怜「つら……」シロ「だる……」(123)

明日は火曜日なID:tS5xTQ340

怜「……」トコトコ

怜「…………」トコトコ……

怜「……あー……」

怜(りゅーかとはぐれてもうた……)

怜(みんな東京来たからってはしゃぎすぎやわ)

怜(ウチのこと忘れて……)

怜「………」

怜(ウチが勝手にフラフラしてたのも悪いんやけどな)

怜「…………」キョロキョロ

怜(ここどこなんやろ……)

怜「…………」トコトコ

怜「……う゛っ…!?」フラリ…

怜(あぁ、こんな時に……)

怜「…………」フラフラ

怜(立ってるのも辛くなってきたわ……)

怜「…………」クラァ…

怜(アカン、どっか座る場所探さんと)

怜(こんな街中で倒れるわけにもいかんしなあ)

怜(って……座るとこどこにもないやん)

怜(東京って不便やなあ……)

怜「…………」フラフラ

怜「…………あ」

怜(ベンチ……見つけた)

怜(でも……)

シロ「だる…………」ボー…

怜(誰か座っとる……)

どんな誤爆だ支援だよー

怜「…………っ!」グラッ

怜(も、もう耐えられへんわ……)

怜「あのー……」

シロ「?」

怜「となり座ってもええか?」

シロ「ん」コクリ

怜「すまんな……よっこらせっと」ストン

怜「ふーーぃ」グデー

怜(やっと落ち着けるわ……)

シロ「…………」

怜「…………」

シロ「…………」

怜「…………」

怜(無口な人やなあ)

シロ「…………」ボー…

怜(さっきからずっとぼーっとしとるだけや)

怜(制服着とるっちゅーことは高校生か?)

怜(東京に住んどるんやろか)

怜「…………」

シロ「…………」ボー…

怜(ウチに全く興味を持っとらんみたいやな)

怜(ま、それなら何も話さn)

怜「っ!」ユラッ…

怜(さっきまで無理して歩いとったからその反動が……!)

怜(このベンチ背もたれ付いとらんし……)

怜(隣にはこの人がおるから横たわれんしなあ)

怜「はぁ……ぅぅ……」フラリ…

怜(生きてるんてつらいなあ……)

怜(アカン、倒れそうや……)ハァハァ

怜(も、もう……)フラリ…

シロ「……」グッ

怜「!」

シロ「大丈夫?」

怜「ぁ」

怜(支えてくれた……)

シロ「顔色悪い」

怜「すまんなあ、ウチ病弱やねん……」

シロ「……そっか」

怜「…………」

シロ「…………」

怜(さっきから手で支えてくれとる)

怜(けど……)

怜(この姿勢も結構辛い……)

怜(といっても、見ず知らずの人に膝枕なんて頼めんしなあ)

怜(ああ、頭痛が……)ズキズキ

シロ「ねえ」

怜「……なんや?」

シロ「支えるのだるいからこっち来ない?」

怜「……?」

シロ「膝の上」

怜「!?」

怜「膝の上って、あんたのか?」

シロ「ん」コク

怜「……ホントにええんか?」

シロ「慣れてるから」

怜「じゃ失礼して」ゴロン

シロ「!?」ビクッ

シロ「あ……」

怜「なんや?」

シロ「…………」

シロ「……なんでもない」

怜「?」

怜「…………」

シロ「…………」

怜「…………」ゴロ…

シロ「…………」モゾ…

怜(全然慣れてへんやん……)

怜(足広げっぱなしやし、なんかモジモジしとるし)

怜(足細めでもちもち感が足らんから落ち着かん)

怜(りゅーかには遠く及ばんなあ)

怜「…………」ゴロゴロ

シロ「…………」モゾモゾ

怜「…………」ゴロン

シロ「……ねえ」

怜「ん?」

シロ「くすぐったい」

怜「ん、ああ、すまんな」ピタッ

怜(りゅーかにはそんなこと言われたことないんやけど……)

シロ「…………」

怜「…………」

シロ「……やっぱりだるいから膝枕やめる」

怜「……そうか」

怜(膝枕微妙やったけど、文句言うんは筋違いやな)

怜「……ありがとな、楽んなったわ」ムクリ

怜(まだ結構疲れ残っとるんやけどな……)

シロ「その代わり……」

怜「?」

シロ「っと」グイッ

怜「!? な、なにすんねん!」

シロ「膝の上に座ればいい」

怜「!」

怜(まあ、これなら寄り掛かれるから少しは楽になれそうや)

怜「よいしょっと」ムニ

怜(お?)

