悟空P「オラがアイドルのプロデューサーだって!?」(484)

悟空P「お! おめぇ、なかなか強そうだな!」

真「え?」

悟空P「よっしゃ、いっちょオラが修行(レッスン)つけてやるよ!」

ベジータP「765プロだと…?くだらねえぜ!」

ベジータP「この俺様の318プロこそが宇宙一だー!!」

レッスンスタジオ

真「えーっと、ここです。ここでいつもボク達はダンスレッスンとかを……」

悟空P「こんなせめぇ場所でやんのか?」

真「そうですかね? 結構広いと思うけどなぁ」

悟空P「だめだだめだ。マコト、おめぇにはまだ足りねぇもんがある」

真「足りないものですか?」

悟空P「隠れてるもんは結構良いと思うんだけどな、まだまだ基本の体力が全然足りねぇ」

真「体力? へへっ、見くびってもらっちゃ困るなぁ、プロデューサー!」

真「こう見えてもボク、体力には結構自信あるんですよ!」

悟空P「お? じゃあいっちょ、オラとランニングでもしてみっか?」

真「のぞむところです!」

真「ぜぇ……ぜぇ……」

悟空P「どうしたどうした、まだほんのちょびっとしか走ってねぇぞ」

真「……んな……こと言ったって……」

悟空P「今のは準備運動だぞ。これをあと十回して、そっから気の扱いをだな」

真「えぇ!? じゅ、十回!?」

真(じょ、冗談じゃないよ! 今のフルマラソンをあと十回だなんて……!)

悟空P「ほら、行くぞ」タッタッタ

真「ま、待ってください、プロデューサー!」タタッ

真「だ、だめだぁ……!」

バタン

悟空P「なっさけねぇなあ。結局二回しか走れてねぇぞ」

真「……う、うぷ……」

真(な、なんて体力だ……プロデューサー)

真(見た目からしてがっしりしてるから、そりゃ、運動も出来る人なのかなって思ってたけど……)

真(こんなに走っても、息ひとつ切らしてないだなんて……)

悟空P「ま、最初はこんなもんかな。チチからも手加減するようにって言われちまってるし」

真「チチ……?」

ぐ~

悟空P「腹減っちまったな」

真「そうですね……」

悟空P「よし、んじゃ飯にすっか!」

真「ご、ご飯……胃に入るかなぁ」

悟空P「ん? おめぇ、オラの子どものこと知ってんのか?」

真「え? 子ども?」

悟空P「はは、そりゃちょうどいいや! じゃあ今から悟飯のバイト先で飯食うか!」

真「……えーっと」

悟空P「そうと決まったら」

ガシッ

真「!」

真(うわうわ、男の人に、て、手握られちゃったよ!)

悟空P「えーっと、悟飯、悟飯……ここだな!」

真「え――」

パッ

悟空P「着いたぞ」

真「!?」

悟空P「おーい、悟飯~。邪魔すっぞ」

ピロピロピロン

真「え、え……」

真(あれ? さっきまでボク達、北海道あたりの道端にいたよね?)

真(ここは……どう見ても……都内のローソンじゃないか!)

悟飯「え!? お、お父さん!?」

悟空P「お、おめぇもちゃんとやってんな! 感心感心!」

悟飯「どうしたんですか……まだ僕、仕事中ですよ」

悟空P「いや~、ちょっと腹減っちまってな。ほら、こいつ、知り合いなんだろ?」

真「ど、どうも……」

悟飯「……!」

悟飯(すごい潜在能力を感じる……)

悟飯「えーっと……君は?」

真「ま、真です。菊地真……まだまだ知名度も低いけど、一応アイドルをやってて」

悟空P「ん? 知り合いじゃなかったのかおめぇら」

少年悟空「じっちゃん!連れて来たぞ!」

千早「あら、なかなか素敵なところね」

亀仙人「どれどれ…うーむカオはいいけどチチがないのう…」

亀仙人「もっとこうピチピチしててバイーンとしたギャルじゃないとな」

少年悟空「うーん、難しいなぁ」

千早「…くっ!」

ごはん食べる

悟空「クリリンおめえには鼻がないじゃないか!」

クリリン・響「⁉」

悟飯「……お父さん、この少年はなかなか」

悟空P「だろー? まだまだ弱っちいけど、修行(レッスン)したらぜってぇ強くなっぞ!」

悟飯「でも、お父さんはアイドルのプロデューサーなんでしょう? それじゃあ……」

真「あの……」

悟空P「お、わりぃなマコト。飯食いにきたんだった」

悟空P「悟飯、とりあえずこの店の食いもん、全部くれよ!」

悟飯「えー!? だ、だめですよ! 秋月名誉店長に怒られちゃいますから!」

真(どういう関係なんだろ、このふたり……顔はそっくりだし、もしかして……)

悟飯「ありがとうございましたー」

ピロピロピロン

悟空P「これしかもらえなかったな」モグモグ

真「からあげクン、こんなにいっぱい……」

悟空P「マコトも食え食え! 全然足んねぇと思うけどよ」

真「あ、はい」モグモグ

真(美味しい……)



悟飯「とほほ……今のからあげクンの代金、お給料から引いてもらおう……」

携帯『ロマンティック アゲールヨー♪』

悟空P「お?」

真「電話ですか?」

悟空P「そうみてぇだな。えーっと」

ガサゴソ

悟空P「たしかここを押せば……」

バキッ

携帯『』

悟空P「ありゃ? 音が止まっちまった」

真「こ、壊しちゃったんですか!?」

悟空P「弱っちい奴だなぁ。これだからやっぱ機械はダメだぞ」

真「……と、とりあえず事務所に戻りましょう」

真(こんなんで、本当にトップアイドルになれるのかぁ……?)

765プロ事務所

真(……手を繋がれたと思ったら、また一瞬で事務所に来ちゃった)

真(さっきから一体、何が起こってるんだ……?)


高木「困るよ、君ぃ……初日で携帯を壊してしまうとは」

高木「電話をかけたのは私だったからよかったものの、これが営業先からの連絡だったら……」

悟空P「わりぃわりぃ! ブルマに新しい丈夫なの作ってもらって、今度からそれ使うことにすっからよ!」

??「フン。カカロット、やはり貴様にはアイドルのプロデューサーなどできはしないのだ」

悟空P「お、おめぇは……!」

べジータP「ハーッハッハ!」

悟空P「べジータ、おめぇこそどうなんだ」

べジータP「フン! 俺は貴様のような下級戦士とは違い、エリートなのでな」

べジータP「先ほどもさっそく、あいさつまわりのお仕事へ行ってパーフェクトコミュニケーションをかましてきたところだ」

悟空P「どひゃー! 意味はわかんねぇけど、やっぱおめぇはすげぇなあ!」

真(相変わらず、べジータさんはすごい髪だなぁ)

べジータP「……」ジロ

真「な、なんですか?」

べジータP「素質はあるようだが……まだまだだな。俺のアイドルには到底及ばない」

真「え……」

べジータP「さあ、次はレッスンへ行くぞ、やよいちゃん」

やよい「はーい!」

高木「ウォッホン! それで……君達は今まで何をしていたのだね?」

悟空P「修行(レッスン)だぞ。な、マコト!」

真「は、はぁ……まあそうですね。体力はアイドルの資本ですから」

高木「おぉそうか! いやぁ、来るなり出ていってしまうからどうなることかと思ったが、ちゃんとやってくれているようで安心したよ」

悟空P「まぁ、まだまだ始まったばっかだけどな!」

高木「トップアイドルへの道も、一歩ずつだよ君ぃ」

高木「それはそうと、君には話しておかなければならないことがあってね」

悟空P「なんだ? オラ難しい話は苦手だぞ」

高木「そう複雑なことじゃない。まずは菊地君のこれからの目標をだね、決めてもらおうと思うのだよ」

悟空P「目標?」

高木「トップアイドルになるには、結果を出さないといけないのだよ」

悟空P「お、それはなんとなくわかるぞ!」

高木「ファン数というのも大事だが、最近では……そうだな」

高木「アイドルアルティメイト(IU)という番組に出場するか、アイドルアカデミー(IA)大賞を受賞すること」

高木「このどちらかを達成すれば、菊地君はトップアイドルとして日本中から認められる存在となるのだ」

悟空P「へ~。で、それはどうやったら出れんだ?」

真「ランキング上位に入るとか、ファン数をかせいだら参加できるいくつかの予選を突破するとか、ですよね?」

高木「うむ」

悟空P「なーんかめんどくせぇなあ……もっとこう、パパっと出来るもんはねぇのか?」

高木「うん? そうだな……あとは……」

悟空P「お! これなんかいいじゃねぇか!」

高木「おぉそれか。しかしそれに参加し優勝するのは修羅の道だが……」

悟空P「へへっ、コイツなら大丈夫だって!」ドン

真「あたた」

悟空P「マコト、おめぇならやれるってオラ信じてっぞ。だから、これでいいよな?」

真「……プロデューサー……」

真(こんなに短い間だったけど、プロデューサーはボクのことを信じてくれているんだ……)

真(それならボクは、その期待に応えないとダメだよね!)

真「……やります! へへっ、ボク、どんな困難でも乗り越えてみせますよ!」

悟空P「よっしゃ、決まりだぞ!」

高木「うむ、君達の言葉には勢いがあって実に頼もしいな!」

真「それで、プロデューサー。ボクは一体何に参加すればいいんですか?」

悟空P「これだぞ! マコトも知ってんだろ?」

真「……え……こ、これって……」

悟空P「いや~、なっつかしいなぁ。オラも昔はこの大会に出て……」

真「ぷ、プロデューサー!」

悟空P「ん? どうした?」


真「天下一武道会って……本気ですか……!?」

数日後

真「……くはぁっ!」バタン

悟空P「ちょっと休憩にすっか!」

真「わ、わかりましたぁ……」

悟空P「マコト、おめぇやっぱなかなか良いセンスしてんな!」

真「え……?」

悟空P「最初はあんなにへばってたのに、今は余裕でオラに着いて走ってこれてんじゃねぇか」

真「そ、そうですかね? へへっ……」

悟空P「まぁ、まだまだ準備運動だけどな! オラも本気で走ってねぇし」

真「くぅ……」

真(この人、ホントに人間なのかなぁ)

真「それにしても、随分遠くまで来ちゃいましたね。田舎というか……」

悟空P「そうだな。お、そういえばこのへんは……」

真「どうしたんですか?」

悟空P「この近くに、オラん家があるんだ。ちょうどいいから、そこで飯にすっぞ!」

真「へ~、プロデューサーの家かぁ……わかりました!」

真(この人が育ってきた場所、ってことになるのかな? へへ、ちょっと興味あるかも)

悟空P「それじゃあ、あと50キロ、ダッシュで行くぞ!」

真「はい!」

タッタッタ……

千早「胸を大きくして!」

神龍「それは叶わぬ願いだ。私の力を大きく超えている」

悟空P「けぇったぞー」

チチ「ん? おんやまぁ、悟空さでねぇか! 仕事はどうしたんだ?」

悟空P「バリバリやってんぞ! ちょっと近くまで来たから、飯食おうと思ってな!」

チチ「そっだらそうと、言ってくれればいいのに。あ、そこのお人は……」

真「こ、こんにちは……」

チチ「どひゃあ! こりゃまた、えっらいイケメンが来たもんだ!」

真「い、イケメン!? ボクはこう見えても立派な……」

チチ「大変だぁ! 悟空さ、ちょっとオラメイクして若作りしてこねぇと!」

悟空P「んなことより、飯にしてくれよーチチー」

グツグツ……

トントントン

チチ「~♪」


真「良い匂いだなぁ……」ジュルリ

悟空P「だろー? チチの飯は宇宙一うめぇから、期待しとけよ!」

真「……あの、プロデューサー」

悟空P「ん? どーした?」

真「えっと、せっかくだし、この機会に色々聞いてみたいんですけど……」

真「チチさんって、プロデューサーの……その、奥さんなんですか?」

悟空P「おお、そうだぞ! チチはオラの嫁さんだ」

真(ああ、やっぱり……)

真(惚れてたってわけじゃないけど……ちょっと残念、かなぁ)

真(菊地家の家訓で決まってるからね。結婚相手は自分より強い者でないといけないって)

真(だからプロデューサーならもしかして、って思ったんだけど……)

悟空P「そうそう、もう何十年も前のことだけどな、天下一武道会でチチと結婚することになったんだ」

真「え!? 天下一武道会!?」

悟空P「そうだぞ。あんときはたまげたなぁ……」

チチ「ご、悟空さ! そんな昔のことはもうええだろ! 照れちまうだよ……」

真「……」

真(天下一武道会って、ただ世界一強い人を決める大会かと思ってたけど)

真(プロデューサーの言うことがホントなら、もしかして、ボクの王子様も見つかるかも!?)

