魔法少女ラブリーチカ (334)


モバP「シュレディンガーの事務所」
モバP「シュレディンガーの事務所」 - SSまとめ速報
(ttp://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1377/13774/1377428564.html)

こちらのパラレルワールドとなっております
兄=P
キャラ崩壊や登場キャラがそもそもアイドルじゃないなどなど注意


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1388897613

『0』


――

むかしむかし あるところに

まほうつかいの おんなが おりました

おんなは そのくに いちの まほうつかい

どんな じけんも かいけつしては おうさまから ほうびをもらっていました


そのひも じけんを かいけつした おんなは おうさまから おしろに よばれていました

おうさまは いいました

「おお よくまいった このくに いちの まほうつかいよ」

「そなたに ほうびを とらせようと おもったのだが」

「いつも わしから そなたにわたすばかりでは つまらんとおもってな」

「まほうつかいよ そなたは なにがよいか?」


おんなは いいました

「では わたしは おうじさまが ほしいです」

おんなは やしんかでした

いまでいう たまのこしです (わからないひとは おかあさんに きいてね)

これをきいた おうさまは おおわらい

「そうか そうか しかし それには おおきなもんだいが あるのじゃ」

「わが おうじは ろりこん なのじゃ」

「そなたの みりょくで なおしてくれれば そなたのねがいは かなうじゃろう」

「まあ そなたなら かいけつできる はずじゃがの HAHAHAHAHA」

おおわらいする おうさまをしりめに おんなは おうじさまのへやに むかいました


おんなを ひとめみた おうじさまは おおさわぎ

「おばさんだ! だれだ! ぼくの へやに おばさんを よこしたのは!」

これをきいた おんなは えんえんと おおきなこえで なきました

おんなも おうじとおないどしの にじゅうはち だったのです


しろをとびだして いえにかえったおんなは さっそくまほうで わかがえりのくすりを つくりました

できたくすりを いえの だいどころにいた ねずみにあたえると みるみるうちに わかがえりました

だいせいこうです 

おんなは くすりを のみほし かがみのまえに たちました


すると なんという ことでしょう

かがみのなかの おんなは みるみるうちに しわくちゃの おばあちゃんに なってしまったのです

「これじゃ おうじさまと むすばれなく なっちゃうじゃない!」

でもこれは わかがえりのくすりの ふくさよう

じぶんのすがたが おじいちゃん おばあちゃんに みえてしまうのです

ねずみで ためしても このふくさようまでは わからなかったんですね

それにきづかない おんなは えんえんと さきほどより おおきなこえで なきました

まわりには おんなのこが ないているように きこえても

おんなには おばあちゃんが ないているようにしか きこえません

そうして そのひから このくに いちの まほうつかいは すがたをけしました

――――

――


兄「おーい千佳、お風呂沸いたから入って……何してるんだ?」

千佳「あ、おにいちゃん。机の中の整理をしてたんだけど……」

兄「なるほど、懐かしいものを見つけて手が止まった、と」

千佳「えへへ……そのとーりぃ……」

兄「わかった。俺も手伝うよ……お、懐かしいなその絵本」


『0』おしまい


『1:魔法少女誕生!』


兄「おーい千佳、早く起きないと遅刻しちゃうぞー」

千佳「も、もう起きてるよー!」


あたしの名前は横山千佳(9)!魔法少女に憧れる女の子!

お父さんとお母さん?お仕事の都合で家にいないことが多いんだ

けど、やっさしいお兄ちゃんがいるから大丈夫!


兄「お、そりゃ悪かった。朝ごはん用意してあるからなー」

千佳「はーい!ありがとー!」


ホントは、お兄ちゃんのお手伝いをしたいんだけど……


<ピンポーン


兄「お、来たか」

ちひろ「横山くーん!ご飯食べに来たよー!」

兄「アホ。ちゃんとソッチで食べてこい」

凛「ごめんなさいお兄様、姉がいつもご迷惑を……」フカブカ

兄「いえいえそんな事……」フカブカ

千佳「むーっ」モグモグ


こちらは隣に住む千川さん姉妹

上がお兄ちゃんと同じ、高校生のちひろさん

下が中学生の凛さん。お兄ちゃんの事が好きだって態度でバレバレなんだけど


凛「おはよ……どうしたの千佳ちゃん?」


がるるるる。お兄ちゃんは渡さないからね


兄「あ、今日生徒会で遅くなるから、ご飯は昨日の分食べておくように」

千佳「はーい」


お兄ちゃんはせーとかいちょーで、時々帰りが遅くなる

そんな時でも、あたしは自分でどーにかできるようになりたい

例えば、帰ってきたお兄ちゃんに手料理をつくるだとか……


千佳「……はぁ~」

凛「なんか、朝から元気ないけど大丈夫?」

千佳「うん……」


それを相談できる相手がいないのが、あたしのみのふこーってやつかもしれない


千佳「ごちそーさまでしたっ」


一人きりでも、いただきますとごちそうさまは忘れない

良い子にしてないと魔法少女にはなれないと、お兄ちゃんに言われているからだ

ホントは、良い子にしてたってなれやしないのは、わかってるけど

いつもならお兄ちゃんが帰ってくるまで待つけれど、今日はなんだかそんな気分でもない

早く寝て、明日はまた元気に……


?「ふむ……」

?「暗く沈んだ気分の9歳の少女で高校生の兄がいる上に兄ラブ、とは難しい条件だと思ったんじゃが……」

?「案外いるもんじゃなー」

千佳「zzz……」

?「さて、少女よ。そなたに力を授けてやろう。その沈んだ気分を晴らすがよい」

?「世界を破滅させる魔法じゃ……」


――聞こえますか

  んー……誰?――

――アナタに与えられた『魔法』です

  魔法?――

――はい

  ホントに?――

――はい

  ホントにホントにホント?――

――マジもマジです

  じゃああたし、魔法少女って事?――

――そういう事になりますね

  やったっ!……ってコレ、夢だよね?――

――夢じゃないですよ

  嘘だー――

――嘘じゃないですよ


  うーん……いいよ!信じてあげる!――

――ありがとうございます……おや?

  わぁ……――

――なるほど、このような姿に見えるのですね

  お兄ちゃんが好きなゲームのロボットだよ!すごい!――

――ジェフティ、ですか……いいですね。気に入りました

――ではチカ、私を使い、世界を破滅させて下さい

  へ?――

――私は『世界を破滅させる魔法』ですから

  ダメ!そんなのダメだよ!――

  魔法少女は世界を守るためにたたかうんだよ!――

――そうなのですか?

  そうなの!――

――ではこの力は、世界を守るために

――私はアナタと共に


千佳「っ!」ガバッ

千佳「……夢、かぁ……」

『夢じゃないですよ』

千佳「!」キョロキョロ

『おはようございます。チカ』

『私の使い方を確認しますか?』

SHOT

BLADE

千佳「あ、あたし……」

SHIELD

MULTI LASER

千佳「ホントに魔法少女になっちゃった……?」

『レディ』


『1』おしまい

『2:魔法少女変身!』


兄「お、おはよー千佳。ちゃんと起きれてエライぞー」ナデナデ

千佳「えへへー……」


と、笑っている場合じゃない

今のあたしは魔法少女なんだから、バレないようにしなきゃ!


兄「どうした?」

千佳「えっ?ううん、なんでもないよ!」ブンブン

兄「……あ、怖い夢でも見たんだろ?」

千佳「ちっ、違うもん!」ブンブン


そういえば、魔法少女は世界の為にたたかうけれど

それは悪いやつが世界を滅ぼそうとしているからで……


あれ?


『――私は『世界を破滅させる魔法』ですから』


もしかして

あ、あたしが悪いやつって事……?


――

?「ふむ……すぐには使わんか」

?「さっさと使って、こんな世界滅ぼしてくれてもいいんじゃがのー……む?」

アッキー「ッハッハッハッハッハッ」

?「なんじゃ?飼い主とはぐれたか……」

?「ふむ……どれ、もっと可愛い見た目にしてやろう」

アッキー「?」

――――

――


優「アッキー!アッキー!?どこ行ったのー?」タッタッタッ


<ガサッ


優「あっ……リードだ」

優「もぉー、急に走らないでよアッキー♪」ガサッ

アッキー「GGGGGAAAAAHHHHHH」(三つ首)

優「」


<きゃあああああああああああああああ


千佳「?」

凛「何、今の?」

『付近に魔獣の存在を確認しました』

千佳「魔獣って?」

凛「え?」

『魔法により、強化された動物の事です』

『先ほどの悲鳴が聞こえた方角と一致する事から、人が襲われたと推測されます』

千佳「……」

凛「どうしたの千佳ちゃん?」

千佳「ごめん凛さん!先に行ってて!」タッ

凛「あっ、千佳ちゃん!寄り道はダメだよ千佳ちゃん!」

凛「……まぁ、少しくらいはいいか」

凛(これでお兄様と話すチャンスが生まれるかもしれないし)グッ


――

アッキー「GGGGGUUUUUUUHHHHHH」

優「やっヤダッ!来ないでっ!」ガタガタ

優「誰かっ!」

千佳「大丈夫ですかっ!?」

アッキー「!?」

優「あっ!」

千佳「……何アレ……」

『魔獣です。犬をベースにしているようですね』

『いわゆるケルベロスという魔獣です』

千佳「だっ、ダメだよ悪いことしちゃっ!」

アッキー「GAAAAAHHHHHH!!!」ダッ

千佳「!!へっ、へんしんっ」


シーン


千佳「……あれ?」

『どうされました?』


千佳「変身できないの!?」

『変身しますか?』

千佳「するよ!だって魔法少女だもん!」

『了解しました。どの機能を選択しますか』

>空中戦用飛行機能
>地上戦用砲撃機能
>地中戦用ゲッター2

千佳「最後がおかしいよ!?」

『掘り進めて地上にマグマを噴出させるマジカル☆ボルケイノが必殺技です』

千佳「やだよ!」

千佳「もっとこう魔法少女然とした感じの――」


ドンッ


優「アッキー!!」


――アレ?ナンデ?


『魔獣からの体当たり攻撃です』

『シールドを張って衝撃を緩和しました。動けますか?』


――ソッカ。マホウショウジョハタタカワナキャ


『了解しました。魔獣の魔力部分だけを破壊するよう魔力を調整します』

『……外見イメージも了解。魔法障壁を衣装として展開します』

『……魔法少女、レディ。スタンバイ』

『いつでも変身出来ます』


千佳「……」ムクッ

優「に、逃げてっ……」

千佳「マジカル☆チェンジッ!!」


アッキー「GGGGGGGRRRRRRRUUUUUUUUUU」タジッ

千佳「……怒ってるからねー……」

ラブリーチカ「魔法少女ラブリーチカ!さんじょう!!」

『一般人の気絶を確認。変身時のフラッシュが強すぎたようです』

ラブリーチカ「今言わなくていいんじゃないかな……つ、次から気をつけよ?」

『了解しました』

アッキー「GGGGGGGAAAAAAAAAAAAAAHHHHHHHHHH!!!!!!!!」ダッ

『体当たり、来ます』

ラブリーチカ「飛べるよね?」

『飛行用のユニットがありません。飛行したければ、翼が必要となります』

『ジャンプ力を増強しますか?』

ラブリーチカ「オッケー!」タンッ

アッキー「!!」スカッ

『……魔獣の魔力の源を確認しました。左右の首の根本です』

ラブリーチカ「どうすればいいの?」

『次の一撃を回避後、上空からのマジカル☆ショットによる攻撃を推奨します』

ラブリーチカ「や、やってみる!」

アッキー「GGGGGGGGAAAAAAAAAAAAAAAHHHHHHHHHHH!!!」ダッ

ラブリーチカ「っ!!」タンッ


――――

――

『魔力の源の破壊を確認。戦闘行動終了しますか?』

ラブリーチカ「……はぁっ……はぁっ……うんっ……」

アッキー「くぅーん……」

『魔法障壁を解除します。お疲れ様でした』

千佳「……はぁー……」

優「……ぅうん……」

千佳「あっ!だ、大丈夫ですか?」

アッキー「くぅん」ペロペロ

優「……あはっ♪アッキーだぁ……」

優「そうだ、さっきの怪物は」ムクッ

千佳「あ、えっとー……」ハッ

千佳「す、すいません!今何時だっけっ!?」バッ

優「八時じゅうごふ――」

千佳「ごめんなさいっ!遅刻しちゃうっ!」ダッ

優「……あ、あたしもヤバイッ!?」


?「……ふむ、なんじゃ、つまらんの……」

?「少し、つついてやるか」


『2』おしまい

ひとまずココまで

『3:闘え魔法少女!』


――数日後・某所


?「ふぅっ……出来た」

?(より強い魔獣を当てれば、嫌でもあの魔法を使わざるを得まい……)

?「しかしこの魔法、爬虫類専用とは……」

?「犬や猫なら散歩中を狙えばすぐに捕まるが、爬虫類なぁ……」ブツブツ

?「ま、探すだけ探すとするかの」


――街中

?「うーむ……」キョロキョロ

警官「お嬢ちゃん迷子かい?お母さんとはぐれちゃった?」ヒョコ

?「……『邪魔するでない』」キッ

警官「……失礼シマシタ、アンチエイジャー様」スタスタ

アンチエイジャー「ふん、子供扱いしよって……からかっておるのか」

アンチエイジャー「まったく、あの魔法さえ成功しておれば……」ブツブツ

アンチエイジャー「っと、ペットショップか……」


<アリガトウゴザイマシター


小春「ヒョウくん新しいリボン似合ってますよ~♪」ニコニコ

エンチエイジャー「おったわ」

小春「はい?」

エンチて……アンチエイジャーの間違いです


――公園


アンチエイジャー「ふむ……古賀小春。そなたのペットか」

小春「はい~♪ヒョウくんですよ~♪」ナデナデ

ヒョウくん「……」

小春「イグアナさんが珍しいですか?えっと……お名前は?」

アンチエイジャー「ん?あぁー……」

アンチエイジャー(子供相手にアンチエイジャーと名乗るのもなぁ)

アンチエイジャー「アリスじゃ」

小春「わぁ♪可愛い名前ですね~」

アリス「ま、似合わん名前じゃがの」

小春「そうですかぁ~?似合ってると思うんですけど……」

アリス「世辞はよい……それより、ソイツを抱かせてもらってよいか?」

小春「いいですよぉ~……はい、どうぞ♪」

アリス「ふむ……良い面構えじゃな」

ヒョウくん「……」

小春「アリスちゃんもそう思いますかぁ~?なんだか嬉しいです♪」

アリス「ふむ……気に入った」


――横山家


『その問題の解答は5分の3です』

千佳「……はぁ~」

『どうしました?』

千佳「どうしたも何もないよぉ……魔法少女って大変なんだね……」

『学校とは一番になるべき場所だと理解していたのですが』

千佳「だからって急に全部一番になったらヘンでしょ?」

千佳「駆けっこも算数も苦手なままでいーの」

『……了解しました』

千佳「……うーん……」

『その問題の解答は――』

千佳「言わなくていいの!」


『……チカ』

千佳「静かにしててよー……」カリカリ

『……魔獣が出現しました』

千佳「先に言ってよ!」ガタッ

『理不尽です』

千佳「りふじん?」

『怒られた理由に納得出来ません』

千佳「あぁもうゴメンって!お兄ちゃーん!出かけて来るねー!!」

兄「夕飯までには帰って来いよー」

千佳「はーい!」ドタバタ


――公園

小春「」ポカーン

アリス「どうじゃ、カッコいいじゃろ?」フフン

ヒョウくん「FFUUUUUSHHHHHH」

小春「ヒョウくんが……おっきくなっちゃいましたぁ~……」

アリス「ふふふ……さぁ行けヒョウくん!いやリザードマン!!」

ヒョウくん「GAAAAAHHHHHH!!」(さんを付けろよ!)

アリス「む、気に入らなんだか」

小春「すごいですぅ~!ヒョウくんカッコいいですぅ~!」キャッキャッ

ヒョウさん「フシュ」(こはるんマジ天使)

アリス「おい、ワシと態度違わないか?」

ヒョウさん「GGGGGGGAAAAAAAAAAAAAAHHHHHHHHHH」(あ?)

小春「ヒョウくん、大きな声出しちゃメッ、ですよぉ~」

ヒョウさん「フシュ」(ごめん)


アリス「ふむ……『人々を脅かせ』」キッ

小春「……ワカリマシタァ~」

小春「行キマスヨォ、ヒョウクン」

ヒョウさん「フシュ」(え?なんか雰囲気違うけど大丈夫?ねぇ大丈夫?)


アリス「……さて、どう出るかな?」


――街中


『魔獣は街中に向けて移動しています』

千佳「それってマズくない?」タッタッタッ

『今から変身して現場に急行する事を推奨します』

千佳「そ、そうだね……相手に会ってから変身したかったけど……」タッタッタッ

千佳「マジカル☆チェンジ!!」カッ


ヒョウさん「フシュ(こはるんをおんぶできる幸せ)」タッタッタッ

小春「アハハ~、ヒョウクン早イハヤ~イ♪」キャッキャッ

ラブリーチカ「待てー!」タッタッタッ

ヒョウさん「!?」

小春「ダメデスヨォ~ヒョウクン足ヲ止めちゃ~」

ラブリーチカ「飼い主さん!」

小春「邪魔スルナラ……ヒョウクン!!」

ヒョウさん「GGGGAAAAHHHHHH!!」(こはるんが変なんです!助けて下さい!!)

『魔獣のタイプ、リザードマン』

『爬虫類を強化したタイプです』


ラブリーチカ「あれ……?攻撃してこない……?」

『好都合です。相手の魔力の源をサーチします』

ヒョウさん「GGGGUUUUU……」(え?何?この子にも言葉通じないの?)

『……胸部の鎧の内側に魔力の源を確認しました』

ラブリーチカ「鎧の内側って……」

『マジカル☆ソードでの直接攻撃を推奨します』

小春「ドウシタンデスカァ~ヒョウクン?」

小春「邪魔スル悪イ子ニハオシオキデスヨォ~」

ヒョウさん「」ビクッ

ヒョウさん「……GGGGAAAAHHHH!!」(て、適当にやって相手が気付くのを願うしか!)

『来ます』

ラブリーチカ「っ!」


ヒョウさん「GGGGAAAAAHHHHH!!」ブンッ

ラブリーチカ「よっ……」ヒョイ


アリス「ええい……何やっとるんじゃアイツら……」コソッ


『……妙です。相手が攻撃を『当ててきません』』

ラブリーチカ「やっぱり……あの魔獣、闘いたくないんだ……」

ラブリーチカ「さっきだって、あの人が命令するまで動かなかったよね?」

『あの人が飼い主だった場合、不可解な点があります』

『自分のペットを魔獣にされた上、襲わせるのは何故なのか』

『そもそも魔獣にしたのか。されたのか』

ラブリーチカ「本人に聞くのが一番だねっ!洗脳されてるかもしれない……しっ!」ヒョイ

ヒョウさん「GGGGGUUUUUUUUHHHHHH……」

『残念ながら、私は洗脳を解く魔法を持ちません』

『あるのは破壊の為の魔法だけです』

ラブリーチカ「あ、相手を動けなくするのはっ!?」

『……ゲイザーの使用を提案』

ラブリーチカ「なにそれ?」

『相手の動きを止める魔法弾を複数、手で投げる戦闘補助魔法です』

ラブリーチカ「痛いの?」

『ダメージを与える事は出来ません。あくまで相手の動きを止めるだけです』

ラブリーチカ「それ使おうっ!」

『了解しました』


小春「フフフ~、ヒョウクンモット怖ガラセテイイデスヨォ~♪」

ヒョウさん「GGGGGAAAAHHHHHH!!」(助けてぇ!)

ラブリーチカ「二人ともゴメンッ!マジカル☆ゲイザー!!」ブンッ

ヒョウさん「!?」

小春「!?」

ヒョウさん「フシュ……」(動けない……)

ラブリーチカ「さて……止めたはいいけど、話は通じないし……」

『……微量ですが、前方の茂みの中から魔力を感知しました』

ラブリーチカ「え?」

『……熱量・質量から人間だと思われますが、魔力があるという事は、魔法使いです』

『おそらく、この魔獣を作り出した犯人と思われます』

ラブリーチカ「マジカル☆ゲイザー!!」

アリス「どぅわぉ!!」バッ

ラブリーチカ「捕まえたよっ!」ガシッ

『確認しました。私の生みの親、アンチエイジャーこと、アリス・タチバナです』


――公園


ラブリーチカ「――で」

小春「ごめんなさいぃ~!でもホントに覚えてないんですよぉ~!」グスッグスッ

ヒョウさん「フシュ(大丈夫大丈夫)」ナデナデ

アリス「……」フーンダ

ラブリーチカ「なんでこんな事したの!?」

アリス「そなたが魔法を使わんようじゃからの。手助けしてやったんじゃ」

ラブリーチカ「あたしの、魔法って……」

アリス「世界を破滅させる魔法じゃ。発動すれば、世界を丸ごと消し去れるぞ?」

アリス「地球を消すのではない。世界を消すんじゃ」

ラブリーチカ「……残念だったね。あたしの力で、その魔法は世界を守る魔法になったよ」

アリス「そうかな……?」フフン


アリス「元々は世界を滅ぼす魔法じゃ。誰かを守る、助ける為の魔法ではない」

アリス「現に、小春の洗脳は解けなかったじゃろ?」

ラブリーチカ「そ、それは……」

アリス「ふむ……いい暇つぶしじゃ。そなたが世界を滅ぼすまで、ワシは諦めん事にした」スクッ

ラブリーチカ「た、立った!?」

アリス「ワシが作った魔法に、ワシが負けるワケなかろうが……また会おうぞ」


ラブリーチカ「消えちゃった……」

『目標ロスト。追跡できません』

ラブリーチカ「……」

小春「あ、あのぉ~?」

ラブリーチカ「あっ!はっ、はいっ!?」

小春「そのぉ、ヒョウくんは元に戻るんでしょうかぁ~?」

ヒョウさん「フシュ」(どうなんですか?)

ラブリーチカ「えーっと……」

『マジカル☆ブレードでスパッとやっちゃいましょう』

ラブリーチカ「……他に方法は……無いよね。もうっ」ヴンッ

小春「ひゃあっ!?」

シュウウウウウウ

ヒョウくん「……」ノソ

小春「あ、ヒョウくん~!ヒョウくん~!」ギュウウ

ラブリーチカ(あ、思いっきり顔見られちゃった……大丈夫かな)


『3』おしまい

今日はここまで

乙乙

そのうち妖怪の世界線とかノヴァさんの話もやってみたり?

