兄「いやいやいや」

妹「何？何もしないで彼女できるとでも？」

兄「うん。いつかきっとありのままの自分を愛してくれる人がいるって」

妹「ありのままのお兄ちゃんを愛してくれる人なんているわけないでしょ」

兄「なんでそんなことが言えるんだよ！わからないだろ」

妹「じゃあさ、化粧もしなくて身だしなみに気にしないで目標も何も持たない女の人がいたとしてお兄ちゃんはそんな人を愛したいと思う？」

兄「思わない」

妹「それと一緒だよ。何の魅力もない人が何の努力もしないのに恋人ができるわけないよね」

兄「ぐぬぬ」

兄「分からないぞー？もしかしたら街中で突然…」

兄「……」ﾎﾟﾜｰﾝ

妹「はぁ…」

妹「絶対にそんな事起きないよ」

兄「ひどい…」

妹「もう、好きな人とか…いないの？」

兄「いないかなー」

妹「意外に身近に素敵な人がいるもんだよ？」

兄「？」

妹「髪は床屋でとりあえず短くするだけ、私服は上下共になぜか黒ばかり着る、休日は家から出ないでパソコンかゲーム」

妹「女の人と家族以外と話さず話しかけようともしない」

妹「学校の成績だって特に良くないしスポーツもしない。それを改善しようとも思わない」

妹「こんな人のありのままを受け入れてくれる人なんて絶対にいないよね？」

兄「そんなことない。きっと……きっとどこかに」

妹「いないって」

兄「………」

兄「でも努力しないで彼女いる奴だっているだろ。イケメンな奴とか！」

妹「だいたいイケメンって呼ばれるような人は髪型とか服装とか結構拘ってたりするよね」

兄「……」

兄「野球部やサッカー部の奴とかアホそうで何も考えてないだろ！」

妹「どう考えてもそれは偏見だし部活動に打ち込んで頑張ってる人は異性から見て十分魅力的ですよ」

兄「……」

妹「モテたいっていうなら自分を変えなきゃいけないんですよ」

妹「とりあえず美容院行って似合う髪型を美容師さんに探して貰って毎日髪のセットをして」

妹「服屋で自分に似合いそうな服を店員さんに探してもらうところから始めましょう」

兄「それって結構お金かかりそうじゃない」

妹「自分を変えたいと思うならそれ相応の投資はしてもらいませんと」

兄「……」

妹「どうしました？」

兄「……面倒くさいな。そこまでしなきゃいけないんだったらやっぱり彼女っていらないわ。二次元があるし」

妹「あ、そうですか……。気づけてよかったですね」

兄「うん」

妹「これからは彼女欲しいなぁとか言わないでくださいね」

兄「うん」

終わり