ID:a520RMFR0代行
和「おはようございます、咲さん」
和「今日もいい天気ですね」
和「昨日はよく眠れましか?」
和「・・・私はあまり眠れませんでした」
和「咲さんが、隣にいたから・・・」ポッ
和「咲さんがうちにきてから私、ずっと寝不足です」フフッ
和「・・・あっ、そろそろ学校に行かないと」
和「それでは咲さん、行ってきますね」
タッタッタッタ・・・
咲人形「・・・」
清澄高校麻雀部
放課後
和「ふぁっ・・・」(あくび)
久「あら和、寝不足?」フフッ
和「あっ、すいません」カァーッ
まこ「少し寝とくか?」
和「いえ、私がいないと打てませんし・・・」
久「うちは4人しか部員がいないもんねー」
京太郎「部長!俺もいますよ!」
久「須賀くんじゃ団体戦には出られないでしょ?」
優希「お前はマネージャーだろ、犬!」
京太郎「とほほ・・・」
まこ「しかし、ほんまあと一人どうするかのう・・・」
久「須賀くん、麻雀打てる女の子の知り合いとかいないの?」
京太郎「いたら連れてきてますよ・・・」
優希「全く!使えない犬だじぇ!」
京太郎「うぅっ・・・」
久「優希、言い過ぎよ」
まこ「じゃが、ほんまにどうするんじゃ?」
まこ「このままじゃ、試合が始まる前から試合終了じゃ」
久「ほんと、そうなのよねー・・・」
和「・・・」
和「・・・部長、実は私にひとつあてがあるんですけど・・・」
久「えっ!もしかしてうちの麻雀部に入ってくれる子がいるの!?」
和「ええまぁ」
まこ「これは朗報じゃの」
優希「も~、のどちゃんそう言うことは早く言うべきだじぇ」
京太郎「和の知り合いなのか?」
和「はい、とっても仲良くさせてもらっています」
久「なんて言う子なの?」
和「咲さん、宮永咲さんです!」
優希「!?」
久 まこ 京太郎「へー」
久「同じクラスの子?」
和「いえ、そうではないんですが・・・」
京太郎「そんな子、一年にいたっけなー・・・」うーん・・・
まこ「まぁなんにせよ、待望の5人目じゃ」
久「そうね、その子はうちの麻雀部に興味あるの?」
和「はい、とっても麻雀が好きで、いつも家で二人で打ってます!」
久「そう、随分と仲がいいのね」
京太郎(くぅ~、俺も和の家にお呼ばれしたいぜ!!)
優希「・・・」
まこ「それじゃあ、明日にでもここに連れてきんさい」
和「はい!咲さんもきっと喜んでくれます!」
優希「・・・部長、このあと少し残ってほしいんだじぇ」
久「えっ?どうしたの?」
優希「・・・大事な話があるじょ」
久「?」
麻雀部部室
部活終了後
久「・・・さて、みんなは帰ったわ」
久「なぁーに優希?大事な話って?」
久「もしかして、私に告白とか・・・」クスクス
優希「・・・」ずーん
久「・・・ちょっと、どうしたのよ優希?」
久「さっきからあなた様子がおかしいわよ?」
優希「・・・部長、のどちゃんの言ってたことなんだけど・・・」
久「ん?咲って子の事?」
優希「その咲って子は・・・」
優希「・・・実在しない人なんだじょ・・・」
久「・・・えっ?」
久「えっ・・・?ちょっと待って、優希」
久「それってどういう・・・」
優希「・・・咲ちゃんは、のどちゃんがかわいがってる人形だじょ・・・」
久「・・・えっ?」
優希「・・・まっ、そう言う意味では実在してるのかな?」ハハッ・・・
久「・・・ちょっと待って、私の頭の処理が追いついていないわ」えっ?えっ?
