モバP「表現力の伸ばし方…?」 (45)

モバマスSSです。

P「ライブお疲れ様。大盛況だったな」

穂乃香「あ、Pさん、ありがとうございます」

P「さすが穂乃香だよ。これ、タオル」

穂乃香「あ、すみません。…私ライブ上手くできていたでしょうか?」

P「当たり前じゃないか。こんなにお客さんが盛り上がってくれてるんだぞ」

穂乃香「確かにそうですけど。いえ、決して嬉しくないわけじゃないんですけが…」

P「どうかしたのか?」

穂乃香「いえ、ただ、今のままじゃダメだなって思いまして。まだ、私は自分自身を表現出来ていないと感じています」

P「相変わらずストイックだな。ライブ終わったばかりなのに」

穂乃香「だからですよ。鉄は熱い内に叩かなければなりませんからね」

P「まぁ、言われてみればそうだな」

穂乃香「今後ともご教授お願いします」ペコリ

P「わかった。一緒に頑張っていこうな」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1367126662

穂乃香「はい。よろしくお願いします。あ、Pさん少しいいですか?」

P「ん?なんだ?」

穂乃香「先ほどの私の言葉を受けて、Pさんはどう思いますか?」

P「自分自身を表現出来てないってことか?」

穂乃香「はい。どのようにすればいいのでしょうか…?やはり練習を増やすしか」

P「いやいや。それは。うーん…そうだな。今度までに考えとくよ」

穂乃香「本当ですか?ありがとうございます」

P「うん。だから、とりあえず今日はもう帰るぞ。寮まで送るから」

穂乃香「ありがとうございます。それでは、急いで着替えてきますね」

P「しかし、どうしたもんかな…」

P(練習って言っても穂乃香は正直びっくりするくらい練習してるし…)

P(細かいところまで気になって納得いくまでやる性質なんだろうなぁ。一応今のところは、トレーナーさんと連絡取ってオーバーワークになる前に止めて貰ってるけど)

穂乃香「お待たせしまし…ってPさん?」

P「でも、いや、うーん…。あ、穂乃香か。着替え終わったのか」

穂乃香「はい。何か悩みごとですか?」

P「ん?そういうわけじゃないよ。明日のスケジュールを考えてたんだ」

穂乃香「明日ですか…?あ、明日はじー」

P「穂乃香は休め。自主練は禁止な」

穂乃香「は、はぁ…」

P「休むことも大事なんだ。穂乃香はプロなんだからな」

穂乃香「プロ…。はい。わかりました。それでは、明日はゆっくりしてます」

P「うん。そうしておけ。それじゃ、帰るか。車持ってくる」

穂乃香「はい。分かりました」

車内

P「しかし、穂乃香は真面目だよなぁ」

穂乃香「それは褒めてるんですか?」

P「うん。褒めてる。人の見えないところでしか努力しない奴に見習って欲しいよ」

穂乃香「なぜですか?」

P「いや、やっぱりさ、プロデューサーやってるんだから上手くなっていく過程も見ていたいなぁって思って」

P「勿論隠れて努力することは悪いことじゃないけどちょっと寂しくなるからさ」

穂乃香「そうですか。少し意外です」

P「そうか?」

穂乃香「はい」

P「まぁいいか。お、そろそろ着くな。ちゃんと体ほぐして…って余計な心配だったな」

穂乃香「いえ、ご忠告ありがとうございます」

P「それじゃ、今日はお疲れさま」

穂乃香「はい。わざわざ送っていただきありがとうございます。それではお休みなさい」

P「おやすみ」

P「さてと、俺は帰って事務仕事でもしますか」

P(もう一人の面倒も見てやらないといけないし)