真「へへっ……」

悟空P「ん、どうした。急に機嫌良くなったな」

真「乙女には、色々と夢がありますからね!」

悟空P「乙女? ハハハ、何言ってんだ。マコト、おめぇは――」

チチ「飯が出来ただよ~」

悟空P「おっ! 待ってました!」

真「チチさん、ボクも配膳手伝いますよ!」

チチ「あぁ、いいだいいだ、お客様にんなことさせらんねぇよ」

悟空P「そうだぞ、マコト」

チチ「悟空さ。あんたはちゃーんと働いてけろ」

悟空P「たはは……」

「いただきまーす!」

真(それにしても、すごい量だなぁ)

悟空P「ハムッハフハフッハム!」

チチ「ご、悟空さ。少しは落ち着いて食べるだよ」

真「ああ、気にしないでください。何度かもう見てますし」

悟空P「うめぇからな、いくらでも食えっぞ!」

チチ「まぁ、またそんなこと言っちゃって……今更褒めても、若くはならんよ」ポッ

真「……ふふ」

悟空P「ん? どーしたマコト、おめぇも食わねぇと、なくなっちまうぞ」

真「あ、いえ。なんか、良い夫婦だなぁって思って」

悟空P「へへ、まーな!」

「ごちそうさまでした!」

悟空P「ふぅ……食った食った」ポンポン

真「……そういえばプロデューサーは、どうして765プロで働くことになったんですか?」

悟空P「ん? ああ、それはな」

チチ「ウチの貯蓄がなくなっちまったからだよ」

真「え……」

悟空P「世界が平和になっちまったから、食って修行することしかしてなくてな!」

チチ「そしたら、あーっという間に!」

悟空P「天国とは違って、ここの飯はうめぇからな!」

チチ「で、悟空さは天下一武道会で荒稼ぎしてたんだけど……」

悟空P「サタンに『殿堂入りだからもう来ないでください』って言われちまってよ」

チチ「んで、そのツテで、高木さんのところで働かせてもらうことになっただよ」

悟空P「それで、悟飯もついでにな。社会勉強ってやつだぞ!」

チチ「オラとしては反対だったんだけど……」


真(どうしよう。言っている意味が半分もわからない)

悟空P「さーってと、んじゃあマコト。修行(レッスン)の続きすっか!」

真「はい!」

チチ「あぁでも、その前にシャワー浴びてくだよ。ふたりとも汗だくじゃねぇか」

悟空P「あー? オラとしてはそんなのいいんだけど」

真「……」スンスン

真「あ、あの」

チチ「ほれほれ。若くてイケメンな真ちゃんはそういうのを気にするお年頃なんだ」

チチ「遠慮なく使ってけろ。な?」

真「へへ、ありがとうございまーす!」

チチ「ほら、悟空さも」

悟空P「わーった、わーったよ。じゃあ行くか、マコト!」

真「はい! ……って、えぇ!?」

悟空P「遠慮すっことねぇぞ? 男同士なんだし」

真「だからっ! 何度も言ってるように、ボクは女なんです!」

悟空P・チチ「……おんな?」

真「そうですよっ!」

悟空P「あっはっは! おめぇ、面白い奴だなぁ!」

チチ「オラ知ってるだよ。こういうの、アメリカンジョークってやつだろ?」

悟空P・チチ「あーっはっは!」

真「うぅ……」

悟空P「だいたい、女ってのは乳があるもんだぞ。オラでも知ってる、常識だ」

真「そ、それは……」

悟空P「おめぇ、なんもねぇじゃねえか」

ペタ

真「……――!!?」

真「ふわああああ!」

悟空P「……!?」


――カッ


ドガァァァン……


悟空P「あいたたた……」

真「い、いい、いきなり何するんですか!?」

悟空P「わ、わりぃ……まさかホントに女だとは……いてて」

チチ「悟空さ、大丈夫か?」トタタ

悟空P「ああ……」

真「うう……」

真「……」

真(どど、どうしよう! つい思いっきりビンタしちゃったよ!)

真「あの、プロデューサー……ごめんなさい!」

悟空P「ん? ああ、大丈夫だぞ、慣れてっからな!」

悟空P「それにしてもやっぱおめぇ、なかなか強ぇな!」

真「え」

悟空P「超サイヤ人じゃねぇとはいえ、オラがふっとばされたのなんて、ブゥと戦って以来だ」

真「ブゥ……?」

悟空P「オラわっくわくしてきたぞ! 風呂入ったら、さっそく気の修行だな!」

真「は、はい……」

数時間後……

悟空P「そうだ……いいぞ」

真「……むむ。なんか、あたたかい……?」

悟空P「それが気だ。やっぱおめぇ、飲み込みがはぇーな!」

真「へへっ、そうですか……ってうわあ!?」

バシュン

悟空P「気ぃ抜いたらダメだぞ。オラでもちゃんとコントロールするのに、すっげぇ時間かかったんだからな」

真「す、すいません! もう一回お願いします!」


真(トップアイドルになる……すなわち天下一武道会で勝つためには、これが必要だって聞かれたけど)

真(この……気? って、一体なんなんだろう……)

×真(トップアイドルになる……すなわち天下一武道会で勝つためには、これが必要だって聞かれたけど)
○真(トップアイドルになる……すなわち天下一武道会で勝つためには、これが必要だって聞かされたけど)
でオナシャス

真「プロデューサー、これが扱えるようになると、どうなるんですか?」

悟空P「ん? そーだなぁ……じゃあ一回、見てみっか?」

真「はいっ!」

悟空P「お! あの岩がちょうどいいかな。あれ、見えんだろ?」

真「岩? はい、結構大きなのが」

悟空P「よーく見てろよ~……ほいっ」


バシュン


真「え」


カッ


ドガアアアアアアアアン!!!


真「え……?」

悟空P「いまのがエネルギー弾だ」

真(さっきまでそこにあった岩が……消えた……?)

真「……と、トリックですか? あはは、それとも、社長お得意の手品とか……」

悟空P「あっはっは! おめぇ、サタンみてぇなこと言うなぁ!」

真「……」ダラダラ

悟空P「あと、気を使うとこういうことも出来るぞ」

フワッ

真「!? う、浮いた……!?」

悟空P「これは、舞空術だな。このへんは基本だ」

真「……あの、プロデューサー」

悟空P「ん?」

真「プロデューサーって……魔法使いか何かなんですか?」

悟空P「妖術なんて使えねえけど……まぁ、地球人じゃあねぇかな!」

真「へ、へぇ~……」


真(――正直、何がなんだかわからないけど……この目で見たから、これは嘘じゃないんだよね……)

真(お姫さまに憧れていただけなのに……ボクは、これからどうなってしまうんだろう……)

数日後、765プロ事務所

真「……むむむ……」

ガチャ

春香「おはようございまーす!」

真「ふわあっ!」

春香「えっ」

ビュゥゥ!!

春香「わっ……か、風!? なんで……」

真「もー、春香~。せっかく集中できてたのに、気が飛んでっちゃったじゃないか」

春香「あ……ご、ごめんね、真」

春香(窓は開いてない……どういうことなの……)

春香「……えっと、何してたの?」

真「なにって、修行(レッスン)だよ? 気のコントロール」

春香「へ、へぇ~……」

真「プロデューサーから言われてるんだ。時間があったらなるべく、こうして手の平に集中して……」

ぽわわ

春香「……」

真「ね!」

春香「あ、はい」

真「集中が切れるとさっきみたいに飛んでっちゃうし、まだまだ小さいけど……」

春香「そっか」

真「これもトップアイドルになるためだからさ! へへっ、やるぞー!」

春香「うん」

春香(真の手のひらが、ちょっと光った気がするけど、それは見間違いだよね)

春香「あ、そ、そうだ。私、プロデューサーさんに呼ばれてるんだった」

真「春香達のプロデューサーは、なんか普通の人だよね」

春香「そりゃあ、真ややよいのプロデューサーさんに比べたらね……」

真「へへっ! 春香達はアイドルアカデミー大賞、ボクは天下一武道会……」

真「お互い道は違うけど、目指すところはいっしょ、トップアイドルだ! がんばろうね!」

春香「う、うん! それじゃあ……」

タッタッタ

真「さーって、と。ボクも続き続き、っと」

ぽわわわ……

ガチャ

べジータP「む」

真「あ、おはようございますっ、べジータさん!」

べジータP「フン……カカロットの担当アイドルか」

やよい「うっうー! 真さんっ、おはようございまーっす!」

真「やよいも、おはよ。今日はこれから仕事?」

やよい「はいっ! えへへー、私、プロデューサーのおかげで天下一武道会のCMに出れることになっちゃって!」

真「え……?ピクッ」

やよい「がんばりまーっす!」

べジータP「この俺にかかれば、これくらいの営業、造作もないことだ……」

真「……天下一武道会だって?」

×真「え……?ピクッ」
○真「え……?」ピクッ
でオナシャス

ちょっと休憩してくる

ピピピ

べジータP「フン……局のクソッタレから電話か」

べジータP「俺は少しばかり席を外す。やよいちゃん、貴様はせいぜい体を休めておくんだな」

やよい「わっかりましたーっ!」ピョン

べジータP「……」

ピッ

べジータP「あ、もしもし。お待たせしました。ええ、お世話になっております!」

べジータP「ああ、その件ですか! ありがとうございます、それでしたら是非……」

テクテク


真「……」

やよい「あう……真さん、もしかしてちょっと元気ないですかー……?」

真「え!? あ、あぁいや、そんなことはないんだけどね!」

真(まだわかったわけじゃないけど……もし、やよいも天下一武道会を目指しているんだとしたら……)

真(……天下一武道会でトップアイドルとして認められるには、優勝、それしかない)

真(だから、そうなったら……いや、でも)


やよい「真さんっ!」

真「え?」

やよい「元気がないなら、あれをしましょーう!」

真「あれって……あぁ、あれだね!」

やよい「えへへ……」スッ


真(……悩んでも仕方ない! まだそうと決まったわけでもないしね!)

真(それに、ボクだって前に比べたら随分……)


真・やよい「ハイ、ターッチ!」


ドゴン


真「……っ!?」

やよい「いぇーい!」

真「い、いぇーい……」

真(なんだ……なんだ今の、重いハイタッチは!?)

真(手の平がまだ痺れて……)ヒリヒリ


真「……」

やよい「真さん?」

真「……ねぇ、やよい、聞いてもいいかな」

やよい「なんですかーっ?」

真「もしかして、君は……天下一武道会に、出場するのかい?」

やよい「はいっ、もっちろんですーっ!」


真(やっぱりそうか……!)

真(くそう……ボクは、やよいに……)

真(やよいと……戦うことになるのか……!)

