魔王「勇者待つの飽きた」(114)
魔王「勇者まだー?」
側近「まだきませんねぇ」
魔王「勇者が旅立ってからもう5ヶ月だよ?遅いよね?」
側近「2ヶ月目あたりで失踪したらしいですが」
魔王「勇者待つの飽きたー、遊びに行きたいー」
魔王「側近!旅に出よう!」
側近「それはどうかと…」
魔王「いいじゃん!勇者もいないみたいだしさー」
魔王「私もおしゃれとかしたいしさー、いつも黒装束はやだよ」
側近「しかし…」
言い忘れていましたが、このSSは勇者「魔王倒す旅飽きた」の続編っぽいものです
暇ならそちらもご覧くださいね!
側近「遊びに行くと言われても、仮にもあなた様は魔王ですよ?見つかったら攻撃されますよ?」
魔王「倒すからいい」
側近「それでは遊べませんが」
魔王「しまった!」
側近「ではこの話はなしと言うことで」
魔王「えー!やだー」
側近「ですが…」
魔王「あ!わかった!山越えた先の街行こう!」
側近「は?」
魔王「だからここから南の山の先の街だよ!あそこなら私のこと知ってる人間も魔物もいないよね」
側近「なるほど」
側近「そういうことなら、勇者もきませんし」
魔王「よし!決定だね!」
魔王「じゃあ転移魔法でも…」
側近「使うなら目的地の手前にすべきですな、転移魔法は目立ちます」
魔王「じゃあ小さめの山の中にしよっか、遠い街のほうが安心だしね」
側近「そうですな、まさかあんなところに人はすんでないでしょうし」
魔王「じゃあ決定だね!」
~そのころ勇者~
勇者「ふぅ、鍛治場が完成したぞー!」
勇者「これでボロくなった鎌も綺麗になるな!」
勇者「最初は街いけなくなったのしんどかったけど、2ヶ月も過ごしてたら慣れてきたな」
勇者「あ、でも鉄鉱石とかこの山にあるのかな…エルフ娘ー!」
エルフ娘「なんですか?勇者様」
勇者「この山って鉱脈とかないの?」
エルフ娘「私の村にはなかったですね…」
エルフ娘「ただ、私の村の反対方向にドワーフの村があったはずです。そこに行けばあるかもしれませんね」
勇者「エルフといいドワーフといい、ここの魔物は一箇所に固まってるなぁ」
エルフ娘「人間にあまり見られると困りますからね」
勇者「そうだね、じゃあちょっといって見ようか」
エルフ娘「はい!」
勇者「ドワーフの村まではどのくらい?」
エルフ娘「1日もあれば往復できますね、ただ行きは坂を登らないといけないので半日とちょっとでしょうか?」
勇者「じゃあ食べ物とテントいるかな?用意するからまってて」
勇者「じゃあ出発しようか」
エルフ娘「ええ、行きましょう」
~そのころ魔王~
パァァァ
魔王「ついたかな?」
側近「ええ、どうやらついたようですね」
魔王「街はどっち!?」
側近「ここから北に山を下ればいけそうですね」
魔王「急ごう!」
側近「このあたりは大きな川がありますから、そこを辿れば楽でしょう」
魔王「わかった!」
側近「川はこっちですかね」
ザクザク
魔王「川についたね」
側近「ずいぶん大きい川ですな」
魔王「じゃあ、下流に進もっか」
側近「あまり急ぐと転びますよ」
魔王「大丈夫!」
側近「む?」
魔王「どうしたの側近?」
側近「いえ、あそこに家が…」
魔王「本当だー」
側近「人が住んでるみたいですな」
魔王「いいなー、私も家欲しい」
側近「街に滞在するよりここらに家を建てたほうが安全かもしれませんな」
側近「とりあえず街に向かいましょうか」
~そのころ勇者~
勇者「お、あれかな?」
エルフ娘「みたいですね」
勇者「門まであるや、結構発展してるね」
エルフ娘「門番さんもいますねー」
勇者「すいませーん」
門番「誰だ?」
勇者「こんにちは、僕は勇者といいます」
エルフ娘「私はエルフ娘です」
門番「ふむ、人間が何の用だ」
勇者「いえ、ここにくれば鉱脈があると聞いたので」
門番「人間なら街に行けばよかろう」
勇者「諸事情でちょっと…」
門番「まあいいだろう、鉱石が掘りたいのなら街で鉱山長に許可を貰うんだな」
勇者「はい、分かりました。ありがとうございます」
ギィィィ
エルフ娘「うわー、家が木製じゃない!」
勇者「けっこういろんな種類の鉱石が取れるみたいね」
勇者「鉱山長さんはどこだろう」
勇者「お、ここに鉱山の会ってある、すいませーん!」
ドワーフA「はいよ、どちらさんだい?」
勇者「勇者といいます、鉱山長さんはいらっしゃいますか?」
ドワーフA「いま新しい鉱脈確認しに行ってていないねぇ、どうしたんだい?」
勇者「鉱山長さんに採掘許可を頂きたくてきました」