優希「無理もないじぇ、私も最初見たときはそんな感じだったじぇ・・・」
久「・・・優希、あなた前からその事を・・・」
優希「・・・」
優希「あれは、私が始めて和ちゃんの家に遊びに行った時だじぇ・・・」
~回想~和と優希の中学時代
和の家
優希「おっじゃましま~す♪」
和「はい、どうぞ」
優希「いやー、立派なお宅だじぇ~」ふむふむ
和「なんですかそれ、テレビの人みたい」クスクス
優希「今日は家の人は誰もいないのか?」
和「両親は仕事ですが、咲さんがいますよ」
優希「・・・さきさん?」
和「あとで紹介しますね、私の部屋で待っててくれています」
優希(ペットかなにかなのかな?)
和の部屋
優希「ほほ~、のどちゃんらしくてかわいらしい部屋だじぇ」ジロジロ
和「優希、紹介しますね」
和「彼女が咲さんです♪」
優希(さ~て、犬かな?猫かな?・・・和ちゃんの性格を考えると猫か・・・)
咲人形「・・・」
優希「・・・えっ?」
和「咲さん、彼女は片岡優希さんです」
和「こっちにきて、咲さんの次に仲良くなった人ですよ♪」
優希(あれって・・・)ゾクッ
優希(人形?マネキン?・・・)ゾゾゾッ
~~~~~~~~
優希「それが、私と咲ちゃんの初めての出会いだじぇ・・・」
優希「その後ものどちゃんは、その咲と名付けた人形に話しかけてたじぇ・・・」
優希「そう、まるで本物の人間と接するように・・・」
久「・・・」ゴクリ
優希「あとから、のどちゃんのお父さんやお母さんに話を聞いたら」
優希「のどちゃんが長野に来て、友達いなくて寂しくなったからって自分で買ったものらしいじぇ」
優希「のどちゃんの両親は、ただの人形遊びだからって言ってたけど・・・」
優希「・・・私にはそんなレベルのものとは思えなかったじぇ」カタカタ
久(優希のこの感じ、どうやら嘘ではないようね・・・)
久(・・・もう少し、詳しく話を聞いてみるか・・・)
久「それって、エトペン的なものではないの?」
優希「そういう趣味的なものとは、違うベクトルのものだじぇ・・・」
優希「のどちゃんのあの目は、まるで本物の人間を愛するかのような・・・」カタカタ
久(・・・病的なものって事かしら)
久「・・・どうして、私にこの話を?」
優希「・・・部長たちに、のどちゃんの事を誤解してもらいたくなくて」カタカタ
久「え?」
優希「・・・のどちゃんは普段はとっても優しい子だじょ」
優希「私ともとっても仲が良くって・・・」グスン
優希「・・・だから、今聞いた話の全部をのどちゃんだとは思ってほしくないんだじょ」グスッ
優希「そうじゃなきゃ、私は今でものどちゃんと友達じゃないじょ・・・」ひぐひぐ
久「優希・・・」
優希「私もいつか、のどちゃんが普通の子になると思ってたけど・・・」
優希「・・・ついに、ここまできちゃったじょ・・・」グスグス
久「・・・ここまで?」
優希「部長、のどちゃんは今まで自分から咲ちゃん事を言うことはなかったんだじょ」
久「!?なんですって・・・!?」
優希「・・・もしかしたら、自分の中でセーブをかけてたのかもしれない・・・」
優希「・・・でも、今ののどちゃんは完全に咲ちゃんというあの人形に」
優希「心を支配されてるんだと思う・・・」
久「・・・ようするに、病は今も進行しているという訳ね」
優希「・・・部長、そんな言い方しないで欲しいじぇ・・・」グスン
久「あっ、・・・ごめんなさい」シュン
優希「・・・のどちゃんは、ほんの少しあの人形に心奪われてるだけなんだじぇ・・・」
優希「のどちゃんの中では、咲ちゃんと言う子は実在する・・・」
優希「・・・のどちゃんにとっては、それが常識であり当たり前なんだじょ」うぅっ・・・
久「・・・」ふぅ
久(まさか、和にそんな一面があったとはね・・・)
久「・・・と言うことは、明日和は人形を連れてくるのかしら?」
優希「そうなるじぇ・・・」
久「・・・それは、困った事態ね・・・」