べジータP「待たせたな」

やよい「あ、プロデューサー!」

べジータP「新しい仕事が入ったぞ。来週、都内某所で行われる……」

テクテク


真「……」

真(行っちゃった)

真「……プロデューサー。ボクは……」

真「ボクは、やよいと戦って……無事で済むんでしょうか……」

ガチャリ

悟空P「いやぁ~、参った参った」

真「!」

悟空P「待たせちまってわりぃな、マコト。高木のオッサンからどやされちまってよ」

悟空P「修行ばっかでなーんも仕事してねぇって怒られちまったよ」

真「……いいんです。それより、プロデューサー! はやく修行(レッスン)に行きましょう!」

悟空P「お? 今日はやる気あんなー、おめぇ!」

真「当然ですよ! 生きるためですから……!」

悟空P「その意気だぞ! それじゃあさっそく、朝の寒中水泳だ!」

真「はいっ!」

ザバァ

真「……ふぅ」

ポタポタ……

真「やっぱり、瀬戸内海横断はキッツいなぁ~」

悟空P「オラがガキの頃は、地球の裏側から泳いだことあったぞ」

真「へぇ~。ボクもそのうち、出来るようになりますかね?」

悟空P「もちろんだ! このペースでいけばあっという間だぞ!」

真「へへっ……! それを聞いて、俄然やる気が出てきましたよ! もう一泳ぎ、いっときましょう!」

悟空P「おー!」


真(ボクは……ほんの少しずつだけど、ちゃんと強くなっている……よね?)

都内、765プロ事務所前

バビュンッ……

キキーッ

真「おっとと。過ぎちゃうところだった」

悟空P「やるじゃねえかマコト! オラのスピードに着いてこれるなんて、なかなか出来ねぇぞ」

真「へへっ! まだまだいけますよ!」

悟空P「ま、朝の修行はこんなもんだな。休憩にすっぞ」

真「え……プロデューサー、まだ休憩は早いですよ! もうちょっと……」

悟空P「いーや、だめだ。オラ、じっちゃんに言われたこと思い出したからよ」

真「じっちゃん?」

悟空P「よく鍛え、よく学び、よく休む。これが亀仙流の修行の基本だ」

真「……」

悟空P「事務所っつーところには、寝るところもあったな。そこで一時間ばかり寝るぞ」

真「はい……」

仮眠室

悟空P「ぐがー……ぐがー……」

真「……」ムクリ

真「プロデューサーは、休めって言ったけど……」

真(休んでなんか、いられないよ)

真(少しでも、修行をしないと……やよいには勝てないんだから)


真「気のコントロールでもしてよっと……」

真「むむむ……」

雪歩「……真ちゃん?」

真「あ、雪歩! へへ、久しぶりだね」

雪歩「うん……」

真「……どうしたの? なんか、元気ないような」

雪歩「あ、ううん! そんなことないよ。……でも」

真「でも?」

雪歩「……真ちゃん、最近、いつもボロボロになって帰ってくるから……心配になっちゃって」

真「……大丈夫だよ。危ないことしてるわけじゃないからね」

真(そう、大丈夫……むしろ、もっともっとがんばらないと……)

真「心配してくれて、ありがとう、雪歩」

雪歩「うん……」

雪歩「……あ、それ、気のコントロールの練習してるの?」

真「!?」

真「……雪歩、気のこと、知っているのかい?」

雪歩「え? あぁっ! ここ、これはナイショだったんでしたぁ!」

真「え……」

雪歩「うぅ……こ、こんな私なんて……」

雪歩「18号プロデューサーとの約束も守れない、こんな私なんてぇ……」

雪歩「穴掘って、埋まってきますぅ~~!!」タタッ

真「ちょ、ちょっと待ってよ、雪歩ぉ!」

雪歩「え~い」


ドゴゴゴゴッ!!


真「――っ!」

真(事務所の床に、一瞬で巨穴が……素手で……)

真(たるき亭の小川さんが、こっちを見てビックリしてる……)

真「……」

雪歩「うぅ……ま、またやっちゃった……すん、すん」

真「……ねぇ、雪歩」

雪歩「え?」

真「今の……気、使ったよね?」

雪歩「う……うん……」

真「……やっぱり」


真(18号さんというのは、最近雪歩のプロデューサーになった女性だ)

真(なんでもボクのプロデューサーと同じように、天下一武道会に出禁になったらしく)

真(それで……)

『じゃあ代わりに金になる方法教えろよ、なるべくラクな奴で』

真(とミスターサタンに無理矢理頼みこんで、ここで働くことになったらしい)

雪歩「……気の使い方自体は、18号プロデューサーの旦那さんに教えてもらったんだ」

真「へぇ……」

雪歩「18号プロデューサーは、なんというか……よくわからない、怖い人だから」

真「でも、大丈夫なの? 旦那さんってことは、男の人じゃ」

雪歩「男の人だけど、クリリンさんは鼻がないから平気ですぅ」

真「そっか……鼻がないなら安心だね」

雪歩「……あの、真ちゃん。今のは、ナイショにしてくれる?」

真「気を使ったこと?」

雪歩「うん……18号プロデューサーに怒られちゃうから」

真「……いいよ。その代わり、ちょっとお願いがあるんだけど……」

雪歩「え? な、なに?」

真「ボクも、もっと気のコントロールがうまくなりたいんだ。だから……」

ゴニョゴニョ

数日後、カメハウス

真「よろしくお願いします!」

クリリン「うーん、まぁ、いいけど……でも、悟空の修行も受けてるんだろ?」

真「……でも、それだけじゃ足りないんです。気のコントロールについては、なんというか」

クリリン「ははは、まぁアイツは、細かいこと教えるのヘタだからな」

真「だから……」

クリリン(まっすぐな、真剣な眼差しだな……最近の若い子にしては珍しい)

クリリン「……よし、わかった! それじゃあさっそく……」


亀仙人「おっほ~! こりゃまたどエライかわい子ちゃんが来たもんだのぉ!」

18号「……」ジロ

亀仙人「じょ、ジョーダンじゃよ、ジョーダン……」

そのまた数日後

真「……!」グググ

シュバババ……

クリリン「……」ゴクリ


クリリン(真ちゃんがここに通うようになってから……約一週間か)

クリリン(なんて吸収力だ。悟空の修行も毎日受けているっていうのに、その疲れもものともしないで……)


真「うあっ!」

バシュン……

真「くぅ~、また失敗かぁ……クリリンさんみたいにうまくは行かないなぁ」


クリリン(気円斬の原型が、もう出来上がっている……)

クリリン(このセンス、悟天やトランクスを見ているようだな……)

クリリン「……」ソワソワ

クリリン(こういうのを見ていると、やっぱり血がさわぐな。武道家としての血が)


クリリン「真ちゃん」

真「は、はい……」

クリリン「少し休憩をしたら、ちょっと俺と組み手をしてみようか」

真「えぇ!?」

クリリン「なーに、本気は出さないよ。俺はこの場を動かないし、気を操る技も使わない」

スッ

クリリン「それに、この左手一本だけで戦うからさ」

真「……」


真(これは……ボクがどれだけ強くなったのかを試す、チャンスかもしれない)

真「……わかりました! よろしくお願いします!」

18号「おい、クリリン。いざとなったら……」

クリリン「……ああ。全力で止めてくれ」

18号「……アイドルの顔に、傷つけんじゃないわよ」

クリリン「わかってる……つもりだけどな。あはは……」



クリリン「よし……じゃあ、本気でかかってこいよ」

真「はい……!」

クリリン・真「「いざっ!」」

ダダッ!

真(クリリンさんと組み手を開始してから、どれだけ時間が経っただろう)

真(――気が付いたとき、ボクは……地面に組み伏せられていた)

真「くはぁっ……けほ、こほ!」

真(口の中に、砂が……それに、血の味もする)


真「……はぁ、はぁ……」

クリリン「……!」

真「ま……負けました……」

クリリン「……あ、ああ……」

真「って、あれ? クリリンさん、どうしてそこに……」


真(それじゃあ、今ボクは……)

18号「……ったく、無茶するんじゃないわよ」グググ

真「え……18号プロデューサー?」

18号「悪いね。邪魔しちゃってさ」

真「えっと……」

18号「でもここらで止めないと、アンタ、死んでたよ?」

真「ええ!? な、だって、クリリンさんは、手加減してくれてるんじゃ」

18号「……」

クリリン「ははは……ごめん、真ちゃん。本当は、俺の負けなんだ」

18号「このバカは、気を使いそうになったってわけ」

クリリン「真ちゃんの勢いにつられて、ついつい、な」

18号「ついじゃないわよ、ハゲチビオッサン」

ポカン

クリリン「あ痛っ! お、おい! もうハゲてないだろ!」

真「……ほ、ホントですか!?」

18号「……何よ、随分嬉しそうじゃん」

真「だって、あのクリリンさんに少しでも本気を出させるくらいまで、ボクは強くなってたってことでしょう!?」

18号「調子にのらない」

ピンッ

真「あ痛っ」

クリリン「……真ちゃん。もう俺が教えることはないかもな」

真「え……」

クリリン「これ以上先のことを俺が教えると、それは俺の戦い方の模倣になっちまうから」

クリリン「真ちゃんには、真ちゃんの戦い方がある。これからは、それを探していくんだ」

真「クリリンさん……」ジワァ

ゴシゴシ

真「……ありがとうございましたっ!」

真「お世話になりましたーっ!」

クリリン「おーう」

真「へへっ、それじゃあっ!」


ザバババババ


クリリン「……行ったか」

18号「あの子、もう舞空術使えるんでしょ?」

クリリン「ああ、まぁな。教えたから」

18号「なのにこうして泳いで帰るなんて、おかしな奴ね」

クリリン「……昔の悟空を見ているようだよ。ひたむきに修行、修行。そのことしか頭にないんだ」

クリリン(悟空……お前は、良い弟子を持ったみたいだな)

翌日、765プロ事務所

悟空P「マコト! 良いしらせがあっぞ!」

真「え、どうしたんですか?」

悟空P「天下一武道会の参加、出来るんだってよ!」

真「!」

悟空P「いやぁ~、サタンに頼みこんだ甲斐があったなぁ~!」

真「ほ、ホントですか……!」


真(プロデューサーが、初めてプロデューサーらしい仕事をしてくれた!)

真(天下一武道会は、年々参加者希望者が増えていっていたから、最近では予選なんかがあったらしい)

真(それでそのあと、予選を勝ち上がった者が更に現地で査定を行い、正式に出場となるらしいんだけど……)

真(プロデューサーのコネのおかげで、ボクは予選をスルーすることが出来たんだ!)

悟空P「大会まで、あと一ヶ月だ」

真「へへっ! それじゃあ、あとは修行あるのみ、ですね!」

悟空P「ああ! 今日もいっちょ、やるぞー!」

真「はいっ!」



……



一方その頃……

??「……なるほど。765プロめ、今度は天下一武道会か」

??「しかぁ~し! そんなことで奴らをトップアイドルになど、させはせんぞ!」

??「ハーハッハッハ! 最強の座は常に! どんな形であろうとも!」


黒井「この961プロのものであると決まっているのだ……!」

タッタッタ

真「はっ、はっ、はっ……」

…… ティーン ……

真「……あれ? なんだろ、今の……」

悟空P「……マコト」

真「プロデューサーも、何か感じましたか?」

悟空P「あぁ……どデカイ気が二つ、この近くで戦ってんな。悪い奴らの気じゃなさそうだけど」

真「……行ってみましょう」

悟空P「そうだな!」

天下一武道会 予選会場

ワァァァ!!

真「うわぁ、すっごい熱気だなぁ!」

悟空P「この感じ……やっぱりアイツか!」

真「え? プロデューサー、知ってる人なんですか?」

悟空P「あぁ、かたっぽはな。あと一人の方も……何度か感じたことある気だぞ」

真「それって……」


ドガァァァン!!


真「っ!」


パラ パラ……


悟天「いたたた……」

真「え!? ちっちゃいプロデューサー!?」

悟天「もー怒っちゃったもんねー! 女の子だからって、手加減しないぞっ!」

バビュンッ!

