【Fate】カルナ「お前が俺のマスターか」【安価・コンマ】 (999)

≪このスレでは施しの英霊カルナさんを操作して、安価で決まったマスターに聖杯を入手させることを目的とします≫
≪朝・昼・晩とマスターは三回の行動を行いますので、安価でカルナさんの対応を決めてください≫
≪『命令とあらば従おう』でも構いませんし、『それはお前の為にはならない』と拒否しても良いでしょう≫
≪幸運A+(自称)の力で最適なマスターに引き当てられることを願っています≫

(※このスレは、Fateシリーズの設定に付随した安価・コンマスレです)

【選択可能マスター】
・衛宮士郎      ・遠坂凛      ・間桐桜
・イリヤ       ・間桐慎二     ・言峰綺礼
・葛木宗一郎     ・間桐臓硯     ・バゼット
・カレン       ・衛宮切嗣     ・ウェイバー
・遠坂時臣      ・間桐雁夜     ・ケイネス
・雨生龍之介     ・岸波白野♂    ・岸波白野♀
・ダン=ブラックモア ・ありす      ・臥藤門司
・ランルーくん    ・ラニ=VIII    ・ユリウス
・レオ        ・ジナコ=カリギリ ・獅子劫界離
・ダーニック     ・ゴルド      ・カウレス
・フィオレ      ・セレニケ     ・六導玲霞

(※トワイス、キアラ他数名は一定条件を満たすと解放)


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1389607281

≪まずは聖杯戦争に参加するマスターを7名決めます≫
≪安価↓一~↓七。被った場合は下にズレて行きます≫

☆遠坂凛
身体能力:4 魔術回路:9 幸運:8
・スキル1:遠坂の家系
・固有スキル:五大元素

☆ケイネス・エルメロイ・アーチボルト
身体能力:3 魔術回路:8 幸運:4
スキル1:時計塔講師
スキル2:錬金術
スキル3:召喚術
スキル4:降霊術

☆衛宮士郎
身体能力:5 魔術回路:3 幸運:4
・スキル1:衛宮の家系
・固有スキル:投影魔術【剣】
・特殊スキル:固有結界

☆ジナコ・カリギリ
身体能力:2 魔術回路:2 幸運:5
スキル1:霊子ハッカー

☆ダン・ブラックモア
身体能力:6 魔術回路:3 幸運:5
スキル1:霊子ハッカー
スキル2:軍人

☆岸波白野
身体能力:? 魔術回路:? 幸運:?
スキル1:霊子ハッカー
固有スキル:???

☆間桐雁夜
身体能力:4 魔術回路:2 幸運:3
スキル1:間桐の家系

(キアラは未開放のため下へ。キャスター……メディア?)

≪では、この中からマスターを選択します≫

1、凛ちゃんさん
2、ケイネス先生
3、士郎
4、ジナコ
5、ダン卿
6、岸波
7、おじさん

≪安価↓三≫

カルナさん→凛ちゃんさん

≪では、次に各マスターのサーヴァントを決めます≫
≪ケイネスが召喚したサーヴァントは―――≫

1、セイバー
2、アーチャー
3、ライダー
4、キャスター
5、アサシン
6、バーサーカー

≪安価↓二≫

≪バーサーカー、直後コンマ≫

  1、ヘラクレス
2~3、ランスロット
  4、呂布
5~6、フラン
  7、スパルタクス
8~9、エリザベート
  0、特殊

カルナさん→凛ちゃんさん
ランスロ→ケイネス先生

≪士郎が召喚したサーヴァントは―――≫

1、セイバー
2、アーチャー
3、ライダー
4、キャスター
5、アサシン

≪安価↓三≫

≪セイバー、直後コンマ≫

1~2、アルトリア
  3、ネロ
4~5、ガウェイン
6~7、ジークフリート
  8、モードレッド
  9、ジャンヌ
  0、特殊

≪特殊セイバー選択≫

1、スパルタクス(セイバー)
2、ジャンヌ(ルーラー)
3、オリ鯖(セイバー)

≪安価↓三≫

カルナさん→凛ちゃんさん
ランスロ→ケイネス先生
剣スパさん→士郎

≪ジナコが召喚したサーヴァントは―――≫

1、アーチャー
2、ライダー
3、キャスター
4、アサシン

≪安価↓三≫

≪キャスター、直後コンマ≫

  1、メディア
  2、ジル・ドレェ
3~4、玉藻の前
  5、ナーサリーライム
  6、シェイクスピア
  7、アヴィケブロン
8~9、アンデルセン
  0、特殊

カルナさん→凛ちゃんさん
ランスロ→ケイネス先生
剣スパさん→士郎
シェイク→ジナコ

≪ジナコさんにシェイクをどうしろっちゅうねん≫
≪ダン卿が召喚したサーヴァントは―――≫

1、アーチャー
2、ライダー
3、アサシン

≪安価↓三≫

≪アーチャー、直後コンマ≫

1~2、エミヤ
  3、ギルガメッシュ
4~5、ロビンフッド
6~7、ケイローン
8~9、アタランテ
  0、特殊

カルナさん→凛ちゃんさん
ランスロ→ケイネス先生
剣スパさん→士郎
シェイク→ジナコ
アタランテ→ダン卿

≪岸波が召喚したサーヴァントは―――≫

1、ライダー
2、アサシン

≪安価↓三≫

≪アサシン、直後コンマ≫

  1、佐々木小次郎
2~3、腕ハサン
  4、百ハサン
5~6、李書文
7~8、ジャック・ザ・リッパー
  9、セミラミス
  0、特殊

≪特殊アサシン選択≫

1、李書文(ダブルサモン、暗+槍)
2、ギルガメッシュ(ゴージャス)
3、オリ鯖(アサシン)

≪安価↓三≫

カルナさん→凛ちゃんさん
ランスロ→ケイネス先生
剣スパさん→士郎
シェイク→ジナコ
アタランテ→ダン卿
暗槍先生→岸波

≪おじさんのライダー、直後コンマ≫

1~2、メドゥーサ
3~4、イスカンダル
5~6、フランシス・ドレイク
7~8、アストルフォ
  9、アキレウス
  0、特殊

(コンマとった後に安価とっても、それは果たして連続取得というのだろうか)


≪特殊ライダー選択≫

1、赤王(ライダー)
2、オリ鯖(ライダー)

≪安価↓三≫

カルナさん → 凛ちゃんさん
ランスロ → ケイネス先生
剣スパさん → 士郎
シェイク → ジナコ
アタランテ → ダン卿
暗槍先生 → 岸波
騎乗赤様 → おじさん

≪参加者が決定しました≫
≪聖杯戦争を開始します≫

【聖杯戦争一日前・遠坂邸】

カルナ「………………」

俺は瓦礫の中に倒れていた。
聖杯戦争におけるサーヴァントとして呼寄せられたはいいが、これでは状況がつかめない。
周囲を見渡しても、マスターの気配はなかった。

カルナ「…どういうことだ?」

時刻は……―――わからない。
星の位置から探ろうとも思ったが、ここは極東の島国。
俺の地元とは星の配置が異なって見える。

???「―――――…!!?」

などと言っているうちに、騒がしい足音が聞こえてきた。
どうやらこちらに向かってきているようだ。
マスターか、はたまた敵か。
それは見てから判断するとしよう。

凛「………っ! …あっちゃー…またやっちゃった」

扉を勢いよく開けて入って来た少女は、来るなり不穏な台詞を吐く。
これがどうやらマスターのようだが、幸先が不安だった。

≪カルナの台詞、↓二~↓三≫

カルナ「お前がマスターか?」

端的に問うてみる。
九分九厘無いとは思うが、もし間違っていたらことだ。
その問いに、少女は素早く切り返す。

凛「そうよ、遠坂凛。あなた、クラスは何?」

カルナ「ランサーだが」

凛「……ランサー、か。…まあ、仕方ないわね…三騎士ではあるし、妥協しましょう」

妥協すると言われてしまった。
まあ、納得がいくならそれでいいが、しかし少女の顔が曇っている。
大方、最優良クラスのセイバーを引きたかったのだろう。
ここは場を和ませるために、冗談の一つでも言っておくとしよう。

カルナ「ところで、一つ訊いていいか? ここはどこ?わたしはだれ?」


≪凛の反応、直後コンマ≫
1~3、はあ?
4~6、まさか……記憶に問題でも?
8~9、……それってわたしのせいよね…
  0、特殊

凛「まさか……記憶に問題でも?」

抜かった。
このタイミングでこの冗談は、およそ最悪とみていいだろう。
召喚の不手際よる記憶障害、あり得ない話ではない。
だが、嘘を言ってしまったのは事実。謝るほかない。

カルナ「いや、冗談だ。すまない。俺の記憶は万全だ」

凛「……あ、あんたねぇ…!」

どうやら怒らせてしまったようだ。
理不尽な怒りには慣れているとはいえ、しかしこの場合悪いのは俺だ。
甘んじて説教を受けるほかない。

≪凛との関係が≫
凛→【嫌悪】→カルナ
≪に更新されました≫

【聖杯戦争一日目、早朝】

カルナ「………」

俺はあれから夜通し掃除を行った。
慣れない事だったため、必要以上に時間が掛かったことは否めない。

凛「………」

などと言っていたら、ひどい顔をしているマスターが表れた。
昨夜の可憐な雰囲気など微塵もない。

カルナ「マスター。酷い顔をしているぞ」

凛「……うっさいわね。放っときなさいよ」

≪凛は、朝の行動に【会話・カルナ】を選択しました≫


凛「ランサー。そう言えば貴方の真名を訊いてなかったわね」

カルナ「そうだな。昨日のお前は俺に掃除を言いつけると、そのまま不貞寝していたからな」

凛「だからうるさいって言ってるでしょ? ちょっと黙りなさいよ」

カルナ「……命令とあらば、そうしよう」

といって、俺が黙ったのも束の間。
マスターは俺に質問を寄越す。

凛「ランサー、貴方の真名は?」

≪カルナの対応≫

1、真名を明かす
2、黙っていろと言われたので
3、その他

≪↓三≫

問われたならば明かすまで。
元より俺はサーヴァントだ。主人の意に沿うのは当然のこと。
黙っていろというのも、無駄口を叩くなという意味合いだろう。

カルナ「俺の真名はカルナだ。太陽神スーリヤを父に持っている」

凛「カルナって…マハーバーラタのカルナ……?」

カルナ「ああ、その通りだ。知名度が低いのは勘弁してくれ」

この国ではマハーバーラタ自体が広く知られていないらしい。
倒される側であった俺を知っているものなど、数えるほどしかいないだろう。

≪凛ちゃんの反応、直後コンマ≫
1~3、パッとしないわね
4~9、大英霊じゃない…!
  0、特殊

凛「パッとしないわね。知名度補正は期待できないか……」

カルナ「パッとしないのは否定しない。お前に迷惑は掛けぬよう、精一杯尽力するつもりだ」

そもそも、本領が発揮できないことは俺にとってハンデではない。
生前も似たようなものだった。
今回はむしろ、マスターの力量からか完全に近い状態だと言える。

カルナ「サーヴァントとして、最低限のことはできる。後はお前次第ということだな」

このマスターなら、心配はいらないだろう。
魔力も十分であり、俺の宝具を使用しても十分耐えられる。
……という意味合いで言った言葉だったのだが、うまく伝わらなかったようだ。

凛「マイナー英霊が、嘗めたこと言うじゃない。いいわ、やってやろうじゃない」

まあ、轟々と闘志を燃やしているようなので、訂正は必要ないだろう。

凛「ランサー。わたしは学校に行くわ、問題ないわよね?」

学校。
主が行きたいと言うのなら止めるつもりはないが……

カルナ「危険度が増すのは承知の上だな?」

凛「もちろんよ。でも、だからと言って生活スタイルを曲げる気も無いわ」

カルナ「そうか」

≪カルナの対応≫

1、止める
2、付き添う
3、その他

≪安価↓三≫

カルナ「問うが、学校にマスターがいる可能性は無いのか?」

凛「あー、それは大丈夫よ。候補になりそうなのは一人くらいで、そいつに令呪が無いのは確認済」

用意周到なマスターで心強い。
それならば問題は無いだろう。

カルナ「ならば、必ずしも俺が付き添う必要は無いな。留守番でも付き添いでも、単独探索でも命令とあれば実行しよう」

凛「あら、そう? そうね……じゃあ…」

≪直後コンマ≫
1~3、留守番
4~6、付き添い
7~9、単独探索
  0、特殊

凛「留守番よ。遠坂は冬木の御三家だし、拠点が割れてるから守護をお願い」

カルナ「心得た」

戦争において拠点を守ることは重要だ。
その選択に異議を挟む余地はない。

凛「じゃあ、行ってくるからよろしくね。部屋の掃除、あれじゃ全然だめだから。家具もちゃんと直してね」

遠坂凛はそう言い残して、玄関から出ていった。
……家具も直すのか。

≪一旦ここまで≫

≪再開します≫

【一日目・昼 遠坂邸】

カルナ「…さて、まずは寝具からか……足が折れているな。直るものなのか、これは」

少なくとも、俺の技術では無理だと思う。
しかし直しておけと言われた以上、成し遂げるほかに選択肢が無い。

カルナ「先ずは……工具を探すところからだな」

いくら魔術の名門といえど、日曜大工の道具くらいは置いてあるだろう。
俺はまず、それらを探すことにした。


≪他陣営行動判定、直後コンマ≫
1~3、学校で動きあり
4~6、動きあり
7~9、特になし
  0、特殊

≪動きなし。セフセフ≫

≪次、大工判定、直後コンマ。1ほど残念、9ほど完璧≫

【一日目・夕方 遠坂邸】

凛「……やれば出来るじゃない」

カルナ「自分でも意外だったがな」

部屋はほぼ完璧に修正出来た。
よく見ると所々に補修した痕跡があるが、初見では看破できない範囲だろう。

凛「…ちょっと見直したわ」

カルナ「恐縮だ。そちらは問題なかったか?」

≪直後コンマ≫
1~3、問題なかったわ
4~6、衛宮くんがマスターだったわ
7~9、岸波&衛宮くんがマスターだったわ
  0、特殊

≪特殊判定、直後コンマ≫
1~3、シェイクスピアと名乗る英語教師が来た
4~6、剣スパさんと槍書文先生がバトルしてた
7~9、士郎さんと同盟結んだ
  0、重ねて特殊

凛「……それが…」

どうやら何かあったみたいだ。
歯切れが悪いのは、朝にあれだけ大見得を切ったからだろう。
俺は別に気にしていないが、このマスターはプライドが高い。
自分から言い出すまでは、目を伏せて待っているとしよう。

カルナ「………………」

凛「うっ……そ、そんなに怒らなくたっていいじゃない……」

カルナ「何を言っている。別に腹を立ててなど居ない」

凛「ぜ、絶対怒ってるわよね…………で…その、何があったかっていうと…」

カルナ「何があった?」

凛「………セイバーと…ランサー…は貴方だから…アサシン?…が、戦ってたわ。学校で」

それは、恐ろしいことだ。
マスターが無事で何よりである。

カルナ「……怪我は無いな?」

凛「え、ええ…遠目に見てただけだから…」

カルナ「そうか。ならば良い。とにかく、お前の予想は外れたな。つまり、学校にマスターが居たということだろう?」

この少女の事前調査からすり抜けるとは、余程運が良かったのだろう。
或は、そもそも調べるに値しないような実力のマスターだったか。
実力の無さがこうして有効に作用することもあるのだから、戦争はわからない。

凛「…返す言葉もないわ」

カルナ「過ぎたことだ。悔やんでも仕方がない」

≪凛に対する対応≫
1、そっとしておくのも優しさ
2、サーヴァントの特徴を訊いてみる
3、その他

≪安価↓三≫

カルナ「そのサーヴァント――セイバーとアサシンの特徴を教えてくれ」

俺に所縁のある英霊ならば、特徴を聞いただけで看破できるかも知れない。
ただ、その可能性は著しく低いだろう。
しかし、得物や戦運びを知っているだけでも違う。
聖杯戦争が情報戦となるのは、基本的に数の優位が取れない個人戦だということが一因だろう。
だから交渉手段として情報を欲するし、攻略方法を模索するために戦闘を行うのだ。

凛「セイバーのほうは……筋肉だったわ」

カルナ「筋肉…?」

凛「攻撃を通さない鋼の筋肉って言うの? 実際、何発槍を喰らっても平気そうに笑ってた」

カルナ「笑っていたのか……」

恐ろしい戦士もいたものだ。
槍に突かれながらも笑みを湛えるとは、その精神力は感服に値する。

凛「アサシンの方は……見えなかったわね」

カルナ「流石は暗殺者と言ったところか。目にも止まらぬ槍捌き、体捌きという事だな?」

凛「いや、そうじゃなくて……速くて見えないんじゃなくて、視覚的に見えないのよ」

視覚的に?
それは…つまり透明化ということか?
何らかの宝具、あるいは魔術の類だろうか。
とにかく、それは厄介な能力だ。

カルナ「……ん? ならば、なぜ槍を使っていることが分かった?」

凛「それは、セイバーがそう言っていたからね。……もしかしたら、槍じゃない可能性もあるかも」

カルナ「そうか。把握した」

≪凛からの心証が【嫌悪】から【普通】に更新されました≫
≪【夜・行動】凛が、【索敵】を選択しました≫

凛「地形を把握してもらうのと同時進行で、索敵も行うわ」

カルナ「問題ない。俺はいつでも出れるぞ」

元より、用意するものが無い。
鎧と槍は持っているし、それが無くとも眼力で戦える。

凛「そう? じゃあ、さっそく出るわね」

≪目的地、直後コンマ≫
1~3、新都
4~6、学校
7~9、衛宮邸
  0、特殊

凛「ここの家主が、セイバーのマスター……だった筈よ」

カルナ「知り合いだったのか」

凛「え? うーん…微妙ね。向こうも名前くらいは知ってるでしょうけど……」

カルナ「それなのにお前は家まで知っているのか。言葉が見つからないが……敢えて言うなら、残念だな」

凛「なっ……!」

一方通行の恋、というやつだろう。
一言も話せぬまま、気持ちだけが膨らんで行く。
相手に構って貰えない、というのは残念でならないだろう。
その情念がいつか届くことを、密かに願っておく。

