春香「春香さんがお年玉あげますよー」 (349)

真美「えー! ホントー!?」

亜美「どしたの、はるるん?」

春香「ふふふ。私今年は頼れるお姉さんキャラで行こうと決めたの! 亜美、こっちおいで。お年玉あげるよー」

亜美「もらえるモンなら見逃す手は無いYO!」テテテ

真美「罠かも知れんぞ亜美隊員!」

春香「もー疑り深いんだから。はい、亜美」

亜美「ははーっ! ありがたき幸せー! 早速中をあらためさせていただきやすっ!」

亜美「>>5円入ってるYO!」

亜美「楕円が入ってるよ!」

真美「それ、手鏡じゃん!」

亜美「ひどいよはるるん! うら若き乙女の期待が木っ端みじんにしてー!」

春香「おぉう……手鏡をプレゼントして身だしなみに気を付けてもらおうと思っただけなのに……」

亜美「普通にお金が欲しかったYO! 普通なはるるんは普通にくれると思ったのに!」

春香「あーっそんなこと言うんだー!! じゃあ返して! 亜美にはもうなにも無し! 将来に渡ってなにも貸してあげないっ」

亜美「も、貰えるもんならもらっとく……」

真美(簡単にヘソまげちゃった……どこふぁお姉さんなんだろ)

春香「ふんっ! いいもんいいもん。はい、真美にもあげる。妹みたいに恩知らずになっちゃダメだよ」

亜美(しつこいよ……)

真美「へへー。あ、>>16円入ってる!」

28万

真美「えっ!?」

亜美「?」

真美「えっ……!? いちさんしご……じゅう、で……にじゅうの……」

春香「28万円です」

亜美「!?」

真美「えー!? なんでこんなに!? おじいちゃんだって5万円だったのにー!?」

亜美「お、おかしいよ! 真美だけなんでそんなに! ずっこいずっこい!」

春香「真美はゆくゆくは私の後継者になる逸材だからね! これは投資だよ!」

亜美「なにそれー! オーボーだ!」

真美「も、もらえないよこんなの」

春香「わかった。じゃあ真美返して」

真美「うん……」

春香「あっ、今じゃないよ?」

真美「えっ?」

春香「いつか真美が一人前になって、アイドルとして、一人の人間として強く生きられるようになったら貰いに行くから」

春香「その時まで、ね。真美に預けとくよ」

春香「だから今は持ってて。使わなくてもいいし、使ってもいい。ただ真美は誰かに施しを受けて生きているってことをずっと覚えていてね」

真美「はるるん……うん、わ、わかった! 一人前になったら返すからね!」

春香「よし! ふふふ、子どもに感謝とモチベーションを与える春香さんはお姉さんの鑑ですよ」

亜美(なにさ……)

やよい「おはよーございますっ! あ、それとあけましておめでとうございますっ!」ガチャ

春香「あっ! やーよーいっ! こっちこっち」

春香さん「真美にはそれ持って3ヶ月間アメリカで生活してもらいます」

真美「は!?」

やよい「春香さん、どうしました?」

春香「やよいも去年ずっとがんばってたね。えらいえらい」

やよい「春香さんもがんばってましたよー!」

春香「ふふふ、やよいは本当に良い子だよね。よし、お姉さんがお年玉をあげよう!」

やよい「えっ! そんな」

春香「ストップ! お姉さんは子どもの遠慮の声など聞かないよ! 黙ってこのお年玉を受け取りなさい!」

真美「かっこいいっす! 春香のアネゴ!」

亜美(むー、真美めーはるるんにカイジューされおって!)

やよい「はわわ……ありがとうございます!」フカブカ

真美「おおっ、ガルウィングではない、きっちりとした礼!」

やよい「まさか>>37円もいただけるなんて……」

お米券10000

やよいだって服買いたい時もあるのに・・・

やよい「まさかお米券10000円もいただけるなんて」

春香「ふふふ。まあとっときなよ」

やよい「うっうー! これでおもち作ってみまーす!」

春香「これからも私についてきてねっ」

やよい「はいっ! どこまでもお供します!」

亜美(やよいっちに大金あげればいーじゃん……お米券だけでカイジューしちゃってさ)

