さやか「マミさんの前でイチャついてみよう!」なぎさ「意地悪してみるのです!」 (70)

◇マミの家

さやか「はい、なぎさ♪ あーん」

なぎさ「あーん♪ ……もぐもぐ」

さやか「ふふ、どう、美味しい? あたしが買ってきたケーキは」

なぎさ「はい、とっても美味しいのです!」

なぎさ「さやかに食べさせて貰ったから、いつもよりずっと美味しいのです!」

さやか「おーおー、可愛いこと言ってくれちゃって!」

マミ「…………」

マミ「……ねえ、ちょっと」

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さやか「ん、なんですかマミさん?」

マミ「美樹さん、なんだか……その、最近」

なぎさ「?」

マミ「な、なぎさちゃんのこと……甘やかし過ぎじゃないかしら?」

さやか「えー? そうですかねー?」

なぎさ「そんなことないのですよ! いつも通りなのです」

マミ「そ、そうかしら……ごめんなさいね、変なこと言って」

なぎさ「さやかはいつだってなぎさに優しいのです! なぎさは優しいさやかが大好きなのです!」

さやか「ふふ、あたしも可愛い可愛いなぎさが大好きだぞー!」

マミ「…………むーっ」

さやか(うっふっふ……効いてる効いてる!)

さやか≪ほら、なぎさ。やっぱりマミさんヤキモチ妬いてるよ!≫

なぎさ≪うーん、まだヤキモチかどうかはわからないのです≫

さやか≪えー? 絶対そうだって!≫

さやか≪マミさんがあんたのこと大好きな証拠だよ、これ!≫

なぎさ≪なぎさはこれくらいじゃ満足……もとい、納得しないのです!≫

なぎさ≪もっともっと意地悪してみるのですよ!≫

さやか≪あはは、あんたもなかなか良い性格してるわよねー?≫

なぎさ≪むー、さやかには言われたくないのです!≫

なぎさ≪そもそもこれを提案したのはこの前さやかが……≫





◇数日前 さやかの家

なぎさ「マミはきっとなぎさのことが嫌いなったのです」

さやか「ええっ!? どーしたのさ急に」

なぎさ「だって最近、なぎさにチーズをくれなくなったのです!」

なぎさ「カロリーがどうとか言って……」

さやか「あはは、そりゃあんたの健康を気遣ってくれてるだけでしょ」

さやか「愛されてる証だよ、うん」

なぎさ「でもでも……」

さやか「うーん……あ、そうだ、じゃあこういうのはどうかな?」

なぎさ「?」

さやか「マミさんの前で、あたしらがイチャイチャするの!」

なぎさ「ふぇ? それがなんの意味があるのですか?」

さやか「んふふ、想像してみてごらん? あたしらが仲良くしてるせいでモヤモヤするマミさんを」

なぎさ「うーん……?」

さやか「『なぎさちゃんが急にそっけなくなって、美樹さんに甘えだしたわ……』」

さやか「『いったいどうしたのかしら? もしかして私のこと飽きちゃったの……?』」

なぎさ「ふむふむ」

さやか「『なんだかなぎさちゃんが遠くに行ってしまったみたいで胸が苦しい……』」

さやか「『嗚呼、やっぱり私はなぎさちゃんが大好きなんだわ、あの子がいないとダメなの!』」

なぎさ「なるほどなのです!」

さやか「と、まあそんな感じでヤキモチを妬くと思うんだよねー」

なぎさ「でも本当にそんなふうになるのでしょうか?」

なぎさ「マミがそこまでなぎさのことを好きだとは思えないのです」

さやか「なるなる、なるって!」

さやか「やってみよーよ、ね? そんで反応を楽しんで……もとい、マミさんの愛を確かめるのだ!」

なぎさ「うーん……」