凛「残念…? わたしが、残念……違う…これは、ストーカーとかそういうのじゃなくって……」

カルナ「どうかしたか?」

凛「な、なんでもないわよー!」

カルナ「それで、どうするつもりだ? 戦闘を始めるというなら、準備は出来ている」

凛「そうね……せっかく取り込みやすそうな相手だし、同盟っていうのも有りか…」

セイバーとの同盟というのは、彼女からしてみれば魅力的だろう。
それを拒否する理由が、俺には無い。
俺はあくまでサーヴァント。これは遠坂凛の戦争なのだから。

カルナ「同盟、それもいいだろう。例え恋愛感情の縺れからくる方針でも、筋さえ通っているなら文句は無い」

凛「違っ、そういうのじゃなくて!」

カルナ「…? 違うのか?」

凛「違うわよ!これはあくまでも戦略的な方針で――――」

カルナ「わかった。そういうことにしておこう」

凛「だからぁ……!」

≪凛の最終決定、直後コンマ≫(余計な一言:-1)
1~3、別の場所へ
4~6、襲撃よ!
7~9、同盟結ぶ
  0、特殊

凛「あんたって、結構天然よね……」

カルナ「気分を悪くしたのなら謝罪しよう。済まなかった」

どうやら俺の勘違いでマスターを苛立たせたようだ。
今後は、本当に無駄口を叩くのを自重せねば。

凛「とにかく、同盟を結ぶ方針で行くわ。…他意はないからね」

カルナ「ああ、分かっている。お前は、勝つためにセイバーの協力を得る。これでいいな?」

凛「そうよ、間違っても個人的な理由なんかじゃないんだからね」

……無駄口かも知れないが、しかし忠告はしておいた方がいいだろう。

カルナ「遠坂凛。そうしつこく否定していると、逆の感想を抱かれるぞ」

凛「へ…? ………だ、誰がツンデレよー!」

『ツンデレ』とは知らない単語だったが、しかしこういう態度のことを表すというのは理解できた。
……ん? それなら、誰がツンデレか、という主の問いにはこう返すしか無い。

カルナ「『ツンデレ』が誰かと訊くか。それは、他ならぬお前だろう。遠坂凛」

凛「死ねぇー!」

直後、俺は謂れなき鉄拳制裁を顔面に受けることとなった。


≪今日はここまで。基本的に休日更新です≫

≪戦闘について≫
≪カルナさんは自他ともに認める燃費の悪いランサーです≫
≪故に、戦闘では常に魔力消費を考慮して戦う必要があります≫

サーヴァントランク + 知名度ランク + マスターの魔術回路 = 魔力容量

≪基本的には↑の計算式を使用します≫
≪今回のカルナさんの場合は≫

鯖ランク:A(5) + 知名度:E(1) + マスター:(9) = 魔力容量:15/15

※マスターの魔術回路が0の場合は10として計算します≫

≪戦闘の際は、選択する攻撃方法によって消費魔力が変わります≫
≪なお、戦闘形式はお互いのコンマによる判定差を競う形です≫

1、徒手空拳【近:物理】(魔力消費0。通常判定)
2、槍使用【近:物理】(魔力消費2。自身の判定に補正+1)
3、魔力放出【近:魔力】(魔力消費3。自身の判定に補正+2)
4、日輪よ、具足となれ【-:-】(魔力消費0。自身の判定に補正-1して、魔力を3回復)
5、梵天よ、地を覆え【遠:物理】(魔力消費3。相手の判定に補正-2)
6、梵天よ、我を呪え【遠:物理】(魔力消費5。相手の判定に補正-1。3ターン持続)
7、日輪よ、死に随え【遠:物理】(魔力消費7。勝利確定。ただし聖杯戦争中に一度しか使えない)

≪上記のどれかを選択して戦闘に臨みます≫
≪コンマの判定差による勝利、敗北の値は敵対するサーヴァントによって異なります≫
≪なお、スキルによる常時補正も加わっており、カルナさんの場合は≫

☆対魔力(魔力による攻撃に対して補正+2)
★貧者の見識(特定の行動に対する補正有り)
☆騎乗(騎乗中に補正+2)
☆無冠の武芸(相手に真名が知られていない場合、自身に補正-1、及び徒手空拳以外の魔力消費を1軽減。具足は回復量が4になる)
★神性(自分以下の神性を持つ者、または神性を持たないものに補正-1)

≪となりっています。≫

凛「じゃあ、呼び鈴押すからね?」

カルナ「問題ない。……脈が上がっているぞ? 緊張しているのか?」

凛「だ、誰が…!……はぁ、もういいわ…疲れた」

疲れさせてしまった。
どうやら余計な心配だったらしい。
その疲れを補うためにも、より一層の努力が求められるだろう。

≪出てきた人。直後コンマ≫
1~3、傷口も笑ってる
4~6、妹さんだよ
7~9、士郎
  0、特殊

スパ「おや。この家にどのような用件で?」

カルナ「…なるほど、筋肉とは言いえて妙だな。的確に形容している。おまえがセイバーで間違い無いな?」

というよりも、それ以外では考えられない。
これがマスターの学友という事はないだろう。

凛「ちょ…! ランサー!なんでいきなりそんな質問してるのよ!」

小声でマスターが叱りつけてくる。
これは、どう弁明したものか。
いきなりセイバーと対面させるのは危険だと思っての判断だったのだが、マスターには別の考えがあったようだ。

≪いいわけする?≫
1、しない。素直に謝るに留める
2、理由をちゃんと説明する。
3、無言で霊体化
4、その他

≪安価↓二≫

カルナ「……済まなかった。オレの落ち度だ」

凛「……こうなったら仕方ないわ。ランサー、セイバーとの対話は任せる」

任されてしまった。
…命令なので、逆らう道理はない。

カルナ「という事だ。会話はオレがしよう。ここを訪れた目的は、同盟の交渉だ」

スパ「ほう…同盟か。これはまた、動きの速い陣営もいたものだ」

筋肉のセイバーは、顎に手を当てて試案する。
勿論、笑みは崩さない。

スパ「いや、私の一存で決められることではないな。我が『友』と相談をしても?」

カルナ「友とは、主のことか?」

スパ「そうではない。私は誰にも隷属しない。私を手駒ではなく友として召喚したものだからこそ、共に戦うと決めたのだ」

ややこしい言い回しだが、つまり友とはマスターのことだろう。
ならば、問題は無いように思う。

カルナ「凛。判断を仰ごう、どうするべきだ?」

マスターは一拍間を置くと、小さく首肯した。

【一日目・夜 衛宮邸・居間】

士郎「と、遠坂が訪ねてくるなんてな。ハハ」

凛「当たり前でしょ? わたしの知らない魔術師がこの冬木にいるなんて、とても見過ごせないわ」

衛宮士郎は、人当たりのよさそうな好青年だった。
肉付きから、鍛えているのが見て取れる。
セイバーと比べてしまうと霞んで見えるが、少なくともオレの細見よりは立派だろう。
そして余談だが、衛宮士郎は緊張している。
年頃の男子であるが故だろう。これは仕方がない。

暫く暇そうだったので、目を瞑って瞑想していることにしよう。

凛「……………なんですってぇー!?」

―――と思ったら一瞬で遮られた。
騒がしいマスターである。

カルナ「……どうかしたか?」

凛「あんた、聞いてなかったの!? このバカ、召喚と同時に令呪を三画使ったって…!」

カルナ「令呪三画……それは、すごいな…」

つまり、聖杯戦争における切り札を戦争開始と同時に使い切ったという事だ。
マスターが驚転するのも頷ける。

スパ「だからこそ、私は士郎に手を貸している。令呪などという隷属の証を早々に捨てたその心意気に報いるためにな」

士郎「そうしなきゃ、話もしてもらえないところだったしな。……本当はバーサーカーだったんだっけ?」

令呪を捨てながら召喚することで、クラスを書き換えたということか。

≪カルナさんの行動≫
1、スパさんに質問
2、士郎に質問
3、凛と相談

≪安価↓三≫

2

CCCでギルガメッシュと契約した白野よりはましな状況...なんだろうか?

カルナ「衛宮士郎。一つ問いたい」

訪ねずにはいられなかった。
その行為の愚かさと高尚さ。正しいとも間違っているとも取れぬ、しかし英断だったと言い切れる選択。
彼は何を思い、何を願ったのか。

カルナ「その令呪にて――――おまえは何を命じた?」

士郎「そんな大したことじゃないさ。三つの質問に答えてもらっただけだ」

凛「そ、それだけ? …いや、それすらも出来ないサーヴァントってことか」

スパ「どういう英霊なのか。これで一つ。正義とは何か。これで一つ。本当に、共に戦うことは出来ないのか。これで一つだ」

士郎「せ、セイバー! 恥ずかしいだろ!」

スパ「何をいうか、友よ。これほど誇り高いことはないだろう」

オレとは大違いだと思った。
オレは質問されれば答えるし、命じられたならそれを為す。
だからこそ、誰かと深い関係を築くのは苦手だ。
しかしそれを、この主従は早々に手に入れているということ。
信頼関係。この戦争で、もっとも重要な事柄の一つ。

≪何かいう事はありますか?≫
1、無い
2、自由安価

≪安価↓三≫

カルナ「アサシンと戦闘していたのは知っているが、そのほかにも戦闘はしたか?」

凛「ちょ…!だからランサー! 勝手に情報渡してんじゃないわよ!」

これまた失言だった。
このように誠実な関係を持った主従を見たため、気が緩んでいるのだろうか。

スパ「見られていたか。なに、そちらのマスターも学生。不思議ではない」

士郎「あれからは一度も戦っていないぞ。そんなに時間もたってないしな」

それもそうだ。
動きがあるとしたら、それはこの時間。
夜こそ、聖杯戦争の本番だ。

カルナ「そうか。何にせよ、おまえたちの有り方を賞讃しよう。なかなか出来るものではない」

凛「ねえ。それってわたしへの当てつけか何か?」

≪セイバーと同盟関係になりました≫
≪遠坂さん判定、直後コンマ≫
1~3、泊まるとか言い出す
4~9、帰宅
  0、特殊

どっかで、バーサーカーランスロットとケイネスのコンビは4次最強って聞いたんだが、どういうことだろ

そう言えばそうだな
アーチボルトなら剣や槍の調達も容易いだろうし

カルナ「正気か、凛。同盟関係とはいえ、敵陣には変わりないぞ」

マスターは衛宮邸に宿泊するそうだ。
魔術師としての常識を教える意味合いと、それから魔術の腕前を見てると言う。

カルナ「しかし、宿泊までする必要があるか?」

凛「だって、遠坂邸は拠点として周知だもの。移れるなら移りたかったし、丁度いい機会でしょう?」

確かにそういう考え方もあるのか。
大方痴情の縺れだろうが、そこを言及すると拳が飛来するので黙ることにした。

カルナ「おまえの判断なら異論はない。だが、浮かれるのも程々にしておいたほうがいい」

凛「誰が浮かれてんのよ。令呪で黙らされたい?」

欠陥が浮き上がった笑顔。
これはおそらく憤怒の表情だろう。

≪どうする?≫
1、それでも泊まるのはおすすめしない。
2、黙る。
3、その他

安価↓三

士郎以外にはどう言い訳するのか
安価した

カルナ「令呪の使用で従者の意見を退ける。ここでその選択が安易だという事は分かっているな?」

凛「ぐ…! 確かにその通りだけど!」

カルナ「取り敢えず落ち着け、凛。いまはまだ聖杯戦争一日目。機会はこれから先にいくらでもある」

凛「じゃあ、なんで今は駄目なのよ!」

カルナ「情報があまりにも足りていない。目的の無い同盟を結び、その存在を露見させるような行為は控えるべきだ」

同盟を結んだことが割れれば、必然オレたちは標的になる。
宿泊することでそれをわざわざ誇示するような愚かは極力すべきでは無い。

カルナ「それに、アサシンがセイバーを狙ってくる可能性もある。危険は極力避けるべきだ」

≪凛の反応、直後コンマ≫
1~4、いやだ!いやだ!わたし泊まるもん!
5~9、言う事聞いてくれた
  0、特殊

1から4も見てみたかったような気もする

≪無事に帰宅しました≫

≪他陣営行動判定、直後コンマ≫
1~2、ケイネス先生のドキドキ礼装宝具化コーナー!
3~4、スナイプポイントを探して
5~6、夜の闇駆ける、赤き皇帝!
  7、弱者の味方と正義の味方
  8、イケ魂は格が違った
  9、生活指導員シェイクさん
  0、特殊

≪特殊判定、直後コンマ≫
1~2、実はランスロットの狂化ランクがE
3~4、ダン卿「サーヴァントと反りが合わない件」
5~6、性的に暴走する赤き皇帝
  7、弱者の味方と正義の味方が街に繰り出すと大変なことになりました
  8、さっすが、イケ魂は格が違った
  9、ニート促進、悪魔のシェイクさん
  0、特殊

【聖杯戦争一日目・夜 森林】

ダン「アーチャー。お前に英霊としての矜持はないのか?」

アタランテ「生憎、私は狩人でな。騎士道などには付き合っておれん」

アーチャーは森林の中、死角から敵を一方的に屠れるような場所を探していた。
何が何でも勝つ、といった貪欲な意思は無い。
ただ、それしか戦を知らぬだけ。

アタランテ「汝こそ、この戦争に勝つ気がないのか? 正々堂々など、酔狂者しか応じてはくれまい」

ダン「………お前は、騎士としてその腕を振るいたいと思ったことは無いのか?」

アタランテ「無い。それに私は女だ。その問いは笑でも誘っておるのか?」

双方ともに狙撃手でありながら、方針には大きな食い違いがあった。
一流の狩人と、退役軍人。
その小さくも大きくもある相違点が生み出すのは、主従関係の亀裂にほかならない。

≪ここまで≫

≪凛ちゃんさんがマスターの今回は難易度スーパーイージー≫
≪他にもイリヤ、ラニ、レオとかその辺りは凄い楽≫

≪逆に慎二、ジナコと言った弱いくせに自己主張激しい奴らはベリーハード≫

...ガトーさんは?

≪ガトーさんは強いじゃん(白目)。まあ、CCCでの対応を見る限り良い関係は築けるはず≫
≪主人公勢はコミュはイージーだけど、戦闘がややキツいかと≫

時臣やケイネスはどうなんだろう
倒される側の英雄だから軽視されそうだ

日毎の魔力の回復量を教えてほしいかも
霊地押さえておけばボーナスありますか?

>>251 戦闘毎に全回復。特殊な条件下(敵さんの宝具とか)で回復阻害されたりするよ≫

ランサーがカルナさんだから兄貴とかディルの出番はなし?

≪カルナさんってアーチャーとかライダーの適性もあるっぽいよ≫
≪兄貴はキャスター、イケメンはセイバー、アイドルはバサカとかでも出せるかも?……串刺し王は…≫

セイバーディルはランサーの時より強いらしいな
つーか黒子はデメリットにしかならないし、実質役に立つスキルが二つしかないって理不尽じゃね?

イージー・凛ちゃんさん、イリヤ
ノーマル・時臣、ケイネス
ハード・士郎、ウェイバー
ベリーハード・ワカメ、切嗣、桜
論外・龍之介、臓硯

こんな感じか

切嗣は「アサシンが良かった」って言ってるから三騎士とは相性が悪いんじゃないのか?
どうせ本編セイバーと同じく無視される

マスターが切嗣じゃなければうざがられることは無かっただろうに
というか「遅れを取ることはなかった」発言のせいでセイバーのアンチが増えてる気がする

≪始まりますよ≫


【二日目・朝 遠坂邸】

どうやら、遠坂凛は朝に弱いらしい。
昨日の様子を見るに、起床には相当の時間を要するだろう。
しかしプライドも人並み以上、寝坊が原因の遅刻など許容できるわけも無い。
仕方がって、彼女はまるでこの世の全てを呪っているかのような形相でオレが待つ居間へと降りて来るのだった。

カルナ「相も変わらず酷い顔だな。別段、寝不足というわけでもないだろう?」

凛「年頃の娘に向かって酷い顔とは……デリカシーがないのかこのサーヴァントは」

どうやらまたしても要らぬことをのたまってしまったようだが、説教する元気もないようだ。
遠坂凛は、無言で朝食の準備に取り掛かる。

≪どうする?≫
1、静かに待つ
2、手伝ってみる
3、その他

↓三

そういえば、現代にはテレビジョンという情報媒体があるらしい。
なんでも、遠方の視覚情報を映像化して閲覧することのできる箱、あるいは板だとか。
確率は低いだろうが、聖杯戦争に関する情報も手に入るかも知れない。

カルナ「凛。テレビジョンというものを見てみたいのだが」

凛「は? 無いわよそんなの。遠坂は魔術師の名門なのよ?」

なん……だと……?

≪なんか言う?≫
1、それなら仕方ない
2、自由安価

↓三

カルナ「……そうか……それなら仕方ない」

魔術師が科学の産物に頼りたがらないというのは知っている。
オレのマスターも、その一例に漏れないというわけだろう。
元々大して期待していたわけでは無いのだ、見られないならそれでいい。

凛「……そこでがっかりとか、意外と子供みたいなところもあるのね」

カルナ「……? なんの話だ?」

確かに他陣営の情報を得る機会を逸したのは残念だが、子供みたいとはどういう事だろう。
問題のある勘違いでも無さそうなので、放置しておいても問題はないだろうが――――

≪どうする?≫
1、何も言わない
2、訂正しておく

↓三

カルナ「オレは、テレビジョンから他陣営の情報を手に入れることが出来るかと思っていただけだぞ? 子供みたいとはどういうことだ?」

凛「あら、そう? まるで自分の時代には無かった技術にときめく子供みたいだったけど?」

なるほど、そういう解釈もあるのか。
確かに、科学の力だけで遠視をするというのは信じられない技術だ。
しかしそれだけで子ども扱いは少々遺憾である。

カルナ「興味が無かったとは言わないが、戦争に必要なことだ。我欲で打診したと取られては甚だ心外だな」

凛「はいはい、そういうことにしときましょうか」


≪凛からの感情が【普通】→【友好】に変化しました≫

≪凛ちゃんさんが朝の行動に【登校】を選択しました≫

凛「ま、昨日の今日だからね。あなたにも付いてきて貰うわ」

カルナ「異論はない。アサシンには十分注意しておこう」

見たところ、衛宮士郎は約束を違えるような人間ではない。
言葉の上だけとはいえ、同盟相手としては十分信頼に足る。
ならば、警戒すべきはアサシンの方だろう。

カルナ「凛。アサシンのマスターに心当たりはあるのか?」

≪直後コンマ≫
1~6、無い
7~9、昨日目撃してた
  0、特殊

凛「残念ながら全く。あーもう!不愉快ね!わたしの認知していない魔術師が冬木に二人も居たなんて!」

戦闘に姿を現さなかったのなら、マスターに高い戦闘技量は無いだろう。
或は意図的に正体を隠匿しているか、はたまた戦闘行為自体がサーヴァントの独断専行だったか。
どれであろうと、アサシンが単身で戦闘を行っても問題ない技量だということには変わりない。
槍使いと聞いて、少々気になっている処だ。

カルナ「これは予測だが、魔術師ですらないのかも知れないな。偶然サーヴァントを召喚した――という可能性もある」

凛「そんな可能性は無いわよ。あったとしても恐ろしく低いわ。無視して良いくらいにね」

カルナ「なぜそう言い切れる?」

凛「聖杯は、マスターとして相応しい7人を選出する。技量の無い一般人が一流の魔術師を差し置いて令呪を授かるなんて、考えられないでしょう?」

それもそうだ。
オレは納得して、凛の調査網からも逃れるような凄腕魔術師とそのサーヴァントに対する警戒を強めた。

【二日目・昼 穂群原学園】

それから四限の授業を霊体化したまま聞き流した。
中には興味深い科目もあったが、その大半がオレには理解できなかった。

カルナ(現代の学業とは進歩したものだな。技術も発展するわけだ)

凛(まあ、武芸の英雄に高校の授業は難易度が高いでしょうね。ていうか授業中に話しかけて来るな)