真美「亜美ー顔がなんかケワシーよ?」

亜美「ぷん!」

美希「あけおめなの~」ガチャ

春香「来たね、美希……」

美希「シゴト気が重いの。ガッコウも始まるし……ムリは禁物なの。今日のうちは休みつついくの~」

春香「待った! ソファで眠る前に目の覚めるイベントがあります!」

美希「なんなの? 春香」

春香「お年玉あげる」

美希「ありがと」

春香「ええっ! もっと感謝とか、そうでなくても驚きとか」

美希「早くしてほしいの」

春香「もうっ! じゃあ、はいこれ」スッ

美希「あっ、ホントにくれるんだね。イタズラかと思っちゃった」

亜美(ミキミキはいくらなんだろう……)コソッ

美希「>>48円なの!」

4

       ――チャリンチャリーン

ミキミキがひっくり返したぽち袋。
その中から、1円玉が4枚転がり出て事務所に軽い音を響かせた。

亜美「うわっ……」

美希「春香……なにこれ?」

春香「――――拾いなよ」

真美「ええっ」

春香「せっかくあげたのに。落としちゃダメだよー。拾いなよ……美希」

美希「……ふぅん」

亜美(だ、暖房効いてるよね!? なんか背筋がフリーズしてる!)

美希「いち、に、さん……し…………あれぇ~ないの~!? いくらなんでももうちょっとあったはずなの」

美希「どこに落としちゃったかなぁ……こんなに少ないはずはないんだけどなー」

春香「……なるほどね………………なるほど」

美希「おかしいなー……春香は確かにどうしようもないほどドジだけど、お金を入れ忘れるなんてことはないはずなの」

春香「じゃあ、美希の方が忘れているんだよ……自分への評価を、さ」

美希「ふぅん? じゃあ春香はミキの価値4円だと思ってるんだね……『私怨』だよね、それ」

春香「ふふふ。どうかな? 『支援』の意味を込めたかもよ」

美希「ありがとうございます」

春香「気にしないで」

美希「……今年も、美希勝つから」

春香「今年は、イヤーオブハルカだよ。私、紅白目指すもん」

美希「応援するの。引退宣言なんかしちゃだめだよ?」

春香「美希からそのアドバイス来ると思わなかったなぁ……心配しなくても辞めないよ。仲間と、ライバルがいるうちは」

美希「あはっ! それじゃあミキがいる限り引退できないの!」

春香「あはは、そうかも。今年もよろしく。美希」ペコリ

美希「えへへ……はい、よろしくおねがいしますなの」ペコリ

亜美(おおう、ライバル関係だった!)

伊織「みんな久しぶり! ハワイも日本人ばっかね! 次の正月はローザンヌ辺りに行こうかしら」

真美「あっ! 正月に海外旅行に行ってたいおりん!」

伊織「日本の空気はなんかじめじめしてるわね。おみやげ置いとくわよ」

やよい「伊織ちゃんあけましておめでとう!」

伊織「やよい――っ! あけましておめでとう!」

春香「ふふふ、伊織。こっち来て。お年玉あげるよ」

伊織「は? 春香が?」

やよい「春香さんはお年玉みなさんにあげてるんだよー」

伊織「……本当に良いの? 私はいらないからムリしない方がいいわよ」

春香「もぅ、失敬だなぁ。たまにはお姉さんらしいことさせてよ。はい、お年玉」

伊織「じゃあ、ありがたく。――えっ、>>64円も?」

テレフォンカード500

伊織「テレフォンカード500円も……って今時要らないわよこんなの!」ペシーン!

春香「わーひどい。……伊織! アイドルたるもの連絡の大切さを忘れちゃダメだよ!」

春香「緊急の用事を伝えなきゃいけないのに、ケータイが壊れちゃった時……そんな時どうするの!」

伊織「もういっこケータイ買うわよ」

春香「財布落としてる時は?」

伊織「その時はテレフォンカードも落としてると思うけど」

春香「うっ……まあ、持ってなよ! 人の善意は無下にしちゃいけないよ!」

やよい「そうだよ! 伊織ちゃん」

真美「はるるんの言うとーり!」

伊織「な、なによ、あんたたちまで……わかったわよ。持っておくわ。ありがとう春香」

春香「お姉さまって呼んでいいよ」

伊織「呼ばないわよっ!」

亜美(仲間が出来たかも!)

