梨沙「き、着てあげてもいいわよ」モバP「ん?」 (40)

新春LIVEツアーカーニバルのお話

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梨沙「ほら、早くして」

P「何のこったよ」

梨沙「すっとぼけないでってば、貸してくれるんでしょ」

P「誰がそんな事言ったんだ?」

梨沙「アンタじゃないの!着てるコート着そうかって言ったのは!」

P「ほう」

梨沙「さっき言われた時は断ったけれど…その、やっぱり報われないにしても好意を捨てるのは可哀想かなって思ったの、だから今なら特別に受け取ってもあげてもいいわ!」

P「そうかそうか」

梨沙「そ、そうよ!解ったなら早くそのコート貸しなさ」

P「やーだねっ!」

梨沙「…は?」


P「なあ梨沙、今ここは何処だか解るか」

梨沙「何処って…神社だけど?」

P「そう神社だ、それもLIVEイベントの準備のために朝方っていう一番寒い時間帯のだ、つまり俺だって寒い、着てていいなら俺が着ていたい」

梨沙「でもアンタさっき」

P「ああ、だけどお前はもっと寒そうな格好してたから大丈夫かと心配して貸そうとした…のに」

『嫌よ、オシャレしてるんだから、そんな事もわかんないの?』

P「あんな風にザックリ断られて今更はいそうですかって貸せるか!傷ついたんだからな!」

梨沙「………………」
 
P「なんだ、言いたい事があるなら言ったらどうだ?」

梨沙「…そうね、アタシが悪かったわ」

P「っ!お、おう…思ったより素直じゃないか、まあ解ってくれたかそれならいいんだふは は」

梨沙「でもさ」

P「ん?」

梨沙「アンタ馬鹿?アタシ相手にへそ曲げるとかそれでも大人なの?」

P「」


 