怜「……」ポヨン

怜(おお!?)

怜「……」ポヨンポヨン

怜(おおおおお!!)

シロ「……寄りかかるのはいいけど遊ばないで」

怜「ええやん、減るもんやなし」

シロ「だるいから……」

怜(あ、めっちゃめんどくさそうな顔しとる)

怜(迷惑かけるとさっきの膝枕の時みたいにすぐやめてまうかもしれんしなあ)

怜「……ジッとしてるからしばらくここに座らせてな」

シロ「ん」コクン

怜(めっちゃ座り心地ええわ)

怜(なんか手馴れてるみたいやし……)

怜(……ん? 慣れてる…?)

怜「あ」

シロ「?」

怜「もしかして、さっきの『膝の上』って、膝の上に座れってことやったんか?」

シロ「……うん」

怜(あー、やっぱりか)

怜(この座り心地のよさは一朝一夕で身に付くもんやないしな)

怜「ごめんな」

シロ「いいよ、別に」

怜「そか」

シロ「ん」コク

怜「…………」

シロ「…………」

怜(それにしても……)

怜(ウチが膝枕と勘違いしたときに訂正すればよかったのに)

怜(黙って合わせてくれたんやな)

怜(だるいだるいゆうとるけど、実はめっちゃ気使ってくれとるやん、この人)

怜「…………」ジー

シロ「…………なに?」

怜「……なんでもない」

シロ「……?」

怜「…………」

シロ「…………」

怜(あ゛ー、落ち着くわー)

怜「…………」

シロ「…………」

怜「…………っ」コクリ

怜(……気持ちよすぎて眠くなってきた)

怜「…………」カクン…カクン…

シロ「…………」

怜「…………」カクン…カクン…

シロ「…………」

怜「…………っ!」ガクンッ

シロ「わ」ガシッ

シロ「大丈夫?」

怜「す、すまんな、眠くなってもうて……」アセアセ

怜(いつも膝枕やから、寝るときは横に倒れる癖がついてもてるみたいやな)

怜(んー、寝るわけにはいかん……)

怜「…………」

シロ「…………」

怜「…………」コクッ…

怜(寝たらアカン……!)

怜「んー」ブンブン

シロ「…………」

怜(寝たらまた迷惑かけてまうからな……)

怜(そうなったら愛想尽かされてまうかもしれんし)

シロ「…………」

怜「…………ふわぁ……」ムニャ…

怜「…………」

シロ「…………」

怜「…………」コクン…コクン…

怜(あかん……)

怜(気持ちよすぎやねん……)

シロ「…………」ギュッ

怜「……んな!?」ビクッ

怜(急に後ろから抱きしめられた!?)

シロ「こうすれば倒れずに済む」

怜「あ」

怜(そこまでしてくれるんか)

怜「ありがとな」

怜「…………」スゥ…

シロ「……寝た?」

怜「…………」スゥ…スゥ…

シロ「……あったかい」ギュ…

怜「んぅ……」スゥ…スゥ…

シロ「ふわぁ……」

シロ「ねむ……」

怜「…………」スゥ…スゥ…

シロ「…………」スゥ…

怜「…………」スゥ…スゥ…

シロ「…………」スゥ…スゥ…


…………

??「なんやあの女は……ッ!!」ギリッ

??「バカみたい……ッ!!ほんとバッッッカみたい……ッ!!!」ギリギリッ

塞「ったくもー!」スタスタ

塞「どこいったのよシロ!」スタスタ

塞「『トイレ行ってくる』とか言って出てったきりいつまで経っても戻ってこないし」スタスタ

塞「どうせ途中でだるくなってどこかに座り込んでるんだろうけど」スタスタ

塞(私がいないとダメダメなんだから!)

