結衣「あの子……迷子かな?」(333)

結衣「ロリコンじゃないよ?」

??「ぐす……ひっく……ここどこ……?」

京子「ありゃどーみても迷子ですな」

結衣「放っとくわけにもいかないよなぁ」

京子「声かけてみよっか」

結衣「そうだな」


京子「ねえ、どうしたの? 迷子になっちゃったの?」

??「ふえ……?」

結衣「良かったらお姉さんたちに教えてくれるかな?」

京子「力になれるかもしれないよー?」

??「あ、えっと……」

京子「あ、お名前は?」

??「小川……こころ……」

結衣「こころちゃんか。それでどうして泣いてたの?」

こころ「あの、お友達とはぐれちゃって……ぐすん……」

京子「そっかー、お友達がどこにいったとか解る?」

こころ「……」フルフル

結衣「解らないか……どうする京子?」

京子「一緒に探してあげようよ。このままにするのは流石に可哀想だよ」

結衣「そうだよな……よし、お姉ちゃんたちも一緒に探してあげるから」

こころ「ほんと?」

京子「ほんとほんと。だから泣き止んで、ね?」

こころ「……うん」

結衣「それで、そのお友達ってどんな子?」

こころ「えっと、花子様はちょっと大人びててかっこよくて……」

京子(花子様……? 様づけされるほどってどんな子だろ、気になるなー)