P「う、うるせえ!馬鹿って言う奴が馬鹿なんだよ!」

梨沙「悪口が学校の男子レベル…」

P「っけ、心はいつでも学生の頃のままだ!」

梨沙「よくそんなんで働けるわね」

P「何お前もそのうち解る、内面何て歳取っても変わらん、しかしそんだけ軽口叩けるなら元気なんじゃないか?そんな露出高い格好してるんだし」

梨沙「お洒落は女子的に譲れないの、それにパパにだって褒められたんだから尚更よ!」

P「ふーん、でもパパはもっと厚着しろとは言わなかったのか?」

梨沙「うっ………で、でも、パパが可愛いって言ってくれたんだもん、だか、ら服を変え…へ…っくしゅ!」

P「むっ」



梨沙「ううぅ…」
ブルブル

P「冷えてるのは本当みたいだな…とりあえず貸してやるから着ろ、アホな事やってる場合でも無かったか」

梨沙「や、やっぱり貸したいんじゃないの全くこんなに待たせるとか…さっさとそうすればいいのよ…へくちっ!」

P「本当に口が減らないなお前、もうちょい頼み方ってのもあると思うぞ」

梨沙「あら、おねだりでもして欲しかったわけ?」

P「そうだな、たとえばだが」

P『さっきまで意地悪な事言ってごめんなさい…もうあんな事言わないから…プロデューサーのコート着せて欲しいの…それで優しくぎゅーってして欲しゲフッ』
ドスッ

梨沙「キモッ!」

P「殴るか普通?!」

梨沙「セクハラで訴えるわよ!」

P「セクハラ扱いかよ!?後ハグはお前のリクエストだろうが!」

梨沙「アレはパパの話だし!アタシをぎゅーってしていいのはパパだけだし!アンタ相手とか絶っ対ごめんだから!」

P「小粋なジョークだろうがあんなもん!それに、ハグくらいなら普通だっての、アイドルからされたりもするしな!」

梨沙「プロデューサー、妄想と現実は区別した方がいいわよ」

P「いい加減に泣くぞ」

梨沙「そこらのオトナよりはマシと思ってたけどアンタもヘンタイでしかなかったのね…」

P「だから妄想じゃないっての」

梨沙「なら誰ならそんな真似するっていうの?もしいるなら目の前で見せて欲し…ん?」



「………………」



梨沙「(話してて気づかなかったけどプロデューサーのすぐ後ろに誰か来てる?)」

梨沙「ねえ、後ろに─」

P「お?後ろが何ゴフッ」
ガバッ

「エヘヘー♪」

梨沙「えっ」





梨沙「(有り得ないって思って口に出したら)」

「~♪~♪」
ムギュー

P「…驚いたぞ、いつからいたんだ?ナターリア」

ナターリア「エ?ついさっきだヨ?ずっとP探してたけど中々見つからなくて」

ナターリア「それでやっと見つけたら…ナターリア止まらなくなっちゃタ♪」
ムギュウ

P「そうか、大変だったな…で、離してくれないか?梨沙が見てる」

ナターリア「ヤダ♪」

P「ほら、せっかくの着物も崩れちゃうぞ」

ナターリア「あ、そうだったナターリアキツケして貰ってたんだヨ」

P「それで見せに俺を探しにって所か」

ナターリア「ウン、ナターリアヤマトナデシコに見えるかナ??」

P「うーん…ちょっと駄目だな、ヤマトナデシコってのはお淑やかで粛々としたもんだからな」

ナターリア「ンン?どういう意味?」

P「説明すると長くなるが、一言で言うといきなり男に抱きついたりはしない子だ」

ナターリア「エェー?」

P「そうなの、それじゃヤマトナデシコになるために離れてくれ」

ナターリア「それならナターリアやっぱりナデシコじゃなくていいヤ♪」
ムギュギュウ

P「oh」

梨沙「(目の前でヤっちゃてる!?)」



P「いやでもナターリアも結構有名になってきたしまずいんだ、記者に見られでもしたら」

ナターリア「見せ付けちゃってしっかり撮って貰わないとネ♪」

P「駄目なの!!ほら!アレだ!せっかくの着物ナターリアをしっかり見たいから一度離れてくれ!!」

ナターリア「ム…ズルイヨ、そう言われちゃったらナターリア離れるしかないもん」
スッ

P「すまんすまん、で…うん」

ナターリア「…………………」

P「………………」
ジー

ナターリア「………………」

P「………………」
ジー

ナターリア「…えっと、どうかナ?似合ってるかナ??変じゃない?ナターリアじゃやっぱりニホンの服駄目?」

P「え?いや、凄いかわいいな」

ナターリア「ア…?」

P「こういう和服のナターリアは初めてだけどまた文句のつけようも無く似合ってゲファ」
ドスッ

ナターリア「アリガトP!すっごい嬉しいヨ!!!」
ガバッ

P「おぐっ…ちょ、また抱きついたら離れた意味が無いから…」

ナターリア「ウフ♪お正月って最高だゾ♪」
ムギュー





梨沙「え、何これは」


梨沙「(ナターリアちゃんがプロデューサー好きってのは知ってたけど)」

ナターリア「ウエヘヘヘヘー♪」
ムギュウ

P「ぐ、いかん、着物越しでも解るナターリアのアレが俺の理性を…」

梨沙「(コレはもう完全にそういうアレじゃない!どうなってんの!?)」

P「別の事を考えないと…あ、り、梨沙!ど、どうだ妄想じゃなかっただろ?」

梨沙「………………」

P「…あの、梨沙…さん?」