念話とはいえ、確かに邪魔になるだろう。
オレは午後の授業から気を付けることにした。

≪他陣営行動判定、直後コンマ≫
1~2、李先生が動く
3~5、士郎さんが動く
6~9、特になし
  0、特殊

≪続けて士郎さん判定、直後コンマ≫
1~3、VSアサシン
4~6、ワカメが絡んできた
7~9、遠坂さん呼ばれてますよ
  0、特殊

【二日目・昼 穂群原学園】

昼休み。
衛宮士郎は間桐慎二に絡まれていた。

慎二「おい、衛宮。お前ちょっと様子が変だぞ」

士郎「様子が変…? い、一体なんのことだ?」

慎二「とぼけるなよ。ブツブツと独り言を言ってるやつの様子が変じゃないわけないだろ」

≪偽臣の書判定、直後コンマ≫
1~3、偽臣の書有り
4~9、???「余はこんなワカメ嫌だぞ!」
  0、特殊

スパ(気を付けろ、友よ。その海藻の周囲から、圧制者の気配がする)

士郎「……なんだって…?」

慎二「また独り言か……これは、間違いないかもな」

慎二は薄い笑みを浮かべる。
背後の虚空に目くばせをすると、翻って教室の扉へと向かった。

慎二「放課後、僕の家に来いよ。ちょっと話があるからさ」

扉が閉まる。
慎二の言う話とやらに、士郎は見当が付かない

士郎「…………?」

≪士郎、直後コンマ≫
1~3、普通に行く。
4~6、スパさんが一応止める
7~9、凛ちゃんさんに相談だー!
  0、特殊

≪放課後に士郎さんは間桐邸へと向かいます≫
≪凛ちゃんさんは昼の行動に【索敵】を選択しました≫

凛「当面の目標はアサシンね。ランサー、気配は―――アサシンが相手じゃ無意味か…」

暗殺者のクラス、そのクラススキルである気配遮断によって、索敵の成功率は大きく下がる。
しかし、アサシンを狙うというのは現在打てる最善手ではあるだろう。

カルナ(仕掛けてくるのを待つのが無難だな。オレは常に警戒しておくが、おまえも準備はしておいてくれ)

凛「分かってるわよ、任せなさい」

≪アサシン判定、直後コンマ≫
  1、二の打ち要らず
2~4、槍ズドン
5~9、動き無し
  0、特殊

http://www.youtube.com/watch?v=E1nbLxUxQwI&list=PL7A06D139357058C8

瞬間、何かが遠坂凛を打撃した。
オレが直前に気付いたところで、それはもう遅い。
その不可視の一撃は、少女の身体を打撃して――――――

≪直後コンマ≫(貧者の見識+1)
1~5、即死した
6~9、流石カルナさんだった
  0、特殊

カルナ「―――くっ……!」

その細見を突き飛ばすことで、辛うじて急所への直撃は避けられた。
しかし、遠坂凛の様子は明らかにおかしい。

凛「あ……ぐ…ぅう………」

書文「ぬ? ほう、生きているか。いかんいかん、技に集中しすぎて単純な威力が出なかったようだ」

カルナ「……体内の魔力が乱されている。調和を乱す技法…呪いの類か」

書文「呵々、似たようなものではあるな。見たところ、相当の腕前。あの筋肉達磨とはまた違った手ごたえが有りそうだ!」

こうして言葉を交わしている今も、アサシンの姿は見えない。
宝具かスキルか……あるいは魔術か。
何にせよ、透明化と必殺の一撃を組み合わせるというのは非常に不味い。

≪カルナの選択≫
1、応戦する
2、凛を抱えて逃げる
3、その他

↓三

書文「儂がアサシンでなければまた違った対峙もあっただろうがなあ。残念ながら、こちとら中途半端な身よ」

不可視の暗殺者が、不可視のままに殺気を放つ。
衣擦れの音も、槍を構える音も、聞こえては来る。
しかし、その出所が全く持って不明瞭だ。

カルナ「……世界に干渉するというよりは、自身を見つめていると言ったところか。それは至極繊細な調整の上に成り立つ透明化と見た」

書文「ほう? これまた、観察眼まで一級か!我が圏境を初見でそこまで見抜くとは見事!」

しかし見抜けたところで、打開策が無い。
マスターのこともある。ここは離脱を選択しよう。

≪離脱方法≫
1、膂力で離脱
2、魔力放出による飛翔
3、その他

↓三

カルナ「悪いが出し惜しみは出来ない。全力で、離脱させて貰う!」

オレは凛を抱えると同時、一気に魔力を背に回す。
凛からの供給が期待できない今、この魔力放出は自前の魔力のみで行う。
故に、持って5秒というところか。しかしそれで十分。
アサシンから捕捉されない位置まで逃げることが出来れば、あとは膂力でどうとでもなる!

書文「! 逃げるか!」

背負うは火炎の翼。
羽ばたくことはせず、噴射するように速度を得る。

≪逃走判定、直後コンマ≫(圏境:-3 貧者の見識:+1 魔力放出:+3)
1~4、逃走失敗
5~9、逃走成功
  0、特殊

【二日目・夕方 遠坂邸】

凛「……ありがと、ランサー…助かった、わ…」

カルナ「……済まない。オレの力が及ばなかった」

あれから学校を抜け、遠坂邸に戻ってきた。
凛の息はある。が、徐々に体を蝕んできている状況だ。

凛「いいえ…あなた居なければ、あれで終わってた……これが昨日じゃなくて、良かったわ…」

カルナ「…あの技は、おまえの魔術回路を乱すもの。乱された調和を取り戻す策はあるか?」

オレの鎧は、この場合意味を為さないだろう。
この鎧はあらゆる衝撃に耐えるが、反面、内側からの攻撃には対処できない。
治癒力も無効だろう。壊されたのでは無く、乱されただけだ。
必要なのは治癒ではなく、調整と調律だ。

凛「……まだ、…模索中ね……明日の朝、までには、何とかする、つもり…」

カルナ「………そうか。おまえがそういうなら、信じよう」


≪凛ちゃんさんからの魔力供給がストップします。≫
≪魔力容量が一時的に【12/15】→【3/6】となります。≫

≪今日はここまで≫

≪あらすじ≫

衛宮士郎と同盟を結んだ遠坂凛。
同盟相手である衛宮士郎は、ライダーの代理マスター、間桐慎二にある話を持ち掛けられる。

一方、遠坂凛は校内での索敵中にアサシンからの奇襲を受ける。
その内実は、内気を乱す「无二打」。
瀕死のマスターを庇いながら、カルナさんはどう動くか。


魔力容量 : 【6/6】※マスターによる魔力供給停止中
マスター : 遠坂凛【友好】
同盟相手 : 衛宮士郎・セイバー(スパルタクス)

≪再開します≫

【二日目・夕方 間桐邸】

慎二「遅いぞ衛宮。僕に呼ばれたんだから、10分前には来てよね」

士郎「でも、あんまり早くても怒るだろ?」

間桐邸のリビング。
光の入らない陰鬱な空間で、間桐慎二は待っていた。

慎二「まあいいさ、とりあえず座れよ」

士郎「ああ。…で? 話ってなんだよ」

慎二「早速本題か、いいね。話が早くて助かるよ」

そういうと慎二は、顎に手を当てて少しだけ考える素振りを見せる。
見せるだけだ。どうするか、などはここに士郎を呼んだ時点で決まっている。

慎二「取り敢えず、見てもらった方が早い。出ろ、ライダー」

≪赤様判定、直後コンマ≫
1~3、断る!
4~6、渋々出てくる
7~9、普通に出てくる
  0、特殊

赤様「ふむ、顔見せか。構わんぞ。むしろ良い! 余の君臨だ!感謝するがよい!」

キラキラした声と共に、キラキラした少女が実体化した。
その服装は、何というか奇天烈だった。

士郎「サーヴァント!? ていうか……そ、それ…下着が…」

見えている―――という前に、ライダーと呼ばれた少女はため息を吐いた。

赤様「はぁ、分かっていないな。これは見えているのではない。 見せているのだ!」

胸を張って、両手を腰に。
目を瞑りながら堂々と答える。
偉そうだ。すごく偉そうな痴女だ。

慎二「おい、言っておくが痴女じゃないぞ。これでも僕のサーヴァントだからね、由緒正しい英霊さ」

赤様「うむ!」

≪スパさん判定、直後コンマ≫
1~3、実体化 → 圧政者キリング
4~9、嫌悪感丸出し
  0、特殊

≪バーサーカーの真骨頂orz セイバーなのにorz≫

スパ「今こそ反逆の時だ! 覚悟しろ、圧政者よ!」

士郎「おい、セイバー!?」

セイバーは実体化し、剣を振るって猪突する。
室内で暴れるには、あまりにも不向きな図体。
しかし、奇襲という一点で、その不利は帳消しとなる。

≪直後コンマ≫(奇襲+2)
≪1ほど赤様有利、9ほどスパさん有利≫

≪判定5。拮抗≫

慎二「っ! おい、ライダー!」

叩きつけられた反逆者の剣を、ライダーは窓を突き破って回避する。
室内が向いていないのは、セイバーだけではなかった。

赤様「問題ない! シンジ!宝具を使うぞ!」

慎二「なっ…! いや、仕方ないか!クソッ!」

スパ「躱したか。いいぞ、そうでなくては張り合いが無い!」

≪スパさん、直後コンマ≫(被虐の誉れ:有利不利の補正を逆転)
≪赤様、直後コンマ≫(騎乗:+1 皇帝特権【軍略】:+1)

≪赤様は↓二だった。故に【5:9】。赤様優勢、判定差【-4】≫
≪ちなみに判定差10 or ⁻10 で決着≫

赤様「出でよ!我が栄光の戦車!【絶対勝利の戦車御者(アブソリイス・オリンピア)】!!!」

その呼び声と共に、現れたのは戦車だった。
立ち乗りで跨り、室内から這い出てきた慎二を引っ張り上げる。

赤様「余の勝ちだ! 見たところ、剣闘士か何かだろうが、容赦はせんぞ!」

スパ「手加減など不要。私はその尊顔を砕ければそれで良い!」

≪スパさん、直後コンマ≫(不利:+1)
≪赤様、↓二コンマ≫(騎乗:+1 皇帝特権【軍略】:+1 【絶対勝利の戦車御者】:失敗を無効化)

≪【3:特殊】。判定差【???】≫

突撃する戦車と、猛進する剣闘士。
その衝突が生むのは奇跡では無く、順当な結果だ。

慎二「はっ!馬鹿が、脳みそまで筋肉かよ! 生身で戦車に敵うかっての!」

赤様「奴はセイバー、それしか出来んのだろう! やはり騎兵こそが最強のクラス!」

地面を転がるセイバーは、間桐邸の外壁に衝突したところで回転を止める。

≪直後コンマ≫
1~4、そのまま連撃喰らって死んだ
5~9、寸手のところで持ちこたえる

士郎「セイバー…!」

剣士は、満身創痍だった。
地面に手をついて立ち上がろうにも、二頭の戦馬がそれを遮る。
踏まれて、曳かれて、転がされた。

赤様「手も足も出んか? …ふむ。流石にちょっと可哀想だな」

慎二「何いってるんだ、ライダー! このまま倒しちゃえよ!」

赤様「うむ、そのつもりだ。手加減は不要だと言われたからな!」

虐げられることを嘆くなど、今更だ。
故にセイバーは、何度繰り返されようと―――――その両足を地に着ける。

≪宝具発動判定、直後コンマ≫
1~3、なし
4~6、疵獣の咆吼
8~9、疵士の咆吼
  0、特殊

http://www.youtube.com/watch?v=J9a9k2bgd4Y


その連撃が止まった時、誰もが息絶えたと認識したとき。
スパルタクスは、その結末を覆す。
両手を着いて、震えながらもその身を起こす。

スパ「ははは。ははははは! 流石は皇帝!その加虐も苛烈極まる!」

立ち上がる剣闘士は、その顔に笑みを湛えていた。
何度虐げられようとも。
幾度危機に晒されようとも。
彼はそれを覆してきたのだから。

スパ「―――――覚悟はいいか、圧政者。かつての世、その軋轢。その身を持って味わうがいい」

振り上げられた剣は、その大地を砕き。
―――――――――圧政者を、足元から揺るがす。

スパ「―――――――――――――――『疵獣の咆吼(クライング・ウォーモンガー)』ああああ!!!!!」

≪直後コンマ≫(負傷値最大:+4 騎乗:-1)
1~3、しかし刃は届かない
4~6、赤様負傷。
7~8、赤様瀕死。
  9、赤様消滅
  0、特殊

大地は隆起し、空気は揺らぎ―――――皇帝は足元を掬われた。
虐げられし者たちの反逆は、物理現象となってその身を襲う。

慎二「おい、ライダー…! しっかりしろよ!」

赤様「くっ……負傷しただけだ!問題ない!」

マスターを庇っての負傷だ。
慎二さえ見捨てて良かったのならば、いくらでも避けられただろう。
しかし喰らってしまった今、もうその議論は詮無き事。
そして――――喰らったその一撃は、重かった。
肉体では無く、別の何かに重撃が走る。

スパ「……はは、はははは!届かないか!おのれ、皇帝!まんまと逃げおおせるつもりだな!?」

≪赤様、直後コンマ≫
1~4、もちろん逃げる
5~9、ここで討ち果たす。その誇りに免じて。

≪判定差【-9】。戦闘続行≫

赤様「いや―――――」

赤色の皇帝は首を横に振る。
それは否定。
しかし、彼が生前に圧政者から受けた否定とは違う。
認めるが故の、称えるが故の――――

赤様「貴様はここで討ち果たす。その誇り高き反逆に免じて」

スパ「そうか。…そうか!ならば、受けろ!」

もう殆ど自由に動かすことの出来ない手足を引きずり、セイバーは皇帝に向かっていく。
それは気高き反抗心であり、それは男の意地でもあった。

スパ「……ォォォ……雄々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々――――――!!!!」

≪スパさん、直後コンマ≫(瀕死:+3)
≪赤様、↓二コンマ≫(優勢:+1 騎乗:+1 皇帝特権【軍略】:+1 【絶対勝利の戦車御者】:失敗を無効化)

≪【9:8】。判定差【-8】≫

その太刀筋は、既に殆ど見切れている。
先ほど大規模な破壊を行ったところで、満身創痍には変わりない。
セイバーは剣を振るうが、それに当初の勢いはない。
―――しかし重さは増している。しかし気迫は増している。
笑い続ける彼の抵抗が、徐々に空気を呑み込んでいく。

慎二「何やってるんだ! そんな死に損ない相手に苦戦するなよ!」

赤様「何を言うか、シンジ。この者は誇り高き革命家だぞ、恥を知れ!」

慎二「ぐっ…! 何でもいいけど、同情したから勝利は譲るなんて言うなよな…!」

赤様「言われるまでも無い。誇り高い故に、今ここで下さねばなるまい!」

≪スパさん、直後コンマ≫(瀕死:+3)
≪赤様、↓二コンマ≫(優勢:+1 騎乗:+1 皇帝特権【軍略】:+1 【絶対勝利の戦車御者】:失敗を無効化)

慎二ってどっかのスレで主人公やってなかったっけ
アサシンの忍者が自鯖だったような

≪赤様強すぎワロエナイ。【9:特殊(優勢のため勝利確定)】≫

スパルタクスは笑顔のまま、徐々に力を失って行く。
そこが、限度。
傷付きながらも、剣を振るった愚かで気高い勇者の最期。

赤様「その笑みは、最後まで崩さなかったか……よくぞ貫いた。褒めて遣わす」

セイバーに、その言葉に応える気力は残っていない。
後は地面に崩れ落ち、ゆっくりと光子に変わるだけ。

彼は最期まで、自らの有り方に忠実だった。

>>414 わかってて言ってるのだろう?≫

≪士郎判定、直後コンマ≫
1~3、赤様殺すべし。慈悲は無い。
4~9、受け入れる
  0、特殊

慎二「チッ……当初の予定が全部パーじゃないか…どうしてくれるんだよ、ライダー」

赤様「余に訊くな。もとはと言えば、けし掛けてきたのはセイバーの方だろう?」

慎二「…だとさ。衛宮、この落とし前はどう付けてくれるわけ?」

共闘を申し込もうとしたら、その相手に暴れられた。
窓や庭など、実害もあった。
客観的に見れば、被害者は慎二の方である。

士郎「……ああ、セイバーが悪かったのは間違いない。謝るよ」

慎二「あのさぁ。サーヴァントが消えてショックなのは分かるけど、そういう返事が聞きたいんじゃないんだよね」

赤様「セイバーのマスターよ。本来、余と奏者はセイバーとの同盟を画策していたのだ」

慎二「そういう事。だから、そうだな……変わりに情報を寄越せよ。他の陣営の情報。ちょっとくらい持ってるだろ?」

≪士郎、直後コンマ≫
1~3、ランサーとアサシンが…
4~6、そういえばアサシンが…
7~9、それは言えない
  0、特殊

士郎「それは言えない」

慎二「は? なんで?」

士郎「情報は持ってる。けど、それを明かすのはフェアじゃない。勿論、お前のことも言わないから―――」

フェアじゃないという、その程度の理由で情報の開示を拒むこと。
慎二にはサーヴァントが居て、どちらが優位かは一目瞭然。
普通なら、ここは開示すべき場面だろう。
だが、衛宮士郎は普通では無い。

≪慎二、直後コンマ≫
1~3、ああ、遠坂か。
4~6、何言ってるの? やれ、ライダー
7~9、まあ良いよ
  0、特殊

慎二「何言ってんの? お前さ、自分の立場分かってる?」

士郎「………」

慎二「やれ、ライダー!」

赤様「  断  る  ! !」


慎二「は?」

赤様「悪いなシンジ!余は今、誇り高き剣闘士と会いまみえて上機嫌だ!殺しが出来る気分では無い!」

慎二「お、おい!何言ってんの!? お前さ、自分の立場分かってる!?」

赤様「うむ!余はローm」

慎二「待て待てわかった!もういいから喋るなよライダァァ!!」


≪ここまで≫

カルナさんの場合、真名は無冠の武芸関連で割と重要だったりする…?