ドワーフA「25番鉱脈にいると思うから行ってきなよ。地図もあげよう、まあ上がりな」
勇者「ありがとうございます」
エルフ娘「友好的な方達ですね」
勇者「だね」
~そのころ魔王~
魔王「街広いなー」
側近「魔王城の2倍くらいですかね」
魔王「側近!工具買って家建てよう!」
側近「おや、目的が何時の間にか変わってる」
魔王「早くー」
側近「魔王様もまだまだ子供だなぁ」
魔王「この鋸と金槌とあとそこの…」
側近「魔王様工具わかるんですか?」
魔王「憧れだったからねー」
側近「そうですかー」
マイドアリー
側近「これだけあれば十分でしょう」
魔王「森帰ったら作業開始だー!」
側近「何日かかりますかね…」
~そのころ勇者~
勇者「お、ここが25番鉱脈かな?」
エルフ娘「暗いですねー」
勇者「まだ新しいみたいだからな」
カツーンカツーン
勇者「こういうとこはゴーレムみたいな硬い魔物が多いんだよな…」
エルフ娘「え?ここら辺でそんな魔物みませんよ?」
勇者「いや、僕の故郷の話」
勇者「お?明かりだ」
エルフ娘「鉱山長さんですかね?」
勇者「こんにちは」
鉱山長「おお、こんにちは。こんなところに人間とは珍しいねえ」
エルフ娘「鉱山長さんって女の人だったんですね」コソッ
勇者「ああ、男勝りな感じするけどなー」コソッ
勇者「鉱山での採掘許可を頂きたくて来ました」
鉱山長「ああ、ドワーフAから聞いてるよ」
勇者「へ?どうやって?」
鉱山長「電話って機械があるんだ。遠くのヤツとも話せるのさ」
勇者「へぇー、便利ですね」
鉱山長「いいよ、好きなときに掘りな」
鉱山長「1~5番鉱脈が鉄鉱石が多く掘れるからそこ使いなよ」
勇者「ありがとうございます」
鉱山長「取れた石の3割は置いてってくれ、それが決まりだ」
勇者「わかりました」
勇者「ツルハシまでくれたぞ!いい人だなー」
エルフ娘「ええ、良かったですね」
勇者「じゃあ、1番鉱脈にいってみるか!」
エルフ娘「おー!」
~そのころ魔王~
魔王「ここらへんに建てよう!」
側近「あっちの家と近くないですか?」
魔王「だって川の近くで開けてるのはここら辺までだもん」
側近「確かにそうですな、では作業に取り掛かりますか」
トントン…トントン…
魔王「ふぅ、とりあえず小屋ができた」
側近「ひとまずは休憩ですな」
魔王「ここを増築していく感じかな?」
側近「そうですな」
魔王「あとは…家具だね」
側近「家具も作りますか?」
魔王「家具はちまちま作っていこうか」
側近「とりあえずベッドに取り掛かりましょう」
側近「釘がたりませんな」
魔王「木で作ると脆いからねー」
側近「まあベッドが完成したので良しとしましょう、あとは明日ですな」
魔王「うん、おやすみー」
側近「では」
~そのころ勇者~
勇者「結構掘れたな」
エルフ娘「半分置いてってもいいくらいですよね」
勇者「だな、じゃあ帰ろっか」
エルフ娘「ええ」
勇者「お?なんか小屋ができてる」
エルフ娘「こんなとこに住むなんて物好きな人がいるものですね」
勇者「僕らもだけどねー」
エルフ娘「もう夜も遅いですし、明日挨拶しますか」
勇者「そうだね」
勇者「朝かー」
エルフ娘「おはようございます」
勇者「おはよう、ちょっと鍛治台見てくる」
勇者「昨日採った鉄鉱石を使って鎌作るかな」
勇者「この量だと鎌どころか剣何本か作れそうだなー」
勇者「趣味にでもするか」
勇者「ん?隣の小屋から誰か出て来たなー」
勇者「おはようございます!」
魔王「ふぁ!?」ビクッ
魔王「あ、おはようございます」
勇者「はじめまして、勇者と言います」
魔王「あ、ああ。よろしく」
魔王(ふーん、隣の人か…)
側近「おや、魔王様どうされました?」
勇者「あ、おはようございます」
側近「おや、隣の」
勇者「勇者です」
側近「側近と、こちらは魔王様です」
勇者「よろしくお願いしますね」
側近「ええ、こちらこそ」
側近「こちらには長く住んでおられるんですか?」
勇者「いや、3ヶ月ほど前からです」
側近「3ヶ月…ですか」
勇者「ええ、どうかしましたか?」
側近「いえ、こんなところに住むなんて、もしかして先祖代々ここに住んでるのかと思いましてな」
勇者「いえ、ただ自分の生活を変えたくて逃げ出して来たんですよ」
勇者「ここは平和でいいところです」
側近「そうみたいですな」
魔王(話に入れないや…)グスッ
勇者「では、また」
側近「ええ」
勇者「隣人ができた、なんか嬉しいな」
勇者は隣人を手に入れた!