事務所

P「ただいま戻りましたー」

ちひろ「あ、お疲れ様です」

トレーナー「お疲れ様です。プロデューサーさん」

周子「お、Pさんじゃんお疲れー」

P「お、周子までいるのか」

周子「なに?いちゃ悪い?」

P「そんなこと言ってないだろ。お前も近い内にライブあるんだから」

周子「まぁねぇ」

トレーナー「周子ちゃんはプロデューサーさんのこと待ってたんですよね」

周子「べ、別に、そういうわけじゃないけど」

P「まぁ、もうちょっとしたら送ってやるから。それよりトレーナーさん少しいいですか?」

トレーナー「はい?私ですか?」

P「えぇ。ちょっと穂乃香のことで相談が——」

トレーナー「なるほど…」

P「何かいい案はありありますか?」

トレーナー「そうですねぇ…」

周子「ちひろさん、暇だからテレビ見ていい?」

ちひろ「私も一緒にいいですか?」

周子「いいよ。それじゃ、お茶でも淹れてくるよ」

トレーナー「うーん。確かにプロデューサーさんの仰る通り、これ以上練習してもオーバーワークになっちゃいますしね」

P「ですよねぇ」

ちひろ「フィギュアスケートってなんか綺麗ですよねぇ」

周子「そうだねぇ。あ、そう言えばさ、Pさん」

P「ん?なんだ?」

周子「漫画とかで恋すると表現力が上がるとか言うよね」

P「そうなのか?」

http://i.imgur.com/rHTZurV.jpg
http://i.imgur.com/O6B57Bq.jpg
綾瀬穂乃香(17)

http://i.imgur.com/ol343Ln.jpg
http://i.imgur.com/BYK7xnH.jpg
塩見周子(18)

ちひろ「あ、それ聞いたことがあります。なんか艶が出るって」

P「でも、アイドルに恋愛なんて…」

周子「ま。ふと思い出しただけだから忘れていいよ。それより、早く帰らない?」

P「お、そうだな。とりあえず、送ってくよ」

周子「ありがと。それじゃいこ」

>>7画像ありがとうございます。

車内

P「そういや、今日の穂乃香のライブさ」

周子「盛況だったんでしょ?」

P「なんだ知ってたのか」

周子「いや、普通にその言い方で分かるって」

P「そっか。そうなんだよ。盛況でさ。凄いよな」

周子「あたしと違ってね」

P「なんで拗ねるんだよそこで」

周子「いや、別に拗ねてないけどさ」

P「ならいいけど」

周子「穂乃香ちゃんは真面目だから順当な結果だよ」

P「だなぁ。少し真面目すぎるかもだが」

周子「あたしと混ざると丁度いいかもね。あんま真面目じゃないし、あたしは」アハハ

P「どうだろうな」

P(こんな遅くまで練習してる奴が真面目じゃないわけないだろ)

周子「あ、着いたね。それじゃ」

P「ちゃんとストレッチしとけよー」

周子「はいはい」

P「まったく…」

事務室

P「ただいま…ってまだトレーナーさんいらしたんですか?」

トレーナー「あ、お帰りなさい」

P「何かありました?」

トレーナー「少しでもプロデューサーさんが早く帰れるように簡単な所だけやっておいたんですけど…」

P「あ、本当ですか?すみません。わざわざ」

トレーナー「い、いえ。別に気にしないでください。それじゃ、私帰ります」

P「あ、待って下さい送りますから」

トレーナー「い、いえ。そんなことやってたらプロデューサーさんがいつまでも帰れませんよ」

P「でも、こんな時間に一人で出歩くなんて不安です。もし、時間が許すのであれば俺が仕事終わらせてから送ってもいいで
すか?」

トレーナー「え、えーとそれは平気ですけど」

P「分かりました。それじゃ、三十分くらいで終わらせますね」

トレーナー(そんな時間で出来る量だったかなぁ…?)

P「…ふぅ。なんとか終わりました」

トレーナー「ほ、本当に終わりましたね…」

P「トレーナーさんに頑張っていただいたおかげです」

トレーナー「わ、私はほとんど何もしてないですって」

P「いえいえ。それじゃ帰りますか。そういえばちひろさんは?」

トレーナー「なんだか予定があるみたいで先に帰りましたよ」

P「そうですか。それじゃ戸締りして帰りましょうか」

トレーナー「はい。そうですね」

車内

P「それにしても」

トレーナー「はい?」

P「恋をしたら何か変わるんですかねぇ…」

トレーナー「私はなんとなく分かる気がしますけどね」

P「トレーナーさんもそんな経験があるんですね」

トレーナー「い、いえ!そんなことは…」カァァ

P「またまた。トレーナーさんは美人なんですから」

トレーナー「そ、そうですか?」

P「えぇ。いっそアイドルとしてデビューしてみます?」

トレーナー「えっ!?そんな私なんて…」ゴニョゴニョ

P「はは。無理にとは言いませんよ」

トレーナー「もう…。あ、着きそうですね。ここら辺で降ろして貰っていいですか?」

P「どうかしました?」

トレーナー「いえ、お姉ちゃんたちに見つかると冷やかされるので…」

P「分かりました。それじゃ、お疲れさまです」

トレーナー「はい。ありがとうございました」

P「さて、帰るとしますか」

P(だけど、どうしようかなぁ…)