こころ「未来ちゃんは、いつも元気いっぱいなの」

結衣「お友達は二人?」

こころ「うん」

京子「お友達も探してるかもしれないし、こころちゃんが来た道を戻ったら見つかるかも?」

結衣「そうだな……こころちゃん、どっちから歩いてきたの?」

こころ「えっと……向こう」

京子「じゃ、ひとまず行ってみよっか」

未来「こころちゃーん、こころちゃーんどこー?」

花子「こころが迷子になるなんて思ってもなかったし」

未来「まあ、ぼーっとしてるとこあるからねー」

花子「とりあえず、来た道戻ってみるし。こころだったら、じっとしてるかもだし」

未来「動きまわってたらどーするのー?」

花子「その時は……なんとかなるし、たぶん」

未来「花子様がそういうならそーするよー」

花子「あ、あんまり頼りにされるのも困るし……」

結衣「うーん、それっぽい子は見つからないね」

京子「あ、結衣、あれ……」


未来「こころちゃーん、おーい」

花子「どこ行ったしー?」


結衣「あ、もしかして……」

こころ「あ……」

こころ「花子様ー、未来ちゃーん!」

未来「あー、こころちゃん!」

花子「見つかってよかったし!」

こころ「ううぅ……ぐす、よかったぁ……」

未来「あーほら、泣かないで」

京子「いやぁ、見つかって良かった良かった」

花子「えっと、お姉さんたちありがとうだし」

結衣「どういたしまして。お友達のことちゃんと見てあげなきゃだめだよ?」ニコッ

花子「……う、うん」

京子「へー、君が花子ちゃん?」

花子「そうだけど……なんだし?」

京子「いやー、様づけで呼ばれるなんてどんな子かなーって思って……」

花子「うっ……二人とも学校だけならともかく、外でも呼ぶのは勘弁して欲しいし」

未来「いやぁ、つい」

こころ「ぴったりだもんねー」

結衣「確かにこころちゃんが言った通り、花子ちゃんってちょっと大人びててかっこいいね」

花子「そ、そんなことないし……」テレテレ

未来「勉強も運動も出来るんだよー」

京子「へー、すごいなー花子さまー」

花子「うう、お姉さんまで……」

結衣「こら京子、花子ちゃんが嫌がってるだろ」コツン

京子「あうっ」

結衣「ごめんね、花子ちゃん」

花子「あ、嫌っていうかその……ちょ、ちょっと恥ずかしいだけだし……」

花子「だから、気にしないでいいし」

未来「おねーさん、お名前はー?」

結衣「ん、私は船見結衣っていうんだ」

こころ「こっちのおねーさんは?」

京子「ふふん、名乗るほどでもないさ……」

こころ「名乗るほどでもないさんかー」

未来「名乗るほどでもないさーん」

京子「あ、ごめんなさい。歳納京子っていいます、はい」

花子「歳納お姉さんに、船見お姉さん……」

花子「改めて、こころを連れてきてくれてありがとうだし」

未来「ありがとねー!」

こころ「ありがとー」

結衣「どういたしまして」

京子「じゃ、私たちは帰るかー」

結衣「そうだな」

結衣「それじゃあばいばい。もう迷子にならないようにね」

こころ「はーい」

京子「まったねー」


未来「行っちゃったー」

こころ「行っちゃったね」

花子「……うん」

未来「あの制服って、花子様のお姉ちゃんが通ってる学校のだよねー」

花子「あ、うん……そうだし」

未来「ってことは中学生ってことかー」

こころ「やっぱり大人って感じがするねー」

未来「船見お姉さんのほう、かっこよかったねー。花子様とはまた違った感じ!」

未来「ねー花子様」

花子「うん……」

花子「かっこよかったし……」

こころ「花子様?」

未来「どしたの花子様ー?」

花子「……あ、な、なんでもないし」

ご飯とかです
落ちたら立て直します

~大室家~

櫻子「ただいまーっと……誰もいないの?」

花子「……」ボーッ

櫻子「あ、花子いるじゃん。姉が帰ってきたというのに、挨拶もなしとは」

花子「あ、櫻子……お帰りだし」

櫻子「……? どしたの花子、ぼーっとして?」

花子「へ? そんなこと……」

櫻子「いやいや、あるって。ひと目で解るくらいぼーっとしてた」

櫻子「なんかあったの?」

花子「え、えっと……」

花子「櫻子は、船見結衣さんって知ってるし? 櫻子と同じ学校だと思うけど……」

櫻子「へ、船見先輩? 知ってるけど、なんで花子が先輩のこと」

花子「じつは、かくかくしかじか……だし」

櫻子「へー、なるほどね」

花子「それで、ちょっとどんな人か気になったんだし」

櫻子「ふーん、船見先輩かぁ」

櫻子「確か、一人暮らししてるんだよねー。私と一年しか違わないのによく出来るなーって思うよ」

花子「櫻子と殆ど歳違わないのに、一人暮らししてるし? 凄いし」

櫻子「だからなのか、料理とか家事も上手らしいんだよねー」

櫻子「あ、あと足も速いって聞いたことあるなー。陸上部に誘われるほどとか」

花子「ふえー……」

花子「櫻子とは全然違うし……改めて櫻子の出来の悪さを痛感するし」

櫻子「おい、泣くぞ」

花子「凄いなー……」

櫻子「……? ったく、変なやつだなー」

花子「また会いたいなー……」

櫻子「え? 花子、船見先輩と会いたいの?」

花子「あ、え、えっと、そういうわけじゃないし!」

櫻子「いや、今思いっきり口に出してたじゃん」

花子「さ、櫻子の勘違いだし! あっちいけし!」

櫻子「へいへーい」

~翌日~

櫻子「えーっと……」

櫻子「あ、いたいた。船見せんぱーい!」

結衣「あれ、大室さん? どうしたの?」

櫻子「突然ですけど、うちの妹知ってます? 大室花子っていうんですけど」

結衣「大室……花子? あっ、もしかして昨日あった子が……」

櫻子「そうそうっ、多分それです!」

結衣「あの子、大室さんの妹だったんだ」

櫻子「なんかうちの妹が世話になったそーで」

結衣「いや、そんな、大したことしてないって」

すいません、ほんのちょっと出かけます

櫻子「で、突然ですけど、今日うちに遊びに来ません?」

結衣「え、なんでまた?」

櫻子「いやー、なんか花子がまた会いたいみたいなこと言ってるんで」

結衣「私と……? なんでだろ……」

櫻子「さー? よく知らないけど」

櫻子「でもここで、先輩を家に連れて行ったら、花子に恩を売れるかなーって!」

結衣「あはは、妹思いなんだね大室さんは」

結衣「うん、今日は特に予定もないし……良かったら」

櫻子「じゃー決まりですね! あ、用はそれだけですのでまたっ!」


結衣「行っちゃった……でもなんでまた、花子ちゃんは私と会いたいんだろ?」

結衣「私、なにかしたかなぁ……?」

~放課後~

京子「結衣ー、今日はどうする~?」

結衣「あ、今日は大室さんの家に遊びに行くんだ」

京子「へ? なんでまた?」

結衣「ほら、昨日あった子たちいるよね」

京子「ああ、迷子三人組」

結衣「迷子は一人だったろうが……まあ、そのうちの一人が大室さんの妹だったんだけど」

京子「へー、そうなんだ」

結衣「なんでか知らないけど、私にまた会いたいらしいから、お呼ばれされたんだよ」

京子「あれ、私は?」

結衣「聞いてないな」

京子「なんで結衣だけなんだ! ずるいぞ!」

結衣「知らねえよ」

京子「ところでその妹ちゃんって誰?」

結衣「花子ちゃんらしいよ。ほら、髪の毛長くて――」

京子「あー、あの様つけて呼ばれてた」

京子「私も行っていいかなー?」

結衣「さあ……大室さんに聞いてみたら?」

京子「そうするかー」

結衣「じゃあ、一年の教室に行ってみようか」


京子「えーっと」

結衣「あ、大室さんいたよ」

櫻子「あれー? 先輩たちどーしたんですか?」

結衣「いや、大室さんが遊ぼうって誘ったじゃない」

