胸を詰まらされた。
そうまで彼女が必死になって自分を消そうとしているのは何も姉の事を慕っていたからではない。
姉の恋人であったあの健気な青年の事を、玄もまた愛しているからなのだ。
「…それに京太郎君の事壊したのはおとーさんでしょ?」
「そ、れは……」
だからこそ、彼は責めるような娘の言葉に返事をする事が出来ない。
自分の娘たちがそうまで愛した青年を、追い詰めたのは間違いなく彼なのだから。
娘を殺したのはお前だと、お前の所為で宥は死んでしまったのだと、そう彼はあの日、そう詰ってしまった。
自らが許したのも忘れて、それだけの覚悟があるのならと認めたのも忘れて。
喪ったものの大きさを忘れるように、一番身近でわかりやすい相手にそれをぶつけてしまったのだ。
「あの日…おとーさんが京太郎君を詰ったから…京太郎君は壊れちゃったんだ…」
結果、献身的に娘のことを支え、有望でもあった後継者は壊れてしまった。
部屋から出る事もなく、布団の中でひたすら謝罪を繰り返す廃人になってしまったのである。
八つ当たりする事でその感情を晴らす事が出来た父とは違い、彼にはそんな事が出来るほどの余裕すらなかったのだ。
喪失感と悲しみをそのまま自責へと変えるしかなかった京太郎にとって、それは当然の結果であると言えるだろう。
「…許さない。絶対に…『私』はおとーさんを…許さない」
その言葉がなりきった『姉』としての言葉なのか、或いは自分の中に僅かに残った『玄』としての言葉なのかもう彼女自身にも分からない。
彼女にとって確かなのは、目の前の彼が決して許せない存在であるという事だけだ。
世界で誰よりも愛しい存在を追い詰め、詰り、そして壊したのだから。
その罪はどれだけ父が自分たちを愛し、慈しみ、そして善行を重ね上げても消えはしない。
最早、『玄』でも『宥』でもなくなってしまった彼女にとってそれは世の中のどんな大罪よりも許す事が出来ないものなのだ。
「わ、わ…私…は…」
そんな娘から放たれる気配はまさに異形と言っても良いものだった。
一歩踏み出せば殺されかねないような殺意を彼は娘から感じている。
そして、それが嘘や錯覚だと思えない理由が父にはあるのだ。
どれだけ言い訳しても自分が彼を壊してしまったという現実に相違はない。
それは彼自身も認めるところであるが故に、なんとか取り繕おうとするその言葉は情けなく震えてしまう。
ピー
「…あ、お湯沸いたね」
瞬間、部屋に響いた掠れるような音に彼女から放たれる殺意がふっと消えた。
今にも跳びかかって殺されかねなかった雰囲気が霧散していく感覚に父は自分が呼吸を忘れていた事に気づく。
極度の緊張から開放された身体が酸素を求め、彼にハァと大きな呼吸を漏らさせた。
そんな父に背を向けながら、彼女はゆっくりと薬缶を傾け、準備した湯のみにお湯を注いでいく。
「…だからもう放っておいて。私達は今…幸せなんだから」
「……」
関わらないでと告げるようなその言葉に父は最早何も言う事が出来なかった。
下手な事を言えば、自分は娘に殺されてしまうと今日の事で嫌というほど知れてしまったのだから。
今まで彼女が抑えこんできたその狂気の片鱗に彼は完全に気圧されてしまっていた。
波乱はあったがおおまかに平凡に生きてきた彼でも、研ぎ澄まされた娘の殺意は本気だとはっきりと分かってしまったのである。
「(死ぬのは…怖くない)」
愛する妻を喪い、そして娘をも喪った彼にとって自分の命は軽いものだった。
後継者を追い込んでしまった事を心から後悔している彼にとって、それで済むなら済ませて欲しいと思っている。
だが、そうやって自分が娘に殺されたところで何も解決しないのは、悲しいほどに分かっていた。
寧ろ、自分が殺されれば、その分、残った最後の一人娘の狂気は深刻化するだろう。
実の父を手にかけた彼女にはもう後退の文字はなく、ただただ前に進む事しか出来ないのだから。
「…はい。どうぞ」
「ありが…とう」
「じゃあ、私は京太郎君とあの子のところに行ってくるから邪魔しないでね」
そうにこやかに去っていく娘の背中を彼は絶望にも似た気持ちで見送った。
自分が原因だと言うのに、最早、事態は自分の命でも償えないほど大きなものになっている。
