末原「生命果てるまで」絹恵「す、末原先輩……!!」(113)

  姫松高校控室にて

末原「……」

洋榎「そんな落ち込むことあらへんって!」

絹恵「そうですよ!先輩はすごかったです!」

由子「そうなのよー、2位抜けは立派なのよー!」

末原「しかし……」

洋榎「しかしも明石もあらへんって!恭子はようやった!」

由子「そうなのよー!胸を張るべきなのよー!」

漫「わかりました」ググッ

洋榎「漫は少しは落ち込まんかい!」パチコン!

漫「す、すんません……」

末原「……」ポロポロ

末原「ヒック……ヒック……」ボロボロ

絹恵「先輩……」

末原「すいません……わたしが不甲斐ないばかりに……」

洋榎「だから泣くことないやん!鳴くのは麻雀だけにしといてや!」

漫「え、あまり鳴かんほうがいいんやないんですか?監督だってそう言ってはりましたやん」

洋榎「漫は少しは空気を読むべきやな……」

漫「空気は吸う物ですやん……」

末原「う……う……」

由子「ハンカチなのよー」

末原「ありがとう……」フキフキ

洋榎「大丈夫やって恭子!次や次!次こそはあの宮永を見返してやるんや!」

末原「はい……」

  ガチャン

赤阪「ダムはお前らの好きにはさせへんで~、織田ちゃん最高やわ~」

洋榎「めんどいのがきたで!」

赤阪「なんや末原ちゃん泣いてるん?」

末原「はい……」

赤阪「そらあんな無様な負けっぷりを全国を晒してもうたんやから泣きたくなるのもわかるで~」

絹恵「な……」

洋榎「オバハンなに言うとるんや!恭子を追い込むのはやめーや!」

赤阪「だってそうや~ん、あんな打ち方されたら教えてるこっちは恥ずかしくてたまらんかったで~」

末原「す、すみません……」

赤阪「凡人のわたしがどこまでやれるんか楽しみです!キリッ!なにいってるんや末原ちゃん!イヒヒヒヒヒ!!!」

由子「酷いのよー……」

洋榎「あんたそれでも監督かいな!落ち込んでる恭子にムチ打つ行為はやめんかい!」

赤阪「なに言うとるんやこれは愛のムチやで~」

末原「う……う……」ボロボロ

漫「先輩……」

末原「いいんです主将、本当のことなんですから……」

洋榎「恭子……」

末原「すべてはわたしの実力不足です……わたしみたいなのが全国大会の舞台に立つことが間違っていたんです……」

絹恵「なに言うてるんですか!うちらがここまで来れたんも末原先輩のおかげです!」

由子「そうなのよー!全国ベスト8に行けたのも恭子の的確な分析の賜物なのよー!」

末原「違います……わたしは常にみんなの足を引っ張ってるばかりでした……今日もこのまえもそのまたこのまえも……」

漫「そんな……足枷になってたのはうちですやん……先輩が落ち込むことありませんって……」

末原「いいえ……全部わたしのせいです……準決勝は辞退します……」

洋榎「!!なにふざけたこと言うとるんや!なんのため今まで努力してきたんや!」

末原「わたしのせいでみんなの努力を水の泡にするわけにはいきません……大将は漫ちゃん、あなたがやってください……」

漫「え、ちょっと待ってくださいよ……嫌ですよそんなの……」

赤阪「……」

末原「うぐうぐ……」ポロポロ

赤阪「ねぇ、末原ちゃん、あの子より強くなりたい?」

末原「え……」

末原「か、勝てる方法があるんですか!」

赤阪「あるで~、とっておきの方法や」

末原「ど、どういうことですか」

赤阪「イヒヒ!それは内緒やで~」

洋榎「恭子!騙されたらあかんで!これは罠や!」

絹恵「そうですよ!この代行の言う事を信じちゃいけません!」

赤阪「信じるのも信じないのも末原ちゃん次第やで~」

末原「う……」

洋榎「恭子!」

絹恵「末原先輩!」

由子「行っちゃダメなのよー!」

漫「先輩……」

末原「……」

・・・

・・・・・・

 都内某所にて

  カツン・・・ カツン・・・

赤阪「末原ちゃんなら来てくれる思うたで~」

末原「いったいどこに行くんですか……」

  カツン・・・ カツン・・・

赤阪「楽しいトコやからそんな怖がることあらへんで~」イーヒッヒッヒ!