P「恋愛なんてアイドルには厳禁だし」

P「んーどうしようかなぁ…」

P「ちひろさんに聞いてみるか」ピポパポ

ちひろ『はい。プロデューサーさんですか?どうかされました?』

P「あ、夜分遅くにすみません。時間よろしいですか?」

ちひろ『はい。そんなに遅くならなければ』

P「いや、実はですね…」

ちひろ『あ、さっき話してた話ですね。そうですね……あっ!いい案が思い浮かびましたんで明日お伝えしますね』

P「そうですか?なんだかすみません。こういう話はやっぱりちひろさんにしか話せないんで」

ちひろ『…い、今の言葉、もう一度言ってくれません?』

P「はい?やっぱりちひろさんしかいないですよ」

ちひろ『あ、ありがとうございます。あはは。それじゃお休みなさい』

P「はい。おやすみなさい」

P(それじゃ俺も寝るか…)

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トレーナー(23)



P「おはようございます」

ちひろ「あ、おはようございます」

P「…なんだか隈が出てますけど大丈夫ですか?」

ちひろ「平気ですよ。スタドリ飲むんで。はい。これあげます」

P「なんですかこれ?」

ちひろ「私特製の穂乃香ちゃんプロジェクトです」

P「ありがとうございます」

ちひろ「いえいえ。とりあえず今日それをやって下さい」

P「え、俺は仕事が…」

ちひろ「私がやっときますから」

P「でも…」

ちひろ「いいですからっ。ほら、プロデューサーはアイドルの魅力を引き出す為にいるんですから。事務仕事は事務員に任せて下さいよ」

P「それじゃ、お願いします」バタンッ

ちひろ「行ってらっしゃーい…」

ちひろ(終わるかなぁ今日のお仕事)

ちひろ「よしっ!頑張れちひろ!」

P「えーと何々…とりあえず穂乃香に電話だな」

穂乃香『はい。もしもし綾瀬ですが、Pさんですか?』

P「そうそう。今時間大丈夫か?」

穂乃香『はい。構いませんよ』

P「いきなりで悪いが今日、時間あるか?」

穂乃香『はい。今日はオフですので』

P「そうか。それじゃ十時ごろに女子寮の前にいてくれるか?」

穂乃香『構いませんが…、なにかあるんですか?』

P「んー、まぁな」

穂乃香『そうですか。それでは、十時ごろにお待ちしております』

P「おう、じゃあまたあとで」

穂乃香『はい。それでは失礼します』

P「それじゃ行くとしますか」

女子寮

P「えーと」キョロキョロ

穂乃香「あ、こっちです」

P「おう。おはよう」

穂乃香「おはようございます。それでどうかしたんですか?」

P「おう。とりあえず穂乃香の話を皆で考えたんだ」

穂乃香「話?昨日のお話ですか?」

P「そうそう。それでちひろさんがこんなものを用意してくれたんだ」

穂乃香「何かの冊子ですか?」

P「そうみたいだな。とりあえず中身を見るか」

穂乃香「はい」ペラ


『恋を学ぼう。ラブラブデート!』


穂乃香「な、なんですかこれは!」

P「なんなんだろうなぁ…これ」

P(きっと深夜のテンションで書き上げたんだろうなぁちひろさん)

P「えーと…あれだ。昨日さ、表現力を上げるには恋をすることって結論になったんだ」

穂乃香「は、はぁ」

P「でも。アイドルで恋愛されても困るからってちひろさんが考えたんだと思うが」

穂乃香「な、なるほど…実際に何するんでしょうか」

P「さ、さぁ?とりあえず読んでみるか」ペラッ


『とりあえず、移動中は手繋ぎましょうか。それで今日は買い物にレッツゴーです』


P(飛ばしてるなぁ。ちひろさん)