心から幸せそうな娘のその仕草にそれを嫌というほど思い知らされながら、彼はそっと肩を落とした。
瞬間、沸き上がってくる自責と後悔の感情に思わずため息が漏れる。
「…私は…」
かつては娘が死んだ責任を押し付けたとは言え、彼は京太郎の事を認めていた。
宥と結婚する為だけに経営学部を卒業し、数年掛けてコネを作ってきた彼の経営手腕は本物である。
それこそそれまで実権を握っていた彼が奥に引っ込まざるを得ないくらいに優秀だ。
だからこそ、彼が玄と結婚したいというのであれば、幾らでも認めるつもりである。
しかし、現実の彼はずっと宥の幻影に囚われ、病的なまでに尽くす玄に気づきもしない。
「(彼を怨めば良いのか…或いは感謝すれば良いのか…)」
京太郎と出会ってからの宥は毎日が幸せそうだった。
初めての恋に初めての恋人。
それは引っ込み思案な少女の世界を色づかせるには十分過ぎるものだったのである。
それが恋から愛になり、結婚を経て尚も続かせてくれた事には感謝の念が耐えない。
娘が命の危険があったとしても出来る内に子どもを遺したいと言ったのはそれだけ京太郎の事を愛していたからだろう。
「(だけど…私は…)」
それだけであれば、話は美談で済んだのだろう。。
しかし、彼もまた宥の気持ちに応えるほどに大きな愛を妻に捧げていた。
結果、義父の言葉がキッカケとなって、彼は壊れ、自らの世界に引きこもってしまったのである。
そんな彼を現実へと引き戻したのは宥になりきった玄であり、そしてその時に玄もまた死んでしまった。
初めて会ったその時からずっと京太郎に恋い焦がれ、そして姉の恋人だと諦め続けていた玄は、彼の為に、そして、自分の為に自らを殺したのである。
「…どうしたら良いんだろうな…」
ポツリと漏らすその言葉に応えるものは誰もいなかった。
最早、松実家の中で狂っていないものなど誰もいないのだから。
彼もまた娘婿と娘の作り出す狂気の中に飲まれている。
自分以外の誰もが幸せで、けれど、決して幸せではない不気味な世界。
そんな世界の中で彼は完全に狂う事も出来ないまま悶々とした時間をただ過ごすだけ。
―― それが愛娘が与える自らへの罰だと気づきながらも。
【玄エンド】
玄「ふあぁ…」
京太郎「お疲れ様な、玄」ポン
玄「うん…あ、子どもたちは?」
京太郎「もう眠ってるよ、大丈夫」
玄「そっか…何時もごめんね」
京太郎「大丈夫だよ、玄が女将で大変なのは分かってるしさ」
京太郎「それに俺の仕事はこっちで出来るものだから問題ないって」
玄「でも…」
京太郎「はい。そういう遠慮はなし」ギュッ
玄「…ん♪」
京太郎「お義父さんや宥さんも面倒見るのを手伝ってくれてるから大丈夫」
京太郎「だから、あんまり自分を責めるなよ?」
玄「……うん。でも…ね。でも…」
京太郎「ん?」
玄「おかーさんはもっとちゃんとやれてたのにって…そう思う事があって…」
玄「…私、ちゃんとおかーさん…出来てるのかな?」
京太郎「…当然だろ。玄はちゃんと母親をやってるよ」
玄「…ホント?」
京太郎「あぁ。女将の仕事が大変なのに空き時間にはあの子たちの顔を見に来ているし…」
京太郎「早く上がれる時はちゃんと本を読んでやってるじゃないか」
京太郎「二人も玄の事ちゃんと母親だと思ってるよ」
玄「…うん。ありがとう」ソッ
京太郎「どうした?急に寄りかかってきて」
玄「…ちょっと甘えたい気分…かな」
京太郎「ま、たまにはそんな日もあるか」スッ
玄「えへ…♪」
玄「…アナタは優しいよね、こうして…肩を抱いてくれて…」ニコー
京太郎「仮にも入婿なんで玄に尽くしとかないと後が怖いしな」
玄「えー…」
京太郎「それに…まぁ、玄は放っておけないし」
玄「ふふ…もうアナタったら…」
京太郎「未だに危なっかしいからな」
玄「そ、そっちの意味!?」ズガーン
京太郎「何だと思ったんだ?」クスッ
玄「だ、だって…この流れって好きとか…そういう事言う流れ…でしょ?」チラッ
京太郎「いーいーまーせーん」
玄「…意地悪ぅ…」
京太郎「…つか、恥ずかしいだろ。そういうのポンポン言う事じゃないって」
玄「でも、言って欲しいな…?」
京太郎「ぅ」
玄「………ダメ?」ジィ
京太郎「…仕方ねぇな。んじゃ…こっち向けよ」