真「っ! は、速……!」

悟空P「でぇじょうぶか、マコト」

真「あ、はい……あの、今の子は」

悟空P「ああ、あれか? アイツは、オラの子どもだぞ。悟天っていうんだ」

真「えぇ!? 悟飯さん以外にも、まだお子さんがいたんですか……」

悟空P「まーな!」

真「……」

真(あの子、ずっと舞空術で浮かんでたし……あのスピード)

真(やっぱりこの人の血を引く者は、すごいんだなぁ)

ガヤガヤ……

真「ひ、人ごみで全然見えない……」

悟空P「空から見るしかねーかな。マコト、おめぇ、飛べっか?」

真「は、はい。ちょっとくらいなら……」

悟空P「よっしゃ、それじゃいっちょ行くか!」

バシュン ババシュンッ

観客「!?」



真「えーっと……戦ってるのは、悟天くんと……あとは」

真「――!?」

悟空P「ははっ! やーっぱアイツかぁ!」



やよい「ハイ、ターッチ! ターッチ!」

ドガガガガガ!!!

悟天「くぅっ……!」

悟空P「女の方が押してんなぁ……」

真「……」ゴクリ

悟空P「さすがべジータの修行を受けてるだけはあんな。さすがだぞ」

真「……お子さんが負けそうですけど、いいんですか?」

悟空P「ん? あぁ、いーんだいーんだ。勝負にそーいうのは関係ねーぞ」


やよい「うっうー!」

悟天「くそう……こうなったら――!」

ヴン……!

べジータP「悟天!!!!!!!!!!」

悟天「っ!」

シュゥゥ……

悟天「あ、あ、とと……」

やよい「えへへ……チャンスかもですーっ!」

バビュンッ

悟天「あわわ……」

やよい「いっきますよーっ! せーの……」

ゴゴゴゴ……


真(なんだろう、空からじゃよくわからないけど……地面が揺れている?)



やよい「キラメ……」


悟天「が、ガードしなきゃ……でも……!」


やよい「キラリッ!!!!!!」


カッ!!


悟天「あ、死――――…………

ズゴォォォン……

パラ、パラ……

悟天「はぁ、はぁ……」

悟天「……あれ? 生きてる?」


悟空P「ふぅ……あぶねぇとこだったぞ」

真「――……」

真(今の一瞬で……かすかに見えた)

真(やよいの手の平が光ったと思ったら……プロデューサーも、同じようにして……)

真(相殺したのか……?)


やよい「……」チラ

真「……!」ゾクゾク

真(――そのあとやよいは、ビックリしておしっこ漏らした悟天くんをポンと一突きして、場外へと押し出し勝利した)

真(悟天くんは負けたのがショックだったのか、泣きべそかきながら飛んでっちゃって……)

真(そして、ボクたちは……)


真「……おめでとう、やよい」

やよい「うっうー! ありがとうございまーっす!」


べジータP「余計な真似を……」

悟空P「おいおい、あのままやってたら、悟天だって無事じゃなかったぞ」

べジータP「フン、それくらい俺だってわかっている。貴様がやらなければ、俺が相殺していたところだ」

べジータP「俺の大切なアイドル、やよいちゃんを犯罪者にさせるわけにはいかないからな……」

悟空P「ははは……相変わらずやよい大好きだな、おめぇは」

べジータP「そもそも、貴様のところのガキはなんなんだ。こんな場所で超サイヤ人になりかけるなど!」

悟空P「丸くなったなぁ、べジータ。……わーるかったって! 帰ったらキツく言っとくからよ」

やよい「えへへ、真さん! よかったらこのあと、楽しい特売に――」

真「……」ザッ

やよい「あう……」

真(やよい……ごめんね)

真「行きましょう、プロデューサー。ボク達もまだ、修行の途中ですから」

悟空P「おお、わかったぞ」

やよい「……真さん……うぅ」

べジータP「チッ……メンドーな奴らだ」

べジータP「やよいちゃん。特売なら俺が着いて行ってやる。だから元気を出せ、この腰抜けめ」

やよい「はい……」

真「それじゃあ……またね、やよい」

真(ボクは……もっと、強くならないと)

真(そして、修行の日々は続いていった……)


真「よろしくお願いします!」

悟空P「おう、かかってこい!」

真「だありゃりゃりゃりゃ!!」

シュババババ

悟空P「よっ、ほっ、はっ! へへっ、まだまだだぞっ!」

真「ダイナマイトキーック!!」

悟空P「ほいっと」クイッ

ステン

真「あいたたたた……」


真(最近では、こうしてプロデューサーに直接稽古をつけてもらっている)

真(もちろん、プロデューサーは一切ボクに手を出さないし、まだ一発も当てられたことはないけど……)

チチ「精が出るだね、ふたりとも」

悟空P「おう、チチ!」

真「こ、こんにちは!」

チチ「おべんと、作ってきたから皆で食べるだよ」

悟空P「ははっ! サンキューな!」

真「ごちそうになりますっ! へへっ、これが楽しみなんだよなぁ~!」


真(チチさんとも、随分仲良くなった)

真(チチさんは強くて優しくて、年はナイショだって言われたけど、とっても綺麗で)

真(憧れちゃうなぁ……ボクもいつか、こんな奥さんになりたいだよ)

真(順調そうに見えた修行。確かにボクは、どんどん強くなっている)

真(でも、そんなある日……)

真(天下一武道会まで、あと三日と迫ったその日……事件は起こった)


真「……なんですって!?」

悟空P「ああ……」

真「……雪歩が……何者かに連れ去られた……?」

雪歩「そうなんですぅ……う、うぅ……」

ワロタ

雪歩「こわかったよぉ……真ちゃぁん……ぐすっ、ぐす」

真「そ、それで、何かひどいこととかされなかった?」

雪歩「うん……私、突然、知らない車に乗せられちゃって」

雪歩「そのまますぐ、無我夢中でブンブンしたら……」

雪歩「気が付いたら、車がスクラップになってて……」

真「そ、そう」

雪歩「ふぇぇん……な、何が起こったのか、全くわかんないですぅ……」

真「……」

18号P「……フン。犯人はわかってる」

真「18号プロデューサー!」

18号P「961プロって連中だよ。全く、卑怯なマネをするもんだ……」

悟空P・真「「961プロ?」」

18号P「表向きはただのアイドルプロダクション。でも、裏じゃ色んな卑怯なマネをしてるって有名だよ」

18号P「特にここ、765プロに対するやり方はひどいもんだ。たとえば……こうやって、妨害をしたりね」

真「妨害って言うと……」

18号P「大方、雪歩が天下一武道会に出場するって決まったから、邪魔したんだろう」

雪歩「う、うぅ……ぐすっ」

18号P「……雪歩、アンタ、大丈夫かい? 大会は三日後だよ?」

雪歩「……」フルフル

18号P「……ったく、しょうがないね。良い金になると思ったんだけど」

悟空P「18号、おめぇもガキが生まれてから丸くなったなぁ」

18号P「うるさいっつーの」

  _l_   _l_    `'ー、_____.                    rヘ、___LLl
   __|__/    __|__/        /                   __〉  ノ __                  
. (___|ノ`) (___|ノ`)     ./                 ま  (_,rヘ. \\\    __ ...  ---ー ' "  ̄
    、_     、_     ./   ,.. -:':':":':.ー:.、_      __l__ あ  /^l |  l   ̄       ---―
   l.__    l.__     /   ,.:.'::::::.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:`>:-、_ _人__    (_ノ `ー' __ nn,/l
  、___,)   、___,)   (___,.r':::::::.:.::.:.:.:.:.:.:::.:.:.:.:r::-:.-r、::ヽ  __l__    ,..r'" ̄ ≡ LLl / 二二二 _,...ニ.--、ニ
  _l_   _l_    ,/:::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:/^"^^`i;.:.:.:.:i,ヽ;:.| ノノj ヽ r<\_. -ーく  (_/ ーニニ /ィ  j_  /≡
   __|__/    __ |__/   /:::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:/     __':.:.:.:.:i. l::|  タ、  l1ヽ_ノ、_____三      ̄ー_. -‐- 、 ヽj Zノ
. (___|ノ`)  (___|ノ`)  |:::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:i' 'ニ   -`i.:.:.:.:i |/     / ,=、-  ,F   -=ーー='"     \- 'ーニ ー-
    、_     、_     ヽ;.:.:.:(|:.:.:.:.:.:l '"⌒  ⌒l:.:.:.:j    /  _ヽ `ー= 三三- ̄ ≡  7  /=/ヽ=   ー--
   l.__    l.__      >.:.:.:.:.:.:.:.i     ,  j:.:./        /  ̄      -ー =-  、-'__/  /ミ 
  、___,)   、___,)    /::::.:.:.:::::::iヽ;i  、-‐ァ ノ'i/       ,. -‐-、_  = ' ' ==-="~ ̄`'ー= -Z'ー'~_____
  _l_         /:::::.:.::.:.:.:.:.:.〉、_.、_  `" /:i       人_、/ ,└、_          ̄ "'=ニ-ー='~‐= `iヽ,_
   __|__/   _l_   |::::::::::.:.:.:.:.:ノ_/_j l T'┬'⌒ヽ      (、__j' / , ニl-  _             .r'ミ7 王.l‐i、
. (___|ノ`)   __ |__/  .ヽ::::::.:.:.:/-、 ヘ ̄ ̄`\  \     ヽァ`'ーく.r='ニ-    ̄ " ' ー-=-三ヽ ニ-( ̄ヽ / jーl=〉
  _l_  (___|ノ`)  _.〉:::./ー-、. 、. . .``ヽ :ヽ、 \   /   /               ヽj   ̄`'i―'"_ノ、ノニ
   __|__/    、_'"  /::::.:/    \ヽ: .\\\:.\ヽ ヽ,/   ≡三ニニ=-  - ニ ̄三ヽ=-_ `'ーー'^  ̄
 .(___|ノ`)   l.__  ./:::::::::;i      i. :i . : .ヽ: : :ヽ: :l       r=≡-        -ミ二`' =ヽニ
  _l_    、___,) .|::::::::::iヽ     ヽ: . : . : l.: . : .i.:ノl l     エニー ,.=r'" ̄ヽニ -、 -=  -' /.ノ= ー--
   __|__/       i、::::::::i ヽ     ヽ =、: .___,/ ノノ 、 ./- /=    iヘ-  ヽ、__,=-r'='-  __ ー
. (___|ノ`)       __|`ヘ:::j  \     ` 、;.//      `"  三   ヽ \ミノ三-、            ̄
           / /:. : ./: . :.ヽ  ヽ 、_'ー-ニー_,.==-、     ー '" ̄ヽ‐' ニ__     ,. -=ミ ̄`ヽ、_ ' ー‐ --
  ヽヽ ノ    ,r'  /: .、 . /: . :/. : \ ー -  ̄ニ/=ー_ \  ー ―=- ----ー―三三ミ、_   、__  ヽニz
   ー '    / /: . 、ヽ:\ . .ヽ、 : . :ヽ、  ニ-.ク r-r┐ \ \            ニニ     `ヽス_ミ
   / ̄/  | /_;_: . ヽ\\ \__\.: . : / 、 /l"l L/Lj   ヽノ^7=         ニ=-   ー 、__ =ノ_ノ.j= 
   /_/ /ヽj   \. r-ーく ̄ `く^'ヽr-、 lニニ ニニl  `ー'^ /ミ- ’"' ー - ----、 ___i   、_ __ミノ=/  __
  O   /ヘ    /-   'i、   ヽ | \r┐| .| くヽ 〈〉〈〉/7               ヒ, _ _ ,.ノ-   ー -  ̄

真「……っ」ギリッ

悟空P「マコト? おめぇ……」

真「許せない……961プロッ! 雪歩を泣かせるなんてッ!」

真「ボク、ちょっと壊滅させてきます!」

悟空P「待っ――」

バシュンッ

悟空P「……アイツ、いつの間にこんな速くなったんだ?」

18号P「追いかけなよ」

悟空P「……ああ」

18号P「くれぐれも、止めるだけにしときなよ。もし問題が起きたら……」

悟空P「わかってっぞ。オラだって、これでもいっぱしの社会人だからな」

悟空P「いつまでも昔のままのオラじゃねぇさ」

どのアイマス基準で想像したらええんだ?

ヒュルルル……


真「うぉおおおお!!」

バリーン!!