穂乃香「…」パクパク

P「まぁ、嫌だったらいいけどどうする?」

穂乃香「いや、でも、折角ちひろさんが考えてくれたんだし…」ブツブツ

P「おーい」

穂乃香「あ、すみません。その若輩者ですが…よろしくお願いします」カァァ

P「こちらこそよろしくな。あ、それで今日どこか行きたい所あるか?」

穂乃香「そうですね。今日はオフだったので久々に買い物をしようと思ってますけど」

P「お、服でも買うのか?」

穂乃香「いえ。料理でもしようかと」

P「いいな。俺も付いていくよ」

穂乃香「はい。お願いしますPさん」

P「そうだな。ついでに何か面白いものないか見ようか」ギュッ

穂乃香「ひゃっ!?」

P「あ、ごめんごめん。手つなごうかなって」

穂乃香「あ、はい。そうでしたね。すみません私、そういうの慣れてなくてですね」アセアセ

穂乃香(意外と大きかったなぁ、Pさんの手)

P「いや、別に俺も慣れてないし、その…ごめんな?」

穂乃香「い、いえ、謝らないで下さい!それじゃ、行きましょうか」

P「分かった。車で取ってくるからちょっと待っててな」

穂乃香「手を、繋いでるんですから、その、一緒にいきましょうよ」

P「そうだな。悪い悪い。それじゃ一緒に行こうか」

穂乃香「…はい」

穂乃香(深呼吸…深呼吸…。大丈夫平常心でいればなんでもないはず)

P「穂乃香ー?」

穂乃香「はいっ。平気ですよ」

P「とりあえず助手席にでも乗ってくれ」

穂乃香「あ、分かりました」

穂乃香(助手席なんて久しぶりに乗ったなぁ…)