末原「はぁ……」

  カツン・・・ カツン・・・

結局末原恭子は赤阪郁乃について行くことを選んだのだった……

末原(これも全部宮永咲に勝つためや!勝利する方法がわずかにあるのならばわたしはそれに賭けたい!)

赤阪「もうすぐやで~」

  カツン・・・ カツン・・・

  カツン・・・カツン・・・

末原「……」

赤阪「たとえば~末原ちゃんだけで~ココロが強くなれること~♪」

末原「あのホンマにどこに行くんですか?なんかここ……」キョロキョロ

末原「なんか怖そうな人ばっかですよ……」

末原たちが歩いているのは夜の東京だった
未成年の末原がおびえるのもしょうがないのであった

赤阪「これが大人の街やで~、ちょっとした社会経験や!」

末原「はぁ……」

赤阪「あ!着いたで~!ここのビルの地下が末原ちゃんの特訓場所や」

末原「ここですか……」

そこは繁華街の裏通りにある薄汚い雑居ビルだった……

赤阪「ほな行くで~」スタスタ

  カツン・・・カツン・・・

末原「……」

赤阪「ふふん~ふふ~ん♪」

末原(いったい何なんやここは……なんか心配になってきた……)

赤阪「ついてきたこと後悔しとるか?」

末原「え?!いやあの……」

赤阪「大丈夫やって、きっと末原ちゃんも気にいるハズやで~」

末原「は、はぁ……」

そしてドアの前まで来た

赤阪「ほな入るで~」

末原「……」ゴクリ

  ギィ・・・・・・

・・・

・・・・・・

  数日後 準決勝当日 姫松高校控室にて

絹恵「ふぅこんなもんやな」

洋榎「すごいやないか絹!あのダヴァンを翻弄したで!」

由子「あのアメリカンを蹴散らすとは絹ちゃんやるのよー!」

絹恵「えへへ、褒められてもうた……」

漫「あのうちも……」

洋榎「漫は辻垣内にホンロー直撃されてたやないか!いつになったら爆発するんや!」

漫「そのまえに愛宕先輩の怒りが爆発しそうですね、ハハハ……」

洋榎「やかましいわ!」

絹恵「あのところで末原先輩は……」

由子「まだなのよー……」

絹恵「そうなんですか……」

洋榎「ああもうなにやっとるんや恭子は!」

由子「このままだと不戦敗なのよー」

漫「うちの頑張りが無駄ですやん……」

洋榎「頑張ったならもっと結果を出しーや!!」パチコン!

漫「す、すんません……」

洋榎「ああもうあのオバハン恭子をどこに連れていったんや!」

絹恵「たしか群馬の女体山や言うとったけど……」

由子「色っぽい名前なのよー」

洋榎「群馬まで行ってなにをやってるんや!面倒くさいでホンマ!」

漫「あの代行の考えることはイマイチわかりませんね……」

洋榎「いつになったら戻ってくるんやもう!!」

  ガチャン

赤阪「おまたやで~」

絹恵「代行!」

洋榎「どこまで行ってたんや!危うく不戦敗やないか!」

赤阪「英雄は遅れてやってくるんやで~、そんなの常識や~ん」

漫「代行の常識は世間の非常識ですよ……」

赤阪「帰ってきたで~帰ってきたで~♪あっかさか~ちゃ~ん♪」

洋榎「そんな歌はええから早く恭子を……!」

赤阪「そんな生き急いでどないするん、もっとおおらかに行こうで~」

由子「マイペースにもほどがあるのよー」

  カツン・・・ カツン・・・ カツン・・・

洋榎「なんやこの音は?」

赤阪「生まれ変わった末原ちゃんの登場やで~」

ギギギィ……

洋榎「な……!」

絹恵「せ、先輩?!」

由子「の、のよー!!」

漫「は?」

赤阪「どうや!新しい末原ちゃんの姿はどうや!」

そこでみんなが見たものは・・・・・・

末原「遅れてごめんなさいねこの豚共!!」パシーン!

黒いボンテージファッションでムチを振り回す末原恭子の姿だった・・・・・・

末原「さぁ早くわたしの足をお舐め」スッ

洋榎「きょ、恭子?」

赤阪「どうや凄いやろ~、魔王に対抗して女王様やで~」

漫「こんなもん公共の電波に乗せられませんって……」

末原「あら可愛い子ブタちゃんね」スススッ

漫「う……あんま人の顔を触らないでくださいよ……」

末原「あなたのお名前はなんて言うのかしら?」フフーン

漫「なに言うとるんですか……漫ですよ……上重漫……」

末原「マン?」

漫「スズです!」

末原「マンだなんて……下品で汚らしい名前ねぇ……」サワサワ

漫「うううだから触らないでくださいって……」

末原「まぁあなたみたいな汚い子ブタちゃんにはぴったりな名前だわね」ウフフ

漫「こ、子ブタちゃんって言うのやめてくださいよ……」

末原「やめてほしいの?」サワサワ

漫「あああアゴをわさわさするのやめてくださいよ……」ゾゾゾゾッ

末原「おだまり!!」ギュ!