塞「見つけ次第引きずってでも連れ帰ってやるわ」フンスッ

塞(流石にこんな街中で座り込むなんてことはしないだろうから、どこか座れそうな場所にいるはず)

塞(ベンチとかあるところを探せば見つかるかも)

塞「…………」スタスタ

塞(東京って座る場所すごく限られるからなー)

塞「…………」スタスタ

塞(確かこの辺にベンチあったよね)

塞「…………あ、いた」ピタッ

塞「って、アレ?」

塞(は!? ちょっ! 誰よあの子!?)

塞(なななんで充電してるの!?)

塞(しかもなんか抱きしめてるしーー!!?)ギリギリ

塞(もー! 何のんきに寝てんのよ!)

塞「シロ! 起きなさい!」バンバン

シロ「んー……塞?」パチ

塞「ほら、帰るわよ」

シロ「だるい……」

塞「早く!」グイッ

シロ「ちょっと……」グラッ

怜「ん、んぁ……?」ムクリ

塞「あ」

シロ「あーあ……」

怜「う~ん…………」キョロキョロ

怜「……アンタ誰や?」

塞「シロの保護者よ!」

シロ「保護者違う……」

塞「そんなことよりアンタはシロとどういう関係なの?」

怜「具合悪くしてるところをこの人に助けてもらったんよ」

塞(助けた!? あのシロが!?)

塞「……まあ、100歩譲って助けてもらったとして、なんで充電してもらってるのよ!?」

シロ「100歩譲ってって……」

怜「充電?」

シロ「膝の上に座ること」

怜「ほう、これ充電って言うんか」

塞「はぁ……もういいわ」

塞「ほら、帰るわよシロ」

怜「えー」

塞「なんでアンタがごねるのよ!」

怜「もっと充電してたいねん!」

塞「そんなのもっと親しい人にしてもらえばいいでしょ!」

怜「親しい人……」

怜(今度りゅーかにやってもらお)

塞「ほらほら」グイグイ

シロ「だる……」

竜華「怜ー!」

怜「あ、りゅーか」

シロ「迎え?」

怜「ん」コク

竜華「ごめんなー、はしゃいでもうて」

怜「ええよ、こっちはこっちで楽しんどったから」

竜華「そっちのふたりは?」

怜「ウチを助けてくれた人とその保護者ー」

竜華「それはそれは、怜がお世話になりましたー」フカブカ

シロ「別に……」

塞「ほら、迎えきたんだから離れなさいよ」

怜「ちぇー」

塞「さ、行くわよシロ!」

シロ「……その前に、名前」

怜「そういやまだ名前言っとらんかったな」

怜「ウチは園城寺怜や」

シロ「小瀬川白望」

怜「また会えたらええな」

シロ「ん」コク

塞「早く! みんな心配してるよ!」

シロ「じゃ、また」

怜「またな」フリフリ

怜「…………」ホクホク

竜華「なんや嬉しそうやな」

怜「そか?」

竜華「めっちゃ顔にやけてるで?」

怜「ほんまか」

竜華「ほんまほんま」

怜「むぅ……」グニグニ

竜華「よかったやん、いい人と出会えて」

怜「せやな、りゅーかがはしゃいでウチを見失ったおかげや」

竜華「うぐっ、それはいわんといてーな」

怜「あ、メルアド交換……」

竜華「もう行ってもうたで」

怜「……まあ、いつか会えるやろ」

竜華「さ、ウチらも帰ろか」

怜「ん」コク

怜(小瀬川白望、か)

怜("シロ"って呼ばれとったな)

怜(シロ、また会おうな)



カン!

えーと、一応おまけ書いたんだけど、蛇足な気がしてならない
欲しい?

んじゃ、今からおまけ投げます

おまけ


塞「戻ったわよ!」

豊音「おかえりー」

エイ「シロ!」

シロ「ただいま……」

胡桃「どうせどこかに座り込んでたんでしょ」

塞「うん、そうなんだけどさ……」

胡桃「?」

塞「今日はもっとアレな事があったのよ」

エイ「アレナコト?」

シロ「だる……」

塞「えっとね…………」

一同「えーー!?」

胡桃「また他の女の子と!?」

豊音「今度は他校の女の子と仲良くなったんだー」

エイ「オンナッタラシ!」

シロ「だる……」

胡桃「充電までしたなんて……」ワナワナ

塞「しかも、普段の充電よりももっと濃厚なやつをね」

エイ「Nooooooo!!!!」

豊音(エイちゃん素が出てるよー)

胡桃「充電は私だけの特権だよ!」

エイ「ン!」バッ

豊音(真っ黒に塗りつぶしてある)

シロ(次は無いってことかな……?)