≪今回のお祭り企画、ギン姉様にオリバサカ気に入って頂けたようなので、ひょっとしたら登場するかも?≫
≪なお、マスターの方は見たところ飽和状態っぽいので今回はパスしようかなーって≫
≪では、始まります≫


【二日目・夜 遠坂邸】

遠坂凛は自室に籠って調べものをしている。
体調は最悪だろうが、休んでいたら直るというものでもない。
少しでも行動していたいという気持ちは、分からないでも無かった。

≪尋ね人判定、直後コンマ≫
1~3、士郎
4~6、なし
7~9、岸波
  0、特殊

呼び鈴が鳴った。
此方に呼びかけてくる声から判断するに、衛宮士郎が訪ねて来たようだ。
凛は先述の通り、非常にデリケートな状態にある。
ここは――――

≪カルナさんの行動≫
1、自分が出る
2、凛を呼びに行く
3、その他

↓三

勝手な行動は慎もう。
繰り返すが、これは遠坂凛の戦争。
オレはただの駒に過ぎない。

凛が籠っている部屋の前まで来て、扉越しに尋ねる。

カルナ「凛、客だ。衛宮士郎が来ている」

凛「……衛宮、くん…?」

≪凛ちゃんさんの回答、直後コンマ≫
1~4、こんな姿は見せられない
5~9、すぐ行くわ
  0、特殊

凛「……ちょっと待ってと伝えておいて。すぐに行くわ」

カルナ「了解した」

客人に対して見せる誠意としては、正しい対応だ。
感染の恐れがある症状でもないのだから、相手に迷惑が掛かることはないだろう。

≪何か言う?≫
1、いい心がけだが、あまり無理はするな
2、何も言わない
3、その他

↓三

カルナ「……いい心掛けだが、あまり無茶はするな。自身より他を重んじる生き方は、酷く歪だぞ」

凛「…英雄の台詞じゃ、ないわね……貴方って確か、施しの英霊じゃ、なかったかしら?」

可笑しそうに、少女は問う。
その笑いも当然だろう。オレは―――

カルナ「オレ自身、歪だったのは理解している。ただ、それ以外の生き方が出来なかっただけだ」

神の血を分けた者として。一つの生命として。
人より多くのものを戴いて生まれたオレは、人より優れた“生の証”を示すべきだ。
そうでなければ、力無き人々が報われない。
それは強迫観念のようでもあり、また、オレの誇りでもあった。

カルナ「だが、おまえは違う。おまえは自由だ。魔術師として生きる道もあれば、それを捨てる道もある」

凛「……ラン、サー…」

カルナ「おまえが重んじている他とは、何も衛宮士郎に限った話ではない。父の遺志に報いようという気持ちは立派だが、自身を蔑ろにするまでのものか?」

オレに言われるのも、癪ではあるだろうが。
しかし遠坂凛は、その歪さを背負う宿命にある者では無いのだから。

カルナ「遠坂凛。よく考えて、良く生きろ。おまえの器量ならば、大抵の運命を変えられるはずだ」

≪凛ちゃんさん、感情判定直後コンマ≫
≪1ほど不快、9ほど深い≫

凛「あなただって……運命は、変えられたんじゃないの?」

それは、結末の話か。
それは、生き様の話か。
それは、――――――

凛「だってそうじゃない? 幼き日に、周囲を憎むことだって出来た。そのまま人間として生きることだって…出来たでしょう?」

カルナ「いや、出来ない。出来たとしても、それは既にオレではない」

運命というものは、変えようと願う者にしか変えられない。
オレの生き方の中に、その願いは無かった。

カルナ「オレは施しの英霊…良くも悪くもな。他に施すことは、オレのやりたいことだった」

人間を憎み滅ぼすことも。人間として生きることも。
オレの望む生き方では無い。

カルナ「だからオレの人生は、あれで正しかった。自分がやりたいことをした結末が非業の死だというならば、オレはそれを受け入れよう」

凛「………ランサー」

カルナ「もっとも、オレはあの死を非業だとは思っていないがな。オレの人生は、幸福だった」

≪凛ちゃんさんの感情が【友好】→【友好(複雑)】に変化しました≫

オレは玄関に向かい、衛宮士郎を招き入れる。
随分と待たせてしまったが、彼は変わらずそこにいた。

カルナ「待たせたな。……?」

そこでオレは、セイバーの気配が無いことに気が付く。

≪ワカメ判定、直後コンマ≫
1~2、付いてきてやがる
3~9、無し
  0、特殊

【二日目・夜 遠坂邸】

遠坂邸の居間において、衛宮士郎と遠坂凛は対面した。
オレは霊体化しながら、その会話に耳を立てる。
注釈を入れておくと、盗み聞きはオレの趣味ではない。
これは主の命である。

凛「……そう。…セイバーが、消滅…」

士郎「ああ……悪いな、そういう事だから、同盟の話は……」

凛「別に、問題ないわ。セイバーが落ちたって言うのなら、それはそれで…得だし…」

聖杯戦争においてもっとも警戒すべき陣営。
その脱落は、たとえ同盟相手であれ朗報だという。

凛「それで…衛宮くん。…戦争はこれからも、続けるの?」

令呪がある限り、聖杯戦争を続行することは可能だ。
しかし彼は、セイバーを召喚した時点ですべての令呪を喪失している。
新たなサーヴァントに巡り合っても、契約は結べまい。

≪直後コンマ≫
1~3、続ける
4~9、止める
  0、特殊

士郎「令呪が無くなっても、マスター件が無くなったわけじゃないんだよな?」

凛「そうだけど……まさか…」

士郎「だったら続けるさ。一般人から被害者が出るようなら、俺はその陣営と戦う」

≪カルナさんの言葉≫
1、冷静に状況を見ろ
2、そうしたいなら勝手に犬死するが良い
3、その他

↓三

凛「……はぁ…ランサー…」

お呼びがかかった。
確かに、あの発言は見過ごせるものでは無い。
オレは実体となり、衛宮士郎に言葉を掛ける。

カルナ「これ以上関われば、命の保証はないぞ。元来失う必要のない命だ、見す見す死にに行くというのは許容出来ない」

凛「大体ね…わたしが一般人を傷つけるような方針で、戦うと思うの? いいから、任せときなさいよ…」

士郎「でも、積極的に止めるわけでも無いんだろ? 命なんて、この戦争にかかわった時点で捨てたようなものだ」

凛「……ぐっ…」

どうやら意思は固いようだ。
これでは説得は難しい。

≪士郎、直後コンマ≫
1~4、遠坂には迷惑かけないからさ
5~9、大丈夫。策はある

士郎「大丈夫、策はあるからさ」

それは嘘だと、はっきりわかった。
自身の無い笑みを浮かべ、此方を気遣っているのは一目瞭然だ。

カルナ「………」

凛「…ランサー? どうかした?」

≪どうしよう?≫
1、嘘だと断じる
2、黙っておく。凛には後で話す。
3、その他

↓三

カルナ「いや……大したことでは無い。後で話そう」

凛「そう? ……まあ、貴方が言うなら」

一応信頼してはくれているようだ。

凛「じゃあ、このくらいにしましょうか。報告ありがと」

士郎「……ああ、悪いな」

流石に体調が悪化したのか、凛は早足に自室へと逃げる。
オレは図らずも、衛宮士郎と二人になった。

≪カルナさんの台詞≫
1、行き当たりばったりとは、随分と立派な策だな
2、もう一度言うが、無駄死には見過ごせないな
3、その他

↓三

カルナ「策があるというのは、嘘だろう」

士郎「……はは、やっぱバレるか」

カルナ「…なぜ嘘までついて自身を危険に晒そうとする? その行為に結果が伴わないのは、おまえとて百も承知だろう」

≪士郎、直後コンマ≫
1~3、―――約束したんだ
4~6、正義に理由が必要か?
7~9、自分でもよくわからない
  0、特殊

士郎「……自分でも、よくわからない。ただ、そうしたいって思ったんだ」

オレは気付く。
この少年は、狂っている。
そして狂っていると同時に、まだ引き返すことも出来る。
彼はまだ、『こちら側』には来ていない。

カルナ「……人はそれを、気の迷いと言う」

士郎「そんなのじゃないさ。俺は親父と約束した。だけど親父は……―――切嗣は…」


――――――――――本当に、こんな正義を望んでいたのかな。


衛宮士郎は、予てから秘めていたであろう疑問を口にした。
自身の有り方に――――父親の遺志に対して抱いていた疑念を。

≪カルナさんの言葉≫
1、おまえは何を持って正義とする?
2、おまえはその信念の何を疑う?
3、その他

↓三

カルナ「……おまえは、何を以て正義とする?」

士郎「……弱者を助けることだ。困ってる人がいたら手を差し伸べて―――」

カルナ「それは違う。オレはこう尋ねたはずだぞ。『おまえは、』何を以て正義とするか、と」

その有り方は、彼の父親のものに他なるまい。
弱者を助けるという事は、強者を助けないという事。
困っている人がいたら手を差し伸べるという事は、困っていない人はどうなってもいいという事。
目に見える悪しか討ち果たさず、多数のために少数を切り捨てる正義。
目に見える形での救難信号しか受け取らず、水面下の不和を見過ごす正義。

カルナ「なるほどそれは確かに正義の味方だろう。だがわかっているか? それは正義の味方ではあっても、『人間の味方』ではない」

人間とは、酷く身勝手で利己的なもの。
例えそれが世界を滅ぼす選択でも、親しきものの無事を願うのが人間だ。
その行為の何と愚かで、尚且つ美しいことか。

カルナ「その正義は、破綻している。 『おまえの』正義はそうではないはずだ。 故に、父の願いに疑問を抱いたのだろう」

士郎「俺の――――正義」

≪士郎、直後コンマ≫
1~6、そんなの―――わかるわけないだろ!!
7~9、―――…少しだけ、考えさせてくれ
  0、特殊

士郎「そんなの―――――――わかるわけないだろ!!」

衛宮士郎は一言怒鳴り、全力で遠坂邸を後にする。
…またも余計な世話をしたか。

凛「……そんなこと、ないわよ。きっと」

カルナ「…凛。聞いていたのか」

凛「ええ、悪かったかしら? 後で話すって、これのこと?」

正確には嘘をついているというところまでだったが、間違ってはいまい。
オレは凛に向かって首肯する。

凛「あいつにも、いい薬になったんじゃ、ないかしら。 …それはともかく、ランサー…」

カルナ「……?」

凛「あなたって説教臭いわね……お母さん?」

甚だ心外である。


≪ここまで≫

≪服装についてはお好きな方で想像してくださいな≫

※黄金の鎧について
≪ダーメジ1/10とかチート過ぎ。マスターの魔翌力が0(イリヤ並)じゃないと常時展開は不可能≫

>>546
酉、酉ww 凛ちゃんなら常時は無理でも数ターンとかは可能なのかな?

>>547
≪これ酉ちゃう、ハンネや≫
≪前に乗せた戦闘用スキルの効果を向上させときます≫

≪鎧としては常時発動、CCCではスキルとして使用してた≫
≪故に、宝具では無くスキル扱いとして効果を低減することにしました≫

≪ここまでのあらすじ≫

熾烈な戦闘の末、セイバー・スパルタクスはライダーの手によって敗退した。
凛と同盟関係にあった士郎はサーヴァントを失いつつも、この戦争に関与し続ける意思を見せる。

一方、説教によってマスターからお母さん認定を受けたカルナさん。
解せぬ。

魔力容量 : 【6/6】※マスターによる魔力供給停止中
マスター : 遠坂凛【友好(複雑)】
同盟相手 : ―-無し――

≪お祭りの陰でこっそり再開≫

【二日目・夜】

≪二の打ち要らずへの対処、直後コンマ≫
1~3、解決策が見つかったわ
4~6、気は進まないけど……
7~9、何も思いつかない
  0、特殊

【二日目・夜 教会】

オレはマスターに付従って、この町唯一の教会に来た。
何でも、教会の主が魔術的な状態異常に詳しいからだと言う。

凛「……あまり、気は進まないけどね」

カルナ「現状、頼る伝が他に無いのなら仕方ないだろう」

凛「そうだけど……信用出来ない相手なのよね…」

信用できない相手。
そのような輩に頼らざるを得ないほど、遠坂凛は切迫している。

カルナ「信用できない…というのは、腕前か?」

凛「腕前は、信頼できる。問題なのは性格面で……あんたなら見れば分かるわよ」

そこでマスターは言葉を切って、教会の扉に手をかけた。

言峰「―――凛か。よく来たな。どう言った要件だ?」

黒衣の神父。
確かに、これは見るからに邪悪な気配だ。
何かを偽っているわけでは無いのだろう。
だからこそ暗さと黒さが浮き彫りになる。
誠実であることと、親切であることは違うように。
殉教者であることと、真人間であることは違う。

凛「召喚の報告……それと、体調不良よ」

言峰「ほう。その分では、前者の理由はついでだな。―――診せてみろ」

神父はそういうと、凛を席に着かせる。
教会としてはごく一般的な長椅子。凛はそれに力無く腰掛けた。

言峰「……―――気が乱れてるな。中華の技か。ここまでのものとなると、相当な練度だろう」

凛「ええ……そいつはたしか、圏境とかいう技を使っていたわ…」

言峰「圏境か。成るほど。―――いいだろう。これなら治療が可能な範疇だ」

≪直後コンマ≫
1~3、ただし、条件がある
4~6、兄弟子としてのよしみだ。早速取り掛かろう。
7~9、神槍に突かれなかっただけ僥倖だ。
  0、特殊

言峰「かの『神槍』に槍で突かれなかっただけ僥倖だ。着いてこい、治療を始める」

凛「神槍…?」

言峰「…口が過ぎたな。忘れておけ」

『神槍』とは、聞き逃せない単語だ。
凛はおそらくそこに反応したのだろう。
とにかく、これがアサシンの妙技を打破する情報になる可能性は高い。

≪治療判定、直後コンマ≫
1~4、一日も経てば直るよ
5~9、万全だよ
  0、特殊

【二日目・夜 夜道】

凛は言峰綺礼の治療の結果、万全の状態を取り戻した。

凛「圏境……中華の技…気を乱す……そして神槍、か」

カルナ「真名は掴めそうか?」

凛は顎に手を当てて考える。
その答えは――――


≪直後コンマ≫(圏境:+1 中国武術:+1 神槍:+2)
1~5、分からん
7~9、真名把握
  0、特殊

凛「……ごめん。わたし、中国武術に触れてはいるけど、知識方面では疎くて…」

カルナ「そうか」

≪何か言う?≫
1、扱う技術の知識くらいは把握しておくのが常識だろうが、そういうことなら仕方ない。
2、そういうことなら仕方ない。
3、その他

↓三

カルナ「扱う技術の知識くらいは把握しておくのが常識だろうが、そういうことなら仕方ない」

凛「うぐっ……!」

カルナ「中華の武を治めていて、姿を完全に消す技もある。何であれ相当の使い手であることは間違いない」

気を引き締めて掛からねばならないだろうことは、依然として変わりないのだ。
奇襲に対しては、十分に警戒するとしよう。

≪真名の把握に失敗。夜の行動を終了します≫

【三日目・朝 遠坂邸】

凛「ランサー。今日は学校を休むわ。昨日も体調不良で早退したことにしたし、理由としては十分でしょ」

確かにそれがいいだろう。策もないままアサシンと対峙するのは避けるのが常道だ。
そして、病み上がりであることも間違いではない。
ここは大事を取って、安静にしておくのが良いかもしれない。

凛「じゃあ早速、町に繰り出すわ。準備はいい?」

カルナ「問題ない。…が、出かけるのか?」

凛「無論よ。時間があるんだから、動かないと損じゃない」

≪宛はある?≫
1~3、無い
4~9、ある
  0、特殊

カルナ「とは言え、宛はあるのか?」

宛もないのに出歩くというのは、病み上がりには堪えるだろう。
疲労回復に努めるのも、戦争には必要なことだ。

凛「ええ。衛宮くんの話から察したわ」

カルナ「そうなのか? 衛宮士郎は他陣営の情報を隠していたように思うが」

凛「隠していたってのがポイントよ。あいつが隠したがるんだから、それはきっと知り合い」

凛と、そしてセイバーを落したマスター。
そのどちらとも顔見知りであったがために、その両名ともに情報を隠したということらしい。

凛「まあ正直、絶対にマスターにはなれないと思ってたやつなんだけどね。何せ魔術回路が無いし」

【三日目・朝 間桐邸正面】

遠坂邸とはまた風情の異なる洋館。
どうやら、ここがそのマスターの住まう住居らしい。

凛「今は慎二も学校に居るはず。証拠になりそうなものでも探しましょう」

カルナ「留守中に家探しとは、お前の家訓に反することではないのか」

凛「ちょっと外観を見てくるだけよ、問題ないわ」

≪直後コンマ≫
1~3、特になし
4~6、すっごく庭荒れとる
7~9、おじさんとばったり
  0、特殊

≪特になし≫

凛「………何もないわね」

カルナ「ああ、無いな」

だが、それで読みが外れたと断じるのも早計だろう。
凛の予想は筋が通っている。考察とはいえ、十分聞き入れる価値のある意見だ。

凛「まあ、無いものはしょうがないか。切り替えて行きましょう」

≪他陣営行動判定、直後コンマ≫
1~2、ケイネス先生のドキドキ礼装宝具化コーナー!
3~4、アタランテ「このマスター、駄目かもしれん」
5~6、授業中の赤王は慎二くんをイライラさせます
7~8、岸波さん、おこ
  9、シェイクスピア、パソコンを買う
  0、特殊

【三日目・朝 学校】

ライダーは、念話で一方的に話しかける。

赤様『シンジ。古文というのはさっぱり理解できん! 解説するがよい!』

赤様『シンジ、何をしておるのだ!しっかり授業を聞くがよい!』

赤様『おお! シンジ、飛行機雲だ! 何度見ても凄いな!人が空を飛ぶというのは!』

赤様『あの英語教師は落ち着きが足りんな。あれで教師というのだから、人間は面白い!』

赤様『む! やっと休み時間か! さあ余に構うがよい!』

慎二「あああああうるさああああああい!!」


≪一旦ここまで≫

≪さいかーい≫


慎二は早足に屋上へと上がり、ライダーに向かって怒鳴りつける。

慎二「もう何なんだよ! もう何なんだよお前は!! 学校では静かにしてろってあれほどいったじゃないか!」

赤様「そうはいうがな、シンジ。 それでは余がつまらん」

慎二「我慢しろよ!なんだかんだでお前、結局僕の言う事一個も聞かないじゃん!いい加減にしろ!」

赤様「本当のマスターでは無いしな。 こうして付従っているだけでもありがたく思うがよい!」

ライダーは目を細めてふんぞり返る。
両手は無論腰に当て、小さい背丈で心理的に慎二を見下す。

慎二「いやだからさぁ!全然従ってないって言ってんの! 自由奔放ここに極まってるよ、お前!」

≪直後コンマ≫
1~3、岸波が接触してきた
4~6、特に無し
7~9、アーチャーの狙撃
  0、特殊

赤様「わかったわかった、そういう事なら善処しよう。 代わりに余を褒めるがよい!」

慎二「絶対にわかってないですよね!? 適当に言ってますよねぇ!!」

赤様「む、褒めないのか? ならば今後とも、余の暇つぶしに付き合ってくれるのだな! 良い心掛けだ!」

慎二「心掛けてないからな! …やめろ!目を輝かせるな!ムカつくだけなんだよ!」

≪朝の他陣営行動、特に無し≫

【三日目・昼 商店街】

凛は、あれから索敵を続行している。
学校にアサシンが居るという事は、逆説的に日中の町中では暗殺の可能性が低いという事。
昼の空き時間を最大限に利用するためには、未だ見ぬ陣営の調査が良いだろう。