P「それじゃ、ショッピングモールでも行くか」

穂乃香「はい…ってPさん今日はお仕事は?」

P「ん?んーと平気だ多分」

穂乃香「なにか気になることがあるんですか?」

P「大丈夫。今詰めるのは周子のライブくらいだし、それはトレーナーさんと周子がやってるしな」

穂乃香「ならいいんですけど…」

P「それに穂乃香とこうしているのも立派なレッスンだしな」

穂乃香「そ、そうですか」

P「そうそう。そう言えば、寮生活には慣れたか?」

穂乃香「はい。皆さん優しくしてくれて楽しく過ごさせていただいてます」

P「そりゃ良かった。話は変わるんだが、今日はなにを作ろうとしてたんだ?」

穂乃香「あ、料理の話ですか?そうですね…特に何も考えてなかったです」

P「そか。それじゃ行ってから決めるか」

穂乃香「はい」

P「あ、俺さ、全然こういうことしたことないからもしかしたら気に入らないことあるかもしれないけど、そういう時は指摘してくれな」

穂乃香「そ、そう言われましても、私もこんな経験なんて…」ゴニョゴニョ

P「そういや、ずっとバレエやってたもんな」

穂乃香「はい、そうですね。学校終わってからずっと夜までやっていましたので…。あの、Pさんが乗り気ではないなら——」

P「なに言ってるんだ?俺は今、凄い楽しいさ。穂乃香のファンに刺されないかヒヤヒヤしてる」

穂乃香「それならいいですんけど…」

P「そろそろ着くな。それじゃ、改めて今日は一日よろしく」

穂乃香「は、はいっ。不束者ですが」

ショッピングモール

P「穂乃香は変装した方がよくないか?」

穂乃香「そこまで有名じゃないと思いますけど…」

P「いやいや、やっぱりオーラありそうだし」

穂乃香「そうですか?そうですね…あ、それなら、こうすれば」シュル

P「お、髪降ろすと少し雰囲気変わるな」

穂乃香「この髪型でこの恰好をしていれば平気だと思います多分」

P「そうかもな。それじゃ」スッ

穂乃香「は、はい。それでは、失礼します」ギュッ

P「なんかこうしてると青春を謳歌してるみたいだよ」

穂乃香「学生デートみたいですか?」

P「そうそう。それじゃ色々見て行くか」

穂乃香「そうしましょう」


『とにかくお店を回りつつ仲良くイチャイチャしちゃってください!』


P「お、これなんて穂乃香に似合うんじゃないか?」

穂乃香「そ、そうですかね?そこまで言うなら着てみます」

P「うん。あ、これもこれも」

穂乃香「わ、私は着せ替え人形じゃないですよPさん」

P「あ、ごめんごめん。ついな」

穂乃香「まったくもう…」フゥ



穂乃香「Pさんパソコンって難しくないですか?」

P「そうか?簡単じゃないか?」

穂乃香「私が使うとどうも異音がする気がするんですよ。ちゃんと一から説明書を読んでるのに…」

P「一体なにをどうしたらそうなるんだ…」

穂乃香「それに専門用語が多すぎて分かりづらいんですよね…」

P「そうか、なんか分からないことあったら聞いてくれ」

穂乃香「はい。その時はよろしくおねがいします」

P「戦隊物のロボットは今こんな風になってるのか…」

穂乃香「私もおもちゃ屋なんて久しぶりに来ました」

P「なるほど、ライダーもこういう風になってるとは」

穂乃香「あ、これ、懐かしいですね…って聞いてますか?」


P「え、いや、うん。名作だよな」

穂乃香「そんな話はしてないんですけどね。意外にPさんって子供っぽい所があるんですね」

P「た、たまにはいいだろ」

穂乃香「ふふっ」



P「お、穂乃香プリクラ撮らないか?」

穂乃香「え、二人きりですか?」

P「流石に俺一人で撮ろうとは思わないんだけど…」

穂乃香「あ、すみませんそういうわけでは」

穂乃香(プリクラって結構密着する気が…)ドキドキ

P「それじゃ、やってみるか。ちひろプロジェクトにもそういうプログラムがあるし」

穂乃香「そんな名前になったんですか」

P「今付けた」

ソレジャーイクヨー

P「穂乃香なんでそこまで離れるんだ」

穂乃香「だ、だって恥ずかしいじゃないですか!」

P「しょうがないなぁ。ほらっ」グイッ

穂乃香「きゃっ」ポフ

P「よし、はいチーズ」カシャ

穂乃香「え」

P「お、結構よく撮れたぞ。見るか?」

穂乃香「…抱き着かれてますね私」

P「強引に引っ張ったからな」

穂乃香(まだ心臓がバクバク言ってる…)

穂乃香「こ、今回だけですからね」カァァ



P「そろそろなに作るか決めないとな」

穂乃香「あ、それなんですが、Pさんは甘いもの好きですか?」

P「好きだよ。それがどうかしたか?」

穂乃香「いえ、深い意味は。ただ、それならお菓子でも作ろうかなって」

P「そんなことも出来るのか。凄いな」

穂乃香「お菓子はレシピを見てその手順通りに作れば誰でも出来ると思いますよ」

P「それでも凄いと思うぞ。今度何か事務所の皆に作ってみたらどうだ?」

穂乃香「構いませんけど。上達したら、ですけどね」

車内

P「さて、材料も買ったことだし。後は…ってちひろさんの紙もあと少しになってきたなぁ」

穂乃香「結局、手を繋げくらいしかありませんでしたね」

P「そうだな。さて、後は」ペラッ


『女子寮で穂乃香ちゃんの手料理を食べてその後は……』


P(うん。あれだ。きっとこれを深夜に書いたのが悪いんだ。ちひろさんが悪いわけじゃない)

穂乃香「なにかありましたか?」

P「ん?いや、なにもないよ。とりあえず帰るか」

穂乃香「あ、あのちょっと行きたい所がありまして…」

P「なんだ。言ってくれればいいのに。どこだ?」

穂乃香「はい。実は——」

ライブ会場

P「昨日来たばかりだろうに。何か忘れ物か?」

穂乃香「いえ、ただ、私がここでライブしたということを再確認したくてですね」

P「なに、まだ穂乃香はどんどんステップアップしていくさ」

穂乃香「はい。ありがとうございます」

P「俺ももっと頑張るからさ」

穂乃香「私も負けないようにもっと頑張りたいと思います。これからもご指導お願いしますねPさん」

P「こっちもよろしくな」

穂乃香「はい。それじゃ。そろそろ帰りましょうか」

P「そうだな。暗くなってきたし帰るか」

車内

穂乃香(あ、これ、ちひろさんの…)ペラッ

穂乃香「えーっと…はい?」

P「どうかしたか?」

穂乃香「いえ、ここに私が手料理を作るって書いてあるんですが、いや、それは百歩譲っていいですけども。『その後は……
』の部分が気になるんですけど」

P「俺もそこは分からないなぁ」

穂乃香「まぁ、無視していいですかね」

P「うん。そうだな。そうしよう」

穂乃香「はい」

女子寮

P「さてと…俺がうろうろしたら問題がありそうだからラウンジでコーヒーでも飲んでるよ」

穂乃香「はい。分かりました。正直自信がないですけど頑張りたいと思います」

P「気長に待ってるから」

穂乃香「はい。それでは」

P「さてと。ちひろさんに連絡して仕事の話し合いでもしようかな」ピポパ

ちひろ『あ、プロデューサーさんですか?』

P「はい。あの仕事——」

ちひろ『まだ、デート中でしょうからそんなことで電話掛けて来なくていいですって。それじゃ』ガチャ

P「あ、切れた」

P(しょうがない。久々にゆっくりするか)