春香「ふー……これで『天海組』の結束はより強くなったかな」

亜美「なにそれー!? 亜美達それに入ってんの?」

春香「ふふふ」

伊織(もらったはいいんだけどテレフォンカードなんか使ったこと無いのよね……公衆電話を買ってきて練習しないと)

春香「さてと、春香組は外にももう一人いるんだよねー」


愛   「   あ   け   ま   し   て   お   め   で   と   ー   っ   ご   ざ   い   ま   す   っ   !!」


美希「!? 何事なの?」ガバッ

春香「876プロの愛ちゃんだよ。さっき呼んだんだー」

愛「みなさん今年もよろしくお願いしますっ!!」

春香「相変わらず元気があっていいね、愛ちゃん! よし、お年玉をあげよう! 受け取って!」

愛「あ、ありがとうございますっ! 一生大切にします!」

亜美(愛ぴょんはいくら貰って……あっ>>71円も!?)

うんこ

亜美「うんこだー!」

伊織「!?」

亜美「あはははは、うんこだうんこ! あはははは!!」

愛「え、え?」

亜美「愛ぴょんうんこーえんがちょ! あははっはっは!」

やよい「亜美! いい加減にしなさいっ!」

亜美「はっ」

真美「亜美……ショーガクセーの時からそんなレベルの低いギャグは卒業しようって言ってたじゃん……」

愛「どうしたの!? あたしが貰った札束を見てボーソーしちゃったの!?」

亜美(やっぱり……ウン十万はあるよ……ウンじゅーまん……ウン……)

亜美「うんこだー! あははは!」

春香「亜美!?」

美希「な、なんか見てられないの……」

真美「はるるん! 亜美きっと、自分だけゲンブツシキューだったから怒ってるんだよ!」

春香「ええー……それもおいしー役どころだと思うんだけどなー、ね、愛ちゃん」

愛「はいっ!!!!!」

春香「わがままだと思うよね。あと人のこと普通普通ってバカにして、ちょっと尊敬の念が足りないよね」

愛「はいっ!!!!!!!!」

伊織(愛のヤツ、もともと春香を慕ってたのもあって完全に取り込まれたわね)

春香「もう、用意してた分は全部出しちゃったし……。別の人から貰えばいいよ!」

真美「別の人って?」

春香「ちょっと待ってて、今>>88に電話して来てもらうから」

社長

美希「社長を呼びだすなんて流石春香なの」

春香「褒めても何も出ないよー」

伊織(褒めてるわけじゃない)


社長「いやぁ! みんなあけましておめでとう! ……これはどうしたことかな? 亜美君がさるぐつわを咬まされているんだが」

亜美「んんおー! んんおー!」

春香「いやぁ、実はお年玉が少ないってだだこねちゃいまして……、事務所最年少だからちょっとまだお子様なんです」

社長「ふむぅ。それはそれは。亜美君もがんばっているのに可哀想なことだ」

社長「よし! 社長として器量が大きい所を見せてあげよう!」

亜美「ぷはっ……、社長さんお年玉くれるの?」

社長「うむ! あげるとも!」

亜美「やったYO!!」

春香「良かったね亜美」

社長(さて……いくらあげたものか。>>94円ほどかな)

3000円

社長「今社長室に行って、祝儀袋に入れてくるから待っていてくれたまえ」

亜美「わくわく」

愛「あの! ママからお節持ってくようにって!」

伊織「あら、豪華」

春香「ちょっと食べて待ってようね」





社長「お待たせ、亜美君! さあ受け取りたまえ!」

亜美「シャチョさん! ありがとー! これからはもっとソンケーするからねっ!」

亜美「さあいくら――!! えっ……3000円……!?」

真美(5000越えないなんて……! 正直……ウチでもらう相場より遥かに安い……! 亜美……っ!!)

亜美「社長さん……」

社長「ん、なにかね」

亜美「>>106

感謝

亜美「感謝……いたします」

社長「うぅん?」

亜美「思えば、昨年から格別のご高配を賜り……厚く御礼申し上げます」ドゲザー

社長「亜美君? どうしたんだね!?」

亜美「どうか今後ともよろしくご厚誼のほどをお願い申し上げます……」

社長「う、うむ……こちらこそよろしく……あ、頭をあげたらどうだい?」

真美(亜美のボロボロハートに素朴な3千円という額が沁みわたったんだ……)