櫻子「あーあー、そうでしたそうでした!」

京子「ところでちっぱいちゃん」

櫻子「はい?」

京子「妹ちゃんが結衣のこと話してたから、こーなったんだよね?」

櫻子「そんなところですねー」

京子「私のことは何か言ってた?」

櫻子「へ、歳納先輩? いえ、特に何も」

京子「ちぇー、なんで結衣ばっかなんだよー。私もちゃんと名乗ったのに」

結衣「だから知らないって……それで、京子も行きたいらしいんだけどいいかな?」

櫻子「別にいいんじゃないかとー」

京子「よーし、そんじゃレッツゴー!」

~大室家~

櫻子「ただいまー!」

京子「お邪魔しまーす」

結衣「お邪魔します」

櫻子「って誰もいない?」

花子「あ、櫻子お帰りだし――って……」

結衣「花子ちゃん、こんにちは。お邪魔するね」

京子「はいはーい、私もいるよー」

花子「えっ……ええっ!? な、なんで昨日のお姉さんたちが……」

櫻子「いや、なんか会いたかったみたいだし連れてきた!」

花子「そんな突然……」

結衣「あれ、もしかして来ちゃ駄目だったのかな?」

花子「あ、ううん……そんなことはないし……」

結衣「そっか、良かった」ニコッ

花子「あ……」ドキッ

結衣「それで、花子ちゃんはどうして私に会いたかったの?」

花子「えっと、えっと……」

櫻子「そうそう、私も気になるなーそれ」

京子「そうだよーなんで結衣だけー」

花子「あう……」

結衣「こらこら、あんまりまくし立てたら花子ちゃんが困るだろ?」

30分ほど席を外します

花子「えっと、お姉さんかっこよかったから……」

結衣「え?」

花子「櫻子に色々お話聞いたけど……花子もお姉さんみたいになりたいし!」

結衣「ええっ!? わ、私みたいに?」

花子「そうなんだし」

結衣「えっと、そんなこと言われたのは初めてだなぁ」

京子「ちぇー、なんで結衣だけー。ぶーぶー」

京子「ねーねー花子ちゃん、私は?」

花子「そっちのお姉さんは……」

花子「櫻子に似てる感じがするから、遠慮するし」

櫻子「なんだよそれ!?」

花子「どうすればお姉さんみたいにかっこよくなれるし?」

結衣「ええっ……気にしたことなんてなかったしな」

京子「結衣の真似してみるとかー」

花子「真似……」

結衣「余計なこと吹き込むなっての」コツン

京子「いて」

結衣「でも、花子ちゃんお友達からかっこいいって言われてたよ?」

花子「でも、花子はそうは思わないし……」

花子「お姉さんみたいな、大人の女性になりたいし!」

京子「結衣が大人の女性ねぇ……」

結衣「なんだよ」

京子「いえいえ、べっつにー」

結衣「ただ年上だからそう見えるだけじゃないかな」

花子「そんなことないし! だって、櫻子やそっちのお姉さんは全然そう思わないし!」

京子「なかなかハッキリ言う子だね……」

櫻子「せっかく連れてきてあげたのに、こんな言われ様はないんじゃ……」

結衣「う~ん、花子ちゃんが私みたいになる必要なんてないよ」

花子「でも……」

結衣「私には私の、花子ちゃんには花子ちゃんの個性があるんだからさ」

花子「そうなのかな……?」

結衣「そうそう」

結衣「それに、お友達からかっこいいって言われてたじゃない」

花子「うん」

結衣「じゃあそれでいいじゃない、ね?」

花子「……」

結衣「それはきっと、今の花子ちゃんを見て言ってるから」

結衣「そのままでいいんだよ」

花子「……解ったし」

結衣「そっか、解ってくれた?」

花子「色々教えてくれてありがとうだし!」

花子「やっぱりお姉さんはかっこいいし!」

結衣「ええっ!? な、なんでそうなるんだろ……」

京子「なんでって、ねえ……」

花子「お姉ちゃんたちは、これから櫻子と遊ぶし?」

櫻子「まあーせっかく来てもらったしねー」

花子「じゃあ花子も一緒に遊ぶし!」

櫻子「え、花子も?」

京子「えらい懐かれましたなぁ、結衣さん」

櫻子「どーします先輩?」

結衣「私? 私は別にいいけど……」

櫻子「んじゃ、一緒に遊ぶか」

花子「わぁ~い♪」


―――――――――

結衣「あ、もうこんな時間か……」

京子「そろそろ帰ろっか」

花子「あ、もう帰っちゃうし……?」

結衣「あんまり長居しちゃ悪いだろうしね」

櫻子「私は気にしませんのにー」

結衣「あはは、ありがとう。でも、私はご飯の準備とかもあるから残念だけど」

花子「じゃあ仕方ないし……」

櫻子「じゃあ先輩たち、今日はわざわざ来てくれてありがとでしたー」

結衣「ううん、私も楽しかったよ」

京子「じゃあねー」

結衣「あ、そうだ……京子ちょっと待ってて」

京子「ん?」

結衣「えっと……」カキカキ

結衣「花子ちゃん、はいこれ」

花子「これ……なんだし?」

結衣「私の携帯番号だよ。せっかく友達になったんだからね」

花子「あ……」

結衣「いつでも好きなときにかけてきてね」

花子「あ、ありがとだし……その」

花子「……結衣お姉ちゃん」

結衣「どういたしまして」ニコッ

撫子「ただいま……って」

花子「~♪」

撫子「花子どしたのさ? えらいご機嫌だけど」

花子「えっ、別になんでもないしっ」

撫子(そんなにこにこしながら言っても説得力ないんだけど……)

花子「……えへへ♪」

撫子(まあいいか、別に)


撫子「んで、花子はどうしたわけ?」

櫻子「さー? うちの先輩を遊びに連れてきてからあんな感じ」

撫子「ふーん」

櫻子「花子が会いたいって言ったし、会えて喜んでるのかな」

撫子「どういうこと?」

櫻子「えっと、かくかくしかじか」

撫子「なるほど、櫻子の先輩と花子がね」


撫子(年上の女性への憧れってやつかな)

撫子(まあ、その子と歳のほとんど変わらない姉が、こんなのじゃあね)チラッ

櫻子「?」

撫子(でも私はありなんじゃないの? 長女としてなんかショック)

撫子「ま、どうでもいいか」

~翌日~

未来「花子様、何かあったのー?」

花子「え、なんでだし?」

こころ「なんか機嫌いいから」

花子「そ、そうかし?」

未来「うん、どっからどーみても」

花子「実は……」

こころ「実はー?」

花子「やっぱり秘密だし!」

未来「えー、なんでー? 教えてよー!」

~大室家~

花子「ただいまー」

花子「まだ誰も帰ってきてないし」

花子「……」

花子「……暇」


『いつでも好きなときにかけてきてね』


花子「電話……してみようかな」

花子「でも、まだ家に帰ってきてないかもだし……」

花子「あ、でもこれ携帯の番号だったし。じゃあ今かけても」

花子「……やっぱり突然だと、迷惑にならないかなぁ?」

櫻子「ただいまーっと」

花子「むむむ……」

櫻子「花子、電話の前でなに唸ってんの?」

花子「うわっ!? お、脅かすなし!」

櫻子「脅かしたつもりはないんだけど」

花子「べ、別になんでもないし……って」

花子(櫻子が帰ってきたってことは、結衣お姉ちゃんも学校終わったのかも……)

花子(電話しても大丈夫かな……)

櫻子「何してるか知らないけど……んじゃ、私は向日葵んちに行ってくるー!」

花子「あ、いってらっしゃいだし」

花子「……」

ガチャ ピポパポ

プルルル プルルルル

花子「……」ドキドキ

結衣『はい、もしもし?』

花子「あ、えっと……は、花子だし」

結衣『ああ、花子ちゃん? 電話してきてくれたんだ』

結衣『ってことは、この番号って花子ちゃんの家の番号かな』

花子「あ、うん、そうだし」

結衣『じゃあ、登録しておくね』

花子「よ、よろしくお願いします……だし」

結衣『それで、何の用かな?』

花子「え、えっと……」

花子(何話すか考えてなかったし……!)