梨沙「ねえ…アンタさ、一体ナターリアちゃんとどういう関係で───」



「…着付けが終わったらいつの間にか抜け出していて、探してみれば案の定ここにいたか」



ナターライ「ウッ」

P「うん?」

梨沙「(また誰か来た!)」

ナターリア「ア、アレー?どーしてナターリアがここにいるって解ったノ?」

「誰かに見せに行ったと聞いたからね、君がその服を誰に見せに行くかなんて天才の私でなくても丸わかりだからな」



P「この声…晶葉か、助かったよ」

晶葉「イエス、そこの彼女を引き取りに来た」

P「でも良く解ったな、俺のところにいると解っても俺の居場所を探すのは大変だったろ?」

晶葉「そりゃ助手の居場所は手に取るように解るさ、何たって私製の発信機が君に…あっ」

P「えっ?」

晶葉「あ、えっと…いや……めそ、ゲフンゴフン、冗談だ、新年ジョークだははははは」

P「なんだジョークか、心臓に悪いなあはははは」

梨沙「………………」


晶葉「さて、そんな話は置いといて戻るぞナターリア」

ナターリア「ミ、見逃してほしいナーって?」

晶葉「断る、君がいないとグループでの打ち合わせでがきない、それにその様なら目的は十分達成しただろ?…いい加減彼から退きたまえ」

ナターリア「エ?まだ全然ジュウデンしたりないしPからのハグもされてないのニ?」

晶葉「………ロボ、集合」
ピキッ

ウサちゃんロボ軍団「「「「ウサウサウサウサッ」」」」
ザザザザザザ

ナターリア「ワア」

梨沙「どっから沸いてきたの!?」

ナターリア「P!今なら間に合うヨー!ナターリアをぎゅーってし」

晶葉「確保」

ウサちゃんロボ軍団『ウサッ』

ナターリア「アーレー?!」


………
……



ナターリアと晶葉は一足先に会場に向かいました


P「お騒がせしました」

梨沙「3人はどういう関係なんだっかしら?」

P「ごく普通のアイドルとプロデューサーだけど?」

梨沙「アレが普通のアイドルとプロデューサーの関係ならアタシ今すぐアイドル辞める…ハグ云々ってこういう事だったのね」

P「待て、誤解だ、流石にあそこまでになってしまってるのはナターリアだけだ」

梨沙「ナターリアちゃんだけでもいいのソレって?アイドルとプロデューサー的に」

P「いくない…が、拒むと本気で落ち込むからなあアイツ、お前だってパパに邪険にされたら凹むだろ?」

梨沙「それはそうだけど…ていうか晶葉ちゃんも怪しい感じが…っくしゅん!」」

P「っと、話がズレにズレたが結局寒いままだったな、直ぐ会場に向かうにしてもとにかく着ろ」

梨沙「あ、ありがと…ってごめんよ!あんなの見せられたらアンタの服とかやっぱり嫌!!洗脳させられそう!」

P「人聞き悪い事言うな!というか俺だって不思議だよ!!モテ期なのか!?」

梨沙「あ、やっぱ自覚あるんじゃないの!このへンタイ!ドヘンタイ!!ロリコン!!」

P「ええい、お前に騒がれるとリアルに逮捕されそうだからやめい!!」


「なにやらにぎやかですね」


P・梨沙『今度は誰!?』


「はい?梨沙さんを迎えに行ったプロデューサー殿が中々帰ってこないのでわたくしお出迎えにきたのですけど…どうしたのですか?」


梨沙「ライラちゃん…?」

ライラ「はいです、ライラさんですよー」

P「あ、ああ、そうだったのかわざわざすまなかった」

ライラ「いえいえいいのですよ、もしも道に迷ってしまったのなら大変と思ってましたですが、お二人が無事で何よりです」

P「…………………」

ライラ「…?どうしたのですかプロデューサー殿?変な顔をして」

P「ライラは素直でいい子だなーって思ってな」
チラッ

梨沙「…今アタシを見たのはなんでかしら?」

P「別に意味は無いが?さてそれは素直なライラさんにはコレを授けよう」
ゴソゴソ

ライラ「おお?」

梨沙「アンタ…まさか」

P「ん?ライラが寒そうだからコート貸そうと思っただけだけど何か?へそ曲がりなお前と違って素直に受け取ってくれるだろうしな」

梨沙「はあ何ソレ!?へそ曲がりはどっちよ!本っ当に学校の男子並ねアンタ!!」

P「っは、褒め言葉をありがとう!若く見られてうれしいなあ!!!」

ライラ「二人は仲良しですね」

P・梨沙『何処がだ(よ)!!』






ライラ「でもプロデューサー殿、お気遣いなく、ライラさんは平気でございます」

P「いやいや、梨沙ほどじゃないがお前も十分寒そうだぞ、遠慮しなくていいって」

梨沙「結局アタシには貸さないのね…」

P「ん?いやお前はもう元気になったみたいだしな、良かった良かった」

梨沙「そんな訳…?あ、あれ?今あんまりアタシ寒くない?何で?」

P「あんだけ俺と取っ組み合いしてればそりゃな、それじゃコートはライラに…」

ライラ「そしたらプロデューサー殿が寒いのです、わたくしプロデューサー殿にそんな真似させる訳にはいけないのです」

P「本当にいい子やな、でもお前の故郷の事考えたら日本の寒さはこたえるんじゃないか?」

ライラ「はいです、骨まで冷えてしまいそうです、衝撃の寒さです」

P「お、おう」