春香「いいなー亜美」

春香「なんか亜美見てたら、あげるばっかりなのもちょっと、っていう気分になってくるなぁ……」

春香「私も年上の>>116さんにねだってみようかなぁ」

バラク・オバマ

春香「バラク・オバマさんにねだってみようかなぁ……」

伊織「は?」

愛「大統領とお知合いなんですか! 流石春香さんっ!!」

春香「でもなーオバマさん今自分の国の失業保険をどーするかって悩んでたし、もらえないかなー」

愛「そ、そうなんですか!!」

春香「高度にセンシティヴな問題で、グローバルな視点で見ればオバマケアも有りだと思うけど、あれも覇権主義的思想が共和党でNSAが違法だしね」

伊織(なによそれ。春香……愛の前でいいカッコしようとしてるわね)

愛「す、すごいです春香さん……か、体が震えてきました」ガタガタ

春香「だからオバマさんにねだる訳にはいかないんだよね……」

>>125「あけましておめでとう」ガチャ

ノッチ

ノッチ「Yes,We can!!」

伊織「ぶふぅ!!」

社長「これはこれはノッチさん!」

ノッチ「いやね、ランニングの途中なんですけどね、以前お仕事をご一緒させていただいた765プロさんの事務所が見えましたもんでね」

愛「春香さん! オバマ大統領ですよ!」

春香「ノッチさんだよ!! 愛ちゃんテレビ見てる!?」

ノッチ「あの、テレビ東京開局50周年特番、僕出てるんですよ! 2月23日の!」

春香「わぁー!! 本当ですか! すっごく見たいです!」

愛「春香さん! お年玉貰わないんですか!?」

春香「ちょっと愛ちゃぁああん!!」

ノッチ「あーお年玉ね! ……Yes,We can!」

春香「ええっ、くれるんですか!」

ノッチ「僕にも娘いるからね。内緒にしててよ。はい>>138円」

5000

春香「何万円だろ……あ」

伊織「5千円ね」

春香「――チェンジ!」

伊織「!? アンタそれいくらなんでも失礼よ!」

ノッチ「アーンド……」

春香&ノッチ「「Yes,We can!!」」

伊織「え? え?」

春香「あ、オバマ大統領のキャッチコピーは『Change』と『Yes,We can!』なんだよ」

ノッチ「振ってくれたんだよね」

伊織(……春香。いつからこんなに達者になったの……)



春香「さて、ノッチさんはランニングに戻っていかれたし……」

春香「本格的にお年玉ねだってみようかな! 事務所でくれそうなのは……>>153かな」

社長

春香「あっ、社長!」

社長「う、うむ……天海君どうかしたかね」

春香「亜美にお年玉あげてましたよね」

社長「うむ……」

春香「3000円でしたね」

社長「そうだね」

春香「ノッチさん5000円くれましたよ」

社長「……うむ。ありがたいことだ」

春香「……社長。もしかしたら何か忘れちゃってないですか?」

社長「…………すまない。お年玉だね。天海君にもあげよう」

伊織(まるで蛇ね……)

春香「私765プロには入って良かったです!」

社長(亜美君に3000円だから……>>160円辺りが妥当だろうか)

5万円

春香「やった! 5万円ですよ5万円!」

真美「!? 亜美っ……聞いちゃダメ!」

亜美「――――遅いよ、真美」

春香「社長ありがとうございます!」

亜美「どーしてなのさ……なんではるるんは亜美の16倍なのさ……」

真美「はるるんはお姉さんだし、ね!」

亜美「違う! はるるんははるるんだよ! 社長さんを責めるつもりは全然ないけど、なんかナットクいかない!」

春香「もぅー……亜美は子どもだなぁ……もらえるだけありがたいと思わなきゃ」

亜美「勝負して、はるるん」

春香「へ?」

亜美「その5万円をかけて、亜美と>>175で勝負して!」

限定じゃんけん

亜美「限定じゃんけんで勝負して!」

春香「1対1……徒党を組んでカードを増やすことも無し……それって単なるじゃんけんにならないかなぁ」

亜美「いいの!」

春香「……運勝負、か。オーケー! いいよやったげる!」

亜美「やたっ!」



グー・チョキ・パーのカードが3枚ずつ春香と亜美に配られる。
続いて『星』が互いに3つずつ配られる。このライフをやりとりするのだ。
事務所ににわかに緊張が走った。

やよい「あの、かけごとは……」

真美「やよいっち。これははるるんと亜美の真剣勝負なんだ……見逃してくれぃ」

伊織「じゃあ、チェック」

亜美「負けないよ、はるるん」

春香「こういうゲームで亜美に勝てるかなー」

伊織「セット」

亜美「これだ!」スッ

春香「はい」スッ

伊織「オープン!」

真美(どっちが勝つ?)

亜美>>185
春香>>186



亜美【グー・3 チョキ・3 パー・3】☆3
春香【グー・3 チョキ・3 パー・3】☆3

パー

チョキ

亜美 【パー】
春香 【チョキ】

春香WIN!


春香「やたっ! 勝った!」

亜美「そ、そんな…………おかしいよ!」

伊織「いいえ、亜美。おかしくないわ。春香はなんのイカサマもしていない」

亜美「うぅ~……! い、一回負けただけだもん! とりかえす!」

春香「そういえばさぁ……私は5万円賭けてるのに、亜美はなにも無いの?」

亜美「えっ?」

春香「なんかフェアじゃないよ。亜美、私と戦いたかったらそっちも何か賭けなきゃ」

伊織「正論であるけれど……どうする? 亜美」

亜美「そうだね……勝負だもんね……ぅぅう…………わかった! >>192賭けてやろうじゃん!」

手鏡

亜美「手鏡賭けてやろうじゃん!」

春香「それ、私があげたのだよね?」

亜美「だからフサワシーのっ! お互いお年玉を賭けているんだから!」

亜美「それともなに? 5万円とじゃ釣り合わない? そんなわけないよね! はるるんがくれたやつだもんね!」

亜美「『価値がない』なんて言えるわけないよねぇ……!!」

真美(あ、亜美に『スゴ味』が……!!)

春香「――いいよ。認めたげる」

亜美「当たり前だよ。さあ。お互い持ち逃げしないように、互いに賭けるものをテーブルに置こうか……ね? 『春香お姉ちゃん』」

春香「出すよ、もう。恐いなあ……」パサ



そして、勝負は続行される。
しかし、2戦目は所詮と状況が違う。
星の移動、互いのカード消費……それ以上にテーブルの状況が違う。

亜美(この考えるように傾かせた頭の角度……ここからなら横目で……あの手鏡が見える)

亜美(はるるんの『手札』が、見える……!!)

誘導。
お姉ちゃんとあえて呼ぶことでテーブルに互いの物を置かせたのは、単に勝利した場合の5万円獲得を確実にしたいというだけの理由ではない。

イカサマの布石。

相手によってもたらされた手鏡を利用し、勝負に勝つという決意。
不憫を、痛々しさを、必死さを隠れ蓑にした裏切りの刃。
必ずや成就させてみせると、亜美は決めていた。

亜美「どれにしようかな~一度負けたから後星は2つ……慎重になるなぁ」

春香「悩み過ぎてもしょうがないよ、亜美」

亜美「あははは……」

春香「私決めたよ」スッ

亜美(1枚選んで抜いた……セットまで持ってるつもりだね……あのカードは>>201!)

パー

亜美(あれはパー! じゃあ、こっちはチョキ……いや、まずはあいこで相手を油断させてからの方が……)

伊織「……」

亜美(やばっ、いおりんこっち見てる!)

亜美「亜美も決めた!」

伊織「じゃあ、セット――それでオープン!」


亜美>>205
春香>>207

亜美【グー・3 チョキ・3 パー・2】☆2
春香【グー・3 チョキ・2 パー・3】☆4

チョキ

グー

亜美 【チョキ】
春香 【グー】

春香WIN!


亜美「」

春香「やった2連勝ですよ! 2連勝!!」

やよい「春香さん強いです!」

愛「流石春香さん!」

亜美(な、なんで!? 確かに……パーを……)グニャァァアア

亜美(いおりんの方に視線を映した一瞬で、カードを入れ替えた?)

亜美(ば、ばれてたんだ。手鏡のイカサマ……)

亜美(イタズラの王と呼ばれるこの亜美が……この亜美のイカサマが……)

春香「あと、☆1つだね。大丈夫、亜美?」

亜美「あ、あっはっはーこんなの演出だよ! こっから怒涛の5連勝を見せたげるかんねっ!」

伊織「なんか様子がおかしかったからイカサマしてるのかと思ったけど……思いすごしだったわね」

春香「ふふ」ニコ

亜美(亜美に向かって笑いかけてる?)

亜美(――――『ばれなくて良かったね』とでも言うの!?)

亜美(イカサマをばらすまでも無いと、そこまでの相手でもないと、そういうの!?)

亜美(――はるるん……とうとう亜美を怒らせたね…………亜美にもプライドってもんがあるんだよ)

亜美「こうなったら……ここまで追い詰められたら……」

亜美「>>218するしかないYO!」

春香を殺害

亜美「はるるん、ぶっころ!」ガバッ!!

春香「えっ、亜美!?」

愛「亜美ちゃん! 春香さんになにするのー!」ヒダカ ターックル!

亜美「ぐほぅ」

やよい「落ち着いて! 亜美!」ガシッ

亜美「愛ぴょん、やよいっちはなせー! 亜美は亜美は……うわああああああぁぁぁん!!」

伊織「亜美……」

真美「亜美、負けてるからって、それは……」

亜美「うぅぅぅ……!!」

春香「ほら、もう。よしよし」ナデナデ

亜美「ぅぐっ……ふぇぇ……!!」

春香「泣いて顔がめちゃめちゃだよ。手鏡で見てごらん」

亜美「ぅぅうう……だって! だってだって! みんなずるいんだもん! 理不尽なんだもん!」

春香「そうだね。よしよし」

亜美「ずるいよー……生き辛いよー……」

やよい「亜美、元気出して……」

亜美「ずるいずるいずるいずるい……」

伊織「もう、なにすねてんのよ」

亜美「だってだって……わぁぁああああああ!!」

春香「もう、お願いがあるなら聞いたげるから。泣きやんで、ね」

亜美「じゃあ特別ルールが欲しい」

春香「!」

亜美「この限定じゃんけん勝負に……>>229ってルールを付け足して」

星全部賭ける

亜美「次の勝負……お互い星全部を賭けて勝負する」

春香「そんなのこっちにメリットないじゃない!」

亜美「はるるん……亜美はね、すべてをかけた勝負がしたいの」

亜美「残りのカード枚数とか、星の数とか、イカサマとか……そんなの関係無くしたやつを」

亜美「自分自身の天運を試し……今年の未来を占いたいと思うの……そう、これは年始めにしかできない勝負」

亜美「アイドルだったら、旬には乗らなきゃねぇはるるん」

春香「δのヮの 怒涛の5連勝はどうしたのかな?」

亜美「津波のような大勝の方がハデでいいじゃん!」

亜美「愛ぴょん! はるるんを信じてるよね!」

愛「えっ、当たり前じゃない!」

亜美「ほらー、愛ぴょんもはるるんのちょっといいとこ見たいって!」

愛「見たいです!」

春香「へ、へぇ~……!!」

伊織「やるしかないわよ、春香――――泣く子には勝てないわ」

春香「もう……なんでもありじゃない。ウソ泣きだったしさ……」

亜美「んっふっふ~! ひっかかりましたなぁ……!」

春香「はぁ……」

春香「――いいよ。受けて立つ」





亜美(よし! この状況に持っていけた!)

亜美(あとは確実に勝つために、>>240をする!)

イカサマ

亜美(イカサマを使う……!)

亜美(確実に勝つためには、自分の自尊心を守るためには――イカサマは当たり前! 正当なる努力!)

亜美(やらない手はないよねぃ……)

亜美(ミキミキ……はるるんの後ろのソファーで寝てる! これは利用しなきゃだね!)

亜美(こっそりミキミキにお願いメールを送ろう)


タイトル ミキミキお願い!
本文
協力して! はるるんの目を覚ましてやりたいんだよ→!
>>250>>253してあげるから、はるるんのカードをこっそり教えて!

>>248

美希とデートするように

美希「ん、メールなの」

美希「……!! これは……」

亜美「――」グッ

美希「なの!」グッ

亜美(契約完了! にーちゃんをミキミキとデートするようにしてあげるから……完璧な文面!)

亜美(なんだろう……風……吹いてきてる、確実に……)

伊織「準備はできたの?」

亜美「オッケ→!! 勝負だはるるん!」

春香「負けられないのはこっちも同じだからね!」

伊織「じゃあセットを――」

春香「まって! 私こうする!」

亜美(はるるんなにを!?)