花子「その……」

結衣『……あ、そうそう』

結衣『昨日は楽しかったね』

花子「えっ……あ、うん。花子もとっても楽しかったし!」

結衣『大室さんにも、誘ってくれてありがとうって言っておいてね』

花子「解ったし、任せるし!」

花子「あ、あの……!」

結衣『ん、なにかな?』

花子「結衣お姉ちゃんは、今お暇なのかし?」

結衣『え、う~ん、一応部活があるんだけど』

花子「お姉ちゃん、部活やってるし?」

結衣『って言っても大したものじゃないけどね、基本的にだらだらするだけだし』

花子「それって部活なのかし……?」

結衣『あはは……まあ、勝手にやってることだから』

結衣『花子ちゃんも遊びに来たっていいんだよ? なんてね』

花子「き、機会があったらお邪魔するし!」

結衣『えっ、あ、うん。じゃあまた今度にでも』

結衣『それじゃあ、そろそろ切るね』

花子「あ、解ったし」

結衣『また今度時間があるときに、ゆっくりお喋りしようね』

花子「楽しみにしてるし!」

結衣『あはは、あんまり期待されるのも困るなぁ。それじゃあね』

花子「ばいばーい、だし」

ガチャン

花子「……ど、どうなるかと思ったけど」

花子「ちゃんとお話出来たし!」

花子「……まだちょっとドキドキしてるし」

ちょっとお風呂に

おまけの花子様から見た結衣さん(のイメージ)