漫「アジジ!!!急につねらないでくださいよ!!」

末原「てい!」ペチーン!

漫「痛”!だからやめてくださいって!」

末原「見てたわよあなたの闘牌、なんて無様なの?あんなんでよく全国の舞台に立とうと思ったわね!!」

漫「うちを全国の舞台に立たせたの末原先輩ですやん……」

末原「おだまり!!」ペチーン!

漫「ギニヤ!!ムチで叩くのやめてくださいよ!!」

末原「愛のムチや!!」ペチーン!

漫「ピャー!!ただのムチですやん!!」

由子「おお……」

赤阪「どうやすごいやろ!いくのんの指導の賜物やで~」

洋榎「どういう指導をしたんや……」

絹恵「……」

末原「まぁ良いわ、素直にごめんなさいすればお姉さん許してあげるわよ」

漫「ほ、ホンマですか、す、すんませんっした!まさか臨海のメガネがあんな凄腕とは盲点でした!」

末原「……」

漫「あ、あの……」

末原「それで謝ってるつもりなん?本当に謝りたいのならもっとひざまずかんかい!」ペシーン!

漫「す、すまんせん!」ドゲザー

末原「それだけやないやろ、ほら」

漫の顔の前に末原は自分の足を差し出す

末原「わたしの足をお舐め、そしてもっと無様に許しを乞うと良いわ」

漫「……」

末原「どうしたんやマンちゃん?またムチで叩かれたいん?」

漫「い、嫌ですそんな……足を舐めるだなんて頭がおかしいですよ……」

末原「へぇ、口答えするの?」

漫「いや……うちは人間ですそんな下司なマネは……」

末原「ブタの分際で偉そうな口訊いてるんじゃないわよ!!」ペシーン!!

漫「ギニヤ!!」

末原「誰のせいでこんな苦戦してると思うとるんや!あぁ?!」ペシーン!!

漫「うぐっ!!すんませんすんません!!」

末原「てめェさっきのチーピンはなんだ!!」ペチーン!!

漫「あぐぅ!!」

末原「テメェ去年それでシクったよなァ?」 ハイヒールズボォ!!

漫「ヒギィィィ!!!」

末原「何度も何度も同じ過ちを繰り返しやがって!!いったいいつになったら成長するんや!」ペチーン!!

漫「ずびばぜん……ずびばぜん……」ボロボロ

洋榎「やめややめや!!漫がマジ泣きしとるやないか!!」

漫「愛宕先輩……」ヒグヒグ

洋榎「おおもう大丈夫や安心せい!」ギュー

末原「せっかく調教の真っ最中やったのに」

洋榎「どうみたってイジメやないかこんなん!」

末原「それが段々と快感になっていくんやないか!」グフフ

洋榎「あかん、恭子はもうおかしな世界に片足突っ込んどる……」

漫「頭から突っ込んでますやん……」

末原「しょうがないからデコに落書きだけで許してあげるわ」ゴソゴソ

末原「ほらマンちゃんおでこ出し」スッ

漫「ってそれロウソクやないですか!嫌ですよそんなん!」

末原「大丈夫やって、これはSM用のロウソクやから大やけどしない程度の熱さや」

漫「大やけどしない程度ってそんな……!」

末原「てい!」

漫「アジジ!!」

末原「えい!えい!」

漫「いてててててててて!!!!」

末原「どうやマンちゃん天井からの眺めは?」

漫「ロープが体に食い込んで痛くてたまりませんよ!降ろしてくださいよ早く!」

末原「おだまり!」ペシーン!