凛「そうね。まだ見てない陣営は、アーチャー、ライダー、キャスター、バーサーカーか」

セイバーが脱落していることを考えると、ほぼ全ての陣営を把握していないと言える。
アサシンについても、その姿は認識できていないのだから。

凛「ランサー、まずはどの陣営から調べてみましょうか?」

≪カルナさんの言葉≫
1、三騎士の一角であるアーチャーを調べるべき
2、宝具による一発逆転が怖いライダー
3、キャスターを叩くのは常道
4、あえてのバーサーカー

↓三

カルナ「聖杯戦争序盤において、キャスターを叩くのは常道だそうだな」

凛「キャスターか、いいわね。変に陣地を固められても困るし、先ずはキャスターが根を張りそうな霊地でも探ってみるか…」

とは言え、この冬木の主要な霊地は御三家が抑えてしまっている。
そうなると、必然的に格の劣る場所ということになるだろう。
墓地や仏閣、廃病院などが有力候補らしい。

凛「そうね……じゃあ…」

≪直後コンマ≫
1~3、墓地を探ってみる
4~6、柳洞寺にGO
7~9、商店街でたまたまシェイクさんとすれ違う
  0、特殊

シェイク「そこな人! そう!貴女です!少々足を止めてはいただけませんかな!」

凛「……えっ…と…」

何やら髭の西洋人が凛に話しかけてきた。
というより、この気配は……
オレは実体化し、凛の正面に回る

カルナ「凛。この男、サーヴァントだ」

凛「はあ!? 何ですって!?」

シェイク「おお!これはこれは、マスターでしたか! それは何とも都合が良い!まさに、『私の勘が当たってしまった』!」

凛「都合が……いい?」

シェイク「ええ、そうです。 実は私、マスターのことで少々苦心しておりましてなぁ。何とかならないものかと」

凛「その……何とか、って?」

シェイク「いえ、なんと申しますかな。 私のマスターは、俗に言う引きこもりなのです、ええ」

凛「引きこもり……?」

シェイク「引きこもりです。働く意欲も無く、日夜パソコン、来る日も来る日もゲーム三昧!『時は破産者!』これ如何に!」

凛「ああ……それはまた、災難だったわね…」

シェイク「ああいやいや、そこは私としては別に構いません。原稿書いてても怒られませんので」

先ほどからこの男、真名のヒントになりそうな単語を次々と口走っている。
サーヴァントとして、これでいいのだろうか。

シェイク「しかし、あれでは人生が詰まらない! 山も落ちも無い物語など、一体誰が許容出来ましょう!」

凛「……つまり、そのマスターを引きこもりから卒業させてやりたいと?」

シェイク「その通り!察しの良い方で助かりますな!」


凛「いや、待って待って。何も察してないから。その目的とわたし達がどう関係するのかしら?」

その通りだ。
オレたちは通りすがりの者。
求められた以上救ってやりたいのは山々だが、相手はマスターだ。

シェイク「『臆病者は死ぬ前に幾度と死ぬ』。このままで、ジナコの命は輝くことなく潰えるでしょう………そこで!」

男は両手を大仰に広げ、とんでもないことを口走った。

シェイク「あなた方には我が主を強襲していただきたい! 流石のジナコも、戦わざるを得ないでしょう!」

シェイク「『ニンゲンは笑いながら悪人になれる』! マスターの人生を彩るために、どうか御力添えを!」

凛「ヤバい……こいつが何いってるのか全然わからない…!」

カルナ「安心しろ、凛。オレにもわからん」

とにかく、マスターを窮地に立たせ、それを以て奮い立たせようというのはわかった。
しかし、わざわざ他のマスターとサーヴァントに頼むことではあるまい。
下手を打てば、男のマスターがそのまま殺されてもおかしくないだろう。

凛「……えー…っとー…」

≪凛の判断、直後コンマ≫
1~3、話にならないし、やる気も無くなったので帰る
4~6、今ここでシェイクを叩けばいいんじゃね?
7~9、仕方ないので付きあう
  0、特殊

凛「ランサー、わたし思った。今ここであのサーヴァントを叩けばいいんじゃない?」

カルナ「一理あるな。それならば何も問題は無い」

何も知らないマスターを一方的に屠るという役を負わずに済む。
さらに、サーヴァントを一騎落してしまえる。
良い策だ。
オレは男に向き直って、戦闘の準備を始め――――

シェイク「あーちょっとストップ!ストップです! いけませんよ!それは無駄な行為ですから!」

凛「行きなさい、ランサー!」

≪戦闘(?)を開始します≫

≪判定差+1で勝利(?)。-10で敗北≫


≪↓常時補正≫
☆対魔力(魔力による攻撃に対して補正+2)
★貧者の見識(特定の行動に対する補正有り)
☆騎乗(騎乗中に補正+2)
☆無冠の武芸(相手に真名が知られていない場合、自身に補正-1、及び徒手空拳以外の魔力消費を1軽減。具足は回復量が4になる)
★神性(自分以下の神性を持つ者、または神性を持たないものに補正-1)
☆『日輪よ、具足となれ』(常時補正+1)


≪行動一覧≫
1、徒手空拳      【近:物理】(魔力消費0。通常判定)
2、槍使用       【近:物理】(魔力消費2。自身の判定に補正+1)
3、魔力放出      【近:魔力】(魔力消費3。自身の判定に補正+2)
4、日輪よ、具足となれ 【-:-】(魔力消費0。自身の判定に補正-1して、魔力を3回復)
5、梵天よ、地を覆え 【遠:物理】(魔力消費3。相手の判定に補正-2)
6、梵天よ、我を呪え 【遠:物理】(魔力消費5。相手の判定に補正-1。3ターン持続)
7、日輪よ、死に随え 【遠:物理】(魔力消費7。勝利確定。ただし聖杯戦争中に一度しか使えない)

≪魔力容量【15/15】≫

シェイク「本当にやるのですか! 私、戦闘に関しては素人以下ですぞ!」

男―――おそらくキャスターが、踵を返して逃走する。
その足運びから、素人以下と言うのは嘘ではないと分かった。

カルナ「だが、英霊には違いあるまい」

≪行動選択≫
1、徒手空拳      【近:物理】(魔力消費0。通常判定)
2、槍使用       【近:物理】(魔力消費2。自身の判定に補正+1)
3、魔力放出      【近:魔力】(魔力消費3。自身の判定に補正+2)
4、日輪よ、具足となれ 【-:-】(魔力消費0。自身の判定に補正-1して、魔力を3回復)
5、梵天よ、地を覆え 【遠:物理】(魔力消費3。相手の判定に補正-2)
6、梵天よ、我を呪え 【遠:物理】(魔力消費5。相手の判定に補正-1。3ターン持続)
7、日輪よ、死に随え 【遠:物理】(魔力消費7。勝利確定。ただし聖杯戦争中に一度しか使えない)

≪安価↓三≫

オレは拳を握り、徒手空拳でキャスターへと向かう。

シェイク「おおお!? 速っ――――!」

キャスターは腰を抜かして、涙目でその場に転倒した。
……本当に情けない。

≪カルナ判定、直後コンマ≫(『具足』:+1 無冠:-1)
≪シェイク判定、↓二コンマ≫(神性:-1 自己保存:-3)

≪判定差【+8】。ボッコボコの完勝。だが……≫

オレは、確かにキャスターを殴ったはずだ。
素人以下というのは耐久力もその通りで、一撃で消滅させた手ごたえはあった。
しかし、なぜかキャスターは消えていない。
それどころか、変わらず笑みを浮かべている。

シェイク「ふふふ、恥ずかしい話ですが私はまともなサーヴァントではありませんので。 スキル『自己保存』! マスターの死亡以外では、私は大抵死にませんぞ!」

カルナ「…サーヴァントの役割を放棄するのか」

シェイク「いやまさか! 私は作家、英霊としては戦えませんが、しかしこういう騙し騙しの奇策は大の得意でしてね。『嘘こそまさにうってつけ』!」

嘘で戦う英霊にとって、本来オレは天敵のはずだ。
それがこうも手玉に取られて。
ならばそれは謙遜であり――――この男の有り方は、歪んでいようと本物だ。

≪ここまで≫

ぐあっ…シェイクの一人称「吾輩」だった…!

≪吾輩の件は猛省した。始めまーす≫


【聖杯戦争三日目・昼  新都・マンション】

マンションの一室、275号室。
その扉の前で、オレと凛――そしてキャスターが足を止める。

シェイク「さあ到着です。ここが我がマスターの城!」

カルナ「城という風情はないな。どちらかと言うとゴミ屋敷だ」

凛「あんた、言いにくいことサラッというわね…」

玄関の外、扉の前にはまるで余人の干渉を拒むかのように積み上げられた袋の山。
室外でさえこれなのだ。室内の様相は用として知れる。

シェイク「いやはや手厳しい。しかし、ゴミ屋敷という表現では面白みに欠けますので」

カルナ「そうだろうか。こうして目の当たりにさえしなければ、中々に想像力を働かせる言葉だと思うが」

シェイク「おや、ランサー殿にも作家の気質がおありかな? その辺りは価値観の相違という事で!」

なにやら納得されてしまった。
彼にとっては、この手の批判は慣れたものなのかもしれない。
作家には、物事を語る際に1000を10へと削るものと、1を10へと膨らますものが居るという。
この男は後者寄りだが、同時に前者の手法も取る。
書き手としては、まさに万能だ。

シェイク「では、吾輩はジナコを奮起させて参りますので! 『永久の夜とて、必ず明ける』! ジナコの日の出はすぐそこです!」

そういうとキャスターは、ゴミの山を押しのけて275号室に入って行った。

オレは凛と二人、しばらくキャスターの仕事を待つ。
その間にあの作家の真名でも当ててしまおう。

カルナ「凛。あれだけ手がかりを口走っていたことだ。流石に真名には察しがついているだろう」

≪直後コンマ≫(作家:+1 数々の引用:+3)
1~6、わからん
7~9、シェイクスピアでしょ
  0、特殊

凛「………いや、本当にごめん。わからないわ…」

カルナ「…………」

なんということだ。
英霊にまでなるほどの作家など、ごく一握りだろうに。

凛「こ、このあたりまでは出かかってるのよ! もう少しなの!」

カルナ「…………」

ここで余分なことを言って、またぞろ気分を害しても事だ。
口は禍の元。寡黙に努めることが優しさというものだろう。

凛「ちょっと!なんで黙ってるの!? 何とか言ってよ! お願いだから!」

それから数分後、キャスターはマスターと思しき人物を引きずって現れた。
額に汗を浮かべて、まさに必死の形相である。

シェイク「ぐおお…! 流石はジナコ…! いくら吾輩が貧弱と言えども、引き摺るのがやっととは……!」

ジナコ「ぬがああ!離すッスよ! 家から出たらじな子さん死んじゃうー!」

シェイク「ぜぇー…ぜぇー……そうは問屋が降ろしませんぞ! くっ…もう少し吾輩に力があるか、あるいはジナコがスリムだったならば淑女として扱えたのですが…!」

ジナコ「なーに言ってるッスか!シェイクさんの筋力じゃあJCだって持ち上げられねーッスよーだ!」

それは、異様な光景だった。

シェイク「お待たせしました! ええ、此方が吾輩のマスターであるジナコ・カリギリ、その人です!」

キャスターは、一仕事を終えた後のようなさわやかな笑顔で額の汗をぬぐっていた。

凛「シェイク……そうだ、シェイクスピアだ……!」

凛は今更になって真名に至ったようだ。
無論、それは相手側のマスターが真名を口走ったからに他ならないが。

ジナコ「……で? なんなんスか、あんたら。ジナコさんに何か用ッスか?」

そしてキャスターのマスター、ジナコ・カリギリ。
室内から引き摺られてきた彼女は、ジト目でこちらを睨んでいる。

カルナ「おい、キャスター。おまえは彼女にどういう説明をしたんだ」

キャスター「……えー、当初はランサー陣営が攻め入ってきたと説明したのですが…すぐに嘘だとバレましてな」

ジナコ「へへーん、シェイクさんの分際でじな子さんを騙そうなんて百年早いッス! スルースキルは重要ッスねー」

キャスター「吾輩の煽りに耐え抜くとは流石ジナコ。人生の大半を無駄にしただけはありますな」

≪シェイクさんのジナコ救出大作戦、その2! 直後コンマ≫
1~3、とりあえず凛嬢。ジナコを連れて買い物にでも。
4~6、カルナさんに説教してもらう
7~9、凛ちゃんさんがジナコの精密機器類に触れました。
  0、特殊

シェイク「ここは一先ず正攻法から! 凛嬢。ジナコを連れて買い物にでも行っていただきたい」

凛「ええ……はあ!?」

これはまた、突拍子もないことを言う。
というのも、この男は先ほど『マスターが死ななければ自分は死なない』と言ったのだ。
それが今度は他陣営にマスターを預けると言い出した。

ジナコ「ちょ…! ムリムリ!こんなリア充と歩いたら、私…!」

シェイク「何を言うのですか!『他人の目を借りて幸せをのぞき込むなんて、あまりに辛い!』 それが現実!受け止めなさい!」

凛「ちょっと、あんた何言ってるの!?」

カルナ「正気の沙汰とは思えんな。よもや罠か?」

シェイク「罠と来ましたか! それはありませんよ!何故なら吾輩、ジナコの外出中は部屋で執筆活動に勤しみますのでな!」

尚更狂気の沙汰だ。
オレや凛の一体どこにそこまで信頼できる要素があったのか。
或はこの男―――面白ければそれでいいのか?

≪凛の返答、直後コンマ≫
1~3、嫌よ!
4~9、頼まれたら断れないのが凛ちゃんさん
  0、特殊

凛「……むぅ。まあ、それくらいならいいか。損があるわけでも無いし」

カルナ「おまえが良いなら構わないが…」

つくづく甘い。甘いが、それが凛の長所でもあるのだろう。
そこを否定することが、何故出来ようか。

ジナコ「待ってよ!私の意見は無視なの!?」

シェイク「無視ではありません、却下です。『この世は舞台、人はみな役者』。日陰者など居はしない! ジナコ・カリギリ、外に出るのです!」

キャスターは駆け足で扉の中に戻ると、内側から錠を落す。
無論、日ごろから外出をしないジナコが鍵など持っているはずもない。

シェイク「グッバイ! 良い人生経験を!」

細かいこと言うけど
ジナコ・カリギリじゃなくて
ジナコ=カリギリですよ

ジナコ「ぁ…………」

ジナコ・カリギリは悲壮感に満ちた顔で、開かぬ扉を見つめていた。
気持ちはわからないわけでもないが―――いや、わからないが―――しかし、こうなっては受け入れる他無い。

カルナ「となると、オレは邪魔だな。目立つ」

凛「そうね。霊体化してていいわよ」

カルナ「済まないな。世話を押し付けるようで」

凛「まあ、もともと引き受けたのはわたしだし……」

そういいながら、凛はジナコの方を見る。
彼女は両肩を抱き、小さく震えていた。

凛「とはいえ……先が思いやられるわ……」


―――――――――――――――――――――――――

【室内】


シェイク「ふふふ……『光が光を求めると、光から光をだまし取られる』、ならば闇が光を求めたら……一体なにが起こるのでしょうなぁ!」


作家は笑う。人の不幸は蜜の味?
いやいや、そんなに甘いものではなくて。
ならばここは、彼に習って引用で。


『倍増しになれ、苦労と災難。炎よ燃えろ、釜よたぎれ』!!


≪ここまで≫

>>662
・でも=でも正直どっちでも変わらんよね。気に障ったなら直すけど、結構わざとやってた
吾輩については完全にミス。一人称は重要だわー…

今日はちょっと更新できそうもないです

≪前回のあらすじ≫

キャスターであるシェイクスピアに呼び止められ、連れて行かれたのはジナコのゴミ屋敷。
シェイクスピアの企みにより、凛はジナコとお使いに行く羽目に。

シェイク的愉悦、始まる(?)

魔力容量 : 【15/15】
マスター : 遠坂凛【友好(複雑)】
同盟相手 : ―-無し――



≪やらないとかいったけど、用事がおじゃんになったので始めてもいいかな…≫

≪お使い終了、ジナコ判定直後コンマ≫
≪1ほど失敗、9ほど成功≫

【三日目・夕方  ジナコのマンション】

オレの見たところ、ジナコ=カリギリは世間と自分の間にある大きな隔絶を相手に、心が折れかかっている。
もとから殆ど機能していなかったであろう自尊心に止めを刺される直前だろう。
これで陰口でも叩かれたら、本当に自決しかねない勢いだ。

ジナコ「…………」

ジナコ曰く、『リア充』である凛と行動を共にすることが堪えたらしい。
否応なしに比べられてしまうのだから、無理もないだろう。

凛「ジ、ジナコ? あなた、大丈夫?」

自らが住まう部屋の正面でうずくまっているジナコに向かって、凛はやさしく声をかける。
しかし、それはどうやら逆効果のようだ。
ジナコの視線は、言葉を掛けるたびに鋭く恨みがましくなっている。

シェイク「おや、早いお帰りで! ふむふむ……これはこれは」

一方、キャスターは楽しそうに笑っていた。

シェイク「どうでしたかな、ジナコ。 自らの過ちを悟りましたかな?」

ジナコ「……いっそ…死にたいよ…」

シェイク「なんと! 貴女は死を恐れているはずでしょう? 『今ここで死ねたら、この上ない仕合せだ』とは、嬉しいときの引用ですぞ!」

両者の温度差は、耐えられないほどに凄まじい。
ジナコ=カリギリが光彩の消えた瞳でとつとつと言葉を紡ぐのに対し、キャスターは目をらんらんと輝かせていた。

ジナコ「そうだよ……死ぬのは怖いよ……でも…死んだことにさえ気づかない死に方だって、あるんでしょう?」

そういってジナコは、凛の方を見る。
彼女の知らない領域、知らない技術であるところの魔術。
楽に死ねる方法を、その未知に求めた。

ジナコ「ずっと……思ってたんだ。死ぬのは怖いけど、私なんか死んだ方がいいんだって。 それに改めて気付かされた」

≪カルナさんの言葉≫
1、ジナコの言を認めたうえで諭す
2、正面から否定する。
3、なにも言わない
4、その他

↓三

カルナ「―――――確かにその通りだな。おまえが死のうと、誰に迷惑がかかるでもない。悲しむ者も居ないだろう」

凛「ちょっとランサー!その言い方は……!」

オレは続ける。
このまま彼女を放ってはおけない。

カルナ「だが、それは死んで良い理由にはならない」

ジナコ「……なんで? …なんでよ!? 私が死んだって、誰も気付かない! 電気の消費が止まるだけ! どう考えたって、死んだ方が―――」

カルナ「だから言っているだろう。例え死んだ方が良いような人間だろうと、それが死ななければならない道理は無い」

そもそも、それは大半の人間に言えるだろう。
大半の人間は、ただ理由も無く生きているだけだ。
ジナコの意見を採用し、死んだ方が良い人間を全て殺したとするならば。
そのあとの世界には、殆どの人類が残っていない。

カルナ「例え迷惑をかけようとも。例え居る事そのものを疎まれようとも。―――例え、いくら死にたくなっても」

人は、自ら命を投げ出してはならない。
それをすると、彼女の魂は永遠に救われない。

カルナ「逆に問うが、ジナコ=カリギリ。 おまえはおまえと同種の人間に、面と向かって死ねと言えるのか?」

ジナコ「……言える…と、思う…」

カルナ「そうか。では言えたとして、だ。 その直後に、その人間が自ら命を絶ったならば、おまえはどう感じる?」

ジナコ「それは……」

言わなくても分かる。
ジナコはその時、自身に責任を感じるのだろう。
相手が死んだのは―――死んでしまったのは――――自分の責だと、そう感じるのだろう。
その感情は、先ほどの発言と矛盾している。