花子「~♪」

撫子「花子、今日もえらくご機嫌だね。何かあったの?」

花子「えっ、別になんでもないし」

撫子「まあどうでもいいけど、ご飯はさっさと食べてね」

花子「あ、解ったし」


撫子「んで、何があったのさ?」

櫻子「さあ? 私は知らなーい」

撫子「あんたはほんと役に立たないな」

櫻子「いきなりそれは酷くない!?」

花子「あ、櫻子」

櫻子「んー、なにー?」

花子「ありがとうだし!」

櫻子「へ? なに突然……?」

花子「気にしないで欲しいし。ちょっと言わないといけなかっただけだし」

櫻子「あ、うん……どうしたしまして?」

花子「~♪」

櫻子「……なんだったんだろ?」

~翌日~

未来「今日も花子様ご機嫌だね」

こころ「やっぱり何かあったんだよー」

未来「で、何があったのさー?」

花子「う、えっと……」

こころ「隠し事はなしー」

花子「こころが迷子になったとき会ったお姉さんたちがいたよね?」

未来「あ、うんうん。おねーさんが二人」

花子「その人が、下のお姉ちゃんの友達だったんだし」

未来「へー、それでそれで?」

花子「偶然家に遊びに来て……仲良くなって、電話でお話とかしたし」

こころ「いいなー」

こころ「どっちのおねーさんと仲良くなったの?」

花子「遊びに来たのは二人ともだったけど、電話でお話したのは結衣お姉ちゃんだし」

未来「それって……かっこいいほうか!」

未来「いいなーいいなー。私も年上のおねーさんと仲良くなりたい」

こころ「こころもー」

花子「花子にそう言われても困るし……」

未来「電話お話して聞いてみてよー」

こころ「みてよー」

花子「う、うん。じゃあ聞いとくし」

花子「――なんてことがあったんだし」

結衣『私と仲良くなっても仕方ないと思うけどなぁ』

花子「そんなことないし!」

結衣『ありがとね。それじゃあ、そうだなぁ……』

結衣『今度のお休みの日に、お友達と一緒に遊ぼうか?』

花子「結衣お姉ちゃんはいいんだし?」

結衣『うん、問題ないよ』

花子「じゃあ、一緒に遊びたいし!」

結衣『場所はどうしよう? 花子ちゃんの家でいいのかな?』

花子「あ、えっと……」

花子「結衣お姉ちゃんの家に行ってみたいし」

結衣『私の?』

花子「だめ?」

結衣『ううん、別にいいよ。じゃあ……』

結衣『どこかで待ち合わせしようか。そのあと私の家に案内するよ』

花子「解ったし」

結衣『じゃあ、お友達にも言って、都合のいい時間教えてね』

花子「はーい」

フフフ…


―――――――――

花子「そういう訳でちゃんと聞いてきたし!」

未来「さすが花子様ー」

こころ「さすがー」

花子「褒めても何も出ないし。二人とも都合のいい時間を教えるし」

未来「えっと、私は……この時間かな」

こころ「あ、こころもそれでいいよー」

花子「それじゃあ決まりだし」

未来「待ち合わせ場所はー?」

花子「今度聞いておくし」

京子「結衣ー、今度の休み遊びに行ってもいい?」

結衣「あ、ごめん京子。その日は先約があるんだ」

京子「まじですかー? だれ? あかりとか?」

結衣「いや、花子ちゃんとそのお友達」

京子「えっ、ほんと? いつそこまで仲良くなったんだよー」

結衣「いや、つい最近だけど」

京子「私はー?」

結衣「う~ん、どうなんだろ……京子も連れてっていいのかな……」

京子「結衣ばっかモテてるのは、不公平だなー」

結衣「モテてるって……相手は小学生なんだから……」

結衣「たまたま、私に懐いただけだろ?」

京子「果たしてそーかねー」

~休日~

未来「ねーねー、花子様ーまだー?」

花子「まだ待ち合わせ時間になってないし」

未来「なんでこんな早くに来ちゃったのさー」

花子「未来が、早く行こうって急かしたからだし」

未来「そうだっけ?」

こころ「そーだよー」

花子「あ……」

結衣「はぁはぁ……ごめんね、待たせちゃったかな?」

花子「そんなことないし、花子たちがちょっと早くにきちゃっただけだし」

すいません、ちょっと席を外します

結衣「早くに家出たはずなのに、みんながいてびっくりしたよ」

花子「遅れてないから、走ってきてくれなくてもよかったし」

未来「どうも、こんにちは!」

こころ「こんにちはー」

結衣「あ、こんにちは」

結衣「二人も私の家でいいのかな?」

未来「問題無いです!」

こころ「興味あるー」

結衣「う~ん、そんな期待されてもちょっと困るけど」

結衣「それじゃあ行こうか。案内するね」

結衣「到着、ここが私の家だよ」

こころ「おーきいー」

未来「ここに一人暮らししてるんですかー?」

結衣「うん、一応ね」

未来「すごーい」

こころ「すごーい」

花子「凄いし!」

結衣「な、なんか恥ずかしいな……ははっ」

結衣「ま、まあ言ってもそんな大層なものじゃないよ」

花子「それじゃあ、お邪魔しますし!」

未来「わーひろーい」

こころ「きれー」

結衣「好きにくつろいでいいよ」

未来「探検したい! 探検!」

こころ「おー」

花子「そんなに騒いだら迷惑じゃないかし」

結衣「いいよいいよ」

未来「おねーちゃん、こっちはなにー?」

こころ「こっちはー?」

結衣「っとと、私は一人しかいないんだからー」

花子「あ……」

花子「むー……」

未来「次はあっちあっちー」

結衣「未来ちゃん待って。ほら、花子ちゃんほったらかしだよ」

未来「あ、そうだった。花子様もこっちこよーよ」

花子「別にいいし……花子はそんなのではしゃぐほど子どもじゃないし」

未来「えーたのしーのにー」

こころ(……拗ねちゃった?)

結衣「んー、でも私も疲れちゃったしさ、ちょっとのんびりしようよ」

未来「うー……じゃあ仕方ないかー」

結衣「ほら花子ちゃんも」

花子「う、うん」

結衣「今ジュース持ってくるね」

未来「はーい」

結衣「ゆっくりしてて」


こころ「花子様、さっきちょっと変だったよー」

未来「あ、うんうん。ちょっと思った!」

花子「そんなことないし……」

未来「えーそーかなー?」

花子「むーー……」

こころ「どーしたの?」

花子「二人とも、あんまり結衣お姉ちゃんに、馴れ馴れしくしすぎちゃだめだし!」

未来「えっ、えっ、なんでー?」

花子「なんでもだし!」

花子「結衣お姉ちゃんも、きっと迷惑してるし!」

未来「そーかなー? 優しいよ?」

花子「うー、それは……」

こころ「まあまあー」

こころ「花子様の言うとおり、さっきははしゃぎすぎたかもー」

未来「あーうん、そうかも……」

こころ「ちょっとのんびりするのも悪くないよー」

花子「そ、そうだし」

未来「はーい」


結衣「待たせてごめんね。はいこれ、ジュース」

花子「あ、ありがとうだし」

ごめんなさい、寝ます。起きたら続きをかくと思います

結衣「あ、ゲームでもする?」

未来「するー」

こころ「するー」

結衣「じゃあ、この中にあるからしたいのがあったら言ってね」

花子「色々あるし」

未来「私、これがいいー」

こころ「こころはこれー」

未来「えー、こっちがいい」

こころ「こっちだよー」

未来「こっちー!」

こころ「こっち」

結衣「あー、ほら、喧嘩しちゃだめだよ」

未来「むー」

結衣「花子ちゃんは、どっちがいいのかな?」

花子「花子はどっちでもいいし」

結衣「じゃあ、どっちもしたらいいじゃない、ね?」

未来「そっか」

こころ「はーい」

未来「じゃあ、こっちから!」

こころ「こっちからー」

未来「こっちー!」

こころ「こっちー」

結衣「じゃ、じゃんけんで決めようか、ね?」

花子「結衣お姉ちゃん、上手だし」

結衣「え、そうかな?」

こころ「上手だよー」

未来「やっぱり中学生だからかなっ?」

結衣「それは関係ないんじゃないかな……」

結衣「でも、花子ちゃんも上手だよ」

花子「そ、そうかし?」

結衣「うんうん。これ初めてするんだよね?」

花子「うん」

結衣「初めてとは思えないよ。すごいね」

花子「そんなことないし……えへへ」

未来「花子様はなんでもできてすごいなー」

こころ「ねー」

花子「あんまり言われると恥ずかしいし……」

未来「私も――」クゥー

未来「あ……」

結衣「お腹すいちゃった?」

未来「えっと……うん」

結衣「それじゃあ、何か作ってくるね。ちょっと待ってて」

未来「おねーさん、お料理も出来るの?」

結衣「あ、うん。一人暮らしだしね。あんまり手のこんだのは出来ないけど」

こころ「すごーい」

結衣「すごくなんかないって。必要なことだしね」

花子「それでも凄いし。櫻子なんかろくに出来ないのに」

結衣「あー……まあ得意不得意っていうのがあるしさ」

花子「お手伝いしたほうがいいし?」

結衣「大丈夫大丈夫。花子ちゃんたちはお客様なんだしさ」

結衣「出来るまでゆっくりしてていいよ」

花子「はーい」

結衣「――よし」

結衣「出来たよー」

未来「わー、いい匂いがするー」

こころ「オムライスだ」

結衣「一応得意料理だから、出来に自信はあるよ」

花子「それじゃあ、いただきますだし」

未来「いただきまーす」

こころ「いただきます」

結衣「はい、召し上がれ」

花子「ふあ……美味しいし」

こころ「うん、すごく美味しい」

結衣「そう? ありがとうね」

未来「おねーさんすごいねー。私も中学生になったら出来るのかな?」

花子「未来には無理だと思うし……」

未来「えーっ」

結衣「うーん、それは未来ちゃんの頑張り次第じゃないかな」

未来「そっかぁ」

結衣「お喋りもいいけど、早く食べないと冷めちゃうよ?」

未来「わわっ、そうだった!」


―――――――――

花子「あ、もうこんな時間だし」

結衣「そうだね、そろそろ帰らないと駄目なんじゃないかな?」

未来「あーほんとだ」

こころ「帰らなきゃだねー」

未来「今日はありがとうございましたー、とっても楽しかったです!」

結衣「どういたしまして」

花子「それじゃあ、帰るし」

こころ「うん、かえろー」

花子「あ、あの結衣お姉ちゃん」

結衣「ん、なに?」

花子「また遊びに来てもいいし?」

結衣「もちろん、またお友達と来てね」

花子「えっと……花子一人で来たら駄目かし?」

結衣「え、一人で?」

結衣「うん……構わないよ、いつでも遊びに来てもいいからね」

花子「あ……」

未来「花子様ーどうしたのー? 帰らないのー?」

こころ「ないのー?」

結衣「ほら、お友達が呼んでるよ」

花子「それじゃあ、またねだし!」

~大室家~

花子「~♪」

撫子(今日もえらく花子の機嫌がいいんだけど)