漫「ギニヤ!!」

末原「やかましいから少しはこれで黙っとき」サルグツワスチャ

漫「フシュー!フシュー!」カラカラ

末原「なんて無様なのかしら、その姿をあなたの両親に見せたいわ」

絹恵「……」

末原「では行ってくるわね、宮永咲をうんと可愛がってくるわ」

洋榎「恭子ちょっとええか」

末原「ん?なにかしら主将」

洋榎「ホンマに恭子はそれでええんか?今までの恭子やったらそういうの一番嫌がるやろ」

末原「……」

洋榎「あのオバハンになにか吹きこまれたんやろうけど恭子が嫌ならやめたって……」

末原「いいえこれがわたしの本当の姿なんです」

由子「恭子……」

末原「わたしのS気質を目覚めさせてくれた代行には本当に感謝しています、これでわたしは本当の喜びを知ることができたのです」

赤阪「褒めて褒めてもっと褒めて~」

末原「現実の裏側で人としてあるがままでいたいんや」

洋榎「恭子……」

末原「では行ってきます、みんなで必ず決勝へと行きましょう!」

漫「フシューフシュー」カラカラ

末原「行ってらっしゃいの一言も言えないのこのブタァァ!!」ペチーン!

漫「ゴボボボボボボ……」

  通路にて

ダヴァン「不甲斐ない麻雀してすいまセン……」

辻垣内「原村はともかく姫松のメガネにも負けるとはどういうことだダヴァンよ」ギロリ

ダヴァン「すいません……予想以上に手ごわい相手でシタ……」

辻垣内「まぁいいだろう、ネリーならきっとトップに立ってくれるハズだ、決勝で見返せばいい」

ダヴァン「はいガイトサン……」

末原「そこをおどきブタ共!」ペチーン!

ダヴァン「アウチ!!」

末原「わたしに勝とうなんて100年早いのよ!オホホホホホ!!」カツンカツン

辻垣内「……」

ダヴァン「ガイトサン……あれはなんでスカ……」

辻垣内「いま日本は景気が悪くて病んでるやつが多いんだ、あいつもその一人だろう」

ダヴァン「なんもかんも不景気が悪いデスネ……」

  準決勝会場にて

恒子『さぁついにやってきました準決勝も大詰めの大将戦です!』

咲「麻雀を楽しもうよ!」

恒子『いったい今日がどういうドラマが生まれるのでしょうか!』

ネリー「ダヴァンの借りを返すヨ!」

恒子『臨海の大将はグルジアから来た小さな魔法使い!魔法使いネリー!』

中村「スペイン?そんなとこ行ったことないよ」

恒子『そして東白楽の大将はスコットランドで数々の偉業を成し遂げたレジェンド!中村俊子ォォォォォォ!!』

咲「よろしくお願いします」ペッコリン

恒子『そしてそして清澄はもちろんこの人!リンシャンの鬼こと宮永咲ィィィィィィ!!!』

末原「なんだいここはブタ小屋かい?さっさと終わらして出た方がよさそうね」ペチーン

恒子『そしてそしてそして姫松の大将は末原恭子!何故女王様ファッションなんだぁぁぁぁぁぁ!!!』

松木『いやー今日も楽しみですねぇ、いっひっひっひっひ』

恒子『そして今日の解説は麻雀にも造詣が深い松木安子さんです!』

松木『えーえーどうも!いやぁ僕は麻雀も好きだからねぇ!いったいどうなるか楽しみだなぁ!』

末原「早く始めましょ」フフーン

ネリー(日本人のセンスはホント変わってるヨ……)

中村「マルキや学のために頑張るよ」

咲「……」

恒子『さぁ大将のスタートです!』

松木『いっひっひっひ!』

松木『いやー今日も楽しみですねぇ、いっひっひっひっひ』

恒子『そして今日の解説は麻雀にも造詣が深い松木安太郎さんです!』

松木『えーえーどうも!いやぁ僕は麻雀も好きだからねぇ!いったいどうなるか楽しみだなぁ!』

末原「早く始めましょ」フフーン

ネリー(日本人のセンスはホント変わってるヨ……)

中村「マルキや学のために頑張るよ」

咲「……」

恒子『さぁ大将のスタートです!』

松木『いっひっひっひ!』

中村「レノン!」スチャ!

ネリー「えい!」スチャッ!

末原「ウフフ……」スチャ!

咲「えい!」スチャ!

恒子『静かにスタートしましたねぇ』

松木『ここ大事な時間帯ですよ!麻雀もサッカーと同じで開始直後が重要なんですよ!』

中村「ヘッセ!」スチャ

咲「ロン、ピンフドラドラ」

恒子『おーっと開始直後に早くも宮永咲が和了しました!』

中村「なんでしょっぱなから振り込んだと思う?」

咲「油断してたからですか?」

中村「正解じゃない」

咲「じゃあ点が欲しいからですか?」

中村「わたしはみんなに点を取ってほしいんだよ」

松木『いっひっひっひ!なに言ってるんですかねぇこの人!』

  東3局  7巡目

恒子『ここまで宮永が連続して和了してます』

松木『ここ大事な時間帯ですよ!』

咲「えい!」スチャ!