ライラ「でも今はその寒さ何て平気でございますです」

P「うん?」

ライラ「一人のでいたときの寒さと比べれば、こんなの全然平気なのです」

P「………………」

梨沙「………………」

ライラ「ドバイから逃げて日本やってたまでは良かったですがそこから大変でした」

ライラ「日本とても勝手が違ってバイトがライラさんうまくいかなくて」

ライラ「アパートの家賃も払えず公園ふらふらして…でもお家には帰れないのです」

ライラ「…心細かったです、とても寒かったです」

ライラ「でもそんな時にプロデューサー殿に出会えました」

P「あ、ああ、あの時は驚いたよハハハ」


×ライラ「一人のでいたときの寒さと比べれば、こんなの全然平気なのです」

○ライラ「一人でいたときの寒さと比べれば、こんなの全然平気なのです」



ライラ「そしてこんな素敵なお仕事を紹介して貰ったのです」

P「いやー俺はただアイドルやれそうだと思ってスカウトしただけさ、そんな大げさな」

ライラ「でもプロデューサー殿がいなければ今のわたくしはありません」

P「そ、そうだな」

梨沙「(完全に空気を飲み込まれてる)」

ライラ「アイドル…レッスンや営業は大変ですけど遣り甲斐がありますですし」

ライラ「プロデューサー殿やアイドルの皆と友達になれて嬉しかったです…そして何よりファンの方です」

ライラ「知ってますですか?こんな寒い今日もわたくしのために来てくださるファンの方もたくさんいるらしいのです」

ライラ「それを考えたら身体の寒さ何てたいしたことないですよー」

ライラ「だから心はぽかぽかなのです、プロデューサー殿には恩を返しても返しきれないのですよ」

P「………………」

梨沙「……………」

ライラ「あら?どうしたのですか?」




P「すごく…居たたまれなくてな…」

ライラ「はいです?」

梨沙「(あんだけアホやってたからね…)」




ライラ「さあ戻るでございますよ、皆待ってますです」

P「ああ」
ススッ

ライラ「あっ…ですから駄目ですプロデューサー殿、こんなのは困るのです着せないで下さい」

P「いいんだ、これはお前こそが着るべきなんだ、こうでもしないと俺の気がすまない」

ライラ「…本当にプロデューサー殿は優しいのですね」

P「お前ほどじゃない…そしてとどめにお年玉をやろう、甘いものでも食べるといい」

ライラ「おおお…?!神様です、仏様です!あなた様です!!」

P「ははははは」

ライラ「こ、これなら…あのちょっとだけ出店を見てきていいですか?ライラさん実はずっと気になってたのです」

P「好きなだけ見てくるといい」

ライラ「はいです!お二人はわたくしに気にせず戻っていてくださいですよ!」
タタタタタ




梨沙「………………」

P「………………梨沙」

梨沙「…何?」

P「…その、悪かった、大人気なかった」

梨沙「…いいわよ、アタシもは悪かったし、ヘンタイ呼ばわりして悪かったわね」

P「…気にしてないさ良く言われる…ライラ、眩しかったな」

梨沙「…ええ、何してたのかしらねアタシ達」

P「…馬鹿な事だろ…あ、それとコレ」

ファサッ

梨沙「え…これって」

P「コートはライラに貸したからな、とりあえずそれで我慢してくれ」

梨沙「スーツの上着?」

P「冬物で俺のサイズだからコートほどじゃないがそれなりに暖かいと思うからさ」

梨沙「…寒いんじゃなかったの?」

P「心はぽかぽかだからな、問題無い」
ガタガタガタガタ

梨沙「震えてるんだけど」

P「ライラにあんな事言われたらな…これくらいしないとカッコつかないだ…っくし!」

梨沙「全然カッコついてないわよ」

P「…可愛くないなあお前」

梨沙「ふふん」




おしまい、読んでくれた方ありがとうございました
最近リサリサ株が急上昇してるこの頃
…しか全員活躍させようとか欲張ったらいけないなと思いました


おまけ



梨沙「プロデューサーと集合場所に来てみれば」



『た、ただいま戻りまし、た…』
ブルブル

『あ、おかえりだヨP…?ど、どうしてそんな寒そうなノ?大丈夫!?…あっそうだナターリアが暖めてあげるネ♪』
ムギュー

『オウフ!?アカン私服のナターリアだと着物と桁違いの破壊力ががががが』

『君は一度と言わず二度も…!そこは私の場所だ!!カモンロボ!!』

『ウサウサ!ウサウサ!』

『あーナタちゃんだけはぐはぐずるいにぃ!きらりもー☆』
ドーン

『ちょ、きらり、杏が上に乗ってるんだから待ってうわああああああ』



『皆さん!差し入れでございますですよー!』

『わあ、ライラちゃんありがと…っふぇぇ!?冷たいよぉ……これア、アイスぅ!?』

『ほほうライラはんウチらを試してんのか?ええで、その挑戦うけたるわ!』

『あら、当たり付きアイスはありますか?私が引くと全部当たりになるんですよー♪』

『あの…今当たりでもう一本貰っても誰が食べるんでしょうか…』



梨沙「…すごい事になってるわ、ぷぷっ」



おしまい

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