玄「…こう?」クルッ
京太郎「よし。んじゃ…」ギュッ
京太郎「…玄、愛してるよ」
玄「ん…っ♪」ゾクゾクッ
京太郎「…これで良いか?」
玄「…もうちょっと色々言って欲しいかなって…」
京太郎「あー…もう…ホントに甘えん坊だなお前は」
玄「えへへ…ごめんね」
玄「でも…アナタはちゃんと叶えてくれる…でしょ?」
京太郎「…ま、この流れでダメだとかは流石に言えないよな」
玄「そんなアナタが大好きだよ…っ♥」ギュゥ
京太郎「ば…っ!は、恥ずかしい事言うなっての」
玄「えへへ…♪そんなに恥ずかしい?」
京太郎「あ、あったりまえだろ…不意打ちにもほどがあるっての…」メソラシ
玄「…もう…結婚してから何年も経つんだからいい加減慣れてくれても良いのに♥」ニコー
京太郎「……仕方ないだろ、俺にとって玄は初恋の相手なんだから」
京太郎「そんな相手とこうして結婚して子どもまでいるってのは割りと夢みたいなんだよ」
玄「…それは私のセリフだよ」
京太郎「ん?なんでだ?」
玄「だって…アナタって学生時代からモテてたし…」
京太郎「…そうか?」クビカシゲ
玄「でも、告白とか良くされてたじゃない?」
京太郎「殆ど知らない相手だったしなぁ…」
京太郎「言っちゃ悪いが格好良いとかインターハイで活躍してたからとか…そんなのばっかりだったし」
京太郎「あんなのは一過性のもんだろ、もててたとは言わねぇよ」
京太郎「それに…まぁ俺はその頃から玄に夢中だったし」
玄「ふぇぇ!?」カァ
京太郎「ホント…気づけよな。誰が悲しくて中学三年間を二人っきりでの麻雀で費やさなきゃいけないんだよ」
玄「…ぅ…だ、だって…」
京太郎「こっちは玄に格好良いところ見せたいが一心で阿太中から阿知賀に進路変えたってのにさ」
京太郎「ずっと後輩としか見てもらえなくて、割りと悲しかったんだぞ、バカ玄」プニプニ
玄「…そ、そんな事ないよぉ…」
玄「ちゅ、中学校の頃には私ももうドキドキしてたよ…?」
京太郎「そんな素振りまったくなかったけどなぁ」
玄「…あの時は自覚がなかったの」
玄「誰かにアナタを…京太郎君を取られるなんてまったく想像してなかった」
玄「ドキドキして…でも、居心地が良くて」
玄「ひだまりみたいなあの世界が続くと思ってて…でも…それは間違いで…」
玄「だから…」
京太郎「…そっちから告白してきた訳か?」
玄「だ、だって…高校生になってから…京太郎君…おねーちゃんにデレデレしっぱなしだし…」
京太郎「で、デレデレなんてしてねぇよ…!」
玄「でも、おねーちゃんの事良く目で追いかけてた…」ジトー
京太郎「そ、それは…だな」
玄「それは…?」
京太郎「……やっぱり玄の育てたおもちって大きいな、と」
玄「むぅぅ…」ムスー
玄「…言っとくけど、アナタが触って良いおもちは私のだけなんだからね」ジィ
玄「アナタがずっとずっと育てて…大きくなっちゃった…私のだけなんだから…」ギュッ
京太郎「分かってるって。てか…入婿になってまで結婚したのに浮気とかしません」
玄「…でも、後悔してない?」
京太郎「ん?」
玄「…卒業前にはプロにならないかってオファーもあったんでしょ…?」
玄「それ全部蹴って…松実館に就職して…それで良かったのかなって…」
京太郎「ま、プロになったらこうして経営を任せられるなんて無理だっただろうしなぁ…」
京太郎「そうなると自然と玄との結婚話も難しくなってただろうし…後悔なんてしてねぇよ」
玄「…ホント?」
京太郎「本当だって。それに…まぁ、松実館には思い入れもあったしさ」
京太郎「なんだかんだで中高六年間バイトしてた場所なんだ」
京太郎「働くならこの場所以外に想像出来なかったってのもあるよ」
玄「…えへへ」ギュッ
京太郎「ん?どうかしたか?」
玄「…私の大事なものをアナタも大事だって言ってくれるのが嬉しくて」
京太郎「当然だろ。俺は…玄も、玄の大事なものもみーんな好きなんだからさ」
玄「…もう…さっきは愛してるって言うのも恥ずかしがってた癖に…♪」カァ
玄「肝心なところは…ちゃんと押さえてくるんだから…本当にアナタってたらしだよね…♥」スリスリ
てか俺がユウチャーをヒロインに据えて書こうとすると共依存洗脳めいたドロドロとした話になるからな