黒井「え……」


シュタッ

真「……」

黒井「……ぼ、ボンジュール、マドモヮゼル」

真「あなたが、社長ですね」

黒井「う、ウィ。いかにも、私がこのゴージャスで! セレブで! エーレガントなプロダクション、961プロの――」

真「」ガシッ

黒井「ひぃっ、殺されるぅっ!」

>>189
アイマス2基準で、Pと律子がプロデュースしていないアイドル達がこのSSの登場人物だと思ってもらえればおkです

ちょっとお昼悟飯食べる

真「そんなこと、するわけありませんよ。ボクは殺し屋なんかじゃなくて……」

黒井「……」

真「……アイドル、ですから!」

黒井「フンッ……! どこの世界に、空から降ってくるアイドルがいるというのだ……!」

真「高木社長も言っていました。これがアイドルの……新しい形なんですよ」

黒井「クソッ……高木の奴め、また適当なことを……!」

真「……――せたな」ブツブツ

黒井「……な、なんだ?」

真「ボクの親友をッ! 雪歩をッ!! 泣かせたなと言っているんだ!!!」

ビリビリビリ

――パリンッ…… パパリンッ!

黒井「――!」

黒井(窓がすべて……割れた……だと……!?)

黒井「あわわ……」ジョボボボ

真「一発殴らなきゃ、気がすみません……!」

グググ

黒井「ヒィッ! ま、待て!」

真「なんですか!?」

黒井「か、金か? 金が欲しいのならくれてやる。だから、命だけは」

真「だから、命なんていらないって言っているでしょう! ……ボクが欲しいのは、ただひとつだ」

黒井「な、なんだというのだ……!」

真「一言、謝ってくれればいいんです……!」

黒井「す、すまな――」

真「ボクにじゃないッ! へへっ、もういきますよ!」

ブンッ

黒井「あ――……

黒井(目の前 拳  速  逃  無理)

悟空P「待つんだッ!!!!」

真「」ピタ

悟空P「ったく……怒りすぎだぞ、マコト」

真「……プロデューサー……」

悟空P「おめぇが本気で殴ったら、そのおっちゃん、ホントに死んじまうぞ」

真「え……」

黒井「……あ……あ」

黒井(……なんだか知らんが……助かったようだな……)

悟空P「さ、帰っぞ」

真「でも……!」

悟空P「なーに、このお返しは天下一武道会ですればいいさ。ここの奴らも出るみてぇだしな」

真「……」

黒井「クッ……クックック……! ハーッハッハ!」

悟空P「なんだ、まだ元気あったのかおめぇ」

黒井「このまま帰らせると思うか!? 終わりだ、終わりだよ貴様らは!」

真「なんですって……!?」

黒井「監視カメラだよ! 貴様らの所業は、すべて記録されているのだ!」

真「……なっ……!」

黒井「クックック……これが警察に渡れば、どうなると思う?」

黒井「765プロの天下一武道会出場はもちろん……IA大賞へのノミネートも取り消しになるだろうなぁ……!」

真「なんだと……」

真(知らなかった……春香達、アイドルアカデミー大賞にすでにノミネートされていたのか!)

真(じゃなくて! ボク達だけじゃなく、春香達まで巻き添えで……!?)

黒井「ハーッハッハッハゴホッゴホゴホ!」

悟空P「なーんだ、そんなことか」

真「プロデューサー! なんだってことは……」

悟空P「いいから、もう帰っぞ。なーに、なんも心配ねぇよ」

真「でも――」

ビュンッ

黒井「ハーハッハ……え、消えた?」

黒井「……ふ、フン。まぁいい。765プロが破滅するのももう時間の問題――」

ガチャ

社員「黒井社長!」ダダッ

黒井「なんだ騒々しい」

社長「じ、実は先ほど……って、この部屋の有様は……」

黒井「……そんな瑣末なこと、どうでもいいのだ。簡潔に要件を言いたまえ、私の時間を無駄に浪費させるつもりか?」

社員「あ、は、はい。えーっと……アレは、なんと言ったらいいのか……」

黒井「さっさと言わんかこのグズめ!」

黒井いーち、にーい、さーん……このカウントが増えていくたびに貴様の給料は万単位で消えていくことになるぞ」

社員「ひぃっす、すみません! 簡潔に、簡潔に……」

黒井「……」イライラ


社員「……緑の肌をした化物が、社内に現れたのです!!!!」


黒井「……なんだと?」

社員「それで……フシギな力で社内の電気系統が、すべて破壊され……」

黒井「……フシギな力?」

社員「はい、こう、ひと睨みするだけでボカンと……ただいま、全力で復旧作業を……」

黒井「……監視カメラはどうなっている?」

社員「カメラ系統は、特に念入りに破壊されていたようです……」

黒井「では、この数分間で起きたことは……」

社員「おそらく、どの記録媒介にも残っていないかと……」

黒井「……もういい、下がりたまえ」



黒井「……」

黒井「ふぇええん……!」

社員「……失礼しました」

ガチャ

社員「……よっこらせ、っと」

スポン

高木社長「ふぅ……いやぁ、うまくいったよ」

ピッコロ「……よく出来た手品だな」

高木「君達には及ばないがね」

ピッコロ「オレたちの技は手品などではない!」

高木「ハッハッハ、わかっているよ。……しかし、黒井の奴も相当慌てていたようだな」

高木「あのような嘘に騙されるなど……」

ピッコロ「孫の頼みでここまで来たが……このビルごと破壊してしまってはいけないのか?」

高木「そういうわけにはいかん。あくまで、最低限だけ頼むよ君ィ」

ピッコロ「……チッ。仮にも神をこき使うとは、見上げた人間様だ……」

いや、神はデンデだろ

>>219
スマン
悟飯にも言われてるとおり、ピッコロさんは頭おかしいってことで

765プロ事務所

パッ

雪歩「あ……」

悟空P「帰ったぞー。いやぁ、おめぇの気は探しにくいなぁ」

雪歩「あう……よくわからないけど、ご、ごめんなさいですぅ」

真「……」

雪歩「真ちゃん……」

真「……雪歩。ごめん」

雪歩「え……?」

真「雪歩の仇、取れなかったよ……!」

雪歩「真ちゃん……私、死んでないけど……」

真「ごめんね……!」

ギュッ

雪歩「あ……えへへ……ま、まぁいいかな……♪」

悟空P「マコト。おめぇの気持ちはわかるけどな」

真「……っ」

悟空P「あのままだったら、たぶん大変なことになってたぞ」

真「……はい……」

悟空P「ま、次からがんばればいーって! 今頃ピッコロがなんとかしてくれてるはずだしな!」

真「……」


真(プロデューサーの言うとおりだ)

真(ボクは、感情に任せて……あんなことを)

真「プロデューサー!」

悟空P「ん?」

真「ボク……もう一度、一から出直したいです!」

真「体力や技は身につけたかもしれない……でも精神的にまだ未熟なままじゃ……ボクは」

真「やよいに……勝てない……!」

悟空P「……そっか」

真「でも、どうしたらいいんでしょうか……」

悟空P「……いい場所がある」

真「え?」

悟空「自分を見つめなおすのにうってつけの場所がな!」

悟空P「結構キツいとこだけど、今のおめぇならなんとかなんだろ!」

真「……」

真(プロデューサーほどの人が、キツイって……それって、どんな修行場所なんだろう……)

悟空P「覚悟はあっか?」

真「……」

雪歩「真ちゃん……」

真(雪歩……)

グッ

真「……お願いします! ボク、どんな困難も乗り越えてみせるって、あの時誓いましたから!」

悟空P「……わかった!」


真(――雪歩)

真(ボクは、強くなるよ)

真(もう伏目がちな昨日なんていらない……)

真(今日これから始まる……ボクの伝説のために……!)

――三日後 天下一武道会当日


ヒュルルルル……


バンッ バババンッ!


雪歩「わぁ……花火ですよ、18号プロデューサー」

18号P「何度きても、まるでお祭りだね」

サタン「ふんふんふ~ん♪ ……ってグワアア! あ、あなたは!!」

18号P「なんだ、うるさいチャンピオンだねぇ」

サタン「あ、ああ、あなた方はもう、出場禁止にしたじゃないですか……!」

18号P「私らは出やしないよ。というか、アンタがこんなところにいてもいいのかい?」

サタン「あ、はい……実は腰を痛めてしまいまして、今年は出場しないですよ」

サタン「で、これから開会の挨拶の打ち合わせに……」

18号P「ふぅん。じゃあ八百長相手のブゥも?」

サタン「いや、ブゥさんには例年通り……」

18号P「ブゥの出場、取り消しな」

サタン「……は……?」

18号P「あんたが出ないなら、アイツも出る必要ないだろ?」

サタン「いや、でも……」

18号P「何度も言わせるんじゃないよ。ミンチにされたいのかい?」ギロ

サタン「はっはいっ! ただいま!!」ダダッ

ガヤガヤ……

悟空P「しっかしまぁ、ホント人ばっかだなぁ」

雪歩「あの、孫プロデューサー……真ちゃんは……?」

悟空P「まだ来てねぇみたいだな」

雪歩「えぇえ!? も、もうすぐ査定が始まっちゃうのにぃ……!」

悟空P「大丈夫だって! アイツは嘘つかねぇから! あっはっは!」


……ピンポンパンポーン

『間も無く、査定を行います。予選を突破した選手の皆さんはDブロックへとお越しください』


雪歩「ほ、ほらぁ!」

悟空P「うーん、しかしなぁ……」

18号P「代わりに雪歩、パンチングマシーン殴ってくるかい?」

雪歩「うぇええ!? む、むむ、無理ですぅ! 気を使えたって、私、スコップがないとただの女の子なんですから……!」

雪歩「それに、私が真ちゃんの代わりなんて――」

悟空P「……お?」

雪歩「ふぇ?」


…… ティィィン ……


悟空P「ははっ! どうやら間に合ったみてぇだぞ」

雪歩「え、そ、それって――」


ダァァン!!!

モクモクモク……


雪歩「っ! けほ、こほ……」

??「お、お待たせしましたぁっ!」

雪歩「え……こ、この声は……!」

雪歩「真ちゃ……ん……?」

真「へへっ……間に合いましたか?」

悟空P「ああ、バッチリだぞ!」

雪歩「……」

真「あれ? 雪歩、どうしたんだい? そんな顔して」

雪歩「……あの……あなたは、真ちゃんだよね……?」

真「えぇ!? 雪歩、ボクの顔忘れちゃったの!?」

雪歩「あ、ううん、そうじゃないんだけど……なんか、雰囲気が」

真「あぁ、髪、伸びちゃったからかなぁ」

雪歩「……」

真「……でも、ボクはボクだよ。ほら、手、出して」

雪歩「え、手? ……こう?」スッ

真「うんっ! それじゃあ、いくよ!」スッ

真「お互いの拳を合わせて……」

雪歩「……! うん!」


真・雪歩「「だーんっ!」」

コツン


雪歩「えへへ……やっぱり、真ちゃんだ……」

真「へへー! だから言っただろ?」

18号P「……再会を喜んでるとこ、悪いけどね。もう時間だよ?」

真「えぇえ!?」

18号P「手続きは済ましてあるから、Dブロックへ急ぎな」

真「あぁっ、すみませんっ!! い、行ってきまーっす!」

Dブロック

ウッウー!

…… ドゴォォォン ……

真「……この音は」

スタッフ「……え、エントリーナンバー841……高槻やよい選手、合格です」

やよい「えへへ! ありがとうございましたーっ!」

真「おつかれ、やよい」

やよい「あれ? ……はわわっ、真さんですか!?」

真「あはは……そ、そんなに髪が長いとボクだってわかんないかなぁ。似合ってない?」

やよい「そんなことないですー! ちょっとビックリしちゃいましたけど……」

やよい「その髪型も、とーってもかわいいって思います! うっうー!」ピョン

真「へへっ、ありがとね、やよい!」

スタッフ「……次の選手の方、どうぞ」

やよい「真さんも、がんばってくださいっ!」

真「……うん!」

真「……スゥ……」

真(……イメージするんだ)

真(このパンチングマシーンを、全力で打ち抜くイメージ……)


ゴゴゴ……

選手A「……?」

選手B「なんだ? 揺れてる?」


真(思い出せ、今までの修行の日々を)

真(トップアイドルになるために頑張ってきた、これまでの道のりを……!)