穂乃香「さてと、お菓子の本は…あ、あった。それじゃ頑張って作りますか」

穂乃香(えーと、小さじはこれで…)

穂乃香「なるほど。ここで生クリームを入れてと…」

穂乃香「やはりレシピを見ながらだと簡単ですね」

周子「そんな恰好してなにしてんのー?」

穂乃香「わっ!?し、塩見さんいたんですか?」

周子「うん。なにやってるのか気になってさ。って零れてる穂乃香ちゃん!」

穂乃香「え?あ、生クリームが…」

周子「意外に抜けてるんだね」

穂乃香「…どう考えても塩見さんのせいじゃないですか」

周子「あはは。ごめんごめん」

穂乃香「そう言えば、今日は練習はいいんですか?」

周子「やってきたよ。それで、何か食べようかとして食堂に来たらって感じだね」

穂乃香「なるほど。いてもいいですけど邪魔はしないで下さいね」

周子「はいはい。穂乃香ちゃんに怒られちゃうからね」

穂乃香「えーと…、もう一回生クリームを」

周子「もしかして、Pさんに作るの?」

穂乃香「べ、別にそういうわけじゃ…」

周子「いや、隠さなくていいって、さっき、ラウンジで寝てるPさんがいたし。そういうことなんでしょ?」

穂乃香「まぁ、間違っていないですけども」

周子「ふーん。なになに?ライブが成功したからPさんとデートでもしてたの?」

穂乃香「違いますよ。ちひろさんが私の表現力を上げるためにプログラムを作ってくれたのでそれを実行しているだけです」

周子「プログラム?なにしたの?」

穂乃香「えーと、買い物に行って、ここに戻ってきただけです。ここでお菓子を渡せば終わりです」

周子「それデートじゃん。うわっ、穂乃香ちゃん大胆♪」

穂乃香「ち、違いますって、そんなんじゃ…」カァァ

周子「ふーん。そっか。ならいいけど。それで、効果はありそうなの?」

穂乃香「どうでしょうか…自分では実感出来ないですね」

周子「あ、でも、あれだよ。恋すると女は美しくなるらしいからPさんに恋しちゃえばいいんじゃない?」

穂乃香「アイドルとプロデューサーの間にそんな感情はあってはならないと思います」

周子「おー、流石穂乃香ちゃん」

穂乃香「それに、私が仮に、もし、万が一そのような感情を抱いたとしてもPさんは困るでしょう」

周子「それは分からないけど」

穂乃香「とにかくそういうことなんです」

周子「ふーん…そうなんだ。あ、あたしはそろそろ行くよ」

穂乃香「もう夕方ですが、どこに行かれるんですか?」

周子「ん?そうだね、適当にフラフラと」

穂乃香(あ、自主練に行くんですね)