中村「マルキ!」スチャ!

ネリー「えい!」スチャ!

末原「ふふーん」スチャ!

松木『ライン下げ過ぎじゃないかなぁ』

恒子『なんか淡々としすぎてて眠くなりますね』ファ~

松木『サッカーでもこういう試合は実況してて辛いんですよ!でも寝るとセルジオさんに怒られますからね!いっひっひ!』

静かに進んでいたがしかし!

ネリー「えい……」

ネリーが自分の牌をツモろうした次の瞬間!ありえないことが起こったのだ!

末原「ダメよ!」スチャ

なんと末原が先にツモったのだ……!

ネリー「え……」

恒子『おーっと末原がネリーの牌を奪ったァァァァァァァ!!』

末原「フフフ~ン」

ネリー「あの……」

末原「ん?なにかしらヨーロッパ産の醜い子ブタさん」

ネリー「う……その牌……わたしのだヨ……」

末原「なに?この牌が欲しいの?」

ネリー「うん……」

末原「欲しがり屋さんねぇ、ほら」ヒョイ

そう言って末原は牌を床にわざと落とした

末原「さっさと拾いなさい」

ネリー「はい……」スクッ

末原「ふふふ~ん」

ネリー「ううう……」トテトテ

末原「どうしたのさっさと拾いなさいよ」

ネリー「で、でも……」

牌を末原が踏んでいて手が出せないのだ

末原「しょうがないわねぇ……」

そう言って足を退ける末原

ネリー「す、すいまセン……」

牌を拾おうとするネリー
が、しかし……!

末原「てい!」スターン!

ネリー「あ!!」

ネリーが拾おうとしたその瞬間!末原が牌を遠くに蹴っ飛ばしたのだ!

末原「ほらさっさと走って取ってきなさいよ!」ペチーン

ネリー「は、はい……」スタタタタタタッ!

末原「ウフフ……」

松木『なんなんすかコレ?』

ネリー「ううう……」グジュ

恒子『ネリー涙目ですねぇ』

末原「どうしたの早くしなさいよ、みんな待ってるのよ」

ネリー「で、でも……」

末原「デモもパレードもないのよあなた一人のせいでみんなが困るのよ
   わたしたちだけじゃない、テレビ局の人だってそうだし視聴者だってそう」

ネリー「ご、ごめんなさい……」ポロポロ

末原「グズグズしてないでさっさと牌を捨てるなり和了しなさい!このグズ!!」ペチーン!

ネリー「ひぃ!」スチャ!

末原「ロン!ジュンチャンリャンペーコードラドラ!倍満よ」

ネリー「ひぎぃ!!」

恒子『末原が倍満を和了だあああああああああああああああああ!!!』

松木『あんなの卑怯だろ!レッドだよレッド!!』

松木『なんなんすかコレ?』

ネリー「ううう……」グジュ

恒子『ネリー涙目ですねぇ』

末原「どうしたの早くしなさいよ、みんな待ってるのよ」

ネリー「で、でも……」

末原「デモもパレードもないのよあなた一人のせいでみんなが困るのよ
   わたしたちだけじゃない、テレビ局の人だってそうだし視聴者だってそう」

ネリー「ご、ごめんなさい……」ポロポロ

末原「グズグズしてないでさっさと牌を捨てるなり和了するなりしなさい!このグズ!!」ペチーン!

ネリー「ひぃ!」スチャ!

末原「ロン!ジュンチャンリャンペーコードラドラ!倍満よ」

ネリー「ひぎぃ!!」

恒子『末原が倍満を和了だあああああああああああああああああ!!!』

松木『あんなの卑怯だろ!レッドだよレッド!!』

その後も末原の快進撃は続いたのだった……

末原「てい!」ペチーン!

ネリー「ギニヤ!」ポロ

末原「ロン!イッツードラドラ!満貫!」

ネリー「あううう……」

松木『おかしいだろ!あれ暴力だろ!』

末原「えい!」ポタポタ

ネリー「ロウソク熱いヨ!」ポロ

末原「ロン!ホンイツチュンドラドラ!ハネ満!」

ネリー「あう……」

松木『レッドだよレッド!レッドカードだよ!』

そして執拗にネリーを責め続けるのであった……!