憧は計算出来る女と言うなら、宥姉は本能で計算する女だと思う(意味深)
京太郎「ま、そうやってたらしたりするのは玄だけだけどな」ナデナデ
玄「……私もアナタだけだよ?」
京太郎「ん?何が?」
玄「…好きになったのも…好きにさせて欲しいのも…♥」ギュゥ
玄「夢を捨ててまでこんなに幸せな気持ちをくれるアナタだけ…♥」ギュゥ
京太郎「…じゃあ、もっと幸せな気持ちになるにはどうするのが一番だと思う?」
玄「…してくれるの?」
京太郎「玄さえ良ければだけどな。明日早いだろうし」
玄「うん。確かに明日は早いけど…でも、大丈夫だよ」
玄「アナタが愛してくれるだけで…松実玄って女はいつでもどれだけでも頑張れるんだから…♥」
京太郎「…おもちじゃなかったのか」
玄「も、もぉ…おもちはそういうんじゃないよぉ」カァ
玄「…それにアナタはおもちなんかとは比べ物にならない…よ♥」
玄「それよりももっと好きで…好きで…堪らない…愛しい人なんだから…♥」
京太郎「…まったく可愛い事言いやがって」ナデナデ
京太郎「…じゃ、久しぶりに一緒に風呂でも入るか」
玄「ふふ…じゃあ、背中を流してあげるね」
京太郎「じゃあ、俺は玄の全身を洗ってやるよ」
玄「も、もー…エッチ過ぎるよ」カァ
京太郎「嫌か?」
玄「……ま、マッサージなら…良い…よ」モジモジ
京太郎「はは。じゃあ…女将の疲れが残らないように夜のマッサージ頑張りますか」
【宥エンド】
京太郎「はぁ…たっだいまぁ…」
「おかえりーパパァ」ダキッ
京太郎「おう。ただいま」
宥「お帰りなさい、アナタ」
京太郎「ん。宥もただいま」チュー
宥「んー♪」チュッ
「あーまたママってばパパとチューしてるぅ…」
京太郎「じゃあ、お前もパパとチューするか?」
「やーだ。私、初めてのチューは初恋の人って決めてるもん」
京太郎「はは。振られちまった」
宥「もう…ダメだよ、アナタ」
宥「娘と言っても女の子なんだから」
京太郎「そうだな。流石にデリカシーがなかったか」
宥「…嫉妬するよ?」ビュオ
京太郎「そっちかよ」
宥「じゃあ、ママはパパとイチャイチャするから」
「はーい。お部屋で遊んでれば良いんだよね」
京太郎「おーい。何かが間違ってる気がするんだけど…」
「良いのよ、パパとママが仲が良いのは子どもとして嬉しいんだし」
「でも、弟か妹を作るのはまた今度にしといてね」
京太郎「作らないっての」
宥「…作ってくれないの?」シュン
京太郎「…また今度な」
宥「うん…♪」ニコー
宥「あ…でも、その前にゴハンだよね?」
京太郎「あぁ。腹ペコでさ…今にも倒れそうな気分」
宥「ふふ…じゃあ、倒れたら口移しでゴハン食べさせてあげないとね」
京太郎「…それだけで済みそうにないのがなんとも」
宥「…弟か妹作っちゃう?」
京太郎「正直、心惹かれる提案ではあるんだけどなぁ…」
京太郎「娘にああ言われた以上、それをするのはちょと負けた感がある」
宥「ふふ…意地っ張りなんだから」
京太郎「仕方ないだろ、男はそういう生き物なんです」
宥「ふふ…あ、それと…今日、憧ちゃんに会ったよ」
京太郎「ん…あいつどうしてた?」
宥「立派に先生やってたよ」
京太郎「そっか。でも…あいつが先生なー」
宥「意外?」
京太郎「まぁ、てっきり麻雀プロになるって思ってたからさ」
京太郎「実際にそういう話もあったみたいだし…なのにそれ蹴って教育学部行くって意外だった」
宥「でも、色々と悩んでたみたいだよ?」
京太郎「マジか。俺何も聞かされてなかったんだけど…」
宥「その時はアナタはもう麻雀プロにならないって宣言してたから…」
京太郎「あー…なるほど」
京太郎「未練になったらいけないって遠慮させたんだなぁ…」
京太郎「幼馴染なんだしそういうのしなくても良いと思うんだけど…」
宥「そういうの計算しちゃうのが憧ちゃんなんだよ」クスッ
宥「それにまぁ、私の手前気を遣ってたって言うのもあるんじゃないかな?」
京太郎「気を?」
宥「うん。その頃にはもう私とアナタは恋人だったし…下手に誤解させたりしたくなかったんじゃない?」
京太郎「そっか…ったくアイツめ」
宥「…でも、アナタの方こそ良かったの?」
京太郎「ん?」
宥「麻雀プロでも松実館の後を継ぐ事もなくって…普通のサラリーマンになって」