真「……」

真「――ハッ!!!!」

18号P「――しかし、精神と時の部屋ねぇ。よく使わせてもらえたもんだよ」

雪歩「……精神と時の……なんですかぁ?」

18号P「アンタは知らなくてもいいの」

悟空P「ああ、実はオラもダメ元だったんだけどな! 占いババアが、いずれ真は世界を――」



バアアアアアアアアン!!!!


雪歩「ひぇっ!?」


コツン、コツン……


雪歩「な、なんか飛んできましたぁ……」

18号P「……これ。パンチングマシーンの破片だね。ほとんど原型残ってないけど」

悟空P「お! 真、やったみてぇだな!」

真「たはは……」

悟空P「おつかれさん、マコト!」

真「いやぁ~……やっちゃいました。合格は貰えましたけど……」

悟空P「気にすんなって! サタンがなんとかしてくれるはずだぞ!」

真「あんなにもろいなら、そう言ってくれればいいのに……」

悟空P「まぁ、機械は大体弱っちい奴だからな」

真「ホントですね!」

悟空P・真「あっはっは!」


雪歩(真ちゃん、すっかり孫プロデューサーみたいになってる……)

雪歩「ほ、本番も頑張ってね、真ちゃん」

真「ああ!」

雪歩「私、真ちゃんだけを応援してるから……えへへ」

18号P「そんなこと言って、いいのかい? あのオレンジも、出場するんだろ?」

雪歩「え? ……ああぁ! そそ、そうでしたぁ……やよいちゃんも……」

18号P「アンタがそんな風に思ってるって知ったら、あの子もガッカリするだろうね」

雪歩「うぇぇ……わ、私、どうしたら……!?」オロオロ

18号P「フフッ」

クリリン「……18号、あんまりいじめるなよ」

18号P「あぁ、いたのかい。チビ過ぎて気付かなかったよ」

クリリン「ぐっ……お前、天下一武道会で金稼げないってわかって、結構気にしてんな……?」

18号P「どーだかね」

真(プロデューサーとチチさんとはちょっと違うけど……このふたりも、息ぴったりって感じだなぁ)

悟空P「しっかしマコト、その髪、長すぎんぞ。オラが切ってやるよ」

真「えぇ!? い、いいですよ……ここまで伸ばしたの、初めてだし」

悟空P「でもよぉ。髪引っ張られたりして、邪魔になるぞ」

真「でも……」

悟空P「だーいじょうぶだって! こう見えてもオラ、悟飯の髪を切ってやったこともあんだから!」

クリリン「悟空、女の子に刈り上げするつもりか?」

真「刈り上げぇ!?」

雪歩「そそ、そんなの絶対ダメですぅ!」

高木「話は聞かせてもらった!」

みんな「!?」

高木「ウォッホン! いやはや、ようやくここまでこれた」

高木「こんなこともあろうかと、スタイリストを呼んであるのだよ!」

真「社長……そっちは、もういいんですか?」

高木「……あぁ、心配ない。彼女達は最高の結果を残してくれた」

真「そ、そうですか……!」

真(実は今日……この天下一武道会の日は、アイドルアカデミー大賞グランドファイナルの日でもあったんだ)

真(……そして、春香達は……)


真「そっか……そっか……!」


真(――あの日、ボクと春香は誓いあった)


『お互い道は違うけど、目指すところは一緒――トップアイドルだ!』

『うん! そしていつか……』

『『この事務所に、世界最強の証である、優勝トロフィーを……!』』


真(だいたいこんな感じで……)



真「……ボクも、負けていられないな!」

真「スタイリストさん! お願いします!」

雪歩「真ちゃん……えへへ、よく似合ってるよ」

真「そ、そう? ちょっと切りすぎた感じがするんだけど」

雪歩「ううん、そんなことない。無印の頃の真ちゃんみたいで……すごく可愛いよ」

真「……へへっ」


ピンポンパンポーン

『お集まりの皆さま、大変お待たせしました』

『間も無く、第765回、天下一会を開催します』


シュルルル…… パンッ パパパンツ

パチパチパチ……


『出場選手の皆さまは、10分後にAブロックまでお越しください――』


真「……よしっ!」

悟空P「楽しんでくんだぞ、マコト!」

真「もっちろんです!」

―――
――


真「……」

真「まさか、こんなことになるなんて……」


真(抽選を引き、トーナメントの組み合わせが決まった)

真(……そして決まったボクの、最初の相手は……なんと)



北斗「……」ゴゴゴ

真「……誰?」

チャオ☆

北斗「チャオ☆ エンジェルちゃん……」

真「……」

真(軽薄そうな人だなぁ)

北斗「俺としては、こんな大会なんて出たくもなかったんだけど……」

北斗「冬馬が天下一武道会の大ファンでね。アイドルを引退したって、これだけは出るって聞かなかったんだよ」

真「……何を言っているんですか?」

北斗「あぁ、こっちの話」

真「……」

真(べつに、何をされたってわけじゃないけど)

真(この人は、なんとなく苦手だな……)

北斗「でも、安心してね。ケガをさせるつもりは一切ないよ。俺はすぐ、場外に行って負けてあげるから」

真「……」

真(……こんなこと言って、油断させる作戦だな? そんな手には乗らないぞ!)

『それでは両選手……見合って見合って……』


真「……」

北斗「……」

真(これが、最初の試合……こんなところで負けてたまるか! 絶対、勝ってやるぞ!)


『ファイッ!』

カーンッ


北斗「それじゃあまたね、チャオ☆」

真(背中を見せた!? なんの技を出すかわからないけど……)

北斗「……」テクテク

真「……先手必勝だぁああああああ!!!!」

北斗「えっ……」

――おい、タンカだ!

ケガ人が通るぞー!


北斗「」ボロ……

真「あの……」

北斗「フ、フフ」

真「なんか……すみません」

北斗「いいんだよ……あんなに熱いアプローチを受けたのは、初めてだった……」

真「あ、そういうつもりじゃ……」

北斗「ハハッ……君とは……違う……かたち……で……」

ガクッ

北斗「」

真「あ……」

『……伊集院選手は……生きてるな? うん、よし、それなら……』

『勝者……765プロダクション所属、菊地真選手!』

ワァァァ!

真「あ、どーも、どーもどーも……えへへ」

真(なにはともあれ、まずは一勝……よし、ここからもこの調子で――)

ヒュルルルル……

ズガァァァア!!

真「!?」

真(な、なんだ? 別会場から、何か飛んできた!?)

翔太「う、うぅ……」

真(……誰? 随分ズタボロだけど……)

翔太「……う……うっうー……」

真「うっうー?」

翔太「ひぃぃ! ごご、ごめんなさーい!」

ダッダッダ

真「……あ、行っちゃった」


『……しょ、勝者……高槻やよい選手……!』

ワァァァ……!


真(別の会場から、アナウンスが聞こえてくる……)

真(……もしかして、やよいの対戦相手だったのかな?)

18号P「どうやら、あれが961プロの隠し玉だったらしいね」

真「へぇ~」

18号P「アイツら、なんやかんやあって今は961プロを辞めたらしいんだけど……」

18号P「元々961プロのコネで出場できることになってて、それでそのまま。金の力ってやつさ」

真「……ってことは、舞闘の実力は」

クリリン「無いに等しかっただろうなぁ。ついこないだまで、アイドルやってたみたいだし」

真「ぼ、ボクもアイドルですよ?」

クリリン「あぁそうだった、悪い悪い!」

悟空P「まーいいじゃねーか、細けぇことは! それより勝利記念に飯だ、飯!」

真「あ、いいですね! 今いきまーす!」


真(――とにかく、まずは一勝! ここからも油断せずに頑張ろう!)

真(その後もボクは、順調に勝ち進み……)


ドゴォ

冬馬「フゴッ」


真(迫り来る強敵を、難なく倒していった)


ズブリ

涼「あひぃん」


真(そして――)


ドカァァン

ヤムチャ「グワアア!!」


真(――ついに、このときが来たんだ!)

ピンポンパンポーン

『……これより20分の休憩を挟み、決勝戦を開始いたします』

ワァァァ……!


真「……」

悟空P「ついに来たな……」

真「ええ……」

悟空P「調子はどーだ?」

真「……」グッグッ

真「バッチリですよ! へへっ、はやくやりたくてウズウズしています……!」

悟空P「実はよ、すっかり忘れてたんだけど……おめぇにプレゼントがあるんだ」

真「え? プレゼントですか?」

悟空P「ああ。ブルマに作ってもらってよ。これだ」スッ

真「ホイポイカプセル……な、中身を見てもいいですか?」

悟空P「もっちろんだぞ!」

真「へへっ……なんだろうな。えいっ」

カチ……

ボシュン

真「! こ、これ……!」

悟空P「オラとおそろいの胴着――いや、ちげぇな」

真「え? 違うって、じゃ、じゃあこれは……?」

悟空P「これはよ、オラからおめぇにやる……最初で最後の、ステージ衣装だ!」

真「……!」ブワァ

悟空P「お、おいおい! 泣くことねぇだろ! いやだったか?」

真「……ずるいですよ、こんなの」

悟空P「へ?」

真「嬉しいです……色も、ボクのイメージカラーで……」

真「フリフリもついてて……ボク好みです……!」

悟空P「……へへ」

真「……」

ゴシゴシ

真「……プロデューサーに、見せてあげますね!」

真「ボクが演じる……最高の、ステージを……!」

悟空P「おう! 楽しみにしてっぞ!」

ワァァァ……!


真「……」

真(プロデューサー……)

真(思えば、これまで色々とあったけど……プロデューサーは、いつだってボクの味方でいてくれた)

真(時には厳しく、時には優しく……ボクが道を踏み外しそうなときも、助けてくれて……)


ドックン…… ドックン……


真(体が熱い)

真(血がたぎっているんだ)

真(そう……たとえ、血の繋がりはなくても、プロデューサー……)

真(――いや、悟空さんは……いつもボクのそばにいる!)

真(このボクにも……サイヤ人の血は、戦闘民族の意志は……こんなにも熱く、流れているんだ!)

真(悟空さん! ボクはなります! ……トップアイドルに!!)

『……それでは、開始いたします』


やよい「……」ゴゴゴゴ

真「……」


『第765回、天下一武道会決勝……』

『世界最強の座は、どちらの少女の手に渡るのか!!』


真「……やよい」

やよい「……なんですかー?」

真「……思いっきり、楽しもうね!」

やよい「! はいっ! もっちろんですーっ!」ピョン


『――ファイッ!!!!』

カーンッ!

タンッ……

やよい「――っ!」

真「……だあありゃっ!」

やよい(真さん、ひとっ飛びで私の間合いに……!)


真(これまで何度か見たから、わかる)

真(やよいが得意とするのは、中、長距離戦)

真(キラメキラリには一瞬のラグがある……それなら!)


真「距離を……詰めるッ!」

やよい「……えへへ」

真「……!」ゾクリ

やよい「ハイ――」

真「……くっ……」

やよい「ターーッチ!!!!!」

ドゴゴゴォォ!!!

真「……っ!」

ビリビリビリッ……

真(……ハイターッチが来る、それはわかっていた)

真(だからあらかじめ、いつでもガードの体勢が取れるようにして……)

真(そこからカウンターを……と、思っていたのに)


真「へへっ……威力を上げたね、やよい……!」

やよい「――まだです」

真「……!?」

やよい「いぇいッッ!!!!」

ガガガガッ!!!

真「かはっ……!」

真(二弾目……だって……!?)

ワァァ……!