撫子(まあ、また櫻子の先輩関連かな。最近機嫌いい時っていつもそれだし)

撫子「花子ー、機嫌いいのはいいけど、当番はちゃんとしなよー」

花子「あ、解ったし」


撫子「で、何があったわけ?」

櫻子「さー? なんか遊びに行ってからあの調子」

櫻子「あ、家に遊びに行ったらしいよ」

撫子「ふーん、なるほどねー」

ご飯とか

花子「今日は、結衣お姉ちゃんとたくさん仲良くなれたし」

花子「やっぱり結衣お姉ちゃんは、かっこよかったし」

花子「花子もあんなふうになれるのかなー」

花子「結衣お姉ちゃんは、今のままでいいって言ったけど」

花子「やっぱり憧れちゃうし」

花子「お料理の勉強もしようかな」

花子「オムライス美味しかったし……」

花子「あ、もう寝ないとだし」

花子「夜更かししてたら、きっと結衣お姉ちゃんみたいになれないし」

~翌日~

京子「よーっす、結衣」

結衣「あ、京子おはよう」

京子「昨日はどうだったん?」

結衣「どうって……普通に遊んだだけだけど」

京子「なんで結衣さんばっかり好かれるんですかねー?」

結衣「さあな……私も悪い気はしないからいいけど」

結衣「あ、そうだ。今日買い物行くんだけど、荷物持ち手伝ってよ」

京子「えーめんどいー」

結衣「ラムレーズンやるから」

京子「安くねー? まあいいけどー」

~放課後~

京子「で、何買いに行くの?」

結衣「んー適当に夕飯の材料とか色々と」

京子「お菓子はー?」

結衣「駄目だ」

京子「ぶーぶー」

結衣「子どもじゃないんだから……ラムレーズンで我慢してくれ」

京子「まー冗談だけどさー」

結衣「ったく、ほら行くぞ」

京子「あいよ」

花子「あっ、あの人……結衣お姉ちゃんだし」

花子「隣にいるのは、前も一緒にいたお姉ちゃんだったかし?」


京子「でさーそのときあかりが――」

結衣「ふーん、でもそれって――」


花子「……二人とも仲良しなんだし」

花子「ちょっと羨ましいし」

花子「……」

花子「結衣お姉ちゃ~ん!」

結衣「あれ、花子ちゃん?」

京子「ありゃ偶然だなー」

花子「お姉ちゃんたちは何してるし?」

結衣「ああ、これから買い物にでも行こうかなって」

京子「私は荷物持ちでこき使われててさー、助けてよー花子ちゃん」

結衣「そんなこと言うとラムレーズンあげないぞ」

京子「あ、ごめん、うそです、はい」

花子「お買い物……」

花子「花子も一緒に行ってみたいし」

結衣「えっ、でも別に面白くないと思うよ?」

花子「いーんだし。ついてっちゃ駄目?」

結衣「まあ、花子ちゃんが行きたいなら……」

京子「ふ~む」

結衣「じゃあ、行こうか」

京子「ほいほい」

花子「はーい」


花子「それで何買うんだし?」

結衣「夕飯の材料とか色々だね。特に見てても面白く無いと思うけど……」

花子「そんなこと――」

京子「なーなー、結衣これ買おうぜー」

結衣「いや、明らかに要らないだろ」

京子「じゃあ、これはー?」

結衣「あ、それはいいかも」

京子「だよねー」

花子「あ……」

京子(ふむふむ……)