宥「…今日も疲れて帰ってきたんでしょ…?」
京太郎「バレたか」
宥「勿論バレるよ。だって、私、奥さんだもん」クスッ
京太郎「はい。素敵な奥さんがそばに居てくれて光栄ですよ」
京太郎「だから…そういうのはまったく気にしてないんだよ」
宥「え?」
京太郎「素敵な奥さんを手に入れる為だったら、麻雀プロも何もかもを捨ててよかったって事」
宥「…でも、夢だったんでしょ?」
京太郎「まぁ、夢じゃないと言えば嘘になるけどさ」
京太郎「でも、俺にとって宥はソレ以上に大事なものだったから」
京太郎「それらを投げ捨ててでも一緒になりたかったんだよ」
宥「…迷惑じゃなかった?」
宥「私…未だに病気も治ってないし…ダメな時はホント駄目で…」
京太郎「そんなの全部分かって一緒にいるから大丈夫だよ」
京太郎「それに…そういうのは全部、宥が一緒にいてくれるだけで帳消しになってる」
宥「…うん♥」ニコ
京太郎「ま、結局、阿知賀からちょっと離れたところに住む事になったのは申し訳ないと思ってるけどさ」
宥「仕方ないよ、アナタも仕事の都合があるんだし…」
宥「それに…あんまり阿知賀に近かったらまた私、玄ちゃんに甘えそうだから…」
京太郎「ま、あいつも旅館の女将として忙しくしてるしなぁ…」
宥「うん。だから…きっとこれで良かったんだよ」
宥「それに…私にとって一番、暖かい場所は…松実館じゃなくてアナタの隣…だから」
京太郎「な、なんか照れるな…」
宥「ふふ…顔を赤くして…もっと暖かそう…♥」
宥「ね…隣に行っても良い?」
京太郎「勿論だよ」
宥「ありがと。じゃあ…」スッ
トテトテストン
宥「…んー♪」コテン
京太郎「暖かいか?」
宥「うん…何もかも溶けていっちゃいそうなくらい…♪」
京太郎「じゃあもっとこっちに来いよ」
宥「でも、コレ以上寄ったら食べる邪魔になっちゃうよ?」
京太郎「良いんだよ、それでも宥ともっと触れ合っていたいからさ」
宥「…ふふ、実は…私も同じ気持ち…だよ♥」ギュゥ
宥「…ね、アナタ」
京太郎「ん」
宥「私…今、とっても幸せだよ」
京太郎「おう。俺も幸せだぞ」
京太郎「宥と一緒で…少しませてるけどとても良い子がいて…」
京太郎「俺は…それで十分だ。それだけで…世界一の幸せもんだよ」
宥「こんなに疲れても?」
京太郎「疲れなんて宥と触れ合っていればいくらでも吹っ飛ぶっての」
宥「…じゃあ、触れ合っちゃう?」
京太郎「こ、こら…まだ早いって」
宥「ふふ…じゃあ、また後でしてくれるんだよね?」
京太郎「ぅ…」
宥「…暖かいの一杯…期待してるから…ね♥」
京太郎「……頑張ります」
宥「うん…弟か妹が出来るまで…頑張ってね」
宥「愛しくて暖かい…私の最高の旦那様…♥」ギュゥ
【やえエンド】
京太郎「ただいま」
やえ「お帰りなさい、ご主人様」ニコ
京太郎「っと、わざわざ玄関先で待っててくれてたのか」
やえ「はい。だって…私はご主人様の奴隷妻ですから」ポォ
やえ「車が見えたらお待ちしているのが当然です」
京太郎「はは。何時もありがとうな」
やえ「いえ…あ、お荷物お預かりしますね」
京太郎「ん。じゃあ頼む」スッ
やえ「はい。確かにお預かりしました」
やえ「あ、それと…ご主人様」
京太郎「ん?」
やえ「ゴハンにしますか?お風呂にしますか?」
やえ「…それとも…私が良い…ですか?」チラッ
京太郎「…なんだ。急にスカートをたくしあげて」
やえ「そ、それは…」カァ
京太郎「しかも…ショーツも何もつけてないところから何か透明な汁が漏れてるじゃないか」ナデナデ
やえ「ひゃぅ…ぅ♪」ビクゥッ
京太郎「…俺が帰ってくるまで我慢出来ずにオナニーしてたな?」
やえ「は…ぃ…♪して…ましたぁ…♥やえは…ご主人様の事を想って…クチュクチュしちゃってたんです…ぅ♥」
京太郎「…本当に堪え性のない奴隷だな。しつけ直してやらないと」グイッ
やえ「ふあぁ…♪」ゾクゥ
京太郎「来い。まずはベッドだ。骨の髄まで奴隷としての心を叩き込んでやる」
やえ「はい…っ♥光栄です…ご主人様ぁ…♥」
逆に姉妹エンドの後にプレゼントの方がやばいかなーって想ってあっちを先にしたんだけど…なんかすまんかったでも、これも俺のファンサービスです(断言)