あけましておめでとうございます。覚えてくれてる人がいて嬉しいです

>>41
妖怪の世界はある程度まとまってるんで、固まったら書く予定
ノヴァさんの話はパプワくんとのクロスで書いたけど、駆け足になってしまったので書き直したかったり


今回は駆け足になる悪い癖が出ないように書き溜めながら書いてますんで、投下は遅くなると思います
では


――――

――

千佳「んん……」

ちひろ「ぐっすり眠ってますねー……」

モバP「ここしばらくイベントが続いたからな……よく頑張ったな、千佳」ナデナデ

千佳「ん……ふふ~……」

ちひろ「良い寝顔ですね♪」ナデナデ

モバP「ホント。どんな夢見てるんだろうなぁ」

――

――――

『4:考える魔法少女!』


――某日某所


アリス「ふむ……そうポンポン魔法を作るには体力が持たんか……」ハァ

アリス「成長を止める魔法を使っておるとはいえ、そもそも婆じゃし……」ブツブツ

アリス(素材を探すにも、平日より休日の方がよさそうじゃしなぁ……)

アリス(月1~2個出来ればよい方か……)


アリス(あの魔法を発動させるには……より強力な魔獣や敵を当てるのが手っ取り早い)

アリス(あれだけ攻撃魔法を継ぎ込んだんじゃ。タガが外れればすぐに……)

アリス(さて、今回の魔法の条件は……)

アリス「17歳のお菓子作りが趣味で、BMI値が標準的な体型のショートカットな女の子……」

アリス「……魔法が強力であればあるほど、条件が厳しくなるのは何とかならんもんかのう……」


――横山家


ちひろ「いやーやっぱ荒野乱戦はいいなぁ~♪」カチカチカチカチ

<エンゴヲ! ハヤクキテクレ! ダレカ! ディンゴサン!

兄「なんで毎回俺よりスコア高いんだよ……」

ちひろ「そりゃー今日の晩御飯が掛かってるからね♪」ヒヒヒ

兄「そんな約束した覚えは無いっ!!」

凛(私も頑張ればお兄様にご褒美を……)

千佳「……」ボーッ

『――以上の事から、アンチエイジャーが仕掛けてくるのは今日と推測されます』

『また、次回以降も毎週末となる事が推測されます』

千佳(魔法使いも大変なんだね……まぁ、学校がある日じゃなくてよかったよー)

千佳(あ、そうだ)

『何でしょうか』

千佳(キミもアリスちゃんに作られた魔法なんだよね?)

千佳(何日くらいで作られたの?)

『百年です』

千佳「ひゃっ!?」ガタッ

ちひろ「っ!」ビクッ カチッ

兄「っ!」ビクッ

凛「っ!」ビクッ

ちひろ「あぁ!違うのミサイルじゃないの!」

兄「千佳、どうした?」

千佳「う、ううんっ!何でもないっ!宿題してくるっ!」タッ

凛「……宿題、さっき終わらせたって言ってませんでした?」

兄「やり残しがあったのかも」


千佳(あー危なかった……ねぇ、百年ってどういう事?)

千佳(アリスちゃんのお父さんやお母さんの頃から作られてたの?)

『いいえ。アンチエイジャー一人の手で作られました』

『彼女は、自分の成長を止める魔法を使っていたようです』

千佳「……そうなんだ……」

千佳(百年もずっと、世界を消しちゃうような魔法を……)

『理由までは解りませんが、ただ、私に込められた憎悪だけは確かです』

千佳「……よしっ!まずはアリスちゃんを良い子にしなきゃ!」

『可能ですか?』

千佳「……わ、わかんないけど……」


――街中


アリス「……まぁ、そうやすやすと見つかる訳は無いか……」

アリス(お菓子作りが趣味じゃったら、そういう店に行けば見つかるんじゃろうが……)

アリス「……ドコに行けばいいんじゃ?」

警官「あ、キミかぁ。また迷子に――」


――製菓用品店


アリス「ふむ……案内ご苦労じゃったな」

アリス「さて……おっ」

かな子「~♪」

かな子(材料は全部揃ったし、後は……)

かな子(そうだ。卯月ちゃん呼んで一緒に作ろっと♪)

アリス「のう。のう、そなた」

かな子「……へ?私?」

今日はここまで


――公園

かな子「すごいすごい!考えただけでお菓子が出来ちゃう!」キャッキャッ

アリス「どうじゃ?気に入ったか?」

かな子「うん!魔法使いさんはすごいなぁ!ホラっ、お礼に好きなだけ食べてね?」

アリス「ふむ……頂くとするか」モグモグ

アリス「あー……そういえば、何の魔法じゃったっけ?」モグモグ

かな子「えっとね~……あ、『夢中にさせる魔法』だって!」ニコッ

アリス「なるほど、道理で手が止まらん訳じゃな」モグモグ

アリス(まぁよい。あやつがこの魔法に掛かれば、この魔法から抜け出すためにあの魔法を使うはず……)モグモグ

アリス(というかコレしてもらわんとワシも困るんじゃが)モグモグ

かな子「あ、そこのお姉さんたちもいかがですか~?」

瑞樹「私達かしら?」

留美「あら、スイーツの屋台なんて珍しいわね」


――公園


アリス「いやもう無理……ホント勘弁してもらえんかの……」モグモグ

瑞樹「うう……この美味しさが私をダメにするぅ……」モグモグ

留美(私は今、人間火力発電所……)モグモグ

かな子「ほらほら~どんどん食べて下さいね♪」キャッキャッ

「おいしいねー」モグモグ

「晩御飯食べれなくなっちゃうよ~」モグモグ

「ドーナツは!?ドーナツは無いんですか!?」モグモグ

「フゴッフゴッ」フゴフゴ

「真、美味ですね」モグモグ

<ワイワイガヤガヤ

『あの女性が魔法使いのようですね』

アリス「あ、おい、良い所に来た。助けて」モグモグ

千佳「……えーと」

かな子「あ、お友達かな?ホラ、一緒に食べよ?」キャッキャッ


千佳「――自分の魔法には負けないんじゃなかったの?」ジトッ

アリス「時と場合に寄るわい。油断しとったんじゃ」モグモグ

アリス「ホレ、早く止めんと皆が大変な事になってしまうぞ」モグモグ


かな子「ハイ♪次はジャンボパフェだよ~♪」コトッ

アリス「そしてワシを早くこのワンコパフェ地獄から救ってくれ」モグモグ

千佳「悪い子だからバチがあたったんだよ?」


千佳「ちゃんと良い子にしてれば、ヒドイ目に合わずに済んだのに」

アリス「説教が聞きたいんじゃないわい」モグモグ

アリス「ホレ、さっさとお前さんの魔法の力で皆を助けて見せんか」モグモグ

千佳「そう言われても……」

アリス「何を言うておる。サクッと世界を消せば皆救われるわい」モグモグ

千佳「あーっ!またそういう事言うー!」

千佳「かな子お姉さーん!アリスちゃんがもっと大きいパフェ食べたいってー!」

かな子「わかったよ~♪私頑張るからね~♪」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

アリス「あ、待って、ゴメン、今のなしだからソレちょっと大きすぎやせんか」モゴモゴ


アリス「わかった、わかった良い子にするから助けてくれ……」モグモグ

アリス「……砂糖が……砂糖と生クリームが攻めてくるぞ……」モグモグ

千佳「スゴイね。こんな状態でも手は止まらないなんて……何て怖い魔法……」

かな子「千佳ちゃんは食べないの?」ニコニコ

千佳「あ、お兄ちゃんが晩御飯作って待っててくれるので、お腹空かせておきたいんです」

かな子「そっかー、えらいねー♪」

『チカ、早く止めないと周りの人達への被害が大きくなります』

千佳「止めろって言ったって……どうしたらいい?」

『アンチエイジャーに魔法を解かせるのが最善策です』

『現状、あの魔法使いが次々とお菓子を繰り出す為、アンチエイジャーもマトモに動けません』

千佳「あ!じゃあ、かな子お姉さんの動きを止めれば!」

『その通りです。ゲイザーを使用して魔法使いとアンチエイジャーの動きを拘束』

『その隙にアンチエイジャーに術を解かせましょう』

千佳「おっけー!アリスちゃん!ちょっと協力して――」ゴニョゴニョ

アリス「ふむ……」モグモグ


千佳「じゃあ行くよっ!マジカル☆チェンジっ!」

ラブリーチカ「マジカル☆ゲイザー!!」

かな子「!?」

アリス(あれ?コレ、ワシが拘束される意味無いんじゃなかろーか?)

ラブリーチカ「さぁアリスちゃん!かな子お姉さんの魔法を解いて!」

アリス「はいはい、拘束を解いてっと……」

アリス「すまんがその魔法、返してもらうぞ?」コツン

かな子「――っ!」


「や、やっと手が止まった」ウプ

「フゴッフゴッ」フゴフゴ

「では残りは私が」モグモグ

「お姫ちんどうかしてるよ……」ウプ


アリス「……」

ラブリーチカ「どうしたの?」

アリス「……すっごい気分悪くなってきた……」ウプ


――

かな子「ご、ごめんなさいっ!!」

瑞樹「いえ、確かに量はアレだったけど、美味しかったのは事実だし……」ウプ

留美「そうね。お腹が落ち着いたら、また食べたいわ」ウプ


アリス「……ま、一件落着じゃな」ウプ

千佳「待った」ガシッ

アリス「やめんか今下手にワシに触るんじゃない吐くぞ」

千佳「コレに懲りたら、もう悪い事しちゃダメだからね!?」

アリス「……」プイッ

千佳「む……」ジーッ

アリス「……わかったわかった、もう『悪い事』はせんわ」ハァ

千佳「ホント!?じゃあ、あたしの魔法も――」

アリス「あ、それは別じゃから。それじゃ、の」シュンッ

千佳「あっ!……もうっ!!」


アリス「……そう。『悪い事』は、の」ニヤ



『4』おしまい

今日はここまで

『5:怒る魔法少女』


――スーパー


凛「おっにいっさま~♪」ニッコォ

凛「こんな所で会うなんて奇遇ですね!私もちょうど買い物だったんです」

凛「ご一緒してよろしいですかよろしいですねよろしい以外ありえませんねっ!?」ズイッ

兄「はっはっは、凛はいつも元気だなぁ……あれ?ちひろは一緒じゃないのか」

凛「むっ」


凛「いいじゃないですかあんな休日引きこもりゲーオタの事なんか」

兄「おーい、ソイツ実の姉、実の姉」

凛「昨日も徹夜で格ゲー付き合わされそうになりましたし……」ウフフ

兄「大変なんだな……」

兄「まぁ、俺も暇だったらアイツの相手しに行くから、なんかあったら言ってくれよ?」

凛「は、はい……」


凛(お兄様が家に……家に……ん?お姉ちゃんとゲームするために家に来るって事は……)



~~~
ちひろ「はーい十連勝♪今日のご飯はよろしく頼むよ~♪」

兄「ぐぬぬ……リベンジだっ!」

ちひろ「じゃ~あ~……私の部屋で続き、しよ?」
~~~


凛「アカン!!」クワッ

兄「何が!?」ビクッ

凛「いいですかお兄様。今後お姉ちゃんに誘われても我が家には来ないで下さいね?」

兄「お、おう……つっても向こうから来るからな……」

凛「それは私の方から言っておきますから」

兄「あー……うん、ちょっと怖いぞ、凛?」

凛「あ……そ、そうですか?ごめんなさいっ!」


「あらぁ、横山先輩ですかぁ?」


凛「?」

兄「あ、佐久間さん」


まゆ「うふ……奇遇ですねぇ、こんな所で会うなんて……うふふ……」

兄「そ、そうだね……」

まゆ「う、運命ですよね……よ、横山先輩も運命だと思いますよね……?」

兄「あ、それはどうかなぁ……」

凛「違うと思います」ハイ

まゆ「……その子は?」

兄「あ、コイツはちひろの妹の凛」

凛「初めまして、千川凛です。アナタは?」

まゆ「へぇ、千川さんの……あ、佐久間まゆと申します……よ、よろしくね?」

凛「ふーん……あ、私 と お兄様は買い物の途中なので。では失礼します」グイッ

兄「おわ、凛?あ、それじゃあね佐久間さん」ズルズル


まゆ(また話せなかった……)ショボン


――公園


まゆ「はぁ……」

まゆ(横山先輩!横山先輩!横山先輩!横山先輩ぅぅうううわぁああああああああああああああああああああああん!!!

あぁああああ…ああ…あっあっー!あぁああああああ!!!横山先輩横山先輩横山先輩ぅううぁわぁああああ!!!

あぁクンカクンカ!クンカクンカ!スーハースーハー!スーハースーハー!いい匂いだなぁ…くんくん

んはぁっ!センパイの黒髪をクンカクンカしたいお!クンカクンカ!あぁあ!!

間違えた!モフモフしたいお!モフモフ!モフモフ!髪髪モフモフ!カリカリモフモフ…きゅんきゅんきゅい!!

事務所でうたた寝するPさんかわいかったよぅ!!あぁぁああ…あああ…あっあぁああああ!!ふぁぁあああんんっ!!

モバマス二周年達成して良かったねPさん!あぁあああああ!かわいい!Pさん!かっこいい!あっああぁああ!

コミックも売れ行き順調で嬉し…いやぁああああああ!!!にゃああああああああん!!ぎゃああああああああ!!

ぐあああああああああああ!!!コミックじゃまゆメインじゃない!!!!あ…ゲームもPVもよく考えたら…

ま ゆ メ イ ン じ ゃ な い?にゃあああああああああああああん!!うぁああああああああああ!!

そんなぁああああああ!!いやぁぁぁあああああああああ!!はぁああああああん!!ゼノグラシアぁああああ!!

この!ちきしょー!やめてやる!!アイドルなんかやめ…て…え!?見…てる?PヘッドのPさんがまゆを見てる?

PヘッドのPさんがまゆを見てるぞ!Pさんがまゆを見てるぞ!一月は正月で酒が呑めるぞ!!

二次創作のPさんがまゆに話しかけてるぞ!!!よかった…世の中まだまだ捨てたモンじゃないんだねっ!

いやっほぉおおおおおおお!!!まゆにはセンパイがいる!!やったよぴにゃこら太!!ひとりでできるもん!!!

あ、コミックのPすわぁああああああああああああああん!!いやぁあああああああああああああああ!!!!

あっあんああっああんあ時子様ぁあ!!アッキィー!!ハナコぁああああああ!!!幸子ぉぁあああ!!

ううっうぅうう!!まゆの想いよセンパイへ届け!!明日の放課後に生徒会室にいるセンパイに届け! )


まゆ(……届いたら苦労しないの。あと何か混じったわね)

まゆ(……このあがり症をまず克服しないと……)ハァ

アリス「ふむ……悩み事じゃな?」

まゆ「っ!?」

寝るヘーイ


――

アリス「ふむ……あがり症、のう」

まゆ「はい……」

アリス「……しかし、それとは違う悩みを抱えておるように見えるが?」

まゆ「え、えっと、実は……す、好きな人がいて……」ゴニョゴニョ

アリス「なんじゃ、男か」

まゆ「だっ、ダメよアリスちゃん。そんなド直球な……」

アリス「そんなもん、ふんじばっておけば言う事聞くじゃろ」

まゆ「そ、そんな乱暴な……いや、でも……」

アリス「ふむ……そうじゃな。一度試してみればよいわ」スッ

まゆ「試すって……この飴は?」

アリス「『その飴を食べよ』」

まゆ「……ハイ」

アリス「さ、後はどうなるかのう……楽しみじゃわ」


――横山家


千佳「それで遅かったんだ……ふーん」

凛「ゴメンね。私とお兄様で、すぐにご飯の用意するからね~」ニコニコ

兄「……どうした?」

千佳「なんでもなーい」

『チカ。魔法使いの反応をキャッチしました』

千佳「っ!……おにいちゃーん!ちょっと友達のトコ行ってくるねっ!」タッ

兄「おーう」

凛(ナイスよ千佳ちゃんのお友達!)グッ

凛「あれ?でも千佳ちゃん、ケータイ置きっぱなし……」

兄「ホントだ。ちょっと届けてくるから、凛は家に――」

凛「私も行きますっ」ズイッ

兄「ん……悪いなぁ」

凛(お兄様との時間延長入りまーす!!)


――公園


まゆ「――あら?」

まゆ(アリスちゃんがいない……確か飴を渡されて、それから……記憶が無い……!?)

『ふふっ、アンタがアタシの宿主かい?』

まゆ「っ!?」キョロキョロ

まゆ「だ、だれ……?」

『アタシはアンタの願いを手助けする魔法さ』

まゆ「魔法……?」

『そうさ。さぁ、アンタの願いは何だい?何でも言っておくれよ』

まゆ「ま、まゆの願いは……」

千佳「こ、こんにちはっ!」

まゆ「……?」

千佳「あ、あの、変な女の子に声を掛けられませんでしたか?」


まゆ「え、えっと……?」

『なんだい、このちっちゃい子も魔法使いみだいだね』

まゆ「魔法使い……」


千佳「やっぱり……!」

『まだチカのように、魔法を自分の力にしていないようですね』

『今のうちに魔法だけを取り除きましょう』

千佳(そんな事出来るの?)

『彼女に触れさえ出来れば、私の魔力を流し込んで引き離せます』

千佳(そっか。じゃあ……)


千佳「あたしも魔法使いで、チカっていいます!よろしく!」スッ

まゆ「そ、そうなんだ……あ、まゆっていうの。よろし――」

兄「おーい、千佳ー、ケータイ忘れてたぞー……って、あれ?」

凛「あの人、さっきの……」

まゆ「――!」


『なるほど、アタシに任せな』


兄「うわっ!?」シュルシュル

凛「お兄様!?」

まゆ「!?」

まゆ「な、なにこれ!?なにこれぇ!!」

千佳「アレは……!?」

『……彼女から伸びるリボンから魔力を検知。束縛魔法の一種と推測されます』

『攻撃能力は無いはずです。お兄さんの方は心配ないでしょう』

千佳「そんな事言ったって、あんなにぐるぐる巻きにされてちゃ――」


凛「このっ、お兄様を離せっ」ムンズ

まゆ「ダメッ!!」バッ

凛「キャッ!」ドサッ

千佳「凛さん!!攻撃出来ないんじゃなかったの!?」

『撤回します』


まゆ「あ、ご、ごめんなさい……まゆは……まゆは……」ガタガタ

『どうしたんだい?アンタの望みはコイツだろ?』

まゆ「せ、センパイ……センパイ……」ガタガタ

『あとは家に帰って、ゆっくりコイツと過ごそうじゃないか』

『そう、全部忘れて、ね。ふふっ』


千佳「あのリボンは切れないの?」

『切れますが、あの数です。ゲイザーとの併用で少しずつ切り落とすか、撃ち落とすしかありません』

千佳「わかった、やってみる……マジカル☆チェンジっ!」カッ

凛「うぉまぶしっ……」パタッ

『凛さんが気絶したようです』

ラブリーチカ「……魔法少女☆ラブリーチカ参上っ!」

ラブリーチカ「お兄ちゃんと凛さんに手を出すなんて、許さないからねっ!!」


『ふふっ、魔法少女と来たか……いいねぇいいねぇ』

まゆ「お兄ちゃんって……センパイの妹さん……?」

『邪魔するなら容赦しないよっ!』

まゆ「だめっ!やめてっ!!」

『リボン・パーティー!』

ラブリーチカ「マジカル☆ブレード!!」


『あははははっ!そんな剣一本じゃアタシのリボンの相手じゃないねぇ!』

まゆ「ダメッ!逃げて!」

ラブリーチカ「っ!」

『魔法と宿主が分離しているようですね』

『この場合、宿主の心が弱まれば、すぐに魔法に取り込まれてしまいます』

『チカ、早急に引き離す事を推奨します』

ラブリーチカ「そんな……」

まゆ「逃げてぇっ!」バッ

ラブリーチカ「マジカル☆ゲイザー!!」

『スカーレット・リボン!』

まゆ「きゃっ!?」

ラブリーチカ「効かない!?」

『あのリボンは、バリアにもなるようです』


『あははははははっ!そんな拘束魔法、アタシに効くもんか!』

まゆ「やだ……やだぁ……」

ラブリーチカ「これじゃあ……」

『チカ、ゲイザーが効かない以上、ブレードでの直接攻撃は危険です』

『ショット、及びホーミングレーザーによる攻撃を推奨します』


ラブリーチカ「で、でもまゆさんに当たったら……」

『その心配はいりません。魔法弾の誘導はお任せ下さい』

ラブリーチカ「……信じるからねっ」

ラブリーチカ「まゆさん!聞いてっ!」

まゆ「!」

ラブリーチカ「その魔法の言う事を聞いちゃダメ!絶対に助けるから――」

ラブリーチカ「まゆさんも負けないでっ!」


『ふふっ……負けないで、かぁ……』

『アタシはアンタの願いを叶えてやろうってのにさぁ、ヒドイよねぇ?』

まゆ「……う」ボソッ

『んん?』

まゆ「違うっ!まゆは……こんな事!叶えたくないっ!!」

『いーや、そんなワケないね。コレがアンタの望みだろ?』ズィッ

兄「……」

まゆ「センパ――」


『目標認識数36。魔法弾誘導準備完了。いつでも撃てます』

ラブリーチカ「マジカル☆ホーミングレーザー!!」


『はっ!そんな攻撃魔法が効くもんかい!』

まゆ「ひっ!?」


『二射目、どうぞ』

『三射目、どうぞ』

『四射目、どうぞ』

『五射目、どうぞ』


『!?』

『なんだこれ!?なんだ!?この数……っ!!これじゃバリアが……!』

まゆ「……っ!」ギュッ

『くそぉっ!リボンが!アタシのリボンがああああっ!!』


『周囲のリボンを無力化しました。チカ、今です』

ラブリーチカ「まゆさんっ!」タッ

まゆ「あ……」

ラブリーチカ「捕まえたよっ!」

『コンタクト……引き離します』


真紅の絆「くそぉっ!くそぉっ!」

ラブリーチカ「何アレ!?」

まゆ「……リボンの……蝶……?」

真紅の絆「なんでみんな邪魔ばっかすんのさ!アタシはただセンパイと話したいだけ!」

真紅の絆「センパイと一緒にいたいだけなのにさ!」

『宿主の負の感情だけを吸い取って力にしたようです』

ラブリーチカ「……あれを倒せばいいんだね?」

『はい。先程よりも弱体化しています』

ラブリーチカ「そっか……じゃあ、これでおしまいっ!マジカル☆ホーミングレーザー!!」


――

まゆ「……」ポカーン

千佳「ふぅっ……こんな飴玉なんだね……」

千佳「どうしようか?」

『まゆに差し上げましょう』

千佳「え?……で、でも、さっきみたいになっちゃったら……」

『先程の暴走は、魔法の使い方を説明するウィザードが宿主の影響を受けて暴走したものです』

『あるいは、アンチエイジャーがそれを故意に引き起こしたかもしれません』

千佳「え、えーと……どういう事?」

『……要するに、もう先程のような事は起こりません』

『さらに、その魔法をまゆが使えるようになれば、魔法使いの味方が増えるという事です』

千佳「!……じゃ、じゃあ……」

まゆ「あ、あのぉ……?」

兄「う……」

凛「きゅう……」

千佳「あ!お兄ちゃん!凛さん!」


――横山家


兄「ん……!」ガバッ

凛「……!」ガバッ

千佳「あ、二人とも起きた?」

兄「千佳……俺は一体……?」

千佳「もー、買い物から帰ってくるなりすぐ寝るんだから。ビックリしたんだよ?」

凛「え、えーと……?」


凛(お兄様は買い物から帰ってくるなりすぐ寝た)

凛(私もお兄様の買い物に付き合っていた。私も寝ていた)