勇者「よし!剣できたぞー」
勇者「結構上手くいくもんだな」
勇者「楽しいかも、でもこれどうしよう。使わないし場所取るだけだよねー」
勇者「どっかで売れないかな…」
エルフ娘「勇者様、ご飯ですよー」
エルフ娘「あれ?剣なんて作ったんですか?」
勇者「うん、鉄鉱石余ったからね。そうだ!エルフ娘つけてみなよ。軽いからさ」
エルフ娘「そうですか、でも先にご飯食べましょうよ」
勇者「そうだね」
エルフ娘「剣あってもこの辺りじゃあ使い道ないですよね?」モグモグ
勇者「うん、あんまりないね。平和なのはいいことだけどさ」モグモグ
勇者「でも山賊とかもたまに出るし、護身用にね?」
エルフ娘「そうですね」
勇者「ごちそうさま」
エルフ娘「お粗末さまでした」
魔王「隣の人いい人そうだねー」
側近「ですね、でもあれ多分勇者ですよ」
魔王「ええ!?本当に!?」
側近「ええ、倒します?」
魔王「めんどくさいしいい。まだこの生活楽しみたい」
側近「じゃあやめときますか」
魔王「だね」
勇者「久々に街行くかな」
エルフ娘「え?見つかると大変なんじゃないんですか?」
勇者「でもそろそろ調味料が無いでしょ?」
エルフ娘「じゃあ私が…」
勇者「僕も行きたいからいいの、行こっか」
エルフ娘「わかりました」
ガチャ
側近「おや、お出かけですか?」
勇者「ええ、ちょっと街に」
ガヤガヤ
勇者「街ももう1~2ヶ月ぶりかな?」
エルフ娘「相変わらず賑やかですね」
勇者「ん?また掲示板に人が集まってる」
エルフ娘「なんですかね?」
勇者「えっと…魔物の被害の張り紙だね。うわ…ひどい」
エルフ娘「村が潰されたなんて…」
勇者「なんか最近魔物が増えたみたいよ」
エルフ娘「気をつけないとダメですね」
勇者「剣の需要でそうだなー。退治の依頼でもいいお小遣い稼ぎになりそう」
エルフ娘「勇者様お強いですもんね」
勇者「魔物相手だとどうだろう」
勇者「じゃ、買い物して帰ろっか」
エルフ娘「塩買ったから、今日の晩御飯は秋刀魚の塩焼きなんてどうでしょうか?」
勇者「いいね!魚好きだし」
エルフ娘「じゃあ、秋刀魚も買ってきますねー」
今から晩御飯なので暫く休憩です
落ちてたら改めて立てるのでよろしくお願いしますね
残ってただと!?
ありがとうございます!!