べジータP「……いいぞ、やよいちゃん!」

悟空P「たまげたなぁ……前見たハイタッチとちげぇじゃねえか」

べジータP「フン、いつまでも昔のままのやよいちゃんであると思われては困る」

悟空P「……」

悟空P(一回目のタッチで体勢を崩し、二回目のいぇい! で突き上げるのか)

悟空P(チビすけだからこそ出来る技だな)

悟空P(まじいぞ、真。空は……!)

真(マズイ! 浅かったからダメージこそ深刻じゃないけど……!)

真(打ち上げられ、体勢も……!)


やよい「――」

ゴゴゴゴ……

真「……!!!」

真(あの口の動き、そして構え……気が、やよいのまわりに集まっている。……アレは――)

やよい「……――ックワクテカカ……えへへ……」


やよい「キラメ……」


真「……!!!」


やよい「キラリ!!」


カッ!!!!

バシュゥゥゥン…… 
 
 
ざわ……


     ざわ……


クリリン「な……な……!?」

雪歩「え、え……? な、何がどうなって……!?」

クリリン「……」ワナワナ

クリリン(キラメキラリ、とか言ったか……?)

クリリン(あの技……可愛らしい名前して……その実、めちゃくちゃ凶悪じゃねぇか……!)

クリリン(あれはまるで――)



悟空P「……あれは」

べジータP「気が付いたか……あれは」ニヤリ


べジータP「ビッグバンアタックだ」

雪歩「まっ、真ちゃんは……?」

クリリン「……!」ハッ

雪歩「真ちゃんはどこいっちゃったんですか!? ねぇ、クリリンさん!!」

クリリン「お、落ち着け! そんなんじゃ気も探れ――」



悟空P「……まぁ」

べジータP「……フン」

悟空P「仕込んでたのは、おめぇだけじゃないけどな!」



やよい「……――」ゾクリ

やよい(えっ!!?)

真「だああああありゃりゃりゃ!!!!」

スバババババ!!!

やよい「な、なんで……」

やよい「なんで真さん、そこにいるんですかっ!?」

ガッ ガガガ!!

真「へへー! 良い技、教えてもらったんだもんね!」

やよい「……! ……! ……ぜーったい、避けられないはずなのに!」

真「それじゃあ、もう一回……見せてあげるよッッ!!」

スッ……

ヴンッ!!

やよい「!? き、消え――」


真「うしろだよ、やよい」

やよい「――っ」

真「さっきのお返しだ!! だーんっ!!!!」

ドゴォォォン!!!!

べジータP「瞬間移動か……こしゃくなマネを」

悟空P「でもよぉ、わかってたから、おめぇも止めなかったんだろ?」

べジータP「……フン」

悟空P「へへっ! 勝負はまだまだこれからだぞっ!」

 
やよい「……っ!」

真(入った……!)

フワッ

真(よし……浮いたところを、ボクもあの技で……!)

やよい「……そっか」

真「――え?」

やよい「わっかりましたー! それじゃあ私、今から……」

真「……」


戦闘用の戦い方、します


真(……と、言ったような気がした)

真(よく聞き取れなかったのは、歓声のせい、集中力のせい)

真(そしてなにより――)

真「かはっ……!」

真(気が付いたときには、ボクの体が地面に叩きつけられていたからだ――)


やよい「」

真「……」

やよい「」ボソッ

真(……マズイ)

やよい「キラメキラリ」

真「……速――」


――ドゴォォン……!!

悟空P「……!」ガタッ

クリリン「お、おい、悟空、落ち着け!」

悟空P「ああ……わりぃ……」

クリリン「まだ息はある……ここでお前が割り込んだら、あの子は失格になっちまうぞ!」

悟空P「……」

悟空P(マコト……! がんばれ……!)


真「……」

真(……ああ。いま、ボクは……どんな状態なんだ?)

真(空が高い。雲がぷかぷか浮かんで……良い天気だ……)

真(地面……コンクリートが冷たくて、気持ちいい……)

真(……耳に入るのは、お客さんの声、花火の音)

真(そして――)


カツ、カツ……


真(やよいの足音)

真(――ボクは、ここで……やられるのか?)

真(……そうだよね。だってもう、体が……動かない)

真(口で、ギブアップって言えば……少しは、マシな状態で終われるかな)


真(――そうだよ)

真(これ以上、痛い思いをすることはないよ)

真(だってもう……こんなに、頑張ったじゃないか)


真(へへっ……トップアイドルには、なれなかったけど)

真(でも……これまで、頑張ってきたこと。それは、大事に、ボクの中に残るもんね)

真(やよいがトップアイドル……それでいいじゃないか)


真(……トップアイドル……)


真「う、うぅ……!」

ポロポロ……

真(今までいくら、つらくても……痛い思いをしても、涙は流さなかったのに)

真(今、ボクは……ボクの心は、こんなにも、苦しい……)

真(……あの日、約束したんだ)


…… お互い道は違うけど、目指すところはいっしょ、トップアイドルだ ……


真(それなのに、ボクは……!!)



春香「――真っ!!!!」



ざわ……

     ざわ……

真「え……?」

春香「諦めちゃダメだよ! 真!!」

真「はる……か……?」

春香「約束したでしょう! あの日、私達は!!」


ざわ…… ざわ……

おい、あれ……そうだよ、IA大賞を受賞した……

トップアイドルの……


春香「ああもうっ、離してください! わ、私はまこ……と……に」


真「……! ……!」

グ、ググ……


春香「……ふふ」

春香「それでこそ、真だよ」

春香「いつだって頑張りやで、負けず嫌いで……そして……!」

悟空P「……そうだ」

悟空P「アイツは、いつだってそうなんだぞ。どんなことがあったって、マコトは……」


 「「諦めない!!」」


真「……はぁ、はぁ……!!」

やよい「……えへへ」

真「ごめんね、おまたせ、やよい……」

やよい「だいじょうぶですか?」

真「へへっ……正直、ボロボロだよ……」



真「……でもね……」

真「こうして、応援してくれる人達がいる限り……そばにいてくれる、仲間がいる限り……」

真「ボクの心は、絶対に折れない……! そうだ!!」



真「ボクは決して……諦めない!!!」

夜悟飯食べる

 
真「――行くよッ!!」

やよい「はーい!!」


――…… キィィン ……――


シュバババッババ!!!

        ガンッ ガガガンッ!!!


真(……考えろ!)

真(時間を与えちゃダメだ。少しでも隙を見せたら、距離を置かれ、またキラメキラリが来る)

真(やよいの打撃は、ハイタッチこそもろに喰らうとヤバイけど、こうしたインファイトでの一手一手はそれほどでもない)

真(体力や丈夫さなら、自信がある! 隙を与えずに打ち合いながら……考えるんだ!!)

真(どうしたら、勝てるかを……!!)

 
やよい「……っ」

――タンッ

真(バックステップ!? 織り交ぜてきた……!)

真(それなら――)

やよい「……えへ」

真「……!」ゾクゾク

真(安易に距離を詰めるな! ここは……!)

スッ……


べジータP「……瞬間移動!」

悟空P「よし、いいぞ! そっからうしろを……」


ヴンッ!!


やよい「――うしろですねッ!!!」ブンッ


悟空P「!?」

 
スカッ

やよい「……――っ!」

やよい(そんな……いないですーっ!)


真「……わかっていたよ、やよい」

やよい「ま……こ……と……さん」

真「わざと隙をつくっていることくらい、わかってた」

真「誘っていることも」

真「……だからボクは――」

やよい(――……上……!)


悟空P「自分から……」

べジータP「空に飛んだ……だと?」

 
やよい(でも、そんなことしたら――)

真(そう。キラメキラリがくる)

やよい(真さん、キラメキラリがくるってわかってるはずなのに)

真(――わかってる。だからこそ、だよ)

やよい(私よりはやく、何かをしかけられるのかな? 気を溜める時間もなさそうだけど……)

真(気を溜める時間はない、だから大技は出せない)

やよい(……)


やよい「」グッ


真(やよいと、目が逢う瞬間――ボクは、この瞬間を待っていた)

真(キラメキラリを撃つために、一瞬だけ、こちらを見るこの瞬間(とき)を――!!)


真「……技を借りるぞ!! 伊織!!!!」


真「太陽拳!!!!!!!」

 
―― カッ

やよい「……――――」


……ヴンッ!


やよい(あ――……うし……ろ……)


真「へへっ……」

やよい「……!」

真「遅い!!」


真「だーん!!!!」


 ダァァァァン!!!!

 
真(入った……! 渾身のだーん!)


やよい「……っ!!」

真「――!」


真(吹っ飛んだけど……効いてない……!?)

やよい「えへへ……」

真(なに……を……)


やよい「――ったい、ハッピー」

 いち、に♪

やよい「ぜーっんたい、ハッピー」

 さ、し♪

真(これは――)


やよい「スマイル体操、いっくよーー!!!」

 
やよい「えっへへー!」

ヴンッ

真「くっ……速い!!」

やよい「世界じゅーう 笑顔に なぁれ♪」


――バババッ

      バババ!!!


真(これは……歌……)

真(歌うことで、気の量が格段に上がって――)


やよい「アッハッハッハ!!!」


真(両手……キラメキラリ……?)

真(いや、違う……あれは……)


やよい「ファイナルフラッシュ!!!!!」

 
真(……目の前に……光……)

真(あ……これはもう……さすがに、避けられ……)

真(瞬間移動も、もう――)



悟空P「……諦めるな!!! マコト!!!」



真(え……?)



悟空P「おめぇも両手を出せ!! いまのおめぇなら、出来るはずだ!!!」


真(……できるって、なにが――)


――ティン


真「――!!」

 
真「……!」

バッ

真「……ふぉぉぉぉぉおおおお!!!!!」


クリリン「な――」

クリリン「アイツ……あの構えは……」


真「――か」


真「め」


真「は」


真「め……!!」



真「波ァァァァ!!!!!!」

ここまで読んだら鳥山絵の真が段々脳裏に浮かんできた
やよいはもうちょっとイメージトレーニングしないと難しそう

 
 
 
ドガァァァァン!!! 



真「ぐぬぬ……!」

やよい「……うぅ……!」


ギュインギュインギュイン……!



クリリン「ふたつのエネルギー波が……押し合ってやがる……!」

雪歩「真ちゃん……!」

春香「……真……!」

悟空P「マコト……!!」


  「「がんばれ……!!」」

 
真(――なんて、重い)

真(重くて、思い)

真(そうだ……やよいだって、今まで……色んな思いを抱えて、ここまで頑張ってきたんだもんね)


やよい「……うっうー!!!」


真(でもそれは、ボクだって同じだ!!)

真(ひとりでは、出来ないこと……仲間とだから、出来ること……!)

真(たったひとりでは、ここまで来れなかった!)


真(春香が……雪歩が……)

真(そして……プロデューサー……悟空さんが!)

真(――みんながいたから、みんながいるから……ボクは……ボクは……!)


真「何倍だって……強くなれるんだぁぁぁぁぁああああ!!!」


――ヴンッ!!!!

 
クリリン「あ、あ、あ……あれ……!!」

雪歩「真ちゃん……赤く、光って……!?」


べジータP「カカロット、貴様……!」

悟空P「は、はは……オラ、さすがにあれだけは教えてねぇよ」

悟空P「あれは……アイツがいま、この場で思いついたんだ……!!」



真「うおおおおおお!!!」

やよい「――!!!」



悟空P「……アイツは、ほんとに……天才なのかもな!」

悟空P「ありゃ……紛れもなく」


悟空P「界王拳だ……!!」

 
 
 
――…… シーン




『……え? もう大丈夫? あ、はい……』

『ゴホン! えぇと……今まで隠れてしまっていましたが、私、実況です』


『……しょ、勝敗はどうなったのでしょうか!!?』

モクモクモク……


『ようやく視界が晴れて参りました……菊地真選手は……』


真「……」


『……! 倒れています! ということは、優勝は――』

悟空P「おいおい、まだはぇーんじゃねえか?」

『え? ……あぁっ!』


やよい「……」


『高槻やよい選手も、同様に……』

『両者! 両者ノックアウトですっ!!』

優勝したもんねー!