凛(つまりお兄様と私は寝ていたと言っても過言ではない)

凛「……グゥレイトォ!!」グッ

兄「そうかー、ごめんごめん」ナデナデ

千佳(よし!大丈夫だった!)ホッ


<ピンポーン


千佳「あ、友達が来たかも」

兄「お、上がってもらいなさい。ついでに夕食も食べていくよう言っても――」

まゆ「こっ、こここここっこんばんはっ!!」

千佳「いらっしゃい、まゆさん♪」

兄「あれ?知り合いだったのか?」

千佳「うん!友達だよねー?」

まゆ「はい♪ねー?」

兄「うーん?」

凛「むぅ……」



『5』おしまい

寝る

『6:驚く魔法少女!』


――某所


アリス(ふむ、やはり身内を危険にさらすのが手っ取り早そうじゃな)

アリス(とすれば……)


――横山家


まゆ「名前?」

千佳「うん!魔法少女には魔法少女の名前があるんだよ!」グッ

千佳「あたしの場合はラブリーチカ!」

まゆ(うわぁ小ッ恥ずかしい)

千佳「まゆさんは……うーん……」

まゆ「えっとぉ、名乗る事も無いし、そんな真面目に考えなくてもぉ――」

千佳「だめだ!マユリンの前が思いつかない!」

まゆ「マユリン!?」


『いいんじゃないマユリン?アタシは気に入ったよ』

千佳「!?」

まゆ「もう、真紅ちゃんまで……」

千佳「真紅ちゃんって……?」

『まゆの左手に巻かれているリボンですね』

真紅の絆『初めまして……じゃないけど、まぁその節は世話になったね』

真紅の絆『その分の償いはしっかりするから、よろしく頼むよ』

千佳「む……」

まゆ「あら、どうしたの?」

千佳「まゆさんの方が魔法少女っぽい!」ビシッ

まゆ「え?……えぇ?」


千佳「だって使い魔とか、そーゆーのって魔法少女には絶対いるでしょ?」

『確かに、今までチカと見てきた映像ではそうでしたね』

まゆ「そうなんですかぁ?」

真紅の絆『じゃあ、アタシとまゆの二人合わせて魔法少女スカーレットマユリン?』

まゆ「恥ずかしいからやめて」

まゆ「……あれ?でも、千佳ちゃんも魔法とお話出来るなら一緒なんじゃないですかぁ?」

『そうではありません』

千佳「なんでー?」

『我々魔法は、使用者と同調して初めて名を得るのです』

千佳「どうちょう?」

真紅の絆『要するに、二人の心が一つになるって事だね』

真紅の絆『そうすればアタシ達魔法は名を得られるし、アタシみたいに実体化も出来るんだ』


千佳「じゃあどうちょうしよう!」

まゆ「そう簡単に出来るモノですかぁ?」

真紅の絆『同調自体は簡単に出来るもんなんだけど……』

『私と同調した場合、世界を破滅させる事しか出来なくなりますが、よろしいですか?』

千佳「よしやめよう」

まゆ「とんでもない魔法よね……」


まゆ「そんなとんでもない魔法を、どうして……」

『それは――』

真紅の絆『っとぉ、魔法使いの反応だよ』

千佳「もうっ!今度こそお説教しなきゃ!」ガタッ


――街中・廃ビル前


『このビルの中です』

真紅の絆『なんか誘われてるみたいでイヤだねぇ……二手に別れるってのはどうだい?』

真紅の絆『アタシ達が上から、千佳達は正面から。どうかな?』

『私は異論ありません』

千佳「大丈夫かな……?」

まゆ「あのぉ、上からってどうやって行くんですかぁ?」

真紅の絆「ん?どうやってってそりゃ、リボンで登ってくのさ」

まゆ「それはそれは素敵ですねぇ……まゆ、今日スカートなの」

真紅の絆「大丈夫大丈夫!アタシの力で鉄壁のスカートになるから!ホラ行くよっ!」

まゆ「……」ハァ

まゆ「……じゃあ千佳ちゃん、また後で」ビュン

千佳「うん……気を付けてね?」

『チカ、私達も行きましょう』

千佳「……うん」


千佳「……まゆさん、蜘蛛みたいだね」

『使いこなしていますね』


――ビル内


千佳「うぅー……暗いしホコリっぽいしやだぁ……」

『魔法使いの反応、動きを見せません』

千佳「コッチに気付いてないのかな?」

『それはありえません』

千佳「大人しい人なのかな?」

『可能性はあります』

千佳「すぐに仲間になってくれる人ならいいなー」


――ビル外


まゆ「この階にいるなら、窓から入った方が早くない?」

真紅の絆『やめときな。向こうからコッチの位置はバレてんだ』

真紅の絆『動きを止めた途端、壁の向こうから魔法で撃ち抜かれるのはゴメンだよ』

まゆ「それもそうね……あら?」

真紅の絆『歌?』

真紅の絆『――!!まゆ!耳を塞いで!』


――――

――


「ふーん……アンタも魔法使いなんだ」

「世界を消しちゃう悪ーい魔法使いがいるらしいんだけど」

「倒すの、手伝ってもらうよ?」

まゆ「ハイ、凛サン……オ任セ下サイ」

一先ずここまで
戦闘描写に地の文入れる方がいいかな

んじゃ頑張ってきま
週末くらいに投下する予定は未定


――

――――

凛「加蓮ー、一緒に帰ろー」

加蓮「あっ、ゴメン。今日お母さんのトコ行かなきゃだから……」

凛「……そっか……あ、いや、ゴメンね?」

加蓮「んーん。気にしてないよ。じゃあお先に――」


<ガラッ


奈緒「こらぁっ!合唱部!」

加蓮「用事があるんで帰りまーす」

凛「私も家の手伝いがあるから」

奈緒「あっ、こら逃げるなっ!……まったっくもー……」

奏「あら、二人とも今日もサボりかしら?」

奈緒「凛の方は確実にサボリだろーな……ワリィな」

奏「いいのよ。例え二人でも、合唱部には違いないわ」

奈緒「……新入部員が幽霊部員とはなぁ……合唱同好会に名前変えるか?」

奏「書類上はもうなってるわよ?」

奈緒「マジかよ……」


凛「~♪」テクテク

アリス「のう、そなた」

凛「ん?」

アリス「少し、手伝うてくれんかえ?」

凛「……浮いてる?」

アリス「おぉ、魔法で浮いておるぞ」

凛「くぁwせdrftgyふじこlp」

アリス「いいリアクションじゃが落ち着け」


――


凛「――世界を滅ぼす魔法?」

アリス「そうじゃ。そんな魔法を使おうとしておる魔法使いがおるんじゃ」

アリス「そもそも世界とは一本の線に例えられ――」

凛(そんな……お兄様とこの世界が消えちゃうなんて――!!)

凛「どうすればいいの?」ズイッ

アリス「――まだ話の途中なんじゃが?」


アリス「まぁ、よい。そなたも魔法使いとなり、悪い魔女を説得して、ワシの所に連れて来てくれればよい」

凛「私も魔法使いに?」

アリス「そうじゃ。この魔法を授けよう――」


――――

――


凛(アンチエイジャーの忠告通り、先に『リボンの魔法使い』は洗脳した)

凛(まさかまゆとは思わなかったけど……この子の拘束魔法は私と相性が悪いらしいし……)

凛(すんなりいってよかった……)ホッ


凛(後は世界を滅ぼす魔法使い……いや『魔女』)

凛(でもそんな魔法使いを相手にして、大丈夫かな……)

凛(アンチエイジャーは『誠心誠意説得すればうまくいく』って言ってたけど)

凛(……開幕最強魔法で燃やされたり、氷漬けにされたりしたらどうしよう……)アワワワワ


<ガタッ


凛「ほわぁっ!?」ビクッ

千佳「あっ……凛さん!?」

凛「ち、千佳ちゃん……?」



『6』おしまい

寝る

『7:おやすみ魔法少女!』


凛「どういう事……?」

凛(千佳ちゃんが『魔女』?……いや、まさか……)

千佳「どっ、どうして凛さんがココに……?」

まゆ「……」

千佳「まゆさん!」

凛「その子は大人しくしてもらってるよ」

凛「ねぇ千佳ちゃん……ホントに千佳ちゃんが『魔女』なの?」

千佳「ちっ、違うよっ!」

凛「そっか……でも、千佳ちゃんからも魔法の力を感じる……」

凛「ねぇ、一緒に、アンチエイジャーに会いに行こう?」

凛「そしたらその魔法、なんとかしてくれると思うよ」

千佳「っ!ダメッ!!」

千佳「アリスちゃんが、この魔法を使って世界を消そうとしてるんだよっ!」

凛「……それ、ホント?」

千佳「そうだよ!凛さんは騙されてるの!」

千佳「この魔法を作ったのも、あたしに持たせたのもアリスちゃんだもん!」

凛「そう、なんだ……」


凛「でもね、そんな危ない魔法――」

凛「お兄様のそばに置いてほしくない」

千佳「そっ、それは――」

凛「だから、ね?『一緒にアンチエイジャーに会いに』――もがっ!?」


一閃、淡く光るリボンが、凛の口をぐるりと塞いだ


真紅の絆『ふぅ、危ない危ない』

まゆ「……大丈夫だったみたいですねぇ?」クス


先程まで無表情だったまゆの顔に、安堵の表情が広がる

ゆっくりと左手を前に伸ばすと、凛の口を塞いでいたリボンの一端が伸び

まゆの左手に巻かれていたリボンと『融合』する


凛「んぐ……ぐぅー!!」

まゆ「念のため、手足も縛りますねぇ」

真紅の絆『悪いね、アタシのシュミじゃないんだけど……』


凛「もがー!」ガジガジ

真紅の絆『こらこら、噛むんじゃないよ』

まゆ「洗脳したはず……ですよねぇ?」ニコォ

凛「む……」

まゆ「ええ、確かにまゆは洗脳されちゃったんですけど」

真紅の絆『アタシが咄嗟の判断で、アタシの一部を切り離しておいたのさ』

まゆ「ええ。そうしてまゆの洗脳を解いてもらって、凛さんの口を塞いでもらった訳なの」

千佳「えーっと……?」

まゆ「要するに、真紅ちゃんは便利って事♪」

真紅の絆『そもそも、アタシはレスキュー向けの拘束魔法だからね』

真紅の絆『洗脳を解いたりするのも、お手のもんさ』

凛「んぐ……」

凛(なるほど、相性が悪いっていうのはそういう意味だったんだ)


まゆ「さてと……お話、しましょうかぁ?」

凛「……」

千佳「凛さん……ねぇまゆさん、このリボンほどいてあげて?」

まゆ「?……えぇ、わかりました」シュル

凛「……千佳ちゃん……その、ごめんね?」

千佳「んーん!それより、さっきの話だけど……」

凛「うん……大丈夫。千佳ちゃんに変な事をさせたりしない」

凛「私が、アンチエイジャーを説得するよ」

千佳「……!ホント!?」

凛「うん、むしろ千佳ちゃんを変な目に合わせた分は、ちゃんと叱らないとね」

まゆ「居場所が分るんですか?」

凛「元々、千佳ちゃんを連れて来いって言われたからね。待ち合わせ場所が……ホラ」ピラッ

千佳「じゃあそこに行けばいいんだね!」

凛「うん。さ、行こうか」


アリス「その必要は無いわ」

千佳「!」バッ

まゆ「!」

凛「アンチエイジャー……」

アリス「そんな怖い顔で睨むでない……チカよ。ワシはもう攻撃魔法を持っておらん」

アリス「戦うつもりは毛頭ないわ……ワシの負けじゃ」

まゆ「あのぉ、話を聞かせて頂いても?」

アリス「ワシに答えられる事なら」

まゆ「じゃあ、まず……どうして世界を破滅させるような魔法を作ったの?」


……まず、魔法使いについて説明せねばならんのう

魔法使いには、ワシのように魔法を造る者と、そなたらのように魔法を与えられた者に分けられる

ワシは昔、困っている者達に魔法を与えて助けておった

不治の病を持つ者、喉を潰した吟遊詩人……まぁ、100年も前の話じゃ

そうしてワシは、人を助けたつもりでおったんじゃよ

じゃが魔法を与えられた者は、その心が弱れば、魔法に取り込まれてしまう

不治の病を治した者は、今度は永遠の命を願って生ける肉塊になった

声を取り戻した吟遊詩人は、いつしか歌い続けなければ死ぬ身体になっておったのう

そうなってしまえばそやつは魔物とされ、討伐されてしまった

……その討伐には、当然その魔法を造ったワシも駆り出されたんじゃ

わかるか?自分が助けたと思ったヤツが、救いようもない、どうしようもない魔物に成り果て

そいつを屠り、魔法を取り戻さねばならんのじゃぞ?


アリス「ワシはもう嫌になったんじゃよ……魔法を造り、与える事が……」

まゆ「そんな……」

アリス「ワシは他の魔法使い達と相談し、魔法を後世に残さぬよう尽力した」

アリス「どうせ自身にかけた若返りの魔法は失敗していたからの。ただ死ぬまで待てばよかったんじゃが――」

凛・まゆ((失敗……?))

アリス「ここでどうしようもない事件が起きた。異世界からの魔物が出現し始めたんじゃよ」

凛「異世界?」

アリス「いわゆる『平行』世界、というヤツじゃよ」

まゆ「『並行』世界……パラレルワールドですか」

凛「あぁ、自分たちの世界とは違う、もう一つの世界……だっけ?」

アリス「まぁそんなトコロじゃな。真実を言えば、平行世界は一つではない」

アリス「数え切れんほど無数に、平行世界は存在しておるんじゃよ」


アリス「例えば、そうじゃな……そなたら、夢の中で見知らぬ地を見た事は無いか?」

アリス「自分が見知らぬ他人だった事は?性別が違った事は?」

凛「言われてみれば……そんな夢を見た事ある気がする」

まゆ「私も、言われてみれば……」

アリス「そういった夢は平行世界の自分の記憶。いわば魂の記憶じゃな」

凛・まゆ「「……」」

凛・まゆ「「!?」」

アリス「おお、二人とも口が半開きじゃぞ……さて、話が逸れてしまったな」

凛「いやいやいやいや」

まゆ「話の内容が余りにもアレ過ぎて付いて行けないんですが……」

アリス「後でいくらでも説明してやるわい。チカなぞもう寝とるぞ」

千佳「zzz……」スースー

凛「ありゃ、話が難し過ぎたか」

まゆ「小さい子に聞かせるような話でも無いですけどね……」

アリス「続けるぞ?」


アリス「異世界からの魔物との戦いは日夜を問わず続き、終いには女子供まで駆り出された」

アリス「ワシらは魔法を後世に残したくなかったとは言え、この状況を見逃すわけにもいかんかった……」

アリス「まだ年端も行かぬ、戦い慣れていない新兵達に魔法を授け、そして――」

アリス「――魔物に成り果てた者達を弔った。数え切れん程にな」

まゆ「あんまりだわ……」

凛「……何とかならなかったの?」

アリス「ならんな。それが魔法と、それを使う者の定めじゃよ」

アリス「……じゃからこそ、この世界ごと消そうと決意した」

アリス「不老の魔法を掛けてもらって、100年余り掛けて造ったのが、今チカに授けている魔法じゃ」



『7』おしまい

寝る

『8:さよなら魔法少女!』


アリス「こんな小さな女子なら、すぐに癇癪を起こして魔法を発動すると踏んでいたんじゃがのう」

千佳「……んー……」スースー

アリス「自分の魔法の事を聞いてもこやつは耐えおった。大したもんじゃよ」ナデナデ

凛「それなんだけどさ……千佳ちゃんの魔法、何とか出来ないの?」

まゆ「私も、ヘタすると魔物になると分かってるモノはちょっと……」

アリス「案ずるでない。三人とも、魔法を返してもらう」

凛「変なコトしないよね?」

アリス「あぁ……巻き込んでしまってすまんかったと思っとるよ」

凛「それは千佳ちゃんに言ってあげて」

アリス「――そうじゃな。ホレ、起きろ」


千佳「んー……?あれ?寝てた?」

まゆ「ええ」

凛「そりゃもうぐっすりと」

千佳「ご、ごめんねっ!」

アリス「まぁ、話のほとんどは終わっておるからの」

アリス「後は、おぬしらの魔法を返してもらえば終わり、じゃ」

千佳「ん……そっか……」

アリス「チカ……その、なんじゃ……悪かったの。こんな魔法を持たせてしまって」

千佳「いや、えっと……そっ、それよりさ!魔法を返した後はどうするの?」

アリス「後遺症は無いから安心せい。後は夢だったとでも思って――」

凛「あぁ……そういう意味じゃないと思うよ?」

アリス「はぁ?」

まゆ「?」

凛「千佳ちゃんが聞きたいのは、アリスが今後どうするかだよねー?」

千佳「うん!」


アリス「ワシの今後、か……考えても見なかったのう……」

アリス「……まぁ、それはまた追々考えていくとしようか」

千佳「学校とかには行かないの?」

アリス「あのな……ワシ100歳超えたババアじゃぞ?学校なぞ行ったら門前払いじゃわ」

凛「どう見ても10代なんだけど……」

まゆ「はい手鏡」

凛「はいアリス」

アリス「やめろ!ババアになった自分の姿なぞ見たくないわ!!」プンスコ

まゆ(もしかしてこれって――)

凛(そういう魔法なんじゃ)

アリス「あぁもうっ!ホレ、さっさと魔法を取り出すぞ!」

千佳「はーい」


――

アリス「――さて、コレで全部か」

凛「取り出した魔法はどうすんの?」

アリス「何かしら役に立つ事もあるじゃろうて。コチラで保管しておく」

アリス「世界を破滅させる魔法については――」

千佳「……っ」ゴクリ

アリス「解体とまではいかんが、そもそも攻撃魔法を全て継ぎ込んだモンじゃからな」

アリス「別の魔法になるよう、調整しとかねばならんの」

千佳「よかったー……」ホッ

凛「ん……大丈夫そうだね」

まゆ「あの、ところで、さっきの話ですけど、魔物との戦いはどうなったの?」

アリス「あー……異世界と通じる『門』を閉ざす事で終結しとるよ」

アリス「『門』が開かれん限りは、問題ない……はずじゃ」

まゆ「そう……」

凛「その門が開く事は無いの?」

アリス「……さぁ、の」

凛「さぁ、って……」


アリス「冗談じゃ。魔法使いが総出で施した封印じゃ。開く事は無いわ」

アリス「さ、今日はもう帰るがよい」

凛「ん……じゃあ、かえろっか千佳ちゃん」

千佳「うん!じゃあまたね、アリスちゃん!」

アリス「あぁ『またな』……もう会う事も無いじゃろうが、な」

まゆ「……あの、コレ」ピラッ

アリス「なんじゃ……住所かえ?」

まゆ「はい。何か困った事があったら来てね?」

アリス「ふん……ま、気が向いたら遊びに行ってやるわ」

まゆ「ふふ……楽しみにしてますねぇ」


<マユー?


まゆ「それじゃ、さよなら」



『8』おしまい


――――

――

アリス「ふむ……念のために見に来て正解じゃったな……」

アリス「……さて、どうしたもんか……」

――

――――


つづく


――佐久間邸


まゆ「はい♪飲み物とお菓子ですよぉ♪」ペカー

千佳「ありがとー♪」

凛「ありがと……ずいぶん嬉しそうだね?」

まゆ「はい♪」

まゆ「『お友達』を家に招くのって久しぶりで……」ウルッ

凛「ごっ、ごめん!」

千佳「大丈夫だよ!これからも遊びに来るから!」

まゆ「千佳ちゃん……」ジーン

凛「私も……まぁ、ヒマがあったら……」モグモグ

まゆ「凛さん……」

凛「あ、美味しいコレ」

まゆ「ありがとうございます♪手作りなの♪」キャッキャッ


アリス「現実逃避は終わったかの?」

凛「もうちょっといい?」

まゆ「出来れば夢であって欲しかったですねぇ……」

千佳「んー……っと……『門』が壊されてたんだよね?」

アリス「あぁ」

千佳「で、その『門』は、えーっと……」

凛「異世界に繋がってる……だっけ?」

アリス「その通りじゃ」

まゆ「異世界からは魔物が来るはず、と」

アリス「あぁ。それでじゃな――」


千佳「このクマさんってまゆさんの手作りなの!?すごぉい!」

まゆ「ふふ♪よかったら教えますよ?」

凛「あ、私も教えてもらおうかな」

アリス「聞けぇ!!」


凛「どうせアレでしょ?異世界からの魔物と戦ってほしいとかそういうアレでしょ?」モグモグ

アリス「おー、判っとるようじゃの」

凛「いやそれってさ、私達だけで何とか出来るの?」

まゆ「前に聞いた話だと、とても四人でどうにか出来る相手じゃないと思うんですけどぉ……?」

アリス「その辺りを話そうとしても、そなたらすぐ現実逃避するじゃろ」

凛「ごめん」

まゆ「ごめんなさい」

千佳「ごめんね」

アリス「まぁ、よい……さて『門』が破壊されていたのは何度も言った通りなんじゃが――」

アリス「妙なのは『門』が、向こう側から破壊されていた、という点じゃ」


凛「魔物が向こう側から壊したんでしょ?」

アリス「そう。その通りなんじゃよ。強力な封印を破るほどの魔物が、こちら側に入ってきたのは事実じゃ」

まゆ「そんな魔物を、私達が相手するんですかぁ?」

アリス「いや、それが判らんのじゃよ」

凛・まゆ・千佳「「「え?」」」

アリス「それほど強力な魔物がいれば、すぐに気付きそうなもんなんじゃが……」

アリス「そんな反応は全く無い」

まゆ「つまり――」

凛「魔物はいないって事?」

アリス「そうじゃ。『門』を壊して出てきたはずの、その張本人がおらん訳じゃ」

千佳「んー……っと……どういう事かな?」

アリス「……これはワシの憶測なんじゃが……」

千佳「うん?」

アリス「『門』の向こう側で、魔物は何者かと戦っていた」

アリス「その内劣勢に陥った魔物は、たまたまこちら側への『門』を破って逃げたが……」

アリス「逃げきれずに倒された、と。まぁこう予想したんじゃ」


凛「それだと、魔物を倒した誰かが居るって事だよね?」

まゆ「異世界人……ですかぁ」

千佳「どんな人なんだろうね?」

アリス「そうと決まったワケでは無いが、の」

アリス「何せ魔法や魔力の反応が無いと、存在も感知出来んからなぁ……」

千佳「でもでもっ、その異世界人さんを仲間に出来ればいいよねっ」

まゆ「そうね……相当強い人なんでしょうねぇ」

凛「RPGなら中盤くらいに仲間になりそうな感じかな」

千佳「凛さん、ちひろさんみたいだねー」

凛「っ!」ハッ


アリス「ま、そういうワケじゃからな。そなたらにもう一度『魔法使い』になってもらいたいんじゃ」

凛「なるほど、味方を多くして相手を安心させるってトコかな?」

アリス「ああ。その方も説得しやすいからのう」

千佳「あたしは賛成!」ハイッ

凛「……まぁ、千佳ちゃんの保護者で」ハイッ

まゆ「じゃあ保護者その二で♪」ハイッ

アリス「すまん、助かる……では魔法を授けよう」


アリスが懐から出したのは、弱々しく光る三つのビー玉

その小さな玉一つ一つに、彼女自身の魔力の結晶である魔法が宿っているのだ


凛「えーっと、手で握りしめるんだよね?」

アリス「そうじゃ。飴ではないぞ?」

まゆ「そっ、その話は忘れてっ」

凛「まゆ……」

まゆ「うぅー……恥ずかしい……」

アリス「冗談はさて置き、以前そなたらに授けたのと同じ魔法じゃからな」

アリス「すぐに同調できるはずじゃよ」

千佳「あたしも?」

アリス「あぁ。安心するがよい」

千佳「うん……じゃあ……」ギュッ



――久しぶりですね、チカ

――さぁ、私の名前を呼んでください

――この力は、世界を守るために

――私はアナタと共に


千佳「『ミラクルハート』!!」


まばゆい光と共に、純白の小さな杖が千佳の右手に出現した


ミラクルハート『またアナタと会えて嬉しいですよ。チカ』

千佳「うんっ……あたしもだよっ!」


まゆ「『真紅の絆』!」


弱々しかった玉の光が強くなり、その光条はまゆの左腕を包み込み、ピンクのリボンに変化していく


真紅の絆『へへっ……またよろしくな、まゆ』

まゆ「はい♪よろしくお願いしますね♪」


凛「……」スゥッ

凛「『エトワール』!」


玉から伸びる光条が、凛の首に絡みついてチョーカーに変化していく


エトワール『こうして話すのは初めてだね。よろしく』

凛「よ、よろしく……」


アリス「三人とも終わったようじゃな」

千佳「すごいコレ!魔法少女の杖みたい!」ブンブン

ミラクルハート『乱暴に取り扱わないで下さい』

千佳「ごめん!」

凛「んー……何か変な感じかな……」グイグイ

エトワール『苦しかったら緩めるけど?』

まゆ「似合ってますよ♪」

真紅の絆『さて、それで?これからどうすんだい?』

アリス「うむ。しばらくは異世界からの魔物を撃退する事が主じゃな」

アリス「それに加えて、戦力の強化も必要不可欠。それはまぁ、ワシが魔法を作らんと無理じゃがの」

凛「あれ?アリスも戦うんじゃないの?」

アリス「魔法というモノは、同調した者がいて初めて真価を発揮するモノじゃ」

アリス「ワシが作った魔法でも、ワシが使いこなせるというワケでは無いんじゃよ」

凛「不便なんだね……」


千佳「じゃー皆!世界の平和の為に頑張ろうねっ!」オー

まゆ「おー♪」

凛「お、おー……」

真紅の絆『元気でいいねぇ』

エトワール『……そうだね』



つづく


――夜・千川邸


凛「さて……」ペラッ

凛(エトワール、魔法について教えてもらっていい?)