エルフ娘「ふぅ、やっぱり秋は秋刀魚ですねー」ホッコリ
勇者「秋刀魚は塩焼きが最高だな」ホッコリ
エルフ娘「でも作りすぎちゃいましたねー」
勇者「余らせるのは勿体無いな。二匹食えると思ったのに…」
勇者「魔王さんと側近さんのとこにおすそ分けでもしますかね」
エルフ娘「私も行きます」
コンコン
勇者「ごめんくださーい」
側近「はいはーい」
勇者「側近さん今晩は」
エルフ娘「はじめましてー」
側近「今晩は、どうしましたか?」
勇者「秋刀魚おすそ分けに来ました、どうぞ」ガサ
側近「おや、ありがとうございますね」
エルフ娘「塩焼きがオススメですよ!」
側近「家は煮付けですかね」
勇者「それもいいなぁ…」
エルフ娘「次は煮付けもチャレンジしますか」
魔王「側近ー?どうしたのー?」
側近「おや、魔王様が起きましたね」
勇者「では、お邪魔しましたー」
側近「いえいえ、ありがとうございますね」
エルフ娘「いい人そうですね」
勇者「なー、隣人できて嬉しいよ」
エルフ娘「でも、魔力がすごい大きい人達でした、不思議です」
勇者「さすがエルフ、そんな事まで分かるのか」
勇者「なんだろ、傭兵崩れとかそんな人達かな」
エルフ娘「どうなんでしょうね?」
勇者「じゃあ、また明日な」
エルフ娘「ええ、おやすみなさい」
※エルフ娘と勇者の部屋は別の小屋です
勇者「おはよう」
エルフ娘「おはようございます」
勇者「今日はなにする?」
エルフ娘「久しぶりにおじいちゃんのところ行きたいです」
勇者「そういえばだいぶ行ってないなぁ。じゃあ行くか」
エルフ娘「行きましょう!」
勇者「お、見えてきた」
エルフ娘「久しぶりですねー、ここも」
勇者「こんにちはー!」
勇者「あれ?なんだか静かだね」
エルフ娘「本当ですね、なんででしょう」
村長「おや、勇者殿とエルフ娘じゃないか」
勇者「村長、お久しぶりです」
エルフ娘「おじいちゃん久しぶりー」
村長「まあ家に来なさい」
エルフ娘「はーい」
…
勇者「村長、なんだか村が静かじゃないですか?何かあったんですか?」
村長「エルフ娘、お茶をいれてくれるかの?」
エルフ娘「え?わかった」
村長「ふぅ…実は最近この辺りに凶暴な魔物が多くての」
勇者「凶暴な魔物?」
村長「おお、本来魔王の影響で凶暴化したような魔物じゃ。山の向こうがわにしかおらんはずのな」
勇者「なんでまた…」
村長「それは分からん。が、被害が出ておるのは事実じゃな」
村長「お前さんたちも気をつけるんじゃな。わしの孫娘に何かあったらお主を絶対に許さんぞ」
勇者「エルフ娘は僕が守りますから大丈夫です…この辺りも被害が大きいのですか?」
村長「村人が4~5人怪我をした、まだその程度じゃがこれからどうなるか…」
勇者「…わかりました、僕が退治します」
村長「あの数を一人で退治するのは無理じゃよ、奴らも生き物。増えおるからの」
勇者「いや、どこかに大元がいるのが普通なんです。経験上は」
勇者「普通の魔物は魔王の影響を受けたところで大した進化はしません。ですがその土地の主は大きな影響をうけます」
勇者「その主の影響も合わさって普通の魔物はやっと凶暴化するのが普通です」
勇者「なのでその主を倒します」
村長「お主はいったい…」
エルフ娘「お茶入ったよー」
村長「おっと、帰って来たの。では頼んだぞ!勇者殿」
勇者「お任せ下さい!」
エルフ娘「二人でなに話してたの?」
村長「なに、ただの世間話じゃよ」
勇者「あ、エルフ娘。明日僕一日でかけてくる」
エルフ娘「え?どうしたの急に」
勇者「ちょっとね」
エルフ娘「まあいいけど、気をつけてね?」