それとちょっと呼ばれたんで離席します…一時間以内には復帰出来るはず…です
やえ「はふぅ…♥ご主人様ぁ…♥」
京太郎「満足したか?」
やえ「…はい♪お腹の中一杯になってとても幸せな気分です…♥」
やえ「やえのようなはしたない奴隷を妻にしていただいただけではなく毎日こんなご慈悲を頂いて…♪」
やえ「やえは…本当に嬉しいです…♥」ウットリ
京太郎「…ま、やえを壊してしまったのは俺だしな」
やえ「でも、やえはご主人様に壊して頂いて嬉しかったですよ…?」ギュゥ
やえ「マゾ奴隷の私には相応しくないくらいに優しく…そして激しく…壊していただけました…♪」
京太郎「…ホント、おかしかった頃の俺は何をやってるんだろうなぁ…」ハァ
京太郎「やえが身を捧げてくれたからって…調子に乗って色んな事やって…さ」
京太郎「…好きだった先輩をこんなにしちゃって…」
やえ「…今のやえはお嫌いですか?」
京太郎「嫌いじゃねえよ。嫌いじゃないから…困ってるんだ」
京太郎「やえをおかしくした俺も今の俺も根本は同じだからって分かるから…」
京太郎「やえが好きな気持ちはまったく変わっていないってわかるから…落ち込んでるんだよ」
やえ「ふふ…そんな風に落ち込まなくても大丈夫ですよ…♥」チュッ
やえ「やえは…奴隷です。ご主人様の為に生まれてきた…メス奴隷なんです…♪」
やえ「身も心も…ご主人様の為に存在し…ご主人様に捧げる為に…マゾとして生まれてきたんです♥」
やえ「ご主人様はそんなやえを目覚めさせてくれただけ・・真実の愛に気付かさせてくれただけです…♪」クスッ
京太郎「真実の愛…か」
やえ「えぇ…♪だって、身も心も捧げたいと思うような人に…一体どれだけの人が出会えるでしょう?」
やえ「離婚率が年々増え、夫婦間での訴訟も増えているて今の社会で…そんな相手に出会えるのは稀です」
やえ「でも…やえはそんな方に出会えました…♥最高のご主人様に…会う事が出来たんです…♪」ウットリ
やえ「ううん…会う事が出来ただけじゃなくって…こうして妻にまでしていただけて…♥」
やえ「やえは…本当に幸せですよ…ご主人様♥」
やえ「きっと…これを手に入れる為であれば…あの日…ご主人様に身を捧げた日に戻ったとしても…」
やえ「やえは…ううん、『私』は同じ選択をすると思います…♥」スリスリ
京太郎「…でも、それは壊れたやえの価値観じゃないか?」
やえ「そうかもしれません。でも…あの時の『私』はまだ壊れていませんでした…」
やえ「壊れてはおらず…でも、ソレ以上に、ご主人様を何とかしてあげたくて…繋ぎ止めたくて…」
やえ「…身体で繋ぎとめようとするような…バカな真似をしたんですよ…?」
アラタソと玄と宥姉も平和だっただろいいかげんにしろ!!
後、前々からやえさんは奴隷妻ルートだって言ってるから(震え声)
やえ「ご主人様はそれに応えて下さっただけ…♥」
やえ「ご主人様は…『私』の求めを受け入れて…本性を暴きだしてくださっただけですから…♥」
やえ「悪いのは…こんなにマゾで淫乱だったやえの方なんですよぉ…♪」
京太郎「…でも」
やえ「それに…ですね」
やえ「やえは…『私』であった頃から…ご主人様の事を愛していました…♥」
やえ「中学の頃からずっと…主人様に恋い焦がれて…胸を浮かせていたんですよ…♪」クスッ
やえ「だから…こうして結婚して側に置いて頂いている事も…『私』にとっては本望のはずです…♥」
京太郎「あんなに酷い事したのにか?」
やえ「酷い事と言っても…身体を傷つけるような事は殆どなかったですし…」
やえ「ムチやろうそくで多少、痕が残っても…それはご主人様の手によるもの…♥」
やえ「マゾ奴隷のやえにとっては…誇らしい事ですよ…♥」
やえ「…それに『私』が未だに麻雀プロでいられるのは…ご主人様のお陰じゃないですか…♪」
京太郎「…んな事ねぇよ。やえが実力で勝ち取った結果だ」
やえ「でも…やえは何度も酷いスランプに陥りました…」
やえ「一時はチームとの契約解除の話まで…出ていましたし…」
やえ「それでもプロでいられたのは…ご主人様は動いてくれた結果なのでしょう…?」
京太郎「…確かに多少は働きかけたかもしれないけど…でも、それは関係ないよ」