京子「私ちょっとその辺ブラついてくるー」

結衣「え、なんでまた」

京子「だいじょーぶ、荷物持ちはちゃんとするからさー」

京子「じゃ、また後でー」

結衣「あ、京子!」

花子「行っちゃったし……」

結衣「はぁ、仕方ないか。それじゃあ行こうか花子ちゃん」

花子「あ、うん」

結衣「えーっと、何買おうかなぁ……今晩の献立どうしよう」

花子「毎日考えるのって大変だし?」

結衣「あ、うん、そうだね……同じのでもいいんだけどさ」

結衣「レパトリーが増えたほうがいいしね」

花子「へー、流石だし」

結衣「って言っても、料理本に頼ったりが多いけどね、あはは」

結衣「あ、鶏肉安い……今日はこれ使ったのにしようかな」


結衣「うん、こんなとこでいいかな……あと京子は……?」

京子「おー、終わったー?」

結衣「あ、うん」

京子「それじゃ、荷物持つよ」

結衣「お願いね」

花子「……それじゃあ、花子は帰るし」

結衣「え、もう? せっかくだしもうちょっと……」

花子「帰らないと撫子お姉ちゃんに怒られるし。それじゃあ、ばいばい」

結衣「あ、うん、またね」


結衣「う~ん、やっぱりつまんなかったのかな?」

京子「いや~、あの反応はあれでしょ、うん」

結衣「なんだよ?」

京子「まあ、気になるならラムレーズンでも食べながら話そう!」

結衣「はいはい、うちに来たらあるから」

出かけます、19時までには戻ってくるかと

京子「ラムレーズンうめぇ」

結衣「で、なんだよ? さっき意味深なこと言ってさ」

京子「いやぁ、ずばり私の予想ではね」

京子「花子ちゃん、結衣に惚れてるっしょ」

結衣「は?」

結衣「いやいや、そんなわけないだろ?」

結衣「あの子まだ小学生だし」

京子「初恋なんて、そんくらいの歳じゃない?」

結衣「確かにそうかもだけど……」

結衣「そもそも、花子ちゃんは私に憧れてはいたんだし」

結衣「京子はそれを、恋心と勘違いしただけじゃないの?」

京子「まー恋心じゃないかもしれないけど」

京子「あれは、間違いなく憧れ以上の感情だね」

結衣「何を根拠に?」

京子「買い物のときの、反応を見る限り間違いない!」

結衣「あてにならないなぁ」

京子「私と結衣が仲良くしてたときの反応を見たら、絶対そう思うって」

結衣「そ、そうなんだ……気づかなかったな」

京子「で、どうすんの?」

結衣「どうしよっかな……」

京子「まあ、言っといてなんだけど放っとくってのもありじゃない?」

結衣「そうかな?」

京子「そうそう、ほんとに私の勘違いかもしれないし」

結衣「まあ下手に何か言って、花子ちゃんを傷つけちゃったらな……」

京子「でも逆に、花子ちゃんから何か言ってくるかもだし」

京子「結衣も覚悟しておかないとね」

結衣「うん……そうだな」

京子「ほんと結衣はモテるねえ」

結衣「からかうなよ」

花子「……はぁ」

撫子(今日はえらい落ち込んでるね……何があったのやら)

撫子「花子、どうしたのさ?」

花子「あ、撫子お姉ちゃん……」

撫子「なんか落ち込んでたみたいだけど、何があったの?」

花子「……解んないし」

撫子「解んない?」

花子「なんでこんなもやもやしてるか解んない……」

撫子「ふーん……ねえ花子、今日なにがあったのか教えてごらん」

花子「え、うん」

花子「――ってことがあったし」

撫子「なるほどね」

花子「それから、ずっと胸がもやもやしてるし」

撫子(これってあれか……嫉妬ってやつ?)

撫子「で、花子はその時どう思ったわけ?」

花子「どうって……」

撫子「気持ちはハッキリ言わないと伝わらないって」

花子「でも我が儘言って、結衣お姉ちゃんに嫌われないかし?」

撫子「子どもなんて、我が儘言ってなんぼだよ」

撫子「きっと言ったら、そのもやもやもなくなるさ」

花子「……うん、解ったし」

花子「むむむー……」

櫻子「なに、電話の前で唸ってるのさ?」

花子「なんでもないし。あっちいけし」



櫻子「なんだよー花子のやつ」

撫子「しかし、花子のやつがねえ……」

櫻子「ん、どしたの?」

撫子「いーやなんでも」

撫子「あんたもちょっとはひま子となんかないの?」

櫻子「へ? 何のこと?」

姉妹全員が百合

花子「……ん」

ガチャ ピポパ プルルル プルルル

結衣『はい、もしもし』

花子「あ、結衣お姉ちゃん? 花子だし」

結衣『あ、やっぱり花子ちゃんか。こんな時間にどうしたの?』

花子「えっと、ちょっとお願いがあったんだし」

結衣『お願い? 何かな』

花子「その……花子と一緒にいるときは……その……」

結衣『どうしたの?』

花子「もっと、花子に構って欲しいし……」

結衣『え……』

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       .Ⅷi;:::::::::::::i丶                            i:i:i:i}::::/:i{
        .Ⅷ:i;:::::::::::ト、丶   u     /  ̄   ー‐┐        .ノi:i:}::/:i:i:i{
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花子「今日、お姉ちゃんと一緒にいたけど、寂しかったし……」

花子「我が儘かもしれないけど……お願いだし」

結衣『そっか、寂しかったんだ、ごめんね……』

花子「ううん、お姉ちゃんは悪くないし……花子が我が儘なだけだし」

結衣『うん、いいよ。花子ちゃんといるときは、出来るだけ花子ちゃんと一緒にいるね』

花子「ほんと……?」

結衣『うん、ほんとだよ』

花子「嬉しいし! ありがとうだし!」

結衣『それだけかな?』

花子「あ、えっと」

花子「あ、あとひとつ聞きたいことがあるし」

結衣『ん、なにかな?』

花子「今日一緒にいたお姉ちゃんと、結衣お姉ちゃんってどんな関係だし?」

結衣『え、どんな関係って……』

結衣『幼馴染みだよ。仲いいのも付き合いが長いからね』

花子「そうだったのかし……教えてくれてありがとうだし!」

結衣『ううん、どういたしまして』

花子「遅くにごめんなさい、それじゃあばいばいだし!」

結衣『うん、ばいばい』


ガチャン

結衣「どんな関係、かぁ」

結衣「そういうことを聞くってことは……」

結衣「やっぱり京子の言ったことってあたってるのかな?」

結衣「それとも単なる興味本位だったのか……」

結衣「私はどうするのがいいのかなぁ」

晩ご飯だし

      rfニ、ヽ
      l。 。 f9i
      t≦_ノゝ、            ,,....,,,,__        ,rrテ≡==-、
      `ブ´,,:: -- ::、       ,r''"''''''ヽ:::`ヽ.     (〃彡三ミミ::`ヽ