末原「このどうしようもない牝ブタがっ!!!」ペチーン

ネリー「あひぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」

松木『ふざけた闘牌ですねぇ』

ネリー「ハァハァ///」

恒子『おーっとネリー、心なしか顔が赤くなってますよ』

ネリー「あう……あう……」

末原「どうしたのかしら?間抜けな顔が全国に晒されてるわよ」

ネリー「う……!」

末原「もしかしてわたしにの責めがどんどん気持ち良くなってるんじゃないの?」

ネリー「ち、ちが……」

末原「良いのよ隠さなくたって、本当はもっと苛めてほしいんでしょ?ね?」

ネリー「ううう……」

末原「そうだネリー、あなたはいま国士無双テンパってるんじゃない?」

ネリー「え……なんで知ってるんでスカ……」

末原「奴隷のことなんてなんでもお見通しよ、しかもイーピンが欲しいんでしょ?」

ネリー「う、うん……」

末原「じゃあわたしのイーピンあげましょうか?」

ネリー「え……」

恒子『おーっとここで末原!トンデモないことを言いだしたァァァァァ!』

末原「どうなの?要らないの?」

ネリー「欲しいデス!ください!」

末原「欲しがり屋さんねぇ、はい」ヒョイ

そして末原は牌を床に落としたのだ、さっきと同じように

ネリー「す、すぐ拾いマス!」スタッ!

しかしまたさっきと同じく末原の足が牌を踏みつけていた

末原「どうすればいいかわかるわよね」

ネリー「はい……!」

そう言うとネリーはためらいながらも末原の足を舐め出したのだった……!

ネリー「うぐ……」ペロペロ

末原「ウフフ……」

ネリー「お願いしマス……イーピンください……」

末原「えい!」ペチーン!

ネリー「はう!」

末原「あんたが欲しいのはイーピンじゃなくてこういうのじゃないのかい!」ペチーン!ペチーン!

ネリー「はうう!はうう!」

 姫松高校控室にて

洋榎「あかんでこれは……」

由子「お茶の間ドン引きなのよー」

絹恵「……」ドキドキ

漫「フシュルーフシュルー」カラカラ

赤阪「イヒヒ!末原ちゃんおもろいでホンマ~」

末原「しょうがないねぇ、ほら」

ネリー「あうう///イーピン……」

足を退ける、しかし……!

ネリー「イーピンじゃない!これイーピンじゃないヨ!サンピンだヨ!」

末原「当たり前やろ!そうやすやすと渡すかいな!」ズボ!

ネリー「ギニヤ!」

そう言うと末原はハイヒールのかかとでネリーを手を思いっきり踏みつける!

ネリー「痛いヨ!痛いヨ!」

末原「痛い?違うだろ!本当はもっとこうして欲しいんやろ!もっと苛めてほしいんやろぉ!」グリグリ!

ネリー「ひぎぃいいい!!!」

末原「このいやしい牝ブタがっ!!」ペチーン!!

ネリー「あぎぃぃ!!そうデス!ネリーは牝ブタデスゥ!!」

末原「ただの牝ブタないやろ」グリグリ

ネリー「は、はいぃ!!ネリーはこんな痛いことされて悦んじゃういやしい牝ブタデスゥ///」

末原「素直が一番やな」グリグリ

  姫松高校控室にて

赤阪「堕ちたであの子」

ネリー『あうううう///』

洋榎「なんて嬉しそうな顔なんや……」

由子「人間ああなったら終わりなのよー」

赤阪「なに言うてるんや~あんた達もきっと素質はあると思うで~」

絹恵「……」

赤阪「なぁ絹ちゃ~ん」

絹恵「は、はいぃ!」ビビクン!

洋榎「なに汗かいとるんや絹」

絹恵「な、なんでも無いよお姉ちゃん!」

漫「フゴーフゴー」

末原の忠実な下僕となったネリーはその後も責められ続ける……!

ネリー「えい!」スチャ!

末原「……」ギロリ!

ネリー「な、なんでスカ」

末原「なんでわたしの和了牌を捨てないんや!この無能が!」ペチーン!

ネリー「はうううう!!!」

末原「罰としてデコに喝や!」ポタポタ

ネリー「あづい!!あづいヨ!!」

末原「おだまり!!」ペチーン!!

ネリー「はううう!!!」

こうして大将戦も終盤に入っていくのだった……!