 
『か、カウントを取りましょう!』

『……ワン、ツー……』


真「……」

真(ダメだ)

真(か、体が……動かない)


『スリー……フォー……』


真(無我夢中で、なんか……すっごい力が出たけど……)

真(あれ……たぶん、使っちゃいけない技だったんだ……)


『ファイブ……シックス……セブン……』


真(……カウントが)

真(た、立たなきゃ……! でも……!)

『エイト……』


真(あ、あ、あ……)

真(た、立つんだ……! 立ってくれぇ……!)


『ナイン……』


真「ぐ、ぐぐぐ……!」

真(立て、立て立て立て! 起き上がるんだ! ボクの体……!)


『――テン!!』

カンカンカン!!!!


真(あ――)

真(そ、そんな……ここまで、きたのに……!)

真(ボクの……負――

 
『――両者、ノックアウトのまま、起き上がれず!!!』


真「え……」


『ということは、優勝は……先に起き上がり、勝利を宣言した者ということになりますっ!!』


真「やよい……は……?」

やよい「……! ……!」グググ

真(! あっちもまだ、起き上がれてない……!)



真「……へへっ、それなら……!!」



ぐ、ぐぐ……!

終わらないと眠れない
辛い

 
真「くそう……でも、体が……」

グググ……

真「はぁ、はぁっ……!」

真(や、やっぱり……うごかな――


悟空P「マコト!」


真「え……」


悟空P「……ちっとでいい、まわりを見てみろ!」


真「まわ……り……?」


 ……がんばれー!

     ふたりとも、諦めないでー!

   立て、真ー!

             やよいちゃーん! 結婚してくれー!

 
真「――これ……」


真(会場が……紫とオレンジのサイリウムで、埋め尽くされて……)※

真(……まるで、これは……)



真(ライブ会場――)



悟空P「……オラに、見せてくれんだろ?」

悟空P「おめぇの、最高のステージってやつをよ!」

真「……!!!」


真(……そうだ、そうなんだ)

真(約束、したんだ……!!)

真(……プロデューサー、ボクは……!)

 
真「……ボクは……」


ぐぐっ……


真「アイドルだ……! そして……!!」


ざわ……

 ざわわんっ……



真「……トップアイドルに、なるんだ!!!」


『――た、立ち上がりました!! 菊地真選手、ついに……!』

『高槻やよい選手よりも、先に……立ち上がりましたぁぁ!!!』


真「はぁ、はぁ……!!」

真(……あとは、勝利……宣言を……!!)

真「……やよい……」

やよい「……えへへ」

真「……」

やよい「    」

真「……うん!!」


真(やよい……ありがとう)

真(口の動きだけで、声は出てなかったけど……伝わったよ)


――…… お・め・で・と・う ……――


真「……」

スゥ……

真「……――しょう……」



真「……優勝したもんねー!!!!!!!!!!」

ワァァァァァアアア!!!!

 
真(――こうして、ボクは)

真(ずっとずっと夢見ていた、天下一武道会で優勝を果たし……)

真(晴れて、トップアイドルとして世界中から認められる存在になった)


真(鳴り止まない拍手)

真(耳に響き渡る、祝辞)

真(たくさんの人の、笑顔、笑顔、笑顔……)


真(それらを大切に、一個一個、ボクは拾っていき……)

真(みんなといっしょに、いつまでも泣き、そして……笑った)

真(ありがとう、みんな……!)

アイマスおもしろそうだな

>>412
ソーシャルで手軽にやれるからオススメだよ

 
真(……でも)

真(ボクは少し、浮かれすぎていたみたいだ)


真(ひとつだけ……ひとつだけ、足りない)

真(誰よりも、あの人から、お祝いの言葉が欲しかったはずなのに)

真(そのことに気付いたのは……優勝トロフィーを受け取り、救護室にいるやよいの様子を見に行ったときだった)



真「……悟空さん?」

真「悟空さんは、どこに……?」

やよい「……」

真「そういえば、やよいのプロデューサー……べジータさんも……」

やよい「あの……真さん」

真「……やよいは、何か知っているのかい?」

―――
――


悟空「……」

18号「いいのかい? お別れの言葉も言わずにさ」

悟空「……ああ、いいんだ。湿っぽいのは苦手だしよ」

べジータ「……フン」

18号「ったく……そろいもそろって、メンドくさい性格してんね」

クリリン「18号こそ……へへ」

18号「私は別に、どうでもいいさ。金にならないってわかったしね」

悟空「……さ、帰っぞ!」

 
バシュン……

真「……待ってください!!」

悟空「へ? お、おめぇ……」

真「どこに帰るって言うんですか!? 教えてください!!」

べジータ「カカロット、貴様……」

悟空「たはは……瞬間移動を教えたのがまずかったっぺえな」

べジータ「チッ……」

悟空「……マコト」

真「……」

悟空「オラたちはな、ホントは『この地球』にいちゃいけないんだってよ」

真「え……?」

 
悟空「オラにもよくわかんねーんだけど……『この地球』にいる神龍がよ、願いを叶えてくれたんだと」

真「神龍……?」

悟空「だからおめぇたちの記憶には、地球が何度も危なくなったことも、ブウのこともねぇ」

真「……ブウ……地球が、って……?」

悟空「この地球にいる、どっかの誰かが、こう願ったんだよ」


『輝くステージに、私も立ちたい』


悟空「――ってさ」

真「……」

悟空「オラ達がホントに住んでいる世界は、こことそっくりで、それでも全然違う場所なんだ」

悟空「それで、その誰かさんはなぜか、オラ達のことをよく知っていて……それでな」

真「……で、でも……悟空さんの家とか……」

悟空「む、難しいことはよくわかんねーって言っただろ? 神龍が色々、作り変えてくれたんだよ……たぶん」

 
真「……納得いきません」

悟空「だよなぁ……あはは」

真「じゃ、じゃあ、これは夢だったっていうんですか!?」

悟空「……いいや、ちげぇよ」

真「え……」

悟空「おめぇが頑張ったこと、努力したこと……それは、確かにおめぇの心に残ったんだ」

真「そ……んな……」

真「そんな綺麗ごとで、納得できると思いますか!!」

真「ボクは……ボクは……!」

ポロポロ……

真「あなたと……一緒に……!!」

 
べジータ「……おい、カカロット」

悟空「ああ……願いは、叶ったみてぇだな」

真「……?」

悟空「もうお別れの時間だぞ」

真「そ、そんな……!」


悟空「マコト」

真「え……」


悟空「おめぇは、もう前までのおめぇじゃねえ」

悟空「プロデューサーに選ばれなく、いつまでもくすぶっているままのおめぇじゃねえ」

悟空「……最後のステージ、すっげぇかっこよかったぞ!」

 
悟空「……じゃあな!」

真「ま……待ってください! まっ……」


スカッ……


真「……! ――さん」

真「……悟空さん……!!」


真「ボクは……ボクはぁ……!!」

真「うわあああああん!!!!」

DBの雰囲気からいきなりGTの雰囲気になったぞ

 
―――
――



真「悟空さん!!」

ガバッ

真「……」


真(――目が覚めて、最初に気付いたのは)

真(涙が、流れていることだった)


真「……」グッ


真(力を入れても、いくら集中しても)

真(ボクの手の平からは、もう気は出なかった)

真(……やっぱりあれは……夢……だったの、かな)

 
真「……!」

真「これ、は……!」

ゴシゴシ

真「……へへっ」


真「……うん、そうだよね。そうだ……」

真「最後に、あの人が言っていた」


真「……心に、残るんだ」

真「ボクと、あの人の……あの大切な日々は……!」

765プロ事務所

ガチャ

真「おはようございまーっす!」

春香「あ、おはよう、真!」

真「や、春香! 調子はどう?」

春香「うん、絶好調って感じ! ……あ、そういえばね、プロデューサーさんが……」

真「え? プロデューサー?」

春香「えっとね……今度、クインテッドライブをやりたいんだって。それで、もし良かったら……」

真「! も、もしかして、ボクが!?」

春香「うん!」

真「そっかぁ~……へへっ! もちろん、お引き受けするよ!」

 
春香「よかったぁ~……やよいにはオッケーもらったから、あとは真だけだったんだよね」

真「やよいも出るの!?」

春香「え、う、うん。そうだけど……」

真「……」

春香「……真、なんか、嬉しそうだね?」

真「そりゃそうだよ! よーっし、燃えてきたぞー! 頑張ろうね、春香!」

春香「うん!」


真(こうやって、変わらずに日々は過ぎていく)

真(――でも少しずつ、ボクの心は、変わっていく)

真(それはきっと……あなたがくれた、プレゼントのおかげです)

 
真「春香、提案があるんだけど……」

春香「どうしたの?」

真「今度のそのライブのステージ衣装にさ、これ、どうかな!?」

ガサゴソ

真「じゃーん!」

春香「え……な、なにこれ?」

真「かわいいだろー?」

春香「そ、そうかなぁ~……まあ、一応、プロデューサーさんに言ってみるね」

真「うん! よろしくね!」

春香「……でもそれ、どうしたの? そんな……」


春香「フリフリがついた、胴着みたいなの」

真「……へへっ、ナイショだよ!」

―――
――


 
『オラがアイドルのプロデューサーだって!?』


悟空「――って、あのときはビックリしちまったよな」

べジータ「フン……貴様はいちいちリアクションがでかいんだ」

悟空「だってよぉ~。アイドルも、プロデューサーも、あのときはなんも知らなかったしよ」

べジータ「……」

クリリン「あれ? もしかしてべジータ、ちょっと未練引きずってる?」

べジータ「……殺すぞ」

クリリン「うへぇ! じょ、ジョーダンだよ、ジョーダン……」

悟空「でもま、えれぇ楽しかったな!」

クリリン「……そうだな」

悟空「へへ、まだまだこの世界には、面白ぇことがいっぱいあんぞ!」

べジータ「……俺はあんなのは、二度と御免だ」

バシュン……

悟空「あー、行っちまった」

クリリン「察してやれよ、アイツ、やよいちゃんのことめちゃくちゃ気に入ってたからな」

悟空「……そーだな」

クリリン「……よし、悟空!」

悟空「ん?」

クリリン「ひっひっひ……提案があるんだけどさ」

悟空「なんだ?」

クリリン「……この地球にだって、アイドルはいるよな?」

悟空「!」

トランクス「疲れたァ……。もう特訓終わりにしようよぉパパぁ……」

ベジータ「馬鹿者ぉ! やよいちゃんはこれくらいでヘコタれなかったぞ!」

クリリン「神龍に連れてかれた地球は、俺たちの地球と瓜二つだったろ?」

悟空「そーだな」

クリリン「ってことは……この地球にも、真ちゃんややよいちゃんみたいな子が、いるかもしれない!」

悟空「! 考えたなぁ、おめぇ~!」

クリリン「だろ!?」

悟空「……アイドルプロデュース、かぁ」

クリリン「いやー、なんて……まぁ、自分で言っておいてあれだけど……そんな簡単には行かないと思うけどな……はは」

悟空「……いーや、やる! そんで、またあの面白ぇ毎日を過ごすんだ!」

クリリン「……ま、お前はやると言ったらやる奴だもんな」

悟空「べジータも誘おうぜ。あと18号も、あとあと……」


悟空「へへっ……オラ、わっくわくしてきたぞ!」

終わり

真=ビーデル
やよい=スノ

に置き換えればいける

終わりです、読んでくれた方、ありがとうございました
全体的に矛盾あると思う 即興だったから許してね えへへ
あとブゥじゃなくてブウだったね ごめんなさい



面白かった。
他になにかアイマスSS書いてたら教えてくれ。


久々にゼノグラシア見てくるわ!

>>470
最近書いたのだと、

亜美「兄ちゃんのこと好きなんだろー」真美「ち、ちげーし」
涼「生理がきた……」

です。よろしければ

おにぎり波書いてた人か?

>>480
美希「おにぎり波~」
ってやつなら、確かに俺です

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom