審査員A「ではμ'sさんの活動実績を述べてください」

絵里「はい、私たちμ'sは、母校の廃校を阻止するために活動をはじめました」

審査員A「ほう、廃校……」

絵里「年々新入生が減り、今年あわや募集の打ち切りかという状況でした」

審査員B「それでアイドル活動によって注目を集め、新入生を増やそう、と」

審査員C「なるほど。で、結果はどうだったのでしょうか」

絵里「はい、紆余曲折ありましたが、無事募集は行われ、定員を満たすことができました」

審査員A「それは素晴らしい」

絵里「ありがとうございます」

にこ（いい感触……いける、いけるわ！　ついに私たち、プロデビューできるかも！！）

審査員B「ところで、こちらに届いている資料によると、他にも色々と活動があるようですが……」

絵里「え……？」

穂乃果（……？）

海未（提出した資料には他のことなど……）

審査員B「いやね、こちらも一応ネットなどで、人気や評判を見させていただいたりしてましてね」

ことり（あっ……）

審査員B「いくつか気になる点があるのですが……まず、虐殺とはどういうことですか？」

にこ「」

審査員A「なんですかそれは？　アイドル活動の話ですよね？」

絵里「え、ええと、あの、それは……」だらだら

審査員C「詳しくお願いします」

絵里「そ、その、虐殺といいますか、殺し合いといいますか……」

審査員A「殺し合いをしてるんですか？　あなたがたが」

絵里「き、基本的にはリーダー且つセンターの高坂の発案で……」

穂乃果「――？！」

審査員B「では高坂さん、説明をお願いします」

穂乃果「あ、あ、あ、あのぉ、まあ、なんといいますか……」

審査員A「はっきり喋ってください」

穂乃果「思いつきで適当にメンバーを殺すということが、あったようななかったような……」

審査員's「……」ざわざわ

審査員C「どのように殺すんですか？」

穂乃果「そ、それは、たとえばデスノートであったり……」

審査員C「書いたんですか？　メンバーの名前を？」

穂乃果「書きました……」

審査員's「……」ざわざわ

穂乃果「無人島で殺人ゲームをしたり……」

審査員A「何故そんなことをするんですか？」

穂乃果「BR法が施行されたというていで……」

審査員A「てい？　実際には施行されていないのに殺人ゲームをしたんですか？」

穂乃果「しました……」

審査員's「……」ざわざわ

審査員C「他には？」

穂乃果「ミステリーの密室殺人とか……」

審査員C「あなたが殺したんですか？」

穂乃果「でもそれはドッキリで……」

審査員C「ドッキリということは、実際には殺していないんですね？」

穂乃果「実際に殺しました……」

審査員's「……」ざわざわ

審査員C「本当に殺したらドッキリになっていないですよね？」

穂乃果「本当の殺人事件が起こって、ドッキリしちゃったなー！」

穂乃果「……といいますかなんといいますか……」だらだら

審査員's「……」ざわざわ

穂乃果「あとは安価で……」

審査員B「安価とは？」

穂乃果「掲示板の閲覧者の指示ということです……」

審査員B「見も知らぬ他人の指示で、メンバーを殺したんですか？」

穂乃果「殺しました……」

審査員's「……」ざわざわ

審査員A「殺したのはメンバーだけですか？」

穂乃果「え、ええと、メンバーの家族や……他のアイドルグループ、赤の他人も殺しました……」

審査員A「そんなことしていいと思ってるんですか？」

穂乃果「でも私が殺されることも多いですし……」

審査員B「……おおよそわかりました、ありがとうございます」

穂乃果「はい……」ｸﾞｷﾞｭﾙﾙﾙ～

穂乃果（うっ、極度の緊張でお腹が……）ｷﾞｭﾙｷﾞｭﾙ

審査員B「次に、この、なんですか？　レズレイプ……とは？」

にこ「」

絵里「そ、それについては園田から……」

海未「――？！」

審査員B「では園田さん、ご説明を」

海未「え、えええと、つまり、その、女性が女性をレイプするんです……」

審査員A「誰が誰をレイプするんですか？　具体的にお願いします」

海未「メンバーが高坂を……です……」

審査員A「全員で一人を……？」

海未「基本的に総受けなので……」

審査員B「レイプということは無理やりですよね？　何故そんなことをするんですか？」

海未「そ、それは、高坂がノンケなので……無理やりするしか……」

審査員B「理由になってませんよね？　さも高坂さんが悪いかのように言ってますが……」

海未「はい……」

審査員C「どのようにレイプするんですか？」

海未「無理やり押さえつけて……こすりつけます……」

審査員's「……」ざわざわ

ことり「……」ﾓｼﾞﾓｼﾞ

審査員A「それで、高坂さんは抵抗しないんですか？」

穂乃果「してます！」ﾌﾟｷﾞｭﾙﾙﾙ

穂乃果（うぅっ、力んだら余計に……）ｸﾞｷﾞｭｷﾞｭ

海未「その、抵抗が激しいときはやめます……」

穂乃果「嘘です！　監禁されて調教されます！」ﾌﾟｯﾌﾟｸﾞｸﾞｸﾞ

海未「」

ことり「……」ﾑｽﾞﾑｽﾞ

審査員C「本当ですか？　園田さん」

海未「え、ええと……監禁というか、お泊り会というか……」だらだら

穂乃果「縄で縛られて変な注射をされたり、太い棒で人体改造されたりします！」ｸﾞﾙｸﾞﾘｭﾘｭ

審査員C「メンバーにそんなことまでするんですか？　あなた達大丈夫なんですか？」

海未「ああああの、ですが、後に禍根は残さないようにしていますから……」

審査員B「禍根が残らないって、そんなわけ……」

穂乃果「殺されるからです」

海未「」

ことり「……」ｸﾁｭｸﾁｭ

審査員A「殺される？　強姦殺人ですか？」

穂乃果「最終的に殺されるので、文句も言えません」ﾌﾞｯﾌﾞｯｽｩｰ

審査員's「……」ざわざわ

絵里（さっきからなんか臭いわね……）

審査員B「わ、わかりました……どうぞ座ってください」

海未「はい……」

審査員A「ところでさっきから、そこの、えー、南さんですか？」

ことり「ぴゃっ？！」ｸﾁｭｸﾁｭ

審査員A「あなたさっきから何をしているんですか？」

ことり「そ、その、話を聞いていたら、その、我慢できなくて……」ｸﾁｭｸﾁｭ

絵里「あっ、あの！　えーと、南はスケベ担当ということになってまして……」

審査員A「担当だかなんだか知りませんが、このような場で、自慰をするなど……」

ことり「んっふぅう～～～～！」ﾌﾟｼｬｼｬｰ

絵里「お、終わったようなので、どうぞお気になさらず先に進めてください……」

審査員's「……」ざわざわ

審査員B「えー、では、次にこれはなんでしょうか……脱糞？」

にこ「」

審査員A「脱糞？　そんなの誰でもしますよね、それを活動実績というのは……」

審査員C「いやいや、普通アイドルはうんちをしないものですよ」

審査員's「ハハハ」どっ

にこ（――！　雰囲気が柔らかくなった……！　これは挽回のチャンス！）

にこ「そうなんですよぉ～、にこたちぃ、アイドルなのにうんちしちゃうんですぅ～」

審査員A「はははは、これはこれは、なかなか意外性があって良いですな」

穂乃果（沈黙を守っていたにこちゃんが攻め出した！）ﾌﾞｷﾞｭｷﾞｭﾙﾙ

絵里（ここが勝負どころなのね、にこ！　わかったわ！）

絵里「そ、そうなんです！　もう私たちったら、ところ構わず漏らしちゃうんです！」

審査員A「――え？」

審査員B「どういうことですか？」

にこ「」

絵里「あ、あれ？　え？」

絵里「あ、あの、その、普通のアイドルと違って、私たちμ'sはどこでもうんちを……」

審査員's「……」ざわざわ

審査員C「どこでも、とは？」

絵里「ええと、つまり、トイレ以外の……部室や屋外など、公共の場で……」

審査員A「公共の場で脱糞するんですか？」

絵里「……」だらだら

審査員C「どういうつもりなんですか、それは？　普通トイレに行きますよね」

絵里「あの、それは、その、我慢ができず……」

審査員B「高校生にもなって、そんなわけ……」

絵里「で、でも、安価のたびに便意が襲ってくるんです！」

審査員A「また安価ですか、つまり誰かの指示で漏らしていると」

絵里「安価は絶対なので……」

穂乃果（うっ、やばい……本格的に波がきたぁああ……）ｷﾞｭﾝｷﾞｭﾝ

穂乃果「……」ｶｸｶｸ

審査員A「どうもそれだけじゃないみたいですが……」

絵里「え……？」

審査員B「資料によると、食糞というのもあるみたいですね」

にこ「」ﾌﾞｸﾌﾞｸ

絵里「いや、その、えーと……」がたがた

審査員A「食糞というのは、つまり、食べるということですか？」

絵里「た、食べるというか、口に含むというか……」

審査員A「飲み込まないんですか？」

絵里「飲み込む……場合も……ないことも……」

穂乃果「あ、あの……」ﾌﾞﾋﾟｯ

絵里（くさっ！　さっきから臭いのは穂乃果なの？）

審査員C「なんですか？　審査中ですよ」

穂乃果「あの、トイレに……」ｶｸｯｶｸｯ

審査員B「今更トイレにいくフリをしてももう遅いですが……」

穂乃果「あの、ほ、ほんとに……」ﾍｺｯﾍｺｯ

絵里「す、すみません、本当に出そうみたいで……」

審査員A「まあいいでしょう、行ってきなさい」

穂乃果「は、はい、すみまｓ」ﾌﾞﾋﾞｭｰｯ

穂乃果「……」ﾋﾞｭﾌﾟｯ

絵里「……穂乃果？　――！！　うわっくさっ！！　ごぇほっ！！」

穂乃果「ごめんなさい……出ちゃいましたぁああ……」ﾌﾞｼﾞｭﾋﾞｭﾌﾞｽｩｯﾌﾞﾌﾞﾋﾞﾁﾋﾞﾋﾞ

審査員's「」

にこ「」ちーん

海未（南無……）

穂乃果「うっ……うっ……」しくしく

絵里「これがμ'sの活動です（白目）」

絵里「食糞ターボ！（ディーゼル）」

にこは死んだ……穂乃果は漏らした……。
プロオーディションという場で、彼女たちμ'sは二つのノルマをこなし、
確かな実力を示したのである。
しかしおそらくオーディションは不合格であろう。
穂乃果が撒き散らした下痢糞を見つめながら、ことりは思い出していた。
試合に敗れた高校球児たちが、甲子園の砂を持ち帰る姿を……。
美しき敗北者たちの背中を瞼の裏に見ながら、ことりはそっと小袋に手を伸ばしたのであった……。

終わり