勇者「ありがと。あとエルフ娘、話し方が戻ってるよ」
エルフ娘「あ!?恥ずかしい…」
エルフ娘「むにゃ」スヤスヤ
勇者「村長、この辺りに昔からある洞窟とか大きな木とかはないですか?」
村長「むぅ…たしかここから北にちょっといったところに大きな一本杉があったはずじゃ」
勇者「いるとしたら、そんなとこですかね」
勇者「居なくても根気よく探します」
村長「すまんのう、よろしく頼む」
勇者「はい、では行って来ます」
勇者(こっちきてからはじめて勇者らしい事するなぁ)
勇者「そろそろかな?」
勇者「一本杉か…鳥とか獣みたいな魔物がいそうだなぁ」
勇者「!一本杉…あれか」
勇者「急ごう」
熊の魔物「ゴァァァァァア!」
勇者「居た!」
熊の魔物「グァァァァァァア!」
勇者「来い!」スチャ
~そのころの魔王~
魔王「!!?」
側近「どうしました?魔王様」
魔王「大きな魔力を感じる…」
側近「言われて見れば…フィールドボスってところですかね?」
魔王「私のせい?」
側近「魔力封じのアクセサリーのおかげで、周囲への影響は最小限のはずです。おそらく転移魔法の弊害でしょう」
魔王「倒しておかないと…」
側近「問題ないでしょう、勇者の気配もしますし」
側近「ま、お手並み拝見ですね」
~そのころの勇者~
熊の魔物「ァァァァ…」ドサ
勇者「はぁ…はぁ…勝った」
勇者「毛皮も手に入ったし、良かった良かった」
勇者「さて…帰るか」
エルフ娘「おかえりなさい」
勇者「ただいま、はいお土産」
エルフ娘「熊の毛皮ですか?」
勇者「うん」
村長「おお、その様子だと倒したのじゃな?」
勇者「まあね?」
エルフ娘「え?なにしてたんですか?」
村長「じつはな…」カクカクシカジカ
エルフ娘「え!?そんな危険な事を!?」
エルフ娘「どうしていってくれないんですか?」
勇者「心配すると思って…」
エルフ娘「当たり前じゃないですか!」
村長「まあまあ、抑えよ」
勇者「ごめん…」
エルフ娘「今回だけですよ?次はしっかり言ってください」
勇者「分かったよ」
村長「さあ!今日は祭りじゃ!」
勇者「え?村長どういう事ですか?」
村長「じつは村のみんなはこの事を知っとるのじゃ」
勇者「村長!口が軽いです!」
村長「済まんの、まあ楽しんで行っとくれ」
ワーワー ユウシャサマー
勇者「勇者様…か」ボソ
エルフ娘「どうかしましたか?」
勇者「いや、なんでもないよ?楽しもうか」
エルフ娘「ええ!」
~そのころの魔王~
魔王「あ、ボス死んだ」
側近「みたいですね」
魔王「勇者けっこう強いね」
側近「まあ、あのボス程度の強さなら城の周りにわんさか居ますけどね」
魔王「だねー、あれでこんだけ時間かかってたら私には勝てないね」
側近「ですね」
側近「魔王様今晩なに食べます?」
魔王「また秋刀魚食べたいなー」
側近「もうないです」
魔王「じゃあ明日買いに行こうよ」
側近「しばらく天気が崩れるので嫌です」
魔王「えー秋刀魚食べたいー」
側近「我慢してくださいよ」
側近「あ、そうそう、私明後日から一週間魔王城に帰ります」
魔王「え!?なんで?」
側近「長く城を開けすぎました…」
魔王「どうしたの…?まさかクーデターか何か?」
側近「いやいやいや、ただの掃除ですよ」
魔王「まあそうだよね、いってらっしゃーい」
側近「あ、お隣さん帰ってきましたね」
魔王「そだね」
~そして2日後~
側近「じゃ、行って来ますね」
魔王「うん、いってらっしゃーい」
魔王「…よし!天気も悪いし二度寝しよう!」
ビューガタガタガタ
ゴォォォォ
ガタガタガタガタガタガタ!
魔王「むにゃ」スヤスヤ
ゴォォォォ
べリッ!