エトワール『あぁ、構わないよ。ボクとしても説明しておきたかったからね』

エトワール『その前に、そのノートは何だい?』

凛(ん?あぁ、私の設定ノートだよ)

凛「えーと……『千川家は代々陰陽師として術を駆使して歴史の裏で暗躍する家系であったが――』」

エトワール『ストップ。なんだかムズムズした気分になってきたからやめてくれないか』

凛「ん……まぁ、魔法っていう力を手に入れたし、この設定はもういいかな」

エトワール『なるほど、君はそういう人なんだね』

凛「あ、でも正義の魔法少女は千佳ちゃんで、私は悪の手先……いや悪の女幹部なんていいかもね」

凛「時折仕方なく共闘するはめになる……とか、そんな感じ」

凛「その場合はアリスちゃんが悪の王女……いや女王の方がいいかな?いいよね?」

エトワール『凛、正直言って君の未来が心配だよ』

凛「衣装もそれっぽいのにしないとね。黒は基本として――」

エトワール『君はボクの話を聞く気があるのかい?』

凛「……あっ」


さて、魔法について教えてほしいという事だけど、まず魔法というモノの説明から始めよう

魔法というモノは基本的に、自然界に存在する四つの元素……即ち土火風水を増幅するモノでね

この四種類の組み合わせ次第で様々な魔法が出来る、というワケさ

例えば火の元素だけを入れた魔法ならただの攻撃魔法だけど、水の元素も入れると精神攻撃も出来るようになる

そうやって元素を組み合わせたモノが魔法で、さらに複数の魔法と組み合わせて『玉』の形にしたのがボク達さ

組み合わせ次第とは言ったけど、それぞれの元素は役割が決まっていてね

土は防御、火は攻撃、風は移動、水は精神……これらの相反する元素どうしは組み合わせられないんだ

土を時計の12時、火を3時、風を6時に水を9時に配置して、時計回りに強く、反時計周りに弱くて対角は――

……うん。今は相性があるって事だけ覚えていてくれればいいよ

……いや、まゆの魔法と相性が悪いのは、洗脳を解かれる事に関してだね

……あー、筆が進んでる所悪いけど、話を続けていいかな?


魔法の形というモノは、造った人によってそれぞれでね

飲み物や食べ物の形になる人もいれば、塗り薬のような形になる人もいる

アンチエイジャーの場合は、身に着ける装飾具の形になるみたいだね

次はボク自身について説明しておこう。君には覚えておいてもらわなくちゃ困るからね

ボクは火の元素をメインとした魔法でね

『ガントレット』と呼ばれる、衝撃波を飛ばす攻撃魔法に色々と組み合わせたのがボクだ

君のイメージと併せた結果、君の『声』を媒体として攻撃や洗脳を行う形に――

……大丈夫だよ。ボクの力を使わない限り、普段の生活に影響は無いから安心して欲しい

……洗脳という言い方は悪役らしいと思ったんだけどね……魅了か。それもどうかと思うけど、君に合わせよう

さて、ガントレットも魅了も君の『声』を媒体とする以上、その強さは君の声の大きさに比例するから――

……うん。のど飴は必須だね


凛「ありがと。おかげで設定が固まってきたよ」

エトワール『……それは何より』

凛「さて、じゃあ衣装を――」


<コンコン


ちひろ「りんー、お風呂空いたよー?」

凛「はーい……あ」

エトワール『どうしたんだい?』

凛(エトワールって男?女?)

エトワール『……魔法は造った人と同性になるんだ。女だから安心してくれていい』


――翌日・高校


凛「……」ニヤニヤ

凛(あぁダメだつい顔がにやける……)

凛(いけないいけない……今の私は女子高生)

凛(でも裏の顔は悪の女幹部リンリン!)キリッ

エトワール『凛、ゾワゾワするから妄想を垂れ流すのは勘弁してくれないかい?』

凛(ん?あぁごめんごめん)

凛(今の私の秘密を考えたらさ)

凛(なんかすごい優越感が)ニヤニヤ

エトワール『……なるほど』

加蓮「りーんー♪おはよー♪」タッタッ

凛「あ、おはよう加蓮」

加蓮「手ぇグーにして?」

凛「……こう?」グー

加蓮「で、親指を握りこんで……」

凛「?」グッ

加蓮「えいっ!フィンケルシュタインテスト!!」グイッ

凛「ぐわぁー」


エトワール『フィンケルシュタインテスト……手首の腱鞘炎チェックだね』

エトワール『本来は第三者にやられるチェックじゃないはずなんだけど……』

エトワール『そうそう。これをやって親指側の筋が痛くなる人は要注意だよ』

凛「何なの急に!?」ズキズキ

加蓮「いやー、昨日お母さんに教えてもらったんだー」アハハ


~~~
加蓮ママ「えいっ!フィンケルシュタインテスト!!」

加蓮「ぐわぁー」

加蓮ママ「あら大変。スマホばっか弄ってると腱鞘炎になっちゃうわよ?」
~~~


凛「それで?私に?」

加蓮「うん。だって凛、よくスマホ弄ってるじゃん」

凛「そうかな……これくらい普通だと思うけど?」

加蓮「フィンケルシュタインテスト!」グイッ

凛「ぐわぁー」


加蓮「ホラ!腱鞘炎手前かも知んないよ?」

凛「主に加蓮のせいで捻りそうなんだけど?」


凛「まぁそれはともかくさ。今日の部活どうする?」

加蓮「あ、ゴメン……今日もお母さんのトコ行かないと」

凛「……そっか」


凛「でも加蓮のお母さんって何もない所で足首捻挫して実家に帰ったんだよね?」

加蓮「実家って言っても隣だけどね」

寝る

携帯から失礼
書き溜め作業に集中出来なかった為、筆が進みませんでした
投下は今週末くらいになりそうです

あと最初に書くべきでしたが、モバマス以外の異世界人も出てくるかもです


――街中


アリス「くそぅ……昼間動けるのがワシだけとか問題外じゃろ……」ブツブツ

アリス「昼間から暇な人間……のう……む?」

アリス(空が暗く……コレは魔物の反応か!)

アリス「こんな時に限ってまったく……」ブツブツ


――高校


真紅の絆『まゆ、魔物の反応だよっ!』

まゆ「っ!」ガタッ

教師「……ど、どうしました、佐久間さん?」

まゆ「あ……い、いえっ!何でもないですっ!」

教師「は、はぁ……?」

真紅の絆『こりゃ無理そうだねぇ……ん?』

まゆ(空が……?)


アリス「こりゃ……無理そうじゃな」

夜のように暗くなった空の下、そう呟くアリスの目の前には巨大な影が立っていた

体長およそ3メートルほどの、熊のような体躯をした影

仮面のような顔面をアリスに向けると、唸るような咆哮と共に駆け出す

アリス「前に見た時は……」

上空高く跳躍し、弾丸のようなスピードで迫る影を跳び越える

アリス「こんなにデカくなかったじゃろ……なんぞ悪いモンでも食ったか?」

言葉が通じないと判っていながら発した軽口にこたえるよう、巨大な影は急制動でターンして再びアリスに向き直る

怒っているようにも泣いているようにも見える仮面の双眸は、光を飲み込むような真っ黒い穴であった

「……え?」

第三者の声にアリスと影が同時にそちらを向く

そこには目の前の光景が理解できずに固まる女性の姿があった


凛「なにこれ!?」

エトワール『これは……』

教室で授業を受けていた凛は素っ頓狂な声を上げた

さっきまで晴天だった外が突然夜のようになった事で教室全体がざわつき、教師が待機を命じて教室を出ようとした矢先

その姿が、周りのクラスメイト達が消えてしまった

悲鳴も音も無く、まるでテレビのチャンネルを変えたように『切り替わった』世界に凛はいた

凛「ど、どうなってるのコレ……」

エトワール『……これじゃ授業どころじゃないよ。アンチエイジャーと合流すべきだね』

凛「千佳ちゃん達とも……あっ!ケータイ使えない!」

エトワール『電灯も消えているね……それにこの感じ……』

凛「えぇと、まゆの教室は……」

エトワール『……少し落ち着いてくれないか?』

教室を出ようと扉に手を掛けた凛の目の前で、扉が開いてまゆが顔を覗かせる

二人同時に短い悲鳴を上げて腰を抜かし、その場に尻餅をついてしまった

真紅の絆『……何やってんだい』

エトワール『仲が良いのは結構だけど、今はそんな場合じゃないよ?』

それぞれの魔法に叱責されると、二人の魔法少女は暗い校舎を駆け出した


アリス「ほっ……と」

月明かりもない空の下、ビルの屋上を走り抜ける

身体強化魔法を使用して何とか逃げているが、魔物の執拗な追跡は続いていた

「なんなの!もー!」

パニック状態の女性を小脇に抱え、小さな体躯がビルからビルへと飛び移っていく

魔法の使用で息が上がり始めたアリスは、魔物の反応が遠い事を確認すると短く息を吐いた

アリス「すまんの。もうしばらく辛抱してくれ」

「そ、そう言われても何が何だか……」

暗闇を切り裂く咆哮が響く

アリス「もう来おったか……そなた、少し力を貸してくれ」

「な、何言ってるの!?私なんかより警察呼んだ方が――!」

アリス「んなもんおったらとっくに呼んでおるわい」

アリス「そもそも『ココ』には人っ子一人おらんじゃろうが」

「そ、そうだっけ……?」

さっきまで小脇に抱えられてビルからビルへと飛び移っていた女性からすれば、そんな事に気付けるはずもない

首を捻る女性に、アリスは三つの魔法の玉を差し出した

アリス「死にたくなければ、この中から一つ選ぶがよい」


「死にたくなければ、この中から一つ選ぶがよい」

バイトに向かう途中、急に夜みたいに暗くなったかと思えば、おっきな熊みたいな動物に女の子が襲われていて

その女の子の小脇に抱えられてビルの屋上から屋上へと、マンガみたいに空を飛んで

やっと一息吐いたかと思ったら、女の子は変な事を言いながら私の前に手を差し出した

「これって……ビー玉?」

何となく三つあった内の一つを摘み上げて、空にかざしてみる

太陽が無いはずの空の下、その玉は弱々しく光っていた

「『魔法の玉』じゃよ。詳しい説明は――」

マホウノタマ?

私が聞き返すより先に、熊みたいな動物が私達の目の前に着地した

うん。熊はこんなジャンプしない。どうなってるの

「――後じゃ!ワシが時間を稼ぐ!その玉を握っておれ!」

女の子が言うが早いが、怪物の方に走り出す

ダメだよ!危ないよ!

叫ぼうにも声が出ず、身体がこわばって、ただ両手に力が入っただけだった

女の子が地を蹴り、怪物に飛びかかる

怪物は手を振り上げている。このままじゃあの子は――!

『あら、緊急事態じゃないの。ちょっと体力借りるわよ?』


「へっ?」

頭の中に女性の声が響くと同時、私の左右から飛び出した光が怪物に襲い掛かる

腕を振り上げていた怪物は、何とも嫌な叫び声を上げてバランスを崩した

「ほっ……よいぞ!その調子で援護を頼む!」

よろけた怪物の胸元にパンチを叩き込んで吹き飛ばすと、その反動でバク宙して着地する女の子

結構余裕みたいなんだけど……今更ながら何者なんだろう?

『私達魔法の生みの親よ。まぁ、詳しい話は後にしましょ』

まただ

頭の中に声が響く

魔法?

『さぁ、私の名前を呼んで?』

疑問に思うよりも先に、頭の中に浮かんだ文字を叫んだ

「『シンフォニー』!」

そうしなきゃいけない気がしたから


魔法の玉を握っていた右手から溢れ出した光が広がり、私の全身を包む

『簡単に説明するわね。私の攻撃手段は相手を追尾する弾を発射するわ』

光が頭に集まっている……ような気がする

『当てたい場所をピンポイントで狙えるから、使いやすいはずよ』

少しずつ、光が収まっていく

『それと、この弾は私達を守る盾にもできるわ』

『今は初めてだし、それぞれのタイミングは私に任せて』

『じゃあ、よろしくね、志保ちゃん』

光が消えた後に残ったのは、髪飾りを付けたような、ちょっとした感覚

手で触ってみると、カチューシャのようだ

『さっさとあの魔物を退治しちゃいましょう』


「っ!」

倒れていた怪物が起き上がっているのが見えた。今は私と、あの子だけで何とかするしかない

怖い

もしあの子がやられたら、いや、そうでなくとも私の方に怪物が向かって来たらと思うと気が気じゃない

『大丈夫よ、志保ちゃん』

そんな私の心の中を見通して、シンフォニーが優しい声を掛けてくる

大丈夫。それだけで私の覚悟は決まった

「あ、えーっと、キミ!危ないから離れて!」

そう言えば、あの子の名前を聞いていなかった

「アリスじゃ!頼むぞ!」

起き上がった怪物に再度飛びかかり、その顔面を蹴り飛ばしてコチラに飛んでくるアリスちゃん

結構武闘派なんだね……

「シンフォニー!」

私を中心にして、ズラリと色とりどりのパフェが宙に現れる

これで攻撃するなら、ちょっと勿体無いかも

『さぁ、いくわよぉ!』

怪物に向かってパフェが飛んでいくと、ぶつかる手前で停止した

『え……?』

怪物の手にはいつの間にかスプーンが握られており、次々とパフェを平らげていく

『あ、あら?あら~?』

「ど、どうしたの?」

『私、こんな魔法じゃなかったと思うんだけど……』


「まぁ、ちょっと手を加えたというか、別の魔法と混ぜたからのう」

あ、シンフォニーの声はアリスちゃんにも聞こえるんだ

『そういう事はちゃんと言っておいて欲しいわね?』

「まぁ良いではないか。こうして足止めはしっかり出来るワケじゃし」

怪物は次から次へと現れるパフェを食べるのに夢中になっている

なんか、可愛いかも

「……うぇ、見てるだけで胸焼けしそうじゃな……」

『じゃあ何?私は相手にスイーツを提供するだけの魔法になってしまったワケ?』

「そうではない。攻撃の意思が無かっただけじゃろ」

『……志保ちゃん?』

「はっ!はいっ!ごめんなさいっ!」

シンフォニーの低い声に、思わず謝ってしまった


シンフォニー『はぁ……まぁ、いいわ。それで?ずっとスイーツを食べさせておく気かしら?』

アリス「安心せい。仲間が二人こっちに向かって来とるわ……一人足りんな……」

志保「仲間……?」

アリス「ああ。今のそなた……シホ、じゃったか?そなたと同じ魔法使いじゃ」


――アリス達のいるビル前


まゆ「魔法使いになっても……はぁ……体力は変わらないなんて……はぁ……」ゼェゼェ

凛「ふつー……はぁ……強くなる……よね……」ハァハァ

真紅の絆『なーに言ってんだい。アタシ達を使うために体力使うんだよ?』

エトワール『日頃から鍛えておくべきだね。まぁ、身体強化の魔法なら別だけどね』

まゆ「そ、それより、アリスちゃんの反応もこの辺りなのに……」

エトワール『あぁ、きっとビルの屋上だね』

凛「待って……今ってエレベーター使えないよね?」

エトワール『……』ハァ

真紅の絆『……』ハァ

凛「え?何この空気」

まゆ「……凛さん、ちょっと失礼しますねぇ」シュル

凛「え?何?何で私リボンで包まれてるの?ねぇ?」グイッ

凛「ねぇちょっと!もうちょっと運び方ってあるよね!?」ブラーン

まゆ「ちょっと急ぎますねぇ」

真紅の絆『逆ラペリングと行こうか!』

エトワール『やれやれ……』

寝る
かっこつけて地の文書いた結果がこれだよ。にどとやるもんか!


――屋上

アリス「そういえば自己紹介がまだじゃったな。ワシはアリス・タチバナ」

アリス「またの名をアンチエイジャーというが、まぁ覚えておかなくても結構じゃ」

志保(アンチエイジャー……アンチエイジング?)

志保「あ、私は槙原志保っていうの。えっと――」

まゆ「着きましたよぉ……無事ですかぁアリスちゃん……あら?」

アリス「おお。遅かったのう二人とも」

凛「着いたなら早く解いてくんない?」ムスー

まゆ「あっ、ご、ごめんなさい」シュル

志保(なんでグルグル巻きにされてるんだろ……っていうかあのリボンって……)

シンフォニー『ええ。あれがあの子の魔法みたいね』

志保「へーぇ……」


まゆ「初めまして、ですねぇ。佐久間まゆと申します」ペコリ

志保「あ、槙原志保です」ペコリ

凛「私は千川凛。お姉さんも魔法使いになったんだ?」

志保「え、えっと、まぁ、一応……?」

まゆ「それで、アレですかぁ……」


魔物「」モグモグモグモグモグモグフゴフゴモグモグ


凛「……」

まゆ「……」

凛「アレが魔物?」

アリス「ああ。異世界からの魔物じゃ」

まゆ「ちょっと可愛いかも……」

アリス「甘く見るでないぞ?人の心に寄生し、負の感情を喰らいながら蝕んでいくんじゃよ」

凛「食べてるのはパフェだけどね」

アリス「ああ。見てるだけで胸焼けしそうじゃな」


凛「じゃーアリスが胸焼けを起こす前にやっつけちゃおう」

アリス「頼むぞ。あの仮面を割ればよいからな」

まゆ「はぁい……志保さん、下がっていて下さい」

志保「あ、うん……」

志保(魔法使い……この二人はどうやって戦うんだろ?)

シンフォニー『お手並み拝見ね……魔物の拘束を解くわよ!』


わんこパフェから解放された魔物がゆっくりと立ち上がる

食べ過ぎたのか、先程よりも動きが緩慢だ

先に動いたのは、まゆ。無数のリボンを飛ばして魔物の動きを完全に封じ込める

まゆ「凛さん!」

凛「任せて!」

凛(あれ?何て叫べばいいんだろ?適当でいいのかな?)

エトワール『いや、ちょっと待ってくれ。今叫ぶのは――』

凛「ぅわああああああああ!!」

凛の叫び声は衝撃波となり魔物を襲い、それを縛っていたまゆのリボンごと吹き飛ばす

まゆ「きゃっ!?」

凛「まゆ!?」

エトワール『遅かったか……』

まゆ「凛さぁん……?」ニコォ

たまらず倒れ込んだまゆが、顔だけを動かして凛に笑顔を見せる

しかしその眼はまったく笑っていなかった


凛「ごめん!っていうか何で!?」

エトワール『前にも言ったけど、君の声を媒介にしているからね。攻撃範囲が広いんだ』

エトワール『魔物の仮面だけを狙うなんて芸当、今のボク達には到底無理なんだよ』

真紅の絆『そういう事は、もっと早く言っておくれよ?』

まゆ「前に出なきゃいいって事?」

エトワール『そういう事だね』

凛「それなら、まゆがリボンを切り離せば――」

まゆ「あ、そうですねぇ」

真紅の絆『悪いけどさ、あんな巨体縛り付けるのには結構力がいるんだ』

真紅の絆『切り離したら……アタシの力だけじゃ、五秒も拘束出来ないよ』

凛「えぇー……」

まゆ「ど、どうしよう……」


凛「槙原さんの魔法はあんなだし、アリスは完全にバテちゃってるし……」

シンフォニー『私だって好きでパフェ地獄出したワケじゃないわよ!』

志保「そ、それは私が……」

まゆ「あのぉ、千佳ちゃんは?」

凛「し、知らない……」

アリス「……あー……手詰まり、じゃな」

まゆ「い、今はホラ、まゆ達が動きを止めてますし――」

アリス「魔法の使い過ぎで息が上がって使えなくなるのがオチじゃ」

アリス「志保を見てみろ」

志保「それでさっきから身体が重いんですね……」

凛「じゃ、じゃあどうするのさ!?」

アリス「こっちが聞きたいわい!」

まゆ「ど、怒鳴らないで下さいよぉ」

寝る
劇場みちるが予想通り過ぎるのにカワイイ


「下がって下さい!ウサミンエクスクラメーション!!」

轟音と閃光

突然の事に、私も含めた全員が呆然とするしかなかった

天から降ってきた光が魔物の仮面を打ち破り、床面のコンクリートを粉砕する

大きく抉れたコンクリートの中心に居たのは、ウサギのような耳を立てた少女であった

「皆さん大丈夫ですか!?」

「……何事ぞ」

アリスが呟くと同時に、また世界が切り替わった


――高校・教室


教師「――では、次のページ」

凛「……」

凛「……!?」ガタッ

教師「……千川さん?」

凛「あ、いえ……何でも……」ストン

凛(……夢?)

エトワール『でも無いみたいだね。詳しい話を聞かせて貰わないと……』

凛(休み時間、まゆと話そうか……あ、千佳ちゃんに電話も……)

エトワール『……ふむ。確かに皆の状況も把握しておかなくちゃいけないね』

エトワール『ボクとした事が、動揺していたみたいだ』

凛(いつも通りにしか見えないけど?)

エトワール『そうかい?それならいいんだけど』


――休み時間


まゆ「千佳ちゃん、大丈夫だったんですねぇ」ホッ

凛「うん。泣きじゃくって大変だったみたいだけどね」

真紅の絆『探しに行くような余裕も無かったからねぇ……』

凛「う……そ、それで、アリスにも志保さんにも話を聞かなきゃなんだけど……」

エトワール『それより気になってることがあるんじゃないのかい?』

まゆ「……最後に現れた人ですか?」

凛「うん……多分、アリスも探してると思うんだけど……」

まゆ「アリスちゃんにも、ケータイ持たせた方がよさそうですねぇ」

凛「魔法使い同士でテレパシーとか出来たらなぁ」ハァ

エトワール『そういうのは、制作者に頼んでくれないかい?』

真紅の絆『そんな事で働かされるコッチの身にもなって欲しいもんだねぇ……』


――放課後・佐久間宅


凛「お邪魔しまーす」

千佳「おじゃましますっ」

まゆ「はい、いらっしゃい♪千佳ちゃん、大丈夫だった?」

千佳「うん……怖くって泣いちゃったけど、もう大丈夫!」

アリス「全員揃ったようじゃな」

志保「全員って……この子も魔法使いなんですか?」

アリス「そうじゃよ。まぁ、その辺の話の前に……」

ナナ「はい。まずは自己紹介ですね」

ナナ「初めまして、別の世界からやってきましたナナと申します」ペコリ

志保「別の世界って……あのー……」

アリス「あぁ、ちゃんと説明するわい」

――――

――


志保「」ポカーン

まゆ「志保さん?志保さん?」ユサユサ

志保「ほぁっ!?」ビクッ

アリス「まぁ驚くのも無理は無かろうて」

志保「はい……平行世界とか魔法使いとか、その……」

シンフォニー『巻き込まれた形だものね』

千佳「アリスちゃん?」ジトッ

アリス「違うわい。ナナからの話を聞けば解るじゃろうて」

凛「話って?」

ナナ「あっ、はい。あの怪物と、昼間に現れた『夜』についてです」

まゆ「あの暗い世界ですかぁ?」

凛「そうだ。あの後気付いたら教室に戻ってたんだけど、どうなってるの?」

ナナ「その辺りを今から説明しますね」


ナナ「まずあの怪物なんですが……平行世界には複数の世界がある、という話は知っていますか?」

まゆ「えぇ、アリスちゃんに聞きましたねぇ。千佳ちゃんは寝てたから覚えてないかも……」

千佳「そのあとちゃんと聞いたよ?」

凛「え?そうだっけ?」

アリス「そなた、結構人の話聞かんタイプなんじゃな」

志保(メモとっとこ……)

ナナ「ええ。あの怪物達は、その世界と世界との間……ナナ達は世界の狭間と呼んでるんですが……」

ナナ「そこから時々抜け出しているみたいなんです」

ナナ「そして『獲物』となるヒトを見つけては、さっきの異世界に飲み込んで消化してしまう……」

ナナ「本来、獲物以外のヒトが入れる場所じゃないんですよ、あの暗い世界は」

凛「へぇ……」

志保「……って事は、私が『獲物』だった訳ですか?」

ナナ「そういう事ですね」

志保「」        <エクトプラズム

凛「口から何か出た!」

千佳「志保さんしっかり!」ユサユサ


アリス「む?ナナよ。怪物は『門』を壊してこちらに来ているのでは無いのか?」

ナナ「それはあり得ませんよ?そもそも怪物達は『門』を知覚できないみたいですから」

アリス「……では、こちらの世界への『門』を壊したのはそなたか?」

ナナ「なっ、ナナはそんな事しませんよ!……コホン、ナナがこちらに来た理由もソコなんです」

まゆ「どういう事です?」

ナナ「他の平行世界から、誰かがコチラに来ている可能性があるんです」

「「「「「!!」」」」」

ナナ「ナナの使命はその人達を見つけ出す事と、もう一つ」

ナナ「『門』が修復するまでの間、この世界に入り込む怪物を退治する事です」

アリス「『門』の修復は誰かがやっておる、という事か?」

ナナ「はい。一月以内には修復出来ると思います」


~~~
ノヴァ「……」カーン カーン

ノヴァ「……」カーン カーン

ノヴァ(私が行った方がよかったかしら?)カーン カーン
~~~


アリス「ふむ……よし、ワシとしてはナナの事を手伝いたいんじゃが、どうじゃ?」

凛「え?」

アリス「え?」

千佳「アリスちゃんがマトモな事言ってる……」

まゆ「明日は槍が降りますねぇ」

アリス「そなたらワシをどんな風に見とったんじゃ……」


千佳「でも、あたしは賛成!だってその異世界の人も困ってると思うもん!」ハイッ

凛「異世界人との協力って燃えるシチュだよね(私も賛成)」

エトワール『凛、本音がダダ漏れなんだけど大丈夫かい?』

まゆ「まゆも賛成ですよぉ♪」

志保「わっ、私も協力しますっ!」

アリス「……良いのか?」

志保「はいっ!正直、何が何だかまだ解ってないけど……」

志保「でも!困ってる人を放っておけませんし!」

志保「何より、ナナちゃんは命の恩人ですしね」

ナナ「皆さん……ありがとうございます」

シンフォニー『それで?探し人のアテはあるのかしら?』

真紅の絆『無闇に歩いてりゃ見つかるってもんじゃないだろうしねぇ』

ミラクルハート『そもそも、私達は魔力検知しか出来ません』

ミラクルハート『もし魔力を持っていないヒトを捜すのであれば、私達では不可能です』

アリス「そうじゃなぁ……何とかならんもんか……」


凛「人探し用の魔法とか、出来ないの?」

アリス「出来ん事は無いが、使える人間がおらんと意味がないぞ?」

志保「魔法は一人一つなんですね……」フムフム

ナナ「すいません。ナナにもそんな能力はありませんので……」

まゆ「じゃあやっぱり……」

千佳「アリスちゃんに作ってもらうしかないみたいだね」

アリス「ふむ……では早速取り掛かるか」

ミラクルハート『よろしくお願いします』

ナナ「その間、ナナも探してみますね」

ナナ「もしかしたら言語や通貨が違って、困ってるかもしれませんし……」

凛「そっか。言葉が違う方が探しやすくていいかもね」

エトワール『キミはどうしてそう楽観的なんだい……』

真紅の絆『でも間違いじゃあ無いね。アタシ達でも出来る事はあるはずだよ』

千佳「よーし、じゃあ明日から早速……」

まゆ「でもホラ、明日も学校……」

凛・千佳「「あ」」


志保「あの、昼間なら私も動けますよ?」

シンフォニー『大学はいいの?』

志保「あ、うん。単位さえ取れれば大丈夫だし……」

シンフォニー『ダメな考え方よ?』

凛「じゃ、じゃあ志保さんお願いします……放課後は――」

エトワール『凛、部活の方はいいのかい?』

凛「さぁ、何の事かな?」フフッ

まゆ「あ、私も部活が……」

真紅の絆『今から幽霊部員になるってのもねぇ』

千佳「じゃあ、あたしが学校終わったらすぐに――」

凛「ダメだよ千佳ちゃん?お兄様に心配かけちゃうよ?」

ナナ「あの、皆さんにはコチラの生活もあるでしょうから、ナナにお任せ下さい」

志保「で、でも――」

ナナ「お気持ちは本当に嬉しいです!けど、大丈夫ですから♪」

アリス「……ふむ。では、任せるか」

千佳「アリスちゃん!」

ミラクルハート『チカ、本人の意思は尊重すべきです』

ミラクルハート『自由時間が限られている私達より、ナナに任せる事が最善と判断します』

千佳「う……じゃ、じゃあナナさん、よろしくおねがいします」ペコリ

ナナ「はい♪」

ナナ(いい人達だなぁ♪ノヴァさんにも見習って欲しいかも……)

アリス「では、今日は解散じゃな」


――数時間後・横山宅


千佳「ただいまー!」

凛「お邪魔しまーす」

兄「おうお帰りー。あ、凛も一緒だったのか」

凛「はいっ!途中で千佳ちゃんと一緒になったものですから――」

ちひろ「凛ちゃーん?」

凛「あ、姉さん……あ」

ちひろ「部活はサボっちゃダメって言ったよね?」ゴゴゴゴゴゴゴ

凛「ヒッ」

兄「よし千佳、逃げるぞ」ダッ

千佳「おっけーお兄ちゃん」ダッ


<フィンケルシュタインテスト!

<グワアアアアアアアア!


――同時刻・某所


「――だいたい!アナタが魔物を深追いしなければこんな事にはならなかったんですのよ!」

「なにさ!魔物にトドメさそうとして変な扉壊しちゃったのはソッチでしょ!」


グゥー


「「……」」


「……ゴメン」ストン

「私こそ、言い過ぎましたわ」ストン


グゥー


「「……」」


「ねぇワイス……」

「なんですの、ルビー」

「私達、帰れるかな……?」

「……大丈夫ですわよ」スッ

「ん……」ギュッ

「皆さんも、探しに来て下さいますわ」ギュッ


――15秒


モバP「今回ご紹介するのは凛とエトワールが使う魔法ガントレット!」

凛「攻撃魔法ですわお兄様!」

モバP「凛の声を媒体とした衝撃波で攻撃するので広範囲に攻撃出来るぞ!」

凛「私の声で魅了も出来ますわお兄様!!」

モバP「でもその分体力の消耗も激しい上にのど飴が必需品だ!」

凛「おにいさまあああああああああ!!おにいいさまあああああああああああああ!!!」

モバP「やかましいっ!」


攻撃力……◆◆◆◆◆◆◆

防御力………◆◆◆

スピード………◆◆

お兄様ラブ度……◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

寝る
次回からRWBY編ダヨー


『R#1』


――凛がちひろに怒られている頃・街上空


ナナ「んー……っと……」ゴォォォォォォォ


~~~
凛「空から?」

まゆ「探索?」

ナナ「はいっ!ナナには飛行能力もありますから!」

志保「え、ナナちゃん飛べるんですか?」

千佳「いいなー!あたしも飛んでみたい!」ハイッ

ミラクルハート『飛行能力は私にも搭載されています』

ミラクルハート『今度の休みに練習しましょう』

千佳「はーい♪」

凛「……」

エトワール『……言っておくけど、ボクには飛行能力なんて大それたモノは無いからね?』

凛「ちぇー……」

ナナ「では、早速行ってきますね♪」ピ

<STANDING BY>

ナナ「メルヘン☆チェンジッ!」ピピピ

<LIVE UP>

ナナ「超機動アイドル☆ウサミンセブン!行ってきます!」ゴッ


凛「ロボだ!」

まゆ「ロボだ!」

志保「へ、変身した……」

千佳「かっこいー……」
~~~


ナナ(『門』が破壊されたのがつい先日だから、まだ餓死はしてないはず……)ゴォオオオオオ

ナナ(でもナナのセンサーじゃ、フツーの人まで探せないし……どうすれば……)ゴォォォォォ

ナナ「おぉっ」ポン

ナナ(そうだ。お腹が空いてるなら……今日のナナは冴えてますね~♪)ゴオオオオオオオ

ナナ(早速まゆちゃんのお宅に戻りましょう♪)ゴオオオオオオオオ


貴音「……」

貴音「響、響」クイクイ

響「んー?どうしたんだ貴音?」

貴音「人が空を飛んでいます」ビシッ

響「……何にも見えないぞ?」

貴音「なんと」


――佐久間宅


まゆ「食べ物で誘い出す……なるほど、いい方法だと思いますよぉ♪」

真紅の絆『それなら、志保にやらせりゃいいんじゃないかい?』

真紅の絆『あの子ホラ、お菓子を出してたじゃないか』

ナナ「魔法を使うと、体力を消耗するんですよね?」

ナナ「場所の目星がついてないのにやらせるのはちょっと……」

まゆ「え?」

真紅の絆『場所の目星がついてないのに、食べ物で誘い出そうってのかい?』

ナナ「あ、はい。空から広範囲に香りを振りまこうかと思ったんです」

まゆ「うーん……上手くいくかしら?」

真紅の絆『どうだろうね?』

ナナ「とっ、ともかく、今出来る方法としてはこれくらいしかないんです!」

まゆ「……わかりましたぁ。ちょっと台所使えるか聞いてきますね」スクッ

ナナ「お願いしますね~」


――廃屋


ワイス「これが最後、ですわね」

ワイス「念の為、非常食を持って来ておいて正解でした」モグモグ

ルビー「うぅ~……」モグモグ

ルビー「……?」

ワイス「コレに懲りたら、アナタも軽装で出るのは「いい匂いがする!」……はぁ?」

ルビー「コレは……なんだろ、甘い匂いが……」フラフラ

ワイス「コラッ、お待ちなさい」ガシッ

ルビー「離してぇっ!お菓子が私を待っているぅ!」バタバタ

ワイス「落ち着きなさいルビー。いい?ココは、さっきみたいに人がいなくなってしまうような世界ですのよ?」

ワイス「もしかしたら、強力なハンターやグリムより獰猛な怪物が……」スンッ


<グー


ワイス「……」

ルビー「……」

ワイス「……確認だけ。確認だけしましょう」スッ

ルビー「 YES! 」BANZAI!

寝る


『RWBY』
ttp://i.imgur.com/OYwY1O5.jpg

画像左からルビー、ワイス、ブレイク、ヤン

アメリカ産3DCGアニメ。公式サイトとyoutubeで公開中


――同じ頃・平行世界・ビーコンアカデミー


ヤン「……」ズーン

ブレイク「……」ズーン

グリンダ「まったく、二人だけで行動するなんて何を考えているのですか?」

グリンダ「ルビー・ローズとワイス・シュニーに続き、アナタ達まで失踪してもらうのは困ります」

ヤン「そ、それはそうですが……二人が心配なんです!」

グリンダ「……」キッ

ヤン「うっ……」

ブレイク「教授、ルビーとワイスは『グリムの巣』に入って行ったんですよね?」

グリンダ「アナタ達の報告では、そうなっています」

ブレイク「では、そんな危険な場所に入ってしまって無事で済みますか?」

グリンダ「……」

ブレイク「二人の捜索を開始するまで丸一日待つ、とオズピン校長は仰っていましたが」

ブレイク「それでは、あまりにも――」

グリンダ「えぇ、話はよく分かりますよ、ブレイク・ベラドンナ……しかし」

グリンダ「だからと言って、二人だけで『グリムの巣』に入ろうとするのは愚の骨頂です」

ブレイク「……」ショボーン


――数刻後・ビーコンアカデミー・校長室


グリンダ「――時間です。彼女達の報告を受けてから、ちょうど24時間経ちました」

オズピン「 hmm…… 」

グリンダ「ルビー・ローズ及びワイス・シュニー捜索の為、予定通り『グリムの巣』へ――」

オズピン「待ちたまえ、グリンダ教授」

グリンダ「待てません」

オズピン「『グリムの巣』へは生徒達だけを突入させてくれ」

グリンダ「……承認しかねます。生徒達を危険な目に合わせる訳には――!」

オズピン「 please 」

グリンダ「……分りました……納得は出来ませんが……」

オズピン「彼女たちの土産話を聞ければ、納得出来るさ」

グリンダ「 ha ? 」


オズピン「チームRWBYと、チームJNPRを捜索チームとして編成」

オズピン「私達教員は、捜索チームの『グリムの巣』突入をサポートする。以上だ」

オズピン「早速準備に掛からせてくれ」

グリンダ「……大丈夫でしょうか?」

オズピン「大丈夫さ。帰り道さえ分かれば、帰らずの森もただの一本道だからね」

グリンダ「はぁ……?」


――同じ頃・平行世界・千川家


凛「うぅ~……」グッタリ

エトワール『随分絞られたね。聞いてるだけのボクの身にもなって欲しいものだけど』

凛「む。うるさいなぁ」

エトワール『これに懲りたら、ちゃんと部活に行く事だね』

凛「はぁーい……」

スマン、寝る


――数刻後・平行世界・ビーコンアカデミー・寮の一室


ヤン「う~……」ウロウロ

ブレイク「……」ペラ

ヤン「むぅ~……」ウロウロ

ブレイク「……」ペラ

ヤン「だぁっ!遅いっ!」

ブレイク「叫んだって変わらないわ」ペラ

ヤン「なんでブレイクはそんな落ち着いてんの!?こうしてる間にもルビー達が――」

ヤン「――待ってブレイク。その本逆さまじゃない?」

ブレイク「……?」

ブレイク「 Uh-oh 」

ヤン「ブレイク……」

ブレイク「……私だって気が気じゃないのよ」

<コンコン

ヤン・ブレイク「「!!」」

グリンダ「二人ともいるようですね」ガチャ

グリンダ「チームRWBYとチームJNPRが、捜索チームとして派遣されることになりました」

グリンダ「十分後に準備を済ませて校門に集合してください。では」バタン


ブレイク「私達が捜索チーム……ね」

ブレイク「ヤン、準備はいい?」クルッ

ヤン「えぇとクッキーでしょ?チョコでしょ?あぁサンドウィッチの方が……」

ブレイク「ヤン、荷物は最低限にしてね?」


――その向かいの部屋


ジャン「ルビー達を探すのはいいけど『グリムの巣』ってのはおっかないなぁ……」ガチャガチャ

ノーラ「よーるーのーおーでかけ~♪」ピョンピョン

レン「噂では、グリム達がその洞穴に出入りしているそうですよ」カチャカチャ

ノーラ「みーんなーで探すーぞ迷子ちゃん~♪」ピョンピョン

ジャン「そんな場所にいて、ルビー達大丈夫かな……?」

ノーラ「いーざいーざゆくぞーグーリムーの巣~♪」ピョンピョン

ピュラ「大丈夫だと信じましょう……みんな、準備できた?」

レン「えぇ……ノーラ!」

ノーラ「 aye aye Ren !」


――数刻後・『グリムの巣』内部


ジャン「なんだ……ただの洞穴じゃないか」

ピュラ「『巣』って雰囲気じゃないのは確かね……」

オズピン「その通り。『グリムの巣』はグリム達の巣じゃない」

ピュラ「え?」

グリンダ「どういう事です?」

オズピン「言葉通りさ」

レン「……あの門は?」

ヤン「アタシ達が開けようとしても開かなかったんだけど……」

ノーラ「壊そうか?」チャキ

レン「やめて下さい」

オズピン「君達は、世界のカタチを垣間見る事になるだろう」ガチャ

ブレイク「開いた……」

オズピン「さぁ行きなさい。そして帰ってきたら、話を聞かせてほしい」

ジャン「……?」

ノーラ「じゃー早速しゅっぱーつ♪」タッ

レン「ノーラ、待って下さい……ノーラ!」


――世界の狭間


ジャン「なんだこりゃ……!」

ヤン「門がいっぱい……この中から二人を探せって言うの?」

ブレイク「全部確認してたら、一日二日じゃ足りないわね」

ピュラ「一体いくつあるのよ、コレ……」

レン「……!アレを!」

魔物「……」

ジャン「あんな大量のグリム……気を付けろ!」ジャキッ

ノーラ「 GURRRRRRR!! 」ジャキ

ジャン「レン!ヤン!ブレイク!前に!」

ジャン「ピュラとノーラは下がって援護を頼む!」

ピュラ「ダメ!後ろにも……囲まれてる!」

ジャン「クソッ……立派な『巣』じゃないか」

ノヴァ「はっ!」


<チュドーン


ジャン「」

レン「」

ピュラ「」

ヤン「」

ブレイク「」

ノーラ「 oh 」

ノヴァ「迷子さんかしら?それとも、命知らずな冒険者?」

ノヴァ「いずれにせよ、早く帰りなさい」


ジャン(左)とピュラ
ttp://i.imgur.com/e4jjsS6.jpg

ノーラ(左)とレン
ttp://i.imgur.com/p4f97jZ.jpg

ヤン(左)とブレイク
ttp://i.imgur.com/ijEHFPe.jpg


展開が遅くて焦ってますが、いったんここまで


――世界の狭間


ノヴァ「――そう。あの魔物の事をグリムと呼んでるのね」ズズッ

ジャン「えぇ、まぁ……」

ジャン(なんでウサギみたいな派手な格好してるんだこの人……目のやり場に困る……)

ピュラ(どっから出したのかしら?このアフタヌーンティーセット)

ピュラ(あ、美味しいクッキー)モグモグ

ノヴァ「ある世界ではシャドウと呼ばれていたし……魔物のクセにカッコよく呼ばれてるのは癪に障るわね」

ノヴァ「もう2、30体滅ぼしてくるわ」ガタッ

ヤン「あー……それは出来れば後にして欲しいかも……」

ブレイク「私達は先を急いでるの」

ノヴァ「そう……迷子を探しに来たのかしら?」ストン

ヤン「!!……ルビーを知ってるの!?」ガタッ

ノヴァ「さぁ?直接見たワケじゃないわ……ただ、その可能性があるってだけよ」

ブレイク「私達は、その可能性に賭けるしかないの」

ヤン「教えて!二人はどこにいるの?」

ノヴァ「……あの門よ」


ノーラ「レン!はいアーン♪」グググッ

レン「ノーラ、ステイ、ステイ」グググググッ

ノヴァ「……」

ヤン「……」

ブレイク「……」

ピュラ「……」

ジャン「 ah …… Hey? 」

ノヴァ「いいわ。賑やかな方が……久し振りだし」

ジャン「こんな場所だしね……家に帰った方がいいんじゃないか?」

ノヴァ「帰る家なんて無いわ。どこにも、ね」

ジャン「?」

ヤン「えっと、それで?あの門の先に二人が?」


ノヴァ「さっきも言ったけど、あの門の先にいるとは限らないわ」

ノヴァ「それでも行くのかしら?自らの命を賭してまで?」

ヤン「 Ya, My sister 」

ブレイク「 team mate 」

ノヴァ「ふーん……アナタ達も?」

ジャン「 our friends, ha? 」

ピュラ「えぇ」

ノヴァ「解ったわ。門を開いてあげる」ヴン

ノヴァ「気を付けなさい……見付かるといいわね」



ノヴァ「――Jan …… No, not him 」


『R#1』おしまい


――15秒


モバP「今回ご紹介するのはまゆと真紅の絆が使う魔法ウィスプ!」

まゆ「魔法のリボンで相手を拘束する魔法で、最大10本のリボンを出せるの!」

まゆ「何重にも重ねることでバリアとしても使えるし」

まゆ「壁に張り付いて移動したり、壁から壁へ飛び移って移動も出来るの!」

まゆ「洗脳を解いたりも出来たりするけど、攻撃力が無いのが欠点かしら?」

モバP「まゆの早口初めて聞いたわ」

まゆ「頑張りましたぁ♪」


攻撃力………◆

防御力…………◆◆◆◆◆◆◆◆

スピード…………◆◆◆

頑張り屋さん度……◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

寝る

凛が攻撃型・まゆが防御型かな?
そしてノヴァさんキター

毎度遅くなって申し訳。二週間ほど書き溜めに集中できない状態になりますので、ご報告に上がりました
妖怪世界の方とか結構まとまってきたのにこの仕打ちです。某戦艦ゲーとのクロスまで浮かぶ始末です
本編を書けるようになるまで、世界観の質問など御座いましたら答えさせて頂きますね


>>202
凛は息切れの早い攻撃型、まゆは創意工夫型
まゆはリボンで防御してる都合上、重なってる部分と重なってない部分で防御力にバラつきが出るとか
連続攻撃されるとすぐ消耗するのはお約束

恥ずかしながら戻って参りました。速報落ちてたんですね
少量ですが21時頃から投下する予定です


『R#2』


――公園


ナナ「……」パタパタ

ナナ「……」パタパタ

ナナ(結局まゆちゃんの家の台所は借りれなかったのでアリスちゃんの家に行ったら)


~~~
アリス「香りで誘い出すか……なるほどのう」

アリス「ならばこれを使うがよいぞ」
~~~


ナナ(七輪でクッキーを焼くハメになりました……)

ナナ「……あ、七輪でもクッキーって焼けるんですね……」ブツブツ

ナナ(そろそろ場所を移した方がいいでしょうか?)


<カサッ


ナナ「!」パタッ パタパタ

ナナ(動体反応あり。聴力レンジ最大。ゲイン最大)


『――?』

『――』


ナナ(二つの声がしますね。む、英語っぽい……いくら小声で話してもナナには丸聞こえですよーっと)パタパタ


『夜中にこんな場所で一人でクッキーを焼いてるなんて、どう考えてもオカシイ人ですわよ?』

『クッキーが好きなオカシイ人なんだよ、きっと……あぁでもいい匂いだなぁ……』


ナナ「誰がオカシイ人ですかコラー!」ガバッ

『『ひゃあっ!?』』


「何者ですの!?」

しまった。怖がらせてしまったみたいですね

髪もドレスも真っ白な女の子に剣を突き付けられてしまいました

「クッキー……」ダラダラ

「ルビー!しっかりなさい!」

ルビーちゃんは真っ赤なマントを羽織った方みたいですね。よだれを垂らしながらも手にした銃はしっかりこちらに向けられちゃってます

迷子さんはこの二人なのは間違いないみたいです

うーん。まずは敵意が無い事を分かってもらわないといけませんね

「大丈夫ですよ。ナナは敵じゃありません」ニコッ

軽く微笑みながら両手を上げてみましたが、真っ白な女の子の眉間に皺が寄っただけでした。あれー?


「敵じゃなくてもマトモには見えませんわ……」

なんですかその残念な人を見るような眼は

「ねぇ、なんでこんな所でクッキー焼いてたの?」

ルビーちゃんがおずおずと聞いてきました

そりゃ夜中に公園で一人で七輪でクッキー焼いてる人がいたら怪しさ満点はなまるですもんね

ここは正義の味方らしく正直に――

「あぁ、それはお二人をおびき出すために――」ニコッ

――あ

白い女の子が完全に臨戦態勢に入っちゃいました

「罠でしたかっ!ルビー!」

「甘い匂いで誘い出すなんて外道だよ!」

二人とも完全に敵を見る眼になってますね。さっきの残念な人を見るような眼で見れらた方がまだマシです

あぁー、ど、どうしましょう


「あ、あああ違います!違うんです!」

ひとまず誤解を解かないと、どっちかが怪我する事態に発展しかねません

もう正直に洗いざらい吐いてしまいましょう。うん、それがいいです

「違う?何が違うっていうんですの!」

「ナナはお二人を探してたんですよ!元の世界に戻すために!」

「へ?」

「お二人は『門』を壊してコッチに入って来られたんですよね?」

二人とも反応あり。互いをチラ見すると、またナナの方に顔を向けて武器を構えなおしました

「……あー、ワイス?」

「手短に頼みますわ」

ふむ、白い女の子はワイスちゃんっていうみたいですね

「この人が言ってる『門』って、ワイスが壊したやつだよね?」

「……えぇ。私と『アナタ』で壊したやつですわ」

「む、アタシは壊してないよ!ワイスが外して――」

「お黙りなさい。そもそもアーサーを深追いしたアナタのせいですのよ?」

「アーサー一匹くらい一人で倒せるって言い出したのはワイスじゃん!」

「フォローを頼むと言ったんですの!大体二人一組の連携は――!」

二人ともナナから視線を外して言い合いを始めちゃいましたね

ご近所迷惑になる前に止めないと

「あの、お二人とも?」

「「後にして!」」

「……クッキー食べます?」

「「頂きます!」」


――同じ頃・千川家


凛「うーん……女幹部だからって派手過ぎる格好は逆にカッコ悪いよね……」ブツブツ

凛「あ、そうだ」

エトワール『……あー……凛?』

凛(エトワールって名前って何か意味あるの?)

エトワール『あぁ、星って意味だけど……いやそうじゃなくて』

凛(星かぁ……星をそのまま使うのはカッコ悪いし……)

エトワール『……まったく……』

凛(あ、そうだ)ガタッ

凛(えぇと、あったあった)

エトワール『それは……植物図鑑かい?』

凛(うん。星っぽい花がないかなって思ってさ)

エトワール『衣装なんてどうでもいいと思わないかい?』

凛(思わないよ)

エトワール『そうかい』

凛(あ、これなんかいいかも)カリカリ

エトワール『寝不足になっても知らないからね?』


――アリス宅


ナナ「アリスさーん、ただいま帰りましたー」

アリス「おーう」

ナナ「あ、迷子のお二人をお連れしましたから台所お借りしますねー♪」

アリス「おーう」


ナナ「ささ、トーストくらいですが召し上がれ♪」

ワイス「感謝致しますわ」

ルビー「モグモグモグモグモグモグフゴフゴモグモグ」


<ドタドタドタ


アリス「ナナこらぁっ!」バーン

ナナ「あ、アリスさん。魔法は完成しましたか?」

アリス「おかげさんで完成したわい!異世界人連れてきたならもっとまじめに報告せんか!」

ナナ「いやー、だってアリスさんお忙しそうでしたし……」

アリス「そりゃなぁ!でもちゃんと話さねばならん事ってあるじゃろ?」

ナナ「す、すいません……」

アリス「分ればよいわ。あー、初めましてじゃな」

ルビー「フゴゴッフ」フゴフゴ

アリス「?」

ワイス「ルビー……」

ルビー「ん……失敬」ゴクン


――

――――

ひとまずここまで


――――

――


ワイス「コホン……では私から。ワイス・シュニーと申します」

ワイス「ビーコン・アカデミーの顔であり、シュニー・ダスト・カンパニーの跡取りですわ」

ワイス「以後よろしくお願い致します」ペコリ

ナナ「えっと……?」

アリス「どっちも知らんな……説明は後で頼むぞ " Dust princess "」

ワイス「 what's the ……!!」ガタッ

ルビー「ワイス抑えて抑えて!!」ググググ

ワイス「 " Dust " を知らないなんて信じられませんわ!」プイッ

アリス「おお、じゃから後で教えろと言うておるんじゃ」

アリス「この世界で言う " Dust " は『チリゴミ』じゃからな」

ワイス「……わかりましたわ」ムスー

ルビー「ホントに違う世界なんだね……あ、私はルビー・ローズ。よろしくね」

ルビー「えーっと……ビーコン・アカデミーに通う15歳で――」

ワイス「そこ必要ですの?」

ルビー「あー……いらない?じゃあ以上で」

アリス「……」

ナナ「……」

ワイス「……」ハァッ

ルビー「え?何この空気?」


アリス「次はワシらじゃな。ワシはアリス・タチバナ」

アリス「自身に掛けた魔法が失敗しての。こんな老婆姿のまま生き恥を晒しておる」

ルビー「老婆?」

ワイス「何を言ってますの?」

アリス「からかうでないわ」

ルビー「いやいやいやいやどっからどう見ても女の子……それも私より年下っぽいんだけど」

ワイス「鏡が見当たりませんので、私のコンパクトでよろしければ……」

アリス「やめい!」

ナナ「まーまーお二人ともちょっと」グイッ

RW「「?」」


ナナ「アリスさんって自分の姿はお婆ちゃんに見えるし、声もしわがれ声に聞こえるみたいなんです」ヒソヒソ

ルビー「それって……魔法のせい?」ヒソヒソ

ナナ「おそらく……」ヒソヒソ

ワイス「とんだポンコツ魔法使いですわね……」

ルビー「ワイス、声大きいよ」ヒソヒソ

アリス「誰がポンコツじゃ!」


ナナ「あー、あー!次はナナですね!」

ナナ「ナナもお二人と同じく異世界から来ていまして、今回の件でお二人を探す事」

ナナ「それと、この世界に入り込んだ魔物達を殲滅する事が目的です」

ルビー「さっきも聞いたけど、私達を元の世界に戻してくれるんだよね?」

ナナ「はいっ!ただし、世界の狭間でお二人の残り香……まぁ足跡ですね」

ナナ「その足跡を探さなくちゃいけないので、今すぐってワケじゃないんですが……」

ワイス「いつ頃になりそうですの?」

ナナ「そうですね……『門』の修理もありますから、一か月ってトコでしょうか」

ルビー「そんなに!?」

ワイス「もっと早くなりませんの?」

ナナ「足跡を辿るのも大変なんですよ?同じ世界から『門』を通って来た人を見れれば判りますけれど――」


――公園


ジャン「 Hachoo ! 」

レン「 Bless you 」

ノーラ「見て見て!」

ブレイク「月が丸いわね……」

ヤン「でも小っちゃくない?アレ月なの?」

ピュラ「そう考えるのが妥当だと思うけど……」ウーン

短いですがここまで

名前がカタカナだらけで自分で何のSS書いてるか分からなくなってきた件について
N特訓前後の水野ちゃんいいよね


――アリス宅


ワイス「一ヶ月……一ヶ月もこんな所で生活ですって……」ワナワナ

ルビー「まっ、まぁまぁ!『住めば都』って言うし!」

ワイス「冗っ談じゃないですわ!ビーコン・アカデミーで華々しい功績を残す予定のこのわったっくっしっがっ!」

ワイス「言葉も通じない!ダストもない!こんな辺鄙な所で一ヶ月ですって!?」

ルビー「言い過ぎだよワイス!私達の世界とちょっと違うだけじゃん!」

ワイス「ちょっと?アナタにはココがちょっとに見えますの?」

ワイス「こんなに分厚い時代遅れなテレビを使ってるような世界ですのよ?」

<デデーン アマミー タイキックー

ルビー「平行世界でも進歩の仕方が違うんだってナナさん言ってたじゃん!」


<ギャーギャー


アリス「あれでも薄型の液晶テレビなんじゃが……しかし騒がしいのう」ズッ

ナナ「仲良いですねー」ニコニコ

アリス「あー、お二人さん。近所迷惑じゃしそろそろやめんか」

ルビー「あ、ごめんなさい!」

ワイス「……ふんっ」プイッ


アリス「そうじゃ、さっきの『ダスト』とやらについて教えてもらえんか?」

ナナ「あ、ナナも教えてほしいです」ハイ

ルビー「あぁ、ダストって言うのは――」

ワイス「『ダスト』とは我々の生活に必要不可欠なもの」ズイッ

ルビー「―― oops 」

ワイス「元は火、水、雷などのエネルギーを発生させる鉱石なのですが――」

ワイス「我々人類の手によって完全にコントロールされ、現在ではミュージックプレイヤーやスクロールといった小型なモノから――」

ワイス「車や飛行機、浮遊島といった大型のモノまで動かす動力源として使用されていますの」

アリス「魔力を帯びた鉱石といった所か……ところでスクロールとは何じゃ?呪文書かぇ?」

ルビー「ううん、こういうの。通話とかメールのやり取りとかが出来るんだよ。あと写真もね」スッ

ナナ「これは……コチラでいうケータイやスマホのようなモノみたいです」フムフム

アリス「紙みたいに薄いんじゃが……SF映画くらいでしか見た事ないぞこんなもん」

ワイス「科学力が違いますわ」フフン


アリス「これもダストで動いておるのか?」

ルビー「そうだよ。この部分がパックになってるんだ」パカッ

ナナ「電池みたいですね」

ワイス「」

アリス「魔力の電池か……それと、浮遊島とは?」


ルビー「島が丸ごとダストの力で浮いてるんだよ。えっとー写真写真……あった」ピッピッ

ナナ「浮いてますね」

アリス「ホントじゃ。すげー浮いておるわ」

ワイス「……ねぇ、無視はよくないと思うのですけれど?」

アリス「ん?あぁスマンスマン。珍しいもんでついのう」

ワイス「" Myrtenaster "に装填されてるダストならお見せできますけれど?」チャッ

ナナ「ミルテンアスター?その剣にもダストが?」

ワイス「ええ。コチラのシリンダに粉末状のダストを装填して――」ペラペラ


アリス「あぁ、リボルバーか」

ナナ「ガンブレードがこんな感じでしたね」

ルビー「ガンブレード?どんな武器?」

ワイス「聞いて下さいまし!」プンスコ


"Myrtenaster"

ttp://i.imgur.com/C0g8TWP.jpg

ttp://i.imgur.com/ESiQHt5.jpg

ttp://i.imgur.com/fXoXUd8.jpg

※シリンダの回転は手動式。ワイス嬢は見事に使いこなす


"Scroll"

ttp://i.imgur.com/whD9Fw8.jpg (展開時)

ttp://i.imgur.com/jUsAPDz.jpg(収納時)

※展開時の半分くらいのサイズでも使用可能

寝る

ガラケー壊れたのでモバマスのデータが水泡に帰す可能性ががががが

モバマスのデータはモバゲーが持っているから、パスワードを忘れてなければ大丈夫だぞ

寝れん
ガラケーからスマホへの変更って引継ぎデータの作成が必要だったと記憶してるんだけど違った?
何にせよあいさつ返しも出来ないのはちと辛い

初見でヤンと美希が見た目被ったなー
スレチ申し訳ない

>>226,229
おかげさまで無事データ移行できました。一日でも無いと不安になるモンですね

>>230
あのモッサリ金髪は特徴的ですもね。何気に笑顔も似てると思います


さて今回も短いですが投下


――翌朝・アリス宅


アリス「おー……」

ナナ「あ、おはようございます!朝ごはんもうすぐ炊けますからね♪」

アリス「お、おう……すまんな、こんな事までやらせて」

ナナ「いえいえ、好きでやってますから。それに――」

<ゴチャァ

ナナ「コンビニ弁当だけで溢れかえったゴミ箱とか見るに堪えませんし」

アリス「あれで結構美味いんじゃぞ?」

ルビー「おふぁよー」

ワイス「ルビー、しっかりなさい……おはようございます」

アリス「おう、おはよう」

ナナ「おはようございます!ぐっすり眠れましたか?」

ワイス「ええ、おかげさまで――「いい匂い!!」――まったく……」

ルビー「何これ焼き魚?朝ごはんに?」

ナナ「あ、お魚は苦手でしたか?」

ルビー「ううん!あ、そうか。異世界のご飯だもんね。習慣も違うんだぁ」

ナナ「ええ、和食って言うんですよー♪」

ワイス「パンで充分なのですが」

アリス「おお、気が合うな」

ナナ「ダーメーでーすー。ちゃんと食べて下さいね?」


ナナ「はいはーい♪できましたよー♪」

ルビー「ライスに焼き魚に……」ジーッ

ワイス「……」ジーッ

【味噌汁】

ワイス「……ナナ、この茶色いスープは?」

ナナ「味噌汁と言って、大豆のスープですよー(超訳)」

ワイス「…… Soy ?」

ルビー「すっごくいい香りなんだけど……これ大豆なの?」

アリス「あぁ、この国では一般的なモノじゃよ」ズッ

ルビー「へーえ」ズッ

ルビー「美味しい!」

ワイス「……」

ワイス「……」ズッ

ワイス「……ホッとする味ですわね」

アリス「ん。美味いな」

ナナ「お気に召したようで何よりです♪」


ルビー「ところでナナさん、この二本の棒は何に使うの?」

ワイス「ナイフとフォークが見当たりませんわね。あとスプーンも」

ナナ「すぐ出しますねっ!」


――数刻後・通学路


凛「~♪」

兄「なぁ、凛のやつ何か良い事あったのか?」

ちひろ「私にもわかんないんだよね。横山君と登校できるから……ってのは毎朝やってるし」

ちひろ「それにほら、昨日私に叱られたばっかりなのにアレだから不気味なんだよね」

兄「なるほど、そりゃ不気味だ」

凛「ヒドイ!」ガーン

千佳(そういえば凛さんって隠し事が苦手だったような……)

ミラクルハート『エトワール。凛さんの動向には注意して下さい』

エトワール『言われなくてもそのつもりさ。安心してくれたまえ』

凛(信用無いなぁ)


――高校・教室


凛(昨日あんな事があった事を皆は知らない……)ニヨニヨ

凛(っと、いけないいけない。つい顔が)キリッ

エトワール『ねぇ凛、いっそ本当の事を信用の置ける相手に話してみるのはどうだい?』

エトワール『正直、キミが魔法使いであることをずっと隠し通せるとは思えないんだ』

凛(う……いやいや私は別に誰かに話したいワケじゃないし?誰にも知られずに魔法少女としてやっていくし?)

エトワール『凛、真面目な話だよ』

加蓮「おっはよー♪」

凛「あ、おはよう」

加蓮「どうしたの昨日もそうだったけど眠たそうなのに嬉しそうな顔してやっぱりアレだね夜中にずっとスマホ弄ってゲームしてたりしてるんだね」

加蓮「前にも言ったけど寝る前に液晶画面を見るのは――」

エトワール『この子はこういう子なのかい?心配性と過保護が合わさって最強に見えるんだけど』

凛(うん)

エトワール『これ以上心配される前に打ち明けてしまった方がよさそうだね。加蓮の為にも』

加蓮「――ねぇ凛聞いてる?人の話を聞いていて上の空になるのは脳に血液が回って無いって事だよ朝ごはんはちゃんと食べてる?」ズイッ

凛「うん、聞こえてる。聞こえてるから」アハハ

ここまで
加蓮が心配性だったり過保護だったりするのもいいと思うんだ


――アリス宅


ナナ「――では行ってきますね!」

アリス「おう……さて」ゴロン

ルビー「ソファで寝るもんじゃないよ?」

ワイス「ナナはどちらへ?」

アリス「『門』の方を見てくると言っておったな」

ワイス「直してる最中……でしたわね?」

アリス「ナナの話ではな……ふむ、少し話をしようか」ムクリ

アリス「この世界のことじゃ」


――世界の狭間


ノヴァ「迷子を見つけた?」

ナナ「はいっ!お二人とも無事に保護しました!」

ノヴァ「そう、えらいわね」ナデナデ

ナナ「ふへへー」

ナナ「っと、後はお二人を元の世界に戻さないと――」

ノヴァ「それなら心配いらないわ。あの後、同じ世界から何人か来ていたから」

ナナ「えっ」

ノヴァ「六人くらいだったかしら?迷子を探してるって――」

ナナ「どおおおして止めてくれなかったんですか!!」

ノヴァ「彼らは本気で迷子を探そうとしていた……その思いを無駄にすることなんて、私には出来なかったわ……」

ナナ「おかげさまで迷子が増えただけじゃないですか!ああもうっ!」

ノヴァ「ふふっ、ナナは表情豊かね」

ナナ「ノヴァさんのせいですよ!」


ノヴァ「大丈夫よ。そっちの魔法使いが人探しの魔法を作ったんでしょう?」

ナナ「あ、そういえばそうでしたね……」

ノヴァ「ナナ、今度アリスも連れてらっしゃい。彼女の呪いを解いてあげましょう」

ナナ「ホントですかっ!?」

ノヴァ「ええ。ただし――」


ノヴァ「イチゴのフルコースはナシよ」

ナナ「ノヴァさん、それ前に行った世界のありすちゃんじゃないですか……」


――アリス宅


ワイス「ふむ……こちらの魔法は、私達の世界で言うオーラに近いようですわね……」

アリス「何じゃそりゃ?」

ワイス「生まれながらにして人が持つ魔法……とでも言いましょうか」

ルビー「私もよく解んないんだよね」

ワイス「”も”はやめて下さいまし」

ルビー「じゃあワイスは解ってるの?」

ワイス「えぇ、もちろんですわ。オーラとは人の魂の顕れであり、その魂を護り――」

ルビー「教科書の丸暗記じゃん」

ワイス「余計な事を言わないで下さいまし。そもそもどうして生まれつき魔法を持ってるかも判ってないのに――」

アリス「魔力を含んだ鉱石が出てくる世界じゃろ?」

アリス「魔力を含んだ生物がいてもおかしくはあるまい」

ワイス「……」ポカーン

アリス「……なんじゃ?アホみたいな顔して」

ワイス「一言余計ですわっ!せっかく人が感心したというのに……!!」

ルビー「ま、まぁまぁ!確かに言われてみればその通りだよね!うん!」


アリス「まぁしかし、それなら世界の狭間を抜けられた事も言葉が通じる事にも合点がいく」

RW「「?」」

アリス「世界の狭間は感情や記憶が入り乱れる場所じゃからな。何も持たぬ者が入ればたちまちそれに呑まれて心をやられてしまう」

アリス「そなたらの言うオーラとやらで、それを防いでおった訳じゃ」

ワイス「なるほど」

ルビー「確かにコッチ来た時はすっごく疲れたもんね」

ワイス「言葉が通じる、というのは?」

アリス「コッチの世界じゃと、魔法使い同士は言語の壁がない」

アリス「ソッチの世界の魔法はコッチの魔法と近いようじゃからな。恐らくそれで言葉も通じてるんじゃろ」

ひとまずここまで
あと今更ながらトレイラー


RWBY "Red" Trailer
ttp://www.youtube.com/watch?v=pYW2GmHB5xs

RWBY "White" Trailer
ttp://www.youtube.com/watch?v=Vt9vl8iAN5Q


――放課後・高校・合唱同好会部室


奏「魔法使い?」

奈緒「凛、ついに現実と妄想の区別が付かなくなったか……」

加蓮「大丈夫?病院行く?」

エトワール『予想以上の反応だね』

凛「ですよねー」

奈緒「魔法なんてあったらなぁ、とっくに世界中で使われてるっての」

加蓮「だよね。ユーレイと同じで無いモノは無い。話はそれだけ?」

凛「じゃあ……もう一個」

奈緒「今度は何だぁ?」

凛「エトワール!」

ttp://i.imgur.com/XgEJmRr.jpg


奈緒「」

加蓮「」

奏「まぁ」

凛「……」

凛「どう?これでも信じられない?」


――


加蓮「――つまり、魔法使いになって一緒に戦おうってこと?」

凛「そういうことなんだけど……ど、どうかな?」

奈緒「あ、アタシはイヤだかんな!魔法少女なんて――」


~~~
シュガーハート「魔法クノイチ☆シュガーハート見参っ☆」

シュガーハート「オジキに代わって☆オシオキしちゃうぞっ!」
~~~


奈緒「――とか!」


~~~
アサリン「ククク……我が領域を汚すとは魚介類の片隅にもおけぬ……」

アサリン「海の藻屑と成り果てるがよい!潮に呑まれよ!」
~~~


奈緒「――とか!コッパズかしいセリフ言わなきゃなんないしコスチュームだって恥ずかしいし!」

奈緒「あと何か悪いヤツとかに捕まってあんな事やそんな事を……」ウワアアアアアア

奏「ノリノリね」

加蓮「一部知識が偏ってるのが心配だけどね」


加蓮「んー……アタシはやるよ」

奈緒「えっ」

凛「ホントっ!?」

加蓮「うん。聞かなかった事には出来ないし、そんな事したらずっと後悔しちゃいそうだからね」

加蓮「それにホラ、お姉ちゃんが襲われでもしたら大変じゃない?」


~~~
歌鈴「ぶわっくしょい!」

モバA「あぁ!歌鈴さんがクシャミした拍子に前にいたオッサンがビックリしてコケたァ!」

モバB「コケたオッサンが横を走り抜けようとしたお姉さんにぶつかってお姉さんもコケたァ!」

モバC「目の前の交差点を信号無視した車が猛スピードで走り去るッ!お姉さん危機一髪ッ!」

モバA「クシャミした歌鈴さんは……アァーッ!クシャミの時に舌を噛んでいたのか若干涙目で口許を抑えているッ!」

モバB「いいな……」

モバC「いい……あ、もしもし警察ですか?先程信号無視の車を発見しましたので――」
~~~


奈緒「加蓮のお姉さんってドジで有名だもんなァ……」

加蓮「もうこうしてる間にも何か危ない事になってるんじゃないかって心配で心配でああちょっと電話してくる」ガタッ

凛「い、行ってらっしゃい」


奏「私はパスね……何だか怖そうだもの」

凛「そう、ですか」ショボン

奏「ごめんね?その分ホラ、奈緒あげるから」

奈緒「オイコラ」

凛「……あ、はい」

奈緒「凛もさぁ!『一応貰っとくか』みたいな表情やめろよ!」


<バターン!