京太郎「やえならいずれプロに戻る事が出来たって俺は信じてるし…」
京太郎「何より一緒にペア大会でトップを取るって約束をまだ果たしていなかったからな」
京太郎「…いなくなってもらっちゃ困るって…それだけで…」
やえ「ふふ…ご主人様ったら目が泳いでますよ」
京太郎「うぐ…」
やえ「…ありがとうございます、そんなにやえの事を気にかけてくれて」
京太郎「…当たり前だ。だってやえは…俺の奴隷妻なんだからな」ギュッ
やえ「はぅん…♪」
京太郎「…もう元に戻してやるなんて言えない」
京太郎「方法も分からなければ…それが良いのかすら分からないんだから」
京太郎「でも…こうなる前のやえと…俺は約束したんだ」
京太郎「ペアで絶対に…トップを取るって」
やえ「…はい♥」
京太郎「その約束だけは…絶対に果たす」
京太郎「どんな事があっても…俺はやえとあの世界の表彰台に立つ」
京太郎「だから…それまでついてきてくれるか?」
やえ「…勿論ですよ、ご主人様♥」
やえ「やえの全ても…『私』の全てもご主人様のものですから…♪」
やえ「如何様にも…お使いください♪」
やえ「そうしてご主人様のお側で役に立てるのが…やえの一番の幸せなのですから…♥」
【晴絵エンド】
晴絵「ふあー…つっかれたぁ…」
京太郎「…ただいまくらい言えよレジェンド」
晴絵「あ、ごめんごめん。ただいまー」
京太郎「はいよ、おかえり」
晴絵「いやー…今日も疲れたよ…」
晴絵「東京からこっちまで強行軍だもん…体中バッキバキ…」
京太郎「んじゃ飯の前にマッサージするか?」
晴絵「あー…でも、お腹空いたし、京太郎のゴハンも食べたい」
京太郎「…どっちにするんだ?」
晴絵「ぴこーん!」
京太郎「ぴこーんてお前…」
晴絵「細かいことは良いのよ」
晴絵「それより私にいい考えがある!」
京太郎「…どうせろくでもない事のような気がするがなんだ?」
晴絵「私が食べてる間に京太郎がマッサージすれば良いんじゃね?」
京太郎「却下」
晴絵「えー」
京太郎「ガキじゃねーんだから普通に食べろよ」
晴絵「ぅーでもさー」
京太郎「でも?」
晴絵「…今日大変だったんだよー?ちょー活躍したんだよー?」チラッ
晴絵「なのに私の夫はなんの労いもないのかなぁ…?」チラッチラッ
京太郎「やだ超うぜぇ…」
晴絵「ちょ、何よ…仮にも奥さんに対してうざいはないでしょうざいは」
京太郎「泣きながら結婚して下さいって言った奴なんて奥さんじゃねぇよ」
晴絵「ちょ!そ、そんな事してないから!」
晴絵「普通に過去捏造とかやめてよね!訴えるわよ!そして勝つわよ!!」カァ
京太郎「でも、俺の記憶が正しければお見合いさせられるから結婚してって晴絵の方から言った気がするんだけどなー?」
晴絵「ち、違…そ、それはアレよ、アレ」
京太郎「アレ?」
晴絵「え、演技よ、全部演技に決まってるでしょ!!」
京太郎「…の割には目が真っ赤だった気がするけどなぁ」
晴絵「ち、違うから、最近の目薬は高性能なだけだから!」
京太郎「高性能だったら充血はしないと思うけど…ま、いっか」
京太郎「それよりとっとと飯食えよ、片付かないしな」
晴絵「ぅー…」
京太郎「どうした?」
晴絵「…京太郎が冷たい」
京太郎「共働きで飯まで作ってる俺になんて言い草だ」
晴絵「でもさー…でも、違うでしょ?」
晴絵「ここはやっぱり『食べさせてあげるよキリッ』『やったーうれぴーきゃぴるーん』な会話があるべきでしょ!?」
京太郎「色々と突っ込みどころがあるような気がするけどとりあえず却下」
晴絵「なんでぇ…」
京太郎「なんでって…色々と痛々しいだろ」
晴絵「い、痛々しくなんかないわよ!心はまだまだ乙女よ乙女!」
京太郎「随分と年取った乙女も居たもんだな」
晴絵「うぅ…姉さん女房だからって夫がバカにするぅ…」
京太郎「…知ってるか?姉さん女房って年上ってあんまり関係なくて主導権やら諸々を握ってないとなりたたないんだぞ」
晴絵「京太郎がまるで言語学者みたいな事を言ってる…」
京太郎「間違っているのを訂正してやってるだけだっての」
晴絵「ぅー…でも、優しくしてくれない?」
京太郎「一応、優しくしてるだろ」
晴絵「違うのーちがぁうのー」ジタバタ
晴絵「もっとあまーいのが良いの。ラブラブなのが良いのー…」チラッ