さやか「まー、なぎさが気が乗らないなら無理にとは言わないけどさー?」

なぎさ「……いえ、ぜひやってみたいのです」

なぎさ「とっても面白そうなのです」ニヤリ





◇現在 マミの家

なぎさ≪……そもそも発案したのはさやかなのです! なぎさは悪い子じゃないのです≫

さやか≪でもマミさんの反応を見るのは?≫

なぎさ≪正直に言って、楽しいのです≫

さやか≪可愛いよねー≫

なぎさ≪はい……えへへ♪≫

マミ「……あの。二人でテレパシーして何を話してるの?」

さやか「あ、いえ、大したことじゃないっす」

なぎさ「二人の内緒なのです♪」

マミ「ふーん……そ、そう」

マミ「でも、その……三人でいるのに内緒話なんて、よ、良くないと思うわ?」

さやか「はーい」

なぎさ「ごめんなさいなのです」

マミ「あ! なぎさちゃん、ほっぺにクリームがついてるわよ」

なぎさ「えっ?」

さやか「あ、ホントだ」

マミ「ほら、私が拭いてあげるからこっちいらっしゃい?」

なぎさ「んーん、さやかに拭いてもらうから良いです」

マミ「そ、そう……」

なぎさ「さやかー、取ってくださいー」

さやか「もー、しょうがないなー」

さやか「もうちょい近く来て? そうそう、ほっぺをこっちに」

なぎさ「こうですか?」

さやか「そうそう。じゃ、取るよー……んふふ」

さやか「……ちゅっ♪」

なぎさ「ひゃん!」

マミ「!?」

さやか「あ、美味しー♪ このクリーム」

なぎさ「さ、さやかっ!?」

マミ「ななな、舐めっ……!?」

なぎさ「な、舐められるのは流石に予想外だったのです……」///

さやか「あはは、びっくりした?」

マミ「み、美樹さん! そういうのは良くないと思うわ!」

マミ「ほら、なぎさちゃんだって嫌がってるじゃない!」

なぎさ「うう……」///

さやか「ありゃりゃ、ちょっと調子乗りすぎたったか……ごめんね?」

なぎさ「あ……いえ、その」

マミ「?」

なぎさ「あ、相手がさやかなら……そんなに嫌じゃないのです……」

マミ「!?」

なぎさ「な、なんちゃって、えへへ……」

さやか「くぅー! ほんっと可愛いなあ、あたしのなぎさは!」

マミ「あ、『あたしの』、って……!?」

さやか「可愛すぎてもうハグしちゃう! むぎゅー!」

なぎさ「きゃん! も、もう……!」

マミ「うー……!」

マミ「……ずるいわ、美樹さんばっかり……」

さやか「えっ? 今なにか言いました?」

マミ「あっ……! い、いえ、な、なんでもないの!」

なぎさ「ずるい、って何がなのですか?」

さやか「ずるい?」

マミ「ええっ!? き、聞こえてたの? えと、それはね、その……」

マミ「み、美樹さんのケーキのほうが大きい気がして!」

さやか「えー? そうですか? 気のせいですよー」

なぎさ「……くすっ、マミってば食いしん坊さんなのです!」

マミ「う、うふふ……」

なぎさ(なーんて、全部分かってるのですよ! マミ、顔真っ赤なのです!)

なぎさ(……本当にヤキモチ妬いてくれてるのですね……えへへ♪)

さやか≪なぎさー? 顔がにやけてるぞー?≫

なぎさ≪だってだって、マミが……うふふ≫

さやか≪おーおー、お熱いねー≫

さやか≪ま、これでもうわかったでしょ? そろそろネタばらしする?≫

なぎさ≪……いえ、せっかくだから、もうちょっと遊ぶのです!≫

さやか≪えー? どうなってもしっらないよー?≫

さやか≪まあいいけどさ……あたしも楽しいしね、うへへ♪≫

なぎさ≪むふふ≫



マミ(また二人で見つめあってる……)

マミ(…………)