加蓮「よかったああああああお姉ちゃん無事に家に着いたってえええええええええ!!」

奈緒「あぁもううっさい!」

奏「今日も賑やかねー……」

エトワール『もっと驚かれるかと思ったけど……意外といつも通りに話が進んでるのかな?』

凛(みたいだね……)

奏「?」

奏「それで、どうするの奈緒?」

奈緒「うぅ~……」

奈緒「解ったよやるよ!魔法少女でも何でもやってやる!」

凛「よかった……ありがと、みんな……」

加蓮「あ、その話まだ続いてたの?」

奈緒「相変わらず優先順位が姉>その他だなお前……」


凛「じゃあ早速なんだけど」スッ

奈緒「オイ待てなんだそのノート嫌な予感しかしないぞ」

凛「え?これからの私達の事を記していくノートだよ」

凛「えぇと、奏センパイが抜けるから三人で……トリオは無いか……」ブツブツ

奈緒「えーと、凛さん?念の為聞くけどそれ何の話だ?」

凛「ん?チーム名は必要でしょ?あぁそれより私達の『真名』の方が先だね」

凛「私がリンリンだから、加蓮がレンレン、奈緒がナオナオ」

奏(あら鳥肌)

奈緒「安直だなぁ……ソレ奏が入ってたら何て名前になってたんだ?」

加蓮「ナデナデじゃない?」

凛「んーん、キス魔」

奏「ちょっと廊下に出ようか」ニコッ

寝る
書き溜めなきゃ書き溜めなきゃとは思っているんですがなかなか筆が進みませんで申し訳
warframeおもすれー( ^ω^)


――商店街


ルビー「ねぇねぇアリス!このお店は!?」

アリス「駄菓子屋じゃよ。どれ、ちょっと寄っていくか」

ワイス「少しよろしいですか?」

アリス「なんじゃ?」

ルビー「なぁに?」

ワイス「確かに私は雑誌もテレビも言葉が判らないから外に出たいと申しましたが……」

ワイス「だからってこの格好はなんですの!?」

ルビー「似合ってるじゃん緑ジャージ?っていうやつ?」

ルビー「私は気に入ったよ。コレ、持って帰っちゃダメ?」

アリス「どうじゃろうなぁ」

ワイス「なんでルビーとペアルックなんですの!」

アリス「しょうがないじゃろー。二人ともあのままじゃと目立つんじゃから」

ワイス「オマケに武器も持ち歩けないなんて……」ワナワナ

ルビー「あ、それは私もちょっと不満かな。愛しの『クレセントローズ』と離れるなんて……」

アリス「わがままな奴らじゃなー。大体魔物が出てきたとしても、二人を不慣れな場所で戦わせるつもりは無いわい」

アリス「そなたらの世界には電線が無いんじゃろ?」


ルビー「そうそう。アレって電気が流れてるんだよね?」

アリス「ああ。ヘタに触れば感電するし、壊そうものならここら一帯停電じゃな」

ルビー「そんなのが常に頭の上にあるって怖すぎるよ……」

ワイス「ぶっそーな世界ですわ……」

アリス「慣れて何とも思わんわ……ババ、元気か?」

駄菓子屋「あぁ、いらっしゃいお嬢ちゃん。あら、後ろの二人はお友達かい?」

アリス「ん、まぁ、そんなトコじゃな」

ワイス「今、なんと?」

アリス「そなたらは友達か?と」

ワイス「違うとお伝え下さいまし」

駄菓子屋「 oh ... Not be shy 」

ワイス「!?」

ルビー「 wa-o 」

アリス「あぁ、このババは七か国語を喋れる名物ババじゃぞ」

駄菓子屋「英語にしちゃあ、ちょっと違うみたいだねぇ」

アリス「オーストラリア訛りじゃよ」


――数刻後


ルビー「お婆ちゃんお婆ちゃん!コレは何!?武器!?」

駄菓子屋「あぁ、それはケンダマって言ってねぇ。貸してごらん」

駄菓子屋「ほっ、ほっ、ほっ」コンコンコン

ルビー「すごいすごい!強そう!」キャッキャッ


ワイス「完全にハシャイでますわね……」

アリス「歳相応というヤツじゃな。ホレ」

ワイス「……コレは?」

アリス「きびだんごという菓子じゃよ」モゴモゴ

ワイス「……頂きますわ」ヒョイパク

ワイス「……」モゴモゴ

ワイス「んん~!!ふぁにふぃっふふぃまふぃふぁ!」(歯に引っ付きました!)バタバタ

アリス「あっはっはっはっは」


ルビー「ワイス!見て見て忍者刀だって!ブレイクのお土産にしようよ!」

ワイス「 fifi faw ! 」(busy now !)

アリス「なんじゃ、そっちの世界にも忍者ってあるのか」

ルビー「ブレイクの持ってる本のタイトルにあったんだけど、何かまでは教えてくれないんだよね」


千佳「あれ?アリスちゃん?」

アリス「おぉ、チカか。今帰りか?」

千佳「うん、スーパーで買い物して帰るとこだけど……」

アリス「あぁ、この二人か。ちょっと外で話すかの。ババ、またの」

駄菓子屋「あぁ、またおいで」

ルビー「またねお婆ちゃん!今度はケンダマカンフー教えてね!」

ワイス「二度と来てやりませんわ……あぁまだ奥歯に……」モゴモゴ

寝る

ニンジャ
ttp://i.imgur.com/UQTw8dH.jpg

おつおつお
これが終ったらシュレティンガ―の事務所で没になった副笑いを見せて欲しいです

毎度ありがとうございます
思った以上に難産になっておりますが、コレが終わらないとシリーズ(?)が完結しないのでガンバリマス
副業ガボゴボガボゴボボなのでまだしばらく掛かりそうですので、ご了承くださいまし
以上、報告までに

>>261
ありがとうございます
そのアイドルが好きな人には笑えないんじゃね?って事でボツにしましたが、妖怪世界の方でリサイクルする予定です
だりーなは琵琶牧々。異論は認める


――商店街


千佳「異世界人さん?」

アリス「そうじゃ」

ルビー「初めまして、ルビー・ローズだよ」

ワイス「ワイス・シュニーですわ」

千佳「あ!横山千佳って言ーます!初めまして!」

ワイス「この子も魔法使いですの?」

アリス「あぁ、ちょっといろいろあってな」

千佳「アリスちゃんが意地悪しようとしたんだよね」

ルビー「意地悪って?」

千佳「んっとねー、世界を消しちゃおうとしたんだよね?」

ミラクルハート『正しくは世界を滅ぼそうとした、ですが』

ミラクルハート『お初にお目にかかります。ミラクルハートと申します』

RW「「は?」」

千佳「あ、えっとー……普段はランドセルの中だから」ゴソゴソ

千佳「じゃんっ!これがミラクルハート!あたしの使い魔!」

ルビー「……随分可愛らしい杖だね」

ワイス「」

アリス「なんじゃ、ワシの作った魔法は喋ると言ってなかったかえ?」

ワイス「聞いてませんわ!」


ワイス「魔法が意思を持つなんて前代未聞ですわ!精霊や魂を造ってるようなものじゃありませんか!」

ワイス「人体錬成でもするおつもり!?」

アリス「んな大層な事するつもりは無いわ」フッ

千佳「じんたいれんせーって何?」

ルビー「あー……悪い事?だよ」

千佳「あー!アリスちゃんまた悪い事しようとしてるー!」

アリス「話をややこしくするでない!」

ワイス「非常識過ぎますわこの世界……」

アリス「野生動物のノリで怪物がいる世界も充分非常識じゃよ?」

ワイス「あーあー聞こえませーん」


ワイス「……?」

ワイス「ホントに何も聞こえなくなりましたわね?」

ワイス「それにさっきまで明るかったのがもう真っ暗」

アリス「怪物のご登場、じゃな」

ルビー「ぶ、武器っ!武器っ!」アセアセ

ルビー「よしっ!どこからでもこいっ!」ビシッ

千佳「ルビーお姉ちゃん、けん玉は武器じゃないよ?」

ルビー「違うの!?」

ミラクルハート『素材から見ても攻撃には適していないと判断できます』


――


凛「なんで……」

凛「なんでいるんですか!奏センパイ!」

奏「ど、どういう事?あ、奈緒は?加蓮ちゃんは?」

エトワール『混乱しているみたいだね。まぁでもココに居るという事はつまり』

凛「魔物に狙われてるって事だよね……私が奏センパイを守らないと」

奏「な、何?さっきの……り、凛ちゃん以外誰もいないわよね?」

凛「え?」

エトワール『もしかして、ボクの声が聴こえているのかな?』

奏「!ほ、ほら!また何か聞こえたわ!」

凛(意味までは通じてないみたいだね)

エトワール『でもどうして……いや、今はそれどころじゃないね』

凛「うん……奏センパイ、大丈夫ですよ。私が守りますから!変身!」

リンリン「悪の女幹部(自称)!リンリン!」バーン

奏「」



<ガラッ


まゆ「凛さん!だいじょ――<バタン

リンリン「……あ、ちょっと待ってて下さいね?」


<バタン


まゆ「な、なんで追い出したんですかぁ」

真紅の絆『今さっき中に誰かいたみたいだけど?』

リンリン「いい?今の私の姿を見て?」

まゆ「えーと……あぁ」ポンッ

まゆ「その衣装、お似合いですよ♪」ニコッ

リンリン「違う!」クワッ

リンリン「いいからホラまゆも変身する!」

まゆ「わ、私そんなの考えてませんよぉ……」

リンリン「大丈夫私が考えたデザインがあるから!あるから!」

まゆ「ふぇぇぇ……」


真紅の絆『随分張り切ってるねぇ』

エトワール『徹夜するくらいだからね』


<ガラッ


マユリン「お待たせしましたぁ、ま、魔法少女す、すかーれっとまy――ふぇぇぇぇぇん」

マユリン「凛さぁん、コレホントに言わなきゃダメですかぁ?」エーン

リンリン「ダメ」

マユリン「ふぇぇぇ……」

奏「……」

奏(二人が騒がしいから却って冷静になってきたわ)

奏「えぇと……どうしてこんな事になってるかは分らないけど、二人が守ってくれるって事でいいのね?」

マユリン「ひゃっ!ひゃい!」

リンリン「魔法少女と手を組むなんて、ね……」フッ

マユリン「その設定必要なんですかぁ?」

奏(あら鳥肌)


ttp://i.imgur.com/LvJUZHC.jpg


――大学・構内


志保「――っていう事は……」

シンフォニー『ええ。この子が魔物に狙われてるって事ね』

音葉「あ、あのー?」


――15秒


モバP「今回ご紹介するのは志保とシンフォニーが使う魔法コメット!」

志保「たくさんのパフェを食べさせることが出来ます!」

モバP「移動してる相手にも追尾して!」

志保「たくさんのパフェを食べさせることが出来ます!」

モバP「攻撃魔法じゃなくて!」

志保「たくさんのパフェを食べさせることが出来ます!」

モバP「それ以外無いんかい!」


攻撃力………★

防御力…………★

スピード…………★

攻撃する気…………

寝る


『R#3』


ピュラ「うーん……」

ジャン「やっぱり上手くいかない?」

ピュラ「ええ……磁力の調整が上手くいかないの」

ノーラ「あの線に電気が通ってるようですし、その影響では?」


「「「「!?」」」」


レン「どうしたんですかノーラ!言葉遣いが変ですよ!」ユッサユッサ

ノーラ「やだなぁ、いつも通りですよ?レン」ガクガク

ヤン「そういえばノーラって……」

ブレイク「電気の魔法よ……これもこの場所の影響かしら?」

レン「しっかりして下さいノーラ!」ユッサユッサユッサユッサ

ピュラ「あんなに取り乱したレン初めて見たわ」

ジャン「俺も……おいレンそろそろ落ち着いて――「これが落ち着いていられますか!」――お、おう」


ピュラ「でも、何でこんな所に電気を走らせてるのかしら?」

ブレイク「空を飛ぶ魔物が多いのかも……」

ヤン「罠って事?」

ブレイク「多分だけど……でも他に電気の使い道なんて……!」

ヤン「何?急に真っ暗になったけど?」

ピュラ「それだけじゃないわ。人もいなくなってる……皆!警戒して!」

レン「ノーラ!」ユッサユッサユッサユッサ

ノーラ「」ハッ

ノーラ「レンの抱擁!まさに僥倖!両肩つかまれkissまで三秒!」

ノーラ「やだレンったら強引……でも私はいいよ?レンがそのつもりなら……」

レン「やった!いつものノーラだ!」パッ

ノーラ「え?」

レン「人の気配は無くなりましたが、他に何か……魔物のような気配がします」サッ

ノーラ「え?」

ブレイク「私とレンで先行するわ。見通しの悪い市街地よ、皆背中合わせに移動して」スッ

ノーラ「え?」

ジャン「わかった、頼む」

ノーラ「え?」


ノーラ「……えー……」


――大学・構内


志保「えぇと、じゃあ先にアリスちゃん達と合流して……」

シンフォニー『そんなヒマ無さそうよ?魔物の反応が近いわ』

志保「そんな……」

シンフォニー『大丈夫よ、私達なら足止めくらい出来るわ』

志保「や、やるしかないっ!あの、梅木さんでしたっけ?」

音葉「は、はい……あの、これは一体……?」

志保「話は後です!私から離れないで下さいね!」

志保「シンフォニー!」


『その必要はないわ』


志保「!?」

シンフォニー『魔物の反応が消失したわ……でも魔法使いが一人』

『その魔法は……そう、アリスね』

『返してもらうわよ。新たな魔法の世界の為に!』

寝る
ダイスDEシンデレラが数時間限りとはもったいない

志保さん変身イメージ(登場予定無し)
ttp://i.imgur.com/7Jxvgcq.jpg


――――

――

志保「――う……」

誰かが私の体を揺すっている

背中に堅い感触。暗いのは自分が目を開けていないだけ?

音葉「――ま、槙原さん!」

『大丈夫よ。死んじゃいないわ』

聞こえてきた二人の声で我に返る。そうだ、寝てる場合じゃない

起き上がろうとしても身体に力が入らない

さっきの人が襲い掛かってきて、それで――

目が開かない。いや開いているけれど瞼がとても重い

狭い視界の中、ぼやけて映るのは私を呼ぶ梅木さんの顔と

私のそばに立っているあの人。魔法使い


『さてと……』

『気安く……触らないでちょうだい』

『あら、まだ話せたの?』

『そうだ。アナタを弄ってアリスと戦わせる……面白そうだと思わない?』

『……最低の……発想ね……』

誰と喋ってるの?その右手に持ってる球は?

シンフォニー?

『弟子の道を正してやるのが師匠の役目よ。魔法を後世に残さないだなんて……』

『アンチエイジャーの名を継がせるんじゃなかったわ』

『さ、じゃあちょっと弄らせてもらうわよ♪』

『や……やめ……』

止めなきゃ。身体に力を入れようにも、変な声が出るばかりで立つ事も出来ない

『大丈夫よ。すぐ楽になるわ』

やめて

「槙原さん……!」

誰か

助けて


「 Hey !! 」

男の人の声に続いて、何かが破裂する音がした

次の瞬間には身体が誰かに持ち上げられた、ような気がした

「 Leave it to after 」

「 ah... correct so help this ? 」

優しい声……英語かな?

重たい瞼に力を入れて、私を抱き上げている人の顔を見ようとする

黒い髪

金色の瞳

私の視線に気付いた女の子は、軽く頷いてくれた……と思う

たったそれだけで安心しきった私の意識は、そこで途切れてしまった


――

ジャン「……なんだありゃ?」

ピュラ「あの三人……仲良しには見えないわね?」

ヤン・ノーラ「「あ」」

ヤン「吹き飛ばされた方を助けるよ!」ガタッ

ブレイク「待って、吹き飛ばされた方から何か落ちたわ」

レン「あれは……何でしょうか?」

ブレイク「知らないわ。けど何だか嫌な予感がする」

レン「同感です」

ジャン「ピュラ、あの球を」

ピュラ「ええ、任せて」

ジャン「ブレイク、ヤンは二人を頼む」

ジャン「行くぞ…… Hey !! 」


ジャンの声でチームが一斉に動き出す

ピュラが手にしたライフルが火を噴き、魔法使いの右腕を銃弾が掠める

『!!』

飛び出したレンは魔法使いが手放した魔法の玉を拾い、すぐさまその手に持った二丁の短銃を魔法使いに向ける

レンと同時に飛び出したブレイクとヤンが志保と音葉を抱きかかえて離れた位置に着地すると同時、

ノーラのグレネードランチャの装填音を最後に静寂が戻った


ブレイク「後は任せて」

ヤン「 ah...こっち助けてよかったんだよね?」

ブレイク「向こうを助けたかった?」

ヤン「まさか……大丈夫?」

音葉「あ……ありがとう、ございます……?」

ヤン「ありゃ、言葉が通じない感じ?」

『まったく、とんだ邪魔が入ったものね』

ブレイク「アッチは通じるみたいね」

ヤン「悪いヤツと話が通じてもなぁ……」

『悪いヤツだなんて失礼ね……』

『これでも元、王国就きの魔法使いだったんだけど』


ジャン「その王国就きの魔法使いさんが、何だって弱い者イジメしてんだ?」

魔法使いとブレイク達との間で盾を構えたまま尋ねたジャンの解答は、しかし要領を得ないものだった

『6対1じゃ分が悪いわね……また会いましょう』

『アンチエイジャー、覚えておきなさい。いずれわかるわ』

ジャン「……消えた!?」

ピュラ「姿を消した……だけじゃないわね」

ブレイク「詳しく話を聞きたいトコだけど……」


音葉「あ、あいむ……」

ノーラ「???」ムー

ヤン「それ所じゃないだろうね。まぁ落ち着いても言葉が通じないんじゃ……」

「おーい!」

ヤン「ルビー!?」

ルビー「皆もコッチに来てたんだ!」


――アリス宅


アリス「アンチエイジャー、か……」

凛「アリスの事じゃないの?」

アリス「……」

凛「?」

アリス「ワシの師匠じゃよ……あやつ自身が門を封印しておったんじゃが」

アリス「なるほど、門が壊された後に何も残っていなかったのも納得がいく」

ワイス「でもあの時、誰かがいた記憶は――」

ブレイク「アナタが壊したの?」

ワイス「――オフレコでお願いしますわ……」

ブレイク「まったく……ところで――」


ノーラ「 oh オ、ト、ハ?」

音葉「ひゃっ、はい!」

まゆ「翻訳しますよ?」

真紅の絆『難儀だねぇ』


ブレイク「――自己紹介が遅れてしまったわね」

アリス「あぁ、忘れとったわ」


奏「千川さん、何だか変な声がたくさん聞こえるわ」

凛「センパイしっかりして下さい!」


――

ナナ(ノヴァさんたら何だかんだ理由を付けて引き留めようとするんですから……)

ナナ(まったく、困った寂しがりやさんですね~)クスッ

ナナ(さてさてアリスさんの方はどうでしょうか。人探しの魔法が出来ていれば……)

ナナ「すいません!ただいま帰りました!」ガチャ

アリス「おぉ、ご苦労じゃったな」

ナナ「アリスさん大変ですよ!異世界から六人ほどこちらの世界に来たと――」


ノーラ「生麦生米生卵♪生麦生米生卵♪生麦生米生卵♪」

まゆ「これは?」

ノーラ「 myouga 」



ナナ「」

千佳「あ、ナナさんおかえりー♪」

ブレイク「ねぇコレ本当にニンジャソードなの?金属ですら無いようだけど……」

ルビー「ホンモノだって!ねぇ凛!?」

凛「違うよ?」

ルビー「違うの!?」


ナナ「……なんじゃこりゃあっ!?」

『R#3』おしまい

寝る
RWBY組そろそろ退場で御座います


――――

――

ナナ「……異世界の方々は集まったからいいとして、アリスさんの師匠ですか……」

アリス「あぁ……元国就きの魔法使いじゃ。じゃから――」

志保「……」ズーン

アリス「そう気に病むでないぞ、志保よ」

志保「……でも私のせいでシンフォニーが……」

アリス「幸い、ルビーの仲間のお蔭で最後まで作り変えられておらんようじゃ」

アリス「すぐに治せるから安心せい」

志保「ほんとっ!?」

アリス「あぁ。じゃが治ったとしても志保が使えるとは限らんが……」

志保「そ、それでもいいです!治してあげて!」

アリス「任せろ。じゃがその前にワシの師匠の話をしておかねばならんの」

アリス「さっきも言ったように、元国就きの魔法使いだけあって魔法に関しては右に出る者はおらん」

ノーラ「左には出るの?」

レン「ノーラ、真面目な話ですよ」


アリス「……様々な魔法を造っては困っている人に与えて助けておったんじゃが、どうにも野心家での」

アリス「本来の目的は人助けではなく、名声を高める事でな。特に国王に気に入られてからは酷かったぞ」

凛「自己中だったんだね」

アリス「ぶっちゃければそうじゃな。弟子を持ったのもその一つじゃろうて」

アリス「そうして王子の妃の座を狙って活動しておったんじゃが、その予定が『潰れた』」

ワイス「潰れた?」

アリス「王子が平民の娘と恋に落ちてな。その後パタリと師匠は活動を止めた」

アリス「お蔭で国は大混乱に陥ったんじゃが、それをワシら弟子が尻拭いに走り回ったワケじゃ」

アリス「その間にヤツは次の妃、次の次の妃の座を取るために不老不死の魔法を自分自身にかけておったんじゃが……」

ナナ「そこで魔物が現れ始めた?」

アリス「そうじゃ。ただでさえ不安定になっていた国の治安は魔物の出現でさらに悪くなる一方じゃった」

アリス「ワシらに求められる魔法も戦うためのモノが多くなり、日夜を問わぬ戦闘で皆疲弊していった」


アリス「そんな日々が続く中、魔物達が出現する『門』の存在が明らかになった」

アリス「国王はこの『門』の封印を最優先とし、ワシら魔法使いが総動員された」

アリス「師匠の永遠の命によって『門』は封印され、さらにその上からワシらで結界を造ったんじゃが……」

アリス「『内側』からの攻撃は予想しとらんだなぁ……」

ルビー「ごめんなさい!」

ワイス「思っていた以上にヘビーな話でしたのね……」

アリス「あれは事故じゃ。そう気にするでない」

ルビー「そう言われても……」

ヤン「ルビー……」

アリス「ま、師匠が復活した今、今後がどうなるか皆目見当がつかん」

アリス「魔法を乱用するようであれば叩くし、そうでなければ放置するつもりじゃが……」


志保「でも、何もしないようには見えなかった……」

ジャン「また会おうって言ってたしな。何もしてこないなんて事は無いと思うぜ?」

アリス「同感じゃ」

ルビー「つまり、アリスの師匠を倒せばいいって事だね」

ワイス「私達も協力させてもらいますわ……責任がありますもの」

アリス「いや、おぬしらは帰れ」

ルビー「……えぇっ!?」

アリス「こちらの世界の問題じゃ。こちらで何とかするわい」

まゆ「な、何とかできるんですかぁ?」

アリス「……千佳、凛、まゆ。三人には引き続き頑張ってもらう事になるが……」

千佳「大丈夫だよ!ミラクルハートがいれば!」

ミラクルハート『お任せ下さい』

凛「魔法少女と黒幕に立ち向かうとか燃える展開だよ(まぁ、仕方ないかな)」

エトワール『リン、心の声が漏れてるよ』

まゆ「……こ、怖いですけど、私も頑張ります!」

真紅の絆『そうこなきゃ!』


志保「わ、私も何か出来る事があれば……」

アリス「志保向きの魔法が造れれば、な。今は休んでおけ」

志保「うぅー……」

ノーラ「志保、休むのも、大事ネ」

志保「ノーラさん……」

レン(この世界の言葉をマスターしてる!?)