      ,rニュf::r-‐t::::::::ヽ     f´,,..、 r"::::::::::i      /"~´   i三ミ::::i,
     /,,, Y.. -‐ ヾ::::::::l      ノ゙ f・=  7:::::::::::l.    f:、 ‐-:、 (ミミ:::::::l
      ム゚゙゙' く、'゚`  ゙'"):::l    ヽ''    ゙'⌒リ:ノ    ノ゚ヲ ''・=  リ::r-、リ
     l=,,;;:. l=、  ..::" ,)ヽ、   j⌒    ト'"fノ     l (-、ヽ'"   ゙'´ノ),)
    /`ゝ-''^ヽ''"  ,/: : : :\  ヽ、: : : '" ノ^i,     lィー-、    ノ-イ 
    /rf´ i′  ,f^ヽノ:,. - - 、 ヽ,,. -テ) ,/  `ヽ、   t_゙゙   _,,.. :: "  l、
   ゙'゙  l   l: : j :f´: : : : : ヽ,/   '''"´  ,,.: -  ヽ    `ユ゙"    ,ノ::ゝ、
      !   /: :ノ l: : : : : : : ノ,      ,:'"   ゙ヽ i,.r‐(´::::〉   ,.ィ":::::/::::::
      /-‐-/: :/: l: : : : : : ,/ /     /      ,f´:::,::ヽfト--テ:::::::::ノ:::::::::
. _,,..::-,テ   /`7: :(: : : : : /ヽ/     〃       リ:::,'::::::ゝ!r7/ー一'":::::::::::::
`_,:ィ''"  _,r''" f: : :ト---ヲ /      fノ       /::/::::::://://::::::::::::::::::::::::::::
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、..、く´_,,∠"ィ''"´ /   ,>     /\、   ,ノ:::/::::::://://::::::::::::::::::::::::::::::::
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ーフ´ > ヽ`ー、/    /く _,,..ィ''"゙'  _,,:ィf-:、::::::!::/`゙゙ブ':::::::::::::::::::::::::::::::::::::
/ / ,,ゝヽ, )  ,./ ィ'"   r-‐ ''",.,    ヾ:l:/ f"´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::


―――――――――

京子「で、どうよその後は」

結衣「んー花子ちゃんのこと?」

京子「そうそう」

結衣「別になにも、時々遊んだりはするけど」

京子「なんか発展はないのかよー」

結衣「お前は小学生相手に、何を期待してるんだよ」

京子「だからこそ、結衣がこうリードを……」

結衣「いやいや、ほんとに恋愛感情かどうか解んないんだからさ……」

久々に飯の早い>>1

京子「でも今日も一緒に遊ぶんだろ?」

結衣「あ、うん。私も暇だしね」

京子「よく遊んでるよなー」

結衣「まあ一人暮らしだし、遊びに来てくれるのは嬉しいよ」

京子「遊びに来てあげてる私にはー?」

結衣「はいはい、感謝してるって」

結衣「じゃあ、帰るか」

花子「お邪魔しますし!」

結衣「はい、いらっしゃい」

花子「今日はおみやげがあるし」

結衣「ん、おみやげ?」

花子「お母さんから、いつもお世話になってるから渡しなさいって」

結衣「へー、ありがとう。花子ちゃんのお母さんにもお礼を言っておいてね」

花子「解ったし」

結衣「へー、お菓子の詰め合わせか。嬉しいな」

花子「よいしょっと」

結衣「あれ、花子ちゃん今日はなんか荷物あるね?」

花子「あ、その……結衣お姉ちゃんが良かったら」

結衣「ん?」

花子「今日はお泊りしたいし!」

結衣「ええっ、家の人には言ってるの?」

花子「もちろんだし。さっきのおみやげは、お泊りさせてもらうお礼も兼ねてるし」

結衣「な、なるほど……そのおみやげも、もう開けちゃったしな……」

結衣「じゃあ……今日はよろしくね」

花子「はーい」

結衣「ところで、晩ご飯は食べたいものってあるのかな?」

花子「特に無いけど、でも……」

結衣「でも?」

花子「結衣お姉ちゃんのお手伝いをしたいし!」

結衣「嬉しいけど、花子ちゃんはお客様だし、そんなこと……」

花子「いいんだし! 花子、ちょっとお料理の練習もしたから、やりたいんだし」

結衣「そっか、それじゃあ一緒に作ろうか」

花子「うんっ!」


ジュージュー

花子「どうだし!」

結衣「凄い凄い、上手だね花子ちゃん」

花子「えへへ、家で色々練習したし」

結衣「へー頑張り屋さんなんだね」

花子「そ、それほどでもないし」

結衣「私も負けていられないな」

花子「一緒にお料理するの楽しいし」

結衣「うん、そうだね」

結衣「うん、出来た」

花子「花子の上手く出来てるし?」

結衣「うん、出来てる出来てる。凄いよ花子ちゃん」ナデナデ

花子「あ、あんまり褒められると恥ずかしいし……♪」

結衣「頑張ったんだから、ちゃんと褒めてあげないとね」

結衣「それじゃあ、ご飯にしようか」

花子「いただきますだし!」

結衣「いただきます」

花子「結衣お姉ちゃんのやっぱり美味しいし」

結衣「花子ちゃんのも美味しいよ」

花子「ありがとうだし」

花子「お料理って楽しいし、これから色々やってみたいし」

結衣「うん、それもいいね」

花子「だから今度お姉ちゃんに色々教えて欲しいし」

結衣「え、私? お母さんとかでいいんじゃないかな?」

花子「お姉ちゃんがいいし」

結衣「まあ……機会があれば教えてあげるね」

花子「お願いしますだし」ペコリ

結衣「花子ちゃん、お風呂どうする?」

花子「えっと……い、一緒に入りたいし」

結衣「あれ、花子ちゃんは一人でお風呂に入れないのかなぁ?」

花子「そ、そういうわけじゃないし! せ、せっかくだから、お姉ちゃんと一緒にって……」

結衣「ふふっ、解ってるよ。意地悪いってごめんね」

花子「むー」

結衣「じゃあ、お風呂沸かしてくるから」

結衣「ゆっくりしててね」

花子「はーい」

結衣「花子ちゃん、お風呂沸いたよ。はいろっか」

花子「入るし」


ヌギヌギ

花子「……」ジーッ

結衣「ん? どうしたの花子ちゃん」

花子「胸おっきーし……」

結衣「えっ、あ……そ、そうかな……ははっ」

結衣「で、でも胸の大きさなら古谷さんが……」

花子「ひま姉は別格だから除外だし」

花子「大人って感じがするし……花子も大きくなるかなぁ」

結衣「えっと……花子ちゃんはこれからじゃないかな、うん」

花子「でも撫子おねえちゃんや櫻子のを見てると……」

結衣「あ、あはは……」

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