カルナ「そこに責任を感じるのならば、それは悪だ。 おまえが命を捨てるならば、悪となるのはオレと凛だが……どうする?」

ジナコ「……どうする…って?」

カルナ「…おまえはここで、死にたいか? おまえを殺したという責任と後悔ならば、オレと凛が永遠に背負っていっても良い」

言葉を伝えるのはこれで終わりだ。
後は、ジナコが決める事。

カルナ「オレを悪とし、おまえが自らの生から解放されることを望むならば――――この槍を突き立てよう」

≪ジナコ判定、直後コンマ≫(説教:+5 ジナコ:-2)
1~5、…殺して
6~9、……ごめんなさい
  0、特殊

≪ギリギリセーフ≫

ジナコ「……ごめんなさい……ごめん、なさい…」

ジナコ=カリギリの回答は、謝罪だった。
その瞳に涙を浮かべて、自らの自棄を悔いているのか。

ジナコ「私…私、死にたくないよぉ……!」

カルナ「――――それでいい。オレとて、不要な悪は背負いたくないからな」

凛はその結果に唖然としながらも、どこか安心した様子だ。
キャスターの方は相変わらず、目を輝かせていろいろのたまっているが。

シェイク「これがあれですな!好感度は逆転が可能というやつですな! いやはや、何という人情小噺! 『ものの良し悪し、考え次第』!」

凛「あんた、よくそのテンションを維持できるわね……」

シェイク「吾輩は作家ですので! この世の全ては話の種で、所詮我らは傍観者!」

シェイクスピアは揺るがない。
直接話にかかわりはせず、遠回しにきっかけを作るだけ。
あとはそれが肥大化し、語るに足りるものとなれば。
その時彼は、筆を取る。事態の収拾など、一切しない。
いや―――――してしまったら、面白くない。

シェイク「此度の茶番も、吾輩の腕なら一流に仕上げられることでしょう! それに、彼女の苦難はこれからですので」

それは、その通りだろう。
生きることを決めた後。人間にとって、それからが一番つらいのだから。

≪昼→夕方の行動を終了しました≫

≪夜の他陣営判定、直後コンマ≫

1~2、ケイネス先生は索敵を開始しました
3~4、アタランテ「マスターとは別行動」
5~6、慎二「何やってるんだ、ライダー!」
7~8、岸波さん、おこ
  9、鬼畜シェイク
  0、特殊

≪他陣営判定における謎のワカメ率≫


【三日目・夜 新都・町中】

慎二「何やってるんだ、ライダー!!」

慎二の声が夜の街に響く。
人通りはまばらとは言え、0では無い。
そんななかで、慎二が叫んでしまうほどの事態。それは――

赤様「だがなシンジ! 夜の街に繰り出したとあらば、この身をもって堪能するしかなかろう!」

ライダーが実体化していた。
あの派手で目立つ(悪目立ち)する服装のまま、堂々と歩道の中心を行く。

慎二「なんでだよ! お前、サーヴァントだけど!? そんなこと言ってたら聖杯戦争出来ないっての!」

聖杯戦争とは、夜間戦闘が基本だ。
ライダーの言葉は、逆説的に夜間の街へ繰り出せないことを意味する。

赤様「何を言うか。余は最強だ。今はじっくり堪能して、飽きたら戦争を始めれば良い!」

慎二「お前自分勝手過ぎるだろ! 僕より理不尽とかあり得ない!」

≪遭遇判定、直後コンマ≫
1~3、友好的接触
4~6、特になし
7~9、非有効的接触
  0、特殊

≪陣営、直後コンマ≫
1~2、シェイクスピア
3~4、アタランテ
5~7、ケイネス先生
8~9、李先生
  0、特殊

【三日目・夜  新都・ビルの屋上】

アーチャーは弓を引き絞る。
これは戦争、見敵即殺など当然至極。
相手がこちらに気付かぬまま、一矢で確実に眉間を捉える心構え。

アタランテ「…………貰ったな。さらば、名も知らぬ魔術師よ」

放たれた矢は、慎二の頭部へと飛来して―――

≪直後コンマ≫(赤王の暗殺耐性:+2)
1~5、慎二は死んだ
6~9、流石最優は格が違った
  0、特殊

慎二「ライダー!お前そろそろいい加減にしないと、僕g―――――――――」

間桐慎二は死亡した。
サーヴァントの放った矢が眉間に突き刺さったのだ。
これで死なないわけがない。

赤様「――――シンジ…!? くっ…アーチャーか!」

ライダーは宝具である戦車に跨り、サーヴァントの気配を探る。
そこに二の矢。躱したそれは、上方から放たれたもの。

アタランテ「……単独行動スキルでもあったか。何にせよ、戦闘は避けられんな」

赤様「貴様…! これでもシンジはいいやつだったのだぞ…!」

戦場の華は、散らし合う。

≪今日はここまで≫

≪人居るかわからないけど始めるよー≫


ビルからビルへと飛び移りながら、アーチャーは一方的に矢を放つ。
地を駆けるライダーには、現状反撃の術など無い。
しかしライダーとて、宝具と化した戦車で移動しているのだ。
そう簡単に射られるはずはなかった。
高速で新都を移動しながらも、戦況は拮抗していた。

赤様「その俊足……その弓術…まさかとは思うが…」

≪赤様判定、直後コンマ≫(騎乗:+1 皇帝特権【軍略】:+1)
≪アタランテ判定、↓二コンマ≫(アルカディア越え:逃走判定に補正&移動阻害を無効化  追い込みの美学:-1)

≪【9:5】。赤様優勢、判定差【4】≫
≪なお、判定差10 or -10 で決着≫

アタランテ「……埒が無いな。ここは、相手の動きでも見てみるか」

赤様「アーチャー! 降りてくるがよい! 余はつまらん!」

アーチャーはそこで射撃を中止し、電柱の上で足を止める。
様子見のために歩みを止めたのだが、しかしそれは想定外の事態を生んだ。

赤様「止まったか。そこを動くな! 行くぞ!」

ライダーは、戦車ごと電柱に突撃した。

≪赤様判定、直後コンマ≫(騎乗:+1 皇帝特権【軍略】:+1 【絶対勝利の戦車御者】:失敗を無効化)
≪アタランテ判定、↓二コンマ≫(アルカディア越え:移動阻害を無効化  追い込みの美学:+-0)

≪【6:9】。赤様優勢、判定差【1】≫

アタランテ「くっ…! しまった!」

アーチャーは足場を失いながらも、空中で体勢を立て直す。
着地したのは、ライダーの騎乗する戦車―――その馬の上。

赤様「なっ…!」

アタランテ「喰らえ」

至近距離で放たれた矢。
ライダーはそれをギリギリで躱す。

≪赤様判定、直後コンマ≫(騎乗:+1 皇帝特権【軍略】:+1 【絶対勝利の戦車御者】:失敗を無効化) 〈追い込みの美学:-1〉
≪アタランテ判定、↓二コンマ≫(アルカディア越え:移動阻害を無効化)

≪【6:1】。赤様優勢、判定差【6】≫

そのとき、ライダーは至近距離でアーチャーを見た。

赤様「その貌、まさに『麗しのアタランテ』!」

何を隠そう、彼女はアカイア英雄の大ファンである。
中でもアタランテという狩人は、こんな状況でなければ握手を頼んでいたかもしれないほどの相手。

アタランテ「なっ……汝、私の真名を…!」

赤様「惜しい…実に惜しいが……これは戦争で、貴様はシンジを撃った! その報いは受けねばならん!」

ライダーはアーチャーを馬上に乗せたまま、勢いを増す。
正面には、ビルの壁。
馬と共に、アーチャーはビルに叩きつけられた。

≪赤様判定、直後コンマ≫(騎乗:+1 皇帝特権【軍略】:+1 【絶対勝利の戦車御者】:失敗を無効化) 〈追い込みの美学:0〉
≪アタランテ判定、↓二コンマ≫(アルカディア越え:移動阻害を無効化)

≪【9:1】。赤様優勢、判定差【勝敗確定(?)】≫

アタランテ「……くっ………!」

戦馬はビルの壁を突き抜けて、エントランスホールに出た。
ライダーは急減速し、アーチャーを広前と放り出す。
地面を転がりながらも、アーチャーは何とか自立した。

赤様「余に戦いを挑まず、シンジを狙ったその業。あまりにも深い」

ライダーは冷徹に、息も切れ切れなアーチャーを見下した。

赤様「見下げ果てたぞ、アタランテ。 余の期待に背いた罰、ここでとくと受けるが良い!」

ライダーの猪突。
それは最早、アーチャーに対処できるものでは無く――――

≪ダン卿、令呪判定。直後コンマ≫
≪5以下で強化令呪、6以上で撤退令呪≫

≪ダン卿令呪使用。残り二画≫

ダン卿「令呪を以て命ずる。『ライダーに勝利せよ!』」

アタランテ「……! ダン!見ておったのか!?」

砕かれた壁の向こうから、老兵が令呪を翳していた。
令呪の補助により、肉体の駆動率は飛躍的に向上する。

≪アーチャー、直後コンマ≫
1~3、が、駄目。素直に逃げないから……
4~6、躱しきって戦闘開始
7~9、反撃お見舞い
  0、特殊

≪特殊判定キター……≫

アタランテ「……くっ」

アーチャーは、ライダーの突撃を躱しきった。
それは令呪の補助があってのもの。

赤様「躱したか。だが、次は無いぞ!」

アタランテ「令呪の内容を忘れたか? 私は汝に―――――なんだ……この気配は!」

突如現れた、強大な殺気。
外壁の外――――ダンブラック・モアの後方から放たれたのは、宝具と化した槍の礼装。

ケイネス「討ち果たせ!バーサーカー!」

ランスロ「■■■■■―――――!!」

≪特殊判定:バサカ乱入≫
≪直後コンマ≫
1~3、ダン卿は死んだよ。
4~6、ダン卿を庇ったアタランテは負傷したよ
7~9、華麗な回避だよ
  0、特殊

ダン「……なっ……」

アタランテ「ダンッ!!」

ダン・ブラックモアの心臓には、投げられた槍が突き刺さる。
どう贔屓目に見ても、助かることは無いだろう。
遺言も残せないまま、老兵はアスファルトに伏せた。

ケイネス「ふむ。あれが庇えんとなると、アーチャーは満足に動けないか」

ケイネスは水銀に身を多い、バーサーカーに指示を下す。
いや、それは指示と呼べるほどまとまったものでは無い。

ケイネス「好きに暴れろ。それで構わん」

ランスロ「■■■■――――――!!」

霧に覆われた騎士は、狂気に振れた剣を振る。
それは数多の礼装。
此度の聖杯戦争における、アーチボルトの虎の子だ。

≪赤様判定、直後コンマ≫(騎乗:+1 皇帝特権【軍略】:+1 【絶対勝利の戦車御者】:失敗を無効化) 〈追い込みの美学:0〉
≪アタランテ判定、↓二コンマ≫(アルカディア越え:移動阻害を無効化)
≪ランスロ判定、↓三コンマ≫(精霊の加護:+2 無窮の武練:マイナス補正を3まで無効化)〈追い込みの美学:0〉

≪【特殊判定:1:6】。アタランテ消滅確定≫

バーサーカーは地を駆けて、アーチャーに向かって刃を降ろす。
令呪の補正は、ライダーに対してのみ有効なもの。
マスターを失った今、彼女は今度こそ為す術も無い。

ランスロ「■■■■■―――――!!!」

身じろぎひとつ出来ず、彼女はその身に剣を受ける。
その身が徐々に光子と変わる中―――ライダーは必勝を決意した。

赤様「我が才を見よ―――― 万雷の喝采を聞け…! インペリウムの誉れをここに!」

有り方に失望したとは言え、かつて尊敬した大英霊。
止めくらいは、彼女自身で刺したかった。

赤様「咲き誇る花のごとく―――――――開け! 黄金の劇場よ!!」

故に、開幕だ。
ここからは皇帝の時間。彼女が勝利を収めるまでは、扉が開く事は無い。

≪ここまで≫

≪昨日の終わり方が区切りが良いような中途半端なような微妙な感じなので、ちょっとだけやってもいいですか?≫
http://www.youtube.com/watch?v=6RvsY8AJgBM


完全封鎖の檻の中。しかしてそこは、輝く舞台。
高らかに口上を述べたライダーは、絶対勝利の空間を展開する。
その色は煌めく。その名は轟く。その構成は最早、彼女の肉体といって相違ない。


赤様「――――『招き蕩う黄金劇場(アエストゥス・ドムス・アウレア)』。……余が許すまで、其方は帰さん」


≪赤様判定、直後コンマ≫(騎乗:+1 皇帝特権【軍略】:+1 【絶対勝利の戦車御者】:失敗を無効化)
≪ランスロ判定、↓三コンマ≫(精霊の加護:+2 無窮の武練:マイナス補正を3まで無効化)〈『黄金劇場』:補正完全無効化〉

≪ランスロットさんのコンマは↓二の間違いでした。まあ今回は↓三で≫
≪【9:2】。赤様優勢、判定差【7】≫

煌めき揺れる空間の中、それでも尚、バーサーカーは抵抗する。
黄金の中で、紅赤の火炎と漆黒の霧はぶつかっていた。

ランスロ「■■■■■―――――!!」

赤様「戯けが、抗うな! 死に際くらい、華麗に散って見せよ!」

黄金劇場の中のみ、ライダークラスでは本来封じられている剣の使用が可能となる。
それはつまり、彼女が剣技を取り戻すことを意味した。

赤様「『燃え盛る聖者の泉』! 霧と共に、その暗雲を払って見せよう!」

≪赤様判定、直後コンマ≫(騎乗:+1 皇帝特権【軍略】:+1 【絶対勝利の戦車御者】:失敗を無効化 『聖者の泉』:+1)
≪ランスロ判定、↓二コンマ≫(精霊の加護:+2 無窮の武練:マイナス補正を3まで無効化)〈『黄金劇場』:補正完全無効化〉

≪【7:1】。判定差【勝利確定】≫

赤様「短い演舞だったな。これもまた一興。 余の手で、華と散るが良い!」

ライダーは燃え盛る剣を天高く掲げて、勢いのまま振り下ろす。
黄金劇場において、彼女の意思は絶対だ。
たとえ理性の無い狂戦士だろうと、怯まずにはいられない。

ランスロ「■■■■■―――――!!!!!」

赤様「喝采は―――――万雷の如く!!!」

赤熱し光を帯びた剣は、その霧ごと鎧兜を断ち切った。
一太刀。それで十分。
皇帝の処断に、異論など認められるはずもない。

ケイネス「ば、馬鹿なっ……! 何故だ!かの騎士、ランスロットを狂化した怪物だぞ…! な、なな何故負けるっ…!」

赤様「……それは、其方のような華の無い主に仕えてしまった故だ。 去れ、目障りこの上ない」

ランスロットの消滅を見届けると、ライダーは宝具を解除する。
この男に、最早戦闘の意思は無い。

≪黄金劇場内では敵軍は令呪の使用不可。赤様大勝利≫

【聖杯戦争三日目・夜  遠坂邸】


凛「新都でサーヴァント同士の戦闘があったわ」

カルナ「ああ、俺も知覚した。この気配からして、おそらく三騎は固いだろうな」

そしてどうやら、終止符が打たれる頃合いのようだ。
どの気配を選んでも粒ぞろいの英霊ばかり。
しかし、最後に立っているのはたったの一騎。

凛「これで、セイバーに続いて二騎……合計で三陣営が脱落かしら」

≪凛の行動、直後コンマ≫
1~3、新都を探索
4~6、カルナとコミュ
7~9、深山町を探索
  0、特殊

http://www.youtube.com/watch?v=3L1DEvzsftw


凛「ランサー……あなた、前に言ったじゃない? わたしなら、大抵の運命を変えられるって」

確かに言った。
そして、その意見を覆すつもりもない。
遠坂凛は強い。運命に縛られないだけの才能と精神力。そして何より努力がある。

凛「………実はね…わたしには、妹がいるの」

カルナ「妹?」

そんな痕跡は、家中からは見受けられなかった。
生き別れ―――あるいは、死別だろうか。

凛「ううん、違うわ。その子はちゃんと生きてる。生きてるんだけど……」

カルナ「……少なくとも、この家には居ないようだな。すると、養子にでも出されたか」

凛「ええ……同じ魔術師の家系―――間桐家に引き取って貰った。わたしはそれを、運命だって受け入れていたわ」

父親との約束。相手側との協定。魔術師としての柵。
様々な要因が重なった結果だろう。彼女はそれを―――妹と離ればなれで居ることを―――いつしか当然だと思うようになった。

凛「でも、もし……もしあの子にとって、それが迷惑じゃないのなら………今からだって、遅くないのかしら」

――――運命を変えることが、出来るのかしら。


≪カルナの返答≫
1、遅くない
2、遅かろうと関係ない
3、迷惑だろうと関係ない
4、その他

≪安価↓三。 少ないけどここまで≫

≪ぼちぼちはじめます≫

カルナ「遅かろうと関係ない。おまえがそれを望むなら、それは正しい行いに違いあるまい」

遠坂凛の精神は、そういう風に出来ている。
自らのルールに忠実であり、いつでもそれで自分を律し。
だからこそ、御しきれぬ感情が正しきものでない筈がない。

凛「……魔術師として生きる道もあれば、それを捨てる道もある………だったかしら」

カルナ「本来、おまえを縛るものは何も無い。それは、オレが言うまでも無かったことだろう」

この律義さは、父に対する尊敬故か。
どこか、他人とは思えない。

カルナ「オレは生前、父の威光に恥じない人生を送るという、ただそれだけを旨としてきた。 無論今でも、そのことに後悔は無い」

あれはあれで、良い一生だった。
誰に恥じることも無い、幸運な日々だったと思う。

カルナ「凛。おまえはどうだ? おまえの父は、娘の幸せよりも自らの威光を重んじるような者か? おまえはどう動けば、父に恥じないと胸を張れる?」

凛「……わたしの父親は、魔術師よ。遠坂の名はそう簡単に汚せない。わたしたちの幸せよりも、きっと―――」

カルナ「それは違うな。家徳がそれほど大切ならば、娘を養子に出したりはしない」

才能ある魔術師を、他所の家に渡しはしない。
それは相手の繁栄を意味し、微細とはいえ家術の流出を表すのだから。
一流の魔術師ならば、余り物を処分するくらいのことはやってのける。

カルナ「案ずるな、凛。 おまえの父親はこの上なく、おまえ達を愛していただろう」


≪凛の感情判定、直後コンマ≫(話題振って来たのは凛:+2)
1~4、この話は忘れて
5~9、ランサー、協力して
  0、特殊

凛「ランサー……協力して」

カルナ「無論だ。オレは遠坂凛のサーヴァント。命令とあらば従おう」

遠坂凛は勢いのまま、玄関の扉に手を掛けた。
元々戦争中なのだ、準備は常に万端である。

凛「最近どうもキナ臭かったのよね……慎二といい、雁夜おじさんといい…」

カルナ「間桐邸にサーヴァントの気配は無いな。大義名分は無いが、攻め入るなら好機だ」

≪直後コンマ≫
1~4、サーヴァントが返ってくるまで待つ
5~9、今すぐよ!
  0、特殊

【三日目・夜  間桐邸・正面】

凛「サーヴァントが戻るまで待ちましょう。その方が取引も容易よ」

凛は間桐邸の正面、繁みの中で屋敷を睨む。
その行動にあまり意味は無い。サーヴァントの気配はオレが探っている。
意味は無くてもやめないのだから、これは決意の表れか。