ネリー「ハァハァハァ///」ウットリ

松木『ここ大事な時間帯ですよ!終盤ですからねぇ!集中しないと行けませんよ!』

ネリー「ハァハァ……」

恒子『依然トップは姫松高校!臨海のネリーは身も心もズタボロだァァァ!!』

ネリー「末原サン……」チラッ

末原「ふふ~ん」

ネリー(末原サンの捨て牌を見るに……きっとこれはスーソー待ち……)

末原「ふふふ~ん」

ネリー「(末原サンのためにここは……)えい!」

恒子『おーっとここでスーソー切りだ!末原の和了牌だァァァァ!!』

完全に下僕となったネリーは末原の和了牌を予想して牌を切っているのだ!
すべては女王である末原のために……!

ネリー(さぁ和了ってください末原サン……!)

が、しかし……!

末原「ふふふ~ん」スチャ

意外にも末原それをスルー

ネリー「な……」

恒子『おっーと末原!なんと自分の和了牌をスルーだァ!!』

末原「ふふ~ん」

ネリー(なんで……なんでわたしの牌をスルーするのヨ……)

咲「えい!」スチャ

ネリー(おかしいヨ!そんなの酷いヨ!わたしを無視しないでヨ!)

中村「てい」スチャ

末原「ポン」スチャチャ

ネリー(酷いヨ……酷いヨ……)ウルウル

 姫松高校控室にて

赤阪「いわゆるひとつの放置プレーやな~」

洋榎「あんなことされてホンマにうれしいんですか?」

赤阪「当たり前やんあれで相当悦んでるハズやで~」

漫「さっさと降ろせええええええええ!!!!」

洋榎「あ、さるぐつわがハズレとる」

ネリー「ううう……」

松木『めちゃくちゃな試合ですねぇ、麻雀っていつもこうなんですか?』

恒子『今回はたまたま変わったメンバーが集まっただけですねぇ、たまに刀や王様の格好した人もいますけど』

松木『ふざけた大会ですねぇ』

ネリー「はうぐ……」ウズウズ

末原「ふふ~ん」スチャ

中村「それポン」

恒子『おーっとここでスコットランドのレジェンドが動いた!』

末原「なんやこれが欲しいんか?ん?」

中村「……」

末原「欲しがり屋さんやねぇ」

恒子『おーっとターゲットを今度は中村俊子に変えたぞお!!』

末原「どないしようかなぁ、ふふ~ん」

中村「……」

末原「しょうがないわねぇ、ほら」ヒョイ

恒子『また牌を床に落としたァァァ!!』

中村「……」

末原「どうしたんや?拾わないんか?ん?」

中村「……」スクッ

末原「ほらグズグズせんと早く……」

中村「おら!」ドン!

末原「かはっ!!」

恒子『中村のひざ蹴りがさく裂しました!!!』

中村「ふん」スタッ

末原「かはっ!かはっ!かはっ!」

恒子『まともに膝が鳩尾に入ったのか末原息ができません!』

末原「ああぐぅああ……」

恒子『悶える末原!!でもこれはレッドカードではないでしょうかねぇ?』

松木『まぁ審判がなにも言わなけりゃレッドじゃないんでしょう、いっひっひっひ!』

末原「かはっ!!くぅお前……」

中村「……」

咲「残念だったね末原さん……その人にはネリーさんみたいなテは使えないよ……」ニヤリ

末原「え……」

咲「世の中SとMの人ばかりだと思ったら大間違いだよ……普通はノーマルの人のほうが断然多いんだよ……」

末原「くっ……なにを知ったような口訊いとるんや……」

咲「それに末原さんのプレイがあまりにも拙くてイライラしたよ……」

末原「なん……だと……」

咲「末原さんのはただ喚いてるだけのSMごっこだよ……」

末原「バカにするのも大概に……!」

咲「バカにしてるのは末原さんのほうだよ……
  見てたよ、末原さんが控室で上重さんを苛めるところ……」

末原「見てたんか!」

咲「末原さん……あなたが上重さんにはしたのはただの暴力だよ……」

末原「暴力……」

咲「そうだよ、こういうのはSとM、互いが信頼してなきゃ成り立たないものなんだよ
  一方的なプレイはただの暴力、人間としてサイテーだよ……」

末原「う、うるさい!」スチャ

咲「それカン……」

末原「な……!」

恒子『今日初めてのリンシャンさく裂なるか!』

咲「もいっこカン!」

洋榎「恭子これはあかん!」

咲「もいっこカン!」

恒子『サンカンツだァァァ!!』

咲「もいっこおまけに……カン!!」

末原「え……」

恒子『なんと宮永咲!ここにきて……』

咲「ツモ!スーカンツ大三元字一色!トリプル役満だよ!」

恒子『トリプル役満さく裂だあああああああああ!!一気に末原が吹っ飛んだああああああああ!!!』

末原「トンじゃった……」カタカタビビクン!