穂乃香「そうですか。それじゃ、怪我にだけは気を付けて下さいね」

周子「うん。って別に怪我なんかする所行かないけど」

穂乃香「ならいいですけど。あ、Pさんがもっと努力してる所を見せて欲しいって言ってましたよ」

周子「そうなんだ。まぁ、考えとくよ。じゃね」

穂乃香「はい。頑張ってください」

穂乃香「さて、私も頑張りますか!」

ラウンジ

穂乃香「Pさん起きて下さい」ユサユサ

P「ん?あ、俺寝てた?」

穂乃香「はい。お疲れのようですね。あの、これあんまり自信ないんですけど…」

P「お、チョコか。ありがとな」ヒョイ

穂乃香「あの…どうですか?」

P「うん。美味しいよ」

穂乃香「それはよかったです」ホッ

P「穂乃香も食べてみろよ」

穂乃香「それでは失礼して…。あ、意外とイケますね」

P「だろ?」

穂乃香「はい。そうですね」

P「これで、ちひろさんのプログラムは終わりかな。どうだ、何か効果あったか?」

穂乃香「そうですねぇ…まだ分かりません。そう簡単に身に着くものでもなさそうですし」

P「かもな」

穂乃香「しかしながら、本来恋愛関係が許されない間柄なのにこのような経験が出来たのは良かったと思います」

P「それは良かった。それじゃ、俺は帰るよ。チョコありがとな」

穂乃香「はい。それではお疲れ様でした」

事務所

ちひろ「それで帰ってきたんですか」

P「はい。仕事手伝いますよ」

ちひろ「それより、どうでしたか?アイドルとイチャイチャするのは」

P「穂乃香が良かったって言ってくれたので俺も良かったですよ」

ちひろ「相変わらずですねプロデューサーさんは」

P「どういう意味ですかそれ?」

ちひろ「さぁ?そのままの意味なんですけどね」

ガチャ

周子「あー、疲れた。なんだ、Pさんいたんだ」

P「お、周子か」

周子「穂乃香ちゃんとのデート楽しかった?」

P「そりゃな」

周子「ふーん」

P「どうかしたか?」

周子「別になにも」

P「ならいいんだが。あ、送るよ」

周子「うん。ありがと」

女子寮

穂乃香「今日は色々あったなぁ…」

穂乃香(まさかPさんとデート紛いのことをするなんて…)

穂乃香「…あはっ」

穂乃香(バレない所にプリクラでも張っておこうっと♪)

周子「いきなり笑い出すと不気味だよ穂乃香ちゃん」

穂乃香「なっ…!い、いつから」カァァ

周子「んーと、ニヤニヤしだして、スケジュール帳にこっそりプリクラを貼りだした所かな」

穂乃香「ほぼ、全部じゃないですか…」カァァ

周子「いいじゃん。別に。それより見せてよ。まだあるんでしょプリクラ」

穂乃香「え、うぅ…。これですけど」

周子「うわ、穂乃香ちゃん顔真っ赤じゃん。可愛いねぇ」

穂乃香「だっていきなり、手引いて抱きしめられたんですよ。そりゃあそうなりますよ」

周子「で、満更じゃなかったと」

穂乃香「…はい」

周子「それじゃあさ、ちょっと耳貸して」

穂乃香「はい。はいはい。えっとそれはいいんですかね…?」

周子「大丈夫大丈夫ほら、電話して」

穂乃香「それじゃしますけど…」ピポパポ

穂乃香(大丈夫かな…?)

穂乃香「あ、Pさんですか?お仕事お疲れ様です。いえ、何か忘れた訳ではなく。はい。今日は楽しかったです」

穂乃香「それでですね。やはり、一度だけではそう簡単に表現力は身に付かないと思うんですよ」

穂乃香「ですから、はい。よければ、また今度一緒にどこかに出かけませんか?」

穂乃香「Pさん?」

穂乃香(Pさんが黙ってる…)

穂乃香「あ、あのやっぱり、止め——。あ、本当ですか。はい。それではおやすみなさい」

周子「どうだった?」

穂乃香「えぇ。とりあえず、また時間が合えばだと。正直凄い恥ずかしかったですよ」カァァ

周子「やったじゃん。あ、そう言えば、さっき作ってたチョコ残ってたりしないの?ちょっと甘い物が恋しいんだけど」

穂乃香「一応ありますよ。まだ、そんなに上手に作れていないので恥ずかしいですが」スッ

周子「お、ありがと。うん!美味しいよ。穂乃香ちゃんは出来た子だね」ナデナデ

穂乃香「なっ、子供扱いしないで下さい。それに年はそこまで変わらないじゃないですか」

周子「そうだね。なんとなく流れでね」

穂乃香「とりあえず、今日はもう寝ますか。明日も朝から練習ですよね?」

周子「そうだね。明日も早いし寝ますか」

穂乃香「はい。おやすみなさい」

周子「おやすみー」

周子「穂乃香ちゃんは…部屋に戻ったみたいだね」

周子「さてと、あたしも電話するか」ピポパポ

P『はい、もしもし』

周子「あ、Pさん?あたしだよシューコ」

P『どうした?』

周子「いやね、あたしも、表現力を伸ばしてみたくてさー」

P「ん?」

周子「今度どこか付き合ってよ。ははっ、じゃね。期待してるから♪」ピッ

終わりです。
見て下さりありがとうございました。

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