勇者「さいっこうじゃないかぁ!! 」
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勇者「だってさ、考えてもみろよ」
勇者「俺たちは一応勇者様御一行として旅に出ているのだから、立ち寄った各地でそれなりの支援を受けられる」
勇者「まあ、主に食事や風呂、そして宿といったところだけどな」
勇者「食事については自分の手を汚さずとも美味しいお肉が食べられるし、風呂にはちゃんと石鹸もある」
勇者「寝床にしたって、一人一部屋借りられることが当たり前。狭いテントに押し込められるなんてことは絶対にない」
勇者「ただ」
勇者「これはあくまでも、ある程度開けた街に滞在している時だけの話...なんだよな」
勇者「ということは、つまり...」
勇者「普段は食べ物、特に肉類に関しては血で手を汚さなければ手に入らない」
勇者「水浴びをすることもあるが、正直こびりついたオトコの匂いや血の臭いなんてこれっぽっちも落ちやしない」
勇者「そして、眠りについてなんだが...」
勇者「テント、狭いんです。見張り役が抜けても、3人でツカウのにはちょっとな」
勇者「それでも無理矢理カラダをねじ込んでみたとき、俺は思ったんだよ」
勇者「あゝ、フェロモンむんむんってこういう状態を言うんだなーってさ」
勇者「伝わる体温、感じる吐息、隠しきれないyour smell 」
勇者「汗にまみれた向こうには、まぐわり果てるmy heaven」
勇者「君と逝った夏の夜、星空描く、白い墨」
勇者「まこと、良き旅路にございまする」
勇者「......」
勇者「な訳あるかぼけえええうぇっ、ゲホッ、ゲボぉぉ」
僧侶「勇者様、お気をたしかに」
勇者「...あのさ、僧侶くんよぉ」
僧侶「はい、なんでしょう」
勇者「俺っちはさあ、勇者に選ばれた時にこう思ったんですよ」
勇者「パーティーに加えるのは、魔法使い、戦士、僧侶のかわいこちゃん達に決まりだって」
勇者「もう少し欲を言えば、魔法使いは知的なお姉さん気質のモデル体型、戦士は姉御肌のパツキンねーちゃん、僧侶ちゃんは少し抜けたボインの子が良かったんだよな」
勇者「あ、勿論美人さんであるのが絶対条件ね」
勇者「ところが実際は...」
僧侶「毛むくじゃら巨漢の戦士、助兵衛爺さんの魔法使い、そして知能溢れるイケメン僧侶という面子が揃いましたね」
僧侶「良かったじゃないですか。先程の話によれば勇者様はホモなんでしょう? いろいろと妄想が捗るのではないかと」
勇者「ホモちゃうわ。れっきとしたオンナノコスキーですー」
僧侶「でしょうね。もし同性愛者ならば、女性の前であの様に取り乱すことなど...」
勇者「うっ...」
僧侶「残念でしたね。折角勇者様のご希望通りの方々が集会所に揃っていたというのに、誘えなくて」
勇者「...うっせ」
僧侶「声をかけようかかけまいか悶々となさっていたら、相手の方から声をかけてくださったのに...おお、逃げてしまうとは情けない」
僧侶「ボインの僧侶ちゃん、泣いてましたよ? 勇者様のお役にたてない自分が情けないって」
勇者「あああああああああ、やめてくれえええええええええ」
僧侶「まあ、その後自分の方で慰めて美味しく頂きましたので、勇者様には感謝してますよ」
勇者「おい、てめえぶっ殺すぞおら」
僧侶「まあ、それは冗談として...どうして女性との会話を避けるのでしょうか? そこまで女性を欲しているというのに」
勇者「いや、だってさ。なんか怖いじゃん。底知れなさとかいろいろ」
僧侶「では、身体のみを差し出す遊女と繋がりたいと? 会話もなく、ただピストン運動をしたいだけというのなら、次の街あたりで...」
勇者「嫌だ! 絶対に処女じゃなきゃやだ! 」
僧侶「となると、会話は絶対条件になりますね。そもそも、勇者様が女性との逢瀬以上に望んでいるのがきゃっきゃうふふなラブリートラベルな時点で、面と向かって話せないのは致命的ですよ」
勇者「だよなぁ...はあ、お前みたいな奴が羨ましいよ。楽しく話そうと思えばそう出来て、ヤろうと思えばコロッと落とせるんだから」
僧侶「そうなるまでには、私も随分と失敗を重ねましたからね。これも、剣術や魔法の鍛錬と同じことです」
勇者「まあ、分かるけどさ」
勇者「俺には一生無理だよ」
僧侶「まあまあ、そう言わずに。私の方でも手助け致しますので」
勇者「うーん、じゃあ頑張ってみようかな」
僧侶「その意気ですよ、勇者様」
僧侶「ところで、勇者様。一つお願いがあるのですが」
勇者「ん? なんだよ」
僧侶「自慰行為をなさった後は、しっかりと手を洗ってください。割とにおいますので」
勇者「」
休憩します。
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