優希「部長、もし明日のどちゃんが人形を連れてきても普通に対応して欲しいんだじぇ」
久「どういうこと?」
優希「実は、のどちゃんのお母さんが一度勝手に人形を片づけてしまった事があるんだけど」
優希「その時のどちゃんが、大暴れしたらしいんだじぇ」
優希「『咲さんはどこ!咲さんを返して!!咲さんが誘拐された!!!』って・・・」
久「・・・あの和が・・・?」
優希「他にも、お父さんが人形をぞんざいに扱うのを見て暴れたり・・・」
久「本当に?あの和が?」
優希「私も話だけだから・・・詳しいことは・・・」
優希「・・・でも、実際にのどちゃんの家で起こった事らしいじぇ」
久「・・・分かったわ、明日は和をできるだけ刺激しないようにするわ」
久「まこと須賀くんにも、私からこの事は伝えておく」
優希「ありがとうだじぇ、部長・・・」
久「・・・新入部員がどうだこうだ言ってる場合じゃないわね」
優希「・・・部長、のどちゃんは・・・」
久「大丈夫、分かってるわ」
久「和はうちの大切な部員よ」ニコッ
優希「・・・部長~~~!!」うえ~ん
久(そうよ・・・みんなわざわざうちに集まってくれた・・・)ダキッ
久(大切な・・・部員・・・)よしよし
翌日
京太郎「昨日のメールの話、本当なんですか部長?」
久「私も優希から聞いただけだから、半信半疑だけど・・・」
優希「・・・のどちゃん」ポツン
まこ「・・・優希の様子を見る限り、どうやら本当のことようじゃな」
京太郎「・・・でも俺、信じられません」
京太郎「そんな、あの和が・・・人形に依存してしまっているなんて・・・」ゴクッ
久「・・・和が今日ここにくればすべてわかることよ」
キュラキュラキュラ
まこ「ん?なんの音じゃ?」
久「・・・車いすかしら」
優希「・・・来た」
ガチャッ
和「みなさんお待たせしました、こちらが咲さんです」
咲人形「・・・」
久 まこ 京太郎「!?」
京太郎(まじかよ!!マジで人形じゃねえか!!!)ゾクッ
まこ(わざわざうちの制服まで着せて・・・、こりゃマジモンの・・・)ゴクッ
久(随分きれいにお手入れされてるようね、遠目から見たら本物の人と見間違いそうね・・・)
咲人形「・・・」
和「咲さん、左の方が部長の竹井久さんですよ」
和「そしてその隣にいるのが、一つ上の先輩の染谷まこさん」
和「あちらの男の人が、須賀京太郎くん」
和「そしてあの子は知ってますね、片岡優希」
和「咲さんとももう、お友達ですもんね♪」ニコッ
優希(・・・前よりきれいになってる)
優希(本物の人間みたい・・・)
咲人形「・・・」
和「えっ?何ですか咲さん?」
和「みんなと?・・・ふんふん、麻雀を打ちたい?」ふむふむ
京太郎(和のやつ、ほんとに人形に話しかけてる・・・)(呆然)
和「部長!咲さんがみんなとうちたいと言っているんですが・・・」
久「そっ、そうね!せっかく来てくれたんだし一局うちましょうか!」ドキッ
久(みんな、いつも通りよ、いつも通り・・・)パチッ(アイコンタクト)
まこ 優希 京太郎「・・・」コクン
まこ(あの様子見たら、ほんまにおとなしくしておいた方が良さそうじゃ)ドキドキ
優希(のどちゃんを刺激しないように、のどちゃんが暴れ出さないように・・・)ドキドキ
京太郎(っくしょう!!もう帰りてえよぉ!!)(涙目)
和「それじゃあ、早速うちましょうか♪」ニッコリ
咲人形「・・・」
京太郎「あれ?和と・・・咲ちゃんは、一緒にうつのか?」
和「咲さんがどうしても私と一緒に打ちたいと・・・」
和「だめですか?」
京太郎「えっ・・・いや、そんなことは・・・」オロオロ
ゲシッ
京太郎「いてっ!」
優希(刺激するんじゃね!バカ犬!)ギロッ
京太郎(わっ、わかってるよ・・・)イテテッ・・・
久「それじゃあ、私とまこと優希と和&咲ちゃんペアでとりあえずうちましょうか」
和「咲さん、頑張りましょうね♪」
咲人形「・・・」
まこ(こんな状態で麻雀を打てっていうんか!?)