なぎさ「あ、そうだ! マミはこの後時間ありますか?」

マミ「え、時間? あるけれど……何かしら?」

なぎさ「あのあの、出来れば宿題を手伝ってほしいのですけれど……良いですか?」

マミ「え……! わ、私に!? 私に!?」

なぎさ「はい。……どうしてそんなに驚くのです?」

マミ「だ、だって、その……美樹さんは?」

なぎさ「さやか? さやかはお馬鹿だからダメなのです」

さやか「ぐわー! 小学生にバカにされたー!」

マミ「うふふ、そう、そうなのね! じゃあ仕方がないわよね!」

マミ「あ、でもなぎさちゃんダメでしょ? 美樹さんのことお馬鹿なんて言っちゃ」

なぎさ「はーい、ごめんなさーい」

さやか「あはは、まあ良いけどね。なぎさが悪気がないのは分かるし!」

さやか「つか愛情表現? みたいなもんだし!」

なぎさ「なぎさはさやかのお馬鹿なところも大好きなのですよ!」

さやか「あはは、さんきゅー♪」

マミ「……ふーん」

マミ「ま、まあ美樹さんが気にしないなら良いわよね」

マミ「さ! 宿題を始めましょう?」

なぎさ「はーい♪」

オチをどうするか考えてくる







マミ「……っと、これで算数は終わりね」

マミ「……算数はティロ・フィナーレ、なんちゃって♪」

なぎさ「ふー、疲れたのですー」

さやか「頑張ったねー。よし、ナデナデしてあげよう!」

なぎさ「わーい♪」

マミ「……こほんっ。なぎさちゃん? 宿題はこれで全部なの?」

なぎさ「あ、まだ国語のがあるのです。ええと……」

なぎさ「『辞書で自分の名前の意味を調べてみましょう』、なのです!」

マミ「名前ね。じゃあ辞書を持ってくるわ」

なぎさ「ありがとうなのです! お願いしますー」

マミ「ええと……あったあった、国語辞典」

マミ「なぎさちゃん? 国語辞典あったわ……よ?」

さやか「渚は『海などの波打ち際のこと』だってさー」

なぎさ「なるほどなのです、ありがとうさやか!」

さやか「ふふーん! どういたしましてー」

マミ「え……」

さやか「あ、マミさんすみません、先にスマホで調べちゃいました」

さやか「あたし辞書アプリ入れてるんで!」

マミ「そ、そうなの……」

なぎさ「すごいのです、さやか! スマホを使いこなしててカッコイイのです!」

さやか「えっへっへ、そうだろうそうだろう」

マミ「そっか、じゃ、じゃあ、この辞書はいらないのね……」

マミ「こ、こんな時代遅れの、私の辞書なんて……ぐすっ……ううう……」

さやか「えっ……!?」

なぎさ「あ、あわわ、マミ?!」

さやか「あーでもほら! せっかくだから紙の辞書も引いてみなよ、なぎさ!」

さやか「使い方を覚えるのも勉強なんだし!」

なぎさ「そ、そうですね! 貸してほしいのですマミ!」

マミ「……!」

マミ「え、ええ! 喜んで! さあどうぞどうぞ使って?」

なぎさ≪流石に罪悪感なのです……≫

さやか≪ま、まさか半べそかくとは思わなかったわ……やりすぎたね≫

なぎさ≪はい……≫

なぎさ≪……でも、なんだかドキドキしたのです。胸キュンなのです≫

さやか≪うわ、ちょ、それは問題発言だよあんた≫

なぎさ≪そう言うさやかは?≫

さやか≪ぶっちゃけ可愛かったです、はい≫

なぎさ≪えへへ≫

さやか≪ぐへへ≫

なぎさ「紙の辞書だとまた違った感じなのですー」

さやか「探すのがちょっと大変だけど、他の単語が目に入ってくるんだよね」

なぎさ「ふむふむ。渚、っと……うん、さっきと同じなのです」

マミ「ま、まあ内容に違いなんてそうそうないわよね」

なぎさ「……あ! 凄いことに気がついたのです!」

マミ「何かしら?」

なぎさ「なぎさは海、波打ち際……これってさやかとの相性ばっちりってことなのです!」

マミ「……? どういう意味?」

なぎさ「だってさやかは人魚姫さんなのです♪」

さやか「おおい! それ言っちゃうかー!?」

マミ「人魚姫……?」

さやか「あー、そこ出されるとちょっと微妙な気分なんだけどー」

なぎさ「ご、ごめんなさいなのです、調子に乗っちゃったのです」

さやか「……ま、なぎさと相性良いってのは悪い気はしないかな」

さやか「泳ぎ疲れた人魚姫が身体を休めるのは、白い渚……」

さやか「ロマンチックじゃんか、ふふ♪」

なぎさ「えへへ、いつでもわたしを頼って良いのですよ!」

マミ「……ねえ、美樹さんが人魚姫って何の話?」

さやか「それは内緒なのです♪」

なぎさ「あー! 真似しないで欲しいのです!」

さやか「あはは!」

マミ「むぅーっ……!」







なぎさ「……あ! もうこんな時間なのです」

さやか「おっと、ほんとだ。そろそろ帰んないとね」

マミ「あ……あの! なんなら晩ご飯を食べていっても良いのよ?」

なぎさ「うーん、それも悪いのです。なぎさはさやかと一緒に帰るのです」

さやか「ええ、そういうことなんで」

マミ「あ、あら、そう……まあ無理強いはしないけど」

なぎさ「それじゃあマミ、お邪魔しました! 宿題見てくれてありがとうなのです!」

さやか「また明日ー」

マミ「ええ、また明日……」

マミ「…………」

マミ「はあ……」

マミ「二人が帰ったらなんだか急に静かになっちゃったわね……」

マミ「……この部屋ってこんなに広かったかしら……」

マミ「はあ……」

マミ「……いけない、溜息ばっかりついてるわ」

マミ(というか、独り言をブツブツ言ってる私って、典型的な痛い子なんじゃ……)

マミ(だめだめ、気持ちを切り替えましょ!)