恒子『試合しゅーりょー!!決勝進出は清澄よ東白楽に決まりました!』

中村「これが正解」スクッ

ネリー「ガイトさんに怒られる」ハァハァ

咲「お疲れ様でした」ペッコリン

末原「あ……あ……」

咲「末原さん」ポン

末原「は、はいぃ……!」ビビクン!

咲「いまの末原さんすごい無様だよ、その姿を全国で放送してるんだよ
  世界中が末原さんの恥ずかしい姿を凝視してるんだよ?ゾクゾクしない?」

末原「し、します……」ゾクゾク

咲「ククク……末原さんとは気が合いそうだよ……」

末原「み、宮永さん……」トローン

こうして末原恭子の夏が終わったのだった……

それから数週間後・・・

 カツン・・・カツン・・・

絹恵「……」

あの末原たちが訪れた雑居ビルの地下に愛宕絹恵の姿があった

絹恵「ここが代行が言うてた場所やろか……」

  カツン・・・カツン・・・

絹恵「……」ドキドキ

絹恵「ううう……心臓グァングァン手に汗ガンガンや……」ドキドキ

  ガチャン

赤阪「いらっしゃ~い絹ちゃ~ん待ってたで~」

絹恵「代行……!」

赤阪「秘密クラブへようこそやで~」

絹恵「ううう……」

赤阪「なにいまさら怖がってるんや?ここに来たくてたまらんかったんやろ~?」

絹恵「はい……」

赤阪「はいじゃあお客様おひとり入ったで~」

  ギギィ・・・・・

絹恵「あの末原先輩はどこに……」

赤阪「イヒヒ!末原ちゃんはいまVIPルームで大盛り上がりのハズやで~」

絹恵「そうなんですか……」

赤阪「こっちやで~」トコトコ

絹恵「はい……」トコトコ

赤阪「ああ~可愛いベビーとハートに火をつけて~♪」トコトコ

絹恵「……」トコトコ

煌「てい!」ペチーン!

哩「はうぅ!!」

煌「素直じゃないのはすばらじゃないですねぇ!さっさと素直になるのです!」ペチーン!

哩「はいぃ!!わたしは叩かれることで感じちゃう変態ですぅ!」ビビクン!

煌「すばらです!」ペチーン

絹恵「……」トコトコ

透華「じっくりたっぷりいじめてさしあげますわよ……!」バチバチバチ!

国広「ひぎぃ!!」トローン

絹恵「……」トコトコ

赤阪「どうや楽しそうやろ?」

絹恵「はい……」トコトコ

赤阪「着いたで、ここが末原ちゃんの居る部屋やで~」

絹恵「ここが末原先輩の居る部屋……」

赤阪「せやせや、ここであの子と楽しんでるハズや」

絹恵「あの子……?あのネリーさんですか?」

赤阪「ちゃうで~、見てのお楽しみや」

絹恵「そうですか……」

赤阪「ほな開けるで~」

  ガチャン

絹恵「あ……!」

絹恵がそこで見たものは……!

末原「ひぎぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」

後ろを手錠で固定され体中が傷だらけの末原恭子の姿……そして

咲「アハハハハハハ!!!アハハハハハハハハ!!!!」ペチーン!ペチーン!

笑いながら末原にムチを浴びせまくる宮永咲の姿だった……!

咲「どう末原さん!わたしのムチの味は!」ペチーン!

末原「すっごく良いですぅ!!もっと強くもっと強くぅぅ!!」

咲「ホント末原さんは変態だよね!!」ペチーン!

末原「ひぎぃ!!そうですぅ!わたしは変態ですぅ!!叩かれて悦んじゃう変態さんですぅ!!」

咲「うるさいっ!」ペチーン!!!

末原「ギニヤアアアアアアアアアア!!!!」

絹恵「……」

末原「シアワセですううううう!!シアワセええええええ!!!!」

赤阪「どうや愉しそうやろう」

絹恵「はい……」ウットリ

赤阪「やっぱ絹ちゃんもこっち側の人間やったんやなぁ」カチャン

代行は絹恵の首に犬などが付ける首輪を装着する

赤阪「ウェルカムトゥアンダーグラウンドやで~」

こうして愛宕絹恵は闇世界へと堕ちて行ったのだった・・・・・・

    末原「生命果てるまで」絹恵「す、末原先輩……!!」  カン

以上です
読んでくれた人ダンケシェーン

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