春香がした行動 >>264

カードをシャッフルしてからテーブルに対して平行になるようにカードを出す

春香「しゃっ、しゃっ、しゃっ……と、はい! もうセットした!」

亜美「!?」

美希「!?」

亜美(カードをシャッフルしてからテーブルに対して平行になるようにカードを出した!?)

亜美(これじゃ、ミキミキがわかんないよ! いや、はるるん自身も何を出したかわかってない!)

亜美「100%運の勝負、か……」

春香「それがしたかったんでしょ、亜美」

亜美「んっふっふ……尊敬するよ、はるるん」

春香「ありがと」

亜美(グーとチョキを1枚ずつ使ってるはずだから、パーが少し可能性が高い?)

亜美(だったらチョキ? でも、さっきは『勝てると思ってチョキを出したら負けた』んだよね……)

亜美(1日に2回も味わいたいもんじゃないよ、あの感覚は)

亜美「ふう。……決めた」

伊織「いいのね」

亜美「うん、セットするよ」


真美「亜美……」

愛「春香さん……」

美希「ハニー……」

社長「まさかこんなことになるとは……」

やよい「栗きんとんおいしいですー」


伊織「オープン!」

春香 >>278
真美 >>279

グー

ぱー

春香 【グー】

真美「パー!!!!!」

伊織「わっ! びっくりした!」

亜美「何やってんのさ真美!」

真美「ごめん、気持ちが入り過ぎて……!」


社長「おや、プロデューサーの彼からメールが……『ミスりましたすいません』?」

社長「『気にするな、みんな暖かい目で見守ってくれる』、と……返信」


亜美「亜美がパーなら勝ちってことだね!」

春香「そうだよ! チョキなら私の勝ちだよ!」

伊織「みんな! 間違えちゃダメよ!」

亜美「いけっ!!」

亜美 >>292

安価↓

亜美 【チョキ】

亜美「なっ……」

春香「やたっ」



亜美「なぁああああああああああああああああああああああにぃいいいいぃいいいいぃいぃぃぃぃ!!!??!?!?!?」

亜美「バカな! バカなバカな!」

亜美「こんなバカなことが……」

亜美「一度は…………勝利が我が手に収まったものと…………」

亜美「それが、神の誤算によって…………!」

亜美「恐るべし……! 恐るべし……はるるん……!!!」

伊織「口調が、変わってる……」

亜美「負けた……もうあがけない」ガクゥゥゥ

真美「全部出し切って亜美が崩れ落ちちゃったYO!」


春香WIN!


春香「ふー、風、吹いてきてるね確実に……イヤーオブハルカ、始まったね!」

愛「無傷の3連勝! すごいです流石春香さん! 一生ついていきます!」

春香「あはは、いやーいい勝負だったよ!」

亜美「ここまでやってだめなら、もう一周回って感心しちゃうよ……」

春香「もう……ほら亜美。手鏡あげる」

亜美「え、でも」

春香「もう一回改めてあげるってことだよ!」

亜美「は、はるるーん……」

愛「良かったね亜美ちゃん!」

亜美「ごめんねはるるん。大切にするよ」

春香「まぁ、あからさまに差をつけちゃったみたいに見えたからねー……私も悪いんだけど」

亜美「え?」

春香「こういうイタズラは、慣れないからするもんじゃないね、たはは……亜美。その手鏡ね、上の所ちょっとへっこんでるでしょ」

亜美「あ、ホントだ!」

春香「そこをね、押してみて」

亜美「えっ、こう?」カチッ

亜美「あ、開いたよ!」

春香「ふふふ」

そこには、亜美の本当のお年玉 >>320円が入っていたのであった。

105

       ――チャリンチャリーン

ひっくり返された手鏡の中から。
100円玉が1枚。5円玉が1枚転がり出て事務所に軽い音を響かせた。

亜美「……ありがとうはるるん」

春香「うん……」

真美(帰ったら、お母さん銀行に28万預けよっと。それなら亜美にも回るはず……)

やよい「数の子おいしいですー」

社長「(ここにいては、また誰かからねだられてしまうかもしれない) あいさつ回りにいってくるよ!」

愛「春香さん!」

春香「え?」

愛「流石です!!!!!」




完! 2014年も765プロをよろしくお願いします!

>>275はマジミスだった。ごめんよ亜美。

春香さんが勝ってしまった時、天海春香というキャラクターの底知れなさを感じてしまった

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