マミ(……あら? これって)

マミ(なぎさちゃんのペンケースだわ。忘れちゃったのね)

マミ(今ならまだ間に合うかしら……届けに行こっと)

◇住宅街 

なぎさ「えへへ、満喫したのです!」

さやか「いやー! なんつーか、こう、癖になりそうだね!」

なぎさ「はいなのです! 戸惑うマミが可愛くて、つい悪戯にも熱が入っちゃいました」

さやか「流石に泣かしそうになったときは慌てたけどねー」

なぎさ「あれはあれで……ふふ」

さやか「まあね、うへへ♪」

なぎさ「あーあ、いっそ写真でも撮っておけばよかったのです」

さやか「あんたも好きねぇー」

さやか「でも……ま、とにかくこれでわかったっしょ?」

さやか「マミさんはなぎさのことを嫌いなわけじゃないんだよ」

なぎさ「……はいなのです」

なぎさ「疑ってしまったなぎさがおバカだったのです」

なぎさ「今日のことは、明日ネタばらしするのです」

さやか「うん、それがいいと思うよ」

なぎさ「本音を言うともうちょっとだけ引っ張りたいのですけど……♪」

さやか「おいおい、本気で泣かれたらどーすんのさー」










マミ「…………」

マミ「……ふーん」

ちょっと席を外しますよ
今日中に完結させる予定ですよ

さやか「……お? ケータイ鳴ってるよ、なぎさ」

♪~♪~♪~

なぎさ「メールだ……マミからなのです」

なぎさ「んーと……あ! マミの家に筆箱忘れてきちゃったみたいなのです!」

さやか「ありゃりゃ」

なぎさ「なぎさは取りに戻るのです! それじゃ!」

さやか「おー、転ばないように気をつけろよー」

なぎさ「そこまで子供じゃないのですよー!」







◇マミの家

なぎさ「マミー、ごめんなさい! 忘れ物を取りに来……」

マミ「レガーレ・ヴァスタアリア!!」

なぎさ「って、きゃああああっ?!」

なぎさ(な、何!? ま、マミのリボンが絡みついてきたのです……!?)

なぎさ「マミ、一体何を……」

――――シュルルッ!!

なぎさ「……んむぅっ!? ん、んー!!」

なぎさ(リボンで口をふさがれたのです! しゃべれないのです!)

マミ「……ふふ、お帰りなさい。私の可愛いなぎさちゃん……♪」

なぎさ「!?」ゾクッ

マミ「ごめんなさいね、いきなり縛りあげたりなんかして」

なぎさ「むぐっ! むー!!」

なぎさ(なんなのですか! 早く解いて欲しいのです!)

マミ「でも、なぎさちゃんがいけないのよ……?」

マミ「私の気持ちを知っているくせに、美樹さんのモノになってしまうなんて……」

マミ「二人が愛し合っているところを見せつけるなんて……!」

なぎさ「……っ!? んぐ、んんー!!」

なぎさ(ち、ちがうのです! あれはおふざけで、ただの演技なのです!!)

マミ「愛する貴女が何処かに行ってしまうなんて、私は絶対に嫌……」

マミ「誰かに奪われるくらいなら、いっそ、私がこの手で……」

マミ「貴女をチーズにして食べてあげるわ……!!」

なぎさ「!?!?」

なぎさ(た、食べっ……!?)

マミ「ふふ、そうすればもう貴女は私だけのものよ」

マミ「私のお腹の中で、一生私と共に有り続けるの……」

マミ「それってとっても素敵でしょう? うふ、うふふふ……!!」

なぎさ「むー!! んぐ、んん……!!」

なぎさ(じょ、冗談なのですよね? い、いや……やだ、やめて欲しいのです!!)

マミ「さあ、魔法をかけてあげるわ……」

なぎさ(そ、そんなの嫌なのです! なぎさは、なぎさは……)

なぎさ(違うのです、なぎさはマミのことが大好きで、なのに、そんな)

マミ「チーズ……チーズ、美味しいチーズになあれ……!!」

なぎさ「ん……んんんんんんー!!」










マミ「――――なーんちゃって♪」

なぎさ「……むぐ?」

マミ「どう、ビックリした? 私からの仕返しよ♪」

なぎさ(し、仕返し……?)

