男「お前の好きな人って?」(11)

幼馴染「え?どうしたの?急に」

男「好きな人だよ!いるんだろ?」

幼「まぁ…いないこともない…かな…?」

男「やっぱな!俺に教えてくれよ!」

幼「そんなぁ…ここじゃ無理だよ」

男「いいじゃねーか!俺も言うから、な?」

幼「男の好きな人?べ、別に知りたくないし!」

男「そこをなんとか!頼むよー」

幼「うーん…あ、じゃあ帰ったらメールしてよ!ほら、ここじゃ誰聞いてるかわかんないし」

男「あぁ…確かにな」

幼「それじゃ!またあとで!」バイバイ

男「おう」バーイ

俺は手を振り返す。

いよいよ今日、幼馴染の好きな人がわかるーー。

俺の胸を、期待と不安が支配した。

ーー夜。

さぁ、メールをしよう。

ケータイを開く。

しばらく考えてから文面を打ち始めた。

『約束通りメールしたよ!
幼馴染の好きな人…教えてくれるんだよね?』

送信ボタンを押す。

返信を待っている間に、俺は数日前の出来事を反芻した。

ーーーーーーーーー

特に良く喋ったこともない奴から、教室で話しかけられた。

クラスメイト(以下クラ)「なあなあ、お前、幼馴染ちゃんと仲良かったよな?」

男「あぁ、まあ一応」

クラ「あいつの好きな奴、知ってるか?」

なぜかニヤけている。気味が悪いと思いながらも、俺は答えた。

男「知らねーよ。あいつとそんな話なんてしねーし」

しかたねーな、と呟き、彼は続けた。

クラ「幼馴染ってな」

無駄に焦らしてくる。早く言えよ、と思った。

クラ「お前のこと、好きらしいぜ?」

ーー?

いきなりそんなことを言われ、俺はどうすればいいのだろう。

動揺を隠すように、俺は言った。

男「そんなの…ただの噂だろ?」

クラ「まぁそうかもしんないけどさ…」

アタックしちゃえよ、と俺をからかってくる。

ーー幼馴染が俺を好き、か…

いやいや、ないだろ。と思いつつも、

でも、もしかしたら…という気持ちもあって…

とにかく気になって気になって仕方がなかった。

そして今日、俺は幼馴染に真実を聞くことに決めたのだ。

ーーーーーー

ピロリーン♪

返信がきた。

『うん!男が好きな人教えてくれるならね!』

ーー俺の好きな奴?お前に決まってるじゃないか。

うーん…

『幼馴染が先に言うならいいよ!』

送信っと。


ピロリーン♪

ーー返信はやっ!


『えーーやだよ!男が先!』

『いやいや、幼馴染だろ!』

『やだやだー!先どうぞー』

俺たちは、同じようなやり取りを何度も繰り返した。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年01月15日 (水) 20:31:12   ID: AEtXL7MI

どうせ幼馴染みは他の人が好きなんだよな~

2 :  SS好きの774さん   2015年04月04日 (土) 12:35:17   ID: jFOczhx4

クラスメートしね

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