ゴォォォォ
~そのころの勇者~
勇者「嵐酷いな」
エルフ娘「そうですね」
勇者「まあ、家は嵐に備えた家づくりだから大丈夫だな!」
エルフ娘「がんばりましたもんね!」
勇者「ただ離れの部屋にいけないのはなぁ…しばらくはここで寝泊まりか」
エルフ娘「あ!お隣さんの家の屋根が!」
勇者「なに!?」
エルフ娘「飛ばされました!」
勇者「マジかよ…」
ゴォォォォ
勇者「くそっ!飛ばされそうだ!」
勇者「おい!魔王さん!?側近さん!?」
魔王「むにゃむにゃ」スヤスヤ
魔王「…寒い」
魔王「ん?屋根がない…」
勇者「魔王さん!」
魔王「はいはーい」
勇者「大丈夫ですか?」
魔王「大丈夫だよ」
勇者「屋根ないじゃないですか、一旦僕の家来てください」
魔王「わかったー」フラフラ
エルフ娘「魔王さん大丈夫ですか?タオルを」アワアワ
勇者「屋根は嵐がやむまで直せなさそうだな」
魔王「ありがとうございます」フキフキ
勇者「とりあえず嵐がやむまで家にいて大丈夫ですから、ところで側近さんは?」
魔王「側近なら城…じゃなくて家に帰ったよ」
勇者「そうですか」
魔王「魔王でいいよ、私も勇者って呼ぶし」
勇者「そう?分かったよ」
勇者「じゃあ魔王、寝るときはそこのベッド使って」
魔王「勇者は?」
勇者「僕は床かなー、布団あるし」
魔王「申し訳ねぇ、私と寝る?」
勇者「いや…それはちょっと」
エルフ娘「…」ジロー
勇者「まあ、とりあえず風呂はいってあったまりなよ」
魔王「ありがとね、じゃあお言葉に甘えて」
勇者「ごゆっくりー」
エルフ娘「気さくな娘ですね」
勇者「なー、側近さんとは姉妹なのかな?親子なのかな?」
エルフ娘「姉妹っぽくないですか?」
勇者「仲良さそうだったしねー」
勇者「じゃあ今のうちにご飯作りますか。今日は手伝うよ」
エルフ娘「そうですか?じゃあ」
魔王「~♪~♪」バシャバシャ
エルフ娘「なんだか子供ができたみたい」ボソッ
勇者「え?」
エルフ娘「いいえ、なんでも?」
魔王「上がったー、ありがとね」
勇者「お、上がったか、じゃあ俺も入るかな」
エルフ娘「上がったころにご飯ですよー」
魔王「ご飯なに?」
勇者「秋刀魚」
魔王「やった!」
魔王「いただきまーす」
勇者「うんうん、元気だなぁ」
エルフ娘「一気に賑やかな感じですね」
魔王「美味しい!側近と同じくらい美味しいよー」
勇者「側近さん料理上手いのか」
エルフ娘「こんどは側近さんもお誘いしたらいいかもしれませんね」
魔王「~♪~♪」モグモグ
魔王「美味しかったー!」
勇者「よかったよかった」
エルフ娘「じゃあ、私もお風呂はいって来ますね」
勇者「おーう」
魔王「ねぇねぇ勇者、勇者はなんでこんなところに住んでるの?」
勇者「あー、それはだな…」
魔王「うんうん」
勇者「ここにくる前は旅をしてたんだ、無理やり旅に出されたというか…」
勇者「で、ある日嫌気がさしてここに逃げて来た感じかな?」
魔王「私とおんなじだねー」
魔王「私もある人を待っててさー、でもいつまでもこないから飽きて遊びに来ちゃったんだな」
勇者「似たもの同士だなー」
エルフ娘「上がりましたー」
勇者「じゃ、そろそろ寝るかなー」
魔王「じゃあ私も寝る」
エルフ娘「そうですねー」
勇者「おやすみー」トコトコ
魔王・エルフ娘「「おやすみなさーい」」
勇者「ん…朝か」
勇者「お、嵐が止んでる」
勇者「あれ?向こうにいるのは側近さんかな?」
勇者「側近さーん」
側近「おや勇者さん、魔王様を知りませんか?」
勇者「ああ、いま家にいます。嵐で屋根が飛んだみたいだったので」
側近「そうですか、失礼しました」
勇者「いえいえ、大丈夫ですよ」
側近「じゃあ、いま迎えに行きますね」
勇者「あの…家は?」
側近「壊れたものはしょうがないでしょ、建て直すのもなんですし、そろそろ実家に帰ろうと思います」
勇者「そうですか…さみしくなりますね」
側近「家さえあればよかったんですけど、もう一度建てるのはめんどくさいのでね」
勇者「そうですか、よかったら使ってない小屋を譲りましょうか?」
側近「いえ、そんな」
勇者「隣人が居なくなるのはさみしいのでね」
側近「そうですか、ではお言葉にあまえて」
側近「魔王様ー」
魔王「側近だー!おかえりー」
勇者「エルフ娘?あの二人の家がダメになったから隣の小屋譲るとにしたけど大丈夫?」
エルフ娘「大丈夫ですよ、あそこ使ってないですし」
勇者「よかったよかった」
側近「これからもしばらくよろしくお願いしますね」
勇者「ええ、こちらこそ」
勇者は隣人を改めて手に入れた!
ネタも尽きかけなので一旦休憩したいと思います!
ここまで読んでくれた人ありがとう!
休憩多すぎるだろ!ってならなかったら次も読んでくださいねー
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