≪直後コンマ≫
1~3、爺卑劣なり
4~6、赤様、徒歩で降臨
7~9、おじさーん
  0、

カルナ「……来たぞ。サーヴァントの気配だ」

凛「……単独? 慎二はどうしたのかしら……」

紅く奇抜な服装に身を包んだ少女。
その様は、とぼとぼと寂しげだった。

カルナ「どう出る。正面から相対しても、あるいは奇襲でも構わないが」

凛「そうね……」


≪直後コンマ≫
1~3、奇襲で
4~6、わたしも行く、正々堂々
7~9、ランサーお願い
  0、特殊

凛「ランサー、お願い。相手してきて」

カルナ「了解した」

オレは凛から命を受けてすぐさま、繁みから道路に姿を現す。
少女は一瞬驚いたが、しかしすぐに背筋を伸ばす。

赤様「…何だ、またサーヴァントか? まったく、今宵は忙しい」

カルナ「そういうな。これは戦争だ」

赤様「ふふっ、違いない。 どうする? 開演か?」


≪カルナさんの言葉≫
1、それ以外に何がある
2、少し話をしよう
3、その他

↓三

カルナ「見たところ連戦のようだ。 今すぐに、というのも無粋だろう」

赤様「久々に話の分かる相手だな。余は嬉しいぞ。 ……さて…では少し、話を聞いてはくれんか?」

カルナ「それは構わないが、良いのか?」

主が見ているかも知れないのに、サーヴァント同士で会話とは。
実際、此方も主が見ているのであまり心は軽くない。

赤様「ああ、奏者はもう殆ど動けんよ。ライダーで現界した故な。あそこまで魔力を使えば、それも致し方ない。代理の者も、先ほど逝った」

ライダーは、その事情をとつとつと零す。
よほどの激戦だったのだろう。仮初とはいえ主人を失ったとあれば、その覇気の無さも頷ける。

赤様「話と言うのはほかでも無い。その奏者のことでな」


≪おじさん直後コンマ≫
1~3、蟲ヤバい。おじさんもう死ぬ
4~6、正気失って徘徊してる
7~9、まだまとも
  0、特殊

赤様「まだなんとか耐えては居るが……このまま余が戦えば、衰弱する一方だ」

カルナ「おまえは、戦いたくないのか」

赤様「当たり前だ。死は悲しいぞ。 それが奏者ともなれば、痛みは倍だ。 その痛みを、余は二度も受けたくない」

自嘲気味に笑ってはいるが、彼女が戦いに疲れているだろうことは見て取れる。
戦に挑む以上、生死は切っても切れぬ縁。
自らの消費する魔力で、自らの主を追い込むとなれば、その苦痛は計り知れない。

赤様「余は派手好きでな。戦となると抑えられん。どうあっても全力は出すし、其方程の相手ならば宝具も使わざるを得ないだろう?」

カルナ「それはおまえの望むところでは無い。そういうことだな?」

赤様「そうだ。……そうなのだが…奏者には、死んででも叶えたい願いがある」


≪直後コンマ≫(傷心モード:+1)
1~6、願いの内容は言わない
7~9、内容まで言う
  0、特殊

赤様「一人の少女を救う事…―――そのために身命を賭せる奏者を、余は誇りに思うが……その決意は、とても悲しい」

カルナ「少女……? 少女とは、この家に住む少女か?」

赤様「…? そうだが…サクラを知っているのか…?」

これは、上手く話が繋がったのだろうか。
本来は凛の意見を仰ぎたいところだが、任された手前退くことは出来ない。

カルナ「知っているも何も、オレはその少女を救うためにここへ来た」

赤様「……なんだと? それは一体どういうことだ!」

カルナ「間桐桜は養子で、我が主人はその娘の姉だ」

≪カルナさんの言葉≫
1、詳しい話は凛から聞け
2、間桐家の者に確かめてみろ
3、その他

↓二

【三日目・夜  遠坂邸】


ライダーに敵意が無いことは明らかだったため、一度作戦を立て直すことにした。
遠坂邸に引き換えし、そこでライダーへの説明を終える。
どうやら凛の説明には納得がいったようだ。

赤様「そんな事情があったのか。 何にせよ、ランサーが味方に付くとは心強い!」

凛「聖杯は万能の願望機……たとえ臓硯がおじさんとの規約を破っても、聖杯さえ手に入れたら解決よ」

カルナ「残るはオレ達を除いて、キャスターとアサシンか。どちらも厄介だな」

凛「種類の違う厄介さね……キャスターは自己保存、アサシンは圏境か……」

赤様「関係ないな! 最早余は負ける気がせんぞ! なんたって、其方ら赤いし!」


≪凛と赤様の相性が良好だったため、無判定で火属性同盟結成≫
≪ここまでー≫

≪本当に少しだけだけど再開≫

≪???直後コンマ≫
1~5、???
6~9、セーフ
  0、特殊

≪セーフ。ジナコ暗殺なんてなかった≫

【四日目・朝  遠坂邸】

凛「さあ、今日も気合い入れていくわよ!」

赤様「もちろんだ! 余も頑張るぞ!」

ライダーは遠坂邸に宿泊していった。
これでもかというほど自由なサーヴァントである。
間桐家側には、彼女は仮のマスターと行動しているとでも誤解されているのだろうか。
だとすれば、仮初の主人が死んだ現状を十二分に利用していることになる。
転んでも、只では起きない。

凛「アサシンのマスターが学校関係者なのは先ず間違いが無いでしょうから、今日は登校ね」

カルナ「それが良いだろう。キャスターについては話し合いで解決するしかないからな」

赤様「うむ! 余も霊体化してついていくぞ!」

≪朝の行動【登校】≫

【四日目・昼  穂群原学園】

凛「さて、調査開始ね。準備はいい?」

カルナ「問題ない。暗殺に二度目は無いだろう」

凛は校舎の、一目の無い場所を徘徊する。


≪直後コンマ≫
1~3、そもそも来ない
4~6、来た
7~9、後の先を取った。流石はカルナさん
  0、特殊

≪特殊判定。インドパワーすげぇ……≫

≪直後コンマ≫
1~3、我☆降臨
4~6、李先生は圏境を解いた
7~9、実は、李先生は学校に居なかった
  0、特殊

書文「―――――ははは! 止めだ止めだ! 血が滾って仕方がない!」

眼前。―――何もなかった筈の場所から、中華服の男が姿を現す。
見て初めてわかる。
このアサシンは、強い。

書文「同じ手を二度も使うのは無粋よな! あれで仕留められなかった儂の落ち度!」

その笑みは猛る虎の如く凶悪でありながら、しかし武人のそれだった。
手繰るは槍と、その拳。

書文「小僧にも言われたのでな。好きに『戦え』と。『殺せ』、ではなくな」

踏みしめた大地には亀裂が走る。
漂う空気には震えが伴う。
これが中華の武技。天を気として、己に修めた者の迫力。

書文「ならば、逃げも隠れもせずに―――――全力で虎狩に興じようぞ!」


≪次回、VS李書文≫
≪ここまでー≫

≪いきなり戦闘から≫
≪判定差+10で勝利。-10で敗北≫


≪↓常時補正≫
☆対魔力(魔力による攻撃に対して補正+2)
★貧者の見識(特定の行動に対する補正有り)
☆騎乗(騎乗中に補正+2)
☆無冠の武芸(相手に真名が知られていない場合、自身に補正-1、及び徒手空拳以外の魔力消費を1軽減。具足は回復量が4になる)
★神性(自分以下の神性を持つ者、または神性を持たないものに補正-1)
☆『日輪よ、具足となれ』(常時補正+1)


≪行動一覧≫
1、徒手空拳      【近:物理】(魔力消費0。通常判定)
2、槍使用       【近:物理】(魔力消費1。自身の判定に補正+1)
3、魔力放出      【近:魔力】(魔力消費3。自身の判定に補正+2)
4、日輪よ、具足となれ 【-:-】(魔力消費0。自身の判定に補正-1して、魔力を3回復)
5、梵天よ、地を覆え 【遠:物理】(魔力消費3。相手の判定に補正-2)
6、梵天よ、我を呪え 【遠:物理】(魔力消費5。相手の判定に補正-1。3ターン持続)
7、日輪よ、死に随え 【遠:物理】(魔力消費7。勝利確定。ただし聖杯戦争中に一度しか使えない)

≪魔力容量【15/15】≫

アサシンが構えを取る。
脱力の中に芯が見える。闘気の中に狂気が見える。
必殺の拳と、常殺の槍。
即ちその身は、殺しそのもの。

書文「呵々、悪いな。 殺しあっての戦いだ、殺気を抑えることは出来ん」

カルナ「構わない。おまえの武行はそういう形なのだろう」

槍を両手に長く持つアサシンに対し、オレは今だに無手のまま。

≪行動一覧≫
1、徒手空拳      【近:物理】(魔力消費0。通常判定)
2、槍使用       【近:物理】(魔力消費1。自身の判定に補正+1)
3、魔力放出      【近:魔力】(魔力消費3。自身の判定に補正+2)
4、日輪よ、具足となれ 【-:-】(魔力消費0。自身の判定に補正-1して、魔力を3回復)
5、梵天よ、地を覆え 【遠:物理】(魔力消費3。相手の判定に補正-2)
6、梵天よ、我を呪え 【遠:物理】(魔力消費5。相手の判定に補正-1。3ターン持続)
7、日輪よ、死に随え 【遠:物理】(魔力消費7。勝利確定。ただし聖杯戦争中に一度しか使えない)

≪魔力容量【15/15】≫
≪安価↓二≫

カルナ「武具など不要、真の英雄は眼で殺す…!」

槍は出さない。
両者共足を止めている今こそ、この技が意味を持ってくる。

凛「ビーム!?」

書文「呵々、面白い!!」


≪カルナ判定、直後コンマ≫(無冠:-1 『具足』:+1)
≪李先生判定、直後コンマ≫(中国武術:不利補正を3まで無効化、近接戦闘時に補正+1)〈神性:-1  眼で殺す:-2〉

≪【4:5】。カルナ劣性、判定差【-1】≫


書文「奇を衒おうが、捉えられねば奇に過ぎぬわ!」

アサシンは最小限の体重移動で眼力を躱す。
身を屈めた体勢から、一息に距離を詰めて得物を突き出す。
速度と風を纏った槍は、唯の突きにして至高の技。
その鋭さは鋼鉄をも穿つだろう。

カルナ「くっ……! 甘く見ていた、流石は中華の技か…!」


≪行動一覧≫
1、徒手空拳      【近:物理】(魔力消費0。通常判定)
2、槍使用       【近:物理】(魔力消費1。自身の判定に補正+1)
3、魔力放出      【近:魔力】(魔力消費3。自身の判定に補正+2)
4、日輪よ、具足となれ 【-:-】(魔力消費0。自身の判定に補正-1して、魔力を3回復)
5、梵天よ、地を覆え 【遠:物理】(魔力消費3。相手の判定に補正-2)
6、梵天よ、我を呪え 【遠:物理】(魔力消費5。相手の判定に補正-1。3ターン持続)
7、日輪よ、死に随え 【遠:物理】(魔力消費7。勝利確定。ただし聖杯戦争中に一度しか使えない)

≪魔力容量【12/15】≫
≪安価↓二≫

接近戦闘において無類の強さを発揮する中国武術だけはある。
接敵の技術は感嘆に値する物だ。
遠射を躱し、その隙に詰める。実に理に適った動き。

カルナ「ならば、近づけないほどの高熱ならば、どうだ?」

魔力を加速させる。
我が血潮は、最早灼熱の火炎と同義。
この身が太陽となれば、その槍とて穿てまい。

≪カルナ判定、直後コンマ≫(無冠:-1 『具足』:+1 魔力放出:+2
≪李先生判定、直後コンマ≫(中国武術:不利補正を3まで無効化、近接戦闘時に補正+1)〈神性:-1  眼で殺す:-2〉

≪【特殊判定:8】。カルナ優勢、判定差【?】≫

書文「くっ、何と面妖な!」

アサシンは高熱を前に迷いを見せた。
それも仕方ないだろう。最早この血潮は鉄さえ溶かす。
大地は自ら火を灯し、それらは赤々と光を得た。

赤様「我が火炎には劣るとはいえ……何と荘厳な炎!素晴らしい!」

凛「ちょっとランサー!やり過ぎよ! ここ学校!」

確かにその通りだ。
人気の無い校舎の陰であれ、この赤熱は聊か目立つ。

カルナ「そういう事だ。悪いが早々に決めさせて貰う」

灼熱を纏いながら、オレはアサシンを鋭く見据えた。

≪直後コンマ一桁=判定差。0は10≫

≪カルナ優位、判定差【3】≫

書文「くくく……くははははは!! そうでなくてはなぁ! 死合いとはこういうものだ!!」

アサシンは意を決したのか、灼熱の中にその身を投げた。
それは自傷とも取れる愚行だが、それを覆す力量がある。

書文「この身が焼けて朽ちるまでに、その方を貫けば儂の勝ちよ!」

焦がれるほどの熱気の中、速さで風を纏うアサシン。
烈風は灼熱を逸らし、槍は火炎を巻き込んでより強く。

カルナ「――見事。 気概に応えねば、武芸者の端くれとして胸を張れないな」

≪カルナ判定、直後コンマ≫(無冠:-1 『具足』:+1 魔力放出:+2【特殊判定により持続中】)
≪李先生判定、直後コンマ≫(中国武術:不利補正を3まで無効化、近接戦闘時に補正+1)〈神性:-1〉

≪さっきからずっと李先生が直後のなってた。↓二です≫
≪【7:特殊判定】。判定差【?】≫


槍を捌き、槍を突き出し、槍をいなす。
灼熱の劫火の中、お互いにその武をぶつけ合う。

書文「出し惜しみは無粋か! ならば全力で殺しにかかる!」

アサシンはその槍でこちらの攻撃を絡めて退け―――肉薄した。



書文「我が八極に二の打ち要らず――――――七孔噴血……撒き死ねい!!」


≪直後コンマ。自陣営判定【7】のため、コンマ3以下で死亡≫

カルナ「ぐぁ………!!」

何とか体勢を切り替えて、その直撃を避ける事には成功した。
しかし、避けきれなかったのも事実。
気を乱す一撃に、黄金の鎧は意味を為さない。

書文「寸手で躱すか! 簡単には決まらぬか。呵々、二の打ち要らずの名が無くな」

必殺の一撃。
戦闘を続行することは可能だが、不安は残る。
この負傷を抱えた状態で、果たして敵う相手だろうか。


≪行動一覧≫
1、徒手空拳      【近:物理】(魔力消費0。通常判定)
2、槍使用       【近:物理】(魔力消費1。自身の判定に補正+1)
3、魔力放出      【近:魔力】(魔力消費3。自身の判定に補正+2)
4、日輪よ、具足となれ 【-:-】(魔力消費0。自身の判定に補正-1して、魔力を3回復)
5、梵天よ、地を覆え 【遠:物理】(魔力消費3。相手の判定に補正-2)
6、梵天よ、我を呪え 【遠:物理】(魔力消費5。相手の判定に補正-1。3ターン持続)
7、日輪よ、死に随え 【遠:物理】(魔力消費7。勝利確定。ただし聖杯戦争中に一度しか使えない)

≪魔力容量【9/15】≫
≪安価↓三≫

≪正直妙手。残りはシェイクだけだし、李先生強すぎだし≫

カルナ「凛。宝具を使う許可を。 この男は、ここで討ち果たさねばならない相手だ」

凛「……わかったわ。ここを超えれば、残るはキャスターとライダーのみ。全力でかましなさい!」

許しは得た。
手には巨大な、神をも殺す必滅の槍。

カルナ「『神槍』よ。この神殺の槍、受けるが良い」

魔力は収束する。
世界の法則をも破る、滅びそれだけの一撃。

カルナ「神々の王の慈悲を知れ。インドラよ、刮目しろ。絶滅とは是、この一刺」

アサシンは最期まで笑っている。
その槍を高く構えて、滅びに向かって立ち向かう。
まさに剛。その意気や、語り継がれる最強の武人として申し分ない。



カルナ「焼き尽くせ、『日輪よ、死に随え(ヴァサヴィ・シャクティ)』!!」

決壊した魔力は、アサシンを天に突き上げる。
刺すというよりは、穿つ一撃。

アサシンにも、最後の言葉を紡ぐ暇はあっただろう。
それをあえて無言で終えたのは、武こそが彼の言葉だからか。
虎の如く孟て、龍の如く笑み、人間の様に殺した英霊。
アサシンでありながら、その散り様は実に堂々としたものだった。

凛「………ごめん、ランサー。その宝具って分類は何?」

カルナ「対軍宝具だ。状況によっては対神にもなる」

凛「対界の間違いじゃなくって?」

カルナ「…? ここで嘘を言う意味があるか?」

赤様「まあ対界と言われても納得だがな。 昼間の市街地で撃つ宝具ではあるまい。 派手だし、余は許すがな!」

この後、凛からは説教があった。
昼休みの残り時間では、到底終わりそうもない。

【四日目・夜  遠坂邸】

凛「ていうか鎧失うなんて聞いてないわよ! よく撃ったわね、あんな宝具!」

あれから家に帰ってくるまで、学校内は謎の光の話題で持ち切りだった。
上方に突き上げる形で放ったため、市街地に被害は無い。
何をそこまで話題にするのか。謎だ。

カルナ「オレの生きた時代では、あの程度の光は日常的に巻き起こっていたのだが……」

凛「神話戦争時代のインドと一緒にするな!」

もっともである。
柄にもなく盛り上がっていたのだろうか。

カルナ「そうは言うがな、凛。それではあの宝具の使い所が無い」

昼間で目立つというのなら、夜など目も当てられない。
閃光が駆け巡るなど、暗闇を称える時刻では鬼門だ。

凛「いつだって鬼門よ、あんなの。 被害は無いし、一応討伐令は出てないみたいだからよかったものの……」

≪凛が夜の行動に【会話・ジナコ】を選択しました≫


【四日目・夜  ジナコのマンション】

凛「なにはともあれ、残すところはキャスターのみね」

赤様「余は計算に入れないのか?」

凛「目的が同じなら大丈夫でしょ。後でおじさんに合わせて貰える?」

赤様「それもそうか。 うむ!任せるが良い!」

キャスターはスキル『自己保存』によって、マスターの死亡以外で消滅しない。
此方としても、ジナコ=カリギリを殺すのは避けたいことだ。
それゆえの話し合いである。

凛「じゃあ呼び鈴押すけど、準備は良い?」

オレは小さく頷いた。

≪直後コンマ≫
1~3、出てこない
4~6、シェイクが出た
7~9、ジナコが出た
  0、特殊

ジナコ「………はーい……って凛さんとランサーさんッスか。……ん?」

インターフォンから声が聞こえる。
そのことに対して凛は驚いたのか、オレの後ろに隠れてしまった。

ジナコ「その赤い人、誰ッスか? 凛さんといいランサーさんといい、赤大好きッスねあんたら」

カルナ「オレは別に、赤が好きというわけではないが……この者は―――」

赤様「余は此度の戦争における騎兵、ライダーだ! よろしく頼むぞ!」

自己紹介が自分でしたいのが彼女らしい。
オレが口を開くと、何故か曲解されてしまうことが多々ある。
此方としても、不要の誤解を招かないので助かった。

カルナ「そういう事だ。 話があるので席を設けたい。時間はあるか?」


≪直後コンマ≫
1~3、ジナコ「もしかして殺しに来たんスか!?」
4~6、ジナコ「えー……家から出たくないッス」
7~9、ジナコ「えー……じゃあメンドいし、中にどぞッス」
  0、特殊