京太郎「ラブラブ…ねぇ」
晴絵「…だって、大会とかで3日会えなかったんだよ?」
晴絵「こういう時くらいはさー…ラブラブしてくれても良いじゃん…」
晴絵「クールでツンデレな京太郎も好きだけど…たまには甘やかしてくれないと…心の氷河期が来るわよ…」
京太郎「俺はツンデレじゃないし、割りと普段から甘やかしてるし、心の氷河期ってなんだよっていいたいし…」
京太郎「他にも色位色と突っ込みたいところはあるけど…ま、そうだな」
京太郎「確かに頑張ってたみたいだし…少しくらいは甘やかしてやるか」スッ
晴絵「え?」
京太郎「ほら、口開けろよ」
京太郎「こういうあーんがしたかったんだろ?」
晴絵「…ふふ、なんだかんだ言ってやっぱりやってくれるんだね」
晴絵「やっぱ京太郎ってばツンデレじゃん」
京太郎「よし。んじゃ俺は洗濯物たたんでくるわ」
晴絵「待ってー!ちょ、待ってえええええ!?」
京太郎「あーん」
晴絵「あーん…♪」モグモグ
晴絵「はあ…やっぱり京太郎から食べさせてもらうゴハンは格別ね」
京太郎「はいはい。言ってろよ」
晴絵「ふふ」
京太郎「…なんだよ」
晴絵「京太郎ってば顔赤いよ」
京太郎「…うっせ。死ね」
晴絵「ちょ、ひどくない!?」
京太郎「孫に囲まれて全員に泣きながら見送られて笑顔で死ね」
晴絵「ちょっとだけ優しい!?」
京太郎「ったく…なんで俺レジェンドとなんて結婚しちまったんだろうなぁ」
晴絵「そりゃ私の事愛してくれてるからでしょ☆」キャピルーン
京太郎「…ま、あながち間違いじゃないけどさ」
晴絵「…え?」
京太郎「…なんだよ、同情で結婚とかする訳ないだろ」
晴絵「え?う、嘘…ちょっとまって、まだ心の準備が…」
晴絵「し、深呼吸…!まず深呼吸させて…!」
京太郎「…知るかよ」グイッ
晴絵「ひゃぅ…!?」ビクッ
京太郎「…愛してるよ、晴絵」
晴絵「ふぁ…あ…あぁぁ…♪」フニャァ
京太郎「今日も最後まで諦めずに頑張ったな、偉いぞ」ナデナデ
晴絵「ぅ…ん…♥私…頑張ったぁ…♪」ニコー
京太郎「お前はホント、俺の自慢の奥さんだよ」
京太郎「今日も格好良いところちゃんと録画して残してあるから後で二人で見ような」
晴絵「うんぅ…♪見る…ぅ♥」
京太郎「…よし。じゃあ、とっとと飯食って風呂入って準備すっぞ」パッ
晴絵「ふぇ?」
京太郎「ほら、急げよ。レジェンドは明日休みかもしれないけど俺は仕事なんだしな」
晴絵「ちょ、待って!?デレは!?デレは!?」
京太郎「もう売り切れです」
晴絵「早すぎない!?」
京太郎「ほら、キリキリ動けよ、夜は長くないんだぞ」
晴絵「まったく…ホント素直じゃないんだから」
京太郎「…なんか言ったか?」
晴絵「なーんでも。顔真っ赤な京太郎君にはなーんも関係ないですよ?」クスッ
京太郎「…だったらとっとと食えよ、冷めるだろ」
晴絵「うん。あ、そうそう」
京太郎「ん?」
晴絵「…私も京太郎の事愛してるからね」
晴絵「ううん、私は…絶対に京太郎以上に愛してるから…♥」
京太郎「…ばーか」
京太郎「俺の方がぜってー好きだから」
京太郎「じゃないとレジェンドみたいなのと結婚するはずねぇし」
晴絵「私だって愛してなかったら京太郎みたいなメンドクサ可愛いツンデレと結婚してないわよ!」
京太郎「だからツンデレじゃねぇって言ってるだろうが!!」
晴絵「何よ!愛してる!!」
京太郎「俺も愛してるよ!ばーか!ばーか!!」
というわけでこれで本当に終わりでございます
なんか書いててレジェンドがたまーにあわあわっぽくなってる事があるのは俺の引き出しの無さが原因ですごめんなさい
最後に色々とやらかした感がありますが、まぁ、俺がやらかすのは何時もの事ですし
ファンサービスは別の世界線の話だと言う事でご了承下さい まぁ、ヤンデレクロチャーとられたら続き書くかもしれないけど
次回作はとりあえずwikiの編集終わらせてちょっと休憩してから再開予定です
積みゲーとかも崩したいのでどれくらいになるかは分かりませんがまた見かけましたらお付き合い下さいませ
乙
>>1000なら次回もエロスレをよろしく
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