まこ(わしゃ無理じゃぞ!こんな気色悪い状態で・・・)(涙目)
久(みんな、我慢して・・・私だってほんとは・・・)ドキドキ
咲人形「・・・」
東一局
和「ツモ、嶺上開花です」
和「やりましたね咲さん!さすがです!」キャッキャッ
咲人形「・・・」
久(いつもの和のデジタルな打ち方とまるで違う・・・これは何?)
優希(のどちゃん・・・のどちゃんの世界には、咲ちゃんが・・・)
まこ(うぷっ・・・、あかん・・・気がやられてしまう・・・)
和「咲さん、次もお得意の嶺上開花見せてくださいね♪」
咲人形「・・・」
久(もう完全に、人形に心を支配されている・・・)
優希(のどちゃん、私は知ってるじょ?・・・この姿がのどちゃんの全てじゃないって)うるっ
まこ(こりゃぁ、もう駄目かもしれんのう・・・)
京太郎(こんな和、見たくなかったぜ・・・)
東四局
和「咲さん、今日はこれあがってもいいですよ」ニコッ
久 まこ 優希「!?」
和「カン!もいっこカン!ツモ!」
和「四暗刻です!」
和「わー!すごいです咲さん!咲さんがトップですよ!」
和「さすが私の咲さんです!」うきうき
咲人形「・・・」
久 まこ 優希「・・・」
まこ(もういやじゃ・・・これ以上うちとおうない・・・)
優希(のどちゃん・・・中学の時よりひどいじぇ・・・)
久(正直・・・気が狂いそうだわ・・・)
咲人形「・・・」
和「部長!どうですか?」
久「えっ?どうって・・・」
和「咲さんの麻雀の強さはご覧の通りです!」
和「ぜひうちの麻雀部にはいってもらいましょう!!」
久「ええっと、それは・・・」
和「・・・駄目ですか?」
和「どうしてですかなんでですかさきさんはすばらしいひとですぜひうちのまーじゃんぶに」
和「はいってともにぜんこくをめざしましょうさきさんがいればひゃくにんりきですだって・・・」
久「ひっ・・・」ビクッ
まこ「・・・あれは完全に病人の目じゃ」ゾクッ
京太郎「あぁっ・・・和・・・」(絶望)
優希「のどちゃん・・・」うっ・・・
和「さきさんがはいればうちはぜんこくゆうしょうできますだってさきさんですから・・・」
咲人形「・・・」
優希「・・・のどちゃん!!もうやめるんだじぇ!!」カッ!
和「!?」
久「優希・・・」
優希「のどちゃん!それは人形だじぇ!咲ちゃんなんて人はこの世にいないんだじょ!!」
京太郎「おい!ばか!刺激すんなってお前が・・・」あわわわ
和「・・・優希?何を言っているんですか?」
和「咲さんはここに・・・」
優希「それは人形だじぇ!!・・・こんなもの!!」ガシッ!
久 まこ 京太郎「!?」
和「優希!!何をするんですか!!咲さんを離してください!!!!」
優希「こんな・・・こんな人形なんか・・・!!」
ぽー一いっ
ひゅ~~~~
はてっ・・・
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