≪一旦ここまで≫

≪再開である≫

ジナコ「もしかして殺しに来たんスか!?」

カルナ「違う」

とは言っても、そう簡単に信じてはくれないだろう。
キャスターのスキルもあって、ジナコが狙われやすいのも事実。
ここで下手なことを口走ると、これから先の展開が非常に面倒になる。

≪カルナさんの言葉≫
1、事実をそのまま語る
2、凛に任せる
3、赤様に任せる
4、その他

↓三

カルナ「凛。いつまで隠れているつもりだ。ここはお前の出番だろう」

基本的に何もかも是とするオレに交渉ごとは向かない。
それを考えなかろうと、そもそも凛は優秀だ。

凛「そ、そうよね。わたしの出番よね……これ、壊れたりしないかしら…」

なぜ端末に向かって話しかけるだけの機械を壊せると思ったのだろう。
それはもう呪いの類だ。

凛「えっと……ジナコ? 聞こえてる……のよね?」

ジナコ「凛さんスか……ちゃんと状況を説明してほしいッスね」

≪直後コンマ≫(機械音痴:-1)
  1、インターフォンが壊れた
2~3、説明失敗
4~9、説明成功
  0、特殊

凛「ランサーとライダーで他の陣営は討伐したわ。残るはこの三騎だけよ」

ジナコ「ひっ……ますますピンチじゃん! 私どうしたら……」

凛「落ち着いて。わたし達はジナコを殺す気なんてない。だけど叶えたい願いがある」

間桐桜の運命を覆すこと。
これは凛の我がままだが、しかし欲から来る願いでは無い。

凛「妹をね…助けたいの。聖杯でしか直せない病気……いえ、呪いに蝕まれている妹を」

相手がシェイクスピアなら、こんな説得は一笑にふされていただろう。
或は表面的には悲しみ嘆き、裏では三文芝居だと嘲るか。
この場合、それが事実であろうと虚構であろうと彼の作家には関係ない。
意味があるのは筋書と構想。嘘であろうと面白ければ構わない。
真実だろうと、つまらなければ興味は無い。

しかし相手はジナコ=カリギリ。
感情論の通じる相手だ。
死を恐れる彼女なら、この話を聞き入れてくれるかも知れない。

≪直後コンマ≫
1~3、都合のいい話ッスね
4~6、ちょっと考えさせてほしいッス
7~9、……中、入ると良いッス
  0、特殊

≪真骨頂が仕事したかどうか、直後コンマ≫
1~5、シェイク「これはなかなか面白い展開ですな!」
6~9、シェイクスピアに未練は無かった
  0、特殊

【四日目・夜  マンション室内】

シェイク「これはなかなか……面白い展開ですな!」

シェイクスピアは暗い室内で、ジナコの言葉に耳を傾けそう言った。
彼がこのような台詞を口走るときは、大抵が碌な結果にならない。

シェイク「此度の執筆ももう一息と言ったところ……ジナコにはここで、改めて絶望していただきませんと」

シェイクスピアは、その宝具を展開する。
表現の極地。精神干渉の裏技。彼の至高の劇団をここに。

シェイク「『人間の一生は彷徨い歩く影法師、哀れな役者に過ぎぬ。己の出番の時は舞台の上でふんぞり返って喚くだけ!』」


≪国王一座、直後コンマ≫
1~3、ジナコの両親とカルナのコンボ
4~6、凛とカルナ
7~9、ジナコの両親
  0、特殊

≪orz≫
≪特殊判定直後コンマ≫
1~3、赤王には母親を、カルナと凛には父を、ジナコには両親を。
4~6、とか言ってる間にカルナは室内に来ていた
7~9、ジナコはそれさえも乗り越えて行く
  0、重ねて特殊

≪コンマ神が生き返ったようです≫
≪直後コンマ≫
1~3、パソコン+エンチャント=世界全土に影法師
4~6、シェイクは自害した
7~9、今代コンマ神の赤様補正
  0、さらにかさねて

シェイク「例え木偶でも、吾輩を殺すのには十分でしょう!」

木偶人形はジナコの形を取り、その手には刃物を携える。
その異変に、彼のマスターも気が付いた。

ジナコ「シェイクさん……? なにやってるんッスか?」

シェイク「なに、この流れでは吾輩が自害を命じられるのは明白! ならば早々に引かせてもらおう思いましてな!」

木偶で出来たジナコは、刃物を大きく掲げる。

シェイク「作品はネットに投稿済!良い時代ですな! 思い残すところはありませんので!」

自害を命じるのと、偽物とはいえ己の手で殺すのでは、その苦痛は万倍違う。
最期の足掻き。最後の絶望。シェイクスピアは、一貫して劇場型だ。

シェイク「『生きるか死ぬか、それが難題だ』。貴女の人生にふさわしい言葉でしょう? 吾輩の死を以て、感じ入って貰えれば僥倖!」

最期まで笑いながら、シェイクスピアは自らの鮮血に溺れていく。
最初から今この瞬間まで、この作家は自らの作品に溺れてた。

≪ジナコ、直後コンマ≫
1~3、あまりの事態に気絶
4~6、気が動転して会話どころじゃない
7~9、なんとなくこうなる気がしてた
  0、特殊

>>1が一番わけがわからないよ≫


カルナ「ジナコ! 何があった!」

凛「っ! ……キャスター!」

キャスターは消滅する寸前だった。
命を奪ったのはジナコ―――ではない。 ≪←貧者の見識≫
あれは人形だ。おそらくキャスターの宝具だろう。

ジナコ「……なんとなく…なんとなくこうなる気はしてた。 シェイクさんは、そういう人だよね」

シェイクスピアの血肉の大半が光子へと変化を終えたとき、ジナコはひとりでに呟く。
わかっていたのだろう。
彼女が死を嫌厭するというのなら、この男はそれそのもので以て別れを告げると。

ジナコ「シェイクさんはシェイクさんなりに、私を救おうとしてくれたんでしょ?」

それはきっと勘違いだとおもうが、ジナコがそう結論そいたなら構わない。
所詮我らは仮初の命。キャスターも、それがわかっているからこその自決だろう。
キャスターは完全に光と消えて、残したのは悲劇のつもりかもしれない。
だが実際に残されたのは、僅かな希望だった。
つまり彼は最期に、己の読者に敗北したのだ。

あの男にとってこれほど悔しいことはないだろう。

≪もともとシェイクさん自体が意味不明な人だから、これだけ特殊が重なったら理解不能にもなる≫



【四日目・深夜   遠坂邸】

凛「正直、わけがわからなかったわ」

赤様「そうか? あれほど尊き滑稽話もそうはないぞ。絶望を与えようと自決して、それが『はいはい、貴方はそういう人だよね』で済まされるのだから」

カルナ「それが小さな希望にもなった。ジナコはこれで、『納得のいく死』があるということを知ったのだから」

凛「……やっぱり理解不能だわ……凄いわね、流石英霊…」


≪おじさん判定、直後コンマ≫
1~3、今から探す
4~6、いまきた
7~9、もう直ぐ来る
  0、特殊

凛「雁夜おじさんが来るのは、もうそろそろよね?」

赤様「そうだな。 念話ではあと10分程度だと言っていたぞ」

その間に、決めておくことがある。
それはこの聖杯戦争の勝者だ。
残り一騎になるまで、聖杯は起動しない。
ならばこの場のどちらかが死ぬしか、方法は無い。

≪カルナさんの考え≫
1、オレが自決するのもやむなし。凛に相談。
2、果し合いの末に雌雄を決しよう。
3、その他

↓三

≪今回は他陣営の面々が強すぎたのでギルは居ない≫


カルナ「では、果し合いの末に雌雄を決する流れになるか。オレは凛のサーヴァント。最強のマスターを持って負けるわけにはいかない」

赤様「ほう、良いのか? 鎧もなく、無防備な姿で余に敵うとでも?」

強がってはいるが、ライダーとてマスターの魔力が枯渇寸前のはず。
つまり宝具を封じられている状態だ。勝ち目は十分にある。

凛「はいはい、その辺りはおじさんが来てから話すわ」


おじさん「やあ、凛ちゃん。久しぶりだね」

凛「はい。お久しぶりです」

どこかうだつの上がらない、中年の男性が表れた。
間桐雁夜。ライダーのマスターだ。

赤様「来たか、カリヤ! 余を待たせるとは何事だ!」

おじさん「ああ、すまない。 あの爺の目を盗んでとなると、どうもね」

凛「さっそく本題でいいですか?」

おじさん「構わないよ。……とはいっても、俺はライダーから呼ばれただけで、何も聞いてないんだけど……」

凛「それは今から説明しますよ」

説明を終える。
サーヴァントが残りの二騎になったこと。
凛の望みが桜の救済であること。
同時に、間桐雁夜の側からも説明があった。
間桐臓硯の目を欺くために、ライダーに無理を言って偽臣の書を製作したこと。
秘密裏に間桐臓硯の弱点を探っていたこと。

凛「臓硯の弱点……というのは?」

≪おじさん、直後コンマ≫
1~3、見当もつかなかった
4~6、日光……ごめん、忘れてくれ
7~9、桜ちゃんの心臓だ
  0、特殊

おじさん「日光……いや、忘れてくれ。役に立てなくてごめん」

凛「日光……? ねえ、ランサー…これって…」

まさか…オレの神性で代用しようというのか?
確かに父は太陽神だが、可能なのだろうか。

赤様「いや、案外いけるのではないか? 聖杯によって再現された能力だ、逸話があるならその力を発揮できよう。属性とあらば尚更だ」

カルナ「そういわれてみれば確かに納得が行くな……」

オレの炎があらゆる魔を滅すると曲解しているようなものだが、しかし理屈は通る。
それが可能ならば、必ずしも聖杯に臨む必要は無くなる。

おじさん「悪いけど、俺の魔力は現界でね……ライダーは宝具を使えない。臓硯との戦闘は任せっきりになるけど……」

凛「待って、おじさん。臓硯を打倒する意味って、必ずしもあるのかしら?」

≪おじさん直後コンマ≫
1~3、だってあいつムカつくし
4~6、……言われてみれば、無いな
7~9、あいつを殺さなきゃ、桜ちゃんは絶対に救われない
  0、特殊

おじさん「……言われてみれば、無いな。 ちょっと意固地になっていたみたいだ」

赤様「まあ、殺せるに越したことはない。 あの老人が生きたままでは堂々巡りになるかもしれんしな」

たしかに、元凶を断たずに状況だけ救うのでは解決したとは言えない。

カルナ「ならばどうする? 今すぐ、間桐臓硯の打倒に乗り出すか?」

凛「………」

≪凛ちゃん直後コンマ≫
1~3、聖杯で臓硯を殺す
4~6、ランサーで臓硯を殺す
7~9、令呪を以て命ずる。ランサー、間桐臓硯を殺害しろ!
  0、特殊

凛「令呪を以て命ずる」

カルナ「なんだと?」

どういうことだ。
またぞろ、オレが気分を害する言葉でも口走ったか?
それにしたって間髪入れずに令呪とは過ぎた懲罰ではないか?

凛「何よその顔……別に説教しようってわけじゃないわよ。―――令呪を以て命ずる。ランサー、『間桐臓硯を殺害しろ!』」

凛の令呪が一画、強い光を放って消える。
それは魔力の制約。聖杯の補助。
その命令を成し遂げるまで、オレは間桐臓硯に特攻を得る。

凛「これで万が一も潰せるでしょ。いくら不死身だろうと、神の息子が本気でやって死ななかったら嘘だわ」

カルナ「聊かやり過ぎという気もするがな。命じられたからには全力で取り組もう。オレは間桐臓硯を殺す」

≪標的【間桐臓硯】。 間桐邸へ移動≫

間桐邸の玄関から、断りも居れずに内側に入る。
間桐雁夜が居るが故に、錠前などの遮蔽は無効だ。

おじさん「きっと地下の蟲蔵だと思う。……十分に警戒はしておいてね」

光の無い空間。
もともと外界の光が入り辛い作りなのだろう。
夜の闇が、より一層深く感じられた。

≪遭遇判定、直後コンマ≫
1~3、臓硯
4~6、無し
7~9、桜
  0、特殊

【間桐邸  蟲蔵】

その光景は、異形と表現する以外に語る言葉が見あたらない。
異形の蟲。蟲の群れ。
そこに埋没する少女と、それを眺めて嗤う老人。

おじさん「臓硯……!」

臓硯「ほう? 客人か、これは恥ずかしいところを見られた。かの遠坂嬢に魔術の修行を覗かれるとは」

凛「………………なによ、これ…」

彼女の妹、間桐桜は――――陵辱されていた。
目に光は無い。希望は、無い。
ライダーはこのことを知っていたのだろう。
顔は逸らせども、驚いては居ない。
凛は、顔さえ逸らせずにいた。
その現実を、直視できずにいた。

≪カルナさんの見識判定、直後コンマ≫(貧者の見識:+1 令呪:+5)
1~7、特になし
8~9、桜の心臓が弱点と看破
  0、特殊

≪ここまで≫

≪もう後は走り抜けるだけ≫

カルナ「なるほどな。非道な手段を選んだものだ」

赤様「……何かわかったのか?」

わかったも何も、魔力の流れとあの蟲の表情を読めば容易く看破出来る。
或は、これが令呪の力か。

カルナ「問題なく間桐桜は救えるだろう。―――――凛!」

茫然自失。最早、目の前の光景を見ながらその目には何も映っていない。
遠坂凛の心は、折れてしまっている。
だがしかし、彼女の心は折れた程度で屈しないはずだ。

≪何て言う?≫
1、間桐臓硯の弱点を端的に告げる。
2、説教タイム
3、その他

↓三

カルナ「間桐臓硯の本体は、間桐桜の心臓に巣食っている」

凛「え……? それって……」

凛が絶望を顔に出す。
オレが言った言葉の意味を訳すと、臓硯を殺すという事は同時に、間桐桜を殺すことを意味する。

カルナ「安心しろ。殺す役目はオレが請け負う。―――虎の子の宝石。あれの使い所があるとしたら、ここだ」

遠坂家代々の魔力が込められた、極大の宝石。
本来ならば不可能な死者蘇生とて、成し遂げるだろう。
人には無し得ぬ異端の技を、歴史を重ねて出力する。
まさに魔術師の王道ではあるまいか。

カルナ「とは言え、蘇生が有効なのは死んでから数秒だろう。集中を切らすな、しっかり見据えろ」

敢えてこれ以上言葉は重ねまい。
凛の無言も、肯定と受け入れよう。
彼女の視線に、戸惑いは無かった。

赤様「予定外だが、そういう事なら余も出よう! 間桐臓硯は余とカリヤに任せるが良い!」

決着は一瞬。
その一瞬を阻害されぬために、オレはライダーに背中を預ける。


凛を抱えて、蟲の中に飛び降りる。
オレが着地するに伴い発した熱が、群がる蟲を焼き払った。
しかし足りない。
間桐桜を覆う蟲は、その程度では払えない。

おじさん「臓硯……! お前には死んでもらう…!」

赤様「皇帝特権! 余に神性を! 太陽の加護を!」

後方で間桐臓硯の触覚ともいえる人型と相対したライダーが、跨る戦車に火炎を灯す。
それはオレのものと同一。神の加護を得た輝き。
しかして、オレの幾倍も華やかだった。

赤様「無粋な輩は食い止める! 其方らは為すべきことを為せ!」

おじさん「凛ちゃん……桜ちゃんを頼んだ!」

カルナ「道は拓く。事も為そう。救うのはお前だ、凛」

凛「……任せて。貴方の無茶振りにも慣れたものよ」

カルナ「それは、オレの台詞だな」

会話を切る。
槍で払うは魑魅魍魎の怪奇蟲。
太陽の加護は我が手に。
灼熱の裁きを粛々と。
この槍が纏う悪が苛烈さを増せば、そのたびに遠坂凛は照らされる。
ならばオレは、殺しさえも受け入れよう。

間桐桜に群がる蟲は、その大半が灼熱に融けた。
オレは少女の心臓に、火炎の穂先を突き立てる。

カルナ「準備はいいか、遠坂凛。―――覚悟はいいか、間桐臓硯」

この声は、後方の戦場に届いていない。
そもそも間桐臓硯の言葉を代理する触覚は、跡形も無く皇帝の威光に焼かれていた。
残るは本体、只一つ。

凛「いつでもいけるわ。お願い!」

カルナ「願われるまでも無い。為すべきことを為すだけだ」


降ろされた槍は心臓を穿ち、少女の体内に火炎の血潮を巡らせた。


【五日目・朝  間桐邸】


カルナ「容体はどうだ?」

凛「安定してるわ。初めてのことだから少し不安だったけど、流石はわたしね」

詳細な調整はまだ先になるだろうが、一先ずは安心できそうだ。
その体内から穢れが払われたというなら、オレもいくらか楽になる。
罪なき命を殺すのは、取り返しが付こうがそうでなかろうが重いものだ。


≪おじさん判定、直後コンマ≫
1~3、聖杯はほしいよ
4~6、聖杯はいらないけど、決着はつけたいってライダーが
7~9、聖杯はいらないよ
  0、特殊

おじさん「本当に感謝はしているよ。俺一人じゃどうにもならなかった」

赤様「だが、それとこれとは話が別だ! 勝者は決めねばな!」

決めねば、ならないのだろうか。
このまま大団円を迎えるのも悪くないと思うのだが。

カルナ「聖杯を求める理由でもあるのか?」

おじさん「それは……これと言ってないんだけどさ」

赤様「曖昧な決着では余が納得できん!」

≪カルナさんの回答≫
1、わかった。全力で相手をしよう。
2、曖昧さもまた良し。戦は好んでするものでは無い。
3、その他

↓三

カルナ「相手をするのは構わない。しかし、主の魔力は持つのか?」

おじさん「まあ、そういうことなら何とかするよ。これで戦いも最後になるんだし」

赤様「余は現界してこの方、奇襲しかさてれいないのでな。正々堂々というのもやってみたかったのだ!」

何とかするという事は、何とかなるのだろう。
ならば、オレが拒否する理由は無い。

凛「いいんじゃない? 派手に蹴散らしてあげなさい」

≪戦闘を開始します≫
新スレ→【Fate】カルナ「おまえがオレのマスターか」【安価・コンマ】 - SSまとめ速報
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