マミ「さっきなぎさちゃん達が話しているのを聞いちゃったのよね」

マミ「私に悪戯する目的で、二人がイチャイチャしてたんだってこと!」

マミ「だからこれはその仕返し。どうだったかしら、迫真の演技だったでしょう?」

なぎさ「……んむ」

マミ「……でも私、本当に寂しかったんだからね?」

マミ「なぎさちゃんが美樹さんにべったりになって、私から離れていってしまうみたいで……」

なぎさ「……!」

なぎさ(マミ……)

マミ「あ、ごめんなさい。とりあえず解くわね」

シュルリ...

なぎさ「…………」

マミ「……なぎさちゃん? どうしたの?」

マミ「あ、こ、怖がらせすぎちゃった? ごめんなさい、ちょっとやりすぎだったかしら」

なぎさ「ち、違うのです……その、えと」

なぎさ「……ごめんなさいなのです、からかったりなんてして」

なぎさ「なぎさはただ、マミに構って欲しかっただけだったのです」

なぎさ「でも、その、マミが慌てたりしてくれるのが楽しくて、調子に乗っちゃって……」

マミ「ふふ……良いのよ、もう。私も意地悪させてもらったし!」

マミ「おあいこ、ってことで……ね?」

なぎさ「はい……」

マミ「……それにね? 私、分かったの」

マミ「貴女が美樹さんと仲良くしてるのを見て、ヤキモチ妬いてる自分に気がついて……」

マミ「……やっぱり私は、なぎさちゃんのことが大好きなんだってこと♪」

マミ「だから、そのことを知れたから……こんな悪戯もたまには悪くないと思うわ。なんてね、ふふっ」

なぎさ「マミ……」

なぎさ(……マミはやっぱり優しいのです)

なぎさ(こんな悪い子のなぎさを、あっさり許してくれちゃうなんて)

なぎさ(そんなマミだから、なぎさは……)

なぎさ(なぎさは、マミのことが……)

マミ「……? どうかしたの、黙り込んじゃって?」

なぎさ「……ううん、なんでもないのです!」

マミ「さあて、後は美樹さんのことだけど……」

マミ「なぎさちゃんを唆して悪戯してくれた罪は重いわよね、どうしてくれようかしら」

なぎさ「マミのなかではさやかが主犯ってことになってるのですね……」

マミ「あら、違うの?」

マミ「もしなぎさちゃんが一番悪いって言うなら、今後半年はチーズ抜きに……」

なぎさ「さ、さやかが考えたのです、この悪戯は!」

マミ「ふふ、それなら良いわ」

なぎさ「あ、あははー」

マミ「……うーん、そうねえ。ここはやっぱり佐倉さんに協力してもらって……うふふ♪」

なぎさ(な、何をする気なのですか、マミ……)







◇数日後 マミの家

さやか「…………」

なぎさ「…………」

マミ「はい、佐倉さん♪ あーん」

杏子「ば、馬鹿、そんな恥ずかしい真似出来るかよ!」

杏子「さやかとなぎさが見てるじゃんか……」

マミ「あら? 昔は一緒に食べさせあったりもしてたじゃない」

マミ「貴女がマミさん、マミさん、って慕ってくれてた頃は……」

杏子「ああー! もう、わ、分かったよ、やればいいんだろ!」

杏子「あ……あーん」

マミ「はい、あーん♪」

さやか「…………」じとーっ

さやか「ま、マミさん? 最近ちょーっと杏子のこと可愛がり過ぎじゃないですかね」

マミ「あら、そうかしら? これくらい普通よ?」

マミ「だって私たちは元はパートナーだったんだし……」

マミ「美樹さんと知り合うより前に、ずーっとね?」

杏子「や、やめてよマミさん、恥ずかしいよ」

マミ「あ! 今のもう一度言って? ねえ、『マミさん』って!」

杏子「あ……ち、ちが、今のは……も、もう言わねーからな!」

さやか「ぐぬぬ……」

なぎさ「む~……!!」

なぎさ(わざとやってる、って分かってても……何だか面白くないのです!)

……こんな調子で何やらマミが杏子を可愛がり続けて、

さやかが……あとなぎさもちょっぴりモヤモヤすることになるのはまた別のお話……なのです。

おしまい。

次はこんなノリでなぎあんを書こうと思う、と予告してみるテスト。

QB「なぎさの名字は『モモエ』……つまり、彼女は君の妹のモモが蘇った姿だったんだよ!」(嘘)

杏子「な、なんだってー!!」

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