塞「私たち怒ってるんだからね!」

胡桃「もう他の女の子に手を出しちゃダメだよ!」

シロ「……なんでみんなが怒るの?」

塞「うっ……」

胡桃「それは…………」

エイ「シロハ、マージャンブノショユウブツ!」

塞「それだ!」

胡桃「シロは私たちのものなのだー!」

豊音「みんな仲良しだよー」

シロ「だる……」

…………

竜華「怜見つけてきたでー!」

セーラ「おー、おかえりー」

怜「ただいま」

竜華「あれ? 二人はまだ戻っとらんのか?」

セーラ「まだ怜を探しとる」

怜「セーラが留守番てのも珍しいな」

セーラ「せやろ?」

セーラ「ウチも探しに行きたかったんやけどな、何故かみんなに止められたんよ」

竜華「(セーラに任せると無駄に走り回って他人に迷惑かけそうやから)」

怜「(なるほどな)」

セーラ「?」

セーラ「ま、とりあえず二人に戻ってくるよう連絡しとくわ」

竜華「頼むわー」

怜「…………りゅーか」

竜華「ん? なんや?」

怜「ちょっとこっちきて」

竜華「膝枕か?」

怜「いいから、ここ座って」

竜華「?」ストン

怜「どっこいしょっと」ストン

竜華「と、怜…?」

怜「んー……なんかちゃうなあ」

竜華「なにがや?」

怜「もっと足開いて」

竜華「えーっと、こうか?」

怜「う~ん、もっとこう……」

…………

泉「ただいま戻りましたー」

船Q「同じく!」

怜「何度言ったらわかるねん!」バンッ

竜華「ひぃい!?」

船Q「(何事ですか?)」

セーラ「(なんか充電したいとかゆうてんねん)」

泉「(充電?)」

船Q(充電……?)

セーラ「(今日助けてもらった人にしてもらったらしいねん)」

怜「胸大きすぎて邪魔やねん!」

竜華「そんなこと言われても……」

怜「シロはもっとちょどいい感じやったで!」ビシィ!

竜華「う、うぅ……」グスグス

船Q(シロ……充電…………)

船Q「(あ!)」

泉「?」

船Q「(宮守や)」

泉「(宮守?)」

船Q「(全国大会に宮守女子っちゅう高校が出場しとるんやけど)」

セーラ「(それが充電と何か関係あるんか?)」

船Q「(そこでは小瀬川白望という人の膝の上に座ることを充電というんですよ)」

泉「(!! それじゃあ……)」

船Q「(まず間違いなく、そのシロという人は……)」

怜「その話ほんまか?」

船Q「わっ! 聞いとったんですか!?」

怜「詳しく!」

胡桃「シロ、わかった?」

塞「ま、連絡先も交換してないみたいだし、もうあの子に会うことはないでしょうね」

胡桃(よかったー)

エイ「!」ガッツポーズ!

シロ「…………」

シロ「……いやだ」

塞「え……?」

シロ「私はまた園城寺さん……怜に会いたい」

一同「!?」

塞(あのシロがこんなに積極的になるなんて……)

胡桃「」ガクッ

エイ「ゲボァッ」ガフッ

豊音「ん? 園城寺怜って、もしかして……」

シロ「!! 知ってるの……!?」ガタッ!

豊音「全国大会に出てる千里山女子高校の先鋒が〝園城寺怜″って人なんだよー」

豊音「ほら、これトーナメント表」サッ

シロ(千里山……反対側か)

豊音「〝園城寺怜"って珍しい名前だから多分本人だね」

豊音「いいなー、サイン頼んでおけばよかったよー」

シロ「…………」

怜「ふーん、宮守か」

怜「全国に来てるんならまた会えるかもしれんな」

船Q「でもトーナメント表の反対側ですよ?」

怜「大丈夫や」



シロ「大丈夫」

豊音「?」

シロ「色紙の準備しておくといいよ」


シロ(必ず行くから)


怜(また会えるんや!)


シロ(待っててね)


シロ・怜(決勝で!)


カン!

これで終わりです
ここまで読んでくださった皆さんありがとうございました!

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