音葉「あの、私と奏さんは……」

アリス「あー忘れとったわ。あの場にいたという事は魔法使いの素養があるんじゃろうが……」

アリス「そのうち手伝ってもらうかもしれんから、その時は頼む」

奏「私が魔法使い……?」

凛「仲間ですよセンパイ」

ナナ「じゃあナナはルビーちゃん達を送ってから戻ってきますね」

アリス「……そうか、まだこの世界でやる事があるんじゃったな」

ナナ「はい!」


アリス「……改めて、皆よろしく頼む」

アリス「……ありがとうな」

千佳「アリスちゃん……」


千佳「照れてる?」

アリス「あーもー余計な事言うでないわ!」



――同じ頃、世界の狭間


ノヴァ「……遅いわね、ナナ……」

ノヴァ「……」ゴソゴソ

ノヴァ「……」(パペット装備)

ノヴァ「……ヒマだね~ウシくん」

ノヴァ「そうだね~カエルくん」


『R#3』おしまい


――15秒


モバP「今回ご紹介するのは千佳とラブリーハートが使う魔法ベクターキャノン!」

千佳「世界を滅ぼす魔法から世界を救う魔法に生まれ変わったんだよ!」

モバP「でも消費体力が多すぎてなかなか使えないのが現実!」

マストレ「体力づくりなら任せろ!」

千佳「マストレさんのドリンクまずいからヤ!」

マストレ「そんなっ!?」

モバP「やめなさいそのお姉さんメンタル弱いんだから!」


攻撃力………★★★★★★★★★★

防御力…………★★★★★★★★★★

スピード…………★★★★★★★★★★

影の薄さ度…………★★★★★★★★★★


――

マストレ「……なぁ」

ルキトレ「どうしたのお姉ちゃん?」

マストレ「……お姉ちゃんのスペシャルドリンクは不味いのか?」

ルキトレ「!?」

――

ひとまずここまで


――また必ず会いに来るから

そう言って異世界の人達は帰って行った

彼女達は元の世界でやるべき事を成し

私達もこの世界でやるべき事を成さねばならない

魔物達がいなくなるまで

そして

アリスの師匠……初代アンチエイジャー、ミズキを倒すまで

私達の戦いは終わらない


~千川凛の雑記帳より~


『 Heavy matter 』


横山千佳は悩んでいた

9歳という年頃の女子の悩みというと?

せいぜい好きな男子が出来たとか、男子に意地悪されるとか(そういうヤツって大抵好意持ちなんだよ何なんだよもっと素直になれよそんなんじゃ気持ち伝わらないよもっと素直になれって)

テストの点数が悪くなってきたとか、まぁそういう感じの悩みが一般的

しかしこの横山千佳は違う

何を隠そうこの9歳女子は魔法少女なのだ

では魔法少女の悩みというと?

衣装が自分の好みじゃない?

変身時にサービスシーンがある?

意中の相手と戦う宿命?

自分を魔法少女にした白い動物のような何かがいけ好かない?

この辺の悩みは創作世界の魔法少女の内一人か二人くらいは持ってるんじゃないだろうか

いや創作世界というのは語弊があるか

正しくは平行世界の魔法少女の内一人か二人くらい


そんな話は捨て置き、今は横山千佳の話

彼女が悩んでいるのは仲間集め

人探しの魔法の適合者を探す事、である


――

アリス「千佳、これを」

千佳「なぁにこれ?魔法?」

ミラクルハート『人探しの魔法、ですか?』

アリス「あぁそうじゃ。それを使える人を探してくれんか」

アリス「ワシはしばらくシンフォニーの治療や、新しい魔法の製造にかかりたい」

アリス「凛とまゆにも渡しておこう。体力強化の魔法と精神操作の魔法じゃ」

凛「オーケー、ちゃんと見つけてくるよ」

まゆ「……」

凛「どうしたのまゆ?」

真紅の絆『あー……』

まゆ「……私、いきなり知らない人に話しかけるなんて……」ポロポロ

アリス「悪かった!ワシが悪かった!」

凛「そこから友達も増えたりして!ねぇアリス!?」

アリス「そうじゃな!うん!」

まゆ「でも……私なんかがいきなり『魔法少女になりませんか?』なんて……」グスッ

アリス「わかった!わかった凛もう一個も頼む!」

凛「オッケー任された!」

まゆ「ごべん゛な゛さ゛い゛……ごべん゛な゛さ゛い゛……」

凛「大丈夫だから!ほらハンカチ!」

まゆ「うぇぇぇぇん…」

――

ミラクルハート『大変でしたね』

千佳(うん)


ミラクルハート『人探しの魔法だけあって、適合する人物の方向を指し示していますね』

千佳(うーん……)

ミラクルハート『授業が無ければ、今すぐにでも渡しに行けるのですが』

千佳(そうなんだよねー……)


――


凛(さて、体力強化の魔法と精神操作の魔法だっけ……)

エトワール『まずは部活の三人に見てもらうべきだね』

凛(うーん……早く放課後にならないかなー……)

エトワール『……勉学を疎かにするのは感心できないな』

凛(はーい……)


――


志保「……はぁ……」

音葉「大丈夫ですか?」

志保「ひゃっ!?……う、梅木さん……」

音葉「ごめんなさい、驚かせるつもりは無かったんですが……」

志保「いえいえ私が勝手に驚いただけですからっ!」

音葉「は、はぁ……」


志保「そ、それより何でしょうかっ?」

音葉「……やっぱり、随分参っているようですね」

志保「え?」

音葉「講義中も上の空でしたし、何より声色で無理しているのが判りますよ?」

志保「そ、そうですか……?」

音葉「ええ……ところで、あの……」

志保「?」

音葉「……お昼、一緒に食べませんか?」

志保「は、はぁ……喜んで」

寝る


――放課後・合唱同好会部室


奈緒「――で、コレが魔法なのか?」

加蓮「ただのビー玉にしか見えないけど……あ、でもよく見たらコッチは光ってるね」ヒョイ

奈緒「え?光ってるのはコッチだろ?」ヒョイ

凛「あぁ、自分に合った魔法は光って見えるんだってさ」

奏「と言う事は……」

凛「ちょうど二人に合ってたみたいだね」

エトワール『偶然にしては出来過ぎてると思わないかい?』

凛「これで黒のトライアドプリムスは結成……後は……」ブツブツ

エトワール『……いや、もう何も言わないよ』

奏(ドッチも光ってるように見えたのは気のせいかしら?)


奈緒「それで?コレをどーすりゃいーんだ?」

凛「え?あぁ、えっと……目を閉じて、胸の前辺りで握りしめて……」

エトワール『そこまでする必要は無いからね?』

凛「うるさいなー」

加蓮「?」

奈緒「まぁ、取りあえずやってみるか」スッ

加蓮「ん。そうだね」スッ

凛「そうすると魔法の名前が、何て言うか、頭の中に浮かんでくるからそれを読むんだよ」

奈緒「オーケー」


加蓮「……ソレイユ!」

奈緒「……リューヌ!」


――

――――


――


ミズキ「私が誰かはどうでもいいの。ただアナタの願いを叶える事が出来る魔法使いよ」

「――」

ミズキ「えぇ、魔法使いなんて信じられないでしょう?でも事実なの」

「――」

ミズキ「ええ。だから聞かせて?アナタの願い……夢でもいいわ」

「――」

ミズキ「え、メガネ?」

春菜「はい!世界中の誰もが自分に似合うメガネを掛けるって素敵だと思いませんか思いますよね答えは聞いていません!」

ミズキ「わからないわ」


ミズキ「まぁでも、アナタの願いを叶えると言った手前、実現してあげなくちゃね」スッ

春菜「これは?」

ミズキ「アナタの願いを叶える魔法よ。さぁ、受け取りなさい」

春菜「私の、願いを……」


春菜がミズキの手から魔法を受け取った瞬間、眩い光が辺りを包んだ

光が収まり、魔力を帯びた派手な衣装に身を包んだ春菜と、彼女を中心に広がる幾千のメガネが姿を現した


ミズキ「まぁ、すごい量のメガネね……」

メガネの魔女「すごい……これなら……これなら!皆に似合うメガネが!」

ミズキ「さぁ行きなさいメガネの魔女!アナタの願いを叶える為に!」

メガネの魔女「はいっ!じゃあまずは手始めにアナタから!」

ミズキ「!?」


メガネの渦がミズキを取り囲み、代わる代わるミズキの顔に掛けられては離れていく

その度に擦れるメガネのツルが少しずつ、しかし確実にミズキの耳に、こめかみにダメージを与えていく


メガネの魔女「違う……これも違う……」ブツブツ

メガネの魔女「!コレですっ!」

ミズキ「」ガシィィィィィン


選ばれたのは銀色のアンダーフレーム

それはミズキの知的な雰囲気と相まった極上の組み合わせであった


メガネの魔女「ありがとうございますっ!こんな素敵な魔法……!行ってきますねっ!」


ミズキ「……ふふ、メガネに対する思い入れが凄いのね……あら?」

ミズキ「このメガネ外れないわ!ちょっと!どうなってるの!」

寝る

メガネの魔女イメージ
ttp://i.imgur.com/BudGgDN.jpg


――


ナオナオ「ムリムリムリムリ!こんなカッコで人前に出れるかバカァッ!!」ブンッ

リンリン「なんで!?こないだ衣装見せた時は可愛いって言ってたじゃん!」パシッ ブンッ

ナオナオ「やるとは言ってないだろぉっ!?」パシッ ブンッ

リンリン「やらなきゃ黒のトライアドプリムスじゃないからっ!!」パシッ ブンッ


奏「黒板消しでキャッチボールはやめなさい!!」

レンレン「ゲッホゲッホゲホゲゥヴォェッ」

リンリン「始めに投げてきたのはナオナオです」キリッ

ナオナオ「うぅ~……凛に変なノート見せられたせいだ……」

奏「まったく……北条さん、大丈夫?」

レンレン「……ゥヴォェッ」

ソレイユ『最悪の目覚めかしら……』

エトワール『心中お察しするよ……』

リューヌ『(´・ω・`)ノ(-"-)』

奏「あぁもう……喉が変な感じだわ……」


エトワール『まぁ衣装の問題はさて置き、二人の魔法について知っておくべきだと思うな』

リンリン「む……確かにそうだね」

ナオナオ「おー、この声が魔法の声ってワケか」

奏「私には聴こえないんだけどね……何かが喋ってるのか判るくらい」

ナオナオ「え、判んの?」

レンレン「えっと……ソレイユ?さん?」

ソレイユ『ソレイユでいいわ。それより大丈夫かしら?』

レンレン「え?あぁ、うん、大丈夫……です」

ソレイユ『固くなっちゃって可愛らしいわねぇ。ホラ、もっとリラックスして――』

レンレン「あっ……」


ナオナオ「なんだろうすごい聞いちゃいけない感じが」

リンリン「気にしちゃ負けだよ」

リューヌ『(/・ω・)/』

ナオナオ「アタシの魔法はコレ何なんだ?」

エトワール『魔法にもそれぞれ個性があるんだけど……コレも個性の一つ、かな』

リンリン「気にしちゃ負けだよ」

リューヌ『(`・ω・´)』

ナオナオ「心配するな……って事でいいのか?」

リューヌ『(`・ω・´)b』

ナオナオ「判るか!」

リューヌ『(´・ω・`)』

奈緒と加蓮二人とも一人称変化しちゃってて困る


ナオナオ
ttp://i.imgur.com/4P4Ceep.jpg

レンレン
ttp://i.imgur.com/e2ywSAD.jpg

(あくまでイメージです)


――


朱雀「あー、チャンネル変えないでよー」

玄武「……CMの時くらいニュース見せてくれ」

朱雀「なにおー。CMでグッズや新作の情報をだなー」

白虎「はいはい、ちょっとは玄武に譲ろうねー」

朱雀「青龍!二人がいぢわるする!」

青龍「お前いい加減木魚探してこいよ……」


――


――街中


「オイ何だアレ?」

「メガネ屋のプロモーションか何か?」

「ケッコー可愛い子じゃん。アイドル?」

「てかあのメガネどうなってんだファンネルじゃねぇか」


メガネの魔女「アナタもメガネ、アナタもメガネ、さぁさぁメガネをどうぞどうぞ♪」

メガネの魔女「アナタにはコレ♪アナタにはコレ♪見つけて見せます似合うメガネ♪」


兄「……何だアレ」

ちひろ「すごーい!何かのイベント?」キャッキャッ



リンリン「魔女が出現したって言うから急いで来てみたら……」

レンレン「アレは……悪い事してるようには見えないね」

ナオナオ「ありゃ説得すれば仲間に出来るんじゃないか?」

リューヌ『(・∀・)人(・∀・)人(・∀・)』

ナオナオ「ん?あぁ、うん……」

レンレン(あ、解ってない顔だ)


エトワール『とは言え、今降りて行ったらボク達も見られてしまうワケだけどね』

レンレン「あ、そっか……仮面でもする?」

リンリン「何その素敵な案。採用」

ソレイユ『それには及ばないわ。加蓮、私を使えば記憶操作が出来るわ』

レンレン「記憶操作?」

ソレイユ『ええ。例えばココにいた人達が何も見なかった、とかね』

ナオナオ「便利そうだなー」

リンリン「ん、それなら問題なさそうだね……後の問題は――」

リンリン「名乗りを上げるタイミングとかそもそもセリフとか」


ナオナオ「行くぞー加蓮」

レンレン「はーい」

リンリン「え?あ、ちょ、待って!」

ナオナオ(て言うかココ割と高いビルの屋上なんだよな……大丈夫かな……?)

リューヌ『(。-`ω-)』

ナオナオ(……任せろ?)

リューヌ『(。-`ω-)b』

ナオナオ「……へっ♪じゃあ行くかぁっ!」バッ


レンレン「……飛び降りちゃったね」

リンリン「普通エレベーターで降りるよね」

レンレン「ね……あ、着地した」

リンリン「うわ足首痛そー……」

ソレイユ『転げまわってるわね……』

エトワール『彼女の魔法は治癒魔法が主だからね。すぐに治るから心配しなくていい』

レンレン「そうなんだ。じゃあ行こっか凛」

リンリン「ん。そうだね」

ソレイユ『ところで、私達はどうやってココに来たのかしら?』

エトワール『気にしない方がいいよ。よくある事だから』


「オイ人だ!人が落ちてきたぞ!」

「なんだ!?おいまだ生きてるぞ!」

ナオナオ「うああああ超いってええええええええええええええええ」ゴロゴロ

「元気だ!?」


メガネの魔女「あ、あのー……大丈夫ですか?」

ナオナオ「うわーもう最悪だぁ……んだよ痛みまでは消せねーのかよ……」ブツブツ

リューヌ『(;´Д`)』

メガネの魔女「!……アナタも魔法使いなんですねっ!」

ナオナオ「ん?おぉ、あぁ、まぁ、な」

メガネの魔女「じゃあ仲間ですねっ!お近づきの印にメガネどうぞ♪」


次の瞬間、ナオナオはメガネの渦の中に居た

渦の中からメガネが一つ飛び出し、掛けられてはまた離れていく

ただそれだけの行為であるが、しかし自分の意志とは無関係にメガネを掛けさせられるというのは中々の恐怖であった

二本のツルなんか少しズレれば目にまっしぐらである

「うぉっ!?」

たまらず顔をブロックしようとしたナオナオであったが、その腕を色とりどりのメガネが取り巻き後ろ手に固められてしまう

「ぐわああああああああああ」

掛けられては離れていくメガネのツルが少しずつ、しかし確実にナオナオの耳に、こめかみにダメージを与えていく

「ナオナオ!大丈夫!?」

「しっかりしてナオナオ!最後まで耐えて!」

二人の仲間の声がメガネの渦の外から聞こえてくる

そろそろ鼻の辺りも痛くなってきたナオナオは思った

今どう考えても本体の魔法使いガラ空きじゃねぇか何やってんだ二人とも止めろよ


メガネの魔女「……これですっ!」

ナオナオ「」ガシィィィィン

リンリン「しっかりしてナオナオ!?あとそのメガネすごく似合ってるよ!」

レンレン「大丈夫!?すごく似合ってるメガネだけど!?」

ナオナオ「お、お前らなぁ……ッ」

ナオナオ「何で止めなかったんだよォッ!!」

リンリン「いや私じゃ周り一帯吹き飛ばしちゃいそうだし……でもよかったじゃん。ホントメガネ似合ってるよ」

レンレン「なんかコワくて近づけなかったし……でもメガネは似合ってるから!」

ナオナオ「もういい!メガネはどうでもいい!」

メガネの魔女「そんなっ!」ガーン


リンリン「それよりアナタ、魔法使いだよね?」

メガネの魔女「はいっ!魔法使いの方から授けて頂いたんですっ!」

レンレン「メガネの羽根なんてスゴイねー……」

ナオナオ「あれ?ちょ、このメガネ外れないぞ!?」

メガネの魔女「ところで、皆さんは?」

リンリン「あぁ、私達は――」フッ


リンリン「悪の女幹部!リンリン!」ドヤァ


レンレン・ナオナオ((え?それホントにやっちゃう?))

リンリン「……」チラッチラッ

レンレン・ナオナオ((うわめっちゃ目で訴えてきてる……))

レンレン(仕方ないなぁ)

ナオナオ(やってやるかぁ)

レンレン「あくn『悪の女幹部ですかっ!?』」

メガネの魔女「自分から悪だと言い張るなんて……」

メガネの魔女「メガネを掛けていなかったのが何よりの証拠!この私が成敗してくれますっ!」

リンリン「えっ」

レンレン「えっ」

ナオナオ「あちゃー……」

リンリン「いや、ちょ、待って――」

メガネの魔女「問答無用!メガネを掛けぬは悪の道!ならば正して見せましょう!」

メガネの魔女「さぁ!メガネ!どうぞ!」

寝る


メガネの魔女の左右からメガネで構成された羽がリンリンに襲い掛かる

まだ現状を把握し切れていないリンリンの反応が一瞬遅れてしまった


リンリン「ちょ――」

エトワール『リン!何でもいいから叫んで!』

リンリン「あ、来ないで!!」


魔法の衝撃波が羽とぶつかり合い、その軌道を大きく逸らす

いくつかのメガネが、散った


エトワール『危なかったね。気を引き締めていくよ』

リンリン「ん……うん」

メガネの魔女「どおぉぉぉぉぉして避けたんですかぁ!!」

リンリン「いやどうしてって言われても……」

メガネの魔女「いやいや避けたのは百歩いや一歩も譲りたくないですがいいとしましょう!」

メガネの魔女「私も突然過ぎましたからね!」

リンリン(全くだよ)

メガネの魔女「で!す!が!メガネを壊した事は!壊した事は!それだけは許せません!!」

メガネの魔女「この罪はその顔にメガネを掛けてもらう事で償ってもらいますよ!!」ビシッ


再びメガネの羽がリンリンに襲い掛かる――


リンリン「……」スゥッ

リンリン「話を聞けぇっ!!」


再びメガネが散る

夕暮れ時の茜色に染まる空に舞い散ったそれは、如何とも形容し難い光景だった


メガネの魔女「あー!また壊しましたねっ!もーう怒りましたよ!」

リンリン「怒りたいのはコッチ!悪の女幹部なんて言ったけd――」

メガネの魔女「さぁメガネストの皆さん!一緒に悪い魔法使いを懲らしめますよっ!」

メガネの魔女「メガネを掛けない異端者に裁きを!!」

リンリン「だからぁっ!!」

リンリンが叫ぶと同時、メガネの魔女によってメガネを掛けられた人達が全力で向かってきた


「メガネ掛けろメガネ!」

「ニッポンジンナラメガネヤロガ!」

「なぁ嬢ちゃん……メガネかけようや……」

「あはははは!ホラホラ凛ちゃんメガネだってメガネ!あはははは!!」ポクポクポクポク

「凛ちゃーん!俺だー!ハナコ抱かせてくれー!」


当然、その中にはナオナオの姿もあった

寝る
メガネがゲシュタルト崩壊

正直女の子同士のバトルって好きじゃないので筆が全然進みませんごめんなさい

楽しんで頂いてる皆様申し訳ありません
誠に勝手ながら、やっぱりアイドル同士が戦うとか書いてて苦痛なので打ち切りにさせて頂きます

妖怪世界の方の前に、リキッドPのB面を書こうかどうしようか迷っております

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